2006/09/29 Fri
大阪社保協の介護保険対策委員会メンバーで、大阪府の事業者指導課と懇談を行った。
 介護タクシー(通院等乗降介助)への家族同乗制限について、その根拠を尋ねると、大阪府は「家族が同乗するならば、その家族が乗車・降車の介助ができるので、介護報酬の算定は出来ない」との回答。「ただし、家族が介助できない場合、例えば、家族自身が高齢者で介助困難とか利用者が体重が重く女性の家族で乗降介助できないような場合は算定できる」と説明。
 ちょっと待てよ。堺市では、昨年8月に介護保険課長通知を出しているが、「家族の介助力」など全く問題にしていない。家族同乗可の場合は利用者本人が「意思伝達が困難」(要するに医師に症状を伝えられない)か「行動障害など乗車中の安全が保てない」場合のみである。大阪府は「家族の介助力」で判断し、堺市は「本人の意思伝達能力」で判断する、全く考え方が違うでないか。大阪府の担当者いわく「その市は府の考え方と違いますね」と平然と言う。
 こんなことになるのは、大阪府が、通院等乗降介助の算定に際し「家族同乗の基準」について、一切文書を示さず、口頭でのみ制限しているからだ。他府県では全く問題にしていないところも多い。私たちは「制限するならばその根拠や基準を府として文書に示せ」と求めたが「検討します」と回答。

 もう一つ。居宅介護支援事業所の「特定事業所集中減算」の扱いである。「紹介率最高法人の利用率が90%を超えた場合」の「正当な理由」に「サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合」というのがあるが、これは何でも通るわけでない。先日、厚生労働省の担当者と会った際には「もし本当にサービスの質が高いのであればその地域のケアプランはどこもそうなるはずであり、根拠なく『利用者希望勘案』という理由は正当とは認められない。そのことは府にもはっきり言ってある」と明言されていた。
 ところが、大阪府は「事業所が不当な誘導をしているということが明らかにならない限り認める」「他県では認めていないところもあるが大阪府はちがう」と、事実上フリーパスで「利用者希望理由」を正当と認める回答だった。そもそも、この減算措置は、ケアマネジメントの中立公正を担保するのが趣旨であるが、府の説明からはその趣旨を理解しているとは到底言えない。要するに厚生労働省の言うことなど無視ということだ。
 
 10月からの軽度者への福祉用具貸与制限についても同様である。車いすについては主治医意見、サービス担当者会議、ケアマネ判断の3つで「日常生活範囲の移動に支援が必要」と判断されれば、利用可であり、主治医意見は、大阪府は「診断書などでなくてもケアマネの支援経過記録でOK」としている。ところが、和泉市では、1件ごとに市に「確認申請書」を提出させ、確認決定をしたり、ある市では「週5日以上外出の実績」がないと認めないなどより厳しいローカルルールで利用を制限している。このことも大阪府は知らなかった。「保険者の判断だ」と放置する気なのだろうか。
 
 利用者や事業者にさまざまな制限や制約を持ち込みながら、国、府、市で言うことがまったくちがう。なんと無責任で支離滅裂な制度運営か。そのしわ寄せは介護サービス利用者に来るのだ。
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Category: 介護保険見直し
2006/09/27 Wed
京都から、マイケアプラン研究会の佐竹先生が訪ねてこられた。介護保険が始まる前から地道に積み重ねられてきた京都の研究会。自己作成への熱い思いがひしひしと伝わってきた。ごく短時間のお話であったが、「これこそマイケアプラン」と呼ぶべき内容であった。とくに自己作成を実践されている利用者の方の生き生きとした姿にはとても感銘した。

 ところで、明日(28日)吹田市内で開かれる自己作成ケアプランの学習会の講師に招かれている。そこで、吹田市の介護保険課に自己作成ケアプランの取扱いについて質問の電話をかけてみた。吹田市内で学習会があることも告げてきいたが、返事はガッカリするものだった。まず、これまで自己作成はゼロであることを誇らしげに言う。「介護保険は好き勝手に使えるわけでなく、ケアマネジャーという専門家がいるので、まずそこに相談するよう話をする。やむを得ない事情がある場合は対応するが今までなかった」と。ただ、実務的には利用票・同別表を提出するだけでよい、とのことだ。予防給付についてはどうか、と聞くと「予防給付は直営の地域包括支援センターがあるから自己作成はありえない」とにべなく突き放した返事。この職員は今年6月の厚生労働省の見解を知らないのか。
 いずれにしてもこの石頭を直していくことが第一歩である。
Category: 未分類
2006/09/23 Sat
 昨日(22日)は介護保険料に怒る一揆の会の世話人会。裁判後のたたかいをどうするかが主なテーマ。議論はさまざま。高齢者の負担増への怒りをどう、発展させるか、どうしたら組織できるか、大きな大きなテーマだが、話し合ううちに、「介護保険料値下げの直接請求運動をやったらどうか」ということになった。
 不服審査請求が個々の介護保険料賦課決定処分に対する抵抗なら、書く自治体議会が決めた介護保険料条例に対し、主権者が直接請求してこれの変更をもとめる、これも一揆の形態でなかろうか。有権者の50分の1の署名を期限内の集める必要があり、選管の審査もあり、署名は受任者でないと集められないなど、多くのハードルはあるが、地域で多数の高齢者の声を集めるには絶好の手段ではないか。
 条件のある自治体で来年の春までにやってみよう。「一揆」運動の新たな発展である。
Category: 介護保険料
2006/09/21 Thu
すばらしい!画期的。いくらほめてもほめたりない。日の丸君が代強制反対訴訟の東京地裁判決。思想・信条の自由は憲法上の保護に値するとして、東京都の日の丸君が代強制通達を憲法19条違反とした判決は、当然といえば当然だが、タイミングが実にいい。教育基本法改悪に血道をあげる阿倍政権の誕生に冷や水をかけた。日の丸君が代のついて判決は、明治時代以降、第2次世界大戦の終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたという「歴史的事実」も明記した。「法制化」されたとしてもこの歴史は消せない。日本の裁判所も捨てたものではない。
Category: 時局争論
2006/09/18 Mon
 昨日(9月17日)は、大阪社保協主催の「第2回地域包括支援センター交流・懇談会」。講師は厚生労働省の近畿厚生局・介護サービス指導官の西田さん。この3月までは本省で介護保険見直しや報酬改定を担当したいたという。
 話は、介護保険見直しについて、厚生労働省の担当者は考えていた理念と制度化の過程でのギャップ、とくに「永田町からの風」という政治的圧力などさまざまな内部事情を取り混ぜ、非常に面白かった。公務で講師を努めながらここまで厚生労働省を批判して大丈夫か、とこちら側が思うほどの内容だった。
 終わった後、天神橋筋商店街で、西田さんを囲んで懇親会を行ったが、厚生労働省で8年にわたって介護保険の創設や見直しにかかわってきた人の思いがひしひしと伝わってくるようであった。厚生労働省をこき下ろしながらも「私は内部から変えて見せる」と断言するあたりは、国の制度をつくり動かしてきた中央省庁の職員の自負であろう。私のような木っ端役人とは次元が違うが、共感するところ多である。
Category: 介護保険見直し
2006/09/16 Sat
広島民医連の介護事業所職員研修会に招かれた。久しぶりに広島市の路面電車に乗って、これまた久しぶりに県立体育館に行った。学生時代に何度も原水爆禁止世界大会に参加した場所である。建て替わってすっかりようすが変わっている。
 広島市は41箇所の地域包括支援センターがあり、その全てが委託である。大半は特養などの社会福祉法人とのことだが、地域包括支援センターの所長さんも研修会に参加されていた。新予防給付プラン委託のケアマネ1人8件制限が半年間延期になった替わりに9月中に人員確保計画を各市町村が作成することになったため、広島市は、市内の地域包括支援センターに人員配置計画を出すように指示している。その内容たるや来年3月までの新予防給付プラン予測数とそれによる報酬の推計金額を市が試算したものを送りつけ、報酬額に相当する人員を確保するように求めただけのものだ。
 1人で何人の利用者を担当するのか、という基準はおろか、一切の配置基準を示さないまま、報酬はこれくらいになるはずだからそれに見合った人を確保しなさい、というお粗末なものだ。こんなものは人員配置計画とは言えない。基準を定めず、わずか4000円の報酬で介護予防プランを作れという国も悪いが、何も考えずにその報酬分の人員を確保すればそれでよし、とする自治体も同罪である。すべてのしわ寄せは利用者にいくことになる。
Category: 介護保険見直し
2006/09/15 Fri
今日は泉大津市民会館で、「介護保険料 近田裁判終結集会」が開かれた。4年にわたる裁判。年金3万4千円の収入だけで1人暮らす近田さんを原告に闘ったこの裁判の意義は計り知れない。人口7万人ほどの泉大津市だが、この集会には66人が集まった。泉大津市は第3期介護保険料は大阪府内の市では最も安く抑えた。一方減免基準は大阪府内でトップクラスである。近田裁判を支える会に結集した高齢者の運動が自治体を動かした結果である。
 集会の最後に近田さんが「支援のお礼」を述べた。「介護保険料はやらずぼったくりの制度」「こんなものが社会保障といえるのか」。「77年生きてきて身体も暮らしも安らいでいくのが社会保障ではないでしょうか」「私はこれからもこの判決を許さずみなさんと闘って行きます」
近田さんの堂々たる発言に会場は拍手の包まれた。
 福井宥さん、酒井ひとみさん、近田二美子さんの3人が原告となった大阪の介護保険料違憲訴訟だが、福井さん03年に亡くなられ、酒井さんもこの7月にこの世を去られた 近田さん最後まで本当にご苦労さま。元気でたたかいながら長生きしてください。
Category: 介護保険料
2006/09/14 Thu
 昨日、出版社(三五館)から本を送ってきた。題名は「払いません。」 その名のとおり、高速道路通行料、NHK受信料、交通違反反則金、国民年金、国民健康保険料、サラ金の金利、敷金、介護保険料、源泉徴収税の九つについて、不当性を告発し、支払い拒否を訴えるという内容だ。私も介護保険料の章を担当した。ご承知のとおり、介護保険料一揆は不払い運動ではなく、不服審査請求と裁判闘争なので、若干趣旨は違うが収奪への民衆の怒りはある程度共有できている。この本は今後いろいろな意味で物議をかもすだろう。書店へは来週以降とのことだ。
Category: 介護保険料
2006/09/13 Wed
 どんどん出てくる県庁裏金。連日マスコミをにぎわす岐阜県庁裏金事件。こともあろうに裏金の一部が県職員組合の金庫に保管されたり、活動資金に流用されたり。岐阜県出身の私としては怒りを通り越して悔しい限りである。
 そこで、嬉しいお知らせを岐阜県民ネットの寺町さんからもらった。

岐阜県の裏金事件、
「市民オンブズマン・ぎふ」(代表/弁護士・安藤友人。事務局/弁護士・山田秀樹)と
「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」(事務局/寺町知正) は、
共同して住民監査請求をすることになりました。
昨日、11日に公表しました。

◆あなたもどうぞ。岐阜県裏金・過去20年分返還、退職金返還などの住民監査請求運動
http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/e/6bfb93c90987b6dd5e5d2596dfa53bbf

幅広くつのるために、署名感覚で「住民監査請求人」を募ります。
 実際の提出本番は9月29日(金)にしますので、28日までに集約します。

目標は1000人
趣旨・求める措置は以下のよう。

 1.過去20年分の裏金の全額の返還(含む利息)(約50億円超)
 2.当該期間の監査委員に支給した給与・報酬・手当等の全額の返還(年間合計約2千万円)
 3.梶原前知事の退職金全額(4期分1億8千万円)の返還
 4.以上3項につき知事等権限ある者の怠る事実の是正
 5.個別外部監査の求め

お知らせとお願いまで
(転送転載、大歓迎)

寺町知正
http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/
http://gifu.kenmin.net
tera-t@ktroad.ne.jp
Category: 時局争論
2006/09/12 Tue
 自己作成ケアプランでやりたかったらこれ全部書いて出してください。合計14枚の書類。神奈川県藤沢市の話だそうである。
 7日に放映されたNHK総合「クローズアップ現代」の介護保険法改正の波紋」である。
 番組内容は・・・・
 4月の法改正から5ヶ月、介護保険改正の問題点が明らかになってきた。利用者400万人の4割を占める「要支援1~2」の高齢者が、サービスを受けられないケースが相次いでいるのだ。原因は、これまで保険適用に欠かせない"ケアプラン"の作成を引き受けてきたケアマネージャーが、担当人数を制限された上、軽度の人については報酬額を大幅に引き下げられたため、プラン作りを敬遠しだしたことにある。受け皿として期待される"地域包括支援センター"も人員が限られ、パンク状態。国は、高齢者自身がケアプランを作成するのをサポートする方針を打ち出したが、手続きが煩雑なため、戸惑いが広がっている。 という番組であるが、そこで紹介された藤沢市では自己作成者に14枚もの書類を義務つけたという。
 こんなのは役所の嫌がらせにしかすぎない。厚生労働省の6月19日日付けの通知によるものだが、「事前の内容確認」「評価」を市町村に義務つけたためである。
 しかし、高齢者が到底作成できないような「自己作成」は本末転倒だ。自己作成は要は、「利用者の責任と判断」が何よりも大切であり、役所は給付管理ができればいい訳だから、提出書類は「利用票」「利用票別表」のみでこと足りる。「内容確認」「評価」は、役所の担当者がヒアリングすればよいことである。
 自己作成というなら、高齢者が作成できる書類で!
Category: 介護保険見直し
2006/09/10 Sun
 今日午後は河内長野市社保協第6回総会の学習会にお招きいただいた。参加者の多くは高齢者。介護保険料問題を中心にお話をさせていただいた。参加者の中には、堺市で部長職をされていたという私の先輩も。「はじめて介護保険料の通知がきたが、年間6万円以上で高い。ワシは年金300万円ほどで多い方だが、これで200万円程度の年金なら食うていけん」と不満たらたら。 
 河内長野市は、第2期は介護保険料改定を見送り、今回の第3期は35%の大幅引上げだが、大阪府内41保険者の中で33位、月額4,227円と低い方である。しかし、それでも高齢者の怒りはスゴイ。初めて集団不服審査請求を8月に行ったが、今日も学習会終了後に不服審査請求の書き込みを行っていた。33位でも高いもんは高いんや。ナットクである。
Category: 介護保険料
2006/09/09 Sat
9月7日~9日の3日間、函館市で開かれた「第34回中央社会保障学校」に行ってきた。私は2日目の介護分科会の講師。
 いくつか感動したこと。1日目の講師団と中央社保協の2次会で、山口二郎・北海道大学大学院教授が、インターナショナルを熱唱されこと。氏は民主党などにも近いといわれていたが、はっきりと護憲・革新の側に立たれたということか。
 2日目の自分の講義の終わった後の午後、オプショナルツアーで函館山要塞跡を見学したこと。日露戦争時代の遺物であるか戦争と自然について大いに考えさせられた。
 3日目の渡辺治・一橋大学大学教授の改憲問題の講演は、構造改革路線と憲法改定策動の関係がよく分かった。あと、フリージャーナリストの斉藤貴男氏の格差社会論も興味深かった。
 あっという間に過ぎた3日間。講師という役割をほんの少し、受講者として参加したが久しぶりに色々学ぶことができた。
 飛行機で関空に夕方ついて、大阪の暑さに思わずムッとなる。夜は西地域在宅ケアを考える会の例会。障害者自立支援法について報告を聞いた後、自己作成ケアプラン問題について話し合う。7日夜放映されたNHKクローズアップ現代の「介護保険改正の波紋」についてある参加者は「自己作成言うてもあんな14枚も書類は年寄りは書けん!」と怒っていた。
Category: 社会保障問題
2006/09/06 Wed
あまりにもばかばかしい大騒ぎ。秋篠宮の男児誕生で1日この国はお祝い報道がヘドがでるほど垂れ流された。天皇家に「世継」出現で昨年あれほど取りざたされた女帝論議も吹っ飛んだ。
 出産した病院のVIPルームは1日4万5千円、新生児のために宮内庁は公費で秋篠宮家に専任看護師3人を配置するという。国民の苦しみなどそっちのけの厚遇。
 情けないのはそうした報道に無批判で追随しお祝いムードに流される国民。職場の50歳代の女性職員などは仕事もそっちのけで号外片手に「男のお子様でよかってですね」とおしゃべり。
 21世紀の日本、このような愚かな皇室制度はいつまで続くのだろう。
Category: 天皇問題
2006/09/04 Mon
 恥ずかしい話だが、私はパワーポイントというものをこれまで使いこなしたことがなかった。今日、初めて中央社会保障学校の講義用の資料をパワーポイントで作ってみた。ソフトは以前からインストールしてあったが、使い方が分からないので「500円で分かる」という本を買ってきてみようみまねで2時間ほどでできた。
 なんのことはない、ホームページビルダーと似たようなものだ。こんなに簡単だったらもっと早く使えばよかった。
Category: 雑感・雑記

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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