2009/01/30 Fri
 1月30日夜、世田谷区で開かれた「利用者本位のケアマネジメントと訪問介護のあり方」という学習会に招かれた。
 新宿のホテルのレンタルパソコンから投稿している。
 
 区民センターにケアマネジャーさんやヘルパーさん、そして地域包括支援センターの方、世田谷区の職員さんも参加された。

 実はこの学習会、事前に郵送していただいた世田谷区作成の「同居家族のいる利用者の生活援助事例集」という冊子を見て「あーっこれはひどい!」と思い、主催者には「世田谷区の職員さんには悪いけど、ボロカスに批判してもいいですか?」と念を押しておいた。

 この事例集は、厚生労働省の「同居家族の有無を理由に一律に訪問介護の生活援助提供の可否を判断してはいけない」という2度にわたる通知(事務連絡)を受けて作成されたもののようだが、「知識編」はまあ、何とかいいことも書いてあるが、 「事例編」を見て、「ここまで言うか!」という気になった。こんな深刻な状態の同居家族でない限りヘルパーの生活援助は提供できない、というふうにケアマネジャーは受け止めてしまうだろう。

 事例集のたとえば、事例1など、85歳の要介護1、肺気腫で在宅酸素利用で前立腺がんも患う利用者と80歳で要介護1で肺がんで入退院を繰り返し、抗がん剤服用で倦怠感に悩まされる妻の世帯。

 このような世帯は、複数要介護者世帯であり、どのように援助するかということの検討事例だが、この事例集では、夫婦それぞれに家事能力をチェックした上、「同居家族が障害・疾病」にあたるとして生活援助提供可している。

 さらに、「次のような視点で再度生活援助を考える必要があります」として、利用者について、「在宅酸素を利用していても家事は適度な運動になることがあります」とか、妻については「抗がん剤の影響で倦怠感がある様子ですが、j家事ができないのはどのような内容なのか詳しく把握する必要があります」!
 また、利用者について「家事経験がないことは『できない』理由にはなりません」とまで言う。85歳に要介護1の男性にここまで厳しいチェックをかけるか、といいたくなる。

 人生の最後の一こま一こまを、夫婦ともに要介護状態になりながら、さらにがんに侵されながら支えあって在宅生活を営んでいる利用者について、ケアマネジャーとしてこんなこと観点でしかアセスメントできないようであれば、その専門性や倫理観、さらに人間性までも疑われるというものである。
 この事例集には18の事例があるがそのうち14はこのような世帯ばかりである。


 「同居家族の存在=原則生活援助不可」という前提から出発し、「行政向け」に何とか提供の根拠付けをしようという姿勢からはどんなツールや事例集をつくってもろくなものにならない。

 学習会では、訪問介護の生活援助について、世田谷区の事例集について批判させていただいた。同様に、厚生労働省推奨の川崎市のアセスメントツールについても、ここまでひどくはないが、利用者の「必要性」から入らず、「同居」という「形式」から思考するという問題点についても指摘させていただいた。


 学習会が終わった後の食事会で参加したケアマネさんから「話を聞いてこれまでのもやもやがすっきりしました」という感想が聞かれた。
 
 一方でこの事例集は、世田谷区の民間のケアマネジャーのリーダーの方も参加して作られたという経過もお聞きした。行政の過度な規制がケアマネの専門性や裁量を奪うだけでなく、自主規制によってさらにサービス制限の被害を広げていくという負の相乗効果を見る思いがした。

 がんばれ!現場のケアマネさんたち。

 
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Category: 介護保険見直し
2009/01/29 Thu
 わが堺市では、職員に対する「人事評価」制度なるものが試行されている。

 内容は、民間も含めたあちこちの評価制度の焼き直しに過ぎないアホらしいもの。全職員に「手引き書」まで配布され、各級管理職には多大な負担に。

 全職員に「能力評価シート」を出させて、上司が面談して「評価」していく、というお定まりのもの。

 私自身の自己評価を一部紹介。

能力評価シート 
「基本姿勢」「業務の求められる役割-業務の自律的遂行者の役割を具体的にはたしているか」

「1.市政理解と方針指向性
 ①市政理解 堺市職員として、市の向うべき方向性・重要施策等広く市政を理解しているか 」
 ⇒私の自己評価
   「市の向うべき方向性。重要施策」? 政令指定都市になったことだけが実績で住民負担だかが政令市1番高いような現在の木原市政など、打倒の対象であっても私は「理解」も支持もしない。 自己評価はC。


 「②方針指向性 市の方向性・方針にベクトルの合った行動を執っている」
 ⇒私の自己評価
 そんな行動とれるわけないやろ。自己評価はC。

 大体この基本姿勢の評価シートの項目がおかしい。
 「上司の補佐」「組織貢献」「適切な業務遂行」「改善・工夫」などはあるが、一番大切な「住民本位」がない。

 この人事評価制度自体が、住民本位の行政など眼中になく、上層部に忠実で組織に貢献し、効率よくはたらく役人育成にあることをよく物語っている。

 「業務遂行能力シート」も「知識・情報はあく」「理解把握」「企画工夫」「計画・段取り」などなど・・・。そこらへんの能力評価のマニュアル本に書いているような項目が書き並べてあるだけで、私としてはbかcで答えざるを得ない。

 ひとつだけaを自己評価でつけた項目がある。
「既存のやり方では実現が難しい顧客の要求でも、関係者と協力して実現しようとしている」
 これだけはA評価とした。住民の要求に背を向けた制度・行政に対しては、まさに住民との共闘で変革・打破していく、これが住民要求実現の道であると思うし、私はそのように行動していきたい。

 地方公務員に今、必要なことは、こんなアホらしい「人事評価」制度で、無駄な仕事と経費をかけてゴマすり役人をふやすことでなく、「主権が国民に存することを規定した憲法を遵守する」ことを自覚的に考え、たとえ上層部の方針と対立してでも住民のために働き、たたかう姿勢だと思う。

 

 



Category: 堺市政問題
2009/01/29 Thu
 1月28日の介護報酬緊急学習会は、会場いっぱいの186人の参加。
  
 トップバッターで講師の場に立った瞬間、全員の真剣なまなざしとシーンと静まり返った雰囲気に思わず緊張。

 私が約1時間、今回の介護報酬改定案全般と居宅介護支援、訪問介護などについて報告。

 この学習会は、12月答申 現在パブリックコメント中に開かれたこともあり、告示改正も、解釈通知もQ&Aもまだである、報酬改定に「対応」するためでなく、報酬改善を実現し、介護労働者の処遇改善と利用者本位のサービスを実現するための「課題」を考えるための学びのばである。

 こう前おきしてお話したが、参加者のみなさんは熱心。

 話し終わっても次から次へと質問が・・・。

 3%改定、「2万円賃上げ」のペテンとごまかし。

 告示改正、解釈通知、算定通知改正を「待つ」のでなく、最後まで、現場の声を国に発信し続けよう、このメッセージだけは伝わったようだ。

 ある参加者は、「報酬は全部決まったと思って落ち込んでいましたが、これからが大切だということが先生のお話でよくわかりました。次の報酬改定まで後3年間がんばります!」と言い残して帰っていかれた。

 こちらが感動である。

 いい気になって4日ぶりに飲んで、JRに乗ったまではいいが、目が覚めたら「王寺」ではないか!結局奈良に一泊することになった。

 安ホテルの500円レンタルパソコンで投稿している。
Category: 介護保険見直し
2009/01/28 Wed
 やはり睡眠は大事。
 昨晩9時過ぎに寝て、4時までぐっすり。

 なんとあんなにしんどかった心身がすっきり元気に。

 4時からガーっと、世田谷区ケアマネジメント・訪問介護学習会のレジメも完成。

 すっかり回復。今夜の介護報酬学習会まで、1日みっちり本業に励めそうである。

 
Category: 雑感・雑記
2009/01/27 Tue
 昨夜は睡眠時間は1時間半ほど。
 ここ1週間ほど、学習会の講師や会議の報告が立て込んで、その準備に睡眠時間を削っているので、睡眠不足と疲労がどんどんたまっている。

 23日~24日 東京 全日本民医連 地域包括支援センター交流集会 講演 パワーポイント1時間半
 24日 堺市 介護シンポジウム 基調講演 パワーポイント 1時間プラスシンポジスト
  その夜に翌日の準備と資料印刷作業。朝4時まで
 25日 堺市 介護保険・後期高齢者医療 負担軽減 公開学習会 報告1時間パワーポイント +分科会座長
  その夜に翌日のレジメ、パワーポイント作成作業で、ほとんど眠れず
 26日、日中は仕事。夜 取りすぎの介護保険料返せ・介護保険料引下げ地域運動学習意思統一集会(大阪市内) 報告・行動提起で1時間あまりパワーポイント
  その夜に、翌々日の介護報酬緊急学習会のレジメ・資料作成作業。少しの仮眠を挟んで、朝までかかり完成。メール送信。
 27日 日中は仕事。
     あまりの眠さと疲れ。医者に受診。「若いころは徹夜しても平気だった、なんていう考えがまちがっている。あなたは『しっかり働く』のでなく、『しっかり休む』ようがんばってください」と注意される。

 ということで、今夜、準備するはずだった、30日の東京・世田谷区「ケアマネジメント・訪問介護」学習会の資料作成は、明日朝に。もう寝ることにした。 寝過ごしてできなかったら・・・。と思うがもうアカン。とにかく寝る。
Category: 雑感・雑記
2009/01/26 Mon
 1月26日は、介護保険料に怒る一揆の会と大阪社保協の共催で、「とりすぎの介護保険料返せ!介護保険料引下げを求める地域運動学習・意思統一集会」。

 用意した資料が足りなくなるほど盛況。

 私も久々の介護保険料オンリーの報告を行わせていただき、熱くなった。

 3年前の大赤字から一転、「金余り」に変わった大阪府内各自治体の介護保険財政。

 この実態はほとんど知られていない。

 一揆の会では、ただたんに「財源はあります。介護保険料は上げなくても済みます」というレベルの運動でなく、高齢者の年金から無理やり高い保険料を取った挙句、介護サービスを抑制し保険料を貯め込むという実態を告発していくたたかいを提起している。

 介護保険財政は、国からの調整交付金が減額されれば、その分は、65歳以上の高齢者の保険料負担で賄い、赤字が生じれば、次期の介護保険料引上げで補填し、余った保険料は「介護給付費準備基金」として貯め込まれる。まさに借金の預金も65歳以上の保険料で調整し、それ以外の財源は単年度で精算するという仕組みである。

 数字は雄弁に語る。

 3年間で「好転」した大阪府内自治体の介護保険財政
 大阪府財政安定化基金貸付・交付額 05年度末 72億5338万円
                        08年度末    9645万円
             
             基金残高     08年度末193億3729万円 
各自治体の介護給付費準備基金   08年度末186億1275万円

  要するに、3年前には、府内41保険者のうち、6割にあたる24自治体が「借金」をしていた。財政安定化基金からの借入・交付額は72億円に上った。

 しかし、3年後は、その借金(68億円)は全額完済し、借入をした市はわずか2市。貸付額は二桁少ない9千6百万円に減少し、基金には193億円もの積立が使う当てもなく残ったということ。大阪府では、もうこれ以上いらないということで今後3年間、市町村jからの財政安定化基金拠出金をゼロにする。
 一方、市町村に貯めまれた介護保険料の余り(介護給付費準備基金)は186億円。

 単純に計算すれば、大阪府内の高齢者一人当たり一万円近い保険料の余りが生じている。

 これを次期保険料抑制に回せというのが厚生労度省の指導であるが、大阪府内では、平均6割しか回さない。

 私たちの行動提起は、この余った保険料を全額返せ、というものである。

「保険料あって介護なし」。これが、 介護保険制度10年目の現実
 高齢者収奪と介護の取上げ、仕組みを告発し、是正させるたたかいが今こそ必要である。



 集会で提案した、要求政策案である。

「とりすぎの介護保険料返せ・介護保険料引下げ要求の地域運動」
 ~介護保険財政と保険料に対する政策的要求

 要求案と考え方
1 第3期の介護給付費準備基金残高については、被保険者に臨時定額給付金として還元すること
【考え方】
第1号介護保険料以外は単年度精算、介護保険料だけが財政調整に使われ、毎年あまった保険料は「準備基金」にため込まれる。本来は当該期間(第3期)の被保険者に還元されるべきもの(被保険者は死亡・転出する。給付した残金は中期に返還すべき)である。したがって第3期が終了した時点で、全員に還元すべきである。
還元の方法としては、介護保険料額が6~9段階で、低所得者に重い逆進性であることから、一律定額の臨時給付金として支給してはどうか。
なお、厚生労働省のいう、次期介護会計に繰り入れて保険料抑制の財源とする方法は、いわば「3年分割還元」であり、保険料抑制の公的責任のすり替えとなるものである。

2 第4期の介護保険料を引き下げること。給付見込み額の不足分については一般会計から繰り入れること
【考え方】
現行の介護保険料(大阪府内平均、本人非課税でも年額55404円、月額4,617円)は高齢者の負担限度を超えるものである。
参考  後期高齢者医療保険料(均等割り) 47,415円
介護保険料 本人非課税 第4段階 55,404円
  後期 世帯所得33万円以下 7割軽減 14,224円
  介護 世帯全員非課税    第3段階 41,533円
  後期 年金80万円以下   9割軽減  4,741円
  介護 年金80万円以下   第2段階 27,702円
公費負担拡大による保険料軽減を全国的制度として確立するべきである。当面自治体独自繰り入れを行い、介護保険料額を第3期以前の額まで引き下げるべきである。
 国は、不十分ながら全額国庫負担による報酬上昇分(3%)の半分を抑制する「臨時特例交付金」を制度化した。自治体レベルでも独自の財政措置を講じるときである。
 介護給付額の過不足をすべて65歳以上の高齢者の保険料に転嫁する運用でなく、必要な給付額を自治体の責任で補うという公的責任を明確にするためにも公費による給付費不足額補填、介護保険料抑制は不可欠である。

 



Category: 介護保険料
2009/01/25 Sun
 今日午後(1月26日)、堺市西区で「知らないとソンする 知って得する 介護保険と後期高齢者医療」というテーマで公開学習会を開いた。

 私の居住地のさまざまな職種の方々の集まりの会の主催。医師、ケアマネジャー、看護師、ヘルパー、ボランティアから利用本人まで多種多様な方々の集まりである。

 認知症の母親を介護している方が、「世帯分離したらこんなに下がった!」というひと言から、介護や医療の上手な利用の仕方についての学習会をひらくことになった。 

 区内の校区民生委員長さんすべてにも呼びかけ、介護事業所にも郵送し、医師は自分の患者さんに案内し、ケアマネは利用者家族に声をかけ・・・。

 学習会には50人ほどが集まっていただいたが、大半が民生委員、高齢者本人、介護者家族の皆さんたち。

 車いすの人も何人か参加された。

 こんな学習会は珍しい。

 最初に私が、介護保険と後期高齢者医療の各種軽減措置と世帯分離について50分ほど報告。
 その後、ソーシャルワーカー(社会福祉士)さんが、「医療費で困ったとき」というテーマで相談の仕方から身体障害者手帳の取り方などを報告。

 ケアマネさんは「上手なケアマネの選び方」というお話。

 介護者家族の「世帯分離し、軽減制度をつかってこんなに節約できた」という体験談発表を聞いて
 「世帯分離」、「介護サービス」、「医療費」の3コーナーに分かれて相談会を開いた。

 みんなとても熱心に時間をオーバーして話が弾む。
 
 私のコーナーには民生委員や介護者家族の会の方々が熱心に質問、話し合っていただいた。

 ケアマネジャーやヘルパーさんの学習会もいいが、やはり地域の要介護者本人や家族の人の熱心さと真剣さにはかなわない。

 利用者本位が忘れ去られ、負担増の嵐が吹き荒れる医療・介護。

 利用者も家族もしっかり学んで賢くなっていただくことが何よりも大切だ。

 

Category: 社会保障問題
2009/01/24 Sat
 朝の新幹線で、東京を出発、昼前には大阪に帰り着き、堺市民会館での「介護ウェーブシンポジウム」に参加。

 特定医療法人同仁会が実行委員会を作って開いたシンポジウムで、堺市内の介護事業所関係者ら100人以上が参加した。
 
 当初、私は「介護報酬改定について」というテーマで依頼されたが、
 主催者のケアマネさんから「『利用者本位のサービスと介護職の働きがい』いうテーマでお願いします」と言われた。

 それで、話の構成も全面的に練り直し、

 まず、介護保険の基本理念「介護の社会化」「利用者本位」
 そして介護保険9年の歩みと現在の実態
 09年度介護報酬改定の内容 とくに人材確保・処遇改善の中味
 最後に介護労働者の働きがい

 というような構成にした。

 シンポジウムは、介護福祉士養成の短大教員
 ケアマネジャー、
 訪問介護事業所
 そして特別養護老人ホーム

 と「人間にかかわる」介護の仕事と、困難な中で利用者本位の実践につとめている内容が次つぎと報告された。

 地元堺市でのシンポジウムとしてはまずまずの内容。
 
 

 
Category: 介護保険見直し
2009/01/23 Fri
 1月23日、東京・五反田で開かれた全日本民医連の「第3回地域包括支援センター交流集会」に招かれた。
 2006年度末の第1回交流集会に招かれた時、私は、地域包括支援センターを「『壮大』な構想と惨憺たる現実」と評した。 

 今回依頼されたテーマは、「地域包括支援センター『壮大』な構想と3年目の現実、今後の課題」というもの。
 正直言って、このテーマはなかなか難しかった。3年前は地域包括支援センターについての論評はいやというほどあったし、資料も多かった。
 ところが、今回は、まともな評価や検証はほとんど見当たらないのだ。

 厚生労働省は、地域包括支援センターの意見交換会も2回ほど開いたきり。介護予防については、「介護予防継続的評価分析等検討会」というもので、わずかの数の市町村のサンプル調査をもとに「予防給付は優れたものとして判断可能である」などというアリバイ的、自己満足的「評価」をしているだけである。

 「地域包括ケア」という、超高齢社会を支える構想を打ち出しながら、3年間の評価・検証をまともにしない、これが一番大きな問題である。

 そればかりか、舛添大臣の肝いりで作られた「安心と希望の介護ビジョン」では、地域包括支援センターに「地域の守り立て役」=「コミュニティ支援機能」や、退院後の在宅生活移行のための医療と介護連携のつなぎ役、認知症医療と介護の橋渡し役など、次つぎと新たな役回りを押し付けている。
 
 まさに体制と予算を伴わないまま、何でもかんでも地域包括支援センター任せである。


 しかし、北海道から広島まで35の地域包括支援センター職員が参加した民医連の交流集会では、困難な状況の中で、地を這うように積み上げ、切り開いてきた地域包括支援センターの実践を聞くことができた。

 3年目の現実の積極面を見る思いがした。
 
 夕食交流会では、ごみ屋敷談義で盛り上がるなど、困難な現実にチャレンジしていく楽天的な姿勢に楽しく感動した。

 こういう地域包括支援センターこそ、地域包括ケアという壮大な構想を現実化していく担い手である。



 
Category: 介護保険見直し
2009/01/21 Wed
 今日(1月21日)、堺市公務災害補償等認定審査会で、代理人として口頭意見陳述をおこなった。話しているうちに怒りが幾重にもこみ上げてきた。

以下、陳述原稿の一部。


堺市公務災害補償等審査会 口頭意見陳述要旨
2009年1月21日 日下部雅喜

はじめに 
 私は、申立人(Kさん)と平成12年4月から平成18年3月まで6年間同じ職場で働いておりました。また、平成18年4月以降の申立人の職場(事業者指導室)の業務については、公務以外に、組合活動及び自主的な活動(福祉・介護オンブズマン)を通じてかかわりをもってきました。
陳述にあたり、審査会委員の皆様に、公務災害認定の趣旨にそった審査をおこなっていただくようお願い申し上げます。公務災害補償制度は、住民全体の奉仕者である公務員が公務遂行中または公務に起因して疾病を負った場合の補償・救済制度です。公務上・外の線引き、基準の当てはめ以前に、補償・救済制度であるという認識でもって審査を行っていただきたいと思います。とくに、心身に与える負荷についても千差万別であり、機械的当てはめでなく審査会委員としての経験、専門知識に基づき生きた審理・判断をお願いしたいと思います。

Ⅰ 申立人について

堺市はKさんの疾患(不安抑うつ状態)を「公務外」とした理由として、「本人に、職務上『異常なできごと・突発的事態に遭遇した』とか『特別な状況下における』職務があったとは解されず、精神疾患の症状を増悪させた原因は、本人自身の個体的要因、環境要因が大きいとみられる」としています。
申立人・Kさんが「不安抑うつ状態」になり、働けなくなった原因を本人にあるとする理由は到底納得できるものではありません。
私の知る申立人・Kさんについて
Kさんは、平成11年9月から堺市に介護認定調査員として、週3日の非常勤職員として配属され、同じ時期に受けたケアマネジャーの試験にも合格しました。
Kさんは、この時期について次のように述べています。
「介護保険制度施行前の介護認定調査の仕事は日々戸惑いの連続でしたが、周りの人たちと協力し合い、助けられ、とても充実していました。ただ収入面については、基本給が約13万円で保険料やら控除されると手取り額が11万円程度になってしまう状態で、副業しなければ生活が成り立たないことは明白でした。できるだけ子供たちと一緒に居たいことはもちろんでしたが、その大切な子供たちにおなかいっぱいのごはんを食べさせることと暑いとか寒いとか暗いとかで不憫な思いをさせないことは母親として最低限守るべきことと思ってきました」。
こうした事情で、週3日以外の日に、民間間事業所での非常勤ケアマネジャーとして勤務したり、市立堺病院や診療所で看護師のアルバイトをされていました。
 当時の私とKさんのいた職場では、認定調査員は多いときで14人前後おられました。女性ばかりで、10年以上勤務した非常勤ヘルパー出身者が当初は多数をしめ、Kさんのような「看護職・公募組」は片身が狭く、年齢も若いこともあり、職場の人間関係ではかなりの苦労があったと思います。また、いくつもの副業をかけもち、3人の子を抱えての生活は大変だったと想像できます。
 しかし、私から見ても、常に明るく、ある意味で上手く立ち回り、そんな大変さなど微塵も感じさせない勤務態度でした。Kさんがいるだけで周囲が明るくなるような印象さえありました。また、仕事もしっかりこなされていましたし、同じ介護保険係の職員としても「安心して訪問調査を任せられる調査員さん」の一人でした。
 今から思うと本当に「強い女性」であり「母親」であると同時に「優秀な調査員」だったと思います。
 6年間そのように働き、生活してきた申立人Kさんを、病気に追い込み、働けない状態まで追い込んだ真の原因と責任について明らかにしていただくのが今回の公務災害認定申請であり、異議申立てであります。

Ⅱ 災害発症の経過及び時期について

1事業者指導室の業務の性格と申立人の立場及び役割

 Kさんが勤務していた事業者指導室の状況と業務内容等について述べます。
①介護保険給付適正化事業開始までの経過
 平成12年度から介護保険制度がスタートしましたが、介護サービスを利用する人が急増し、介護サービスの費用(介護給付費)が急激に増加しました。
 介護保険は、自治体ごとに3年に一度介護保険事業計画を作成し、介護サービス利用者数の推計を行い、必要な介護給付費を計算し、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)の介護保険料を決定します。堺市では、介護給付費増加のため、平成15年度に介護保険料を9.9%引き上げました。当時は、毎年度10%程度の給付費の伸びが続いており、その後も大幅な介護保険料引き上げが懸念されていました。
 一方で、堺市内で事業者による大規模な介護報酬不正請求も平成16年2月に発覚したこともあり介護給付の適正化の必要性が指摘されていました。
 厚生労働省は、平成16年2月に国保連の介護給付適正化システム運用開始し、同年10月に「介護給付適正化推進運動」をスタートしました。堺市では、これに積極的に応える形で平成16年12月「給付適正化指導」を開始しました。
②給付適正化指導の内容
堺市では、介護給付費の1%程度は「不正・不適正」な給付として位置づけ、適正化の専門職員による指導・調査を行うこととしていました。
 事業内容は「介護給付費調査員  国保連合会介護給付費適正化システムの活用若しくは通報等により発覚した不適正事業所に対し、立ち入り調査を行う。また、大阪府の実地調査にも同行して調査を行う」というものです。
 事業開始後、Kさんが採用されるまでの経過は以下のとおりです。
  平成16年12月  介護保険課内に「介護給付適正化推進チーム設置」
        正職員3 非常勤ケアマネジャー3 
  16年度実績  調査実施  5事業所  
          返還件数  5事業所
          返還金額  25,130,956円
  17年度実績  調査実施  32事業所
          返還件数  32事業所
          返還金額  54,532,142円
③ 事業者指導室の設置
平成18年4月、堺市は、介護保険課から、給付適正化指導の業務を切り離し、新たに「事業者指導室」を設置し、Kさんは、介護給付費調査員として採用・配属されました。
 事業者指導室長に就任した〇〇氏も介護保険関係業務は経験がなく、給付適正化指導については、非常勤とはいえ唯一の経験者である〇〇氏の影響がきわめて大きかったことが当初の特徴でした。
 介護保険課と切り離し、「室」として専門の組織としましたが、不適切介護報酬の返還件数はかえって減少しました。
 18年度実績   調査実施  110事業所
          返還件数   60事業所
          返還金額   20,449,698円
19年 4月  事業者指導室 改組 指導グループ(正職員4 非常勤6)
 19年度実績  調査件数  101事業所
          返還件数   18事業所
          返還金額   20,658,285円
 平成20年4月には、事業者指導室を法人指導担当課に吸収し、「監査指導課事業者指導係」として正職員2のみに縮小しました。堺市の説明では、「不正摘発・給付費返還」というスタンスを改め、「従業者育成支援・事業所運営の質向上」に重点を移すというものです。事業者指導室がおこなっていた、事業所の定期訪問調査の取りやめ、実地調査は通報・苦情等の場合に限定するとのことです。
④介護給付費調査の業務
 Kさん(介護給付費調査員)の主業務は「給付費実地調査」であり、国保連合会介護給付費適正化システムの活用若しくは通報等により発覚した不適正事業所に対し、立ち入り調査を行うことでした。これまで居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして勤務した知識・経験を活用し介護給付の内容調査を行うことが期待されていました。
 調査に必要な内部事務(デスクワーク)はあるが、それは事業所を訪問して行う実地調査の準備及びその後の整理のための事務です。
 Kさんは、平成18年4月配属後、長男の介護のため休暇をとった6月までの間は事業所実地調査に従事していました。

2 〇〇在宅サービス不正事件
 平成18年6月、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を併設している「〇〇在宅サービス」の介護報酬不正請求が発覚しました。Kさんは、17年12月まで同事業所に非常勤ケアマネジャーとして勤務していたことから堺市当局は、Kさんの不正関与を疑い、K氏が職場復帰した同年10月以降も給付費実施調査の業務から外し、内勤事務に着かせました。
 しかし、一方で、堺市としてKさん本人に対する調査や事情聴取はいっさいなく、大阪府による「元従業員」としての聴取が1回あったのみでした。堺市として、本不正事件の真相を解明しないまま、K氏の不正関与を疑い続け、いっさいの釈明の機会も与えないまま実地調査業務を取り上げつつけたのです。
 〇〇在宅サービスの居宅介護支援事業所は、本人の知らないままKさんを唯一の「常勤ケアマネジャー」として大阪府に指定申請していました。Kさんは同事業所在職中は週3日堺市に介護認定調査員をしており、常勤ケアマネジャーとして従事していないことは明白であり、同事業所は「不正な指定受領」として介護保険法に基づき指定取消しと介護報酬の全額返還を命じられても当然でした。ところが、〇〇在宅サービスは訪問介護での不正請求1件のみの不正請求とされ、訪問介護事業所は指定取消処分を受けたものの、居宅介護支援事業所は自主廃業でその不正は不問にされています。
 Kさんは、事業所に対する実地調査を本務として採用されながら不正関与の嫌疑をかけられ、釈明の機会の与えられず、内勤事務に従事させられた。自分を疑っている上司(事業者指導室長ら)と同じ部屋で本来業務でない事務を終日座ってやらされるという精神的苦痛を19年2月22日まで毎日味合わされてきたのです。

3 Kさんは不正にはまったく関与していない
Kさん、「〇〇在宅サービス」で1年半パートのケアマネジャーとして勤務しましたが、不正請求には一切関与していません。
 まず第1に、Kさんが担当していた13人の利用者のプランには不正請求に結びつくような内容は一切ありません。
第2に、Kさんのケアマネジャーとしての仕事は、サービス利用の実績を入力するまでが仕事で、国保連への請求事務は一切タッチしていませんでした。請求事務は代表者が直接行っていました。さらにKさんは、管理者兼取締役とは、日常的な連携がとれない状態であり、担当外の利用者のプランや利用状況を見る立場にありませんでしたので、それらの不正請求を知ることはできませんでした。また、国保連への請求事務の内容をKさん知ることは一切ありませんでした。
第4に、Kさんが架空の「常勤ケアマネ」を了承したことはないことです。
Kさんは、あくまでパートとの条件でケアマネジャーとして働いたのです。居宅介護支援事業所の指定申請で大阪府に自分を「常勤ケアマネジャー」として居宅介護支援事業所の指定申請をしていたなどとは夢にも思いませんでした。週3日の堺市の認定調査員の仕事を続けながら残りの自由な時間で働くつもりでしたから名目上も「常勤」として名義を使われることについて同意するわけがありません。Kさんは、取締役には「もう一人常勤ケアマネジャーがいる」と説明されてきました。たしかに、いつ行っても居るはずの常勤ケアマネジャーがいないのは不審に思いました。しかし、雇われのパートの身分で指定申請の内容まで取締役やオーナーに問いただすようなことができるでしょうか。

2 発症の時期について
 堺市は、「公務外」として裁決理由書の中で、主治医の回答書に「平成18年10月には表情は暗く、思い悩むところがすでにあり、発症していたと考えられる」とあることを曲解して、「自他覚症状が明らかに認められる」“症状顕在化”の時期を平成18年10月6日と意図的に設定し、「その前の6ヶ月」の勤務状況しか問題にしていません。しかしこれはきわめて不当かつ意図的なものです。
 私はこの時期から(平成18年12月)Kさんから相談を受け、一緒に作業をしたり考えたりしてきたのです。確かに、不正関与の濡れ衣を着せられ、退職強要まで受けていましたから、日々追い詰められていましたが、「職場にも出てこれなくなる」という平成19年2月22日以降の状態とは明らかに違いました。
 雇い止め解雇通告を12月中旬に受けたKさんから平成18年12月に「相談があります」と電話があり、12月20日にあって相談、12月22日組合と打ち合わせ、その間26日にも話し合いを行い、結果として12月28日に撤回されました。Kさんは、確かに追い詰められていたが、職場には毎日出勤していたし、仕事を続ける意欲を持っていました。何よりも、まだ「正常」な状態でありました。
 だからこそ、私も、解雇問題が撤回された年末に「不正濡れ衣」について、釈明書を書いたらとすすめたのです。Kさんは、何日もかかって「不正に関与していたかのような疑いはきっぱり晴らしてください~『〇〇在宅サービス』不正事件の全容解明を求めます」という釈明書を書きあげました。また、ケアマネジャーとしてKさんが得ていた給与額についても金額や経過、根拠なども資料を作成されました。この時期は、深くお付き合いした私からみても症状は顕在化してはいません。Kさんがしんどくなっていかれたのは平成19年2月です。
平成19年1月30日、Kさんが書き上げた釈明書を私も立会い、芳賀福祉推進部長へ提出し、部長は「2月中に返答する」と明言しました。私たちはこのことばに一縷の望みをつなぎました。
 しかし、この部長は、ついに返答しないまま、4月の人事異動で去っていきました。

 当時、私のもとにKさんから送られてきたメールを紹介します。
「1月31日
今日は(も) お忙しい中、ありがとうございました。
今月は老健施設の調査で気がまぎれました。
明日は今年度最終で『〇〇〇』に行ってきます。
年末の腹立つやら悔しいやらの気持ちは通り越して、薄ら笑いが出てきそうです。
まるでテレビでしてる政治番組の小さい世界にいるようです。
これから先・・というか2月からどんなふうに気持ちを切り替えて
頑張ればいいのかわからないのが正直なところです。
やめたいです。
弱音というよりは、お願いされるなら働いてあげてもいいけど
何で高くもない給料でそんなえらそうに一方的に悪者にされて一生懸命釈明して働かなあかんの!
って感じです。
(略)
もう気が病みそうです・・
既に病んでますかね・・
何とか狂わないように踏ん張ります。
毎日毎日ご苦労様です。
とりあえずのお礼メールで愚痴ってしまってごめんなさい。
おやすみなさい。」


そして、Kさんが出勤できなくなる前日(平成19年2月21日)のメールです。
職場の雰囲気の悪さ、上司や同僚の言動にふれた後
「何とか理解してそういう物の考え方やめてもらいたいのですが・・もう諦めに入ってきました。
(略)
17年度の返還金から18年度の返還金目標は8000万たら1億たら当初言うてました。
売り上げ(返還金)があがってないから部長がブーブー言うそうです。
私らの仕事は給付の適正化であって売り上げ目標なんてあるのがそもそもおかしな話やけれど、返還金に変わる言い訳は「2箇所も指定取消にしたこと」ですって。
どちらも最後の最後まで給付し続けてちっぽけな金額しか返してもらわんと・・
結局○○さん(○○さんも?)が自分らの過失を認めたくないために訳のわからん正当化した話に変換してるみたいです。
〇〇のことでは私を悪者にして話を終わらせたつもりになってたのだと思います。
ところが雇い止めには抵抗するし、ちゃんと調べよと文書は出すし・・
私を「白」と判断することは自分らの調査のミスを認めることになるんでしょうし。
こんなじゃだめ、来年は・・ってマニュアル作成の前段階のものも提出したけど○○さんは私のことがうざくてたまらんのだと思いますわ。
(略)
もうこんな腐った職場にいるのいやです!
精神的に限界を感じてます。
日下部さんに愚痴ってしまってごめんなさい」

そして、主治医の診断を受け、休みに入った平成19年2月22日当日のメールです。
「日下部さん、私は本当に限界です。
職場は相変わらずコソコソ、いやな雰囲気です。
○○さんが事業者の内部告発してきた話だけを聞き、辞めた(解雇された?)ケアマネさんには何も聞かず、悪者扱いしている話を聞いていると、私もこういうふうにされていたのだとオーバーラップして胸が苦しくなります。
役所に出勤の前日は一睡もできない日が続いています。
今日も休んでしまいました。
眠れない日が続き、自分でもどうにかなってしまいそうで、今日神経科に行きました。
『不安抑うつ状態』との診断書をもらいました。
明日からしばらくは病欠で休みます。
といってもまだ診断書も出せていません。持って行かねばとは思うけど、気持ちが受け付けない・・どうしても足が向きませんでした。
釈明書に対する回答の期限(2月末)までは意地でも!と、休みながらも頑張っていたけど、体の方が先に壊れてしまいました。
(略)
ごめんなさい。」

 私はこれを読み返していて、Kさんが、平成18年12月の退職強要を期に大きく追い詰められ、職場でも孤立し、心理的に追い詰められていくようすがありありと浮かんできます。また、そうしたKさんを支えきれなかった悔しい思いがいたします。

 同時に、不正関与嫌疑、仕事の取上げ、解雇通告と追い詰められながら、必死で何とか疑いを晴らしたいと書き上げた「釈明書」を受け取りながら、まったく返答もしなかった部長に対する怒りでいっぱいになります。


 Kさんは息子さんの病気が良くなり、職場に復帰した直後の平成18年10月から不正への関与を疑われ、申し開きの機会も与えられないまま本来の業務から外されていたのですから、平成18年10月6日の受診時には「表情は暗く、思い悩むところがすでにあり」という他覚症状であったかもしれません。ですが、当時はそれまで服用していた眠剤の量を増やす事もなく良眠し、勤務も日常生活も支障なく送ることができていたのです。
 Kさんによると明らかな自覚症状として不眠が出現しはじめたのは平成18年12月に行われた退職の強要以後です。
 そしてその不眠が継続、重篤化して自分でもどうにかなってしまいそうで、主治医を受診し、「不安抑うつ状態」と診断され、抗うつ剤の服用と休業を促されたのは平成19年2月22日です。
よって、自他覚症状の両方が明らかに認められた平成19年2月22日を症状顕在化の時期とするべきです。
 「調査期間」については、症状顕在化の時期が平成19年2月22日ですから、その前6ヶ月の平成18年9月から平成19年2月を調査期間とするべきです。

 堺市は、自らがKさんに行った行為である「解雇予告」(退職強要)を調査対象からはずすために、「症状顕在化時期」を平成18年10月としているだけです。

Ⅱ 退職強要の経過と心理的負荷について
( 以下略)
Category: 堺市政問題
2009/01/20 Tue
 昨年12月のヘルパーは散歩同行可能とした厚生労働省の見解が、日経新聞で大きく報道された。

各地の実態や利用者の声、ケアマネジャーの職能団体への呼びかけなど、なかなか優れた記事である。

 一人でも多くの人に読んでもらいたいので以下引用する。



介護保険でできるヘルパーの散歩同行< (日経新聞2009/1/19)




 厚労省が昨年12月に示した介護保険の運用についての見解が波紋を呼んでいる。これまで全国の自治体が禁止していた「ヘルパーの散歩同行」を認めたためだ。9年前の厚労省通達が禁止を促すような内容だったので、多くの自治体は驚き、戸惑っている。このため、直ちに解禁というわけにはいきそうにない。介護報酬全体が抑制路線から拡大へと転換した時期だけに、厚労省判断は様々な憶測を呼んでいる。
施設で奨励されているのに在宅ではNO
 特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホームなど入居系施設では、外出活動は奨励されている。正月に近くの神社へ初詣でに出かける程度は当たり前になってきた。介護職員に車いすを押されて、入居者が3,4人ずつグループで外出する。
 公園を目指して出かけても、商店街やスーパーの前を通れば立ち寄ることもある。入居する前とできるだけ同じような生活を継続するのが、高齢者ケアのABCという認識が広まってきたためだ。治療を目的にする病院と違い、高齢者施設は日々の暮らしを支えるためにある。認知症ケアから始まった「生活の継続性」という考え方だ。
 ところが、訪問介護のヘルパーは同様の散歩同行ができない。半年で退去するのが原則の老人保健施設の利用者は、在宅に戻ると散歩に出られなくなる。施設の方が在宅ケアより自由度が高いというおかしな逆転現象も起きてしまう。
 ケアプランを立てるケアマネジャーが「散歩を訪問介護のサービスとして提供してはならない」と思い込んでいるから、ヘルパーは手の出しようがない。
 ケアマネジャーはなぜケアプランに乗せないのか。保険者である全国の市町村自治体から「散歩は介護報酬の算定対象ではない」というお達しが届いているからだ。ケアマネジャーを集めた集団指導や研修の場でも厳命されてきた。時には、都道府県の実地指導で指摘されることもある。
自治体が相次いで禁止通達
 ご丁寧に文書に書き込んで守らせる自治体も多い。東京都杉並区は、2004年11月に「外出介助における基本的考え方について」という文書の中で「散歩のみの外出は介助の目的として不適切です」と記した。台東区も05年2月に「訪問サービスQ&Aについて」の中で「基本的に介護保険を利用した散歩の同行介助は不適切です」とし、江東区も06年に指示書を配布した。07年に入ると、岐阜市や千葉県松戸市、東京都東久留米市が作成。
 自治体は、文書を作成する以前から、事業者の問い合わせに対して否定見解を表明してきた。いずれも介護保険の第2期に入った03年以降である。それ以前には、訪問介護の身体介護に「散歩」と表記していても問題なかった。禁止の動きは05年、06年と次第に広まっていく。ケアマネジャーやヘルパー事業所が、自治体から口頭で指導されると近隣のケアマネジャー事業所にすぐ伝わり、きちんと確認されないままに全国的に浸透していったようだ。
 当時の雰囲気をケアマネジャーに聞いた。「とにかく散歩の文字は決して書かなかった」「事業所に実地指導に入った行政職からダメだと指導されると、あっという間に地域全体で散歩をやめてしまった」「いつも行政から何を言われるかびくびくしながらですから、再度確認なんて考えもしなかった」
 東京都渋谷区では、区の自主事業として散歩に取り組もうと08年1月から「外出の付き添い」を始めた。住民からの散歩の要望に応えたわけだが、保険でできないことを前提にした発想である。
 事業者の指定権限を持つ都道府県レベルでも、新潟県や大阪府などが文書で指導している。大阪府の文書が出たことで、大阪市は「上級官庁がダメと指示しているのだから、当然ダメです」と市内のケアマネジャーに伝えた。市町村は保険の主宰者である保険者。保険者にはあるまじき追従姿勢と言わざるを得ない。
厚労省の「豹変」に絶句する自治体
 そこへ、昨年の12月2日、各自治体を「絶句」させるような判断を厚労省が明らかにする。「自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、介護報酬の算定は可能である」
 これは、参議院の大河原雅子議員が提出した質問主意書に対する政府の答弁書の中の一文である。大河原議員は「ケアマネジメントで散歩の必要性を認めた場合には、ヘルパーによる散歩の同行を保障すべきだと考えるが」と問うたのである。
 実は半年も前の08年6月に、介護保険の報酬を審議していた社会保障審議会介護給付費分科会で、「散歩」問題が提起されていた。委員の一人である「高齢社会をよくする会」の副理事長で作家の沖藤典子さんが、「心身の衰えにより閉じこもりがちな高齢者の健康回復やリフレッシュのために必要とされてきた散歩にこそ介護予防の効果があると考えます。それなのに一律にカットされています。実施できるように明文化をしてほしい」という意見書を提出した。10月9日の同分科会でも同趣旨の意見書を配布している。だが、いずれも厚労省からきちんとした答弁はなくやり過ごされてしまう。
「散歩は必要」と現場から強い声
 確かに介護の現場では散歩の必要性を訴える声は根強い。横浜市のNPO法人「ふれあいドリーム」の島津礼子さんは「認知症や老老介護の人たちは引きこもりがち。自宅の周りを散歩できれば、心身の症状が上向くはず」と指摘する。
 同法人がケアプランを作り、訪問介護を提供している男性(83)は、通所リハビリと通院の月6回だけが外出できる日だ。老老介護の妻には認知症があるため、夫婦のほかの手助けがなければ外出はできない。「本人はもっと多くの外出機会を望んでいるのだが」と、島津さんは表情を曇らせる。
 また、NPO法人「東京山の手まごころサービス」のケアマネジャー、西野智子さんは担当している脊柱管狭窄症の男性(84)について、「体を動かさないと四肢麻痺が進んでしまうので、自分で歩くことが最も効果があるのに」と残念がる。一人暮らしのため、外出にはヘルパーの支援が必要だ。
 京都市の老人保健施設では、自宅で散歩ができなくなったため、昨年末にやむなく入居してきた男性(97)がいる。娘と同居し要介護2で軽い認知症がある。同施設の看護師は「桂離宮の周囲を散歩するのが楽しみだった。外出して日を浴び、風を感じるだけで、心身の意欲が高まって生活にリズムが生まれ、自宅暮らしが可能だった」と話している。
「買い物同行」で切り抜けてきたが
 自治体から散歩禁止を言い渡された事業者は、訪問介護の「買い物同行」に切り替えてきた。ケアマネジャーたちは「買い物先の店を上手に選べば、実質的に散歩と変わりないので」と、手の内を明かす。
 とはいえ、「行き先が決められ、利用者の自主性が奪われる買い物は、自由に歩く散歩とは大違い。心身の活性化につながるのか疑問」という声が聞かれる。
 散歩を広辞苑では「気ばらしや健康のために、ぶらぶら歩くこと」。京都の哲学の道を引き合いに出すまでもなく、古今東西で散歩の効用、心身の健康増進につながるエピソードはきりがない。かつて、長崎で蘭学を勉強していた勝海舟はオランダ人教師から、散歩を勧められてすっかり気に入ったという。
 健康な人なら一人でぶらぶら歩きができる。一人暮らしや老老介護の要介護者はそうはいかない。そして、日本では介護世帯の中で、一人や老老世帯が急激に増えている。独居と老夫婦の世帯は過半数を超えた。制度を使っての支援が必要なのである。
 買い物同行で切り抜ける方法は、「本来の目的から外れているので不自然。後ろめたい気持ちになる」と、ケアマネジャーに精神的な負担をかけているのも事実だ。規制をかけてきた自治体を飛び越えて、厚労省が「是認」宣言をしたのだから現場に衝撃を与えた。
つじつま合わない厚労省の言い訳
 厚労省は、「散歩同行を認めないとしたことはない」と突っぱねるが、「どう見てもおかしい」と、反発する自治体もある。というのも、介護保険の施行直前に厚労省は「老企36号」という通達を出し「訪問介護は要介護者の居宅以外で行われるものは算定できない」と記した。そして、自宅での準備活動を含めて自宅から連続した行為として、通院介助と乗降介助をそれ以外の例として挙げた。
 さらに、「老計10号」という通達の中では、「自立支援のための見守り的援助(自立支援、ADL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)」として7項目の事例を挙げた。(1)利用者と一緒に行う調理、(2)入浴、更衣等の見守り(必要に応じて行う介助、転倒予防のための声掛け、気分の確認などを含む)などと並んで、(5)車いすでの移動介助を行って店に行き、本人自ら品物を選べるよう援助―――とある。これが買い物同行だ。
 つまり、外出ができるのは、通院介助と乗降介助、それに買い物同行だけと読み取れる。各自治体が、訪問介護の禁止項目を検討したときに、この3種類でないものはNOとしたのである。
 「趣味、娯楽はダメ」とした通達が出たこともあり、散歩は除かれた。東京都は訪問介護として適さない例として、「ドライブ、パチンコ、墓参、地域のお祭り、外出」を示した。ここから、都内のある自治体は「ドライブがダメなら、同じような行為の散歩もダメ。趣味に通じる」と判断したという。
 こうした自治体の動きに対して、厚労省では「通達で示したのはあくまで例示であり、それ以外は認めないと言ったことはない」と突っぱねる。さらに「これほど禁止通達が広がっているとは知らなかった」と弁明。だが、「厚労省に持ちかけてから規制した」とする自治体もあり、自治体の過剰介入を「黙認」していたと見られても仕方ないだろう。厚労省は、自治体ができるだけ介護サービスを抑制させるように後押ししていたのは事実だからだ。
「適正化」の名でサービス費を抑制
 それは、04年から着手した「介護給付適正化推進運動」である。給付費の1%程度の抑制を掲げて始まり、ケアプランチェックなど5つの点検項目を挙げて2010年度までに全市区町村での実施を要請している。この施策によって、介護サービスの抑制を是とする機運が一気に高まった。
 自治体自体の財政難もあり、給付費抑制を狙った事業者への過剰介入が急速に進む。06年改訂で予防給付が持ち込まれて、さらに抑制ムードが高まり、ケアマネジャー研修や実地調査の際に締め付けを強める。健康な同居家族がいれば、年齢に関係なく、訪問介護の生活援助を認めないと声高に叫ばれたのはその典型例だ。
 そんな圧縮路線が、この4月から見直される。2回続いた給付費のマイナス改訂が、09年度からの第4期には初めて3%のアップとなった。そのタイミングで示されたのが「散歩の解禁」である。符節を合わせたようとは、こういうことをいうのだろう。絶好のタイミングであった。
 3%の給付費増は、介護現場の窮迫が伝わり、介護職員の報酬を含めた労働条件の改善を図ろうという政治的決断である。その直後の「散歩の解禁」であった。
問われるケアマネジャーの責任
 しかしながら、大きな疑問は、これほど現場が首をかしげる「勝手な解釈」が全国的に成されていながら、ケアマネジャーの間から組織的な異論、反発がなぜ起きてこなかったかだ。ケアマネジャーは本来、利用者の側に立って適切なケアサービスを利用者に提案する専門職。
 利用者に必要なケアサービスが、国の明確な指示もないにもかかわらず使えなくなったときに、職能団体として訴えていくチャンスはあったはず。個々のケアマネジャーが当該自治体に「抵抗」するのは難しい。「もし自治体ににらまれて、報酬返還の事態になったら大変」という恐れがあるからだ。
 ケアマネジャーは、都道府県別に団体を持ち、全国団体もある。利用者には組織的な団体はない。利用者に代わって声を挙げるべきだろう。

Category: 介護保険見直し
2009/01/19 Mon
 「えっ2万円給料があがらないの?」。いまだにこんな声がケアマネジャーから寄せられる。

 3%の報酬改定で介護労働者の賃金が2万円上がるという報道が行われたためだが、政府の見解を少しくわしくみてみると・・・。

 昨年11月14日には、「介護報酬が三パーセント引き上げられた場合に介護従事者の平均給与がどの程度上がるかについての推計は行っていない。」(衆議院での政府答弁書)と政府は答弁している。

 しかし、舛添大臣は、マスコミに「介護労働者2万円賃上げ」を公言していた。

そこで、議員が再質問
「 10月30日にとりまとめた介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策について、舛添大臣は会見で『ラフに言うと、恐らく現場で働いている方の月給が二万円くらい上がるかなという感じです』と発言しているが、それは本当か。」
「介護報酬三%アップにより、介護従事者の処遇改善を図るとしているが、それはどのような仕組みで現場の介護従事者の処遇を改善させるのか。また、すべての介護従事者の処遇が改善されるのか。すべての介護従事者の賃金が上がるのか。上がる介護従事者と上がらない介護従事者が出るのか。それは事業所によって違うのか、地域によって違うのか、ケアマネージャーなど職種によって違うのか。」

政府答弁は
「御指摘の発言は、仮に平成二十一年度における介護報酬の引上げ分すべてを常勤換算で約八十万人と見込まれる全国の介護職員の給与に充てれば一人当たり月額二万円を超える水準となるという趣旨を述べたものである。」
 「介護報酬の引上げを通じた介護従事者の処遇の改善は、介護報酬改定を通じて資格を有する者を多く配置する事業者に対し報酬上の評価を行う等の措置を講ずることによって取り組むこととしている。また、介護従事者の賃金は、当該介護従事者の雇用形態、勤続年数、事業所の経営状況等を踏まえ、事業者と介護従事者との個々の雇用契約で決められるものであることから、介護報酬の引上げによりすべての介護従事者の賃金が一律に引き上がるものではないと考えている。」(08年12月2日政府答弁書)

 何のことはない。

 介護報酬3%引上げと介護労働者の賃上げ2万円の関係は、ありえない仮定でしかも数字を適当に当てはめ割り出したただけのペテンのようなものである。
 舛添厚生労働大臣のペテン的ホラのたぐいである。

 



 
Category: 介護保険見直し
2009/01/18 Sun
 今日一日、今週の研修や会議の報告・講演の資料作成に費やした。
 レジメを作成し、資料を整理し、パワーポイントで編集。これが結構時間がかかる
 やってもやっても追いつかない

 今週は超多忙である。
 まず、23日は、全国民医連の地域包括支援センター交流集会
    24日は、介護保険シンポジウム
    25日は、介護・医療の負担軽減学習会
 すべて違うテーマの講演・報告であり、使いまわしはまったく不可。

  平日の夜は、すべて会議が入っており、そのレジメ資料も作成する必要がある。もちろん昼間は本業のためまったく作業はできず。
 また、21日にはケアマネ公務災害の審査請求の口頭意見陳述も予定されている。

 そして次週は
    26日夜 取りすぎの介護保険料返せ集会
    28日夜 介護報酬改定学習会

 わずなか時間、睡眠時間を削って準備するにも限度がある。
 
 1日がんばったが追いつかず。

 エーい! やーめた。
  
 ということで夜は、映画 「チェ 28歳の革命」を観に行った。

 よかった。これぞ真の革命家。映像がまるでドキュメンタリーのよう。

 3時間のロスは痛かったが、われわれ凡人の平和ボケした活動など、ゲバラのゲリラ闘争に比べれば日常そのものである。
 
 


  
Category: 雑感・雑記
2009/01/17 Sat
 大阪民医連のケアマネジャー研修の講師に招かれた。
 2時間余りの持ち時間で①介護報酬改定②ケアプラン点検の二つのテーマ。

 準備不足もあり、中途半端に終わった。とくにケアプラン点検問題は、もっと掘り下げたかったが時間不足。

 難しいのは介護報酬。
 底上げなしだが、各種加算があり、現在、民医連の各事業所では、「当てはめ」作業を行った収入の試算を行っている。

 居宅介護支援事業所の場合、認知症加算、独居高齢者加算、医療連携加算があり、利用者状況によっては不安定であるとはいえ、収入増の要素はある。

 とくに特定事業所加算のⅡの方は、医療機関をバックに持つ事業所も場合、主任ケアマネさえ確保できれば獲得できる可能性がある。

 しかし、大阪府の場合、主任ケアマネ研修受講に定員があり、受講に当たって事前審査がある。
 大阪府がこの方式を決めた一昨年は、このような状況になることは想定していなかった。

 主任ケアマネ研修の不当な制限は直ちに撤廃し、国の定める受講要件を満たすケアマネは全員受講できるようすべきである。

 他にも「独居高齢者」の定義をどうするか、認知症自立度Ⅲは何を基準にするか、などなど報酬改定にともなう問題点は多い。

 
Category: 介護保険見直し
2009/01/16 Fri
 大阪府に対し昨年末から新年にかけて第4期介護保険料の各自治体の試算値一覧と大阪府財政安定化基金の収支状況を情報公開請求してきた。

 公開された資料を分析検討した。

 様変わりである。

 3年前。急増する介護給付費、このままでは介護保険財政が持たないと「制度の持続可能性確保」のため制度改悪をやり、給付適正化をやった。第1号介護保険料は大阪府内平均で36%以上もの大幅引上げも行った。
 事実、2005年度末には、大阪府内の24自治体が保険料収入が不足し、大阪府財政安定化基金からの「借金」(貸付・交付)を受けており、その総額は、72億5338万円に上っていた。

 ところがあれから3年。
 ほとんどの自治体は、大阪府財政安定化基金にその借金を返済し終わってしまった。もちろん財源は全額第1号保険料(高齢者の負担)である。

 2008年度末での借金額は大阪府全体で9645万円。2自治体(松原市・交野市)だけである。3年前と比べると二桁違う。
 
 大阪府財政安定化基金は、基金残高が193億円以上にのぼり、金余り状態に。第4期は市町村からの納付金は「ゼロ」にする。

 一方で、市町村に貯め込まれた介護保険料の余り(介護給付費準備基金)は、2008年度末で総額186億1275万円に。

 介護保険料を大幅に引き上げ、制度改悪と給付適正化で、給付が抑えられた結果である。

 多くの自治体で、高齢者に一人当たり1万円~2万円もの「剰余保険料」が残った。

 高齢者のわずかな年金から天引きで取り立てたとりすぎ保険料。
 ただちに高齢者に返還すべきである。
 

Category: 介護保険料
2009/01/10 Sat
 1月10日は、今年初めての講師活動。
 枚方社保協などが主催した「介護保険第4期改定を考えるシンポジウム」の基調講演に招かれた。会場には、60人ほどが参加され、介護関係事業所も12事業所から20人が参加された。特別報告として枚方市の高齢社会室の課長代理がパブリックコメント中の第4期事業計画案について報告された。
 枚方市では、第3期の介護保険料の余りである介護給付費準備基金は9億8千万円以上になり、第4期介護保険料の引下げに全額充当すると説明されていた。

 私は、国の介護報酬改定案の基本的な内容と、自治体における第4期の課題についてお話させていただいた。
 とくに、給付が計画値よりも下回っている要因について、どこの自治体も「認定率が下がったため」という程度の分析しかしていない。
 なぜ、軽度の認定率やサービス利用が下がったのか、保険料あって介護なし、の状態になっていないか、抑制した施設整備の中で、入所待ちの重度者はどうなっているのか など第3期の実態把握と真剣な分析がなされていない。

 シンポジウムでは、ケアマネジャーと利用者家族が、深刻な介護現場の実態を切々と訴えられた。こうした声に耳を傾けてこそ、住民参加の事業計画になるのだが。


 
Category: 介護保険見直し
2009/01/04 Sun
 昨年12月、厚生労働省が、訪問介護で「散歩同行は可能」との見解を公式に示した。東京方面では話題になっているらしい。

 大阪府では、かつて(2002年)、散歩介助について「算定可」としてきたが、2007年の「訪問介護サービスに関するQ&A」で、「算定できない」としてきた。

  全国的にも公然と「散歩」という行為そのものについて、「訪問介護で対応可」とする県は少数である。

 今回の厚生労働省の回答

「訪問介護員による散歩の同行については、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、現行制度においても、介護報酬の算定は可能である。」
 (参議院議員大河原雅子介護保険制度に関する質問主意書に対する政府答弁書)
 
 くわしくは 参議院ホームページ掲載の質問主意書回答

 この厚生労働省回答は、しごく当然のものである。
 
 厚生労働省のかつての通知(老計第10号)でも、「自立生活支援のための見守り的援助(自立支援、ADL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)」とされており、今回の見解はこれをそのまま踏襲したものである。

 散歩外出介助を否定した大阪府のQ&Aは、いまだに撤回されておらず、大阪社保協との話合いでも、適切なマネジメントに基づく散歩介助を保険給付の対象とするべきとの要求に対しても、未だに認めていない。
 その誤りについては当方のHP参照

 大阪府は、外出介助の「目的」が日常生活上必要な通院や日常品の買い物外出といったものに限定されるとし、そうでない「散歩」などは対象外という見解である。
 
 しかし、今回の厚生労働省回答は、「訪問介護員による散歩同行」について、「自立した生活の支援に資するものと考えられる」として、「現行制度においても、介護報酬の算定は可能」と明確にしたのである。
 
 大阪府は、もうそろそろ、自らの誤りを認め、Q&Aを書き換えてはどうだろうか?

 
Category: 介護保険見直し
2009/01/03 Sat
 昨日深夜、実家から大阪へ帰る。
 顔の擦り傷もだいぶましに。ようやく平常モードに復帰。

 自宅には年賀状がどっさり。昨年も多くの方と知り合い世話になった。

 心に残る1通。

 私の故郷 岐阜県にお住まいのA先生の文面
 「昨年は『ブラジル移民100周年』だったにも関わらず、秋以降日系ブラジル人の方々が大量に解雇されています。歴史的に移民として厳しい生活をしてきた人たちがようやく「安定」しつつあったのに私たちの国はどうしてこんなに冷たいのかと情けない気持ちです。日系ブラジル人の方々が始まれた緊急署名に『愛の反対は憎しみではなく無関心です』というマザーテレサの言葉がありました。・・・・」

 岐阜県とくに、可児市や美濃加茂市、各務ヶ原市などは日系ブラジル人をはじめ外国人労働者と家族が多い。私も昨年夏お盆に帰省したときなど、、美濃加茂市の街のあちこちに見る外国人の姿の多さに「ここは本当に日本の田舎町なのか」と思ったほど。

 彼らに多くは「派遣」として工場に働いてた。

 これが経済危機による「派遣切り」に犠牲に。

 東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に講堂を一時「開放」しただけの厚生労働省だが、外国人労働者の派遣切りにはまったくの無為無策である。

 ここでも「無関心」と、さらに悪い「無為無策」がはびこる日本の姿を見る思い。

 国籍を問わず、人と人が支えあう世の中へ。

 明るい希望に満ちた年への願いが伝わる年賀状でした。
 
Category: 雑感・雑記
2009/01/01 Thu
 2009年の新年が明けた。
 
 故郷の空は快晴。

 昨日に火事の跡が生々しく、警察と消防が現場検証にきている。

 集落全体も正月どころでない雰囲気。

 多難な一年となりそうな年明けだが、快晴の青空がまぶしい。

 
Category: 雑感・雑記

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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