2008/01/31 Thu
 「勝利判決ですよ!」
 弁護士から電話が入る。

 今日(1月31日)は、不正介護報酬返還請求住民訴訟の地裁判決。

 「主文 被告は、社会福祉法人啓真会に対し、1億0158万7576円を堺市に支払うよう請求せよ」

 勝利判決である。

 2000年に介護保険事業所(訪問介護や通所介護)を指定申請したが、管理者は実は幼稚園の事務長であり、常勤として勤務していなかった。

 判決はこの点について、被告堺市の言い訳をことごとく退け、「啓真会が不正の手段によって本件各指定を受けた」と判断し、介護保険法の規定により「偽りその他不正の手段により支払いを受けた」ものにあたるとし、介護報酬全額返還請求を命じる判決である。

 裁判では、こともあろうに大阪府の事業者指導課長と堺市の介護保険課長が、この不正について「不正ではない」とし、法人側をかばう陳述書を提出していた。

 裁判所はこれらの主張をことごとく退けた。

 堺市と大阪府がとるべき道は

 判決に従い1億円の介護報酬を返還させること
 不正の手段で指定を受けた啓真会の各事業所の指定を取り消すこと
 行政の中にあって啓真会をかばい続けた課長らを処分すること

 
スポンサーサイト
2008/01/30 Wed
 5年前から堺市で制度化された「介護保険料徴収員」。滞納者の介護保険料を取立て訪問するのが仕事。
 身分は「短期臨時職員」であるため地方公務員法により、1年以上の連続雇用ができない。
 
 時給は大阪府最低賃金以下。徴収した介護保険料の1割が歩合給になる。
 被服等はまったく支給なし。
 そんな中でも徴収員はよくがんばった。滞納の高齢者の不満や怒りを一身に受けながら、コツコツと徴収。年間数千万円に上る。

 地方公務員法の1年以上継続雇用不可の規定があるので
 最初の年は1日開けて再雇用した。次の年はアルバイト労組も結成した交渉したが、2ヶ月の「任用待機期間」をあければ再度雇用することになり、これを繰り返してきた。

 ところが、当局が昨年夏、「来年度から新制度にする。現在の徴収員は全員更新しない」と言い出した。
 交渉の末、今年3月末までの再雇用を公募の上、行った。

 そして昨年11月、新制度案なるものを示した。
 内容は、一言で言えば、徴収員は1年で全員入れ替えるというもの。

  職場に報告すると
 「アホちゃう。経験と信頼関係が第一の仕事なのに毎年人を入れ替えれば徴収額が落ちるに決まってる」と声。

 当局のある部長などは、「徴収額は下がると思う。しかしこのやり方でいきたい」と交渉の場でしゃあしゃあという。

 何が滞納対策、収納強化だ。要するに現在の徴収員のクビを切りたいだけである。
 ある課長などは、「再度働きたければ、1年間どこかで働きなさい。1年後にまた応募してもらったらいい」とまで言い放つ。

 1月末で自己退職すれば、2ヶ月の待機期間があくので4月からの採用に応募してもいい、という。

 徴収員たちは苦悩の選択。任期一杯の3月末まで働けば後はない。1月末で退職すれば4月採用に応募できるが、採用の確約はない。何よりも徴収を約束している市民や職場に迷惑がかかる。

 「いったい誰がこんなこと言い出したんや?」「アホな部長と課長や」
 こんな会話が職場で飛び交い、断腸の思いで職場を去る徴収員を見送った。
 
Category: 未分類
2008/01/29 Tue
 介護保険料に怒る一揆の会世話人会は、70歳~80歳代の高齢者でにぎやかに議論。
 後期高齢者医療制度の報酬案骨子の議論になり、怒り続出。
 とくに、終末期医療の「延命措置なし」の書面についての報酬については「年寄り早死に医療制度や!」の声も。

 今の世の中でたたみの上で死にたいと思ってもそうはいかんな

 元気でポックリがエエって言うけどホンマにそうやろか

 人間生まれて赤ん坊のときは手がかかるもの
 年寄りでも死ぬときに手がかかって回りに迷惑かけるのも生きてる証拠ではないか
 ポックリいくより手がかかったほうが存在感あるし、死んだ後もみんな思い出してくれるもんな

 一見むちゃくちゃな理屈だが、しかし、安心して手がかかる死に方が出来る、このほうが人間らしいように思う。

 年取って肩身の狭い思いをして生きて、死ぬ瞬間まで「人に迷惑がかからぬよう」と気をつかうような死に方はやはりおかしい

 一揆の会世話人会では、「死に方論」を討論テーマにし、次号の一揆の会ニュースにはA世話人の「私の死に方論」を掲載することになった

Category: 介護保険料
2008/01/24 Thu
 青森県弘前市のIさんから手紙をいただいた。
 昨年1月、弘前市の社保協主催で開かれた介護保険学習会に招かれてから1年。
 
 弘前市では、介護保険料・利用料の引下げと減免制度を求める請願署名運動を始められ、昨年末で7300人分を市議会に提出されたそうである。

 月額 5250円という全国平均をはるかに超える高い介護保険料の弘前市。コツコツと署名を集め、引下げを求める運動を地域ぐるみで展開する取り組みには頭が下がる。3月までには1万名目標とのこと。
 
 1年前に弘前市で語り合った人たちの顔を思い出し、厳冬の中、がんばっておられる姿が手紙からひしひしとつたわってきた。
 
 昨年きいた「あづましい」という言葉が思い出される。
 
Category: 介護保険料
2008/01/13 Sun
 東大阪市へ出かける機会があったので、同市にある司馬遼太郎記念館に立ち寄った。

 以前は、司馬遼太郎の歴史小説は片っ端から読んだ時期があるが、最近はあまり読まなくなった。
 たまたま古本屋で見つけた「播磨灘物語」を読んだところだったので、ふらっと立ち寄った。

 2万冊といわれるおびただしい蔵書は圧巻。
 徹底した史料収集の上に執筆したとあって、とにかくスゴイ。


 「明るい明治」と「暗い昭和」など、やや非科学的と批判もされる司馬史観であるが、その小説や「街道を行く」などは文句なしにおもしろい。




 ところで今年の「司馬遼太郎賞」は、山室信一『憲法9条の思想水脈』(朝日新聞社刊)だそうだ。

 贈賞理由は、
「日本国憲法第9条は敗戦後、突如、生まれたものではなく、世紀を超え、国境を越えて脈々と流れてきた平和運動や非戦思想の到達点であることを、党派性を排した冷静な資料批判で検証した。護憲・改憲を問わず、憲法問題を人類の思想史の流れの中で考えるさいに貴重な示唆を与える、その労作に対して。」
 とある。

 司馬遼太郎記念財団の理事には「9条の会」呼びかけ人の井上ひさしさんも名を連ねておられる。
 2002年には、司馬遼太郎記念館の講演会で「日本国憲法と司馬さん」というテーマで井上ひさしさんが講演されている。

 憲法9条の平和主義、戦力不保持が、戦後占領軍によって押し付けられたものでなく、パリ不戦条約実現に尽力した幣原喜重郎外務大臣などの先史があることなどが述べられている。

 いずれにしても

 歴史をまじめに考える者、歴史をその史実に忠実に学び、未来への教訓としようとする人ならば、憲法9条の存在意義について認めざるを得ない。

 小泉-安倍政権で強まった「9条改憲」の動きが、こうした知識人の中に、9条の擁護・発展の機運を広げている。

「戦争放棄は正義に基づく正しい道であって日本は今日この大旗を掲げて国際社会の原野を単独で進んで行くのである」(幣原喜重郎・元首相)

 戦争放棄・平和主義は、日本人の「英知の結晶」である。

 「この国のかたち」。 司馬遼太郎氏が存命ならば、今日の日本をどのように論評されたであろうか。

 
Category: 雑感・雑記
2008/01/12 Sat
 
 大阪府河内長野市のHP
 「国民健康保険料の前納報奨金制度が廃止になります
 現在、国民健康保険料の納付につきましては、普通徴収(納付書または口座振替での納付)を行っておりますが、国の医療制度改革に伴い、平成20年度から年金受給者の一部においては、国民健康保険料の特別徴収(年金からの天引き)を行うこととなりました。
 そのため、一部の方におきましては前納報奨金制度を利用できなくなるため、公平性確保の観点から平成19年度をもって前納報奨金の交付を廃止することとなりました。」
 
 松原市のHP和泉市のHPにもまったく同じお知らせが掲載されている。
 なんと!
 国保加入者のごく一部の65歳~74歳の世帯が保険料年金天引きになることを口実に「公平性各の観点から」、加入世帯全員の前納報奨金を廃止するという。

 前納報奨金とは、保険料を1年間とかまとめて前払いする少し安くなるという制度で、徴収率向上のために各自治体で設けられている制度。
 
 これを廃止するとはいかにもけちくさい。

 自主納付(普通徴収)の納付方法を、今回、前期高齢者について「年金天引き」にすることにより、納付者に配慮した分納や徴収猶予などの仕組みが大きく後退することを危惧してきたが、前期高齢者に限らず、全被保険者に被害が及ぶことになる。

 「公平性」をうんぬんするならば、年金天引きになる人は必ず1か月分前納になるわけだから、それこそ前納報奨制度を適用すべきであろう。
Category: 介護保険料
2008/01/10 Thu
 民主党が、「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」を国会の提出したとの報道がされている。
 今年4月に緊急の介護報酬改定を行い、平均賃金を一定額以上支給すると認定した事業所に介護報酬を3%加算するというもの。
 全国の半数の事業所が対象になり、約40万人の労働者の賃金が2万円増える見込みいう。

 法案は、地域別・サービス別に平均的賃金水準を決めたうえ、その基準を上回る事業所を「認定事業所」として、介護報酬を3%加算。

 財源の約900億円と推計。2008年度予算での対応を求めており、介護保険料の引き上げはせず、また認定事業所の加算分は利用者負担にはねかえらせないという。


 樋口惠子さんたちのグループが昨年から取り組んできた「3万円賃上げ法」に応えた形だが、法案の時点で1万円値切って「2万円賃上げ可能」とするところがいかにも民主党的だ。

 他産業と比べても月額10万円低い介護労働者の賃金だから、もっと正々堂々と大幅賃上げを主張してもよいと思う。


 政府調査でも
 2006年10月の訪問介護職の従事者数(常勤換算、介護予防事業含む)は17万6527人で、前年同月(18万4858人)に比べて4・5%減少。
 ヘルパーが1年間で全国で8000人も減ったのである。
 介護職の月給の平均は手当を含めて20・8万円(これでも「私はそんなにもらっていない」という声があるくらい)。
 特別養護老人ホームは平均23・4万円、訪問介護は平均18・5万円。全産業平均33万円なのである。
 これで介護の人材が確保できるわけがない。

 
 民主党法案は、あまりにもささやかで不十分なものである。

 しかし、
  今年4月の緊急の報酬改定を求めた点、
  財源措置を講じて保険料と利用者負担増を回避しようとする点、
  平均的賃金水準を上回ることを「認定事業所加算」の要件とした点

  などは、「手法」の問題としては今後の参考にはなる。

 今国会での議論を通じて介護労働者や利用者、そして国民の中に「介護ワーキングプア」の解消のための抜本的方策の世論と運動が大きく広がることが期待される。

 
Category: 介護保険見直し
2008/01/09 Wed
 おおさか市民ネットワークの藤永さんからいただいた年賀状に
「今年は国際サンゴ礁年です。
 サンゴ礁と関連生態系の重要性と、サンゴ礁が重大な危機に直面していることの
 広く理解を深めるために世界的規模で取り組まれます」

 とあった。

 まったく不勉強で知らなかった

 ネットで探すとこんな記事もあった

 「日本では、12月9日の日曜日、東京池袋の立教大学キャンパスにある太刀川記念館で、来年1月に始まる国際年の開催を宣言する「国際さんご礁年オープンイベント」が開催されて、全国各地からさんご礁の危機を救う活動をしている方々が集まった。環境省で自然環境を担当する中島慶次氏をはじめ、立教大学の阿部治教授や国立環境研究所の山野博哉先生などの学者・研究者、富士ゼロックスでCSRを担当する宮本育昌氏、沖縄県庁で自然保護を担当する宮良道子さん、ダイバーの山中康司氏ら、産官学と現場でさんご礁に接する仕事をしている人々が意見をぶつけあった」

 今年7月にはフロリダで第11回国際サンゴ礁シンポジウムが開催されると、日本サンゴ礁学会のHPにあった。

 「サンゴのポリプはプランクトンを捕食するが、体内に褐虫藻を共生させて光合成させており、その栄養分をもらうこともできる。成長したポリプは分裂して増え、海水中の二酸化炭素やカルシウムを取りこみ、炭酸カルシウムを主成分とした骨格をつくる。たくさんの造礁サンゴが生命活動を行った結果、サンゴの下には厚い石灰岩の層ができ、サンゴ自身はさらに上へ、沖へと成長する。

サンゴ礁付近の砂浜は波浪で折れたり、動物に齧られたりしたサンゴの残骸を含んで白っぽくなる。他にも貝類やウニ、有孔虫の死殻なども海岸に堆積する。このようにサンゴ礁の砂浜の砂は、その大部分が生物起源であり、多くが石灰質である。これらの石灰分が堆積し、一部が溶けて再び固まることで、砂粒を含んだまま岩石となったものがビーチロックである。

こうした生物と自然の営みが長い時間をかけて積み重なった結果、石灰岩の岩盤による広いサンゴ礁ができ、地形を変えてしまう。上空からサンゴ礁のある海域を見ると、藍色の海にサンゴ礁の浅瀬が水色やエメラルドグリーンに浮かび上がる。」
(Wikipediaより)

 まさに長い長い年月をかけた自然の芸術とともに生命の証である


 しかし、一方で、 私は、どちらかというと「環境を守るために一人一人ができることから・・・」というような安っぽい環境保護運動はあまり共感しない。

 環境破壊の元凶である多国籍企業の責任を免罪し、最大な環境破壊である戦争に目をつぶって、「身近なところから・・・」という市民道徳に毛の生えたような取り組みはどうかと思う。

 サンゴ礁と言えば、沖縄の米軍再編で危機に瀕するサンゴ礁やジュゴンの問題は深刻である。

 藤永さんの年賀状は
「日本ではイベントで終わるのではなく、沖縄で展開する米軍基地開発など本気で見直すときです」
 と明快に指摘されている。

心かから共感できる。


Category: 未分類
2008/01/08 Tue
 介護サービスの締め付けで、法令遵守(コンプライアンス)を強調することが多いが、最近は明らかに自治体(保険者側)が給付抑制に走るあまり法令やその趣旨を逸脱した「指導」が続発している。
 

 同居家族(孫であろうが、90歳の高齢者であろうが一切関係なしに)がいるからという理由でホームヘルパーの生活援助(家事援助)は一切ダメ、というのがその典型例。

 さすがに厚生労働省も昨年12月20日に事務連絡を出して、法令の趣旨を説いた。

 これなどは自治体職員が「法令違反」をしていることになる。

 私も、そうした自治体職員との「交渉のやり方」などについていろいろ昨年から述べてきた。訪問介護も本来ここまでできる、という活用事例も示した。厚生労働省近畿厚生局介護サービス指導官も賛同していただいた。

 今年になって、自治体職員の方が運営されているサイトで、見事な記事を拝見した。

 「法令を逸脱する自治体職員たち」という記事である。

 同記事は、自治体職員が介護保険サービスの指導において法令違反を犯す背景を

職員が、法令を知らない(解釈の誤りを含む) 、 制度の主旨を理解していない ことや前例踏襲主義がはびこっていること、さらに法令よりも制度を理解しない上司の判断を優先させたり、「 財政事情」や、「 厳しく制限しないと事業者や利用者は勝手なことをする」という職員の思い込みにより、法令より厳しく制限することが正義、というような一種の確信犯もあると分析されている。

 さらに「対応」についてもいくつか提言しておられる。

 とくにこの記事で気に入ったのは、いろいろ外部から働きかけても誤りを正そうとしない自治体を「アホ自治体」と厳しく批判し、

「どうしようもないアホ自治体には
 これまでに述べてきたような対応では見解を改めず、明らかに法令を逸脱したままの自治体にはどうすればいいだろうか。
(1)法的争い
 法的な争い覚悟でサービスを提供する(利用者側からすればサービスを受ける)ことは可能であるし、国保連経由で支払いを受けることも可能である。
 市町村は返還命令を出すことはできるが、その判断が明確に違法な場合、不服審査の一連の手続きか、少なくとも行政訴訟ではひっくり返るだろう。
 また、事業者指定機関(居宅サービスなどでは都道府県、地域密着型などでは市町村)は、返還するよう勧告や命令を事業者に出すことができ、それに従わないなど状況によっては指定取消を行うことも手段としてはある。が、そういう不利益処分を行うためには聴聞などの手続きを踏む必要があるので、それらの段階で現場サイドから堂々の論陣を張ることも可能である。
 ともかく、行政訴訟に移れば、法令上、正しい方が勝つ。アホ自治体が敗訴すれば、他の自治体に対する効果も大きいだろうが、利用者のことを考慮すると、必ずしも現場サイドからは踏み切りにくい面もある。しかしながら、こういう手段があることは、現場サイドも、もちろん自治体職員の側も頭に入れておく必要がある。
(2)賛同者・理解者を増やす
 アホ自治体の場合、その対応がおかしいと考えている人々は、けっこう多いはずだ。同業の専門職、他の自治体(市町村に対する都道府県、都道府県に対する市町村)などと連携を図り、粘り強く交渉を続けていく方法が考えられる。


ときわめて的確に提言されている。

 「法令に従うべき行政職員が、法令を逸脱して職務を行うというのは、本来はあり得ない姿」「自分自身が法令を守らないで、事業者に法令遵守を説いても、全く説得力がない
と指摘され、

 専門職員や自治体の現場職員に対し、

法令の文言も主旨も理解するように努め、現場サイドと協力して地域ケアを進めている自治体職員は少なくないと思う。そういう自治体が少しでも広がっていくことを目指して、地域の専門職の方々も「間違っているものは間違っている」と主張していただきたい。
 そして、「アホ自治体」の中にも、現場サイドからの声にも真摯に耳を傾け、改革への一歩を踏み出す自治体職員が出現することを、自治体職員の端くれに連なるものとして願ってやまない。
」と呼びかけられている。

 いやー実に見事な提言である。

 このような良識的で勇気ある自治体職員の方がもっともっと増えれば介護保険は少しはましになると思う。
Category: 介護保険見直し
2008/01/07 Mon
 介護保険料の年金天引きに味をしめた政府厚生労働省は、今度は後期高齢者医療制度に便乗し国民健康保険料の年金天引きを今年4月から始めようとしている。

 これは単なる「徴収方法」の問題ではない。本人の了承なく、勝手に天引きする仕組みは今国保料が行っているさまざまな配慮(徴収猶予、分納)の必要性もなくすことになる。
 まとめて払った場合の「前納報償」もなくされる可能性が高い。

 なぜかと言えば、そんな配慮をしなくても勝手に年金から国保料が取れる仕組みになるからだ。

 この冷酷・無慈悲さと、役所の勝手さは介護保険料で試されずみである。

 ということで昨年末から介護保険料に怒る一揆の会として、国保料の年金天引きに反対し、強行されて場合は不服審査請求運動を組織することを呼びかかけてきた。

 大阪社保協は、国保アンケートの一環として、府内全市町村に国保料の年金天引き開始予定時期を調査した。

 まだ、未回答の市が数市あり、近く正式に公表予定だが、概要が判明した。

(以下は大阪社保協FAXニュースから要約)
○国民健康保険における特別徴収対象者は・・・
世帯内の国保被保険者全員が65歳以上75歳未満の世帯の世帯主(擬制世帯主を除く)で、下記の①、②をともにみたす者を特別徴収の対象となる
 ①年額18万以上の年金(担保に供していないものに限る)を受給していること。
 ②国保保険料と介護保険料の合算額が年金額の1/2を超えていないこと。
 ※擬制世帯主とは・・・国保は世帯主が国保に加入していなくても、世帯の中に国保の加入者がいれば、納税通知書が世帯主あてに届く。このように世帯主が国保に加入していないが世帯に加入者がいる世帯の世帯主を『擬制世帯主』という。
○特別徴収の判定例〔厚生労働省資料より〕
例1 世帯主(国保)72歳、妻(国保)68歳の場合           →特別徴収
例2 世帯主(国保)72歳、妻(国保)63歳の場合           →普通徴収
例3 世帯主(後期高齢、擬制世帯主)78歳、妻(国保)68歳の場合→普通徴収
例4 世帯主(社保、擬制世帯主)72歳、妻(国保)68歳の場合   →普通徴収
例5 世帯主(国保)72歳、妻(国保)68歳、子(国保)40歳の場合 →普通徴収      例6 世帯主(国保)72歳、妻(国保)68歳、子(社保)40歳の場合 →特別徴収 
○国民健康保険料が年金天引きされることの意味・・・
年金は年に6回、偶数月の15日支給。つまり、天引きになると、年6回で1年分が徴収されることになる。現在の徴収は12回または10回。それでも払えなくて、さらに分納しているケースが多いのが実態だから、非常に大きな金額が1回の年金で引かれることになる。さらに、年金天引きはこちらの都合はお構いなし、無理やりということになる。
○2008年4月実施予定の自治体
寝屋川市・柏原市・大阪狭山市・河内長野市・高石市
○2008年10月実施予定の自治体
豊中市・池田市・豊能町・能勢町・箕面市・高槻市・島本町・吹田市・摂津市・門真市・大東市
四条畷市・交野市・東大阪市・藤井寺市・富田林市・太子町・河南町・千早赤阪村・和泉市
泉大津市・忠岡町・岸和田市・貝塚市・泉佐野市・田尻町・熊取町・泉南市・阪南市・岬町
○大阪市は検討中
○堺市は2010年4月から実施予定?と回答

なお、厚生労働省が「市町村の判断」で特別徴収をしないと決定できるものは以下
 ・制度導入時及び特別徴収対象者判定時に以下のものについて市町村が特別徴収に切り 替えることによる事務的に考慮した場合にも特別徴収とするメリットが少ないと判断したとき
・滞納が無く口座振り替えによる納付を継続しているもので、今後も確実な収納が見込める と判断したとき
 ・75歳到達まで2年未満である場合であって、普通徴収の方法でも確実に収納が見込めるとき
 ・75歳到達年度の徴収について、全額普通徴収の方法によるほうが、徴収事務等を円滑に遂行できると判断した場合。
 ・過年度分保険料に滞納がある者で、現年度分(特別徴収)+過年度分(普通徴収)納付が難しいため、特別徴収によることが適当でない場合
 ・災害その他の特別な事情に該当する場合で、特別徴収によることが適当ではないと市町村が判断した場合。

 大阪社保協では、この問題での「プロジェクトチーム」を早急に立ち上げ、運動方針を検討し、全国にも発信していくことにしており、1月末までに立ち上げの会議を開く。
 介護保険料に怒る一揆の会も全面的に協力する。

Category: 介護保険料
2008/01/06 Sun
 今日は1人、こっそりと出勤した。 

 わが市役所はこの年末年始は9連休という長期休業となった。
 普通の役所は12月28日仕事納め、1月4日仕事始め である

 わが市は、1970年代の中頃に12月28日仕事納め について組合側から見直しを提案した経過がある。
 「年末に困った市民が役所に相談・手続きが来れるように」との趣旨である。

 当時は、役所の年末年始休業は明治時代に布告された「太政官布告」で決まっているとのことでいろいろもめた。
 そして見直し実施。
 見直した時期は 12月30日仕事納め だった。その代わり仕事始めは1月6日。
 
 

 これはこれで「いつまで正月休みやってるんや!」という苦情が相次いだ。

 そこで再び見直しして 12月29日仕事納め、1月5日仕事初め になった。
 要するに普通の役所(国や都道府県、市町村の多数)より1日ずれているのだ

 ところがこの年末年始は、1月29日が土曜で休み 1月5日も土曜日、6日は日曜日となり、1月7日が仕事初め という事態になった。
 普通の役所より3日間も正月休みが長くなった。
 少しは善後策を考えればどうかと思うのだが、こういうことは、まったく何もせず済ますのが役所らしいところだ。

 迷惑をこうむるのは市民や業者の方々である。「いつになったら役所は開くのか!」という苦情が相次ぐであろう。

 介護保険関係は大変である。
  
 報酬の国保連への請求締め切りは10日である。月初めのさまざまな問い合わせができない。
 予防給付の委託プランにいたっては、受託した居宅介護支援事業所の実績報告を受けて地域包括支援センターが給付管理票を作成する関係で、今日6日が実績提出日である。

 これはこれで事業所からは、「うちは正月もやってる。何で日曜日にわざわざ提出しに行かなアカンの?」という不満も。

 私のこっそり出勤も30数件ある自己作成ケアプランの給付管理票の締め切りが休み明けであるため、少しでもやっておこうという事情である。

 まあ、市民や事業所の皆さんのご苦労に配慮して時間外勤務手当は申告せず、サービス労働とさせていただくことにする。
 
 木っ端役人のささやかな罪滅ぼし。
Category: 雑感・雑記
2008/01/05 Sat
 1月27日に大阪府知事選挙がある。

 チャラチャラしたタレント弁護士の、野党に担がれながら関西財界にも色目を使う大学院教授のオッサン。

 そんな中で、私はなんと言っても梅田章二先生支持!

 思想信条ではない
 人柄である

 梅田先生には10年ほど前から本当にいろいろ助けていただいた

 2000年4月、私が不正社会福祉法人理事長らを刑事告発し、市当局から処分されそうになたときいち早く支援に駆けつけていただいた。
 市当局が不正事件関係書類を非公開処分にしたとき情報公開裁判の弁護団を引き受けていただいた。

 あすなろ会不正事件(不正流用公金返還訴訟)では、不正流用額を一部返還させる和解実現へ大きな働きをされた。
 
 介護保険料違憲訴訟の弁護団にも参加していただき、今月地裁判決を控えている不正介護報酬返還請求の住民訴訟では若手弁護士に呼びかけていただき弁護団を組織された。

 福祉・介護オンブズネットの共同代表も引き受けていただき、施設職員の内部告発相談にものっていただいている。

 
 労働弁護士だが、住民訴訟や情報公開運動など幅広い

 しかも 人が困っていると必ず助けてくれる先生である

 著名人も学者先生も 尻込みする府知事候補
 みんなが困っているなら「自分が立つ」
 いかにも梅田先生らしい
 しかも2度目である

 今の世の中、大阪の状況を少しでもまともに考えれば

 梅田先生しかいない


 
Category: 時局争論
2008/01/04 Fri
 前年度(06年度)大阪府内自治体に報告された介護事故の集計・分析作業に1日費やした。

2006年度は報告のあった41保険者(40市町村及び「くすのき連合」)で合計2,974件の事故報告があり、内訳は施設・居住系が 2,678件(90.0%)と大多数を占め、通所系が227件(7.6%)、訪問系は69件(2.3%)。

事故の結果について、「入院」が1,377件(46.3%)と最も多く、介護事故は要介護者に重大な被害を与えていることになる。「死亡」については88件(3.0%)であった。また、「通院治療」が970件(32.6%)、「経過観察」318件(10.5%)。

 これまでも述べてきたが、現在の介護保険制度では、介護事故が発生した場合、市町村に報告することが事業所には義務付けられているが、その報告を都道府県も厚生労働省も集計していない。介護事故の統計そのものが日本に存在していないのである。

 大阪社保協・福祉介護オンブズネットは、介護事故研究会を立上げ、04年度、05年度と府内自治体に報告された介護事故の集計・分析結果を公表したきた。

 05年8月には、大阪府に介護事故の集計を始め責任ある対応を求めた要望書を提出した。
 
 日常的にもオンブズネットには介護事故に関する相談は多く寄せられるようになってきた。
 マスコミの介護事故に関する関心も高まり、オンブズネットに取材や問合せも度々よせられるようになった。

 昨年3月には、介護事故シンポジウムを開催した。
 大阪府は同月27日、介護事故発生時の報告等の対応についてを通達し、はじめて介護事故報告の指針について明らかにした。

 昨年10月には、毎日新聞が、介護事故に対する全都道府県の対応を調査し公表した。
 
 さらに、毎日新聞は、介護事故に対する大阪府内の各自治体の対応の不十分さについての記事を昨年12月22日に報道している。
 
 市町村に報告された事故件数の集計さえ行わないという無責任な大阪府の対応はまだ変わっていないが、この一年、介護事故をめぐって、ようやく動きが出てきた。
 
 今年は、さらに大きな歩みを期待したい。
Category: 未分類
2008/01/02 Wed
 大雪の新年。
 初詣に久津八幡宮と、禅昌寺へ出かけた帰りに、祖母方の実家の跡地に立ち寄る。

 私の祖母の実家も「日下部姓」である。といってもわが日下部家とは別族である。岐阜県飛騨地方旧益田郡(現下呂市)にある旧竹原村の旧家であった。(竹原日下部家と称しておく)

 祖母の弟で、名古屋市内で小学校の校長などをしていた日下部史郎という人(私から見れば大叔父にあたる。明治44年生まれ)が「回顧80年」という自伝を出版している。

 それによると、竹原日下部家に伝わる家系図では、先祖は高山藩金森氏の家臣であったが戦いに敗れ土着したとのこと。家には木曽馬を飼育していて、明治維新後は竹原日下部家の当主は「戸長」になり、洋装で馬に乗って禅昌寺の郡役所まで通っていたという。
(以下、日下部史郎「回顧80年」より引用)
「祖父や父も、戸長や村長、郡会や村会の議員をし、それ以前は代々名主。地主として、一方金に困っている村人には、「時借り」に応じていた。徳川期には美濃との境の舞台峠にご番所があった。そこの役人には相当の金の融通を続けた。その「カタ」の武器刀剣が新蔵の二階を埋めていた。下級武士用のものばかりであった。明治初期、梅村騒動の折、萩原の大名主戸谷家が焼き討ちに遭った。そこから何者かが持ち出した、苗木藩主家姫篭や絹袖の寝具、応挙や探幽等の絵なども我が家に投げ込んだものであった。そういう家柄であった。」
(引用おわり)
 この本に明治期の飛騨地方の地主の家族状況について興味深い記述がある。
 (以下、引用)
 「大家族制
 明治中期の戸籍を見ると、30人近い大家族の中に、養い子とか養い女とか養い弟というのがいる。これらは「やしないご」と称してすべて労働力提供者である。この農奴というべき人々が6人もいる。
 この飛騨の大家族制は、狭い耕地を分散することなく効率的に、農林養蚕の仕事を営むという必要から生まれた。多数の家族集団をまとめていくために、厳しい掟があって、家長は強い権力を以って掌握統御をする。家長は常に威厳ある言動を崩さない。祖父も父も常に正座していた。主婦である母は厳しい生活指導を家族にしなければならない。主従上下の人間関係も厳格。家長には絶対服従という制度、封建的なものであった。
 養い子制度の消滅
 この農奴的な制度は、無報酬に近い労働をして一生を主家のために尽くす。中には「儀僕」もいたが、この人権無視の在り方については幼い私でも認めがたいものであった。自分で汗水流して作った米を、すべて主家に納め、時にその中の1表を背負って帰っていく姿や、降りしきる雨の中で畑を耕作し続ける男衆を見て幼い私は納得し難い気持ちであった。
 この制度も大正デモクラシーと共に崩壊していった。女子衆は嫁入りし、男衆は分家独立したり婿養子となって戸籍から抜けた。それから彼等彼女等の数人ずつは自宅から主家へ通勤することになった。
 私の小学生の頃、木曽馬が二頭いた。早朝の餌やり水やりは私の仕事で、稲藁や雪の中から萱や熊笹を橇で運び、大きな押切りでこれを切って与えたり、水を与えた。この藁等が積り、堆肥となった。痩せた耕地を蘇らせる大役をこの馬がしてくれた。」
(引用おわり)

 この竹原日下部家に関する記述は、明治から大正にかけての飛騨地方の農村の地主の家の様子がよくわかる記述である。
 わが日下部家も同じようなものであったのだろう。
 
 祖父と祖母は、地主の「家」同士の縁組であった。菅田日下部家と竹原日下部家の縁組であった。

 祖母は私が小学1年生のときに亡くなったのでどのような夫婦かは知らない。

 日下部史郎「回顧80年」はこのように記述している。
「私の兄弟姉妹13人中、10人は成人し、9人は結婚しているが、本人の意思を無視した家重視の義理の結婚が多い。結果は幸福ではない。にも拘わらず姉の5人とも忍従して、破局にいたっていない。両親の忍従の訓えである。」

 飛騨と美濃の両日下部家の歴史の一側面である。
 
 竹原日下部家の方は、他所に移り住まれ、御厩野にあった屋敷は跡形もなかった。
日下部家
Category: 雑感・雑記
2008/01/01 Tue
岐阜県下呂市金山町の貝洞集落の朝の風景
 08-01-01_10-46.jpg

 大晦日から降り続いた雪で一面の銀世界
 2008年の元旦
 山深き里の静かな静かな年明け
 
 
 72歳の母の作によるパッチワーククラフトのネズミ。
 材料は絹の古布と綿で、一日がかりで縫い上げた
 6年前のヒツジからはじめて干支シリーズは6作目という

 十二支全部つくるのが当面の目標とのこと
  

 08-01-01_11-05.jpg


 父は78歳。

 そんな父のもとに
 市役所から「後期高齢者医療制度」の説明会の案内状が年末に送られてきた。
開催は1月21日だが、会場は町村合併前の旧金山町で1ヶ所だけ。75歳以上の高齢者の人数からするとごくわずかしか入らない公民館が会場である
 単位老人会の会長をしている父は、「決まったことを今頃説明しても、どっちみちとられるものはとられるし・・・」と。
08-01-01_11-29.jpg
 
 
 山深い村にも制度改定の波は容赦なく押し寄せている。
 
 
Category: 雑感・雑記

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索