2009/07/31 Fri
 今夜は、和泉社保協の幹事会に出席した。

 和泉市では、市内で介護保険事業を営んでいるNPOに、給付適正化事業を丸投げ委託している。

 そのNPOの役員さんらは、大阪府の介護新専門員の研修講師もされているが、市からケアプランから給付適正化指導からいっさいがっさい任せられると、言いたいほうだいになるのであろう。

 訪問介護での、買い物外出介助を行うのに、いつまでに自分で買い物に行けるようになるという「目標」や事前に市の承認がいるなどのローカルルールや、ケアマネジメントの手続きでも大阪府より厳しい指導がなされ、ケアマネジャーのなかには閉塞感が漂っているという。

 大阪社保協が和泉市内の事業所を対象に行ったアンケートでは、約半数の事業所が回答を寄せられ、ケアプラン点検や給付適正化指導への疑問や納得いかないこと、和泉市版ローカルルールへの苦情が数多く書かれていた。中には「こんな情報発信をまっていました」との記載もあった。

 和泉市では、8月17日に予定されている自治体キャラバン行動での市当局との懇談でもこの問題について取り上げる。

 さらに、市内事業所にアンケート報告会や懇談会を呼びかけ、市担当課との話合いも求めてく予定である。

 いよいよ和泉市での運動が動き出した。

 
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Category: 介護保険見直し
2009/07/30 Thu
 今夜は堺市内でケアマネジャーさんたちと要介護認定見直し緊急アンケート結果のまとめをしながら、厚生労働省の「検証・検討会」の再見直し内容についても話し合った。

 7月28日の「要介護認定方法の見直しに係る検証・検討会」のまとめた文書
 http://www.pref.miyagi.jp/kaigo/最新情報/Vol.106-1.pdf 

「要介護認定は、利用者・事業者・保険者のバランスをとりつつ、公正かつ的確に行われることが重要である・・・」

 「バランス」とはどういう意味か?
 
 要介護認定は利用者(被保険者)が、要介護状態という「保険事故」にあったときに、給付をうけるための対象となるかどうか、そしてどれだけの給付を受けられるかという程度を決めるものである。

 介護保険が公的な社会保険であるならば、そして何よりも高齢者から強制的に保険料を徴収しているならば、「事業者・保険者」とのバランスで要介護認定が左右されるようなことがあってはならない。
利用者が生活に必要な介護サービスを受けられる水準の要介護度が保障される要介護認定制度であってはじめて保険としての信頼性が担保されるのである。その意味で、要介護認定をするのならば「利用者本位」でなければならない。その時々の保険者(自治体)や国に財政事情などによって切り下げられてはならない。

 しかし、「保険者とのバランス」という発想は、まさにそうした財政事情など、制度や行政側に左右されて当たり前、というものである。

 今回の要介護認定見直しの狙いが、認定の軽度化による給付抑制であることが4月に国会でバクロされ、今回の再見直しに至った。

 今回の「検証・検討会」は要介護認定見直しがそうしたものであってはならない、という意味も込められていたはずである。

ところが、「バランス」という表現が、当たり前に通っていくところに厚生労働省も、この検証・検討会の多くのメンバーも何ら反省していないことを示している。

 その上でこの文書は

「 事前の検証や周知が十分に行われたとは言いがたく、結果として現場の大きな混乱を招いた。この点、厚生労働省に猛省を促したい。」

 問題は、厚生労働省の不手際だけだと言うのだ。

そして、文書は続く

「ただし、今回の見直し内容に係る検証は、見直しの導入に際しての厚生労働省の不手際に対する批判とは切り離して・・・」

 と結局、その責任を不問にして、マクロ的統計論に話をすりかえる。

 同文書
「要介護者の分布については、今回の見直し後も中・重度者の割合には大きな変化はないが、非該当者及び軽度者の割合は増加した。」

 そして、結論は、

「認定調査員テキストを別紙のとおり修正すべきと考える。こうした措置により、今回の見直しに係る懸念・不安については、概ね対応ができるのではないかと考えるが・・・」

 一次判定ソフト2009も、審査会テキスト2009もまったく検討も検証もせず、無修正。認定調査項目も変更なし、調査員テキストの修正だけで、「概ね対応できるのではないか」!?

 かってなシミュレーション以外には何の根拠のない、お気楽な結論である。

 そして、唯一の救済措置であった「経過措置」は

 「要介護認定の趣旨にそぐわないものであり、上記の見直しと同時に終了させるべきである」と打ち切りである。

 これで、本当に利用者の全員が、「安定したサービス提供」を受けられる保障があるのか。

 われわれが、堺市内で行った緊急アンケートに寄せられた、経過措置適用前の判定結果の中で「利用者の状態に合わない不適切な結果」の事例には、ぞっとするものが多くある。(堺市は認定結果通知に経過措置適用前の判定結果も記載しており、全件、新方式の要介護認定の判定結果がわかる)

 ・要介護1→要支援2  90才で心疾患、大腿部骨折OP(H19)の既往歴がある方であるのに、認知症が全くない場合はチェック項目が入らない。しかし歩行不安定で心疾患のトンプクを常時携帯している人が要支援では納得がいかない。
・要支援1→非該当  身体の変形・痛みがありながらも家事と夫の介護をされている方が訪問介護を受けて負担を軽減することで、二人暮らしをつづけ易くなったのに、非該当ではサービスを使えず困るところだった。(経過措置により1年間保留)
・新規 要支援2 リウマチでほぼ毎日生活支援が必要な方(特記にはそのことがしっかり書いてある)なのに(支援)は生活が成りたたない⇒結局、特定施設への入居しか道がなくなった。
・新規  非該当   老人二人暮らしで下の妹さん。拾える所がなかったとの事。
・新規  ターミナル、食事、排泄、更衣介助要、入浴も機かい浴でないと困難な方。要介護3。
・要支援2→非該当  全く状態変わらない人、非該当になった。
・要介護1→非該当  もし経過措置がなかったら生きていけない
・要介護4→要介護2 退院後に必要な介護サービスが組めない
・要介護2→要支援2 もし、経過措置がなかったらヘルパーの毎日訪問ができなくなり在宅生活がなりたたなくなるところだった

  新方式の認定は、こうした軽度化とともに、一部に異常に重度に判定される事例もある。

・要介護3→要介護5 精神疾患の方で歩行可能であるにもかかわらず要介護5が二年間出ました
・要支援2→要介護2 過剰な介護をしていたが、調査では「介助されている」ということになった
・要支援1→要介護2  自分の事は自分で行っている。3段階上がる程、身体的にも同居家族の負担も変化あるとは思えない


厚生労働省が多大な手間と経費をかけてデータを集め、エライ先生方の参加を得て行った「検証・検討」は、単なる「要介護度の分布の変化」だけであり、要介護認定見直しでその利用者の生活がどうなるのか、まったく検証も調査もなく、「利用者不在」である。

 堺市のケアマネ緊急アンケート結果は、報告書にして、厚生労働省と検証・検討会の委員にも送付する予定である。

Category: 介護保険見直し
2009/07/29 Wed
 昨日(7月28日)開かれた要介護認定見直し冠する「検証・検討会」で、認定調査項目の見直しを厚生労働省は提案した。

 そもそもこんなことになるのなら、要介護認定見直しの4月実施自体がいかにばかげたものであったか、自ら認めたようなものである。

 非該当がこれまでの3倍近い近くなるなど「軽度化」についても認めた。

 調査項目と基準の見直しは、当然のことである。

 堺市内のケアマネジャーの7月実施したアンケートでも
 
認定調査の項目や選択基準など内容
       ~9割以上の介護支援専門員が内容に疑問
「新しい認定調査(内容及び選択基準)についてどう思うか」では、回答した介護支援専門員の79.9%が、「おかしいところがある」と回答し、「適切と思う」は7.8%であった。「よくわからないあるいは知らない」(12.3%)と合わせると大多数の介護支援専門員が新方式の認定調査の項目や選択基準に疑問を持っていることになる。

 調査に立ち会ったケアマネジャーの大多数が「おかしい」と思うような認定調査は、大幅に見直されて当然であろう。

 しかし、一次判定ソフトと認定審査会資料・審議基準変更問題は、まったく見直しされていない。

 ここまで追い込んだ世論を沈静化させず、要介護認定制度そのものを問い直す運動に発展させることが求められている。




調査項目の大幅変更決定 要介護認定基準で厚労省 
 厚生労働省は28日、4月から導入された要介護認定の新基準をめぐり、高齢者の要介護度が実際より軽く判定されないよう、市町村が心身状態や生活能力を調べるための74項目のうち43項目の内容を変更することを決めた。
 現場が混乱しないよう市町村などへの周知を図った上で、10月1日の申請分から実施する方針。
 これに伴い、要介護度が以前より軽く判定された人が、希望すればこれまで通りのサービスを受けられるようにしていた経過措置は9月末で終わる予定。
 厚労省は、新基準の影響を調べた調査結果から「サービスを受けられない人や要介護度が軽い人の割合が若干増えた」と認め、市町村の調査員がより正確に判定できるよう調査項目の大幅な変更が必要と判断。有識者でつくる「要介護認定見直し検証・検討会」に28日報告し、了承された。
 調査項目については、市町村などから「内容があいまい」などと問い合わせや苦情が相次いだ。厚労省はこれらを踏まえ、例えば、座った状態を「1分程度」保てるかで身体状態をチェックする項目は「10分程度」に変更する。外出頻度を問う項目では、対象期間を直近の「3カ月」から「1カ月」に短縮し、その間の状態に大きな変化がなかったかも考慮する。(共同通信)

Category: 介護保険見直し
2009/07/28 Tue
 本日(7月28日)は、不正介護報酬返還住民訴訟の弁護団会議。
 7月23日の大阪高裁判決を受けての会議。
 
 介護報酬で不正の限りを尽くした社会福祉法人啓真会に対するデイサービス職員配置偽装・不正請求についての返還介護報酬に対する40%の加算金については、認められなかったものの、常勤管理者不在のまま虚偽の事業所指定による介護報酬不正請求については、既返還分を除く介護報酬の全額にあたる1億158万円の返還を請求するよう堺市長に命じる判決である。

 会議での結論は、加算金問題については、不当ではあるが、常勤管理者不在の不正請求額を全額返還を命じた点ついて、確定したことを評価し、一刻も早く、返還を実現させるため当方からは上告しないことに。

 そして、堺市に、これ以上税金をつかって不正事業者をかばい続けるという行為をさせないために「上告するな」の申入れを行うことを確認した。
 
 

2009/07/27 Mon
 「散歩介助OK」の事務連絡 厚生労働省

 厚生労働省は7月24日付けで、老健局振興課名で事務連絡「適切な訪問介護サービス等の提供について」を出した。
 昨年12月の国会での質問主意書への政府回答で公式にヘルパーの散歩同行が現行制度でも可能となることを明確にしていたが、自治体向けに改めて、この趣旨を徹底する通知といえる。
 
 とくに散歩同行に限らず、厚生労働省が2000年の通達(老計10号)で記載したホームヘルパーのサービス内容は、「例示として示したものであり、適切なケアマネジメントに基づくものであって、かつ保険者の個別具体的な判断により必要と認められるサービスについては、保険給付の対象となります。」とし、より広範で柔軟なサービスの提供を強調するものとなっている。

 これまで、老計10号に明示されていないことをもって「このサービスは保険給付の対象にならない」としてきた自治体がある。たとえば、「薬の受け取り」は通達に書いてあるからでいるが、「クリーニングの受け取り」は通達に書いてないからダメ、というような市もあったが、あくまでも同通達のサービス内容は「例示」であり、利用者に必要なサービスは提供できるという趣旨にそった運用を行うべきである。

今回の事務連絡の
「行為の内容のみで一律機械的に保険給付の支給の可否を判断することなく、必要に応じて介護支援専門員等から情報を得るなどし、個々の利用者の状況等に応じた判断」
 という点がもっとも重要なのである。

 



事 務 連 絡
平成21年7月24日

各都道府県介護保険主管課(室) 御中

厚生労働省老健局振興課


適切な訪問介護サービス等の提供について

 訪問介護におけるサービスの内容等については、介護保険法第8条等に規定されているほか、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年老計第10号通知。以下「老計10号」という。)において示しているところですが、そのサービス行為ごとの区分は、例示として示したものであり、適切なケアマネジメントに基づくものであって、かつ保険者の個別具体的な判断により必要と認められるサービスについては、保険給付の対象となります。
 こうした介護保険制度の趣旨を踏まえ、各都道府県におかれましては、訪問介護サービス等が保険給付の対象となるかについては下記のとおりの取扱いである旨を、管内の市区町村に対して改めて周知していただきますとともに、介護サービス事業者、関係団体、利用者等に対して幅広い情報提供をしていただくようお願いいたします。



1保険者にあっては、利用者にとって真に適切な介護保険サービスが提供されるよう、行為の内容のみで一律機械的に保険給付の支給の可否を判断することなく、必要に応じて介護支援専門員等から情報を得るなどし、個々の利用者の状況等に応じた判断をされたいこと。

2 例えば、「訪問介護員等の散歩の同行」は、自立支援、日常生活動作向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものであって、利用者の自立支援に資する(例えば、ケアプランにおける長期目標又は短期目標等に示された目標を達成するために必要な行為である)ものとしてケアプランに位置づけられるような場合については、老計10号別紙「1 身体介護」の「1-6 自立生活支援のために見守り適援助(自立支援、ADL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)」に該当するものと考えられることから、保険者が個々の利用者の状況等に応じ必要と認める場合において、訪問介護の支給対象となりうるものであること。
Category: 介護保険見直し
2009/07/25 Sat
 本日(7月25日)は午後から大阪市長居障害者スポーツセンターで「二次障害検討会学習会」という催しに招かれた。
 参加者は障害者とその介護者が大半。車椅子の方も多かった。

「介護保険の現状と問題点~障がいを持つ人介護保険の関わりを考える~」というテーマで1時間半ほどお話させていただいた。
 障害者で自立支援法の障害者サーービスを受けている方も、65歳になると「介護保険優先」になる。介護保険と障害者サービスの「統合」の問題も含めて久しぶりに自立支援法について勉強し、準備をさせていただいた。
 とくに自立支援法の給付と介護保険のサービスの併用の問題では、厚生労働省が、2007年3月に新たな通知を出し、「介護保険サービス優先」を原則としつつも「一律に介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないものとする」とし、自治体に対し、「サービス利用意向を聞き取りにより把握した上で、必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが加納かどうかを適切にはんだんすること」とした。より柔軟な立場である。
 ところが、自治体の裁量とされたことから、市町村によっては、従来の限定的・例外的扱いをまったく見直していないところも少なくないようである。
 たとえば、堺市の場合、①対象は全身性障害者(両上下肢に障害のある肢体不自由1級)で、介護保険で要介護5、障害程度区分は「区分6」に限定。②介護保険の支給限度額をメいっぱい利用し、その半分は訪問介護を使っている、という要件を課している。
 
 障害者福祉サービスに比べ、介護保険、とくに訪問介護は制約が多く使いにくい。そして何よりも利用者自己負担が大きく違う。

 障害者自立支援法では、制度そのものは「応益負担」(1割)で、高額障害者福祉サービス費限度額も低所得1(非課税世帯・本人収入年80万円以下)は月15,000円、低所得2(非課税世帯)は24600円、一般世帯は37200円で介護保険と同じであった。

 しかし、障害者の当事者運動の力で大幅負担軽減を実現し、現在では低所得1では月1500円、低所得2でも月3,000円、一般世帯でも住民税所得割16万円未満であれば9,300円が負担限度額でそれ以上は負担しなくてもよい。
 低所得1では介護保険の10分の1の負担である。

 当事者運動の力の差と言えるかもしれない。 


 大阪府の障害福祉室の担当者が「障がい者地域医療ネットワーク推進事業についても報告された。二次障害検討会の長年の運動の成果でもある。
 脳性麻痺の頚椎症や脊髄損傷者の泌尿器障害など複数の診療科にわたる専門的な治療が必要な合併症や二次障害に対応する医療や、障害者の状況に応じたケアや配慮が必要な医療を提供する医療機関のネットワークづくりに大阪府は5年前から取り組んでいる。
 ところが、橋下知事の方針である府単独事業見直しで「障がい者地域医療ネットワーク推進事業」の事業費ゼロになってしまい、事務費のみで運営、民間助成金申請し、医療技術研修会の開催をめざしているという大阪府担当者の涙ぐましい努力である。  
 
 八尾クリニックの大井通正医師は、「働き続けることと健康」と題して報告。     
 障害者作業所で100円商品製造に従事し、手にタコができるほどがんばっているが、自立支援法では利用料をとられる。一定程度生産しないものは労働と認めない、世界に例を見ない差別行政と怒りをあらわにされた。
 また、一般企業のベルトコンベア作業に従事している障害者は、パートに切り替えられ給料ダウン。さらに重労働の中で頸肩腕症候群発症し働けなくなったという。
 障害の悪化を食い止める働き方が実現できるかは、社会の責任であると強調された。

 障害をもちながら、働き、活動し、たたかう 当事者運動の力強さと粘り強さに大いに励まされた。


 解説 「二次障害」 二次障害とは、成人障害者、とくに脳性マヒの人に見られる既存の障害(一次障害)の増悪や、あらたに出現した障害のことで、しばしば動作能力の低下をともないます。たとえば、手足のしびれ、頸の痛み、よくこける、ものを落とす、排尿の変化、肩のこり、腰痛、関節痛などの身体症状のほか、イライラする、ものを忘れるなど精神疲労の訴えもあり、症状は幅広くさまざまです。
 二次障害の原因となる二次的疾患にはさまざまありますが、頸や肩、腕の痛みの場合には、頚椎症、頸肩腕障害などの疾患が疑われます。そのほか、脊柱側わん症と胸郭変形、変形性股関節症、関節拘縮、ポストポリオ症候群などもよくみられる疾患です。30歳前後から始まる人が多いのですが、早い人では20歳代から症状が現れる場合もあります。
 さまざまな症状や動作能力の低下は、軽度の障害のある人よりも中度以上の障害をもつ人に、また年齢が高くなるほど多くみられる傾向があります。しかし、就労している人の場合には、その職種や労働条件のちがいによって症状のでかたが異なります。



 
 

Category: 介護保険見直し
2009/07/23 Thu
 本日(7月23日)、大阪高裁で不正介護報酬返還訴訟で判決! 

 常勤管理者をおかずに不正に指定を受けていた堺市内の介護保険事業者に対して、介護報酬1億158万7576円を返還させよ、と堺市に命じる判決が、地裁に続き大阪高裁でも出された。

 この不正介護報酬返還訴訟は、2005年に内部告発を契機に始まった。

 理事長一族が支配する社会福祉法人、堺市内でケアハウスと介護保険事業を運営していたが、管理者(施設長)が当初から常勤せず、また、行っていない訪問介護サービスを行ったかのような記録を偽造し、不正・水増し請求を何年も繰りかえし、デイサービスに看護職員が常勤しているように見せかけるなど不正の限りを尽くしてきた。

 あまりのひどさに、複数の関係者が内部告発し、これを受けて、福祉・介護オンブズネットとして大阪府にも情報提供し、さらに堺市の住民が堺市に住民監査請求を行い、さらに大阪地裁に住民訴訟をおこなった。

 この中で、次々と不正が明るみになり、理事長・及び施設長らは引責辞任した。
 訪問介護の不正・水増し請求では、事業所指定取消処分、報酬返還となったが、管理者不在問題とデイサービスの人員基準違反については、一部の報酬返還にとどまったため、訴訟を継続し、昨年1月の大阪地裁判決では、常勤管理者不在の不正については、ほぼ全面的に原告の主張を認め、「偽りその他不正により介護報酬の支払を受けたものとして、合計1億158万7576円を堺市に支払うよう請求をを求める」と判決した。

 不正介護事業者をかばい続ける堺市は、高裁へ控訴し、「常勤管理者がいなくても業務に大きな支障はない」「軽微な瑕疵に過ぎない」などと主張してきた。また、不正の当事者である社会福祉法人啓真会も補助参加人として加わり、同様のあつかましい主張を繰り返し、不正介護報酬については返還する必要はないと言い張ってきた。

 大阪高裁判決は、これらに対し、ことごとく退け、堺市の控訴を棄却し、地裁判決を支持した。

 もう堺市は、観念すべきである。
 
 不正事業者をかばいつづけるために、公金を使って最高裁へ上告するなど到底許されない。

 さっさと、1億円返還させよ!
 
2009/07/10 Fri
 7月10日夜は、奈良県大和郡山市での学習会。
 市内のほとんどの介護保険事業所が参加するという「大和郡山市サービス担当者交流会」。二ヶ月に1回開催し、もう24回目を迎えている。

 行政からの援助は受けず、完全に自主運営。毎回世話人の中から担当を決め、開催。
 
 最初はドッジボール大会からはじめたという交流会である。開催は世話人会でテーマを決め、案内は連絡網を通じた口コミで。

 それでもこの日は70人ほどが集まった。参加費500円でおにぎりとお茶まで出る。

 私が、「09年介護保険を考える」というテーマで1時間ほどお話させていただき、グループワーク、そして質疑討論と、2時間みっちり。
Image181.jpg

 大和郡山市では、行政の開催する事業者連絡会やケアマネ連絡会はなく、この会一本とのこと。

 地域のこうした自主的な介護関係者の集まりは実に心強い。

 願わくばこうしたネットワークが行政への提言や、制度改善への発信をできるようになると素晴らしいと思う。





Category: 介護保険見直し
2009/07/08 Wed
 介護保険料に怒る一揆の会と年金者組合が中心となって、8月1日に大阪市内で「これでいいのか!年金問題」というシンポジウムを企画している。既に何度も会議を開いて企画案を練っている。

 老後の不安が益々大きくなっている最大の原因は年金問題である。
 
 25年かけないと1円ももらえない給付。

 政府試算でも将来、現役世代の5割に満たない年金額。
 
 40年以上かけても6万円台にしかならない国民年金。
 
 そして大量の無年金者。

 宙に浮いた年金記録問題、消えた年金記録問題も未解決な中で社会保険庁は来年3月解体・民営化される。

 こうした問題を年金生活者や、生活保護受給者、そして社会保険庁職員も交えて語り合おうというシンポジウムである。

 メインの講師には、NHKで年金問題を継続して取材してこられた方を依頼し、謝礼なしで快諾をいただいた。
 単なる社会保険庁バッシングにとどまらず、年金制度問題に踏み込んだ取材をされ、番組を作られた方ということで大いに期待もした。

 ところが、突然、「総選挙がまじかに迫っている中で、NHKの立場でそのような場で発言するのは問題だ、ということで上部からストップがかかった」

 ということで、キャンセル。

 いかにもおかしな理屈をこねるNHKではないか。

 このシンポジウムは政党関係も議員も一切タッチしていない。

 年金問題を語れば当然、国政問題に話が及ぶのは当たり前。

 社会の公器としてのマスコミならば、正しい取材に基づく公正な話を選挙まえに社員が語ってもまったく問題はないはず。

 政府に批判的な集まりにNHK関係者が総選挙前に出席して話をするのは具合が悪い、という理屈であろう。

 とんでもない「中立性」である。

 このような経営姿勢のもとで働く若い報道関係者が気の毒である。
Category: 時局争論
2009/07/05 Sun
 7月5日は、大阪社保協主催の「大阪府訪問介護サービス内容Q&A改正学習会」。会場いっぱいの140人以上が参加。ケアマネジャーとヘルパーがほぼ半々。

 私が、一時間半ほど、大阪府Q&A改正の経過と内容、そして活用方法についてお話させていただいた。訪問介護に関する法令通知理解のためのミニテストもさせていただいた。
 ヘルパーさんとケアマネさんの実践報告の後、よりより介護をめざすケアマネジャーの会内海事務局長から「利用者の声」報告。
 3時間半みっちりで盛りだくさんの学習会だったが、参加者の感想には「利用者本位の意味がよくわかりました」などありがたい声をたくさんよせていただいた。
 
 ある参加者の感想
 「これまで、Q&Aを基準にサービスを考えていたことに気付かされて頂きました。利用者本位ということが頭でわかっていても、実際に介護計画に入っていなかったり、わがままと受け取り、利用者に寄り添うサービスでなかった改めて気付かせてもらった思いがしています。介護保険の実態がわかっていない行政に物申すためには、もっと利用者に向き合うことが大切なことを改めて実感し明日からのサービスに役立てて行きたいと思います。」
 
7.5大阪府訪問介護サービス内容Q&A改正学習会
利用者に必要な訪問介護サービス提供のために
ヘルパー・ケアマネジャーへのアピール
 2009年7月5日

 今年4月、大阪府の「訪問介護サービス内容に関するQ&A」が全面的に書き換えられました。

 介護保険制度見直しと給付適正化の中で、大阪府から「あれもダメこれもダメ」のQ&Aが出されたのは一昨年の8月でした。あれから1年半、「これでは利用者の生活に必要なホームヘルプが提供できない」と現場の声と利用者さんの生活実態を持ち寄って何度も何度も大阪府に意見を出し、話し合いを重ねました。そして国会や大阪府議会でもこのQ&Aは取り上げられました。

 そしてようやく大阪府はQ&Aを全面的に改正しました。
 内容はまだまだ制約が多く不十分です。しかし、外出介助や散歩介助、生活援助の範囲が大きく広がる表現となったことは、大きな前進です。また、「適切なマネジメント」に基づき提供されるサービスは可能という大原則を認めさせることができたこと、そして何よりも大阪府がいったん出したものを現場の声と運動で書き直させたことの意義は非常に大きいと思います。

 しかし、大阪府内のケアマネジャーもヘルパーもましてや利用者さんもQ&Aが書き換えられたことを知っている人はごくわずかです。また府内の各自治体も旧Q&Aを根拠とした訪問介護サービス制限を改めようとはしていません。
 書き換えられたQ&Aを正しく活用し、利用者に必要な援助はホームヘルパーがきちんと提供できるようになるためにはこれからのケアマネジャーとヘルパーのがんばりにかかっていると言えます。
 今こそ、サービスの担い手であるヘルパーとケアマネジャーが力を合わせて本当の意味での「介護の社会化」と「利用者本位」を取り戻し、利用者の尊厳ある生活に必要なサービスを守り発展させるために行動するときです。

1 大阪府の「訪問介護Q&A」改正の内容を正しく伝え、自分たちのものにしましょう
2 利用者本位のサービスを提供するために適切なマネジメントを行う力量を身につけましょう
3 各自治体に対し、これまでの一面的なサービス制限を改めさせるために声をあげましょう 


 
Category: 介護保険見直し
2009/07/04 Sat
 今年9月予定の堺市長選挙。
 現職の木原氏。とくにとりえも何もない、ボンクラ市長でなおかつ、大阪府OBで、堺市とはとくに大きなつながりはなかったが、8年前に適当な人が誰もいないといだけで市長になったようなお方。市長選挙に出てから堺市に住所を移したという。
 管理職の評判も決してよくない。

 これが3選めざし出馬表明。自民、民主、公明ら与党も推薦。

 ところが、堺市に在住するという現職の大阪府幹部職員が出馬を表明。

 そこへ、非常識にも 大阪府の橋下徹知事が、この人物(大阪府政策企画部長の竹山修身氏)を支援すると表明。
 記者会見では「竹山さんが市長になれば共同歩調で改革できる」という。6月24日のこと。
 後に形だけ撤回して、政策で判断すると言い換えたが、橋下知事の姿勢は明確だ。

 前回選挙で自民、民主、公明の推薦を受けた木原が3選を目指して立候補を表明しているなかで、現職の知事がこれまた現職の堺市長にNO!をつきつけたようなもの。

 常識では考えられない言動である。

 大堺市、大阪府内で大阪市に継ぐ都市で政令指定都市の市長の面目丸つぶれといったところである。

 橋下知事は、大阪市の平松市長には何かと気をつかっているが、堺市の木原市長にはまったくそんな気は使わない。

 オール与党推薦市長で、路線的にも大阪府知事ととくに対立したようなこともないが、いとも簡単に無視され、別の候補にエールを送られた格好である。

 フツーの市長なら怒って当然だろう。また、これだけ堺市のトップが大阪府知事からコケにされれば副市長はじめ市幹部職員も怒って当たりまえなのに、誰一人そんな発言をしない。

そればかりか、木原市長は、記者会見で「知事が市町村の選挙で応援する場合、普通は現職。よっぽど現職に問題があればそういうこともあるんでしょうけど」と述べ、橋下知事の対応に不快感を示した。 (朝日新聞) 

 「不快感」だけかよ。このオッサン。
 自分がコケにされたのに、抗議一つせずに、ぼやくだけ。こういうのを根性なしという。 
 
 少しは根性のある市長ならはっきり怒って抗議せんかい。といってやりたい。

 トップがこの体たらくだから、市幹部職員も「困ったことやな~」とぼやくだけ。

 
 ある幹部職員に聞くと、「今、へたなこと発言して、もし竹山が橋下知事の支持受けて市長になったらこっちがえらい目にあうがな」と。
 わが身の安泰だけしか考えないのかこいつらは。

 根性なし市長に、自己保身の幹部職員。

 こんなことだから、大阪府知事からもなめられる。

 
任期満了に伴い、9月13日告示・27日投開票される堺市長選に無所属で立候補することを表明した元府政策企画部長の新人、竹山修身氏(59)は3日、堺市役所での記者会見で「ダイナミックな改革の渦を堺市政に巻き起こしたい」と抱負を語った。市長選への立候補表明は3人目。
 竹山氏は堺市出身。静岡大人文学部卒業後、府庁に入り、旧美原町助役、府人事課長、行政改革室長、府議会事務局長、商工労働部長を歴任。3日付で府庁を退職した。
 会見で竹山氏は「橋下徹知事と共有した改革マインドと、府で培った豊富な経験を生かしたい。市政の動きを徹底的に市民に見えるようにし、緊張感とコスト意識を市職員に植え付ける」と述べた。
 橋下知事の選挙支援について「知事と一緒に府政改革をした。公約を評価してもらい、支援してほしい」と期待した(毎日新聞)。


 言いたいこと言われて、堺市長と幹部職員、どうするのか。

 

 

 
 
Category: 堺市政問題

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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