2010/12/28 Tue
 2007年の4月に受けた相談事例 特養にショートステイ中の認知症の人が 無断外出し、凍死して発見されたという事件。

 認知症で帰宅願望が強い利用者が、外出してしまったのに長時間気づかなかったにもかかわらず、施設側は「自分で出て行ったので、当方の責任はない」と強弁した。

 「施設な責任は十分に問うことができると思います。まず、関係の記録をすべて施設側に公開させること、行政に提出されている事故報告書も公開さること」をアドバイス。場合によっては、弁護士に依頼して証拠保全も。
 認知症高齢者の無断外出・事故については施設側の責任を明確にした判例もある。
 他県からの相談だが、事故後のあまりにも誠意のない施設の態度は許せない。
 「施設側の対応によっては徹底的にやられたらいかがでしょうか」とアドバイスした。

 そして、介護事故裁判に情熱をもって取り組まれている弁護士さんを紹介した。

 その相談者と昨日 ぱったりお会いした。

 私の顔を見るなり「全面的に勝ちましたよ!」と笑顔。「施設側は控訴しなかったので、勝利判決が確定しました」「報告が遅れてすみません」

 よかった。のひとことである。

 相談者いわく、「田舎の県だから 施設側の保険会社が強気に出れば 家族は泣き寝入りしていたみたい。しかし、私は、こういうネットワークにつながっていた」

 やはり、相談援助のネットワークは大切である。
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Category: 介護事故問題
2010/07/04 Sun
 4年前のこと。

 大阪のある養護学校小学部(現・特別支援学校)に娘を通わせている方から、担任の暴言や障がい児の人権を無視した言動によって、登校できなくなるほどの事態になった、との相談を受けた。

 教育現場でのできごとであり、当方に対応できるメンバーがいなかったことや、相談者自身が、自力で交渉する能力を持った方であったため、福祉・介護オンブズネットとして、直接支援することにはならなかった。

 その代わり学校側との話し合いの場に「第三者」として参加してほしい、との依頼を受けて、あるNPOの理事長を紹介し、関与してもらった。

 最初の2回の話し合いは、うまくいった。
 
 学校側は、
 ①こどもの症状を悪化させ、登校できなくなったことについて同校教員(担任ら)の不適切な言動にその責任が あることを認めた
 ②そのうえで担任の交代などの解決策を示した
  話し合いに立ち会った方は、私に対して「第三者としての役割を果たすことができた」と報告された。  「親も学校側も両方が了解できるものになり、落ち着きました。そして、学校側も父母たちも互いに理性を発揮する方向で進んでいます。」

 ところが、1ヶ月もたたないうちに、学校側の不適切な対応により、そのこどもは緊急入院。

 学校側は、いったん合意したことも翻し、解決に向かうと見られた話し合いは決裂状態に。

 第三者としてかかわった方も「もう限界」と手を引かれた。

 親は、裁判への道を選ばれた。

 裁判では、学校側は、親をクレーマー扱いする主張を繰り返し、いったん認めた責任も、話し合いでの合意もことごとく否定する態度にでたという。

 一審は親が敗訴。

 裁判は二審へ。

 「せめて話し合いの事実を証明したい」との依頼を受けて、私が裁判所に陳述書を出すことになった。

 当時の記録やメールを読み返して、改めて、障がい児教育の大変さとともに、学校側のあまりに不誠実な対応に怒りがわいてくる。

 同時に積極的な支援ができなかったことが悔やまれる。

 
Category: 介護事故問題
2009/08/28 Fri
 5年前に電話で福祉・介護オンブズネットおおさかに相談をいただいた誤嚥・窒息による死亡事故事件。

 老人保健施設にショートステイ中の81歳の母親を介護事故で亡くした女性からの相談であった。体調が悪いにもかかわらず、介護職員の介助で食事を食べさせ、さらに3時のおやつも食べさせたが、その後、心肺停止状態で発見され、救急搬送され、同日死亡。
 搬送先で診断した医師は死因を「窒息」、その原因を「誤嚥」とした。
 搬送先病院では、本人の気管などから大量のゼリー状の内容物が吸引されたことによるが、死体の解剖まではされなかった。

 遺族が、食事やおやつの介助の方法などに問題があったのでは、と思い立ち、施設側に介助にあたった職員との面会を求めても拒否。
 
 施設側の対応は、死亡の原因は「突然死」であり、誤嚥によるものでなく、したがって施設には何の責任もない、という不誠実きわまりないものであった。
 事故の責任を全く認めず、交渉にはじめから代理人(弁護士)をたててくる挑戦的な態度に終始したため、地元の自治体に相談すると、遠く離れたわが福祉・介護オンブズネットおおさかを紹介されたという。
 

 大阪の方でなく、距離が離れていたため、電話とファックスでやり取りをし、こちらの弁護士を通じて相談者の地元の弁護士も紹介した。
 
 母親の亡くなった原因と真実を知りたい、この一念で裁判を決意された。
 
 その後、時おり、電話をいただき、報告を聞かせていただいてきた。

 そして、このほど、地裁判決があったという電話をいただき、判決文をファックスで送っていただいた。

 何と、「敗訴」である。

 こともあろうに、死因について、施設側の主張に便乗し、死亡診断書を書いた医師の「誤嚥・窒息」とした診断を否定したのである。

 これは不当判決を通り越して「異常判決」「非常識判決」というべき判決である。
 鑑定医の鑑定を得たわけでもなく、解剖結果があるわけでもないのに、裁判官は、死因について「誤嚥・窒息」ではない、と決めつけたのである。

 判決文を読むだけで怒りと悲しみに襲われる。
 それと同時に、大阪から遠く離れていたため、相談者と直接お会いもできず、具体的な支援ができなかったことも悔やまれる。

 介護事故裁判は、判例の蓄積が少なく、どうなるかわからないと言われている。しかし、救急搬送先で診断した医師の死因を、裁判官が科学的証拠もなく、否定するとは、いったい裁判所とは何であろうか。
 
Category: 介護事故問題
2008/02/26 Tue
 福祉・介護オンブズネットおおさかでは、はじめて全国の都道府県を対象に「介護事故報告の取扱い基準」の整備状況について調査をおこなった。

 これまで大阪府内の市町村を対象に調査を行ってきたが、さすがは、県庁である
 
 調査に対する回答が早い 
 何の催促もしないのに47都道府県中44県がすでに回答をよこした。未回答は岩手県・香川県、宮崎県の3県のみ。

 毎日新聞が昨年調査したこともあって、各県とも緊張感をもって回答してきている。

 ここまではいいが、
 いまだに介護事故報告の取扱い基準を定めていない県が13県もある。ある県は「決裁中なので猶予していただきたい」と回答してきた。

 それと、市町村に報告された介護事故を県に報告する仕組みとなっている県は10県。「重大事故は報告」という記載があるが、全件報告のシステムとなっているのは、取扱い基準を見る限りでは10県である。

 オンブズネットおおさかでは、さらに、再度全都道府県に、報告・集計されている介護事故件数についての調査を行うことにした。

 これら報告とあわせ、大阪府内全市町村の06年度介護事故報告の集計・分析、死亡事故の分析報告、さらに弁護士の相談事例や法的検討などを内容として、3月20日に「介護事故シンポジウム」を開催する。

 介護報酬改定に向けて、これらのデータと事例に厚生労働省に提言提出や交渉を行うことも検討している。

 介護事故 安心・安全、尊厳の保持された介護サービス実現へ、大阪から発信出来ることは多くある。
Category: 介護事故問題
2007/07/08 Sun
 「最近やたら介護事故の相談が多い」 大阪社保協事務局長のTさんの弁。
 介護事故を積極的に取り扱っているところが少ないせいだろう。

 夕方からある月刊誌の記者がはるばる東京から訪ねて来られた。介護事故問題を中心に、介護現場の問題点について2時間近くお話をする。

 「なぜ、こんなに重要な問題を国はほっとくんでしょうね」何度も記者氏は言われる。

 そう、なぜ、この問題を放置するのか。介護保険がスタートして8年目になるのに、未だに介護事故の全国的な集計も行わないのは、なぜなのか。
 
 報酬、運営基準、人材確保・養成、多くの問題の「影の部分」が介護事故問題である。

 ここから目をそむけず、直視し、実態を抉り出すことこなく、奇麗事では介護は変わらない。
Category: 介護事故問題

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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