2009/12/31 Thu
 大晦日。実家の正月準備と大掃除が終わったので、温泉にいく。

 午後から雪が降り出し、吹雪になる。わが故郷は一面銀世界に。

 温泉は、実家のある下呂市金山町の「道の駅かれん」。

 露天風呂もあり、雪がパラパラと湯の中に落ちてくる。

 からだは湯の中でポカポカしながら、首から上は雪にさらされる。

 風流である。

 温泉からみた雪の風景。ふるさとの山の木々が雪のあっという間に白くなっていった。
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 夕方、JR飛騨金山駅に弟を迎えに行く。
 弟は地質調査の会社につとめており、愛媛県からの帰省。なんと弟も自分でおせち料理を作って持ってきた。

 大晦日の夜は両親とわれら兄弟とで宴会。

 子どものころは、大晦日の夜を「年とり」といって、一歳、年をとる行事であった。いわゆる「数え」でいくと、新年とともに年をとるので、大晦日は全員が一歳年を重ねることになり、今年一年の無事と次の歳の無病息災を祈って行う大変めでたい行事である。

 だから、「新年明けましておめでとう」よりも大晦日の夜のほうがめでたいのである。

 したがっておせち料理などもこの大晦日から食べ始める。


 
 
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Category: 雑感・雑記
2009/12/31 Thu
 大晦日の未明に実家(岐阜県下呂市金山町)に到着。すぐに寝る。
 
 朝から正月準備。

 何せ、田舎の旧家なもので、いろいろしきたりがあって、年に1回のことなのでよく覚えていない。
 日下部家の長男として、記録しておく。

 まず、鏡餅の準備。
 ①神棚の下にしまってある三宝を出し、半紙を切ってしく。合計5つ。
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②家のあちこちにお供えをすべき「神様」がいる
  1)居間の裏山向きの窓の下(裏山にお稲荷さんが祭ってあるので、そのお稲荷さんへのお供えという言い伝え)
  2)井戸の神様(以前は本当に井戸までお供えに行ったが今は、埋められてポンプになっているのでそこに置く)
  3)火の神様(カマドであるが、これも今はないので給湯器に置く)
  4)水の神様(井戸とダブると思うのだが、なぜか台所に置く)
  5)蔵の神様(日下部家にある二つの土蔵のうち一つの扉の前に置く。土蔵といっても宝物はなく農機具やらが入   っているだけ。子供のころ火縄銃を見つけたことがある)
  6)門口の神様(玄関を出たところの濡れ縁の上)
  7)川の神様(家の前の小川。小さな洗い場を作ってある)
 
 
本当は、ぜんぶお供えをするのだが、1)と3)だけ鏡餅を置いて、跡は灯明を置く

 灯明は、大根を輪切りにしたものを半分に切ってそれにマッチ棒をさしてろうそくをともす。
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これを大晦日の夜に1)~7)の神様に供える。



 ③鏡餅は、小さな丸もちにみかんをのせ、横に干し柿、栗、ゴマメ、白豆を置く。
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④紙の飾り(何ていうのか知らないが)を作る
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⑤これは榊につける。この榊の枝は裏山で取ってくる。
(以前は餅花といって、木の枝に餅をくっつけたものにこの紙飾りをたくさんつけた。最近は作っていない。)。あとは、「若水」といって、一番きれいなバケツとひしゃくにこの飾りをつける。「若水」は元旦の朝一番に汲んで、これで雑煮を炊くのがしきたりである。
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⑥神棚へのお供え(後ろの壷みたいなものにはお茶を入れて榊の葉っぱをさす。コップには酒。前の皿には米と塩を盛る。
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⑦しめ縄の飾りを作る。はさみで切って適当に折る
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③神棚にしめ縄を飾り、紙をつける。
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神棚の正月準備が終わったら、家の向かいの山上にある先祖の墓にお参りする。墓にも10個以上ある先祖代々の墓標一つ一つに榊の枝を備え、線香と灯明を灯す。これで正月準備完了。

ひとつひとつ親父の指示でこれをやっているが、親父も80歳になるので、ぼちぼち私がすることになりそうなので来年からはこの記録を見ながら、やってみようと思う。

   


 

 


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2009/12/30 Wed
 今日は、年末の片付けで一日過ごす。

 今年を振り返りつつ。

年賀状に私が書いた一言。今年の感想でもある。

「いろいろ紆余曲折はあっても、時代は動き、社会は変化する。そんな実感を強く持った一年でした。流されぬよう、そして自己の信念にそった生き方を貫きたいと思うこのごろです。たとえ、失うものがあったとしても一度しかない人生、自分の納得のいくように、そして万人が「生きていてよかったと思える社会の実現のために。」

 この年になると、公務員のはしくれでありながら、行政にたてつくような言動を行い、住民とともにさまざまな運動に加わっていると、何かと失ったものが身にしみるようになる、同期入庁した連中の多くは、部長や課長になり、行政を動かす立場である。私は、社会福祉法人の不正実行者を告発したことにより、今の職場に不当配転されて10年目、そのときからいっさいの昇進はないことも宣告されている。

 賃金でも大きな開きが出てきたし、今後、下がることはあっても上がることなどないだろう。

 
 わが役所の中には、そんな私に対して、「アホな奴や。ええかっこしたつもりが結局ソンしてる」「いい年していつまで正義の味方ずらしているのか」と陰口をたたくやつもいる。中には、「あいつは、住民の味方のようなことをして、市会議員に出るつもりや」などとまことしやかに言う者までいる。

 なんと料簡の狭いことか。わずかな地位と金にしがみつき、一番大事なものを見失っている、と最近思う。

 オドオドと周囲や上ばかり気にして、先回りすることが「才覚」だと思い込んでいる人。新しい市長の「意に沿う」ような仕事をすることが市のためになると思い込んでいる人。必死で訴える住民の要求を受け流し、拒否することに「手腕」を振るうことが公務員の能力だと勘違いしている人。
 公務員はこんなもの、と割り切って、定年までを平穏無事に過ごすことばかり考えている人。

 そんな人ばかりが目につくようになった。

 私は、確かにこの生き方によって失ったものがあるかもしれない。しかし、そんな人たちが年とともに増えていく役所の中をみていると、絶対、あんな生き方はしたくない! と思ってしまう。

 多いなる「変動」の年を終えるにあたって、

 自己の信念にそった生き方を貫きたい。たとえ、失うものがあったとしても一度しかない人生、自分の納得のいくように、そして万人が「生きていてよかったと思える社会の実現のために

 を改めてかみしめて、私なりの充実感を味わっている。




 さて、話はかわって、

 3年目になる「お節料理」。
 今年も挑戦した。
 オッサンでも1時間半でできるお節料理である。

 まず、黒豆、数の子、棒だらの甘露煮、昆布まき、おだまきなどは、出来合いのものを買う。時間がかかるから。

 つくるのは、「にぎやか筑前煮」「エビの酒炒り」「田作り」「さわら西京味噌焼き」「鮭の塩焼き」のみ。

 にぎやか筑前煮 
 鶏肉、干しシイタケ、人参、ごぼう、レンコン、こんにゃく、きぬさや

干しシイタケをもどして、その汁で 鶏肉以外の野菜を煮込む(酒大さじ一杯と砂糖大さじ1杯を加える)
 鶏肉は一口大に切って油で色が変わるまで炒める。
 野菜類が煮立てしばらくしたら鶏肉を入れて、みりんとしょうゆを入れてさらに煮込む。

 最後は強火で汁けがなくなるまで、いりつける。

 これにきぬさやの塩ゆでしたものを入れて盛り付ける。

 ※材料の切り方は、型を使って桜型にしたり、きぬさやも飾り切りする。

 所要時間 30分あれば十分

エビの酒いり

有頭エビ 5尾

エビは背ワタだけとり、頭と殻はそのまま。

鍋に酒大さじ3杯と塩小さじ3分の1と水4分の1カップ入れて煮る。

煮立ったらエビを入れて、背が丸くなるように曲げて炒る。

エビが赤くなったらそのまま冷ます。

所要時間15分ほど。


さわらの西京味噌付け焼き 
 買ってきたものを味噌を丁寧に取り除き、グリルで焼くだけ

鮭の塩焼き
 紅サケの切り身を買ってきて塩をふってしばらくおいて、グリルでやくだけ

このふたつは、ほかの料理をしながら並行してできる。(ただし、切ったり骨をとったりの作業は数分かかるが)

田づくり

 ゴマメを買ってきて、袋に書いてある調理法でやる。
 ただし、ゴマメを炒めるのはフライパンでなく、電子レンジで2分くらいやったほうがよい(フライパンだと焦げる)。
 また、たれ(しょうゆ、酒、みりん、砂糖)は小鍋で沸かしたほうがよい。
 フライパンでからめるとき、少量の油を入れると、冷めてからくっつきにくい。

 所要時間10分ほど。


 以上、調理に1時間と少し、

 あとは、かまぼこを切ったり、盛りつけたり 

 私のような料理の知識のないオッサンでも1時間半でできるから、

 ヘルパーなら、もっと手早くできるはず。

 したがって、訪問介護の生活援助で「お節料理」はできるはず。
 「特別な手間をかけた料理」ではないのだ。




 さて、今から、車で わが生まれ故郷の実家
 岐阜県下呂市金山町に帰省する。






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2009/12/30 Wed
 12月27日と28日のブログで、「訪問介護ブックレット」の原稿の出稿のことを書いたら何人もの知らない方から「期待しています」「発行はいつですか」というメールや書き込みをいただいた。

 期待の大きさに驚くとともに、正直言ってプレッシャーである。

 ひとつは「早く発行しなければ」という時期の問題。この印刷所は結構時間がかかる。

 もう一つは、内容である。「わかりやすいものに」という注文を受けて、できるだけ分かりやすくしたつもりだが、その反面、内容が不十分ではないか、という不安が付きまとう。

 自分で調査し、正しいと思ったことを心おきなく書ける文書とちがって、集団での出版物となるとさまざまな制約があって実にめんどくさい。他の執筆者の考えもあり、なかなか難しい。
 
 大阪だけでなく、全国に通用するようにローカルルール問題はできるだけ、全国各地の情報をもとに考えたつもりである。

 利用者に必要なサービスが訪問介護で提供できるように。全国的に不当なサービス制限の是正とローカルルール打破の武器となれば、と考えている。


 現時点で、出稿した内容の目次(ただし、仮の仮である)。


できるつかえる介護保険ブックレットシリーズ①訪問介護
 利用者の立場で考えるヘルパー活用法

はじめに

第1章 これもしてくれないの? 制限だらけのヘルパー
               これでは介護保険の意味がない
困った事例1 家族が同じ区内に住んでいればヘルパーはダメ? 
家事援助と「同居家族」
  困った事例2 少し遠くに行けば安いスーパーがあるのに
買物の範囲
         買い物は下着だけ。上着は買えません  
  困った事例3 病院の中は付き添えません。別に付添料をいただきます
                     通院での院内介助
  困った事例4 要支援だと何でも「一緒にやれ」と言われる
  困った事例 5 ヘルパーは窓ガラスを拭けない?
生活に必要なヘルパーのサービスを取り戻すために


第2章 適切なマネジメントがあればこれも可能に
本当はこんなこともヘルパーはできる ケアマネジャーの視点から 
1. 同居家族がいる場合の生活(家事)援助
同居家族を理由にサービスを制限はできない
介護保険法の理念や目的にてらして必要なサービスをケアプラン化する
 適切なケアマネジメントとケアマネジャーの専門性
2.散歩介助
散歩介助を制限する規定はどこにもない
散歩介助は自立支援サービスの一環
3.通院介助
受療権を守る重要な役割を担う
通院介助拒否や自費サービスが横行
院内介助の見守り的援助も身体介護の一環

第3章 介護保険のホームヘルプサービス(訪問介護)とは 
1 利用者の立場で読み解く介護保険の法令・通知
       ~ケアマネジャーB子さんの例~
「法律で決まっているからできません」?
Aさんのささやかな願い
「そんな法律どこにある?」 Aさんの疑問
介護保険法を読んでみる
「訪問介護」って何
 介護保険サービスの基準は
ホームヘルプでできるサービスは
「散歩介助」がない!?
 「日常生活」って何!? 自分らしい生活をとりもどすこと
必要なサービスを「できない」と決めつけていませんか
散歩介助についての厚生労働省の事務連絡
「1000回登山」にこだわるAさんの変化

2 ホームヘルパーのサービスの範囲を考える

不当なローカルルールを許さないために
全般
問1 ややこしい場合はすべて保険者に事前確認せよと言われる
問2 介護保険財政が大変だから制限するのは当然と言われる
問3 柔軟に運用すると不正が起きるから厳しく制限すると言われる
問4 ケアプランにないサービスは一切してはダメと言われる
問5 要支援の人の「予防訪問介護」は、訪問介護とはサービスの範囲が違うと言われた
散歩介助
問6 散歩は「身体機能向上の効果のある人に限られる」と指導される
問7 「気分転換のための散歩はダメ」と言われる
買物外出介助
問8 靴を買いに行くサイズがわかるから、買物代行で対応すべきと言われた
問12 テレビが壊れたので選ぶために外出介助したいが、「日常生活の援助と言えない」と言われた
問13 24時間やっているコンビニへの買物は夜帰ってくる家族ができるからダメと言われ
   た
問14 要介護の人は買物代行(生活援助)しかみとめない。要支援の人は買物同行介助しか認めないと言われた
通院介助
問15 病院内は医療保険対象だから介護保険では対応できないと言われる
問16 つかまり歩きができれば院内介助は不要と言われた
問17 外出介助は目的地は1ヶ所しか認められないので寄り道はできないと言われた
問18 院内の付き添いをしてほしい場合は自費サービスで言われる
問19 遠くの病院や長時間待つ病院は事業所が行ってくれない
生活援助
問21 同居家族がいる場合本当に家事ができないか医師の診断書をとるように言われた
問22 同居家族が夜、休日にできる場合はダメ。「忙しい」は理由にならないと言われた


自治体のローカルルールを改めるために

第4章 訪問介護の役割を考える
1.ヘルパーの役割とは
ヘルパーの関わりで自分らしさの回復と家族再生できたNさん
大切なヘルパーの気づきと洞察力
ヘルパーの豊かな感性と想像力
新鮮な気づきと柔軟で発想豊かな工夫を生かした支援
問題行動の背景を理解し、生活史にあったアプローチ
ヘルパーが一緒に通院するということの意味
遠くの身内より、身近なヘルパー
「病院の前で置いていかないで。家に帰るまで一人にしないでね。」
家族関係の修復と虐待の回避
 見守り的援助の大切さ
  寄り添い見守る支援と専門性
  家族とは違う専門職の視点により異常の早期発見と早期治療
単なる足代わりではない通院介助
生活援助の幅が広がり、取り戻した当たり前の暮らし
「いつもすりガラス越しに見ている、わが家は白黒テレビのよう」
自分の暮らしに置き換えて考えてみる
QOL(生活の質)を維持・改善する視点
「世間の常識」が介護現場では非常識に?

2.ヘルパーが考える訪問介護の専門性
高齢者が在宅で「その人らしく暮らす」を支える尊い仕事
散歩介助できたからこそ認知症利用者の気持ちの安定を保つことができた事例
散歩を共にすることで見えてきたSさんの人生
ヘルパーの仕事は単に家事経験だけでは務まらない専門性が求められる仕事
近隣との関係を仲介することも大切な役割
生活状況を観察して支援の組み立てを他の専門職と共に考える
調理は治療の一環です
他職種との連携で築いた信頼関係は支援の要。
お互いの持ち味を生かした信頼関係は支援の大きな力
専門性の高いヘルパーは現場の宝
これからの高齢社会を支える介護の要
専門職としての学び合う集団つくりが重要
訪問介護計画書を考える
利用者の気持ちに寄り添った、利用者の望むあたりまえの暮らしを支援するために
おわりに~利用者からみた「訪問介護」

資料集


Category: 介護保険見直し
2009/12/29 Tue
 ハリタさんのブログで「平成22年度厚生労働省予算案の主要事項」が公表されていることを知った。

 さっそく、見てみるが、率直な感想は、「介護保険は、新政権になっても何ーんも変わらん」である。

 何度も引用しているが民主党のマニュフェスト
25.介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる
【政策目的】
○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。
○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。
【具体策】
○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。
○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。
【所要額】
8000億円程度


 これを念頭に置きながら、
昨年の平成21年度厚生労働省予算案主要事項

今年の平成22年度厚生労働省予算案主要事項

比較してみる。



 
    
1安心で質の高い介護サービスの確保 2兆978億円 →  1安心で質の高い介護サービスの確保2兆1966億円
 (988億円増だが、平成21年度も前年度比580億円増なので自然増を除けば大したことない)

 内訳
(1)地域における介護基盤の整備 407億円   →  (1)地域における介護基盤の整備 283億円
   (124億円マイナスである! 21年度は「安心住空間創出プロジェクト」やケア付き住宅整備、介護療養型施設整備促進などが、説明であったが、22年度は「見守り的機能を備えた軽費老人ホーム整備に助成」となっている。マニュフェストの「介護サービスの量の不足軽減」はどうした!)

(2)安定的・効率的な介護保険制度の運営 2兆378億円 → (2)安定的な介護保険制度の運営 2兆1501億円
 (これは介護給付等の国庫負担分であるが1123億円増である。、表題から「効率的」が消えたのに何か意味があるのか? 給付抑制を緩和するということならいいことであるが)
(3)介護サービスの質の向上及び医療との連携 191億円 → (3)適切なサービス提供に向けた取組の支援 182億円
 (表題が変わった、また、額もマイナスである。)

 あとは、前年度と構成が異なるので省略するが、認知症施策の総合的な推進は 39億円→36億円で3億円の減。
新規の予算は「市町村地域包括ケア推進事業の実施 5.5億円」(全国50か所で地域包括支援センター等を活用して情報収集発信、ネットワーク構築支援等) くらいであり、まったく目新しいものがない。

 マニュフェストのトップにある「介護労働者4万円賃上げ」については、何もない。
 
 説明書きのところに「介護職員処遇改善交付金」として、前政権の平成21年度補正予算(3975億円)で各都道府県に創設された基金による一人1.5万円を平成23年度まで、と記載しているのみである。また、「介護基盤の緊急整備等」についても、同様に前政権の平成21年度補正予算(3294億円)で都道府県への交付金で、介護施設等の整備を平成23年度まで行う旨の記載があるだけである。

 これでは、麻生政権の補正予算を引き継いだだけである、マニュフェストも何もあったものではない。

 介護給付に対する国庫負担の増を除いては「何もしない」。むしろ、チマチマと予算を削ったというのが、この新政権の介護保険関係予算である。










Category: 介護保険見直し
2009/12/28 Mon
 昨晩、「訪問介護ブックレットの原稿 明日の朝までに仕上げるぞ」とデスクに向かったはよいけれど、睡魔に負けて、しばし仮眠したところ、急に腹痛に襲われ…。そのあとは下痢と嘔吐。
 
 「食あたりかな~」と悪ーい予感。

 実は25年ほど前、千早赤阪村の小吹台というところに住んでいたころ、「食中毒」になったことがある。激しい腹痛、発熱と下痢嘔吐で死にそうになり、救急車で搬送、入院し点滴で助かったことがある。発症したのが元旦で、正月3日間床に伏せった。

 村会議員の新年宣伝で、早朝から村内を宣伝カーで周り、そのあとみんなで持ち寄った料理をいただいたのだが、その中の何かがあたったのだと思う。(しかし、当日一緒に食事したメンバーでは私以外誰一人発症しなかったから不思議である。

 今回は、確かに腹痛と下痢・嘔吐は繰り返したが、救急車を呼ぶほどでなかったので、胃腸の中がカラになるまで出し続け、正露丸飲んで横になっていた。

 昼ごろまで原稿書くどころではなかった。情けない限りである。せっかく休暇をとって「西区内の介護保険施設・居住系サービスウオッチング」を計画していたのに。


 午後から回復し、西区役所へ資料をもらいに行く。しょーもない地図だけあったのでいただいた。ウオッチングは体調不良により中止とする。

 そして、ぼちぼちブックレット原稿をまとめはじめたが、体調悪くなかなかはかどらず。ようやく28日が終わるころに一応書きあげて、メールを送る。

 さて、今回の「食あたり」の原因だが、昨日一日は外食していないので、家で食べたもの以外にないが、妻も息子も、当然ネコも全く異常なし。

 またもや25年前と同じ、私だけが当たったようだ。

 妻に言わせると「10回も忘年会行ってで毎日飲み食いしてたら胃腸もへばったんでしょう!」と、暴飲暴食による胃腸疲労説。

 食あたりの恐怖はあたったものでないと分からない。しかも自分一人だけがあたるというのは実に気色が悪い。
 
 
 
Category: 雑感・雑記
2009/12/27 Sun
 秋から作成中の「できる使える介護保険ブックレット 利用者の立場で考えるホームヘルパー活用法」(仮称)の入稿は12月28日、明日である。
 
 「あれもできない」「これもできない」の介護保険ホームヘルパーこまった事例、適切なマネジメントで「これもできる」、さらに介護保険法令・通知の読み方、自治体ローカルルールとの対応方法、役人への質問方法、こんなに素晴らしいヘルパーの実践など、盛りだくさんの内容。

 ケアマネジャーさん、ヘルパーさんにたくさん事例を出してもらい、原稿も忙しい中無理をして書いてもらった。 

 ようやく大分部分の原稿が集まった。

 あとは私が、加筆し入稿するだけである。

 現場のヘルパーさんが読んで使えるもの、できれば利用者家族にも分かるものに、といろいろ注文もある。

 これが年末のバタバタでなかなかすすまない。ついに明日 入稿締め切り。

 いまから最後の追い込みである。
Category: 介護保険見直し
2009/12/26 Sat
 年の瀬も押し詰まった12月25日、厚生労働省は、老健局振興課長通知「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助の取扱いについて」を出した。
 
 過去、2回にわたって、同居家族の有無をもって一律機械的に訪問介護の生活援助サービスの可否を決めることのないように同省が「事務連絡」を出したが、いっこうに改善されないことから、今度は正式な「課長通知」として出され、さらにご丁寧にも、利用者家族向けチラシまでついている。さらにこの経費について地域支援事業の活用も可能とアドバイスしている。

 「訪問介護についてちょっとしたご案内  厚生労働省」と題したチラシは、
利用者の家族が障害や疾病でなくても、その他の事情により家事が困難な場合」として、
例えば
1.家族が高齢で筋力が低下していて、行うのが難しい家事がある場合
2.家族が介護疲れで共倒れ等の深刻な問題が起きてしまうおそれがある場合
3.家族が仕事で不在の時に、行わなくては日常生活に支障がある場合
などがあります。

 としている。

 これはこれで、結構だが、どアホな自治体にかかると、「この3要件のみは可だが、他の理由はダメ」などと言いかねない。このチラシの趣旨は、「同居家族が障害・疾病でなくても生活援助は利用できる場合があること」そして、この3つは「例えば」とあるように事例にすぎない。

 きちん趣旨を踏まえたまともな対応が自治体に求められる。 

以下通知


老振発1224第1号
平成21年12月25日

各都道府県介護保険主管課(室)長 殿

      同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助の取扱いについて

                                    厚生労働省老健局振興課長

 標記については、「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスの生活援助等の取扱いについて」(平成20年8月25日付老健局振興課事務連絡)等を通じて、適切なケアプランに基づき、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるべきものであることを改めて周知するとともに、管内市町村、介護サービス事業者、関係団体、利用者等に幅広く情報提供していただくようお願いしているところです。
 しかしながら、依然として同居家族等の有無のみにより生活援助の提供が判断されているという指摘があることから、各都道府県におかれては、管内の市町村に対して、生活援助等において同居家族等がいることのみを判断基準として、一律機械的にサービスに対する保険給付の支給の可否について決定することがないよう、改めて周知徹底していただくようお願いいたします。
 また、今般別紙のとおり、ご利用者向けに訪問介護サービスの内容をご案内するチラシを参考までに作成いたしましたので、市町村においてご活用されますよう周知願います。
 なお、市町村における周知に係る経費については、介護保険制度の趣旨の徹底や良質な事業展開のために必要な情報の提供に係るものとして地域支援事業を活用することも可能ですので、あわせて管内市町村に周知いただくようお願いいたします。


 
 いまだに、同居家族の存在を理由に、ヘルパーの生活援助を不可としているアホな自治体がいかに多いか示している。
 こんなチラシまで国が作らないと、態度が改まらないとは情けない限りである。

 地方の小役人の屁理屈と、給付を削減したいというケチな根性に、どれだけの方々は泣かされているか。自治体は何のためにあるのか、住民の生活を守るためにあるということ、そして、全高齢者から介護保険料を無理やり年金天引きしているということの意味を今一度問い直すべきである。
 
 国が「よい」と言っているものを自治体が「ダメ」といって、国からたしなめられ、このようなチラシまであてがわれて説教される。これではアベコベである。住民に身近な自治体が、住民のために創意工夫し、制度の不備をただす努力をし、国の官僚にモノ申す、こんな姿は美しく格好よい。しかし、この一連の同居家族生活援助問題はまったくさかさまである。

 自治体とその職員よ。カッコ悪すぎである。恥を知るべし。
Category: 介護保険見直し
2009/12/26 Sat
 昨晩で今年最後の忘年会が終わった。
 この間の忘年会の記録
 12月10日(木)市職労社会福祉支部(OB会)忘年会 堺東・咲蔵
   11日(金)職場(保健福祉総合センター)忘年会 深井・サンパレス
   15日(火)東大阪(ケアマネさんと) 鴻池新田駅前の居酒屋
   16日(水)堺市の介護保険を考える会忘年会 堺東・的屋
   18日(金)午後5時介護保険料に怒る一揆の会忘年会 道修町・アイクル
        職場(介護保険係)忘年会 難波・時の居酒屋刻
   21日(月)大阪社保協介護保険対策委員会忘年会 堺筋本町・魚屋道場
   22日(火)訪問看護ステーションの方と 深井・魚民
   24日(木)高齢者の施設づくりをすすめる近畿連絡会世話人会忘年会 天満・堤屋
   25日(金)NPO福祉サービス評価WACCH理事会忘年会 阿波座・くいしんぼう初都

   しばらく「禁酒」を決意する。

 ところで、昨日のNPO福祉サービス評価WACCH理事会では、忘年会前に午後6時から7時までは「学習会」をやった。テーマは「政権交代で社会福祉はどうなるか」という大きなもので、しかも「保育制度改革」が中心である。このNPOの監事でもある私が講師を仰せつかった。そのため、この1週間ほど、保育制度改革問題の厚生労働省資料や文献を読みあさることになった。

 この保育制度改革、介護保険(2000年)、障害者支援費制度(03年)、自立支援法(06年)と一連の社会福祉基礎構造改革の実態が惨憺たるもので、障害者自立支援法にいたってたすべての障害者関係団体から総スカンを食らっている中で昨年から急浮上してきている。

 市町村の保育実施責任を廃止し、「利用契約制度」にし、自治体は「要保育度認定」だけを行うという代物である。今年2月に社会保障審議会少子化対策特別部会が第1次報告を出し、現在は二つの専門委員会で制度の詳細の検討を行っている。この検討は政権交代など関係なしであるかのように粛々と進められている。

 そして、10月以降、保育所の最低基準を大幅に緩和する動きが出てきた。10月7日、地方分権改革推進委員会第3次勧告で、最低基準を廃止又は自治体に条例委任と打ち出し、厚生労働省は、11月4日その「第3次勧告を最大限尊重」とする対応方針を決めた。

 週刊ダイヤモンド誌11月14日付号は、保育所の現行制度を「無駄と利権の構図」と描きだし、民主党に「利権構造にメスを」と迫っている。

 この記事にも登場する学習院大学教授の鈴木亘氏は、「東京都が実施している『認証保育所』を参考にしつつ、保育料を自由価格にして保育所の間に競争原理を働かせるべきだ」などという主張も展開している。

 保育所の待機児は、保育需要が高まっているのに「保育所が足りない」という単純極まりない問題であるのを、「制度問題」にすり替え、さらに、「利権だ」「無駄だ」「既得権だ」と、無内容な事業仕訳けと同じ水準で、保育制度を改悪しようというのだからタチが悪い。

 NPO福祉サービス評価WACCHの学習会では、政権が代わっても一向に変わらない保育制度改悪への動きに対し、「サービスの質の評価」に携わる立場から、世論をリードするような発信をすべきだと問題提起させていただいた。

以下、学習会のレジメ

2009年12月25日    福祉サービス評価WACCH学習会 大阪NPOプラザA会議室
政権交代で社会福祉はどうなるのか
       ~「保育制度改革」の動向にもふれて~
                      監事  日下部 雅喜 

はじめに
 21世紀初頭の構造改革・社会保障削減路線への国民的反撃が政権交代をもたらした
 「政策転換」へとすすむかどいうかは、今後の国民の運動しだいである

1 21世紀初頭の構造改革路線による福祉解体の経過
 2000年 介護保険実施  改正社会福祉法施行
  03年 障害者支援費制度実施
  05年 介護保険法改悪 
  06年 障害者自立支援法実施
     骨太方針2006で社会保障費1兆1000億円(07年~11年度)で削減
  08年 後期高齢者医療制度実施
  09年 2月 社会保障審議会少子化対策特別部会第一次報告
     8月総選挙で政権交代
  民主党マニュフェストに「障害者自立支援法廃止」、「後期高齢者医療制度廃止」「介護労働者4万円賃上げ」
  

2 「社会福祉基礎構造改革」とその破たん
(1)社会福祉基礎構造改革とは何だったか
 1997年 橋本 6大構造改革の一つに「社会保障構造改革」
  →社会福祉基礎構造改革
 フロントランナー(先駆け)は介護保険制度
 「措置から契約への転換でサービス利用者と提供者とは対等な関係が確立される」
「市場原理により利用者の選択を通じた適正な競争が行われ、サービスの質と効率性が向上する」(中央社会福祉審議会社会福祉基礎構造改革分科会「中間まとめ」:98年)
  2番手は「障害者支援費制度」
「支援費制度は、ノーマライゼーションの理念を実現するため、これまで、行政が『行政処分』として障害者サービスを決定してきた『措置制度』を改め、障害者がサービスを選択し、サービスの利用者とサービスを提供する施設・事業者とが対等の関係に立って、契約に基づきサービスを利用するという新たな制度(『支援費制度』)とするものである。
 支援費制度の下では、障害者がサービスを選択することができ、障害者の自己決定が尊重されるとともに、利用者と施設・事業者が直接かつ対等の関係に立つことにより、利用者本位のサービスが提供されるようになることが期待される。」(厚生労働省Q&A:03年) 
 介護保険との「統合」めざし「障害者自立支援法」へ
 「障害程度区分」「1割の応益負担」導入 

(2)これらの問題点
① 「市場化」に伴う問題点
悪質事業者の横行、囲い込みと排除、切り売り・細切れ介護
② 行政の責任放棄
支援困難者放置、相談援助機能の喪失、介護事故すら統計数字なし
③ 経済的負担の大きさ

(3)10年間で明らかになった基礎構造改革の惨憺たる実態
①特別養護老人ホーム 入所待機者42万人
 行き場のない介護難民、老老介護、介護殺人の実態 
② 給付抑制と報酬切り下げが招いた「介護崩壊」の危機
③障害者・家族から総スカンを食らった「自立支援法」

3 民主党中心の連立政権は、基礎構造改革路線を転換できるか
(1)民主党マニュフェストより
14.保育所の待機児童を解消する
【政策目的】
○縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する。
【具体策】
○小・中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所分園を増設する。
○「保育ママ」の増員、認可保育所の増設を進める。
○「子ども家庭省(仮称)」の設置を検討する。
21.後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る
【政策目的】
○年齢で差別する制度を廃止して、医療制度に対する国民の信頼を高める。
○医療保険制度の一元的運用を通じて、国民皆保険制度を守る。
【具体策】
○後期高齢者医療制度・関連法は廃止する。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する。
○被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る。
【所要額】
8500億円程度
22.医療崩壊を食い止め、国民に質の高い医療サービスを提供する
【政策目的】
○医療従事者等を増員し、質を高めることで、国民に質の高い医療サービスを安定的に提供する。
○特に救急、産科、小児、外科等の医療提供体制を再建し、国民の不安を軽減する。
【具体策】
○自公政権が続けてきた社会保障費2200億円の削減方針は撤回する。医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める。医療機関の診療報酬(入院)を増額する。
○OECD平均の人口当たり医師数を目指し、医師養成数を1.5倍にする。
○国立大学付属病院などを再建するため、病院運営交付金を従来水準へ回復する。
○救急、産科、小児、外科等の医療提供体制を再建するため、地域医療計画を抜本的に見直し、支援を行う。
○妊婦、患者、医療者がともに安心して出産、治療に臨めるように、無過失補償制度を全分野に広げ、公的制度として設立する。
【所要額】
9000億円程度
25.介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる
【政策目的】
○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。
○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。
【具体策】
○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。
○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。
【所要額】
8000億円程度
26.「障害者自立支援法」を廃止して、障がい者福祉制度を抜本的に見直す
【政策目的】
○障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会をつくる。
【具体策】
○「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮称)を制定する。
○わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、「国連障害者権利条約」の批准に必要な国内法の整備を行うために、内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置する。
【所要額】
400億円程度

(2)民主党の二面性 (「下半身・上半身論」)
 ①本質的には、「構造改革推進」基調の政策的体質を持つ
 ②政権獲得の原動力は国民の「構造改革路線への怒りと転換求める世論」
   →「生活応援型」政策となって表れる
 ③国民の運動や世論の動向、到達点によって対応が左右される
   →ブレや迷走の原因 
  障害者自立支援法、後期高齢者医療制度

4 保育制度改革(改悪)の動向と今後の課題

(1)厚生労働省の保育制度改革(09年2月社保審少子化対策特別部会報告)
1. 厚生労働省の「新たな仕組み」とは準市場化にほかならない
 ・「新しい仕組み」と「保育の準市場化」とは同一のもの
 ・ポイントは現物給付原則の転換(現金給付化)
2 「新たな仕組み」の構図とその帰結
a、自治体の保育実施責任を解除し、保育労働を公務労働から市場労働に転換する (公務労働      の市場労働化、公立保育所は全廃)
→国・自治体における保育財政の圧縮、保育所経営に対する財政的圧迫と保育労働のワーキングプア化
b、保育サービスは利用者が補助金(保育サービス費給付)を使って買い取る商品にする(保育の商品化)
→悪質・営利主義の横行とそれを口実にした保育への締め付け、保育内容の劣化、保育条件の悪化、家計の保育料負担の引き上げと保育水準の格差拡大
c、要保育度認定は「行政処分」(しかも全国一律+若干の地域性、保育実施と無関係な基準)
→認定基準・運用の改悪による行政コントロール
※これらはすべて介護保険、障害者分野ですでに進行していること
(2) 制度改革実施に向けた検討は政権交代後も進行
  ※3党(民主・国民新・社民)政権政策合意
  「保育所の増設を図り、質の高い保育の確保、待機児の解消に努める」
厚労省保育制度改革プランと民主党政権
※新自由主義改革
a、公的規制の撤廃・緩和
   保育所最低基準の見直し、営利企業の参入促進、幼保一元化型規制緩和、 認可保育所の指定保育所化
b、現物給付型社会サービスの現金給付化
   保育所のバウチャー方式化(利用者補助制度化)、子育て支援の児童手当一元化  
c、現金給付型所得保障の限定・圧縮
  要保育度の引下げ、子育て支援補助の圧縮
2.民主党子育て支援策に潜在する問題点
a、子ども手当法の実現と子育て支援の一本化(子ども家庭省の創設)
  現金給付一元化の傾向に賛成
b、「地域主権国家」構想と分権化路線
 ナショナル・ミニマムの軽視と地域単位の受益者負担主義
 分権化の名による規制緩和(保育の最低基準の切下げ)
*行政刷新会議への加藤秀樹、総務省顧問への橋下、中田、松沢らの登用

(3) 保育所最低基準の廃止・緩和へ
  09年10月7日 地方分権改革推進委員会第3次勧告
         最低基準を「廃止又は自治体に条例委任」
     11月4日 厚生労働省の対応方針「第3次勧告を最大限尊重」
(4) 民主党に「無駄と利権の構図にメスを」と制度改悪をけしかける
 週刊ダイヤモンド記事
※待機児解消は保育所増設・定員増、そのための公費増しか解決の道なし

おわりに
 福祉サービスの質の評価に携わってきた人々が独自に世論をリードし、構造改革路線の完全なる廃絶・転換への社会的役割を



 
   
 
Category: 社会保障問題
2009/12/23 Wed
 特別養護老人ホーム入所待機者が42万1259人になった。特別養護老人ホームの総定員数は、42万9272人(08年度)であるから、定員を2倍にするか、現在入所中の人が全員退所しない限り解消しない数である。


 3年半ぶりに厚生労働省が公表した特別養護老人ホーム待機者数である。今回は、重複なしの実数の待機者だが、とくに待機者の5割が在宅での待機で、もっとも重い要介護4と5だけでも6万7千人に上るという恐るべき実態が明らかになった。
 
 厚生労働省の長期的な施設抑制策(施設入所者の率を41%→37%へ引き下げなど)に加え、施設整備費交付金の廃止、施設給付の国庫負担金削減などの帰結である。

 また、各自治体は、直接特養入所申し込みを受け付けることも、入所措置をすることもなくなって久しく、地域でどんなに特養待機者があっても直接その責任を問われないことから、いたって冷淡かつ無責任である。自治体の介護保険担当課にとっては、待機者問題よりも施設が増えて介護費用がかさみ介護保険料が上がる方が問題なのである。

 まさに「国策」としての介護難民である。



厚生労働省の報道提供資料


 特養ホーム:待機者42万人 要介護4、5の6万人が在宅--厚労省集計 毎日12/23
 厚生労働省は22日、特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者数を42万1259人と発表した。前回調査(06年3月集計)の約38万5000人と比べて約3万6000人増えた。前回は一部で人数を重複集計していたが、今回は重複を除外するよう調査しており、初めて実態に近い人数が明らかになった。 厚労省は「増加は高齢化が進んだことや、施設整備が計画通り進まないなどが要因で、深刻な状況」とみている。 08年4月以降に都道府県が実施した調査を今月集計した。待機者のうち、在宅の人は19万8677人(47%)。他の介護施設などに入所する「在宅でない人」は22万2582人(53%)。在宅の待機者のうち入所が急がれる要介護4、5の人は計6万7339人(16%)に上った。 要介護度別では、要介護3が11万372人で最も多く、次いで要介護4が9万9806人、要介護5が7万8719人だった。 厚労省によると、前回調査は重複のほか、要介護1に満たない人なども一部で含まれていた。こうした人を除外した今回は精度が上がり、同省は「より全体像(実態)に近くなった」としている。 特養の待機者は、地価が高く介護の人材も集めにくいため施設整備が進まない大都市部で多い傾向がある。しかし、一部の都道府県が在宅者や重度の対象者しか報告していないなど「データがばらつきがある」として、同省は都道府県別の人数は公表を見送った。【佐藤浩】
 ◇先が見えない不安 母引き取り、娘はため息
 東京都足立区の自営業、伊藤和子さん(56)は昨年暮れ、弟の急死に伴い母親(81)を自宅に引き取った。全盲で認知症もある母親はトイレ、食事とも介助が必要で、最も重い「要介護5」。伊藤さんはすぐに、区内の特別養護老人ホームに入所を申し込んだが、待機者が約800人いると聞かされた。
 訪問介護サービスなどを利用し、何とか介護しているが、伊藤さん自身も腎臓が悪く、来月からは透析のため入院しなければならない。当面1カ月間は、老人保健施設に預けられることになったが、費用は特養の2倍近くかかる。
 伊藤さんは「娘が保育園のころは保育園の入所待ち。そして今は母の特養ホーム待ち。どうにもならないもどかしさと、先が見えない不安で息苦しくなる。この国のセーフティーネットは一体どうなっているんでしょう」とこぼした。
 今回の調査で、優先的に入所できるはずの在宅で要介護4、5の人が待機者全体の16%も占めた。
 NPO法人「特養ホームを良くする市民の会」の本間郁子理事長は「在宅介護の実態は深刻。国は在宅重視で介護保険制度を進めているが、ターミナルケアを含め安心感のある特養への国民のニーズは高く、制度設計を見直すべきではないか」と話す。
 さらに、「要介護度が重い高齢者ほど家庭内で虐待を受けるケースが多く、介護を苦にした殺人も増えている」とし、「高齢者の人権を守る意味でも、受け入れ態勢を早期に整える必要がある」と訴えた。【有田浩子、山崎友記子】




 ところで、この厚生労働省が、「保育制度改革」を検討中なのである。
 その宣伝文句に「保育所入所待機児童解消」がある。こちらは、待機児童数は全国で2万5384人(ただし厚生労働省の新基準による数字で実際はもっと多い)で、入所児童数は213万人。
 こちらの方は、少子化対策の名のもとに、「待機児解消」は緊急の課題と言われている。

 保育制度は、介護保険や障害者自立支援法と違い、自治体(市町村)に「保育の実施義務」(児童福祉法第24条)を課し、行政の責任で保育所入所を決め、保育料も自治体が徴収する。保護者は直接保育所とは契約しない。
 「待機児」問題が大きな問題となるのは、行政に直接保育所入所責任があるからである。

 ところが、今日の保育制度改革はこの仕組みをなくしてしまおうとするものである。 

 厚生労働省は、今年2月24日の社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告を受けて、現在もその具体化のために二つの専門委員会で検討を続行中である。
 
 政権交代で、障害者自立支援法は「廃止」を明言している長妻厚生労働大臣であるが、保育制度改革はその方向性がまったく修正されないまま、着々と専門委員会での検討が進行している。
 
 その言い分を見てみよう。

 厚生労働省は、保育所入所待機児解消がすすまない原因は「現行制度」に問題があるからだとする。
 
 「現行制度においては、個人が保育サービスを利用できるかどうか否かは市町村の判断に委ねられており、とくに、地域に認可保育所が足りない場合には、「保育に欠ける」と判断された場合であっても、市町村が財政状況との兼ね合い等で、支援が受けられないことを許容せざるをえない仕組みとなっている」

 と現行保育制度の「欠陥」をあげながら、

「一方、他の社会保障制度(医療、介護、障害)においては、近年の改革もあり、行政による認定等によって客観的サービスの必要性が認められた者に対しては、例外なく受給権が生じ、受給権に基づくサービス利用に伴う費用の支払いを、保険者又は行政が義務的に行う仕組みとなっている」
(以上、社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告10頁)

 よくもしゃあしゃあ、と書いたものである。
 
 介護保険で、要介護と認定され、「常時介護が必要」とされた人に「例外なく受給権が生じる」ならば、42万人にのぼる特養待機者、とくに、要介護4・要介護5で在宅で待機している6万7千人の高齢者とその家族はどうなるのか。

 高い介護保険料を年金から天引きされながら、特養にすら入れない、この介護保険の仕組み(行政は「認定」のみ、介護施設探しと契約は自己責任)が、今日の「介護難民」を作り出してきたのである。

 保育制度改革では、市町村の保育の実施責任を解消し、「要保育認定」と基盤整備や調整などだけに矮小化し、子どもの保護者が自分で保育所を探して契約する、という仕組みにしようとしている。

 「脱官僚」をかかげたはずの民主党政権は、保育制度改革では、従来の路線をそのまま放置している。

 いまこそ、介護保険の惨憺たる現実を直視、その原因となった制度的問題を強くアピールするべきである。保育を介護保険や障害者自立支援法の二の舞にさせてはならない。

 
 

 

Category: 介護保険見直し
2009/12/20 Sun
いのちの山河~日本の青空Ⅱという映画が、各地で上映運動が取り組まれている。

 社会保障運動にかかわる者ならば誰もが一度は耳にしたことのある岩手県沢内村である。(現在は合併により西和賀町)

 沢内村の自然は美しい、然し冬季は激しい豪雪のため原始社会に還り、交通はもとより産業も文化も麻痺状態に入り、しかも生命を維持する最低の医療手段さえ失う生活を余儀なくされた。
昭和32年深澤晟雄氏村長に就任するや、理想高く正義感の強い氏は、この自然の猛威を克服することを悲願として奔走、ついに村と県都盛岡までの冬季交通を確保し、特に医療行政において、老齢者、乳児に対する国保の十割給付を断行、村民の平均寿命の延長、乳児死亡率ゼロの金字塔を打ち樹てたことは、村史に銘記すべき不滅の業績である。
六千村民、氏の輝かしい偉業を受け継ぎ、更本村の発展と飛躍を期し「村民の道標」として、茲に氏の胸像を建立永く記念するものである。(深澤晟雄氏胸像の碑文より)



 「豪雪・貧困・多病」という苦難を抱え、乳児がバタバタ死んでいく東北の寒村で、「生命尊重行政」を掲げ、全国初の老人医療無料化と、乳児死亡ゼロを実現した。

 「沢内村奮戦記」という本は20年ほど前に読んだ記憶がある。先日、古本屋で「村長ありき-沢内村 深沢晟雄」を見つけ、一気に読んだ。
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 読んでいて、何度も考えさせられ、共感し、教えられた。読む途中何度も涙を禁じえなかった。

 これぞ、政治の原点、地方自治とはこれだ、と思うと同時に、自治体職員のはしくれとして、「こんな首長のもとで思いっきり働けたらなあ」という気になった。

 とくに、深沢村長が村民の医療無料化(国保10割給付)に踏み切ろうと決意し、国民健康保険法違反という壁に突き当たったときの決断は素晴らしい。
 深沢村長は、村民のいのちのため、全国に先駆けて何としてでも実現させようと「少なくとも憲法違反にはならない」と憲法25条を盾に、老人・乳児医療無料化を推し進めていく。
 「本来は国がやるべきことをやっていない。だから沢内村がやるんだ。国は必ずあとからついてくる」。こういってのける深沢村長の断固たる信念は県をも動かし、「わかりました。何とか法に触れない解釈を考えてみませんか」とまで岩手県の厚生課長が言うようになる。

 深沢村長が、1961年に岩手県国保連主催の「保健活動事業夏季大学」で行った講演が紹介されている。

 沢内村の三悪追放の取り組み(豪雪とのたたかい、病気とのたたかい、貧乏とのたたかい)について語り、老人医療無料化(国保10割給付)について
 「国が責任を持つのが本当だ、とはいっても、国が責任を持たないものを、それまで待つわけにいかないかんから市町村がその努力をすべである」
 とし、赤ちゃんとともに、老人を医療費無料化の対象にしたことについて
「60歳以上の高齢者ともなって参りますと、たとえ生活が苦しくなくとも遠慮がちでございます。自分の子どもを考え、自分の子々孫々のことを考えますと、もう墓場近くなっている者が、ちょっと風邪をひいたくらいで、ちょっとおなかが悪いぐらいで医者を頼むのも、経済的につまらん話だ、まあ我慢しておけ。経済の主体をなしている時代と違い、いわゆる自分が余計者だ、という感じをお年寄りが持ちがちでございます。私はそういう考え方に対し、人道主義的にも同情を禁じ得ないし、また、そういう感傷的な道徳主義ばかりでなしに、年寄りを大事にしなければ、いろいろの秩序というものが生まれて参りません。誰もが辿る年寄りへの運命であってみれば、その年寄りに生産能力がないからというので粗末にする、そういう風潮が一家の中に出るのようでは、社会自体も無秩序の状態になる。村全体もそういう秩序のない村になりがちでございます」「年寄りを姥捨山に送るような考え方が、若い人やお嫁さんの中にでてくるようでは、もうぜんぜん問題にならん。もう人間尊重とか、民主主義なんか唱える資格のない者でございまして、私はどこまでもお年寄りというお気の毒な方々、自分の生命という一番大事なものにすら遠慮なさっている、生産能力を持たない方々、こういう方々に最初の段階としてしぼったわけでございます。」
 「ところが、私どもが想像していたことではありますが、年寄りの病気の多いのに驚いているわけでございます。おおむね以前の三倍ぐらいの病人が出ております。これは今まで遠慮していた証拠であります。今まで姥捨山のきらいがあったんだ、そういう気風というものを、知らずしらずの間にわれわれは作っておったのか、と今さら慄然と致しているわけでございます。人間尊重を建前とする、民主的な政治を強調する者として、まことに慙愧に耐えないしだいでございます」

 50年近く前の講演であるが、現在の政治家、自治体首長に聞かせたい内容である。わざわざ75歳以上の生命を差別する姥捨山医療制度をつくった自公政権、政権をとっても「後期高齢者医療制度廃止」のマニュフェストを先送りする民主党政権。10年間で介護費用が倍になったくらいで、介護保険の給付削減にひた走る厚生労働省。高すぎる国保料が払えない滞納者に無慈悲に保険証を取り上げる自治体…。
 
 深沢村長の、老人医療無料化でこれまでよりも病人が3倍になったことを「今まで遠慮していた証拠」として、知らず知らずに姥捨山の風潮をつくっていたとして「慙愧に堪えない」とまでいう、気高く、かつ、ヒューマニズムあふれる発想こそ、行政を進めるもののあり方であろう。
 
 沢内村の「地域包括医療」の
 誰でも(どんな貧乏人でも)、どこでも(どんな僻地でも)、いつでも(24時間、365日、生涯にわたって)、医学の進歩に即応する最新・最高の包括医療サービスと、文化的な健康生活の保障という目標も素晴らしい。

 かくして、沢内村は、マスコミから「日本一の健康村」といわれ、20年後には、老人一人当たり医療費が、全国平均の半分という実績をあげ、国保会計の黒字化、国保税の大幅引き下げまで実現し、「生命行政」の勝利を示した。

 老人医療は、沢内村以後、1969年に東京の革新都政で制度化され、1973年には国レベルで制度化されたが、1983年老人保健法により、有料化(定額制)となり、その後、改悪を重ね、ついに2002年には1割の定率負担となり、さらに改悪で悪名高い後期高齢者医療制度へと結びついていく。

 今こそ、「生命行政」の旗を打ち立てるときである。








Category: 社会保障問題
2009/12/19 Sat
 夕方から視覚障害者の移動介護の支援費不正返還訴訟についての打ち合わせ。
 
 堺市のNPOの障害者支援費不正受給事件で、堺市長らに不正受給支援費全額を返還させるよう求める住民訴訟で、2006年8月に提訴した事件。
 NPO法人は「堺市視覚障害者福祉協会」。2003年2月に市からヘルパーステーション「ともしび」の居宅生活支援事業所の指定を受け、同4月から05年6月分まで支援費1億7千万円を受け取った。
 堺市が支援費の請求書などを審査した際、サービス提供責任者が不在、管理者が常勤していない、介護計画書を作成していない――などの基準違反が発覚。協会はサービスを停止し、2005年9月、市に事業所廃止届を提出した。
 1億7千万円もの不正をたんなる事業所廃止で済ませ、しかも遡って事業所廃止を認め、不正額の大半を返還請求さえしないのは明らかに堺市の不法行為である。
 
 障害者自立支援法以前の事件だが、その後の法廷では、堺市側は、「サービス提供責任者がいなかっただけであり、実際には、サービス自体は提供していた。」という趣旨の主張を繰り返し、返還の必要なしとの議論を展開している。

 これは、社会福祉法人啓真会事件でも同様で、「常勤の管理者が不在でもサービスを提供していれば介護報酬は返還しなくれもよい」という主張を堺市はくりかえし、地裁・高裁で退けられた。

 指定基準に違反しても、サービスさえ提供しておれば不正でない、というムチャクチャな主張をするために、高い報酬を払って弁護士を雇い、また、庁内にも「訴訟担当」の職員を置くなど、貴重な公費を使って許しがたい対応をしている。
 不正事業者に支援費や介護報酬の返還をもとめないばかりか、公費を使って裁判でその事業者をかばう主張を行うという本末転倒した堺市である。
 このような行政に「給付の適正化」など語る資格はない。



 
 



 
2009/12/19 Sat
 昨晩(12月18日)は、連ちゃんで忘年会。
 午後5時からは、介護保険料に怒る一揆の会の「新旧世話人歓送迎会&忘年会」。そしてその後地下鉄で移動し、職場の忘年会へ合流。

 一揆の会では、今年の総会で発足以来のお二人の世話人が高齢と体調不良で退任された。


そして、新しく、今年4月に大阪市を定年退職されたばかりの方が新しく世話人・事務局に入っていただいた。

 歓送迎会は、損保革新懇の部屋を借りて、調理師免許をもつ世話人の陣頭指揮で手作りのすき焼きとしゃぶしゃぶ。差し入れのワイン、地酒、ビールで乾杯。

 大阪社保協事務局長も招待し、大いに盛り上がった。

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 新しい世話人は、この4月まで大阪市の区役所で、介護保険料の納付を担当していた。

 「窓口でいっぱい怒られた。不服審査請求の処理もさせられた。しかし、なんといっても年金天引きは許せん!」

 役人は、退職後は、現職時代に出来なかった社会活動に大いに参加すべし。

 一揆の会は、これから新しく高齢者の仲間入りをする「団塊の世代」をどんどん運動に迎え入れることにしている。
 この世代こそ、これからの超高齢社会の中で老後を生き抜く世代であり、戦後の民主運動、労働運動の昂揚期を体験した権利意識を持った世代である。
 
 「団塊の世代が決起するとき日本の社会は変わる! 10年前に介護保険料不服審査請求を始めた時、今は亡き福井宥さんは、全国で100万人の高齢者が不服審査請求すれば自民党内閣は打倒できる、といった。昨年1万人の不服審査請求は後期高齢者医療制度廃止の世論を作った。これからの一揆の会は団塊の世代をいかに立ち上がらせるかが課題や」
 と、一番年下の私は生意気にもぶち上げた。


 自らの老後をかけたたたかいへ。一揆の会は、老化を力に闘い抜く。




Category: 介護保険料
2009/12/17 Thu
「ヤンキーゴーホーム」

 かつて私が最も好んだ言葉である。

 若かりし頃、沖縄の米軍基地のゲート前で、日本の機動隊の分厚い警備に守られた米軍に対し「アメリカは日本から出ていけ!」とシュプレヒコールしたデモ。そのあと、機動隊と激突し、ボコボコにされて蹴散らされた。

 佐世保に、アメリカの原子力空母が寄港したとき、小さな船で海上デモで「迎え撃った」つもりが、あまりにも巨大な艦が巻き起こす波に翻弄され、海上保安庁の警備艇に蹴散らされた。第4インターの連中が乗っていた粗末な筏などバラバラになり、海上保安庁の巡視船に「救助」されていた。
 ここでも、海上デモの小舟の上から小さなハンドマイクで「アメリカは日本から出ていけ!」と叫んだが、海の波しぶきが目に入り、誰もが巨大なアメリカ空母を目前にし、自分たちのあまりの非力さに悔し涙を流していた。

 東富士演習場で、日米合同軍事演習があったとき、国道下を走る米軍の装甲車にカメラを向けただけで、日本の警察官数十人に取り囲まれ、解放されるのに2時間近く怒鳴りあいになった。「米軍の装甲車に何か投げようとしただろ」とポリ公。「アホ!あんな装甲車に石なげてもへこみもせんやろ!日本の警察なら日本人を守らんかい!」。

 解放された後、目の前をとおる米軍の兵員輸送車に、「ヤンキーゴーホーム!」とみんなで大声で叫んだが、米兵たちはニヤニヤ笑ってピースサインで通り過ぎて行った。ここでも米軍車両の巻き起こす砂ほこりに目をこすりながら悔しい思いをした。


 その「アメリカは日本から出ていけ」のスローガンだが、
 ある人に言わせると
  「反米感情をあおるだけの偏狭な民族主義的スローガンでありよくない」という。

 そうであろうか。
 戦後60年以上たつのに沖縄に広大な米軍基地を許し、首都東京にまで米軍横田基地が居座り続けている。

 普天間基地問題では、どのマスコミも「移転先」をどうのこうの言っている。民主党政権も「移転先探し」で迷走している。

 普天間基地問題は、移転先問題でない。要は「アメリカは日本から出ていけ」なのである。だいたい、海兵隊など、侵略殴りこみ部隊で会って、日本防衛とは全く関係のない存在である。
  
 移転先など、米軍が勝手に考えることであって、日本がさがしてやるという問題でない。本当に沖縄にも日本にもいられなくなったらアメリカが勝手に見つけてくる。

 移転先をさがすのはもうやめて、「出て行かせる方法」を考えるべきである。

 「ヤンキーゴーホーム」。米兵たちもおうちに母国にかえしてやろう。
Category: 時局争論
2009/12/13 Sun
 私の住む地域(堺市西区)で、20年近く続いている「在宅ケアを考える会」で、「あなたや家族が要介護状態になったときに安心して暮らせる場所はあるのか?」のテーマで、来年1月23日に公開学習会(シンポジウム)を行う。案内状を明日(12月14日)発送作業をするので、昨日から案内状やらチラシやらをせっせとつくる。

 堺市西区は、人口約13万人、65歳以上は28800人あまり、そのうち75歳以上は12170人である。100歳以上も29人。

 特別養護老人ホームは4か所・234人分、老人保健施設は2か所・190人分、介護療養型医療施設3か所 これらは介護保険開始後増えていない。療養型が減少しただけである。認知症グループホームは12か所・114人分だが、これも近年もう増えない。有料老人ホームは6か所(うち3か所は介護保険の特定施設入居者生活介護・173人分、3か所は住宅型)、高齢者専用賃貸住宅が3か所、ケアハウス2か所・65人分、これが制度的には全部である。

 近年増えているのは有料老人ホーム(住宅型)と、高齢者専用賃貸住宅であるが、これらは市の介護保険事業計画の規制外だからである。

 しかし、これにも該当しない「高齢者向け住宅」なるものも出来てきている。

 施設・居住系サービスのニーズは、計画で抑えても、抑えきれるものでない。必ず、「法外」の形態もあらわれてくる。そして中には、行き場のない高齢者を食い物にするような悪質なところも、ニーズがある限り出てくる。

 私たちの例会では、「うちらの年金やったら入るとこないわ」「家族が倒れたら行くところがない」とお先真っ暗の感想が毎回出される。医療関係者からは、「退院しても行き先がない!」との声も。ケアマネジャーからは「利用者が入った高齢者住宅が倒産して、住む場所がなくなったのに生活保護を支給している行政は『自分らで探せ』と何の援助もしなかった」という報告も出された。

 今回の企画は、地域で医療や介護に携わる人や、ボランティア、利用者・家族が一堂に会して、地域内の要介護者の施設や居住系サービスがどうなっているのかを明らかにするために行う。

 病院から地域に退院させる側の医療ケースワーカーや、利用者家族、ケアマネジャー、グループホーム関係者のシンポジウムを予定している。

 シンポジウム会場には、介護施設・高齢者住宅の紹介コーナーも作ることになった。

 地域の実情を地域住民の手で専門家も交えて明らかにし、課題を発信していく。

 小さく、ささやかであるが、介護の問題は「地域」が舞台である。ここを外して単なる「統計」の数字拾いや机上の事業計画では問題は解決しない。




Category: 介護保険見直し
2009/12/12 Sat
 先週、高齢者の施設づくりをすすめる近畿連絡会の粕野事務局長から電話をいただいた。

 「近畿選出の国会議員との懇談会の段取りを進めているが、12月12日午後にうまくいけば、山井和則議員と懇談できるかもしれない。予定を空けておいてください。最終返事は11日金曜日の夜になるので…」

 近頃ブレと迷走が目立ってきた新政権であるが、介護保険については、もともと民主党はかなり危うい。

 民主党のマニュフェストでは「介護労働者の4万円賃上げ」と「介護療養型医療施設廃止の凍結」以外、政策らしいものは何もない。

民主党マニュフェストから
25.介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる
【政策目的】
○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。
○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。
【具体策】
○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。
○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。
【所要額】
8000億円程度



 山井和則衆議院議員は、介護保険のスペシャリストであり、新政権では「厚生労働大臣政務官」に就任された。

 しかし、である。スペシャリストではあるが、基本的には山井議員は、「介護保険制度推進派」である。

 民主党は、2005年の介護保険改悪法案に対し、衆議院の厚生労働委員会では、途中まで結構鋭く制度改悪の問題点を追及し、当時の尾辻厚生労働大臣から「新予防給付になってもヘルパーのサービスは変化しない」という答弁を引き出した。

 ところが、民主党は衆議院の委員会採決の段階で、当時野党であるのに「賛成」の立場にまわり、付帯決議をつけさせたことをもって、制度改悪を容認・推進した。
 
 拙論 http://www.eonet.ne.jp/~ombudsman/katudounissi-07.8.29-sangiin

 この民主党が、政権の座についても、介護保険については、本格的な見直し・改善につながる保障は皆無である。ただ、当時と違って、構造改革路線に対する国民各層の批判、社会保障分野では障害者自立支援法に反対する障がい者のたたかい、後期高齢者医療制度に反対する高齢者の運動などによって、今日の民主党のニュアンスは少し異なっている。

 今、必要なのは、関係者が具体的提言・要求を新政権に突き付けること、そして、それを迫る大衆的な運動である。

 高齢者の施設づくりをすすめる近畿連絡会では、近畿選出国会議員との懇談を受けて、次に「国会請願署名」と厚生労働省交渉を取り組むことにしている。

 「給付抑制」一辺倒で、要介護状態になっても十分な在宅サービスを受けられず、施設にも入れないまま、病院を追い出される介護難民が社会問題化している。この問題を新政権の、そして長妻厚生労働大臣や山井政務官の「解決すべき課題」として真正面から突き付け、解決責任を迫っていく運動が必要である。

 こんなことを考えながら、山井議員との懇談会の準備をしていたのだが…
 
 昨晩(12月11日)、粕野氏から電話が。
 「山井議員との懇談はお流れになりましたので」。

 課題山積でご多忙なのであろう。しかし、最重要課題を突き付ける国民の運動は容赦しない。

 
 

 
Category: 介護保険見直し
2009/12/10 Thu
 迷走と動揺を繰り返す沖縄・「普天間基地」問題。

 若かりし頃、平和委員会で活動していたころ、沖縄の反戦地主の「一坪地主」運動の呼びかけをやったこともあり、沖縄というと今でも血が熱くなる。

 普天間基地問題は「移設」先問題でない。

 普天間・辺野古問題は「移設」問題ではない」、宜野湾・名護市民も「宜野湾にいらないのは名護にも日本どこにもいらない」、宜野湾市民の願いは普天間閉鎖・辺野古ノーである。

 民主党政権の「出口」のない迷走は、政治的にこの立場に絶対立てないことに根本的な問題がある。

 社民党がただ一つ存在価値を見せた「県内移設なら政権離脱」という主張は最低限のものである。

 ところが、基地問題を「移設先」問題にして、さらに余計な口出しをしたアホウ知事が、大阪府橋下知事である。
 「普天間移設問題で、移設先に話があれば前向きに」などと発言し、さらに神戸空港にまでその話を広げた。

 まあ、瀬戸内にこのような基地を配置するなど米軍の軍事戦略上ありえない空論であるが、移設先問題をさらにややこしくした点、関西空港の軍事利用に道を開くことでは犯罪的である。

 当の沖縄の人々の受け止めはどうか。

 「移設先」とされた辺野古で、テント村を作って反対運動をたたかっている名護平和委員会会長のブログ 宝の海に、この橋下知事発言が取り上げられている。

大阪橋下知事が
  沖縄の負担軽減?

 橋下知事が沖縄の負担軽減を言い出した。よほど、内政(大阪府政)で、人気のないことやっているのであろう。マスコミ受けする普天間、沖縄の全国負担言い出した。内政が息詰まると外に目を向けさせ注目させるのは政治家の常道。関西・伊丹・神戸空港で普天間引き受けるというのか。関西人もこんな「素敵な人道主義者」の集まりか。
 あの橋下知事が沖縄の痛み分かち合う?
 痛みや癌は分かち合うものではありません。取り除くのが人道主義です。
 橋下知事、よほど、マチブイ・マチブイではないか。
何か魂胆があると読むのが、沖縄の一般的見方…」


 まさに、橋下の見え透いた魂胆を遠く離れた沖縄・名護市でみごとに言い当てている。

 名護市では、来年1月の市長選挙で、新基地建設反対を貫くことを確約した候補者で一本化し党派を超えて一致・大同団結した。

 普天間基地問題は、1995年の米兵による少女暴行事件で全沖縄が動いたことがその発端である。

 
 「原動力は少女と両親の勇気であった。この勇気の共有は、名護市民投票までさまざまな分野で日米政府を震撼させた。…民主党は沖縄の新たな動きに対して『国外・県外』移転で国民の心をつかみ、選挙勝利が見えてくると『再編成の見直し』と言い出し、政権をとるとゲーツのどう喝、オバマの褒め殺しに『辺野古ありき』のアメリカ従属に引き込まれている。…11・8県民大会で示された普天間即時閉鎖・撤去を求める県民の総意とうねり、市民的勇気は稲嶺進に『新たな基地はいらないという信念を最後まで貫くことを市民に約束』と表明させ、市民的勇気の決断『覚書』を結び、革新は候補者を統一する。勇気の共有は、『県内も国内も世界も』大きく変わる歴史の新しい幕を開きだした。」 (名護平和委員会大西会長平和新聞(12月5日))

 いまの連立政権にまったくないのがこの「勇気の共有」である。
Category: 時局争論
2009/12/08 Tue
 一人で行きつけの中華料理屋で夕食食べながら一杯やっていると、携帯に着信。

 精神病院での患者虐待についての相談。内容については、現時点では省略。

 電話をいただいた方は、訪問看護ステーションの管理者。数ヵ月ぶりで声を聞いた。彼女とはもともと同じ職場だった時期が6年ほどある。

 堺市が設置した介護保険給付適正化事業のセクションに彼女はケアマネとして従事したが、そこで極めて不当な扱いを受け、不当解雇まで通告された。そのため病気に追い込まれたのが07年2月。


 巨大な不正を見逃し、ある時は不正事業者をかばうようことまでする一方、この事業者指導では、「報酬返還○○円が目標」などと返還のための指導が行われてきた。

 今では、堺市の給付適正化事業のセクションは廃止され、悪評高かった事業者への「実地調査」「報酬返還指導」は行われなくなった。

 私は、06年12月に市当局の不当解雇通告についての相談を受けた。労組の協力で解雇撤回させたものの、病気のためその後の復職かなわず、1年間休業されたが、事業者指導セクション廃止を口実に失職した。
 
 「彼女を病気にしたのは市当局の不当な扱いに原因がある!」と労組とともに公務災害認定のたたかいも取り組み、私も公務災害補償等認定審査会で意見陳述させていただいたが、救済はなされなかった。



 市のゆがんだ給付適正化事業の犠牲者でもあると思っている。思い返すたびに怒りがこみ上げるとともに、救済できなかったことへの後悔と申し訳なさにさいなまれる。



 その彼女が、訪問看護ステーションを立ち上げたのが今年4月。その後、一度だけ、利用者紹介のことで相談に乗ったことはあるが、忙しさにかまけて、連絡もとれないまま、「うまくいってるかな…」と気がかりだった。

 しかし、近況を綴った ブログうつ病ナースぼちぼち奮闘記も見させていただき、一安心。それどころかこちらのほうが励まされた。

 彼女の 訪問看護ステーションのあいさつ文
「3年前から私(代表)自身が抑うつ状態でほぼ2年は寝たきり状態でした。それまで休んだことなどありません。生きるためには働かなければ‥わかっているけど自分の力ではどうしようもありませんでした。とにかく処方された薬を約束どおりに飲む‥あたりまえのことなのに薬に依存してしまうようになるのではと勝手な心配をし、処方された薬を飲んだり飲まなかったりと調整していました。そして口もきけないほどの抑うつに苦しみ、生活に行き詰まったあげく今の自分に出来ることは何だろう‥考えに考えた結果がこの訪問看護ステーションの発足でした。今も服薬を続けながらではありますが、みんなに助けてもらいながら何とか仕事をしています。 自分も経験した痛みだからこそ同じ苦しみをもつ方を深いところで理解できるのではと思っています。」

 今でも病気の苦しみとたたかいながら、日々、「ぼちぼち奮戦」されている。
 
 がんばれ たたかうナース。

 



Category: 雑感・雑記
2009/12/06 Sun
 「訪問介護サービスと『適切なマネジメント』を考えるケアマネ・ヘルパー研修in堺」と名付けた大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会主催の研修会を堺市役所本庁地下の会議室で開催。

 この企画のとき、一抹の迷いが…。

 まず、いまさら訪問介護サービス問題で研修やって何人来るか。
 
 ところが、である。この研修の案内を送付してわずか数日間で「定員100名」は突破してしまい、机なし椅子だけにして150人まで受け付けたが、その後は「満員御礼」。200人近い申し込みがFAXであったが50件ほどは「お断り」を送らせていただいた。
 
 もう一つは、講師をつとめる私自身の問題。

 これも、大阪府訪問介護Q&A改正をさせた取り組みの一端をになった者として、「本音で語る」ことを決意した。もちろん、行政の立場でなく「大阪社保協」の立場であることを明確にしたうえでである。
 そして、その堺市がよこした「回答」のあまりの低次元・不誠実さをみると「これは語らずにはおれない!」との思いをますます強くした。

 かくして、研修会会場は、満員の150人のケアマネさん・ヘルパーさんが詰めかけた。

 大阪府Q&A改正の経過とその内容についてお話させていただいた後、これに対する堺市の対応の不誠実さもきっちり批判させていただいた。

 そして、ケアマネジャーと行政との関係。
 これを私の地元である堺市で語るのにやや抵抗はあったが、ズバリ言わしてもらった。

 介護保険制度では「役人天国・ケアマネ地獄」といってよいほど、役人はお気楽で無責任で言いたい放題の状況があること。ヘルパーのサービスについて、勝手なローカルルールに基づいて「○○はダメ」「××は保険給付の対象でない」と好き勝手に言うが、利用者の生活と板挟みになるケアマネジャーやヘルパーはたまったものでない。

 さらに、役人には「制度からしかモノを考えない」という悲しくも犯罪的な習性があること。そして地方公務員などはその「制度」すらもまともに理解していないことが多い。法令・通知をしっかり読み込みその趣旨に照らして判断せず、単純なQ&Aの字ずらだけで「こう書いてあるからダメ」という場合も多い。

 介護保険では、通常は、ケアマネジャーが専門家として利用者に必要なサービスかどうかを判断する裁量を与えられている。そして、利用者には「選択し決定する」権利がある。
 利用者の実態も知らない役人が「○○はダメ」などと一律機械的に決めつけること自体がおかしい。

 ところが、給付適正化という名の締め付けが強まるとケアマネジャーやヘルパーの側から「利用者が○○してほしいって言ってますけどやっていいですか?」と役所に判断を丸投げするような態度が広がっている。

 研修ではこれらを踏まえ「役所に質問するときの注意点」5項目も紹介させていただいた。

 研修後半は、よりよいケアマネジャーの会内海事務局長による「適切なケアマネジメントで『当たり前の暮らし』を支援する~ケアマネジャー・ヘルパーの専門性と裁量を考えよう」と題して、実際の利用者とケアプラン、サービス内容も紹介してのリアルな研修。
 1回の外出介助で「複数の通院と買物」を位置づけたケアプランと実際のサービスで利用者はどうよくなったかという事例、そして、「気分転換のための散歩」を自立支援と利用者の社会参加にどう位置づけるか、などなど、現場のケアマネならではの実践に裏打ちされた研修である。

 「適切なマネジメント」は、その評価・回答は「利用者」の中にある。

 
 参加者の中からは「Q&Aが変わったのは聞いたことがあるが、こんな内容だと初めて知った」「要は適切なマネジメントなんですね」との声が寄せられた。また、「いままで参加した研修と違い、はじめて納得した」「こんなに現場を評価してくれた研修ははじめて」との感想も。

 大阪社保協では、事務局長の「この研修、東大阪市でもやろう。枚方市でも地元の社保協がやりたいと言ってるし」の発言で、今後、この研修を府内各地で開催していくことになった。参加された岸和田市のヘルパーさんは「次は阪南地域で!」と張り切っておられた。

 大阪府Q&A改正を実現し、厚労省に散歩介助を認めさせた「現場の声」を大阪府内のくまなく広げる時である。
 
Category: 介護保険見直し
2009/12/05 Sat
 「みなさんに感謝 大阪グリーン会館創立20周年のつどい」に参加し、昼間から祝い酒をいただいた。

 1989年に4月に完成した大阪グリーン会館(大阪市天神橋1丁目13-15)は、地域の労組・民主団体の支援を受けて再建した上田家具工芸株式会社の提唱をうけ、その跡地に労働組合・民主団体・個人が建設資金を拠出し合いあって建設された。

 当時、結成されたばかりの大阪自治労連の専従役員となった私は、1990年~95年までこの会館の4階で過ごした。一時金闘争のときや賃金実態調査報告書をつくるときは事実上、ここに住みこんだ。

 今となっては懐かしい、わが輝ける労働運動の日々である。

 この「つどい」で、「ミニ講演」をされた天神橋1丁目・2丁目・3丁目商店会連合会の会長さんの話はとても興味深かった。

 大規模スーパーが郊外に作られ、町の中心から商店が消えていく。高齢者は「買物難民」となっていく。小さな個人商店は街づくりの基礎、と強調され、今は消えてしまった西天満の地名の話などもされた。

 すっかり天神橋ファンになった私は、ほろ酔い気分も手伝って、天神橋1丁目を「天神さん」(天満宮)、は「繁盛亭」と見て歩き、天神橋筋商店街をそぞろ歩きした。そして天神橋筋6丁目の「住まいのミュージアム・大阪くらしの今昔館」を見学。

 20年近く前から、活動でせかせかと歩きまわってきた天神橋もこのようにゆったりと歩くと実によい街である。 
Category: 雑感・雑記
2009/12/04 Fri
 大阪府の「訪問介護サービス内容に関するQ&A」改正後も旧来の通知を改正せず放置している堺市に対し、11月6日に大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会・大阪ヘルパー連絡会で「要望書」を提出していた。



訪問介護サービスについての要望
 1年半にわたる私たちの運動と現場・利用者の声により、今年4月に大阪府「訪問介護サービス内容に関するQ&A」が全面改正され、ヘルパーによる散歩同行が可能となり、外出介助の機械的な制限や生活援助サービスの制限が緩和されました。また、厚生労働省も本年7月24日付けの「事務連絡」で、利用者に必要なサービスが提供されるよう、「行為の内容のみで一律機械的に保険給付の支給の対象の可否」を判断しないよう保険者に指示しています。これにより、適切なマネジメントに基づくものであれば利用者にとって必要な訪問介護サービスが提供できるようになりました。
 ところが、堺市は、旧大阪府Q&Aの時に出した「散歩は不可」「外出の目的地は一つ」などとした介護保険課長通知を廃止せず、そのままにしています。また、大阪府Q&A改正の内容も周知せず、7・24厚生労働省事務連絡も知らせていません。
そのため、市内の事業所ではいまだに一律的に「提供できない」とするところが多くあります。それどころか、区役所によっては未だに「散歩はできません」「○○は不可です」など一律機械的に返答するところもあるなど不適切な行政対応が続いています。
 利用者に必要な訪問介護サービスが提供されるよう下記のとおり要望します。
                 記
1 堺市として大阪府「訪問介護サービス内容に関するQ&A」改正について関係者に広く周知すること。とくに旧Q&Aで制限されていたサービス内容については、利用者の必要性に応じ適切なマネジメントにより提供できるようになったことを明確にすること。
2 厚生労働省老健局振興課の平成21年7月24日付け事務連絡の内容についても関係者に広く周知するとともに、堺市の関係課はその趣旨を十分踏まえ、個々の利用者の状況を無視したサービス制限など不当な対応を行わないこと。
3 平成20年2月1日堺介保第2141号堺市介護保険課長通知を直ちに廃止するとともに、それ以前の堺市通知についても混乱を招く不適切なものについては廃止・訂正すること(平成17年8月1日堺介保第633号「介護タクシーへの家族同乗について」など)。

 
12月3日、その回答が堺市介護保険課からなされたそうである。


訪問介護サービスについての要望(回答)
平素は、本市介護保険制度の運営にご協力いただきありがとうございます。
2009年11月6日付けで要望のありました標記の件につきまして、下記のとおり回答します。
                    記
1 大阪府「訪問介護サービス内容に関するQ&A」(平成21年4月改定版)の内容については、大阪府から平成21年4月22・23日の両日に、堺市民会館において、介護保険指定事業者集団指導として説明がなされています。
2 国・府の通知等については、毎月開催の堺市介護保険給付担当者会議において、周知を行っているところですが、今後も引き続き周知に努めてまいります。
3 堺市が発出した過去の通知については、今後整理をしてまいりたいと思います。


 忙しい中、この回答を書かれた介護保険課の担当の方には悪いが、あまりにも不誠実な回答である。まじめに議論しようという姿勢がまったくない。

 まず、要望1では、堺市として明確にするよう求めているのである。ところが回答は、大阪府の「説明がなされています」! 堺市に対する要望を大阪府の説明でごまかす。こういうのをはぐらかし回答という。大阪府自身が「保険者の見解及び取り扱いが異なる場合がある」と明記しているのだから、堺市としてどうなのかを答えない限り回答に値しない。


 要望2は、厚生労働省老健局振興課の平成21年7月24日付け事務連絡の内容を、関係者に広く周知することと、堺市の関係課がその趣旨を踏まえた対応を行うことの2点を求めている。堺市回答は「担当者会議でにおいて周知」としているが、この厚労省の事務連絡を「知らない」という区役所、大阪府Q&A改正を「知らない」と答えた区役所があるという苦情もケアマネジャーから寄せられている。こういうのを「言い訳回答」というが、「担当者会議をやっています」だけでは言い訳にも値しない。単なる「ゴマカシ回答」というべきである。「国・府の通知等」としているが、この厚労省事務連絡は、担当者会議でも報告されていないからである。

 要望3は、大阪府Q&A改正から半年以上もたつのにいまだに「散歩は不可」とした堺市課長通知が改正されずに放置されていることから、当然の要望であるが、「今後整理をしてまいりたい」とは要望後1カ月間何をしていたのであろうか。もし事業所が必要な改善を半年も行わず、行政から指摘されて1カ月もたって「今後整理します」で許されるのであろうか。こういうのを「開き直り回答」という。

 
 あまりにもしようもない。もうちょっとマシな回答ができないのか、とつくづく情けなくなる。こうした程度の低い回答文を見ていると、私自身がこの市の職員でいることが恥ずかしくなるばかりである。

Category: 介護保険見直し
2009/12/03 Thu
 今夜は、介護保険料に怒る一揆の会の総会後初の世話人会。

 今後の取り組みをあれこれ議論した。

 「後期高齢者医療制度を民主党政権が『廃止は4年後』など先送り発言をしているのに、なぜ、全国から怒涛のような怒りの行動が起きないのか。なぜ、どこの中央団体もそのような明確なたたかう方針をださないのか」

 にはじまり、怒りあふれる議論と「手ぬるい運動はアカン」と叱咤激励の声。

 介護保険料では、ため込んだ保険料を還元していない藤井寺市には、地元と調整して乗り込んでいこう!

 世話人のみなさんは、もう10年近く一揆の会運動をして後期高齢者の仲間入りをしていっているが、年をかさねるたびに意気軒昂、そして前向きに怒りっぽくなっている。

 50代前半の事務局長の私と、団塊の世代の事務局次長は、ただ感心するのみ。
Category: 介護保険料
2009/12/01 Tue
 厚生労働省が、ホームヘルパーの行う「散歩同行」について、介護保険の対象と明確に認めた。
 
 これは、大阪における「大阪府訪問介護Q&A」改正の取り組みなど介護現場の声の反映であり、これまでの「あれもダメ・これもダメ」と「制限・規制」一辺倒だった訪問介護サービスに新たな可能性を開くものだった。

 ところが、である。
 地方自治体が、散歩介助は全面否定はしなくなったかわりに、あれこれと独自の「要件」や「手続き」を定めて、限りなく「例外扱い」にし、事実上ほとんど提供できなくしてしまっている新たな「ローカルルール」が横行している。

 神奈川県藤沢市は、今年3月に、「訪問介護における“散歩”の考え方」なるものを作成している。
 散歩は、「趣味趣向で行う散歩」「機能訓練・リハビリを目的とした散歩」は対象外、としている。
  そして、「ケアマネジメントの中で、通所サービスや訪問リハビリサービス、ご家族やボランティア等の活用ができない場合」に限定して認めるとしている。その場合も「『社会参加』(閉じこもり予防・防止のための社会参加の機会の確保)との連動を目標とするケアプラン」によるものだけが対象になるという、わけのわからない見解を示している。わざわざ「ICF」の概念図まで掲載し、「専門性」を装っているが、要するに「小理屈」である。



 神戸市は今年7月に「訪問介護における散歩の考え方」を作成。これは、散歩介助のハードルをやたら高くして事実上利用させないためにローカルルールである。

 まず、散歩以前に「本来必要考えられるサービス利用を検討すること」
  例1 利用者が閉じこもりがちである → 通所介護の利用を検討
  例2 運動不足、運動器の機能向上、筋力低下防止等を理由としたリハビリ → 訪問リハビリ、通所介護、通所     リハビリの利用を検討
  例3 退院・退所後のリハビリ → 訪問リハビリ、通所リハビリの利用を検討

 と、訪問介護の散歩介助の選択肢を「例外」扱いにする。そして、「閉じこもりがち」についても、その利用者が「通所介護、短期入所、訪問介護における買物等の外出介助など、外出を伴う介護サービスを利用している者」は閉じこもりがちとはい言えない などとしている。これでいけば、週一回ショートステイに行っている人は「閉じこもっていない」ということになる。
 長期間家から一歩の出たことがない、というような人のみを「閉じこもりがち」というのであろうか。
 
 次のような場合は「訪問介護の対象にならない」として
 例4 散歩が日課であった利用者の要望に応じるため 
 例5 単に外を歩きたい、気分転換したいという利用者の要望に応じるため

 そのうえで、さまざまな想定や、要件を並べ立てて、「適切なケアマネジメントの実施」によるものは可能としているが、「他のサービスを利用できない理由」をケアプランに必ず記載すること、としている。
 また、「適切な所要時間の設定」として、「20分以上の所要時間が必要ですが、必要以上の長時間の設定は想定されない」「利用者の状態が改善した場合など」は報酬算定対象外となる、と念を押す。
 そして最後に「適切なマネジメントが実施されていない場合は、報酬の返還を求める」と脅し文句。
 
 これだけ、締め付けらられば多くのケアマネジャーは、ビビって散歩などケアプランに位置づける気はしなくなる。

 この神戸市の「考え方」は、兵庫県の加古川市や、他県のいくつかの自治体にもまる写しに近い形で「伝染」している。


 同居家族の生活援助で「悪名高い」ローカルルール(家族が近隣に住んでいれば同居とみなす)を作った京都市はここでも独自の「取り扱い」を示している(今年8月)。
 「利用者の身体状況から(杖歩行も含め)安全に歩行できると判断される場合についても算定できない」と決めつける。認知症の人のことなどまったく想定外の暴論である。
 算定要件には神戸市と同じく「他のサービスを受けることが困難」などをあげ、対象者をほとんど切り捨ててしまっている。さらに、「記録の不備の場合」まで
介護報酬の返還を求めると脅している。

 これらは、「算定要件」をきびしくすることで「散歩介助」をさせないローカルルールであるが、もっと悪質なものがある。

 散歩介助についての「事前申請」「事前協議」を事業所に義務付けるというものである。
 
 埼玉県春日部市は、散歩介助について、「保険者(市)に申請し、必要と認められた場合に、介護報酬の算定が可能となる。」として、
 「サービス開始前」に①ケアプラン第1表、2表、4表と訪問介護計画書を市に提出し、市は、「特例許可」の認・否認を翌日に連絡し、それをケアマネジャーは支援経過(5表)に記録してはじめて散歩介助が可能となる、というものである。
 「事前に市に申請のないものは、介護報酬の算定対象とはなりません。(事後報告は不可)」と徹底的な事前申請主義である。

 これは、介護保険のイロハをわきまえぬ暴論である。行政が「申請」を受ける場合、必ずそれに対し「決定」「却下」など「行政処分」が生じる、訪問介護のような介護保険給付はそのような申請主義はとっていない。あるのは福祉用具購入と住宅改修、高額介護サービス費などである。

 「散歩同行」に限って、なぜ、このような事前申請を制度化するのか。ようするにケアマネジャーの専門的判断や裁量を一切認めない、という思い上がった役所的発想がある。

 利用契約方式を導入し、居宅介護支援の仕組みをつくり、介護支援専門員という専門職に委ねた介護保険の基本的考え方を全く理解しないものである。
 こんなことをするのならば、すべてのケアプランを市が責任もって作成し、個々のサービスはすべて申請・決定という「措置制度」に戻してはどうか、といいたくなる。

 ほかにも常総市の「事前協議」制など、訪問介護の散歩介助に限って、「事前申請」に近いローカル制度が次々と出てきている。

 裁量と専門性を否定されたケアマネジャーこそ、いま怒るべきである。そして、無責任にもあれこれを要件をつけて訪問介護での散歩介助を否定する自治体に対し、利用者家族も声をあげるときである。

 霞が関官僚も悪いかもしれないが、このようなアホなローカルルールをせっせと作る地方自治体の小役人どもはよけいに悪い。


 
 
Category: 介護保険見直し

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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