2009/04/30 Thu
 要介護認定見直しは、厚生労働省の「経過措置」導入で大混乱。

 「今までどおりの要介護を希望されますか?」

 「そら今までどおり介護保険使いたいから希望するワ。」

 「要介護2のままでいいですね」

 「そうや。そのまんまでエエ」

 ここまでは簡単だが・・・

 「要介護2なら、もう調査にウチに来んでもエエんとちがうか」

 となる。
 
 「いやいや要介護2と決まっていても調査と審査はしないと更新できないのです」

 「そんなん。もう要介護2って希望聞いてくれるんやったら調査して何になるねん? 時間の無駄や」

 「しかし、調査はしないと・・・・・」

 「調査したことにしといたらエエやんか」

 「・・・・・」

 少し、理屈のわかる高齢者なら誰でもそう思う。はじめから結果がきまっているのになぜ無駄な調査をするのか、と

 

 介護認定審査会の委員さんにはどう説明しようか。事務局で話し合った。

 「はじめは、経過措置の希望者ということを黙っていて、まず2次判定してもらって、その後で『実はこの方は経過措置希望者なので、今の2次判定とは関係なく前回どおりの要介護度なります』って事務局からいうたらどうや」

 「そんなん。委員さんから 怒られるで。真剣に考えて2次判定したのに!っていわれるやないか」

 「そやけど、はじめから『この人は経過措置希望者なので前回どおりの要介護度になる人です』って説明したら、審査会では、真剣に議論する気にならへんで。『そんなら1次判定どおり』ってなってしまうで。」

 「委員さんに忙しいなか集まってもらって、無駄な議論してもらって、その結果は厚生労働省におくるデータになるだけで、実際の要介護認定にならへんかったら申し訳ないで。」

 「市民もこんなこと知ったら、『役所は貴重な税金使ってなんてムダな会議やってるんや!』って。それこそ、認定費用支出が不当やていう住民監査請求だされるで」

 要介護認定のかなりの部分を占める「更新認定」に、希望により前回どおりの要介護を出すという経過措置。

 意味のない調査に付き合わされる利用者や、調査員の立場にたって考えてほしい。

 そして、事務局職員や、審査会委員のことも考えてほしい。

 厚生労働省が、強行した要介護認定見直しを、検証が終わるまで「凍結」すればこんなアホなことにはならなかった。

 ごり押しのツケは、利用者と、現場にしわ寄せされる。厚生労働省は、自治体からの「検証データ」を受け取るだけ。

 一刻も早く、見直しを中止せよ。
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Category: 介護保険見直し
2009/04/24 Fri

 厚生労働省が第四期介護保険料を公表した。
 
4月23日9時50分配信 時事通信
 厚生労働省は23日、65歳以上の高齢者の2009~11年度の介護保険料が、全国平均で月額4160円になるとの集計結果を公表した。介護サービス利用者の伸びが落ち着き、給付費増も小幅となったことから、06~08年度比では1.7%増にとどまり、2000年の介護保険制度導入以来、増加幅は過去最低となった。
 介護保険料は、保険を運営する全国の市町村・広域連合が3年ごとに改定する。4月1日現在の保険者数は1628団体。うち保険料を引き上げたのは55.4%(902団体)なのに対し、引き下げは24.8%(403団体)、据え置きは19.8%(323団体)だった。
 保険料の最高は青森県十和田市の5770円、最低は福島県檜枝岐村と岐阜県七宗町の2265円で、格差は2.5倍。上昇率トップは山梨県早川町の61.1%、下落率トップは沖縄県竹富町のマイナス34.5%だった。都道府県レベルの平均では、最高が青森(4999円)、最低が千葉(3696円)。

 大阪府では、引下げが25自治体(60.9%)、据え置きが7自治体(17.1%)、引上げは9自治体(21.9%)で全国と違い、引下げが多数である。
 しかし、それでも大阪府平均は4,500円と全国を上回る。すでに低年金の高齢者の負担の限界を超えている介護保険料。
 引下げのたたかいをいっそう強化するときである。


順位  第四期保険料
1  4,986 八尾市
2  4,932 松原市
3  4,920 能勢町
4  4,872 柏原市
5  4,864 熊取町
6  4,862 太子町
7  4,836 堺市
8  4,812 泉佐野市
9  4,800 藤井寺市
10  4,785 岬町
11  4,785 羽曳野市
12  4,782 泉南市
13  4,780 大阪市
14  4,773 千早赤阪村
15  4,768 東大阪市
16  4,716 和泉市
17  4,698 河南町
18  4,672 忠岡町
19  4,645 くすのき広域連合
20  4,635 富田林市
21  4,625 交野市
22  4,600 岸和田市
23  4,500 大東市
24  4,483 枚方市
25  4,400 貝塚市
26  4,400 阪南市
27  4,377 大阪狭山市
28  4,368 田尻町
29  4,350 摂津市
30  4,302 高石市
31  4,260 豊中市
32  4,257 吹田市
33  4,240 寝屋川市
34  4,100 河内長野市
35  4,050 池田市
36  4,000 箕面市
37  3,960 島本町
38  3,928 豊能町
39  3,877 茨木市
40  3,840 高槻市
41  3,670 泉大津市
 平均  4,500

 
 
 
Category: 介護保険料
2009/04/22 Wed
 4月22日、堺市内の介護事業者の団体「介護リンクさかい」のホームヘルパー基礎研修の講師にお招きいただいた。
 参加したヘルパーさんに、
 「あなたはどう思う
 認知症の方の閉じこもり防止と昔のことを思い出してもらうために近くに散歩に同行する。
 
 ヘルパーは、散歩同行・介助ができるか?」

 と質問してみた。

 参加者のほぼ全員が「散歩介助はできない」に手をあげた。

  無理もない。

 大阪府が2007年8月に作成した「訪問介護サービス内容に関するQ&A」では

 「問9)認知症等の利用者が、精神的に不安定になったとき、落ち着くために外出する。
答)気分転換のための外出は、介護保険の対象とはならない。
問10)医師からの指示による下肢筋力低下予防や、認知症による徘徊予防のために、近くの公園まで行く。
答)訪問介護で位置づけるべきではなく、他のサービス提供を検討すべきである。」

 ようするに全面禁止だった。

 しかし、私たちの2年ちかい取り組みの結果、このQ&Aがようやく「全面書き換え」になった。

 散歩については、
 「問8)近所を散歩する。
答)散歩の同行については、適切なマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものにすいては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、介護報酬の算定は可能である

 と180度転換で、「解禁」された。

 改定Q&Aでは、このほか、「通院帰りの買物」「複数の医療機関」など、目的地が複数の通院・外出介助についても、保険者判断などの条件付ではあるがケアプランへの位置づけを可能とした。
 さらに、冷暖房危惧の出し入れについても、特段の手間を必要としないものについては「算定対象」と認めた。

 22日から始まった「介護事業者集団指導」で公表されたQ&A全面改訂である。

 大阪府版ローカルルールの事実上の打破であり、大阪社保協のたたかいの成果でもある。何度も大阪府と話合いを行い、全府内のケアマネジャーアンケート、市町村調査、「サービス制限を考えるシンポジウム」などを積み重ね、さらに国会での質問、大阪府議会での質問などを通じて、ようやく全面書き換えを実現させた。ささやかではあるが、給付抑制とサービス制限に対するたたかいの貴重な到達点である。

 今後、さらに、実地指導やケアプラン点検などの場での機械的・一律的規制をやめさせていくこと、市町村レベルでのローカルルールを是正させていくことが課題である。

 



 
Category: 介護保険見直し
2009/04/19 Sun
 介護報酬改定で新設された居宅介護支援費(ケアマネジャーの介護報酬)の独居高齢者加算(月150単位)。
 厚生老度省通知によれば、①利用者から単身で居住している旨の申出 ②利用者の同意を得てケアマネジャーが住民票上も単身世帯であることを確認 ③利用者の同意を得られない場合又は住民j票上単身世帯でない場合は、ケアマネジャーのアセスメントによる とされている。

 この住民票の取扱いが、ここ数年、個人情報保護の観点から格段に厳しくなっていいる。まず、住民基本台帳法の改正により、従前「何人も」できた住民基本台帳の閲覧が一部の公益的目的以外は出来なくなった。また、昨年から住民票の写しの交付も第三者は、原則として受けることが同様に困難になった。
 厚生労働省の「ケアマネジャーが住民票確認」という通知は、住民基本台帳法を所管している総務省と十分なすりあわせをしたとは考えられない安易なものである。

 厚生労働省のQ&Aでは、住民票請求の費用は「事業者負担」とか、入手した住民票を「居宅サービス計画と一体として保存」などとしているが、この住民票を第三者であるケアマネジャーが入手することの問題点について認識を欠いている。
 本人の委任状があれば多くのところで住民票の写しの交付は受けられるが、住民票写しはこの場合、「世帯全員」を請求することになる。また、住民票は、個人情報でにとどまらず、公正証書としての性格ももっており、悪用されるおそれがあることから、ケアマネジャーは本人の委任を受けて交付を受けるにあたり、「他の目的に使用しない」という誓約書も必要になるだろう。

 こうした事情から市町村の住民票担当課の中には、ケアマネジャーによる請求でなく、「本人請求」を求めるところもある。

 そこで、この高石市の文書である。Image139.jpg


 本人同意を得て住民票写しを入手するのは、ケアマネジャーの仕事であり、その費用も事業所負担である。ところが、この高石市の文書は、本人が記載し請求し、手数料300円も本人が定額小為替を郵便局で買って同封し、さらに80円切手を貼った返信用封筒まで入れて高石市市民課に持参するか郵送するとなっている。

 さらに、問題はその送付先である。「※右記の事業者に送付願いします。」と、ケアマネジャーの居宅介護支援事業所あてに送るようになっている。

 この文書を見る限り、介護保険サービスの利用者が、市役所に自分の負担で住民票写しを請求し、自分で切手を貼り事業所の住所を返信用封筒に書いて、事業所あてに住民票写しを送付する手続きをする ということになる。
 
 ケアマネジャーにとってはこんなにラクなことはない。
 
 しかし、介護保険を利用しているからといって、利用者がケアマネジャーに自分の住民票をさしださなければならないようないわれはない。

 ケアマネジャーが必要であれば、利用者の同意を得て、自分で請求するものなのである。

 実際は、本人に委任状をもらって、ケアマネジャーが請求する扱いとなるだろうが、この高石市市民課の文書は、請求者欄にも「利用者ご本人様の住所・氏名・生年月日・印鑑 または世帯主様の氏名等」と明記され、あくまで「御人請求」となっている。

 高石市のこの文書は、「住民票写しの請求は本人請求で」という、市民課サイドの意向が反映されたものであろうが、介護保険の利用者からするととんでもないシロモノである。

 独居高齢者加算にあたって、「住民票確認」を原則要件とした、厚生労働省通知の弊害である。
Category: 介護保険見直し
2009/04/18 Sat
 4月18日は、尼崎市の社保協主催の介護保険学習会。
 会場の尼崎市立労働会館の会議室は、椅子が足りなくなり、隣の部屋から運ぶほどの大盛況。大阪社保協から送ってあった「相談活動ハンドブック50冊」も完売してしまった。
 Image138.jpg

 
 参加者はここでも、尼崎社保協加盟団体の会員や、一般の高齢者、そしてケアマネジャーなど介護従事者、さらに市会議員、尼崎市の介護保険担当課職員など実に多彩。

 講師の立場からすると、専門的で難しくてもダメだし、あまり初歩的でも介護関係者からは不満が残るという、いわゆる話しにくい参加者構成。

 主催者からの「要介護認定見直し問題をしゃべってほしい」との要請もあり、半分くらいは要介護認定改悪問題パワーポイントをつかってをできるだけわかりやすくお話させていただいた。

 参加者からは一様に「こんなムチャクチャな調査とは知らなかった」と驚きと怒りの声が上がった。そして、追い詰められた厚生労働省のドタバタの「経過措置」などについても「よし!がんばって撤回させよう」との声も聞かれた。
 尼崎社保協は、厚生労働大臣あてのFAX送付行動を提案。送りつける用の用紙もFAX番号を記入して配っていた。

 質疑応答では、要介護者の家族の方から、「胃ろうなのだが、食事介助の調査項目は、新認定ではどうチェックされるのでしょうか}という質問も出された。

 また、尼崎市の介護保険担当課で認定業務を担当されている職員も参加しておられ、「厚生労働省のころころ変わる方針と見切発車に自治体は振り回されている。認定調査員テキストも配ったのに印刷のし直しだ。職員は『いいかげんにしてくれ!』と言ってる。経過措置も厚生労働省からはまだ通知がなく、自治体の担当職員もマスコミ報道で知る状態だ」と実情を報告された。

 立場の違いを超えて、要介護認定改悪への怒りと反対の声で一致した学習会となった。


 学習会を終えて堺に帰り、確認すると、厚生労働省が昨日付けで送った「要介護認定等の方法の見直しに伴う経過措置について」(厚生労働省老健局長通知 老発0417001号)を入手した。

 ご丁寧に、申請者に対し、従来の要介護度を希望するかどうかを聞く「希望調書」の様式まで、添付し、Q&Aまで付けている。Image141.jpg


 驚いたのは、経過措置の手順。
 ①申請者に、更新申請以前の要介護状態区分を希望するかどうか意思を確認し、書面にする
。この場合、重度に変わった場合と軽度に変わった場合とそれぞれの希望を聞く
 ②認定審査会で、更新以前の要介護状態区分の審査判定となったときは、①で従来の要介護状態区分を希望している者は、その希望にもとづく審査判定とする
 ③更新以前の要介護状態区分を希望しない者である場合は、以前の区分と異なってもそのまま判定する
  
 というもので、認定審査会での審査判定の結果が従前と違った場合は、「希望に基づき」従前の要介護で判定するとなっている。
 審査会委員の審査がまったく時間の無駄になる。厚生労働省に送るデータを作るためだけに審査することになる。
 
 こんなことをするならはじめから新方式でやらなければいい。

 当然、Q&Aでは、
「Q5 今回の経過措置は、要介護認定方法の見直しを凍結することと同義ではないのか」といった設問も出てくる。
「(答)
 1 今回の経過措置は、安定的な介護サービスの利用を確保する観点から、従前の要介護度とすることを希望する申請者を対象に、その希望に応じ、認定審査会が見直し後の方法による要介護度が従前の要介護度と異なる場合、従前の要介護度とすることを可能とする措置であり、申請者から自らの状態等を勘案して従前の要介護度にする必要がないと判断すれば、見直し後の要介護認定の方法で判定された要介護度になるものである。
 2 一方で、市町村では、既に見直し後の要介護認定の方法による認定を実施しており、現段階で見直し後の方法の凍結といった大きな方針の変更を行うことは、要介護認定の実施自体に相当程度の遅れを生じさせてしまうことになり、かえって利用者にご迷惑をおかけし、現場に混乱を引き起こすこととなると考える。
 3 厚生労働省としては、要介護認定の方法の見直しに際し、利用者等に不安が生じないようにすることが重要であると考えており、この経過措置に加え、今後とも、今回の要介護認定方法の見直しに際し、利用者に対する丁寧な説明や認定調査員に対する研修等について万全を期してまいりたい。」

 あきれてモノが言えない。
 反対の声を押し切って4月1日実施を強行しておいて、いまさら凍結すると混乱がおきるとか、利用者に迷惑がかかるとか、今頃、どの面下げてこんなことをいうのか。

 利用者と現場は、今回の要介護認定改悪の強行実施そのものが「大迷惑」なのである。

 まだ、2週間あまりしかたっていない、調査した件数もわずか、ましてや認定審査会で新方式の審査はほとんど始まっていない。
 いまなら、中止・凍結してもわずかな手直しで混乱は最小限ですむ。

 こんな混乱に混乱を上塗りするような「経過措置」でなく、いさぎよく「中止・凍結」を決断すべきである!
 

 
Category: 介護保険見直し
2009/04/17 Fri
 年金納付率問題で、「神のみぞ知る」などと無責任発言をした舛添厚生労働大臣。
例の要介護認定問題でも記者会見で無責任な持論とぺらぺらとしゃべっている。
舛添厚生労働大臣閣議後記者会見(H21.04.14(火)09:10 ~ 09:20 ぶら下がり)
 
(記者)
昨日、検討会で認められた介護の内部文書について、大臣の見解をお願いします。
(大臣)
昨日、要介護認定基準の見直しということで、これは色々な関係の方に入っていただいて良い議論ができたと思います。その中で、共産党の小池議員から委員会で質問があった文書、つまり、意図的に財政的な観点から介護認定を減らすというような検討が行われたのではないかということについて、委員の樋口さんから説明して欲しいということがありました。私は途中までしか出られなかったので、あとは局長の方から説明をわかる範囲でしなさいということで言いました。基本的には役所の中で色々な検討をする、樋口さんもおっしゃっていたように、役人の立場というのは、「これだけの財源の中でやりなさい。2,200億円をカットしなさい」と来たときに、どこで辻褄を合わせるか、今回の2,200億円でもどこからお金を取ってくるか、本当に苦労しました。後発医薬品ジェネリックは230億円位しか無いわけですから、よくぞこんな所にお金を捻出できたなという感じになってしまうわけです。本来は役人の仕事というのはそうではなくて、どうすれば介護が良くなるか、どうすれば医療が良くなるかに全力を尽くす環境を政治家が作らなくてはいけない。だから、例えば難病にしても、25億を4倍にしたのは、「一生懸命やって下さいよ」と言えば官僚は一生懸命やる。ところが、これだけの金しかない中でやれというのがあって、もし予算が増えなければどうなんだろうといって、官僚の習い性で一生懸命やったのだと思います。「とてもじゃないけど介護の分をどんどん削れ」と言われた時にどう削るのか内部で検討をした。もちろん私も見ていません。今の局長も見ていません。どういう所でどう行ったかまで、細かい関係者は他の所に行ってますからわかりませんが、そういうことの一部が出たということなんですね。だから、一つは文書管理をしっかりしないといけないということは当然ですが、それより前に、政治家の立場として言うと、そういう議論に役人が力を使うのは、非生産的で、むしろ私達政治家のリーダーがやることは、2,200億円にしても、縛りをかけるのではなくて、どうすれば介護が良くなるのか、国民の立場に立って検討しなさいということを指示すれば、彼らも一生懸命やると思います。今、3%上げ、今度の検討している補正でも予算規模を上げれば、生き生きとやろうということが出てくるわけです。ですから、私は、樋口さんがいみじくも言ったように、こういうことをやるのはけしからんけれど、元々、2,200億円があったからこういうことになったということは彼女も良く理解していました。色々なシュミレーションを検討することが悪いとは言いません。ただ、やっぱり、役人だけの責任ではなくて、大きな大枠を決めることに対して、政治の決断をやるべき時期に来ている。そうしないと、私に言わせると、くだらない検討までしないといけなくなります。幸い、あのようなものは公式な見解にもなっていないし、「ちょっとやってみたよ」ということだけです。そういうことではなくて、全体の処遇を上げようとして、今、努力をしている。認定基準の問題も、問題があるので、希望者は前の基準のままでしばらくはいいですよということをやっているので、そういうリーダーシップを今後とも発揮していきたいと思います。先ほどご質問のあったように、国民が安心できる社会保障とは何なのか、そういう原点に返った議論をやらないと、役人の使わせ方ももったいないというか国民の為になっていません。ですから、省を挙げて反省し、謝罪するところは謝罪するにしても、積極的に、ポジティブに更に良い方向に目指すように努力したいと思っています。
(記者)
少し細かい話ですが、例えば、介護認定審査会の委員の関与を減らしということが書いてあります。そうしますと、口では一次判定のコンピューターの判定を厚生労働省的には二次判定で救いますと説明していたのですが、これによりますと二次判定も形骸化しようということになるのですが、その点についてはいかがでしょうか。
(大臣)
そこはそう読むかどうかです。要するに、公平性ということから考えた時に二次判定でどうにでもひっくり返るというのであれば、一次判定の介護ソフトの意味がありません。昨日の検証委員会でも半分くらいの委員の先生方がこの認定基準を持っているのは世界一すばらしいとほめられているということをおっしゃった先生方もおられます。つまり、公平性の担保を確保しておかないと、極論すればそのような判定ソフトはいらない、その時の先生が勝手にコネや何かを使って「あなたを要介護認定3に上げます、4に上げます」というのではおかしいので、そういう意味でなるべく人為的、意図的な事が入らないようにするために、相当なところは一次判定で行います。しかし、二次判定については、救えなかった人はそこで救う。火の不始末の問題などです。一律的にそこに入れた方がいいかどうか、私の母親もそういうケースだったで、火の不始末なんかを二次判定できちんと行いなさいということを言っておりますので、公平性のバランスでそういうことだということです。認定ソフトを公平と見るか、先生方を公平と見るか、それは先生方の恣意が入ると困るわけですから、そういう意味だと理解しておりますので、引き続き目指すべき目標というのは介護保険をより良いものにしていって、介護で苦しむ本人、御家族の悩みを少しでもなくして行き「介護保険が本当にあってよかったな」と言われるような制度に育てていくことだと思っておりますので、努力して行きたいと思っております。
(記者)
担当課の説明では、介護給付費の削減を意図したものではないという説明だったのですが、今の大臣の御説明だと、削れと言われたので職員で検討したという話だったのですが、それは削る意図が職員の中であったということを大臣として御認識されているのでしょうか。
(大臣)
それは違います。樋口委員がおしゃっていたのですが、要するにいろいろな政治家からの要求があります。「予算をどのくらいでまとめなさい、これだけ全体で削減しなさい」。今回も2,200億円を削減しなさいとあるわけです。役人としては政権交代があっても、「今度の予算を何百億増やせ」と言われたら、役人の仕事はどこを増やすかを考えないといけないのです。政治のリーダーの言ったことに従い、それの辻褄を合わせるということを行っているので、そういうシミュレーションの一つです。
(記者)
大臣は樋口さんがおしゃられた見解を今述べたということでしょうか。
(大臣)
そういうことではなくて、樋口さんもそういう指摘をしたということです。
(記者)
大臣としても政治的背景があり職員が追い込まれたとお考えですか。
(大臣)
そういう面もあるだろうと思います。ですから、自発的に「こんなものはどんどん減らしていけ」ということを職員は思いません。それは内閣が決めることですから。すべての役人の習いは「ああいう指示が出てくるな、今度こういう指示が出てくるな、こうカットしろと」指示が出て来て、すぐ動けと言った時に動けないですから、そういう情報を察知したら習性としてすぐに動きだすのです。そういう面があったと思いますから、寧ろ、私は政治の大きな舵の取り方の方が大きな問題だろうと思っておりますので、結果としてより良い介護保険制度にすればいいということです。
(記者)
大臣は厚生労働省改革推進室も作って、今年はかなり体制を強化されてきたと思うのですが、それでもこの介護認定の見直しがチェックできなかったということは大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
それはこれだけ大きな仕事ですから、課長レベルのものが全部私に上がってきたら、私が百人くらいいないと無理です。ガバナンスの強化をすることを行わないといけないですが、雇用の問題、医療の問題をどうするか、私も24時間しか時間がありませんから、全力を挙げて行い、手足も使っておりますが、それは漏れるところがあります。それは非常に申し訳ないと思いますので、放っておかないで「漏れて困った」というところにはすぐに手を打っているわけで、今後、更にガバナンスを高める努力をしたいと思います。


 ようするに、給付削減計画を示し、その一環として要介護認定見直しを位置づけた「厚生労働省内部文書」は、役人の責任でなく、社会保障費毎年2200億円削減を決めた「政治の責任」という主張だ。しかし、その政治家、それも政権政党の一員で厚生労働省のトップはアンタでしょう。評論家時代ならいざ知らず、その責任と反省なしにペラペラといいたいことを言う、その姿勢が無責任というものだ。

 それと、要介護認定見直し問題の中味。ろくにわかっていないのにコンピュータ判定が公平で、専門家の2次判定は恣意性が入ると、厚生労働省役人の言い分をそのままに、繰り返している。
 しかし、その一時判定ソフトそのものが、今回、「要介護1相当」に要支援2と要介護1の切り分けを導入する際にきわめて恣意的に、それこそ、厚生労働省の内部文書が示すように、利用者の状態にかかわらず、機械的に要支援2と判定するように作られている。

 要介護認定見直し実施直前の3月のバタバタ問題は、自分のチェックが不十分だった、「24時間しかない」ので見れなかった、とこれまたわけのわからない言い訳である。
 この大臣の言っているのは、最重度の寝たきりの人でも「自立(介助なし)」と選択される認定調査項目を直前に「介助されていない」と、「言い換え」したことのようだ。中味な何も変わっていない。自治体レベルで認定調査用紙を「ゴム印」で修正したくらいの効果しかなかった。

 この大臣の言うことは、いつもこの調子である。
 後期高齢者医療制度問題では、麻生内閣発足の時「抜本的に見直す」と大見得を切りながら、今年3月の結論は、「名称の見直し」だけだった。

 問題が起こり、国民の批判が高まると、「政治の責任だ」と評論家のようなことを言い、「見直す。見直す」を連発して国民に期待を抱かせながら、結局「言葉の言い換え」レベルのゴマカシ修正で終わる。

 エエカッコするだけの無責任大臣である。しかし、国民世論を欺く効果は抜群である。
 

Category: 介護保険見直し
2009/04/17 Fri
 要介護認定の見直しに係る検証・検討会が、4月13日に第1回会合が開かれた。
 その会議の模様が、さまざまなところで公開されているが、一読して「これではダメだ」というのが率直なところである。

 要介護認定改悪の内容についての危機感、給付適正化に結びつく危険性の認識がまるでない。要するに、利用者・家族の視点がまったくなく、アレコレの制度論や、「バラツキをなくす」といった厚生労働省のタテマエ論に組する委員の何と多いことか。

 中でも
この人の発言
「必要なサービスが受けられなくなるのではという不安の声、という点について、少なくとも介護保険制度の流れの中では、要介護認定のみでサービス量が決まるわけではない。プロセスとして、申請があって認定審査会で、要介護認定され支給限度額が決まる。次にケアマネ ジャーがケアマネジメントをしケアプランを立てる。そこでサービス量が決まる。限度額の中でやるのか、足りないのかはその次の話だ。それをここで確認してから議論するべきだ」と主張しました。そして、「国民の皆様が、いま不安に思っているのは要介護認定の度合いだけでサービス提供量が決まってしまうと思っていること、誤解を招くようなことはあってはならない」、「これを理解していただくためには、プロセスの途中で、要介護度に対する不服申請ができる。また区分変更申請ができること、つまり、状態像から見て要介護度が低いと判断したら高くすることも手続き上はできることを周知するべきだ。その中で、運用面でもおかしいということがあれば、全体のプロセスを考え直すべきである。日本全国どこでも要介護認定のばらつきがないように、ということで制度発足当初からきたが、仕組みについては、ここできちんと検証すべきだと思う」

 何と、日本介護支援専門員協会の木村会長の発言である。

 厚生労働省のちょうちんもち発言である。
 ケアマネジャーの立場も利用者の利益もそっちのけ。厚生労働省の歓心かうことだけしか考えていないのだろうか。
多くのケアマネが、要介護1や要介護2から要支援2になった利用者と切り離され、サービスが利用できなくなることにいかに心を痛めているか、在宅の要介護4の利用者が家族の必死の介助と限度額目いっぱい使ってかろうじて生活をささえていた、要介護度は少しでも下がると限度額オーバーで自費発生となる危険性と隣り合わせで新要介護認定に怯えているか。
 
 この会長サンはこうしたケアマネジャーの苦労などどこ吹く風で、制度のタテマエ論を述べているだけである。


 その点
、「厚労省の(認定調査員)テキストをみて驚愕の一言だ。今回の変更を考えた人は認知症の人や家族のことを知らない人が考えたものだ。日本語として考えても、買い物は必要なものを必要な時に買ってくることであり、何を買ってきても買い物とは言わない」(認知症の人と家族の会・高見委員)の発言は、利用者の声を受け止めて議論すべきという意見で、至極もっともである。

しかし、会議の模様を知るにつけ、そうした利用者サイドの声はごくわずかである。

 要介護認定改悪撤回は、こんな検討会に任せておけない。現場からのたたかい、利用者の声が何よりも重要である。


Category: 介護保険見直し
2009/04/17 Fri
 4月16日夜は、大阪市内の医療法人の職員研修に招かれた。
 テーマは「介護従事者・事業者の『倫理』と法令遵守について」。事業者の学習会は、できるだけ避けるようにしているが、こういうテーマでの依頼でもあり、引き受けた。

 ちょうど5月1日から、改正介護保険法・老人福祉法が施行され、すべての介護事業者(法人)に法令遵守体制の仕組みづくりと届出が義務付けられる。
 こうした動きをふくめて、事業者・従事者の法令遵守について、「利用者本位」の観点から1時間半ほどお話させていただいた。
 介護報酬改定と要介護認定見直しは、介護関係者で知らない人はもういないだろうが、この介護保険法改正の方は、きわめてか関心が低く知らない人も多い。

医療法人〇〇会・株式会社〇〇〇 平成21年度職員研修        2009.4.16
介護従事者・事業者の「倫理」と法令遵守について
  大阪社保協 福祉・介護オンブズネットおおさか  日下部雅喜

はじめに
 「福祉・介護オンブズネットおおさか」について
・ 利用者の権利擁護
・ 不正摘発、内部告発支援
・ 調査公表活動
・ 行政責任追及、公的監視システム確立への提言
1 介護保険事業における法令・基準違反と不正の実態
①厚生労働省の集計(平成12年度~19年度)
・ 指定取消処分 597事業所 
・ 介護報酬返還請求 466事業所  返還請求額78.9億円
                 (未済・不納欠損 40.7億円)
②平成19年度指定取消
全国101事業所 (大阪府6)
 (ヘルパー 53、居宅介護支援8、デイサービス14、グループホーム7)
  (営利法人 88、NPO 5、医療法人 3 )
指定取消の事由
  不正な手段で指定受けた49、人員基準違反43、不正請求40、帳票提出拒否・虚偽報告24、虚偽答弁・検査拒否8
※これら数字は氷山の一角 この裏にまだまだ大きな不正・違反がある  
③介護の不正が許されない3つの理由
1)要介護者を食い物にする (もっとも悪質で卑劣な行為)
・ 訪問介護 架空・水増しの請求(ヘルパーも事実上グルに)
・ 介護難民(行き場のない要介護者)を囲い込んだ上に不正、劣悪介護
2)高齢者の介護保険料と国民の血税を食い物にする(介護は私的商行為でない)
3)政府の介護保険制度締め付け、制度後退の「口実」になる(コムスンと給付適正化によるヘルパー締め付け。他の良心的な事業者と利用者に多大な不利益をもたらした)
④不正を働く人々に共通していること
・ 利用者が二の次、三の次で、売り上げ第一(介護に参入すべきでない)
・ 介護事業を私物化していること(介護の公共性・社会性を理解しない)
・ 不正にたいする不誠実で無反省な態度
→ワンマン(職員の忠告に耳を傾けない)、オドシ(内部告発すれば脅迫、吊し上げ)、ツベコベ(発覚してもあれこれ言い逃れ)、ウソツキ(「知らなかった」「部下が勝手にやった」と責任のがれし人のせいにする)、アツカマシイ(処分されてもほとぼりが冷めればまた復活)
2 不正行為防止の法令遵守体制整備の義務化
① 改正介護保険法・老人福祉法により今年5月1日施行
不正の未然防止と適正化のため
1) 法令遵守態勢の整備と届出の義務化
2) 法人本部への立入検査
3) 処分逃れ対策
4) 「連座制」の見直し
5) 事業廃止時のサービス継続確保義務化
②「法令遵守責任者の選任」
 ・介護保険法・政省令に精通し、事業者内部の法令遵守を確保する
 ・方針→周知→評価・改善(20事業所以下の小規模事業者では法令遵守規程とマニュアルは任意)
・法令違反行為の発見や通報があった場合は速やかに検証し改善措置
※ これで不正や違反はなくなるか? 法令遵守は実現するか?
3 介護従事者一人ひとりが法令遵守の実践を
①「法令遵守」を正しく理解すること 
 単に「法令に違反しない」だけでなく、法令の目的(社会的要請)や社会通念に沿った対応をすること
  介護保険法の目的は 介護保険法第1条
  居宅サービス事業所の義務は 指定基準 
  訪問介護の目的は 
②「利用者本位」を正しく理解する
 利用者の「自立した日常生活を支援」→本当に徹底すればお仕着せサービスは発生しない
③ 勝手に「抱え込み」・タコツボ思考にならない
サービス提供は「個人」でなく「事業所」が責任を負っている
サービス提供責任者がその役割を果たしているか
④ 計画と記録、そして会議の大切さ
このサービスは利用者対し「何のために」するのか (計画)
サービスは利用者にとってどうだったか(記録)
このサービスはこのまままでよいか(会議)
⑤ 公的な介護保険制度で運営している以上「説明責任」は負っている
記録の2番目の重要性 行政への説明ができるか
おわりに 過ちを犯さないために(介護に携わるものの「倫理」)
 利用者のことを本当に考える介護従事者は絶対に不正に組しない
 内部告発(公益通報)のすすめ スウェーデン「サーラ法」に学ぶ
 
2009/04/15 Wed
 4月15日夜、日本共産党堺泉北地区委員会主催の「介護保険学習会」に招かれた。
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参加者は、大半が地域に居住する方々だが、中には、介護従事者や訪問介護事業の経営者もおられ、また、市議会議員や活動家も多数で、顔ぶれは多彩。 
 
 事前に共産党の「介護保険10年目を迎えての提言」と、雑誌「「前衛」5月号の榛田敦行論文「介護の危機打開へ立場の違いこえた共同を」を読んでレジメをつくった。
日本共産党堺泉北地区委員会   介護保険学習会         09.4.15堺市民会館
介護保険改悪とたたかいの展望
 -「介護保険10年目を迎えるにあたっての提言」を読んで-

 大阪社保協 日下部雅喜
はじめに
介護保険10年目の現実
 介護保険の基本理念
「介護の社会化」「自立支援」「利用者本位」「尊厳の保持」
依然として主流は家族介護
老老介護の現実と介護殺人・介護心中

1 介護保険制度の基本的な仕組み
○ 介護の財源を国民(40歳以上)に負担させ、公費負担を減らす
介護サービスが増えれば介護保険料が上がる 
○ 要介護認定を受けないと利用できない
○ 事業者と契約して利用 自治体は直接責任を持たない

2 介護保険制度の改悪(3年前の制度見直し)でどうなったか
(1)保険料上昇をテコに給付の削減迫る
制度の持続可能性の確保
①「予防重視型システム」へ転換
②給付の「適正化」
③施設給付の見直し
④施設整備の抑制
(2)3年間に起こったこと
①高齢者は増えるのに要介護認定者数は頭打ち
②サービスの取り上げで利用者も減少
③介護事業所も経営悪化
(3)3年後の「現実」-投げ捨てられた基本理念
介護保険の現実 「介護難民」「人材確保難」「高い介護保険料」
(4)「一人勝ち」-介護保険財政

3 「利用者不在」の09年度介護報酬改定
(1)はじめてのプラス改定(3%)、人材確保・従事者処遇改善うたうが効果はわずか
①報酬底上げなし 「加算」のつぎはぎ メリットゼロのところも
②介護労働者の処遇改善に結びつく保障なし 賃金・労働条件公表は任意 
報酬改定の結果を「検証」する委員会のみ
(2)利用者にとっては負担増、利用制限に
 ①サービスは同じでも負担だけ増える
 ②単位数増は区分支給限度額オーバーへ 自費負担かサービス減らすか
 ③リハビリをめぐる問題
(3)介護保険料の上昇 公費で半分抑制しても
  半額だけ公費負担したが、結局引き上げ分は高齢者の負担に

4 「介護切り」! 要介護認定制度の改悪
(1)要介護認定改悪のねらい 
給付適正化
給付適正化の3つの要(かなめ)
①入口(要介護認定) ②過程(ケアプランとサービス)③出口(報酬請求)
(2)要介護認定見直し3つの内容
①調査項目再編と判定ソフト改定
 認知症の問題行動関連項目を大幅削減
②要介護1・要支援2の切り分けを一次判定で
③調査と審査の手法の抜本的見直し
 調査員テキスト・審査会委員テキストの全面書き換え
(3)要介護認定改悪実施直前、直後のドタバタ
①世論と日本共産党のたたかいで改悪の正体バクロ
②実施2週間前に「書き換え」 実施1週間で「激変緩和措置」
これからのたたかいが正念場

さいごに 日本共産党の「提言」を読んで

1、保険料・利用料を減免して、経済的理由で介護を受けられない人をなくす

● 経済的にたえられない人には負担を求めない
● 保険料などは応能負担にあらためる
「今年4月からの保険料は「介護とりあげ」で自治体がためこんだ基金をとりくずすなどの措置によって、値下げを求めます。」
「所得の少ない人ほど負担割合が重い高齢者の介護保険料を、支払い能力に応じた負担を原則とするように改めます。」
「当面、保険料の減免を国の制度としてつくるとともに、将来は、保険料引き上げか、制度の改悪か、つねに二者択一がせまられる矛盾をなくすため、高齢者の保険料率も全国単一の所得に応じた定率制などをめざします。」
「保険料滞納者への給付停止など、他の社会保障制度にない、きびしい制裁は廃止します。」
 「利用料は、将来は無料(十割給付)をめざし、当面は減免制度を抜本的に充実させます。」
 「これらの保険料・利用料の減免が他の利用者の負担増にしわよせされないよう、減免分は全額国庫負担とします。」
2、「介護とりあげ」、「保険あって介護なし」をただす
● 在宅生活を制限する要介護認定制度を廃止し、現場の専門家の判断による適正な介護の提供をめざす
● 身近な相談相手・専門家としてケアマネジャーを支援・育成する 
● 軽度者からの「介護とりあげ」をやめる
 ●特養ホームの待機者解消へ、緊急の基盤整備5カ年計画をすすめる
● どこでも必要な医療・介護を受けられるようにする
● 食費・居住費の全額自己負担をやめる
● 事前規制で「もうけ本位」の不正や乱脈経営による廃業などをなくす
3、労働条件の改善で、人材不足の解消、雇用創出をはかる
● 介護報酬を底上げする
● 人員の配置基準を改善する
 ●介護労働者の権利をまもり、常用雇用を主流にしていく
● 研修の機会などを保障する
4、高齢者の生活支援や健康づくりに、自治体が責任をはたす
 ●保健・福祉・公衆衛生などの自治体のとりくみを再構築する
 ●民間での対応がむずかしい人には自治体が介護を提供する―
 ●家族介護者への支援を充実する――
<公的介護制度の改善は安心と雇用をうみ、経済も発展させる>
 「誰もが安心できる介護制度に見直すことは、高齢者の生活と権利を守るだけでなく、介護分野に新たな雇用を生みだし、介護を理由とした離職者をへらすなど、内需を基調とした、わが国経済の民主的発展にとっても重要な効果があります。すべての高齢者の権利と生活をまもり、貧困をなくすことで、仕事と雇用をうみだし、経済も発展させていく――これこそ、憲法25条をもつわが国が21世紀にめざすべき道です。」







 

 
Category: 介護保険見直し
2009/04/15 Wed
 「自立(介助なし)」→「介助されていない」 厚生労働省が、要介護認定見直し実施のわずか2週間前の3月16日に「文言修正」を言い出し、正式に決めたのは、実施直前の3月24日。

 このドタバタで振り回されたのは全国の自治体である。

 「印刷発注した調査票はどうするのか」
 「もうケアマネジャーに調査員テキスト印刷して配布してしまった。また回収して新しく配り直すのか」
 「もう説明会も終わった。また説明しなおすわけにはいかない」

 などなど、てんやわんやである。

 とくに、お金をかけて大量に印刷して納品された「調査票」は扱いに困った。
 そこで、このようなことになった。
 調査票は、「□自立(介助なし)」のチェック項目のまま。ところが調査票の欄外に黒々とゴム印で「読み替えます」と押されている。
Image135.jpg

 ここの自治体では、認定調査票は複写式になっていて、調査時にチェックを入れた調査票控えを申請者にお渡しする方式をとっている。
 そして3月に大量に納品された新調査票には、
 「移乗  □自立(介助なし)」と印刷されている。厚生労働省の文言修正で書き換えなければならない項目は18項目に及ぶ。
 こんな調査票控えは認定申請者に渡せない。かといって予算を使って大量に作成した調査票を廃棄するわけにも行かず。

 そこで、 「『自立(介助なし)』は『介助されていない』に読み替えます。」というゴム印を作って、認定申請者に渡す控えだけにペッタンペッタンと押して急場をしのぐことに。

 調査を受けてこれを手渡された認定申請者からは「コレどういう意味?」という疑問の声も。

 こんなことになったのは、厚生労働省のドタバタ修正、そして4月強行実施のせいである。

 そして、その厚生労働省が、今度は、「新基準によって、要介護度を従来より軽度に変更される利用者への経過措置として、利用者側が希望すれば従前の要介護度のままで同じサービスを受けられるようにすると発表」した。

 もう自治体側は、あきれ果てている。

 「これでは、新方式でせっせと調査し、審査会を開いて認定する意味がない」
 「何で、4月実施を延期しなかったのか!」

 厚生労働省は、利用者家族はもちろん、要介護認定にかかわるすべての人びとに謝るべきである。

 そして、今からでも遅くない。検証・検討が終わるまでの間、新方式の要介護認定は凍結し、従来方式で認定すべきである。

 

 

 
Category: 介護保険見直し
2009/04/14 Tue
 参議院厚生労働委員会で暴露された厚生労働省の要介護認定をめぐる「内部文書」。
 舛添大臣は「はじめて見る」などとしらばっくれていたが、13日になって厚生労働省として見解をしめした。
 

「要支援2」「要介護1」で7対3は指導せず-厚労省
4月13日23時28分配信 医療介護CBニュース
 参院厚生労働委員会で4月2日、共産党の小池晃議員が要介護認定について「厚生労働省の内部資料」を示した上で、厚労省が自治体に対し、「要支援2」と「要介護1」の割合を7対3にするよう指導を行っていたのではないかと指摘したことを受け、老健局は4月13日、見解を示した。老健局は、局内で議論するための内部資料と認めた上で、要介護度が一律に軽度に判定されるわけではなく、介護給付費の削減を意図したものではない、と説明している。
 4月2日に開かれた参議院の厚生労働委員会で小池議員は、「要介護1、要支援2の判定ができる一次判定ソフトを作成し、介護認定審査会の関与を減らして地域差をなくすとともに当初予想していた割合に近づける」などとした資料を示し、介護保険の支出の削減を企図しているのではないかと追及した。これに対し、舛添要一厚労相と宮島俊彦老健局長ともに「初めて見た資料」として、調査を行うと答弁していた。
 老健局では、紙の資料に加え、担当者のパソコンに保存されている電子媒体についても文書ファイルを検索するなどの調査を行ったとし、示された資料が昨年2月と4月に局内の打ち合わせに利用した資料だったことを認めた。
 資料の作成目的については、09年度に予定されていた介護報酬改定がプラス改定の場合には局内で財源確保策が求められる可能性があったことから、09年度予算要求の検討に当たり、実現可能性は問わず、老健局内における議論のための材料として作成した資料と考えられると説明している。
 資料には、「要介護1、要支援2の判定を行うことのできる一次判定ソフトを作成し、介護認定審査委員の関与を減らし、地域差をなくすとともに当初想定していた割合(要支援2と要介護1の割合が7対3)に近づける」という記述がある。
 老健局は、新予防給付の創設時に「要支援2」と「要介護1」の割合を7対3と推計したが、09年3月までの判定では、「要支援2」が約51%、「要介護1」が約49%の割合だったほか、今年度からの新方式による判定では、「要支援2」が約45%、「要介護1」が約55%となっており、7対3の割合にはなっていないとしている。
 老健局は、05年9月26日の「全国介護保険・老人保健事業担当課長会議」で、06年度からの第3次介護保険事業計画でのサービス見込み量の推計を示した。その中で、「要介護1のうち、約7-8割が予防給付(要支援2)の対象となると仮置きして推計を行う」とし、「当該市町村のモデル事業の結果を踏まえて最終的にその人数を見直すことは可能」と説明したという。これについては、「要支援2」と「要介護1」の認定者の割合の望ましい標準について言及したものではないと説明している。
 老健局はまた、「要支援2」と「要介護1」の認定者の割合について自治体に指導を行ったという事実は確認されなかったとしている。


 この期に及んでまだ、ゴマカシを続けるか。
 この厚生労働省の「見解」の原文を入手したが、モデル事業で、「要支援2」と「要介護1」の割合が7:3とならなかったいう 記述は完全なすりかえである。昨年実施された第2次モデル事業は、この要介護1相当を1次判定で切り分ける内容は入っていない。検証したのは認定調査項目の削減・再編を中心とする部分である。また、このモデル事業では今回大問題になっている認定調査員テキストの改定も入っていない。したがって、この件でモデル事業結果を持ち出すのは別物と分かっていて、詳しい事情を知らない国民をだます詐欺行為である。
 
 また、「7:3になるように自治体を指導した事実は確認されなかった」としているが、それならば、どうして、東京都北区、埼玉県久喜市の介護保険運営協議会議事録に記載されているのか。複数の自治体がそろってウソを書いているとでも言うのか。

 また、「要介護認定の適正化」と今回の認定見直しは「無関係である」などどしているが、同じ厚生労働省の老健局が行い、認定見直しも適正化事業を委託された同じコンサルタント会社がやっている。無関係どころか「表裏一体」「密接不可分」の関係である。

 ここまで来れば厚生労働省全体が「詐欺官庁」である。
 
 国民をだますのもいい加減にすべきである。



Category: 介護保険見直し
2009/04/12 Sun
 政令指定都市で全国一高い堺市の国保料・介護保険料・上下水道料を引き下げよう-引下げを求める会は、4月2日に新聞折込で、署名付きビラを全戸配布した。

 昨日の引下げを求める会事務局会議ではその後の報告がされた。
 会事務所に詰めている一揆の会Tさんは「前回以上の大反響よ!」。
 
 市民からは大反響。
 初日は、1日で93件もの電話。
 「大阪市から引っ越してきてビックリ。このビラのとおりです。署名郵送しました」という方や、「こんな署名待っていました。協力します」、「一枚では足りない。3枚送ってほしい」という人など、共感の声声・・・。

 そして、泉北ニュータウン在住の方から手紙も
 「何でも高い堺市、以前から私も思っていました。選出した市会議員はどうしているんだと。このような運動を起こしていただいたことに感謝です。国保も介護も、水道も日本一、その他泉北高速鉄道の高さも日本一じゃないでしょうか。住んでよかったなあという堺にしたいものです。」

 さらに、市役所に署名を「市長に渡して!」と窓口に届ける人、市議会に持ってくる人、署名ビラを折りたたんで切手を貼って市長あてに送りつける人もたくさんいて、市役所にはそのために入れる箱を用意したとのこと。

 そして4月9日現在、300通を超える封書で854人分の署名が会に郵送された。
 
 同封された手紙
 「健康保険料は高すぎます。3年前まで夫婦2人で5万円近く保険料を納めていました。仕事が暇になり、払えなくなり、保険証を取上げられました。役所に相談に行くと、30万円もってこないと復活できないと言われ、相談に行けなくなりました。今は2人とも元気ですが、払える保険料にしてほしい」(堺区在住)

「今年1月に、これまでの組合健康保険から堺市の国民健康保険に変わりました。保険料の高さにビックリしています。この度のチラシで日本一高いのに二度ビックリです。LRTについては、市の活性化を図るということですが、費用対効果を見ても、将来の赤字は必至です。堺駅と堺東駅を結ぶ通りの人通りや阪堺線の利用者数を見れば、誰が見ても無駄な投資です」(納税者)

「主人は65歳。今は嘱託で働いていますが、病気もあり、体のほうもつらいのですが、働ける間はとがんばっております。でも、いつかは退職する日が来るだろうし、そのときのことを考えるとどうなるのか心配になります。頼みの綱の年金は減り、保険料は上がると、益々不安だと、いつもは署名に無関心な主人が今回は見るなり、書いて出すように言いました」(南区在住)


街頭署名で
 子育て中の女性と高齢者がよく署名してくれる。「風呂の残り湯も一滴もムダにしないように使っているのに、2か月分3万円では払えない!」と暮らしの大変さ実感。

 市民の中で、底深く、怒りと不満のエネルギーが動き出しているのが実感できる。

 堺市が3月議会でやった介護保険料5%引下げや水道料金3.9%引下げなど微々たるものでは、この怒りは到底収まらない。

 

 知らせること、呼びかけることが、大切である。


 

Category: 堺市政問題
2009/04/11 Sat
 介護報酬返還請求住民訴訟は、大阪高裁で最終局面を迎えている。
 
 最大の争点は、地裁判決で明確に不正とされ介護報酬の返還請求を命じられた「常勤管理者不在問題」である。

 一審被告の堺市側は、「管理者が常勤でなくても、事業の遂行上支障はない」などど、重大な人員基準違反である常勤管理者不在について、不問に付すという非常識な主張を繰り返している。

 そんな中で、その当事者であった人物から、裁判所に「陳述書」が提出された。
 一読して思わず笑ってしまった。

 「施設長(管理者)は、常勤でなければならないことはわかっておりましたが、週32時間を基本とする時間の拘束や、勤務場所の拘束があるとは思っていませんでした」
 
 どこの世界に、拘束時間もなく、また、勤務場所も自由になるような「常勤」がいるのであろうか。
 
 このような文書を堂々と裁判に出してくる法人側の常識を疑わざるを得ない。

 しかし、このような言動を許したのは、一審被告・堺市の責任でもある。


管理者が常勤でなくても事業遂行上影響なし!?
   無責任な暴論を重ねる堺市

はじめに
 堺市は、「準備書面(1)」(平成20年9月10日付け。以下「準備書面」)で、居宅介護サービス事業所の「管理者がいなくとも事業の遂行上影響がない」などとする無責任きわまりない暴論を繰り返している。
 裁判で何を代理人に主張させようが自由であるが、いやしくも介護保険の各事業の指導監督責任を有する保検者の言動であり、介護保険事業の適正な運営に悪影響を与えかねず、放置できないので、以下にその誤りを記す。

第1 非常識な「管理者論」
1 法令上の必置要件を「役割論」でごまかす
 堺市は、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号。以下「指定基準」)について、管理者の具体的な業務内容まで規定されていないとし、このことをもって、管理者の常勤要件が曖昧にできるかのような主張を行っている。
 しかし、介護保険事業の指定基準はそのようなものではない。指定基準についての解釈及び説明を示した平成11年9月17日付け老企第25号通知(以下「老企25号」)は、指定基準の性格について、「指定居宅サービスの事業がその目的を達成するために必要な最低限度を定めたもの」であり、「事業者は常に運営の向上に努める」義務のあることを述べている。さらに「基準を満たさない場合には、指定居宅サービスの指定は受けられない」ことを明確にしている。
 すなわち、「事業所ごとに、原則として専らその職務に従事する常勤の管理者」(指定基準第6条・第94条、省令38号指定基準第3条第1項・第3項)と「従業者及び業務の管理を一元的行わなければならない」(指定基準第28条第1項)は、これを満たさないものは指定を受けられず、保険給付の対象となり得ないという厳格なものである。省令・通知で常勤の管理者の配置を必須のものとし、その勤務時間、兼務が許容される範囲を明確に定めており、これは「外形的」な基準であり、遵守しなければならない最低の基準である。
2 管理者の「権限移譲」は成り立たない
 堺市は、指定基準のうち管理者の責務について「管理者の具体的な業務内容まで規定していない」(準備書面2頁)とし、「他の従業者に管理業務を権限移譲して、管理者自身は、その報告を受けたり、記録の確認を行うという方法も認められる」(同)などと述べている。
 管理者が自ら常勤しないかわりに指定基準で義務付けられている固有の責任である「従業者・業務の一元的管理」を他の者に「権限移譲」するなどということはいかなる場合でも認められないものである。確かに、同一又は隣接地の複数の事業所の管理者を兼務する場合は、常勤であってもすべての事務を直接実施することが困難な場合があり、事業所の組織・機構上の中間職制を置くことにより、管理者が指示し、報告させる仕組みはあり得ることではある。しかし、これは管理者の不在を「代行」又は「職務代理」するような権限移譲ではない。管理者自身がその事業所に「常勤」していることを前提とした上で、自ら事務を行うか、指揮命令の下に他の職員に実務を行わせ日常的に管理するかの違いである。管理者としての責務の果たし方(仕事のやり方)は様々であろう。しかし、それは管理者が事業所に出勤し、常時勤務した上でのことである。
「常勤」とは、事業所における勤務時間が、当該事業所の常勤従業者が勤務すべき時間数(啓真会の各事業所においては一日8時間、週40時間)に達していること(老企第25号)である。これ以外の基準はないのである。
 堺市は、管理者の具体的業務内容が細かく規定されていないことをもって、管理者が事業所及びその併設施設に出勤することすらせず、管理者の業務を「権限移譲」すれば指定基準に違反しないかのような議論を行っている。これがいかに荒唐無稽な議論であるかは、同様に業務内容が「明確に規定されていない」通所介護事業所の生活相談員などが「権限移譲」すれば事業所に出勤しなくてもよいなどということがあり得ないことを考えれば明白である。
3 制度の「不備」に責任転嫁
 堺市は、そのような指定基準の初歩的な違反について、不正事業者を庇うあまり、国の「制度設計」が不十分であったことに混乱の原因があるかのように述べている。「厚生労働省は、手探りの状態で制度設計をし、介護保険制度を開始」(準備書面3頁)したと、あたかも国の基準が間に合わせで作られた不備なもので、事業者が遵守しない責任が基準の曖昧さにあるかのような言い方である。このような主張は、介護保険の保険者どころか地方行政の当局者としての見識すら疑われるものであろう。
 なお、堺市がいうように「手探りの状態の制度設計」であったのならば、「制度施行後5年」を目途に行われた全般的見直し(いわゆる2005(平成17年)度改定。2006(平成18)年度に大部分は実施)では、管理者の業務内容について見直しが行わなければならないことになるが、そうした見直しはされていない。管理者については、居宅介護支援事業所の管理者が介護支援専門員資格を要件とされた(省令第38号指定基準の改正)などの改正はあったが業務内容については基本的な見直しはなかった。大きく追加されたのは訪問介護のサービス提供責任者の業務内容である(指定基準第28条第3項各号)。
このように制度改定の経過を見るだけでも、堺市のいう「管理者、サービス提供責任者、訪問介護員など各従事者の役割分担が明確にされないまま、介護保険制度が開始されたという実態」という指摘がいかに的はずれであることは明らかである。
介護サービス事業において役割の異なる各従業者について、業務内容すべてが指定基準に逐条的に規定されていないことをとらえて、国は「役割分担が不明確なまま」制度をスタートさせた、などと見当はずれのケチ付けをしている自治体は堺市ぐらいのものであろう。制度施行後の経過も検証せずに軽々しく「手探りの制度設計」云々などと言うものではない。
4 サービス提供に影響なしとする 管理者不要論
堺市は、訪問介護事業、通所介護事業、居宅介護支援事業について、直接利用者のサービス提供にあたるのが訪問介護員やサービス提供責任者、生活相談員・介護職員等、介護支援専門員など(これらを「直接処遇職員」という)であることをもって「介護サービスの提供に関しては、管理者が常勤・専従でなくても事業の遂行上影響はない」(準備書面4頁)などと繰り返しのべている。
これは堺市が、介護保険の指定介護サービス事業の基本をまったく理解していない暴論である。利用者に直接相対して介助等のサービスを行うのは直接処遇職員であるが、どの職員が誰のどの部分の介護を担当するのか、また、どのようなニーズ(生活全般の解決すべき課題)に対してどのような目標に向かってどのような内容のサービスを行うのかなどを明らかにし、指定サービス事業所として「組織的」「計画的」に行うことが求められているのである。これらは、訪問介護サービスであれば訪問介護計画に基づき、通所介護サービスであれば通所介護計画に基づき、計画的に提供されなければならないのである。また、提供するサービスが指定基準及び介護報酬の算定基準を遵守したものであることも常に求められる。そのために従業者を一元的に管理し、日常的に指揮命令する者が不可欠であり、各事業所の指定基準に常勤・専従の管理者を必置要件としているのである。
堺市の理解では、直接処遇職員さえいれば「支障なく」介護サービスが提供できるということになってしまう。介護保険の介護サービスはそのような「個人請負」的に直接処遇職員任せきりで漫然とサービスを提供するようなものではない。
なお、堺市は、通所介護事業所において、管理者は、従業者が作成した通所介護計画を「施設運営上支障がないかどうかの観点」から承認するのみで、そのサービス内容も個々の利用者の状態も把握する必要がないかのような主張を重ねておこなっている(準備書面12頁)がこれは明らかに失当である。指定基準によれば、訪問介護事業所では、訪問介護計画書を作成するのは、サービス提供責任者であるが、通所介護事業所では、通所介護計画書を作成するのは、管理者とされている。「指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。」(指定基準第99条第1項)と明確に規定されている。
具体的には、「サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成する」とされ、「介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある者や、介護の提供について豊富な知識及び経験を有する者にそのとりまとめを行わせるものとし、当該事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に当該計画のとりまとめを行わせることが望ましい。」とされている(老企第25号通知「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」)。従業者が共同し、知識経験のある者にとりまとめさせるが、作成者は管理者である。
さらに、管理者はそれぞれの利用者に応じた通所介護計画を作成し、利用者又は家族にその内容について説明しなければならない。また、2003(平成15)年の運営基準改正後は、その内容等を説明した上で利用者の同意を得なければならず、また当該通所介護計画を利用者に交付しなければならない(指定基準第99条第3号及び第4号)とされているのである。
管理者が、通所介護計画書の内容を精査せず、施設運営上支障がないかどうかの観点」から承認するのみの役割であるというのは、指定基準を無視した議論である。

第2 シルバーサービス振興会調査研究報告書の手前勝手な利用
 堺市は、社団法人シルバーサービス振興会が発行した「管理者の資質向上に関する調査研究報告書」をつまみ食い的に引用しながら、「管理者がいなくとも事業の遂行上影響がないことが認められる」(準備書面6頁)などと結論づけ「管理者が常勤及び専従でないことは、事業者としての資格要件の瑕疵としてみ軽微なものである」(同)などとしている。
 しかし、これは本調査報告書の趣旨を無視したまことに身勝手なこじつけである。
第1に、この調査研究報告書は、あくまでも管理者が常勤であることを前提としたものである。アンケート調査票(乙36号)でも、兼務状況を問う項目はあっても勤務形態を質問する項目はない。むしろ残業時間を聞く項目もあり、自由記載欄には、43件もの「管理者の仕事の多さ」についての意見があったことも記載されている。本件調査報告書で述べられている様々な問題は、管理者が常勤した上で発生している問題や課題である。調査研究報告書では一部に「サービス提供責任者に権限移譲」という表現は使用しているが、管理者が常勤しないことを前提にした「代行」「職務代理」の意味合いではない。このことは「管理者が必ず報告させているか、記録に目を通している」としていることからも明らかである。
 第2に、本調査研究報告書で、居宅基準(指定基準)等を根拠として「訪問介護事業の管理者がすべき業務内容」とされた24項目に照らしてみると、啓真会の管理者がいかに何も管理業務を行っていないかが、かえって浮き彫りになる。
 訪問介護事業の管理者がすべき業務内容(24項目)
1 員数の管理
2 月末利用者数の管理
3 人員配置条件の管理
4 必要な設備や備品の管理
5 運営規定の変更届や掲示業務の管理
6 秘密保持の業務の管理 
7 虚偽・誇大広告をしていないかの管理
8 利益供与をしていないかの管理
9 備品など在庫の管理
10 契約書・重要事項説明書の在庫の管理
11 身分証明書の作成、携帯の指示
12 新規利用時受付時の関係記録の管理
13 利用終了者の記録の整備・保管、管理
14 訪問介護サービス業務の管理
15 訪問介護サービス業務の必要な助言
16 地域資源の理解と活用
17 従業者の業務予定の管理
18 従業者の研修参加の業務の管理
19 給付管理業務や利用料などの受領に関する業務の管理
20 苦情処理の業務の管理
21 事故発生時の対応と記録の管理
22 質の評価と向上の管理
23 介護サービス情報の公表制度への対応
24 訪問介護事業所指定の変更申請
これらは、調査研究委員会のみならず、ヒアリング結果においても「24項目については全て、管理者が行うべき業務であるとの認識であった」(乙36号証)とされるように、管理者の本来業務というべきものであろう。
管理者自ら行うかどうかにかかわらず、この業務について「管理」しているか問われるが、啓真会の出屋敷ヘルパーステーションの実態は、管理者である〇〇がどれひとつまともに行っていなかったというべきものである。端的な例が、事業所指定当初からサービス提供記録の虚偽記載を行い、サービスの水増し請求、基準外サービスの不正請求を繰り返し2000(平成12)年6月から2005(平成17)年3月まで合計542万円もの不正請求を続けてきたが、啓真会は、管理者である〇〇〇〇が「事業所管理業務の遂行を各主任に任せていたために、不適切な処理を発見できなかった」と堺市に報告している(平成17年9月5日付け「指導監査指摘事項改善報告書」)。まさに「記録に目を通す」ことも「報告を求める」こともせず、日常的に何の管理業務も行っていなかったことの証左であろう。
 また、堺市が主張する「管理者の業務が、介護サービスの内容に関与するような業務ではない」(準備書面11頁)とは正反対に、管理者がすべき24項目の中には、「訪問介護サービス業務の管理」、「訪問介護サービス業務の必要な助言」「質の評価と向上の管理」などサービス提供責任者の存在を前提としても、管理者がサービス業務の管理にかかわるべきことを標準としているのである。
 
本件調査報告書は、介護サービス事業者の質の確保に向けて管理者の資質向上を目指す立場から、調査結果に基づき問題点を明らかにし、「管理者の役割と責任を明確にすべきである」としたものである。また、行政の指導監査においても「対応上、管理者の役割の一層の理解を図るべきである」(乙第36号証100頁)と強調している。その行政である堺市が、管理者についてかくも無理解かつ無責任に「介護サービス提供にあたって、管理者がいなくとも事業の遂行上影響がない」などという主張を繰り返すことは、行政の役割を投げ捨てるものである。また、介護サービス事業の質の確保と管理者の資質向上を目指して作成された本件調査報告書の努力をも愚弄するものである。


第3 「ケアハウス施設長」も含めた勤務実態
1「管理者」と到底呼べない勤務実態
堺市は、啓真会の弁明を鵜呑みにする形で、「〇〇を名ばかりの管理者として申請したものではなく、〇〇に管理者としての業務を行わせる意図の下に、〇〇を管理者として申請し、〇〇も『管理者』と評価しうる業務を行っていた」(準備書面7頁)と強弁する。
その理由として、サービスの提供は任せていたが、「行政への提出資料の作成などは行っており」「緊急時には〇〇に連絡をとれる体制になっていたことが認められる」(同)をあげている。
しかし、行政への提出資料について言えば、肝心の指定申請書添付の〇〇自身の「経歴書」でさえ、長男の△△に作成させ、内容さえ本人が確認していなかった事実(参加人準備書面1 10~11頁)があるが、〇〇が行っていたことを示すような証拠はまったくない。また、緊急時等も「日中はまず□□幼稚園に連絡して呼び出してもらいます」(準備書面7頁の証言調書引用)という実態は、到底「管理者」と呼べるものでない。せいぜい「何かあったときは俺が行く」、オーナーとしての役回りであろう。
2 ケアハウス施設長も長年常勤不在
 堺市は、指定申請について、啓真会の「介護保険制度に移行させるための申請に過ぎず、基本的には従前の体制を維持しながら移行しようとしたものである」(参考人準備書面1 5頁)との弁明をもって「本件申請を偽る意思がなかった」(準備書面 9頁)などと述べている。
 これには、介護保険以前から堺市が見逃し放置してきた問題がある。
 啓真会は、1998(平成10)年度から軽費老人ホーム(ケアハウス)「シャルム出屋敷」を設置運営していた。この人員配置基準は、昭和47年2月26日付け厚生省通知社老17号「軽費老人ホームの設備及び運営について」で規定されており、施設長は「常勤」が要件とされている。しかし、実際は、〇〇は、シャルム出屋敷には常駐せず、長男である△△が施設運営全般を担当、長女が訪問介護のサービス提供責任者、甥である××が相談員をしていた。〇〇は、幼稚園の事務長として勤務しながら、シャルム出屋敷の方は、併設のデイサービスセンター(通所介護)、ヘルパーステーション(訪問介護)も含めて、日常的な管理はもっぱら△△に任せてきたのである。〇〇は、△△の年齢が若かったこともあり、対外的には「施設長」として研修などに参加してきたに過ぎない。シャルム出屋敷は定員50人のケアハウスでありながら開設後なかなか入居者が集まらず、経営が危ぶまれた時期でも〇〇は、入居者確保のため対外的な活動は行うものの、日常的な施設管理は△△にまかせっきりであった。施設に来るのは月1~2回の宿直と行事の時くらいであった。
また、〇〇は、ケアハウスでは常時勤務していないにもかかわらず「常勤施設長」としての給与を得ながら、幼稚園でも給与を得て、事務長の業務を行ってきたのである。さらに対外的にも堺市の民間幼稚園の団体の役員も務めるという実態でシャルム出屋敷には出勤すらできない状態であった。そのため、他の職員がタイムカードで出勤退勤が管理されるのに対し、〇〇のみタイムカードを作成しなかったのである。これは押印式の出勤簿を後日作成すれば毎日出勤を偽装することが可能であることによる。
 堺市は、中核市として、啓真会の社会福祉法人設立認可を行い、ケアハウスシャルム出屋敷の指導監督も行ってきたが、施設長の勤務実態については、せいぜい偽装された押印式の出勤簿などを形式的に確認するのみで、適切な調査・確認もしないまま、放置してきたのである。
 これが、本格的に問題とされたのは、2004(平成16)年9月21日に大阪府が介護保険事業所(シャルムケアプランセンター、出屋敷ヘルパーステーション、出屋敷デイサービスセンター)に対し、実地指導に入った時からである。大阪府健康福祉部高齢介護室長通知(平成16年12月24日付け高介第1045-71号)で「管理者の出勤の記録が作成されていなかったので、これを作成し、出勤状況を明らかにすること」と指摘されたのがはじめてである。
 啓真会は、このことについて、会計検査院や堺市、大阪府の監査においても「管理者の常勤について何の指摘も受けなかった」(参加人準備書面1 7頁)とし、そのような偽装常勤でも通用すると考えていたのである。(なお、参加人準備書面では、平成16年9月21日大阪府実地指導においても何の問題もなかったと述べているが、大阪府によって勤務記録の未作成を指摘しており、厚顔無恥な見解である。)
 啓真会が、常勤が要件とされるケアハウス施設長についても、このような勤務実態で通用してきたことから、介護保険制度開始に際しての事業者指定においても常勤管理者について書類上の辻妻が合えば、大阪府を偽ることも可能であると考えたのはこのような経過からである。 
 啓真会は、こうした悪質な虚偽申請について、「管理者の常勤の点が問題になるとするならば、制度移行に当たって、法令に定める要件についての誤解や混乱が生じていたことによるもの」(参加人準備書面1 5頁)と言い逃れをし、「管理者の常勤について何らの指摘も受けなかったために、残念ながら、今般の問題に至るまで認識が改める機会を得られなかった」(同 7頁)と、まるで偽装を見抜けなかった行政に責任があるかのごとき開き直りを行っている。
 この点で、社会福祉法人及び軽費老人ホームに対する指導監督権を有しながら、常勤が配置基準とされているケアハウス施設長のタイムカード等がなく勤務記録がなかったにもかかわらず毎年の監査で何の指摘もしなかった堺市の責任は重大である。

おわりに
 堺市は、過去の啓真会に対する指導監査の問題点も含めて、今回の不正事件を契機にその総括を行い、真摯な姿勢で正すべきことは正すべきである。残念ながら、裁判における堺市の主張は、こうしたものとは正反対の居直りとこじつけ、不正を働いた法人を庇うことに終始している。
 このことが日々、厳しい環境で適正な事業運営にまじめに取り組んでいる多くの介護事業者や従事者を裏切ることになることを、よく考えてみるべきである。

2009/04/10 Fri

 始まってわずか1週間でこの体たらく。
 
 「新認定基準で軽く判定されたら、本人が申請すれば、3カ月から最長2年間、これまでの要介護度でサービスが利用できる」-厚生労働省が検討 というニュースが飛び交った。
 東京新聞
日経新聞
 
 自治体には激震が走る。「これからどうなるかわからんから、新認定方式で審査会で判定しても、認定結果を出すな」という指示を出す自治体もあったいう。

読売新聞
介護認定の新基準、サービス低下防ぐ措置導入へ
4月11日3時19分配信 読売新聞
 介護保険制度で4月から導入された要介護認定の新基準について、厚生労働省は10日、要介護度が軽くなることによるサービス水準の低下を防ぐ激変緩和措置を導入する方針を固めた。
 新基準による認定で要介護度が軽くなった場合、利用者の申請があれば、市町村が認めた期間(3か月~2年間)、従来の要介護度に基づいて介護サービスを受けられるようにする。月内に市町村に通知する予定。
 要介護認定を巡っては、「新基準では、要介護度が軽くなる恐れがある」との介護関係団体などからの指摘を受け、同省が先月、基準の一部を修正したばかり。さらに手直しを行う異例の事態となっている。
 激変緩和措置の具体的な内容は、見直しの影響を検証するために13日に初会合を開く検討会での議論や、介護保険を運営する市町村の意見を聞いて決定する。検証結果がまとまるまで、激変緩和措置は続けられる見通しだ。


 開始直前にも、ドタバタ、そして開始直後に、国会で厚生労働省の内部文書が暴露され、要介護認定見直しの本当の狙いが、給付削減であることが白日のもとにさらされた。

 そして、今度は、異例の「激変緩和措置」。

 こんなことになるから「新認定基準は凍結せよ!」と我々は関係者は言ってきた。

 厚生労働省の悪あがきである。
 そして、4月13日には、厚生労働省は、要介護認定の検証専門家会議を設置するという。公開で開催し、一部を修正すべきかどうかも検討する。利用者側の代表、自治体関係者、学識経験者ら、多方面からメンバーを選ぶらしい。
 5月以降に新認定基準での認定結果も全国的に集計するとのことである。

 いまごろ、「検証」しなければならないようなこの要介護認定見直し。
 軽度に出た場合の「激変緩和措置」も、従来からの認定者に限られ、新たに認定を受けた人は対象にならない。

 やはり、きっぱりと新認定基準は中止・撤回するべきである。


 
 
 
Category: 介護保険見直し
2009/04/07 Tue
 今日(4月6日)は、障害者支援費の不正請求返還を求める住民訴訟の弁護団会議にお招きいただいた。

 被告(堺市長)の準備書面

「サービス提供責任者が置かれず、居宅介護計画が存在しなかったという『ともしび』の基準違反は、本件協会がサービス提供を行うにおいて、きわめて軽微な瑕疵にすぎない。」

 これが、堺市の「結論」である。

 個々のヘルパーが、きちんと調整しながらサービス提供していれば、指定基準で設置が義務付けられているサービス提供責任者の配置も、サービス計画作成もなかったとしても「きわめて軽微」な違反であるというのである。

 不正請求した支援費は返還しなくてもよい、という主張である。

 ムチャクチャな主張である。

 これを書いた代理人(弁護士)は、私たちがかかわっている不正介護報酬返還請求住民訴訟での被告・堺市長の代理人と同じ人物である。
 そこでは「常勤・専従の管理者」を介護保険事業所に配置しなくても「軽微」な基準違反であるという主張を繰り返している。

 この弁護士センセイの頭のなかには、介護保険法も障害者自立支援法もない。
 「基準違反でもサービスを提供すればいいんでしょ」という低俗な開き直りである。

 しかし、これは法廷における堺市の主張である。

 弁護士費用は、堺市の公金が支出される。

 そしてその弁護士が法廷で、サービス提供責任者や管理者が不在でも「軽微な瑕疵」なので、支援費や介護報酬は返還しなくてもよい、などという暴論を繰り返す。

 こんなことを多くの良心的な事業者や利用者が知ったらどう思うだろうか。

 わずな算定基準違反にも「返還指導」を行い、必要なホームヘルプサービスもあれこれ規制しながら、巨額の不正請求を行った悪質な事業所は裁判でかばう。

 このような腐った堺市は許すことはできない。
Category: 社会保障問題
2009/04/05 Sun
 大騒ぎしたあげく、
 「国内への落下物なし」
 「漁船・船舶の被害なし」
 「破壊措置実施せず」
 そして、「人工衛星も軌道にのらず」
 
 「発射された飛翔体は太平洋上に落下」

 北朝鮮の「飛翔体」と言おうが、「長距離弾道ミサイル」と言おうが、「人工衛星ロケット」と言おうが、事実はこれだけである。

 政府・防衛省は、ここぞとばかり、「北の脅威」を煽り、「落下物」を迎撃するという、アホらしいミサイル防衛システム発動まで試みた。

 結果は、3月30日、秋田で迎撃ミサイルPAC3運搬車両が、演習場と野球場を間違って接触事故をおこしたり、

 昨日、4月4日には、防衛省が、2回も誤報を出し、自治体関係者を混乱させたり、

 発射後の今日も、第2段目の落下地点をいったん発表し、削除して太平洋で操業中の漁船に混乱を与える

 など、

 6000億円もの血税を注ぎ込みながら、役立たずの「ミサイル防衛システム」ぶりを示した。

 というよりも、情報分析・判断・情報伝達の段階でミスを犯すというお粗末である。

 こんな連中に、ミサイル発射ボタンなど任せたら、それこそ、誤発射だらけで危険きわまりない。

 大体、ミサイルに迎撃ミサイルで対抗しようなどという発想が間違っている。

 完全な時代錯誤である。

 世界の中でもこのようなミサイル防衛システムを構築しているのはアメリカを除けば日本だけである。

 あくまで外交的・平和的手段で、核開発を放棄させるのが、スジであり、現実的ではないか。

 軍事に軍事で、兵器に兵器で対抗するという、考え方を突き詰めれば、ミサイル迎撃よりもミサイル発射基地を爆撃することが確実ということになってしまう。

 今回、北朝鮮の長距離弾道ミサイルを人工衛星発射ロケットに仕立てて、発射実験を強行するなどという国際社会をなめた挑発行為に、最大限便乗して、大騒ぎをして、「空からの落下物」という誰もが不安になる「脅威」を煽ってきたのが、政府・防衛省である。

 この防衛大臣記者会見の空々しいこと。
 北朝鮮による飛翔体発射事案につきましては、判明している点としては、本日11時30分頃、北朝鮮から東の方向に飛翔体が1発発射され、11時37分頃、東北地方から太平洋に通過したものと推定をしております。落下物については、11時37分頃秋田県の西、約280㎞の日本海上に落下したものと推定しております。その他飛翔中の物体に関する情報については、11時48分頃、日本の東、約2,100㎞の太平洋上で追尾を終了したところであります。
 防衛省においては、事案発生直後の11時34分頃に、状況把握のための緊急幹部会議を開催し、さらに、先刻、本件に関する関係幹部会議を開催したところであります。現在までのところ、自衛隊においては、自衛隊法第82条の2第3項に基づく破壊措置は実施をしておりませんが、引き続き、艦艇及び航空機により警戒監視活動を実施中であります。私からも情報収集・分析と警戒監視活動に万全を期すよう重ねて指示をしているところであります。
 今回の事案については、先般からの我が国を含む国際社会からの自制の要求にもかかわらず、北朝鮮が飛翔体の発射を実施したことについて、大変遺憾であると考えており、今後、関係国と緊密に調整をしつつ政府全体として毅然とした態度をとることになると考えているところであります。


 防衛省幹部の中には、誤報問題に便乗して、「日本も自前の警戒衛星を保有すべきだ」などと主張する者までいる。

 結果的に、北朝鮮ミサイル騒動で、最大の利益を得たのは防衛省・自衛隊である。


 

 



Category: 時局争論
2009/04/03 Fri
 「ヘルパーの利用料が4月から値上げになると聞いた。何で上げるのか!」
 こんな苦情を受けた。

 一人暮らしの要支援2の女性。
 週二回程度のヘルパーでなんとか自立した生活を続けている。
 この要支援の方のヘルパー(介護予防訪問介護)は、今回の報酬改定では、初回加算以外はまったく単位数の引上げはない。

 厚生労働省によって完全に置き去りにされた部分である。
 
 しかし地域区分の見直しによって、
 都市部分では1単位あたりの単価が変わる。
 大阪市や堺市など(特甲地)であれば、これまで 1単位10.6円が、10.7円と0.1円引き上がった。

 週二回の介護予防訪問介護であれば、
  3月まで   月額  26,160円    利用者負担 2,616円
  4月から   月額  26,407円    利用者負担 2,641円

  利用者負担は、月に25円アップする。

 月25円が、この女性にはイタイという。
 わずかな年金は、家賃と公共料金に消えてしまい、積み立てた預金を取り崩しながら暮らしている。今78歳、あと何年生きるかわからないが、80歳代のはじめには貯金がなくなるという。
「平均寿命まで体がもってもお金はもたない。それまでに死ぬしかないね」とポツリと言われる。

 食品はスーパーの消費期限切れすれすれの半額品ばかりをヘルパーに頼んで買ってもらう。
  
 そんな彼女に月2,616円のヘルパー代がいかに負担だったか。
 予防訪問介護がはじまる3年前までは、週二回1時間以内のヘルパーで利用者負担は月1,800円程度ですんでいたのに、2,616円に上がり、今度は2,641円に。

  わずか25円でも、年月とともに「命綱」である虎の子の貯金がどんどんなくなっていく彼女にとっては「命の縮む思い」という。 

 今回の介護報酬改定には、介護従事者の人材確保対策はあっても、「利用者」の視点はまったくない。

 「利用者不在」である。
 
Category: 介護保険見直し
2009/04/01 Wed
 2009年4月1日。
 介護保険制度10年目に入ったその日、介護サービスを利用する「入り口」にあたる要介護認定制度の大改悪が強行された。
それもイカサマとゴマカシとサギのような手法をかさねながら。

 多くの関係者の不安や「凍結」を求める声をゴマカシの「修正」と「早期に見直す」というカラ約束で乗り切りながらの強行である。

 今日からの要介護認定申請者は新規も更新も区分変更もすべて新方式になる。

 私たちの闘争宣言

ケアマネジャーさん、要介護者・家族のみなさんへのアピール
利用者にはサービス制限、介護事業者には減収もたらす要介護認定改悪を撤回させるために力をあわせましょう!
                2009年4月1日大阪社会保障推進協議会


 介護保険制度がはじまって10年目をむかえ、介護報酬はわずかですがはじめて引上げられました。その一方で、多くの関係者の反対の声を押し切って要介護認定の仕組みが大きく改悪されました。
介護保険制度は、自治体による「要介護認定」を受けなければ介護保険サービスが受けられない仕組みです。そして7段階の要介護度によって、利用できるサービスの種類と限度が制限されています。利用者にとって要介護認定は、介護保険の給付を受けるためには必ず通らなければならない「入り口」です。そして、その期間も6ヶ月から最長2年に一回必ず更新認定を行わなければなりません。
  今回の要介護認定改悪では、
①認定調査の項目から、認知症の問題行動関連の項目などを削減し、コンピュータの一次判定ソフトを改編
②これまで、専門家による要介護認定審査会で行われていた「要支援2」と「要介護1」の切り分けをコンピュータで行う
③「認定調査の手引き」を全面的に改訂し、認定調査の内容と基準を大きく変更
 という全面的な見直しとなっています。調査項目と一次判定ソフトの見直しだけでも、モデル事業では21%もの方が現行と比べ「軽度」に判定されることが明らかになっています。さらに認定調査の見直しでは、重度の寝たきりで移動の機会がまったくない人を「自立」と同様に判定する調査項目があり、多くの利用者がこれまでと比べて「軽度」に判定され、必要な介護が受けられなくなる危険性がきわめて高いものです。介護事業者や施設にとっては、要介護度が下がれば介護報酬が下がり減収につながることになります。このため、多くの人びとから「凍結」「中止」を求める声がおこり、厚生労働省は実施直前に「修正」を行う結果になりました。
 しかし、その修正は、単に「自立(介助なし)」と「介助されていない」と言い換えただけで、一次判定ソフトは一切変更しないゴマカシに過ぎませんでした。
厚生労働省は、4月実施を強行しましたが、「実施後も検証を行い必要があれば迅速に見直す」と言わざるを得ない事態となっています。
 実施はされましたが、これからの現場からの声と運動によっては、再見直しをさせ、さらに改悪内容を修正・撤回に追い込むことは可能です。
 そのために、
1.要介護認定制度改悪の内容と問題点について、学び知らせましょう
2.要介護認定改悪について、直ちに検証・検討を行い、再見直しを迅速に行うよう厚生労働省に求めましょう
3.認定調査や審査会での審査を監視し、不当な認定が行われないようにしましょう
4.要介護認定結果で、要介護度が下げられたり、実態に合わない低い認定がされた場合は、大阪府介護保険審査会に不服審査請求を行いましょう

 介護保険サービス利用の「入り口」を締め付ける要介護認定改悪の撤回を実現するために、介護保険利用者・家族と、介護事業者・介護従事者は力を合わせましょう。


 5月10日には大阪市内で「要介護認定制度改悪から利用者を守る対策講座」を開催する。

要介護認定制度改悪から利用者を守る対策講座

(マスターケアマネ養成講座オープン学習会)



☐日時  5月10日(日)午後1時開場・1時半開会・5時閉会

☐場所  大阪府保険医協会 M&Dホール

☐主催  大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会

☐参加費・資料代  介護施設、事業者、ケアマネジャーなどは2000円。一般・利用者・家族は1000円

☐内容

報告1 要介護認定の仕組みと09年改悪の内容と問題点

要介護認定の仕組み、改悪の内容、改悪の「効果」、厚生労働省の「評価」事業と態度

改悪撤回をめざす取り組みを

報告2 認定調査の実際    認定調査員からの報告

 ロールプレイで検証   要介護認定審査会の実際  

 報告3 要介護認定改悪から利用者を守る実践(特記事項、主治医意見書の書き方なども)

 演習  裁決で勝つための不服審査請求書、反論書をかいてみよう!!



 
 厚生労働省をして、「再度見直し」-「修正・撤回」をさせるまで、不服審査請求をはじめ、あらゆるたたかいを展開しよう。

 明日には、国会で、この要介護認定見直しをめぐる厚生労働省内部文書のすっぱ抜き質問もおこなわれるという。

 たたかいはこれから。 である。

Category: 介護保険見直し

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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