2015/12/16 Wed
介護保険の申請にマイナンバー(個人番号)が必要と、さんざん言いながら、 12月15日付け厚労省事務連絡で、①本人がわからない場合は介護保険申請書にマイナンバー(個人番号)を書かなくてもよい ②個人番号は市町村職員が住民基本台帳等で検索して書き込んでよい ③認知症の人などは個人番号を記載せず受け付ける ことが可能となった。
マイナンバー制度による介護現場の混乱の前に厚生労働省が一定の「柔軟性」を示した格好だ。しかし、もともと、個人番号を付けるのは住民票のある市町村長であり、住民基本台帳にはすでに個人番号は書かれており、介護保険担当課の職員はそれを見ることができるわけだから、申請する側が手間をかけて申請書に個人番号を書く必要などさらさらないはずである。

さらに自治体レベルで柔軟な対応をさせることで、マイナンバー制度を空洞化させていくことができないだろうか。


いくつかのポイントを考えてみた。
【申請書を出す側】
①本人が個人番号通知カードを受け取っていない、またはなくしても、不都合なことはない。「わからなければ書かなくてもよい」からである。むしろ、通知カードなど受け取っていなければわからないままである。ましてや写真付き個人番号カードなど、絶対に交付申請しないことである。
②委任による申請や申請代行の場合でも、無理に個人番号を書かず、「本人がわからないので書けない」と窓口で言って受けと取らせることである。
③認知症など意思表示能力の低下している人の申請書は個人番号を書かずに受け取ることとなったので、これはその扱いを窓口で徹底させる。

【市町村側】
申請書を受け取り事務処理を行う市町村側のポイントは
①申請受付の際に一律には個人番号記載を求めない。書いてなくても受つけるというスタンスに立つ
②当面まったく活用しないマイナンバー制度なので個人番号が未記載でも事務をすすめる
③個人番号未記載ならば特定個人情報ではないで、受け付けの際の「厳格な本人確認」も、保管の際の「安全管理措置」も対象とならず従来の申請書の扱いで可となる。記載せずにいたほうが事務負担がかからない
④情報ネットワークが稼働した後でもマイナンバー制度で個人番号検索を行うのはほんのわずかなので、個人番号記載は「本当に必要な人」だけの扱いにできないか検討する

法令上、かなりの規制が伴うが、なんとか市町村の現場から、柔軟・臨機応変策を積み重ねて、マイナンバー制度の弊害を少しでも減らし、制度そのものを掘り崩していくことにチャレンジしてみてはどうか。

【解説】
厚生労働省令の規定により、形式的には2016年1月からは介護保険の各種申請書等には今番号の記載が必要になった。申請書に個人番号が記載されれば、「特定個人情報」となり、番号法等では、厳格な「本人確認措置」が必須になり、①個人番号の正確性(個人番号記載の通知カード等との突合確認 ②身元確認(面前にいる人が本人であることを免許証等で確認)が求められることになる。これだけでも、申請する住民も受け付ける市町村担当課職員は新たな手間が発生する。市町村ではその申請書の保管・提供・廃棄に至るすべての過程でガイドラインによる安全管理措置が求められ事務負担が続くことになる。
しかし、申請書に個人番号が記載されたところで、それによるメリットは介護保険ではほとんどないのが実態である。また、2016年1月からマイナンバー制度は始まるが、情報連携できるネットワークシステムが稼働するのは2017年7月以降であり、それまでは、個人番号の利活用は一切できない。また、市町村では、住民基本台帳等で個人番号の確認が可能であり、申請書に記載が無くても何ら困ることはない。
2015年12月15日の厚生労働省事務連絡では、原則として個人番号の記載を求めるとしながら、「個人番号がわからず申請書等への個人番号の記載が難しい場合等には、市町村の住民基本台帳又は住民基本台帳ネットワーク等を用いて当該申請者の個人番号を検索し、職員が記載して差し支えない」とした。また、認知症等の人の場合は、「意思表示能力が著しく低下しており、代理権の授与が困難である場合等には、申請書に個人番号を記載せずに受け付けること」と一定の「配慮」を示した。

こうした「配慮」も活用しながら、市町村レベルでは、さらに以下のような対応をさせることを提言する。
①申請書等の受付の際には柔軟な対応を行い、番号記入、番号確認、本人確認を一律にしないようにする。
②受付後も申請書類のマイナンバー確認と記載事務も一律に行わず、記載していなくても通常の事務手続きを行うようにする。介護保険事務にとって当面マイナンバーのメリットがゼロで、無理に個人番号記載を求めても負担とトラブルしかならないことを考慮すべきである。また、個人番号の記載がなければ、申請受付の際の一連の確認措置も不要であり、受け付けた書類も「特定個人情報」ではないので通常の個人情報として管理ができ、事務負担は増えない。
③情報連携が始まる2017年7月以降でも、必要なもの(転入者・2号被保険者等でマイナンバー制度の情報連携の対象となる申請・届出)に限定して番号記載を求める扱いとする。これは市町村の介護保険事務の中で情報連携によるメリットがあるものだけマイナンバー制度を活用するという効率的対応である。

参考 厚生労働省12・15事務連絡(抜粋)
6.個人番号導入に伴う配慮について
(1)申請書受付時の配慮
介護保険給付の申請書等に個人番号を記載することは、法令に基づく義務であるため、基本的には、申請等を行う者(以下「申請者等」という。)に申請書等への個人番号の記載を求めることとなるが、申請者等が高齢であることにも鑑み、申請受付時等の対応については、以下のとおりとすること。
○ 各種申請については、原則として個人番号の記載を求めることとなるが、その際、申請者が自身の個人番号がわからず申請書等への個人番号の記載が難しい場合等には、市町村の住民基本台帳又は住民基本台帳ネットワーク等を用いて当該申請者の個人番号を検索し、職員が記載して差し支えないこと。
○ 同一の給付の2回目以降の申請等の際には、保険者において初回の申請により当該申請者の個人番号を既に保有していると確認できる場合には、申請窓口において個人番号の記載を求めないこととしても差し支えないこと。
○ 高額介護サービス費の支給等について、申請書の記載内容の工夫などにより実質的な申請は初回時のみで足りるようにしている場合において、番号制度の施行以前に既に初回時の申請が行われている者については、改めて番号の記載された申請書の提出を求める必要はないこと。
○ 住民基本台帳法第22 条から第24 条、第25 条、第30 条の46 又は第30 条の47 の規定による届出を介護保険法第12 条第1項の規定による届出があったものとみなすときは、市町村の住民基本台帳又は住民基本台帳ネットワークを用いて当該申請者の個人番号を検索し、職員が記載して差し支えないこと。
(2)本人確認の措置における配慮
個人番号を利用する事務において、本人から個人番号の提供を受けるときは、個人番号が正しいこと(番号確認)や、現に手続きを行っている者が当該個人番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)を行わなければならない。
① 本人による申請の場合
本人が自ら申請を行う場合、保険者等で申請書を受け付ける際等に、(ア)本人の番号、(イ)本人の身元の2つを確認する必要がある。それぞれの場面で必要となる書類は下記のとおりである。(別添1参照)
(ア) 番号確認
本人の個人番号カード、本人の通知カード、本人の個人番号が記載された住民票の写し等によって行われる。これらが困難な場合は、保険者等において、地方公共団体情報システム機構(住民基本台帳ネットワーク)への確認や、住民基本台帳の確認等によって番号確認をすることが可能である。
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(イ) 身元確認
本人の身元確認は、
(ⅰ)個人番号カード
(ⅱ)運転免許証 等
(ⅲ)官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、写真の表示等の措置が施され、個人番号利用事務実施者が適当と認めるもの((a)氏名、(b)生年月日又は住所が記載されているもの)などによって確認することとなる。これらによる確認が困難な場合には、公的医療保険の被保険者証、年金手帳など所定の書類を2つ以上提出させることにより確認する。(介護保険被保険者証と負担割合証等)
② 代理人による申請の場合
代理人が申請を行う場合、保険者等で申請書を受け付ける際等に、(ア)代理権、(イ)代理人の身元、(ウ)本人の番号の3つを確認する必要がある。
それぞれの場面で必要となる書類は下記のとおりである。(別添1参照)
(ア) 代理権の確認
代理権の確認は、法定代理人の場合は、戸籍謄本その他その資格を証明する書類、任意代理人の場合は委任状によって行われるが、これらが困難な場合は、本人の介護保険被保険者証など官公署等から本人に対し一に限り発行・発給された書類その他の保険者が適当と認める書類で確認することとなる。
(イ) 代理人の身元確認
代理人の身元確認は、
(ⅰ)代理人の個人番号カード、運転免許証 等
(ⅱ)官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、写真の表示等の措置が施され、保険者が適当と認めるもの((a)氏名、(b)生年月日又は住所が記載されているもの)(居宅介護支援専門員証等)などによって確認することとなる。これらによる確認が困難な場合には、公的医療保険の被保険者証、年金手帳など所定の書類を2つ以上提出させることにより確認する。
(ウ) 本人の番号確認
本人の番号確認は、原則として、本人の個人番号カード(又は写し)、本人の通知カード(又は写し)、本人の個人番号が記載された住民票の写し等によって行われるが、これが困難な場合は、保険者等において、地方公共団体情報システム機構(住民基本台帳ネットワーク)への確認や、住民基本台帳の確認等によって確認することが可能である。
③ ①②以外の場合
ア 代理権の授与が困難な被保険者に係る申請を行う場合
本人が認知症等で意思表示能力が著しく低下しており、代理権の授与が困難である場合等には、申請書に個人番号を記載せずに受け付けること。
イ 代理権のない使者による申請の場合
本人の代わりに使者が申請書の提出を行っただけに過ぎない場合は、個人番号が使者に見えないよう、申請書を封筒に入れて提出する等の措置を行わせること。また、この場合、使者が利用者本人に代わって申請書等に個人番号を記載することはできないこと。
また、提出を受け付ける際は、本人から郵送により個人番号の提供を受ける場合と同様の本人確認措置を行うこと。
(3)留意事項
郵送による提出の場合は、本人確認のための書類は、写しにより申請を受け付けて差し支えないこと。


【参考】
マイナンバー 内閣府 内閣官房 地方公共団体向けFAQコーナー
Q1-8 窓口で申請者が個人番号の記載を拒否している場合、どうすれば良いですか。本人の同意なしに住基端末から個人番号を取得しても良いですか?
A1-8 申請書などに個人番号を記載することが各制度における法的な義務であることを説明し、記載していただくようにしてください。それでも記載を拒否された場合は、番号法第14条第2項に基づき地方公共団体情報システム機構から個人番号を含む機構保存本人確認情報の提供を受けることはできますが、あくまで、住民基本台帳法別表に規定する事務として住基端末を利用する必要があります。なお、申請書などに個人番号が記載されてない時点では、個人番号の提供を受ける場合に該当しないため、番号法第16条の本人確認措置の義務は生じないこととなります。(2014年7月更新)
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2015/12/16 Wed
来年1月からマイナンバー制度開始というのに、12月15日にやっと厚労省のマイナンバー関係の事務連絡がでた。10月中に出す予定としていたものが1か月半遅れ。遅い!のひとことに尽きる。

 介護保険最新情報VOL.506 H27.12.15 「介護保険分野等における番号制度の導入について(依頼)」
(事務連絡)介護事業者等において個人番号を利用する事務について(依頼)



この事務連絡でやっと明確になったことが二つ。

ひとつは、介護保険申請で「必要」とされたマイナンバー(個人番号)も記載は、必ず書かなくてはならないというものではないことを厚労省が認めたことである。
厚生労働省事務連絡では、原則として個人番号の記載を求めるとしながら、「個人番号がわからず申請書等への個人番号の記載が難しい場合等には、市町村の住民基本台帳又は住民基本台帳ネットワーク等を用いて当該申請者の個人番号を検索し、職員が記載して差し支えない」としている。また、認知症等の人の場合は、「意思表示能力が著しく低下しており、代理権の授与が困難である場合等には、申請書に個人番号を記載せずに受け付けること」と一定の「配慮」を示している。
無理に書かなくても、わからない場合は、自治体職員が調べて書くというわけである。認知症等の方の場合は書いてなくても受け付けると明言したわけである。

もうひとつは、介護保険の指定事業所・施設、ケアマネジャーなどは、マイナンバーを収集・保管できる「個人番号関係事務実施者」でないことを明確にしたことである。
介護保険の申請等の当事者は、高齢者がほとんどで、要介護状態にある人や認知症の人も少なくない。介護保険では、マイナンバーを自分で適切に管理することや申請書に書くことができない高齢者の援助をどうするかが最大の問題となってきた。
マイナンバー制度では、個人番号を利用する行政機関(個人番号利用事務実施者)を民間がその収集事務を負担する(個人番号関係事務実施者)という仕組みをとっている。このため、介護保険の指定事業所や施設、ケアマネジャーなどにその役割を負わせようとする動きが一部にあった。また、事業所側も日常的に申請代行をしており、マイナンバー制度では事業所従業員の個人番号の収集を個人番号関係事務実施者として行っている事情もあって、顧客である利用者の個人番号まで収集する動きもあった。しかし、番号法では、同法に規定されるもの以外の特定個人情報(他人の個人番号を含むもの)の収集・保管を禁止している(番号法第20条)。個人番号利用事務実施者(行政機関等)と個人番号関係事務実施者(民間企業等で番号法で規定されたもの)以外は、個人番号の収集も保管もできない。
混乱の最大の責任は、介護保険事業所等が個人番号関係事務実施者にあたるかどうかを直前(2015年12月15日)まで明らかにしてこなかった厚生労働省にある。
厚生労働省は、12・15事務連絡では、本人の委任を超える範囲で個人番号を取り扱うことは認められないとし、介護保険事業所は、被保険者の個人番号関係事務実施者ではないことをようやく明確にした。

厚生労働省12・15事務連絡(介護関係団体あて)抜粋
Q2 事業者において、従業員のマイナンバーを取り扱うのと利用者のマイナンバーを取り扱うのとでは、違いがあるのですか?
A2 違いがあります。従業員のマイナンバーを取り扱う場合(従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する等)、事業者は番号法上の「個人番号関係事務実施者」にあたり、その業務の範囲等も法令上定められているものとなります。
一方、利用者の個人番号の取り扱いについては、介護保険法第27 条第1項に基づく要介護認定申請の代行申請を行う場合等も、利用者やその家族との合意に基づいて行われるものとなります。
Q5 マイナンバー(個人番号)を使って、従業員や顧客の情報を管理することはできますか?
A5 マイナンバーは、法律や条例で定められた社会保障、税、災害対策の手続き以外で利用することはできません。これらの手続きに必要な場合を除き、民間事業者が従業員や顧客などにマイナンバーの提供を求めたり、マイナンバーを含む個人情報を収集し、保管したりすることもできません。
法律や条例で定められた手続き以外の事務でも、個人番号カードを身分証明書として顧客の本人確認を行うことができますが、その場合は、個人番号カードの裏面に記載されたマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることはできません


厚生労働省12・15事務連絡(都道府県・政令指定都市あて)抜粋
問3 居宅介護支援事業者の職員や施設職員などが申請代行を行う場合、これらの者が被保険者の個人番号を知り得ることになるが、個人番号の漏洩や悪用を防ぐためにどのような方策があるのか。
(答)
事業所が、本人の委任を受け、マイナンバーを記載事項に含む申請書の代理申請を行うことは可能。この場合、代理人は代理権の範囲内(申請行為の授権のみ)で業務を行っているに過ぎないため、これを超える範囲で個人番号を取り扱うことは認められないことについて周知する(平成27 年12 月15日事務連絡)。
たとえば、本人の委任の範囲を超えて、申請時に視認したマイナンバーを控えて事業所にストックしておくことや、それを利用して保険者に資格確認を行うことなどは許されず、違反をした場合、特定個人情報保護委員会の措置命令やそれに背いた場合の罰則の対象となる可能性もある。

これを踏まえて、介護事業所、ケアマネジャーは、利用者(介護保険被保険者)の個人番号については、「収集も保管もできない」ことを前提に対応を行うべきと考える。

介護事業所・ケアマネジャーへのアドバイス

①申請代行の際は、無理に申請書の番号欄を埋めようとしないことです。空欄で出すことになっても仕方がない、と割り切ることです。

②申請書に本人(家族)が記入できるのであれば、極力本人等に番号部分を書いてもらい、不必要に通知カードを扱わないようにすることが大切です。
③委任を受けて申請書に個人番号を書いて申請代行は可能ですが、番号の記録・常時保管はできないことを徹底し、終わったら廃棄するようにします(個人番号記載の申請書のコピーはしない。必要な場合は個人番号欄をマスキングしてコピーする)。
④とくにこんな場合は、申請書に記入することはやめましょう。
・本人または家族が開示を拒む場合は、無理に説得する責任も必要も事業所にはありません。
・本人が認知症で通知カードが行方不明の場合は、個人番号を書くこと自体ができません。
・本人が認知症で後見人も身寄りもない場合は、委任の意思表示を受けられないので、勝手に個人番号を書くことはできません。
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2015/12/12 Sat
「マイナンバー」(社会保障・税番号制度)の施行は、2016年1月1日。あと2週間あまりに迫り、年末を考えればほとんど対応できる日にちがない。
厚労省は、9月29日に、省令改正等で介護保険の申請・届出書にマイナンバー(個人番号)を記載が義務化されることを通知した。そして、老健局長通知では、介護保険におけるマイナンバーに取り扱いについて、 「取扱留意事項は10月中をめどに事務連絡として発出する予定」と明記していた。

ところが、10月中はおろか、11月中も出されず、ついに12月中旬になってしまった。

私が12月2日に厚労省に問い合わせたときの対応。
介護保険におけるマイナンバー取扱い留意事項の事務連絡、「いつ出すのか?」厚労省老健局介護保険計画課に電話で聞いた。
「各方面の調整などで時間がかかり遅くなって申し訳ありません」
→それでいったい何時出るのか?
「出来ており上の確認を得ているので近日中には出せます」
→2~3日中には出るのか?
「時期は言えませんが近日中には出せます。」

12月8日にも同じ回答。
「マイナンバー、悩む介護現場 個人番号管理方法は/書類コピー禁止? 国のルール作りに遅れ」(北海道新聞)という状態である。

マイナンバー法(番号法)では、番号法規定された者以外は、マイナンバーを取得・収集・保管することを禁止している。ケアマネジャーや介護事業者は、介護保険の利用者の申請代行を日常的に行っている。その申請書には、マイナンバー記載が義務付けられた。認知症や重度の要介護状態で自分のマイナンバーを書けない場合はどうるのか。
マイナンバー法では、民間企業などは従業員のマイナンバーをとりまとめ税務署などに提出することを認め「個人番号関係事務実施者」としている。
利用者(顧客)の個人番号はそのようには扱えないはずである。しかし、厚労省はこの肝心な点すら、現時点では明らかにしていないのである。
まさに、現場はさまざまな憶測が飛び大混乱である。

さらに、マイナンバーが記載された申請書を受け取る自治体側は「個人番号利用事務実施者」となるが、「番号確認」「本人確認」を介護保険でどうするのか、また、番号記載がない申請書をどう扱うのか、といった基本的なことさえ厚労省から示されていない。

住民や介護事業者からの問い合わせに「まだ厚労省から指示が来ていないので答えられません」としか言わない無為無策状態である。

まさに、無責任厚労省と無為無策自治体で介護現場は大混乱である。

そうした中で、ごく一部の自治体で見るに見かねて、独自の通知を行うところが出てきた。

東京都葛飾区では10月26日に、介護保険課長通知を出し、明快な指示を行った。
「当面、貴事業所や介護現場等での申請等で、被保険者からマイナンバー情報の収集・保管及び申請書類等へのマイナンバーの記入は必要としないことといたします。」
さらに11月19日付けの介護保険課長事連絡では
Q 被保険者が失念や通知カードの紛失等により、申請書類等へのマイナンバーの記載が困難な場合は、申請書類を受け取ってはいけないのか。
A 事業所や介護現場においては、申請書類等へのマイナンバーの記入を指導した上でも、なお、本人等が申請書類等にマイナンバーを記入することが困難な場合は、マイナンバーが未記入であっても受け取ったうえ、介護保険課に速やかに提出してください。本人確認は、介護保険課で行います。

Q 被保険者から、マイナンバーが記載された申請書類等を受け取った場合でも、情報の収集にあたるのか。
A 事業者が申請書類等などに記載されたマイナンバーの提示を受けただけでは「収集」には当たらないとされています。事業所においてマイナンバーが記載された申請書等を受け取ったときは、速やかに提出していただき、手元にマイナンバーを残さないようにしてください。


そして、12月7日には 長野市が次のような連絡を行った。
「平成28年1月1日から、介護保険施行規則に基づく各種申請事項に、個人番号の記載欄が追加されることとされ、長野市においても、介護保険施行規則に係る各種申請書に個人番号記載欄を追加します。現時点では、厚生労働省から介護保険事務に関する留意点が発出されておらず、個人番号の取扱いについて厚生労働省に照会したところ、「個人番号の記載が無いことを理由に申請書の受理を拒んではならない。」ということを確認いたしました。介護保険の各種申請につきましては、個人番号の記載をお願いすることになりますが、当分の間、個人番号の記載が無い場合でも現状と同じ事務取扱いといたします。」(長野市介護保険課発行「長野市介護保険フレッシュ情報Vol.389)



名古屋市は、12月8日の事業者説明会資料で、マイナンバーの取り扱いについて次のように記載した資料を配布した。
3 介護保険におけるマイナンバーの取り扱いについて
マイナンバーは、被保険者にかかる各種届出・申請の都度、本人が記載する事項

介護保険事業者は被保険者のマイナンバーを収集・保管してはならない!


ケアマネや介護事業所・施設は、番号法上の「個人番号関係事務実施者」(法2条13項)に当たるかどうかを、厚生労働省は明確にしていないが、葛飾区や名古屋市のこの指導は、個人番号関係事務実施者でないことを前提にしたものである。

2016年1月から介護保険の申請書類等にマイナンバーを記載しても、情報提供ネットワークシステムが稼働するのはその1年半後の2017年7月以降である。それまでは、マイナンバー記載などまったく無用である。マイナンバーが氏名住所等と一緒に記載された申請書類は、「特定個人情報」として、その収集や保管には、厳しい規制がかかり、自治体側の事務負担も膨大なものになる。

柔軟で現実的な対応をすることが求められる。そしてマイナンバー制度そのものの実施延期ことが最も円滑な解決策であろう。
Category: 時局争論
2015/09/25 Fri
「戦争法」(安保法制)が、国会で強行可決された日に、出された日本労働弁護団会長声明がすばらしい!

堺市の生んだ偉大な女流歌人 与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」を引用して自衛官に切々と訴えている。

全文引用させていただきながら、本当に自衛官の家族がこんな気持ちになるような海外派兵・武力行使が起きることのないよう願う。
戦争法廃止!



自衛隊員の皆さんへ呼び掛けます「君死にたまふことなかれ」




自衛隊員の皆さんへ呼び掛けます「君死にたまふことなかれ」
2015年9月19日
日本労働弁護団   
会長  鵜飼良昭

 本日成立した安保法制は違憲の法律であると共に、その実働者となる自衛隊員の人権を一顧だにしないものです。
 私たちは、9月12日、15日、「自衛隊員と家族・恋人のための緊急相談」を実施しました。そこには、多数の家族・恋人の方から相談が寄せられましたが、その内容は、与謝野晶子の「君死にたまふこと勿れ」(注)と同じ切実な思いでした。
 私たちは、自衛隊員の皆さんに、①「新たな法律により追加された外国のための防衛出動命令」が発せられたときにはこの命令に服従するとの同意書や誓約書等の提出を求められても、これを提出しないこと、及び、②「新たな法律により追加された外国のための防衛出動命令」が発せられても、これには従わないことを訴えます。
 同意書や誓約書等の提出を拒否し、外国のための防衛出動を拒否する皆さんの選択は、正しいものであり、皆さん方の家族、恋人と共に、私たちは、皆さんの選択を全力で守ります。

 皆さんは、任官に際して宣誓をされています。また、少なくない皆さんは海外で任務を遂行することへの同意書を既に提出されています。
 皆様方の災害における献身的な働き、また、我が国に万一のことがあり日本国民の生命が危険にさらされるときに身を挺して働くとの決意には敬意を表します。

 しかし、今回の法律により新たに追加された外国のための防衛出動は集団的自衛権の行使によるものであり、皆様方がすでにされている国民を守るとの宣誓や平和維持活動のための海外任務についての同意とは質が異なるものです。
 皆様方は外国のための防衛出動命令に応じる義務はありません。
 米軍と共同した集団的自衛権の行使は、いかなる理由があるにしても、先制攻撃であり、皆様方が決意されている、日本が攻撃をされ日本国民の生命を守るために皆様がやむにやまれず出撃される場合とは大きく異なります。

 さらに、この法案は日本国民の多数が、日弁連が、憲法学者のほとんどが、歴代の法制局長官が、元最高裁長官まで、違憲と断じている法案です。成立したとしても、この法案に基づく行動は、違憲と評価される可能性が高いものです。そればかりか、この法案にしたがった行動を取ることは、今まで専守防衛に徹することで築かれてきた、日本の国際社会における「平和国家」としての地位を壊す、日本の「国益」に反することでもあります。

 新たな法律で追加された外国のための防衛出動で、あなたの命を危険にさらすべきではありません。
「君死にたまふこと勿れ」
 私たちは心の底から訴えます。

(注)与謝野晶子(1878~1942)の1904年の詩。日露戦争の旅順戦に従軍していた弟を嘆いて詠んだもの。以下、全文を記載する。
 君死にたまふこと勿れ
(旅順口包囲軍の中に在る弟を歎きて)

あゝをとうとよ君を泣く
君死にたまふことなかれ
末に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとをしへしや
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや

堺(さかひ)の街のあきびとの
舊家(きうか)をほこるあるじにて
親の名を継ぐ君なれば
君死にたまふことなかれ
旅順の城はほろぶとも
ほろびずとても何事か
君知るべきやあきびとの
家のおきてに無かりけり

君死にたまふことなかれ
すめらみことは戦ひに
おほみづからは出でまさね
かたみに人の血を流し
獣(けもの)の道に死ねよとは
死ぬるを人のほまれとは
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ

あゝをとうとよ戦ひに
君死にたまふことなかれ
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは
なげきの中にいたましく
わが子を召され家を守(も)り
安(やす)しと聞ける大御代も
母のしら髪(が)はまさりけり

暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にひづま)を
君わするるや思へるや
十月(とつき)も添はでわかれたる
少女(をとめ)ごころを思ひみよ
この世ひとりの君ならで
あゝまた誰をたのむべき
君死にたまふことなかれ
──「明星」明治三十七年九月号──
Category: 時局争論
2015/09/17 Thu
9月16日朝、寝ぼけ眼である参議院議員のFBを見ていると
戦争法案(安保法案)が、今日午後の地方公聴会(横浜)をやった後国会に帰ってきて、参院特別委員会を再開し安倍総理出世デモ「締めくくり」の総括質疑をやって「採決」という。
とんでもないことだ。
今日は一日休暇で午前は和歌山で日本高齢者大会参加予定。昼から新幹線で東京へ駆けつけることにした。帰りは夜行バスで帰れば明日の仕事に間に合う。
ということで、切符の手配をネットで完了。

第29回日本高齢者大会in和歌山に参加。記念講演の安齋育郎先生のお話に平和への勇気と確信をいただく。


正午に日本高齢者大会を飛び出して、特急くろしお号で新大阪へ。そし新幹線で東京へ。


やっと国会前にも着くと何十台という警察のカマボコ車(装甲車)が道を塞いでいた。


続々と人が集まって、国会前は大群衆に取り巻かれる。「廃案!」のコールがひびく。




歩道を塞いでいた警察の鉄のバリケードはみんなの手で撤去され車道は半分解放された。


国会議事堂正面で「採決反対!」「安倍辞めろ!」コールが鳴り響き、降りしきる雨にも負けずがんばりぬく。

学生諸君のコールは激しく、力強く

夜10時近くまで東京にいましたが、夜行高速バスの時刻があり、途中で戦線離脱して帰阪しました。
このデモは朝まで続き、この夜はついに特別委員会反対再開されなかった。






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プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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