2017/02/23 Thu
3割負担、市町村に要介護認定抑制競争押しつけ、問題多い「共生型サービス」
こんな法案は通させるわけにはいかない!
  厚生労働省の法案レクチャーで浮き彫りになった問題点
2月20日午後、大阪社保協の提起で、介護保険法改定法案等についての厚労省の各担当課が説明するレクチャーが行われました。これには中央社保協や各中央団体も出席し、総勢40人規模となりました。また、日本共産党の堀内照文衆議院議員も同席されました。

 家計データも財政効果試算もなしに持ち込まれた「3割負担」
制度開始以降15年間「1割」負担であった利用料が、2015年8月に2割負担が導入され、今回「3割」負担が法案に盛り込まれました。
厚労省は、「国民の意見を聞かないのか」との質問には「国会で議論していただく」としか答えず、さらに、「負担できるかどうか高齢者の家計調査のデータはあるか」との問いには「今回特にありません」と回答しました。さらに「財政効果はいくらか」との問いには「平成30年度予算の段階で精査するので今はない」と答えるなど、負担増を押し付ける法案でありながら根拠となる家計データも財政効果試算さえないものであることが明らかになりました。
質疑の中で「審議会の最終盤で突如3割負担が出てきた。40歳~64歳の保険料の納付方法を変更(加入人数割⇒報酬割)するために、65歳以上の利用者に3割負担を入れたのではないのか」という疑問に対してもまともに答えませんでした。
最終盤にバタバタと入れた3割負担案であるため、その線引き(所得基準)も後になってつじつま合わせに手直しをするなど、非常に乱暴な負担増案です。厚労省は「負担増になる人は3%程度」と強調しましたが、いったん3割負担が入ってしまえば、その「線引き」は政府の手による「政令」で変えることができます。今後国会通過を許さないたたかいが必要です。
65歳問題、矛盾に満ちた厚労省答弁
レクチャーには障害者団体の方も多く参加され、利用者負担問題について質問しました。「障害者自立支援法訴訟での基本合意で、『応益負担(1割)を導入したことについて障害者の尊厳を傷つけた』として謝罪した厚労省が、介護保険で3割負担を入れることについてどう考えるのか」との質問に、厚労省は、「基本合意は守る」としながら、介護保険の負担増については「必要なこと」と答える許しがたい態度を示しました。さらに、今回障害者総合支援法改定で、65歳で介護保険優先原則により1割負担が課せられる障害者に「軽減措置」を取られるが、「なぜ、介護保険の軽減でなく、障害施策からの給付という方法をとるのか」との質問にもまともに答えられず、さらに、介護保険優先原則の根拠について聞かれると「自助・互助・共助・公助の順であり、まずは共助(保険)優先で」などという手前勝手な議論に終始しました。
 市町村に給付削減、要介護認定抑制競争をあおる危険な仕組み
今回の法案名称は「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」となっています。「地域包括ケアシステムの進化・推進」とされている中身は「保険者機能の抜本強化」というものです。
「全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化防止に向けて取り組む仕組みの制度化」として①国から提供されたデータを分析の上、介護保険事業計画を策定。計画に介護予防・重度化防止等の取組内容と目標を記載 ②都道府県による市町村に対する支援事業の創設③財政的インセンティブの付与(実績評価に基づく交付金)というものです。
これについて厚労省は「給付費が高いのが悪くて低いのがいいとは思っていない」「要介護認定率が落ちたかどうかを指標にはしない」としながら、「要介護状態の改善度合い」を指標に入れるとも回答しました。実際、厚労省の法案説明資料には、和光市と大分県の要介護認定率が下がったことが「先進的取り組み」と紹介されています。また、大阪府が、年齢調整後の「一人当たり給付費」「要介護認定率」で全国47都道府県中ワースト1との資料を出し、その原因として「介護事業者が多数存在し、利用者が必要以上にサービスを利用しすぎる側面と、事業者が需要を掘り起こす側面の両面が想定される」などという決めつけを行っていることについて、厚労省の見解を聞くと「大阪府の例は承知している。よく分析されている」などと述べました。
また法案にある新たな交付金(財政的インセンティブ)については、その額も明らかにせず、現在の25%の国負担と別枠かどうかもはっきりしない回答でした。
この「制度化」により、市町村は「自立支援・重度化防止」の目標を決めることを強制され、実績を上げないと交付金がもらえない仕組みが出来上がることになります。市町村をして要介護認定抑制を競わせるような仕組みは「地域包括ケアシステム強化」などと言えるものではありません。
基準・報酬などはすべてこれから検討 新しい介護保険施設「介護医療院」
慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、「日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れ」や「看取り・ターミナル」等の機能と、「生活施設」としての機能を兼ね備えた、新たな介護保険施設として「介護医療院」が法案に介護保険施設として追加されました。その基準や報酬について質問すると、「介護給付費分科会で議論する」としか答えず具体的な内容は示されませんでした。
地域住民の互助すすめる「我が事・丸ごと」地域共生社会
社会福祉法改定も法案には盛り込まれ、市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制作り、福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化などがその内容です。厚労省担当者の説明を聞いても肝心の市町村の体制をどう作るかについてはさっぱり中身が示されず、地域住民の「参加」と「互助」にもっぱら期待する中身でした。
共生型サービスは「介護保険優先原則」の対象となるサービスだけ
介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法において「共生型居宅サービス事業者」に係る特例が新設されました。その対象サービスについて質問すると、厚労省は、障害者が65歳なった場合、介護保険優先となるが①利用者負担問題、②介護保険事業所を変わらなければならないという問題のうち、②の課題を解決するために共生型サービスを位置付けた。「したがって対象となるサービスは介護保険優先原則の適用となるサービスが対象で、ホームヘルプ・デイサービス・ショートステイの3つのみである」と回答しました。しかし、障害児のデイサービスに高齢者が通所することも想定され、「障害サービスと高齢サービスの専門性はどうするのか」との質問には「これから検討する」とに無責任な返答でした。
こんな法案は通させるわけにはいかない!
厚労省は「地域包括ケアシステム強化法」などと呼んでいますが、内容は、地域包括ケアシステムどころか、市町村を給付抑制・要介護認定率抑制競争へと駆り立てる仕組みを導入し、利用者には3割負担を導入し、さらに障害児者サービスとの一本化による質の低下など問題だらけの法案です。こんな法案は通すわけにはいきません。


地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」に関する厚生労働省レクチャー 事前質問項目に対する回答メモ
2017年2月20日 午後2時~4時  衆議院第1議員会館会議室
呼びかけ:大阪社保協、  参加:中央社保協、中央諸団体
同席;堀内照文衆議院議員
厚生労働省の出席者:
老健局総務課企画法令係長・森朝哉
老健局介護保険計画課長補佐・芝真理子
老健局老人保健課療養病床転換係長・佐藤理
老健局振興課基準第二係長・中村光揮
社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室主査・佐藤雅明
障害保健福祉部障害福祉課企画法令係長・眞木伸浩
1. 利用者負担の見直しについて
(1)3割負担とする所得の基準について、「政令で定める額以上」(第49条の2-2)しているが
①利用者の費用負担の実態調査及び広く意見を聞く機会を設ける予定はあるのか
回答)
介護保険が始まった当時は、介護給付3兆円、保険料月2900円だったが、現在は、10兆円、5000円以上になった。介護費用の約2割を高齢者、約3割を40歳~64歳の若い方で負担していただき、残り半分が税負担。今後の高齢化の中でも保険制度として維持していくために高齢者の利用料負担の改定を提起させていただいた。一方で若い方の保険料についても一部保険料が増える方もでる改定を提起している。
厚労省としては、原則1割の応益負担は維持したうえで、ある程度所得のある方に応能負担も一部入れさせていただいて2割・3割の負担を提案した経過があることをご理解いただきたい。
3割の所得基準は「政令で定める」となっているが、国会にはその所得基準(合計所得220万円・年金収入等340万円以上)を示したうえでご議論いただくことになっており、国民のみなさんの意見はまずそこでお聞きしたいと考えている。
社会保障審議会介護保険部会では、「原則2割負担にすべき」「2割負担の範囲を拡大すべき」という意見が、主に若い方の保険料を負担している側から出された。議論の中で「現役並みの所得」の方であれば応能負担を強めることについてはある程度のご理解をいただいたと考えており、それを踏まえてこれから国会で議論していただく。
②政令改定は具体的にいつ頃を想定しているのか
回答)
法案が通れば、負担改定は、平成30年8月に施行なので、政令は平成30年度を予定しているが、もっと早くなるかもしれない。
(2)3割負担とする基準は「合計所得220万円以上」「年金収入だけの場合344万円」(平成28年度全国厚生労働関係部局長会議)としている。しかし、社会保障審議会介護保険部会では、「1人のみの場合383万円」(2016年11月25日)とした資料で説明しており、わずか2か月で収入基準が40万円以上も下がっているが
①審議会資料と法案資料でこのように大幅に収入基準案を変更した理由を明らかにされたい
回答)
社会保障審議会介護保険部会の時は「現役並み所得」ということで医療保険の現役並み所得の基準(課税所得145万円以上かつ年収383万円以上)を紹介させていただいた。介護保険では「合計所得と年金収入と年金収入以外の合計所得」という基準を使っている。この40万円の差は使っている税法上の基準の差である。医療の「課税所得145万円」は合計所得に置き換えると約220万円なので、そこで設定した。これを「年金収入・その他の所得」に換算すると340万円になる。実際上の対象範囲は変えたつもりはない。年金収入だけの場合、383万円と344万円で差があるといわれるかもしれないが、厚生年金では340万円以上の方はごくわずかなので多くの方は年金収入と他の所得との合算で340万円が一般的ではないかと思っている。
②「負担可能」とする根拠は何か、高齢者世帯の収入・支出など家計調査等の根拠資料を示していただきたい
回答)
今回の3割負担の議論では、44400円の負担上限は維持されること、2割負担の時より高い所得層であること、家計は千差万別であることなどから、今回特別に家計のデータは出していない。
③前年所得より当年度の所得が著しく減少している場合などの軽減措置は予定しているか
(回答なし)
④夫婦世帯で、一人が所得220万円以上で、もう一人が無収入である場合や夫婦二人とも多額の介護費用等が発生している人などに対する救済措置は予定しているのか
回答)
2割負担を入れた時に、家族がおられるときは年金収入346万円までかさ上げをさせていただいた。3割負担の時も、1人であれば、年金収入+その他の合計所得で340万円だが、1号被保険者がもう一人おられる場合は、460万円くらいまでかさ上げを考えている。
(3)一定以上の所得の利用者負担を3割にすることについて、「サービスの利用控えが起きる」という懸念があるなど、社会保障審議会介護保険部会でもさまざまな意見がだされている。
①厚生労働省としては「一部の意見」をどのように受け止めているのか
②利用控えが起きることについての厚生労働省の認識とその「対策」についてどのように考えているか
回答)
介護保険部会での議論の中で、受給者の上位3%にあたる方に3割負担を導入することになった。2割負担導入後でも受給者数が大きく減ったというわけではなく、今までと同じ傾向で受給者数は伸びているので、大きな影響はなかったということで今回利用者負担割合の見直しを議論させていただいた。
高額介護サービス費44400円の月額上限は据え置きしているので、3割負担の方も最大の月額上限は維持されるのでご理解いただけるのではないかと考えている。
(4)3割負担の導入に伴って、保険料未納者に対する給付減額措置について新たに「6割」を導入(第69条5)としているが、その理由及び根拠を明らかにされたい
回答)
1割負担・2割負担の方については7割の給付減額を受けることになっていたが、今回3割負担を入れるにあたって、3割の方は7割では給付減額にならないので6割の減額を入れた。1割・2割負担の方は今までどおり7割の給付減額である。
(5)一定以上所得者の高額介護サービス費の限度額見直しについて
①対象となる利用者の人数及び負担増の見込みを具体的に明らかにされたい
回答)
高額介護サービス費の見直し(平成29年度実施)では10億円程度と見込んでいる。
②「3年間の時限措置」として、年間上限額を設定する案を示しているが(平成28年度全国厚生労働関係部局長会議)、1割負担者のみが対象である。年金収入280万円以上の利用者をこれから除外した根拠は何か明らかにされたい
(回答なし)
(6)利用者負担引上げ(3割負担導入・高額介護サービス費の自己負担限度額見直し)で影響を受ける利用者数(居宅、施設別及び要介護度別)と財政影響額について明らかにされたい
回答)
3割負担の影響人数は資料のとおり。
(単位:万人)
在宅サービス 施設・居住系
特養
受給者数(実績) 360 136 56 496
3割負担(推計) 約13 約4 約1 約16
うち負担増 約11 約1 約0.0 約12
(対受給者数) -3% -1% 0.00% -3%
2割負担(実績) 35 10 2 45
1割負担(実績) 325 126 54 451
財政影響は、予算の段階で精査する。3割負担は平成30年度実施なので
その段階で予算は精査されていくものと考えている。
(7)自治体の判断で、利用者負担を据え置く、または 引上げ対象の所得金額を変更するなどの独自の利用者負担軽減措置は可能と考えるが、厚生労働省の見解について明らかにされたい
回答)
自治体独自に様々な独自の補助事業等工夫しているところもあるので、その中でやっていただくことは妨げない。ただ3割負担なるべき人をそのまま2割負担に据え置くというようなことは法的には難しい。
2. 自立支援・重度化防止に向けた保険者機能強化等について
(1)介護予防、軽減・悪化防止、給付費適正化について、市町村が取り組むべき「自立支援等施策」とその「目標」を介護保険事業計画に定める(第117条2項)とされ、市町村は、厚生労働大臣が公表するデータ(第118条の2)を勘案して介護保険事業計画を作成する努力義務(第117条第5項)を課せられた。これら「保険者機能の強化」について
①第117条第2項3号・4号にいう、「被保険者の地域における自立した日常生活の支援、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止及び介護給付等に要する費用の適正化に関し、市町村が取り組むべき施策」と「目標」とは具体的にどのようなものか
回答)
市町村の取り組みの中で、例えばケアプランについて、ケアマネ1人だけでなく、様々な職種の参加を得てケアマネジメントを支援しており、自立支援に効果を上げているところがある。介護予防・重度化防止のために市町村がデータ(給付、施設、認定者数等)に基づく地域課題を分析して、取り組むべき施策や目標を書いていただきたい。具体的には「指針」で定めるがこれは必須記載事項となる。どんなことをどれだけやるということをしっかり計画に書いていただきたい。
②第118条の2で、厚生労働大臣が調査及び分析を行い、その結果を公表するとされている「介護給付等に要する費用の額に関する地域別、年齢別又は要介護認定及び要支援認定別の状況その他」及び「要介護認定及び要支援認定における調査に関する状況その他」とは具体的にどのようなものか
回答)
いろいろなデータを見られるようにしたい。例えば「一人当たり給付費」でも高齢化率を調整したデータ、施設と在宅のバランス、施設の種類なども他の自治体と比較できるようにしたい。要介護認定についても高齢化の影響を除外してどのくらいの数値なのかを見ることができるようにしたい。ただ、給付費が高いから悪くて低いからよいというふうには思っていない。要介護認定率もそうで、市町村ごとに事情があるだろうから、それを分析していただいてよりよいサービスの在り方を考えていただきたい。
③第117条第2項7号にいう、市町村が「実施状況」と「目標の達成状況」の調査・分析、介護保険事業計画の「実績評価」は、どのように行うのか
回答)
何をどれだけやるかという目標については、実際にどれだけやったかを自分たちで評価していただきたいという趣旨である。第7期の計画では実績評価、目標の達成状況も勘案していただきたい。
④第7期介護保険事業計画作成と今般の法改正(2018年4月1日施行)との関係について説明されたい
回答)
前回改正もそうだった、準備行為ということでできると思う。条文規定については後で示す。
(2)自立支援、介護予防、介護給付適正化に関する取組を支援するため交付金(第112条の3)を市町村及び都道府県に交付するとしているが、
①第112条の3にいう、「交付金」は、具体的にどの程度の額を想定しているのか。
②現行の国の負担金、調整交付金との関連はどうなるのか。回答)
交付金は追加のお金なのか現行の20%+5%の中の金なのかについては、介護保険部会の中では、財政中立でやるべきで5%の調整交付金の中でやるべきとの強い意見があったのは事実。一方で、自治体関係からは調整交付金は維持したまま財政的インセンティブは追加財源としてやるべきとの意見も出された。
財政的インセンティブについては平成29年度予算ではないので、あり方・規模感も含めて平成30年度に改めて議論したいと思っている。ただ、法律の条文では調整交付金でなく、新たに交付金を交付するという条文になっているので法律の条文ではその道を開いたと思っている。あとは、平成30年度予算の中で財政的インセンティブをどう付与するかは介護保険部会で両論あった意見も踏まえ考えたいと思っている。
法律の条文で交付金を説明すると国から市町村に出し市町村が使うすものと、国から都道府県に出し都道府県が自分たちの事業に使うものの二つである。都道府県の市町村への支援はお金でなく、取り組み支援(関係団体との調整、研修等)である。
③市町村が厚生労働大臣に報告する「評価結果」とはどのように関連付けられるか。
回答)
インセンティブについては全国的に公平に測ることができる「指標」を考えていく。指標を出せば、「そういうことをやろう」と計画に反映する市町村が出てくるだろう。介護保険部会のなかでもいろいろ意見がでており、プロセス指標だけでなく、アウトカム指標もいれるべきという意見もあった。ただ、「要介護認定率が落ちたかどうか」というような指標だと水際作戦になるのでやめた方がいいという意見もあり、そうならないように「要介護状態の改善度合い」などが考えられるとされており、これから、我々の方で、サービス利用を阻害しないような指標を考えたい。アウトカム指標一本でということは考えておらず、公平に評価できるプロセス指標がいくつかあって、その中にアウトカム指標もあるということをご理解いただきたい。
指標については介護保険事業計画の「指針」の中でお示しするのか、別な形になるのかは議論が必要だが、法律が通れば速やかに準備したい。
3. 介護医療院について
「長期にわたり療養が必要である要介護者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う」施設として「介護医療院」を追加したが、その機能及び基準についてお示しいただきたい
回答)
今後、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、「日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れ」や「看取り・ターミナル」等の機能と、「生活施設」としての機能を兼ね備えた、新たな介護保険施設を創設する。
現在、慢性期の医療介護ニーズを持った方は療養病床に入院され、そこで看取られるかたもいるが、ずっと「病院に住む」というのはあるべき姿なのかという問題がある。しかし、特養はどうなのかというと医療ニーズに応えきれない。そこで、病院と施設の間の受け皿が必要ではないか、住まわれる施設でなおかつ医療もしっかり提供されるというコンセプトが「介護医療院」である。設置根拠として介護保険法にしっかり位置付けた。そのうえで基準等は介護給付費分科会でしっかりと議論していくということだ。
4. 「我が事・丸ごと」地域共生社会の基本コンセプトについて
第一回「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部における趣旨文では、「『地域共生社会』の実現を今後の福祉改革を貫く基本コンセプトに位置づけ、まずは平成29年の介護保険法の法改正…に向けて、部局横断的に幅広く検討を行う」とあるが、今回の介護保険に係る改正法案では、具体的にどこに反映されているのかをお示しいただきたい。
回答)
社会福祉法を改正する。「我が事・丸ごと」の地域福祉推進の理念を規定する。支援を必要とする住民(世帯)が抱える多様で複合的な地域生活課題について、住民や福祉関係者による①把握及び②関係機関との連携等による解決 が図られることを目指すことを追加した
この理念を実現するため、市町村が以下の包括的な支援体制づくりに努める。
一つ目は、地域住民の地域福祉活動への参加を促進するための環境整備
二つ目は、住民に身近な圏域において、分野を超えて地域生活課題について総合的に相談に応じ、関係機関と連絡調整等を行う体制
三つめは、主に市町村圏域において、生活困窮者自立相談支援機関等の関係機関が協働して、複合化した地域生活課題を解決するための体制
つぎに地域福祉計画の充実を図るために、市町村が地域福祉計画を策定するよう努めるとともに、福祉の各分野における共通事項を定め、上位計画として位置づける。都道府県が策定する地域福祉支援計画についても同様の改正を行う。
5. 地域共生社会関係について
介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法において「共生型居宅サービス事業者」に係る特例(介・第72条の2、障・第41条の2、児・第21条の5の17)が新設されたが、
(1)対象となる居宅サービス等は訪問介護、通所介護以外にどのサービスを想定しているか
回答)
高齢者と障害児者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、 介護保険と障害福祉両方の制度に 新たに共生型サービスを位置付ける。指定基準等は、平成30年度介護報酬改定及び障害福祉サービス等報酬改定時に検討する。
平成28年3月に福祉ビジョンをまとめた、現行制度で運用可能なものを取りまとめ明確化した。その次に共生型サービスを位置付けた。障害者が65歳なった場合、介護保険優先となるが課題は2つあり、一つは利用者負担問題、もう一つは事業所を変わらなければならないという問題。この二つめの課題を解決するために共生型サービスを位置付けた。したがって対象となるサービスは介護保険優先原則の適用となるサービスが対象で、ホームヘルプ・デイサービス・ショートステイの3つのみである。
(2)児童福祉法・障害者総合支援法の指定を受けている者から指定の申請があった場合における特例の具体的な内容について現時点の案を説明されたい
(3)介護保険法・児童福祉法・障害者総合支援法の指定を受けている者から指定の
申請があった場合における特例の具体的な内容、基準、および第三回新しい福祉の提供ビジョンPTで示された兼用兼務に係る基準との関係について現時点の案を説明されたい。
回答)
障害福祉サービス事業所等であれば、介護保険事業所の指定も受けやすくする特例を設けたい。その具体的な基準は平成30年度に向けて介護給付費分科会で検討していくことになる。
(4)社会福祉法の改正案 第4条2項において、地域住民等が地域生活課題の把握・解決を図るよう特に留意するものとするという規定が新設され、同法案 第107条で市町村による地域福祉計画の策定が努力義務化されたが、第4条2項と第107条4項の地域福祉に関する活動への住民の参加に関する事項で策定される内容との関係について説明されたい。
回答)
従来から社会福祉法第4条に地域福祉推進、第107条での地域住民の参加に関する事項を地域福祉計画に定める規定があった。今回4条の2項ができたが、どういった課題について対応するのかということを明確にしただけで参加に関する事項そのものは内容を変えるものではない。市町村において体制づくりを進めるうえで地域副計画というツールを活用していただきたいと考えている。
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Category: 介護保険見直し
2017/01/27 Fri
大阪市総合事業4月開始問題で1月26日交渉生活援助型25%単価引下げ
新規要支援者はサービス受けられず、事業所は大幅減収、ヘルパーは賃金ダウン!?
事実認めず居直り答弁繰り返す大阪市

「総がかり行動」として交渉
1月26日、介護保険 新総合事業問題の大阪市交渉(協議)が開かれました。この交渉は、大阪社保協も参加する「介護・福祉総がかり行動(準備会)」が昨年11月25日 「介護の切り捨てアカン!本気の大集会」で多くの団体・個人の賛同で採択した「要請書」に基づき行われたものです。この交渉は、要支援者のホームヘルプサービス(訪問介護)が今年4月から介護保険から外され、大阪市事業(総合事業)に移行することに絞って行われました。
「基準緩和型の訪問サービス」は約8割の事業所が参入見込み
大阪市の「生活援助型訪問サービス」(基準緩和型)は、無資格者にわずか12時間の研修をしただけの従事者に担わせ、事業者への報酬単価は現行の75%に大幅に引き下げるというものです。
交渉では、総合事業への参入請事業者数について、大阪市は「訪問介護事業所は約2000。そのうち 約8割が現行相当(「介護予防型訪問サービス」)の指定を申請した。さらにその内8割が緩和型(「生活援助型訪問サービス」)にも指定申請した」と回答。その計算でいくと約1200事業所が「生活援助型」に参入することが明らかになりました。
    従事者養成は全市で百数十名程度?     「担い手」は確保されず!?
  しかし、その「担い手」を養成する大阪市の「生活援助従事者研修」(昨年12月から今年3月まで10回・延べ400人定員で実施中)は、現時点(4回終了)で160人定員のところ138人受講申込とのことでした。さらにその中で「就労中又は就労予定等」は40%位とのことでせいぜい百数十人程度しか「新たな担い手」が養成できないことが明らかになりました。
これでは、参入事業所1200に対し、ほとんど「研修受講者」は回ってこず、大半の事業所は人材が確保できず、現有の有資格ヘルパーで対応せざるを得ません。
 
「サービス提供しなくてもよい」(大阪市答弁) これでは新規要支援者はヘルパー難民続出?!
   私たちの「有資格ヘルパーがサービス提供して報酬だけ下がり事業所はやっていけない」との追及に対し、大阪市は「生活援助型の指定を受けても、運営基準からサービス提供拒否禁止を削っているので、提供するかどうかは事業所判断だ」と答えました。
大阪市の言い方では、「人材が確保できなければ、サービス提供は拒否してもよい」ということになってしまいます。総合事業が始まる4月以降に新たな要支援者がヘルパー派遣を希望しても生活援助型を提供する事業所が見つからない、というヘルパー難民を生み出すことになりかねません。ところが大阪市は「そういう事態は想定していない」、「当方としては400人養成する予定でありそれで対応できると考えている」の一点張りでした。今年4月時点で1200事業所が参入するのに、従事者研修受講者で実際の「担い手」はどう計算してもその10分の1程度しか確保できる見込みしかありません。大阪市の答弁では新規の要支援認定者は1年間で5000人程度、その内約半数がサービスを利用し、ヘルパー利用は6割程度としても、1年間で千数百人の新規利用希望者が発生します。小学生の算数レベルの問題であるにも関わらず、何の根拠もなく、「対応できるはず」と強弁する無責任な態度は許せません。
「専門職の処遇悪化招かないように」との厚労省の注意も無視
事業所が現有の有資格ヘルパーで生活援助型サービスを提供しても報酬は25%も下がり、事業所の収入が減少することについては、大阪市は「そのとおり」と認めました。厚労省は昨年10月の事務連絡で、「専門職が下げられたた単価によるサービスを担う場合…最終的には介護専門職の処遇悪化に繋がる」と注意喚起していることにも「ヘルパー資格者で提供するかどうかは事業所判断」と責任転嫁をする答弁に終始しました。
 このままではヘルパー難民、事業所減収、ヘルパー賃下げ
さらに、「総合事業開始時に生活援助型の指定事業所で研修受講者が採用され実際にサービス提供できる事業所の一覧表は作るのか」と聞いても「それは予定していない。何らかのものは必要だと思うが」という無責任な回答でした。
私たちは、「新たな担い手も確保せず、要支援者にサービス提供拒否による利用困難を招き、事業所には減収、ヘルパーには賃下げをもたらすだけの生活援助型サービスは撤回し、現行単価によるサービス提供をできるようにせよ」と求めましたが、大阪市側は「ご要望として承ります」としか答えませんでした。
 
「サービス利用に係る対象者振分け基準」―大半の新規利用者は生活援助型しか利用できない
  大阪市の「訪問型サービス利用対象者振分け基準」では、新規利用者で、現行相当サービス(介護予防型訪問サービス)を利用できるのは主治医意見書で ①認知症高齢者自立度Ⅱ以上、②障がい高齢者自立度B以上など、要支援者ではきわめて少ない状態像を示しています(大阪社保協調査では10数%)。これでは、4月以降、新規の要支援者のほとんどは、現行ヘルパーサービス(介護予防型訪問サービス)は利用できなくなります。
「根拠」答えない大阪市。厚労省担当者も「おかしい」
これについて「根拠は何か」と質問しても、「地域包括支援センター管理者会世話人会(6人)の意見で決めた」というだけの無責任な返答でした。さらに厚生労働省老健局振興課の担当者が、昨年12月5日の交渉の際に大阪市の振り分け基準は「要支援者でない状態像となっておりスキームとしておかしい」と述べていることについてもまともな反論はありませんでした。
総合事業開始前からの利用者は現行サービスが継続利用は可能
ただ、総合事業開始前からのヘルパー利用者でも認定更新の時に「振り分けられるのではないか」との懸念については、大阪市は「要支援状態が継続しサービス利用が継続する限り未来永劫、現行サービスは利用できる。このことはQ&Aではっきり書く」と回答しました。  
振分け基準問題は担当部署出席し再度交渉
交渉の中で大阪市側の答弁者(高齢福祉課・在宅サービス担当課長代理)が「私の部署は案を作っただけで決定と運用は別な部署なので答えられない」と言いだしたため、「担当部署の責任者が出席する交渉を開き直せ」と求め、再度日程調整して再交渉することになりました。
 
 
 
 
 
Category: 介護保険見直し
2017/01/11 Wed
軽度者切捨て先送りの到達点を踏まえ、3割負担・生活援助切り下げを阻止するために全力をあげよう

新たな局面を迎えた介護保険見直し~軽度者切捨てなど改悪を押し返した共同と世論の力
2018年度介護保険見直しが新た局面を迎えました。2016年12月9日の社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度に関する見直し意見」(以下「見直し意見」)では、当初の政府・財務省主導案の改悪案 ①「要介護2以下の軽度者保険外し・市町村事業化」②「生活援助・福祉用具自費化」③「2割負担の対象拡大」のいずれも先送りとなりました。2018年度実施に向けた改悪の動きを一定押しとどめ、全面的な「軽度者切捨て」を許さなかったのは、私たちのたたかいをはじめ、介護関係者や自治体関係者など広範な人々の反対の取り組みと世論の力によるものです。
とくに、この中で、介護事業経営者、介護労働者、利用者・家族といった介護関係者の立場を超えた団体が「介護保険制度改悪反対」の一致点で共同した動きが生まれ、2016年11月には「守ろう!介護保険制度・市民の会」による「秋の大集会」(東京)、「介護総がかり行動準備会」による「介護の切り捨てアカン!本気の大集会」(大阪)が開催されたことは、特筆すべきことです。
生活援助切り下げ、3割負担導入など改悪の動き
しかし、社会保障審議会介護保険部会の「見直し意見」では、①現役並み所得の利用者への「3割負担導入」と一般世帯の負担上限額引き上げ ②生活援助の基準・報酬切り下げ、福祉用具貸与費に上限額設定 ③第2号保険料への「総報酬割」導入と協会健保への国庫補助削減など、新たな負担増と介護サービス切り下げ案を示し、法改定と2018年度報酬改定に向けた具体的検討に入ろうとしています。さらに要介護2以下の軽度者サービスの市町村事業化については、2017年度に移行する要支援者のホームヘルプ・デイサービスの移行状況を「検証」してから検討とされており、軽度者の「保険外し」の策動は執拗に狙われています。
一方で、深刻な人材確保困難となっている介護労働者の処遇改善問題について、政府厚生労働省は2016年12月19日の社会保障審議会介護給付費分科会「審議報告」では、わずか1万円相当を昇給制度などを要件に介護報酬の「処遇改善加算」に2017年度から上乗せするという方向を示しました。公費による賃金改善を否定し、報酬の枠内で、しかもサービス業など「競合産業との賃金格差是正」にとどまるというおよそ改善の名に値しないような中身です。
さらに、安倍内閣はアベノミクスの一環として、日本経済再生本部の下に「新たな成長戦略の司令塔」として設置した「未来投資会議」において、医療・介護を新たな成長分野の一つと位置付け、「『できないことをお世話する介護』から、望む限り回復させる『自立支援』型介護にするパラダイムシフトを起こす」(2016年11月10日安倍総理発言)との方向性を示しました。塩崎厚生労働大臣は、ビッグデータを活用する医療介護のICTインフラを2020年度からの本格稼働、介護データベースの抜本的見直し、AIやIOT等の技術革新を報酬体系に組み込む方針を表明しています。
介護保険制度の「見直し意見」でも、保険者(市町村)に対し「データに基づく地域分析」「要介護状態の改善度合い等の指標に従い実績を評価」とそれに基づく「財政的インセンティブの付与」を推進するとしています。これらは自治体を「自立支援」(=要介護認定率の低減)へと財政誘導する新たな仕組みの構築をめざすものです。介護現場にも「ロボット・ICTに係る介護報酬や人員・設備基準の見直し」などを生産性向上の名のもとに進めようとしています。
これらは、今後の介護保険制度改悪が、軽度者切捨て・負担増に加え、成長戦略の一環として「自立支援型介護」の名のもとに、「介護」そのものを変質させかねない危険な内容を持っています。
2017年が正念場 ~対政府・国会と自治体での運動
「3割負担」導入など介護保険法改定を必要とするものは、1月20日から始まる通常国会での法案提出が大きな争点となります。ほかの改悪内容は、多くが2018年度報酬改定、第7期(2018~2020年度)介護保険事業計画開始に向けた検討となります。
また、要介護2以下をターゲットとする「軽度者保険外し」も、2017年度に移行完了する要支援1.2の訪問介護等の総合事業化の「検証」が決定的な影響を与えることから、全国の市町村での総合事業の在り方が今後を左右することになります。
当面の運動課題
当面して、①対政府・国会に向けた「3割負担」導入など負担増反対を中心とした運動の構築が急務であり、医療の負担増問題と合わせ、国民的なたたかいを呼びかける必要があります。さらに、②厚労省の社保審介護給付費分科会での介護報酬・運営基準改定に向けた検討が開始されることから、生活援助や福祉用具問題を中心とした介護関係者の取り組みも早急に具体化する必要があります。また、③自治体では、今年度の総合事業移行完了問題と、第7期介護保険事業計画に向けた保険者機能問題などが今年1年間の課題・争点となります。
立場を超えた「総がかり」の共同行動を全国各地で
これまでにない負担増と介護切り捨ては、介護保険制度の根本的変質をもたらし、国家的な「介護保険料詐欺」とまで言われる事態を引き起こしています。今や、立場が違っても他の問題での意見が異る団体でも「介護保険改悪反対」では一致した行動が可能です。これはこの間の東京や大阪での共同行動での教訓です。
全国各地で、介護にかかわるすべての人びと、そして高齢者や障害者、家族、地域住民を視野に入れた、介護と老後の安心を守る「総がかり」の共同行動を作り出そうではありませんか。

Category: 介護保険見直し
2016/12/01 Thu
12月1日、「介護福祉総がかり行動」は、大阪市に対し、新総合事業の緩和型サービス撤回を要請しました。


2016年12月1日
大阪市長  吉村 洋文  様
介護・福祉総がかり行動(準備会)
呼びかけ団体:大阪社会保障推進協議会・
安心できる介護を!懇談会ほか
 
「大阪市 介護予防・日常生活支援総合事業」についての要請
 
1.基準緩和型の訪問サービスは撤回すること
大阪市の「生活援助型訪問サービス」(基準緩和型)は、事業者への報酬は現行の75%に大幅に削減し、無資格者にわずか12時間の研修をしただけの従事者に担わせるという無謀な内容です。しかも、大阪市が実施する養成研修では全市でわずか400人の受講者しか予定されていません。これでは事業者は現在のヘルパーによってサービス提供しながら報酬だけが大幅に下がることになってしまいます。大阪市は報酬単価75%の算出根拠として、「訪問介護事業所の生活援助の時給が1300円、家事代行サービスでは950円の求人情報をもとに計算した」と説明しています。しかし、事業所関係者からは「時給1500円で募集しても応募がない。ましてや950円では来ない」という指摘や「家事代行サービスの対象者は要支援者でなく一般の人。これと同じ水準でヘルパーの仕事と役割を論じるのは論外」との声も出されています。
人材確保困難は、資格がネックになっているわけでなく、賃金労働条件が悪いことにあります。無資格にして低賃金にすればますます人材は来なくなります。
以上の理由から「基準緩和型」については撤回すべきと考えます。
 
2 サービス利用に係る対象者振分け基準は撤回すること
大阪市が事業者に説明している「訪問型サービス利用対象者振分け基準」では、現行相当サービスを利用できる対象者は、主治医意見書で ①認知症高齢者自立度Ⅱ以上、②障がい高齢者自立度B以上など、要支援者ではきわめて少ない状態像を示しています(大阪社保協調査では10数%)。これでは、新規利用者はほとんど「緩和型」に振分けられてしまい、ヘルパーが「見守り的援助」や「ともに行う家事」など身体介護に相当するサービスを提供しても緩和型しか算定できなくなります。
要支援者に必要なサービスが提供できなくなる「振分け基準」は撤回し、利用者のサービス利用選択権とケアマネジャーの裁量を尊重すべきです。
Category: 介護保険見直し
2016/11/26 Sat
11月25日夜、エルおおさか南館大ホールで「介護の切り捨てアカン!本気の大集会」が開かれ250人以上が参加しました。あらゆる立場を超えて「介護の切り捨てに反対する」一点で共同した「介護総がかり行動」の第一歩です。


共同アピール
[介護の切り捨てと負担増を中止し、安心できる介護を実現するため共同の輪を広げよう]
 
介護保険制度が重大な局面を迎えています。
2015年から始まった要支援者サービスの一部保険外し・市町村事業化、2割負担の一部導入に続き、次期介護保険改定に向け、さらなる軽度者サービス切捨てと利用者負担増が検討されています。
昨年から狙われていた方向は、①要介護1.2までの生活援助サービスと福祉用具等を自己負担化(一部補助) ②要介護1.2までの通所介護(デイサービス)などを市町村事業へ移す ③74歳までは利用者負担を原則2割に引き上げる―というものでした。そして政府の「改革工程表」では、2016年末までに結論、2017年通常国会に法案提出となっています。
もし、この方向での「改革」が推し進められれば、要介護認定者600万人の約65%の人びとが介護保険給付の対象から外され、それ以外の人も大幅な負担増を押し付けられることになります。まさに、「保険料あって介護なし」であり、「国家的詐欺」というべき事態です。
この「改革方向」に対し、多くの国民から反対の声が沸き起こり、多くの地方議会も意見書を採択しています。こうした中で、厚生労働省は最近、要介護1・2の人の生活援助サービス等を保険給付から外す方針について今回は見送ることを表明しました。
しかし、一方で、軽度者に対する負担増と生活援助サービスの基準・報酬の大幅切り下げを検討しています。
さらに、来年度移行が完成する要支援1,2のホームヘルプ・デイサービスの市町村事業化は、多くの市町村で無資格・低価格サービスへの移行や事業者への大幅な報酬切り下げが行われようとしています。また、深刻な人材不足に陥っている介護従事者の処遇改善は国をあげての課題となっています。
「高い保険料だけ取ってサービス切捨てと負担増は許せない」「安心できる介護を実現したい」。あらゆる立場の違いを超えて共通の願いが広がっています。
私たちは、以上の立場から次のことを政府と自治体に強く求めます。
1 生活援助サービス、福祉用具等の切り捨てを行わないこと
2 利用者負担の引き上げを行わないこと
3 介護従事者の賃金・労働条件を国庫負担で改善すること
Category: 介護保険見直し

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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