2008/11/30 Sun
 11月30日には、1日中「21老福連」の第8回職員研究交流集会の分科会に出席。
 テーマは「地域で暮らし続ける~地域包括支援センター・在宅介護支援センター・居宅介護支援事業」というもの。
 主に民主的な社会福祉法人の特養ホームなどに併設されている居宅介護支援事業所などの職員が参加。地域包括支援センターや在宅介護支援センターからも参加。
 
 「助言者」として参加させていただいたが、報告された5本のレポートはどれも素晴らしいものばかり。
 ・虐待が疑われる認知症の父親と長男夫妻の在宅生活への支援
 ・息子による経済的虐待を行政も放置するなかで、事業所と関連施設の連携で、救出、新たな生活の場を確保して実践例
 ・ケアハウス入居の重複障害の利用者の新たな暮らしの場を行政と連携して見つけ出した取り組み
 ・地域で孤立しがちな独居高齢者を支援する地域ネットワーク構築の取り組み
 ・90歳代の母と知的障害の娘、精神障害の孫の3人家族を支える支援のネットワーク

 どれも、「ケアマネジャーはここまでできるのか」と思うような実践例。
 それも新人ケアマネからベテランまで、多様な顔ぶれ。
 さすがは社会福祉法人の事業所である。

 
 
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Category: 介護保険見直し
2008/11/30 Sun
 「社会保障審議会介護給付費分科会」。介護報酬改定にあたって厚生労働大臣は「あらかじめ社会保障審議会の意見を聴かなければならない。」(介護保険法第41条他)とされているため、設置されている。
 「介護報酬どうなる!?」をテーマに昨夜、「ケアマネ・ヘルパー学習決起集会」を開いた。講師は、その社会保障審議会介護給付費分科会委員の勝田登志子さん。認知症の人と家族の会から、唯一の利用者・家族代表として奮闘されている。
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 圧倒された。とにかく熱い。鋭い。厚生労働省の本音から介護給付費分科会の他の委員の言動、さてはヘルパー・ケアマネへの手厳しい注文から、あっという間の1時間10分。
 
 25人いる社会保障審議会介護給付費分科会の中に、ヘルパーの代表がひとりもいないこと、たった3時間で、委員の発言はわずかな回数・時間であること。厚生労働省の分厚い資料は前日にしか委員の手元に届かないこと。
 今回の「介護報酬3%引上げ」のように、介護給付費分科会とは別のところで政府与党が決めて押し付けたり・・・。

 このような中で、孤軍奮闘されている様子がよくわかった。認知症家族の立場から、重く厚い国の壁をこじ開けようとするがんばりに頭が下がる。
 
 「私らももっとがんばらんとアカンねー」あるケアマネさんの感想である。

 介護報酬の諮問・答申は来年の1月21日になる見込みであること。
 12月は年末ぎりぎりの12月26日まであと3回介護給付費分科会が開かれること。いよいよ大詰めである。
 大阪社保協介護保険対策委員会として12月9日には独自の厚生労働省交渉を予定している。勝田さんのがんばりを応援するためにも、「最後まで現場の声を厚生労働省・介護給付費分科会に届けよう」と行動提起させていただいた。
 
Category: 介護保険見直し
2008/11/26 Wed
 今日は、早朝から自宅で学習会準備作業、午前中は大阪社保今日事務所で印刷・準備作業。午後1時から大阪府議会会館で介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民健康保険料に対する不服審査請求の「口頭意見陳述」申立書の提出行動。
 午後3時から大阪府職員会館で「介護保険料に怒る一揆の会第8回総会」。夜は大阪社保協事務所で、土曜日のヘルパー・ケアマネ決起集会の行動提起案づくり。
 
 一揆の会総会では、介護保険料について「とりすぎの保険料を返せ!保険料を下げろ!」の方針を確立した。多くの自治体で、第三期は介護保険料の上げすぎと給付抑制のやりすぎで黒字状態。第三期末精算で高齢者にとりすぎ保険料を返せ、の声が相次いだ。
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総会議案書より
とりすぎの介護保険料を返せ! 保険料引き下げ運動を呼びかけます
各自治体の第3期(2006~8年度)介護保険料は大幅引上げで、すでに高齢者の負担能力を超えています。一方で介護サービス抑制によって介護給付費が押さえられ「金あまり」になる自治体が続出しています。
大きな黒字をだした自治体では「第3期末調整」をしていったん高齢者に返金すべきです。さらに、第4期の介護保険料大幅引き下げを要求すべきです。
 一揆の会では、各自治体の介護保険料の「引き下げ要求」の運動を呼びかけます。個々の介護保険料決定に対する「不服申し立て」という抗議・抵抗のたたかいをさらに、「引き下げ」という具体的な要求にもとづく多数を結集する運動へと発展させることをめざします。高齢者の負担増でなく、「公費」(一般財源)からの負担で介護保険料を引き下げる要求は、国庫負担増を求める政策へと連動していくものです。」

 


 
Category: 介護保険料
2008/11/21 Fri
 八尾市は、今年、これまで独自におこなっていた低所得者の国民健康保険料減免を廃止した。それも国保条例を変えず、規則改定のみで強行した。

 その八尾市では、減免申請却下に対する不服審査請求運動が取り組まれることになり、11月21日に学習会が開かれた。
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 八尾民商や生健会などから多くの方が参加され、熱心に聴いていただいた。学習会後参加者一人一人が減免申請却下処分に対する不服審査請求書の書き込みを行った。
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 八尾市の独自減免制度廃止により、所得150万円以下の低所得者層は、国保料が下がっているにもかかわらず大幅な負担増となっている。
 さらに、八尾市当局は、減免廃止の理由の一つに、10月からの国保料年金天引きで事務が煩雑になることをあげている。とんでもない理屈である。
  
 国保は社会保障制度である。所得が少なく、保険料負担が困難な人を保険者として独自に減免を行うことは最低限の責任である。これを「事務の煩雑さ」を理由に切り捨てるなどというのは役人の風上にもおけない許し難い暴挙である。

 不服審査請求はこうした八尾市国保に対する怒りを結集する大きな武器である。八尾市での新たなたたかいに大いに期待したい。


 
Category: 社会保障問題
2008/11/18 Tue
 元厚生省事務次官を狙った殺傷事件がマスコミを騒がせている。
 
 反国民的な厚生行政であってもテロなどは言語道断である。

 しかし、この間私は、介護保険料や年金、そして後期高齢者医療制度に怒る多くの高齢者から「いっそ厚生労働省に切りこみたい」といった声や、「役所の前でクビ吊ってやる」といった声を数限りなく聞いてきた。

 これらは、やり場のない怒りを表現したもののたとえである。しかし、街頭で後期高齢者医療制度廃止の宣伝行動をしていて通りがかりの高齢者から「あんたらこんなビラなんか配っても無駄や、刀や鉄砲くばって、政府の悪い奴らをやってまうべきや!」と真顔で話しかけられたこともあった。

 また、「介護保険料に怒る一揆の会」の名を見て「一揆なんて手ぬるいで。悪い政治家や役人を成敗せよ」と言われる人もいた。

 今回の事件の全容はわからないが、こんな厚生行政へのやり場のない怒りが背景にあるとすると実に危うく、不安な世の中である。
Category: 社会保障問題
2008/11/16 Sun
 11月16日、富山大学で開かれた富山県民医連の「学術運動交流集会」に招かれた。「地域との連携ですすめる医療・介護活動」というテーマの分科会の助言者を仰せつかった。
 
 分科会で報告された7本のレポートはいずれも素晴らしい実践の報告だった。とくに、「海、薬、人、そんな町のなかで」と詩のようなテーマで地域包括支援センターから報告されたレポート。

 アルコール依存症をはじめさまざまな問題を抱えた要介護者を、地域の人びとが「どうしようもないやつ」と言いながらも生活丸ごと支える。一人暮らしの高齢者をささえる地域の長い歴史に培われた力と、それを結びつける地域包括支援センターのかかわりに感心させられた。

 「この地域は、江戸時代から北前船が出て行った港、富山の薬売りもここから船に乗っていった。こうした古い地域がこの支えあいを育んできた」という発言が象徴的であった。
 若い頃から売薬さんをしてきたというこの利用者と町の人々のかかわりが目に浮かぶような報告で、とても勉強になった。

 富山大学からの帰り道、路面電車を途中下車して富山城址公園に立ち寄った。堀端の紅葉がしっとり雨に濡れていた。

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Category: 社会保障問題
2008/11/15 Sat
 先日(11月7日)東京に行ったときに、「ケアプラン点検支援マニュアル活用の手引き」(中央法規)という本を見つけて買った。発行日は11月20日だが、なぜか東京都庁の政府刊行物書店にはあった。
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 点検支援マニュアル本体も読みやすく編集され、さらにチェックシート、法令通知集もついている。
 いいのは、序章「ケアプラン点検支援マニュアルの解説」である。

 一番大切なことは「目的と手段を取り違えないこと」「目的と理解しないで単にチェックするということだけを行えば本末転倒」。
 どこかの保険者に読んでもらいたいないようである。
 また、ケアプラン点検は指導監督とは別のもので、ケアプランが悪かったとしても「遡って返還ということはありません」とも明記している。

 編集委員は、ケアプラン点検支援マニュアルを作成した厚生労働省老健局振興課課長補佐・介護支援専門官の遠藤征也氏など4人。

 点検支援マニュアルを作った人たちの思いが伝わる部分がある。

 その中のお一人に、先日、講師依頼の電話をした。
 お忙しい時期ということで、講師の件は受けていただけなかったが、「保険者の方に理解しておいて欲しいこと」ということをお話いただいた。
 ケアプラン点検支援マニュアルは、保険者のチェックの武器ではないこと。身体7とかいうサービスでもケアマネジャーがその根拠がある場合があり、そうしたマネジメントをきちんと理解してほしいと言うこと、
 さらに、指標部分は、ケアマネジャー自身が自己点検として事業所内なので活用して欲しいとのこと。

 この方の耳にもすでに、一部の自治体での形式的な「ケアプランチェック」の情報が届いているとのこと。

 内容的には素晴らしいものも含みながら、「給付適正化」の一環としてケアプラン点検を位置づけたことの不幸がここにもある。
Category: 介護保険見直し
2008/11/13 Thu
 訪問介護の生活援助サービスをめぐって、自治体レベルでさまざまな見解が示されている。同居家族の存在を理由に一律に禁止する動きについては、昨年12月の厚生労働省の事務連絡で行き過ぎをたしなめられた。
 しかし、その後出されているものももうひとつすっきりしない。
 厚生労働省のケアプラン点検支援マニュアルでも「単に形式的な要件のみ」で生活援助中心型の算定理由を判断していないかを確認ポイントにあげている。

 ようするにどこの自治体のものも「形式的」なのである。これは、厚生労働省が今年8月の事務連絡で推奨した川崎市のアセスメントツールでもその傾向がある。

 この点、今年1月にさいたま市が出した通知は、とてもよい。

 「同居、別居の判断について、一律に判断せず、生活実態をみて判断するとしている点、「一人暮らしか家族と同居かのみを考えて生活援助サービス提供の可否を判断することの誤りを指摘し、同居の場合であっても実に丁寧に家族関係の考慮などについて述べている。

 この通知は、今年3月にある新聞記者からFAXで入手した。
 内容をみてとても気に入ったのであちこちの学習会で紹介させていただいた。
 ところが、先日、京都でお話したときに、来ておられたある市の介護保険課の方がさいたま市に電話で聞くと「そのような通知は知らない」という。
 
 他の方が聞いても、さいたま市は「知らない」とのこと。

 おかしい。通知文を確認し、入手ルートをたどる。

 たしかに、今年1月にさいたま市から市内の居宅介護支援事業所におくられたものであることを確認。

 さいたま市介護保険課に直接電話を入れた。通知文の文書番号を伝え、郵送してくれるよう依頼した。
 担当者いわく「あるかどうかすぐには分からないが、あれば郵送します」との返事。

 念のため、さいたま市役所のホームページの公文書検索で探すと、あるではないか。

 せっかく、よい内容の通知を出しているのに、電話での問い合わせに、その存在すら職員が答えられない。

 まったくもって不可解な対応である。
Category: 介護保険見直し
2008/11/09 Sun
 昨日夜は、堺市の西地域在宅ケアを考える会の例会。
 木村さんから本をいただいた。

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 木村さんと私の付き合いは古い。
 1980年代前半にさかのぼる。当時、私は20歳代。木村さんは当時登録制ヘルパー。
 

 自宅の一角を中途障害者(脳卒中患者)の共同作業所に提供し、さらにNPOにも貸し、西地域在宅ケアを考える会にも提供し、という具合に木村さんのネットワークはスゴイ。

 私も、非常勤ヘルパー労組からのかかわりから、以降ずっと木村さんのネットワークにからめとられたくちである。

 木村さんは、ベテランヘルパーで福祉の実践家だが、実母が認知症になり、自宅に引き取ってからに歩みはハプニングと苦労の連続。
 
 この本は、認知症介護、いやそれよりも認知症の主人公をとりまく、娘やその夫、孫、さらに犬や猫まで登場する、家族介護と地域ネットワークと介護保険制度とが絡み合ったスゴイ物語である。

 木村さんとこにかつて居た、私の苦手な犬 リ・ランまで登場する。なぜ、苦手かというと、私が行くと吠えるは吠える。犬が苦手な私は家に入ることもできず、「日下部さんでもこわいものがあるののね」と木村さんに笑われた。本の中で「番外編」故リ・ランのつぶやき の最後は思わず涙。老衰で死んでいく犬をとおして、人生の最後に寄り添う介護のあり方を見せつけられた。

 終わりのない、そして、多くはよくなることのない認知症介護の目標は、最後の人生の1ページをその人らしく、死ぬことにあるかもしれない。

 木村さんの認知症介護はまだまだ続くだろう。

 この本にあとがき(エピローグ)が私の頭に響く。

「認知症の人をかかえた家族は、認知症をどんなに理解したつもりでも、また、自分は大丈夫と思っていたとしても、ある瞬時、耐え切れず切れてしまうことがあります。たとえそれが惨事になってしまったとしても、わたしは経験上、その人を責める気にはなれません。人はだれしも神や仏にように、人以上ではないからです。
 いつもまちがいと背中あわせの罪人であると思うのです。
 しかし、どんな理由があろうとも、罪人になってしまったら不幸ですから、その前に助けを請う手立てを構築すべきではないでしょうか。それができるのは人間だけです。」

 在宅ケアを考える会をはじめ、木村さんのネットワークは素晴らしく広く、また奥が深い。何重にもつながり、ひろがっている。
 
 そのネットワークこそが、この母と娘を支え、豊かな人生を織り成すのを手助けしているのだと思う。

 木村さんがこの本の中で書いているように、そして、飲んだ席でも誇らしげにかたっているように主人公は、そして「認知症丸」という船の船長は、認知症であるお母さん本人である。
 
 
 
Category: 社会保障問題
2008/11/07 Fri
 今日は中央社保協の呼びかけで、後期高齢者医療不服審査請求運動についての相談会(全労連会館)。
 中央諸団体の代表と石川県社保協、そして大阪からは一揆の会の立場で私が出席。

 10月30日に大阪で確認した内容に基づき、
①全国で8000人以上にのぼった後期高齢者医療保険料不服審査請求は高齢者の怒りの反映であり、今後裁判闘争も含めて全国的に発展させ、制度廃止のたたかいを強化すべき
②たたかいの性格から大阪単独での裁判闘争はありえない。中央で全国の地裁でいっせいに提訴するような方向性を提起してほしい 
③そのような提起がなされるならば大阪・一揆の会としては5年間に渡って取り組んだ介護保険料裁判の教訓を踏まえて全国に貢献できるようなたたかいをしたい

 というような提起である。

議論は、裁判闘争の意義や可能性を論じるとところまではいったが、明確な「決断」「方針確認」にまではいたらず。
 ただ、原告として立ち上がる人々がいる場合は支援していこう、という方向性は確認された。

 これが到達点か。本気で制度廃止めざすのであれば、立法(国会闘争)、行政(不服審査請求)、司法(裁判闘争)とありとあらゆる行動を組むべきだとおもうのだが・・・・。

 特に、高齢者の命を差別する(憲法14条平等原則違反)、年金天引きで高齢者の生活を侵す(憲法25条生存権保障違反)という違憲性を法廷で問う意義は果てしなく大きい。国会闘争にも影響をあたえる。

 残念ながら、今日はそこまではいたらなかった。更なるたたかいと情勢の発展に期待するしかない。

 ところで、会議に参加されていた自治体労組の方が、「不服審査請求は、自治体職員の労働強化になる」「棄却とわかっているのに審査請求するのはおかしい」といった書面をしめされた。地方組織の見解らしい。県組織レベルで「不服審査請求運動には積極的に協力はしないことを機関決定した」とも読めた。(その文書は会議後回収されたので正確な表現は覚えていないが)

 怒りを通して、あきれかえった。
 恥知らずとはこのことである。

不服審査請求は、全日本民医連が理事長名で「全国1万人の不服審査請求」を呼びかけ、年金者組合が全県で取り組んだ歴史的なたたかいである。後期高齢者医療に対する高齢者の怒りを結集し、参議院での廃止法案可決を作り出す運動の一翼にもなった。

 「自治体職員が仕事が増えるから審査請求運動を控えてほしい」。こんなことは当局でも言わない。労組の名前でよく言えたものである。その県の審査請求件数は500件ほどである。
 一人一人の高齢者がどんな思い出審査請求をおこなったか、思いをはせればそのようなたわごとは口が裂けてもいえないはずだ。全県で500件の審査請求がどのくらいの事務量=過重労働にかるというのか。

 私もかつて地方組織の役員を務めたことがあるが自治体労働運動の退廃というか、絶望感すら感じる。

 役人はよほど自覚しないとこのような発想になる。主権者と公務員の関係を忘れてはならない。


 
Category: 社会保障問題
2008/11/03 Mon
 「ヘルパーのつどいin京都」に参加した。
 220人を超えるヘルパーさんらの参加者で会場は熱気に包まれた。
 私は、第1分科会の「介護保険はどうなる」の助言者をつとめさせていただいた。分科会会場も満員。
 参加者は介護保険はヘルパーはどうなる?と熱心に聞き入っていただいた。
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 実は、私はこの集会、一つの目的を持って参加した。サービス提供責任者問題である。
 報酬改定をめぐって、これまで「常勤・専従」が要件とされていたサービス提供責任者の要件が骨抜きにされようとしている。
 10月30日に開かれた社会保障審議会介護給付費分科会で、居宅系サービスについて個別の論点が示されたが、訪問介護については、「サービス提供責任者の評価を!」という要望に対し、「全てのサービス提供責任者が常勤でなければならないとの要件を緩和してはどうか」といった提起が厚生労働省から示された。
 業界団体や全国市長会まで同様の意見。連合選出の委員は反対意見。しかし、このままでは要件緩和される可能性がある、

 訪問介護は登録ヘルパーという「底なし」の勤務形態があるため、3年前の報酬改定後も全国平均では収益率はわずかに上昇している。
 訪問介護は唯一、サービス提供責任者がサービス提供時間450時間又はヘルパー10人に対し1人以上を「常勤専従」で配置することが義務付けられている。

 これが、厚生労働省の提案どおり、1人以外は非常勤で可となれば、基準はそれこそ底なしである。訪問介護事業所に常勤専従でサービス提供責任者を配置しても十分な賃金を保障できるだけの介護報酬にすることが先決である。

 常勤専任要件の緩和など本末転倒である。

 分科会ではこのことをはじめて訴えさせていただいた。
 
 今こそ、ヘルパーとサービス提供責任者が声をあげるべきときである。

 緊急に全国のヘルパーとその関係者に呼びかけたい。
 「サービス提供責任者の常勤専従要件を骨抜きにするな!」「サービス提供責任者とヘルパーの報酬を大幅に引き上げよ!」の声を今こそ、厚生労働省と社保審介護給付費分科会に送りつけよう。
Category: 介護保険見直し
2008/11/01 Sat
 いわゆる「追加経済対策」の中で、制度始まって始めての介護報酬引上げが明記された。3%引上げと、保険料上昇を抑えるための1200億円規模の基金である。 

 
介護報酬3.0%上げ―政府・与党が生活対策 
 麻生太郎首相は10月30日、「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議を開き、生活安心確保対策などを重点分野に掲げた「生活対策」をまとめた。介護関連では、介護従事者の処遇を改善させるため、来年度に介護報酬を3.0%引き上げる方針を示した。
 生活安心確保対策の具体的施策では、介護従事者の処遇改善と人材確保などに計2兆円を充てる。具体的には、介護従事者の処遇を改善させるため、来年度から介護報酬を3.0%引き上げ、賃金を2万円程度(月額ベース)アップさせると明記。一方で、報酬の引き上げに伴う介護保険料の急激な上昇を抑制する方針も示した。
 介護分野などの人材確保策としては、介護分野に一定期間従事した場合、貸与した修学資金の返還を免除する「介護福祉士等修学資金貸付事業」を拡充するほか、母子家庭の母親による介護福祉士や看護師の資格取得を支援する。また、福祉・介護人材の参入を促すための相談・助言指導事業や、年長フリーターを介護人材として確保・定着させた事業者への助成なども実施する。これらにより、10万人の人材確保を目指すとしている。
 生活対策の取りまとめを受けて厚生労働省は、介護報酬の引き上げに伴う財源を来年度当初予算案に盛り込む方針で、今後、具体的な財源を精査する。一方、保険料の急激な上昇抑制などについては、1200億円規模の基金の創設を見込んでいる。介護人材確保の経費と共に、今年度の補正予算に盛り込む方針だ。
 (CBニュースより)



 3.0%介護報酬引上げの財源規模は2300億円、国庫負担分は600億円ということだ。3%の根拠は、「06年度改定以降の賃上げ率や物件費を加味した上昇分が1%弱。それを上回る率ということで、3.0%ということになった」(厚生労働省老健局総務課)。

 報道によれば、今年1月に民主党が出した介護労働者二万円賃上げ法案の財源規模900億円を上回る2300億円の財源規模を打ち出すことで「介護従事者の処遇改善」姿勢をアピールする狙いもあるとされる。

 また、報酬引上げによる介護保険料の急激な上昇を抑制する措置として1200億円を投入。09年度は改定による保険料上昇分全額、10年度は上昇分の半額を国費で軽減するという。

 これも、自治体で積み立てられている介護保険準備基金の取崩し合わせて、介護保険料の引上げは全国平均で月100円~200円程度に抑えることも可能との報道もある。

 介護保険制度始まって以来マイナス改定を繰り返してきた介護報酬がはじめて引上げ方針に転じた。また、我々が求めてきた国費投入も、わずかではあるが行われる方向になった。
 追加経済対策という局面でのできごとであるが、それだけ、介護保険制度の矛盾と問題点が山積していることの現れでもある。
 
 介護報酬については社会保障審議会介護給付費分科会で議論が本格化している。
 問題は引上げの内容である。

Category: 介護保険見直し
2008/11/01 Sat
 一揆の会、年金者組合大阪府本部、大阪社保協の三者で「不服審査請求後」の全国的たたかいの方向について検討した。その後一揆の会世話人会でも同様の議論。

 全国40都道府県、8000人を超える不服審査請求が行われ、参議院で「制度廃止」法案が可決されている後期高齢者医療制度。

 解散・総選挙が遠のいていく中で、この不服審査請求後のたたかいをどうするか。

 中央社保協では、そのための相談会を近く行うという。

 大阪として、どのような提案を行うか。

 私が、6月の中央社保協総会で発言した内容。

「行政に対し、不服審査請求運動で抵抗・告発し、立法(国会)の場で制度廃止法案の可決を求めていくという運動を展開しているところですが、国会での状況次第では、司法(裁判所)で、後期高齢者医療制度の憲法違反を告発していくたたかいも必要になると思います。
 いったん決まった制度を廃止させようという日本の社会保障闘争史上かつてなかったたたかいを取り組むわけですから、立法、行政、司法の3分野でやれることはすべてやり尽くす、このような構えが必要ではないかと思います。
 かつて朝日訴訟が生活保護行政を変え、学生無年金訴訟や生活保護学資訴訟が制度を変え、中国残留孤児裁判が新たな支援策を確立し、原爆症認定裁判が国の認定基準を変えようとしています。
 後期高齢者医療保険料に対する不服審査請求を土台に全国の各地裁に集団で提訴するような歴史的な社会保障裁判-後期高齢者医療制度違憲訴訟が全国で取り組めないか」

 全国の地裁でいっせいに、後期高齢者医療保険料年金天引きに対する取消請求訴訟を起こし、全国的な裁判闘争で、後期高齢者医療制度が憲法14条の平等原則に違反する「差別医療制度」であること、収入の有無にかかわらず75歳以上の全員に保険料を課すという生存権侵害(憲法25条違反)の制度であることを、告発するたたかいができないか。

 8年前、故福井宥さんが介護保険料不服審査請求をはじめて行い、そして大阪地裁に提訴したとき、「全国の地裁で集団で訴訟を起こし介護保険料を告発するさきがけになる」と語られた。
 あれから、大阪地裁、高裁併せて、20回の弁論、のべ傍聴動員1200人以上、署名2万人を大阪単独で取り組んだ。結果は敗訴だったが、我々が得た財産は大きい。残念なのは、3人の原告のうち2人が志半ばに亡くなっていること。

 大阪での介護保険料裁判の経験を全国へ広めたい。

 ただ、今回は、必ず、全国的規模の裁判闘争にする、これが大前提である。大阪単独の孤立した裁判はたたかいの国民的な性格上ありえない。
 
 
Category: 介護保険料

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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