2010/01/31 Sun
NHKスペシャル「無縁社会 ~“無縁死” 3万2千人の衝撃~」を観た。

 「NHKが全国の自治体に調査したところ、ここ数年『身元不明の自殺と見られる死者』や『行き倒れ死』など国の統計上ではカテゴライズされない『新たな死』が急増していることがわかってきた。なぜ誰にも知られず、引き取り手もないまま亡くなっていく人が増えているのか。『新たな死』の軌跡を丹念にたどっていくと、日本が急速に『無縁社会』ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっている実態が浮き彫りになってきた」



 いわゆる「生き倒れ死」が出た場合、その埋葬などを行うのは市町村の仕事である。明治32年にできた行旅死亡人取扱法という法律があって
 「行旅死亡人アルトキハ其ノ所在地市町村ハ其ノ状況相貌遺留物件其ノ他本人ノ認識ニ必要ナル事項ヲ記録シタル後其ノ死体ノ埋葬又ハ火葬ヲ為スベシ」とされている。

 私の市では福祉関係の職員が輪番で、この行旅死亡人が出た時、埋葬などの業務を担当する当番があった。
 
 「コウリョ当番」といって、年に1回か2回、1週間単位であたる。役所が閉まっている夜間や休日に「待機拘束」されて、警察署から「身元不明の死人」が出た場合、直接当番職員の自宅に電話がかかってくる。
 
 何年か前に特殊勤務手当が改正されたときに、このかたちの夜間休日当番制はなくなったが、もっともあたりたくない仕事であった。


 私も長い公務員生活の中で、深夜や休日に警察に呼び出されたことが何回かある。

 15年ほど前のこと。
 真夏の土曜日の午前中、警察署から電話で
 「首つり自殺なのですぐ来てください」と呼び出しがあった。
 話を聞くと、自宅での首つり自殺らしい。そうならば「行旅死亡人」ではない。法律には「行旅死亡人ト称スルハ行旅中死亡シ引取者ナキ者ヲ謂フ」とあり、自分の家で死んだ人は行旅中でない。
 
 役所の担当に電話で話すと
 「いや、行旅当番の仕事です。コウリョだけでなくボチマイも入りますから」

 そうなのである。このコウリョ当番は行旅死亡人取扱法だけでなく「墓地埋葬法」も担当する。

 墓地埋葬法には「第9条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。2 前項の規定により埋葬又は火葬を行つたときは、その費用に関しては、行旅病人及び行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)の規定を準用する。」とあり、これも市町村の仕事で、コウリョ当番が担当するのである。

 警察署に行くと、ビニール袋に入った遺品を渡され、死体検案書の手配をさせられた。所持金は紙幣は1枚もなかった。鳶職人をしていたらしく、その関係の資格証のようなものが出てきた。衣服も革ジャンなどいいものもあったがいずれも着古したものばかりで、警察官いわく「昔は稼いで羽振り良かったみたいで競馬の馬券なんかもあったが、体悪くして働けなくなったみたいで将来を悲観して首吊ったんだろう」。

 それから、3日間、住民票をたどり、戸籍をたどり本籍地の市町村に住む兄弟に片っ端から電話をかけた。

 「兄とは何十年も音信不通で、親も縁を切っていました。かかわりたくないので遺体も引き取りません」とすべての兄弟から断られた。

 仕方なく、墓地埋葬法の規定を適用した。

 こういう場合を、NHKの番組では「無縁死」とよんでいる。

 何も「新しい死」ではない。生き倒れははるか昔からあり、引き取り手のない無縁仏も大昔からある。ただ、高度成長以降の労働力人口の大規模な移動で生まれ故郷を離れた世代が高齢期になっていることがその量的な拡大を招いている。

 そして、バブル崩壊以降の長期的な不況と雇用破壊の中で、「世帯形成」ができない新たな貧困層が広がっており、「無縁死」の新たな拡大を生み出す条件が広がっている。

 ひっそりと誰にも看取られず亡くなる「孤独死」「孤立死」、さらに、遺体の引き取り手も埋葬もする人もない「無縁死」。

 尊厳ある人生の終末を迎えられる社会こそ、望まれる。「いのちを守りたい」という首相にしっかり考えてもらいたい問題である。
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Category: 雑感・雑記
2010/01/30 Sat
 昨日の鳩山首相の施政方針演説

  いのちを、守りたい。
 いのちを守りたいと、願うのです。
 生まれくるいのち、そして、育ちゆくいのちを守りたい。
 若い夫婦が、経済的な負担を不安に思い、子どもを持つことをあきらめてしまう、そんな社会を変えていきたい。未来を担う子どもたちが、自らの無限の可能性を自由に追求していける、そんな社会を築いていかなければなりません。

 働くいのちを守りたい。
 雇用の確保は、緊急の課題です。しかし、それに加えて、職を失った方々や、様々な理由で求職活動を続けている方々が、人との接点を失わず、共同体の一員として活動していける社会をつくっていきたい。経済活動はもとより、文化、スポーツ、ボランティア活動などを通じて、すべての人が社会との接点を持っている、そんな居場所と出番のある、新しい共同体のあり方を考えていきたいと願います。
 いつ、いかなるときも、人間を孤立させてはなりません。
 一人暮らしのお年寄りが、誰にも看取られず孤独な死を迎える、そんな事件をなくしていかなければなりません。誰もが、地域で孤立することなく暮らしていける社会をつくっていかなければなりません。

 世界のいのちを守りたい。
 これから生まれくる子どもたちが成人になったとき、核の脅威が歴史の教科書の中で過去の教訓と化している、そんな未来をつくりたいと願います。
 世界中の子どもたちが、飢餓や感染症、紛争や地雷によっていのちを奪われることのない社会をつくっていこうではありませんか。誰もが衛生的な水を飲むことができ、差別や偏見とは無縁に、人権が守られ基礎的な教育が受けられる、そんな暮らしを、国際社会の責任として、すべての子どもたちに保障していかなければなりません。
 今回のハイチ地震のような被害の拡大を国際的な協力で最小限に食い止め、新たな感染症の大流行を可能な限り抑え込むため、いのちを守るネットワークを、アジア、そして世界全体に張り巡らせていきたいと思います。

 地球のいのちを守りたい。
 この宇宙が生成して百三十七億年、地球が誕生して四十六億年。その長い時間軸から見れば、人類が生まれ、そして文明生活をおくれるようになった、いわゆる「人間圏」ができたこの一万年は、ごく短い時間に過ぎません。しかし、この「短時間」の中で、私たちは、地球の時間を驚くべき速度で早送りして、資源を浪費し、地球環境を大きく破壊し、生態系にかつてない激変を加えています。約三千万とも言われる地球上の生物種のうち、現在年間約四万の種が絶滅していると推測されています。現代の産業活動や生活スタイルは、豊かさをもたらす一方で、確実に、人類が現在のような文明生活をおくることができる「残り時間」を短くしていることに、私たち自身が気づかなければなりません。
 私たちの叡智を総動員し、地球というシステムと調和した「人間圏」はいかにあるべきか、具体策を講じていくことが必要です。少しでも地球の「残り時間」の減少を緩やかにするよう、社会を挙げて取り組むこと。それが、今を生きる私たちの未来への責任です。本年、わが国は生物多様性条約締約国会議の議長国を務めます。かけがえのない地球を子どもや孫たちの世代に引き継ぐために、国境を越えて力を合わせなければなりません。

 私は、このような思いから、平成二十二年度予算を「いのちを守る予算」と名付け、これを日本の新しいあり方への第一歩として、国会議員の皆さん、そして、すべての国民の皆さまに提示し、活発なご議論をいただきたいと願っています。


 彼が何百回「いのちをまもりたい」と言っても私には空虚な自己満足、中身のないポエムにしか聞こえない。

 戦後60年以上も米軍の軍靴で踏みにじられた沖縄。

 「命どぅ宝」という言葉が沖縄にある。命こそ宝という意味だ。沖縄戦そしてアメリカ占領時代、米軍基地居座りと続いた歴史の中で「命どぅ宝」を合言葉に反戦平和、基地撤去を闘ってきた沖縄の心である。

 鳩山首相よ。

 「いのちを守りたい」と言うなら、ただちに普天間基地は、全面撤去せよ。そして沖縄からも日本からも出て行ってもらってからにするべきであろう。

 沖縄の「命どぅ宝」の血の叫びに応える決意もないのに、軽々しく「いのち」を語らないでほしい。


 「命を年齢で差別する」後期高齢者医療制度。マニュフェストの「後期高齢者医療制度廃止」の公約を投げ捨て、4年間も温存するという。

 「いのちを守りたい」というのは後期高齢者医療制度を廃止してから言ってほしい。

 ほかにも言いたいことは山ほどある。

 同じ「いのち」でも、本当に政治に「いのちを守る」を貫いた人がいる。「生命行政」をかかげ、老人医療無料化と乳幼児死亡ゼロを実現した岩手県沢内村の深沢村長である。

 人口わずか6000人ほどの東北の寒村の村長の「生命行政」の偉大な足跡と比べると、一億二千万人の日本国の首相である鳩山総理大臣の演説のなんと空虚なことか。

 この演説、読めば読むほど、あまりの空虚さに、こちらまでむなしくなる。

 

Category: 時局争論
2010/01/29 Fri
 余命数ヶ月と告知された末期がんの男性(50歳代)患者さん。「肺がんの終末期」と診断名にあり、胸水もたまり、増強する痛みは麻薬で抑え、体を動かすと呼吸苦のため常時在宅酸素が必要となっている。

 ところが、介護保険の認定は「要支援2」。

 デタラメの一次判定ソフトはいざ知らず、介護認定審査会では、まともに主治医意見書を読んでいないのではないか、と思ってしまう。

 「最後を自宅で」とのご本人の強い思いがあり、退院して、在宅になった。ところが、ケアプランは「介護予防プラン」である。

 「目標とする生活」の欄の「1年」のところには、「病状の悪化がなく、在宅での療養生活が継続できている」と記載。「余命数カ月」と告知されている本人や家族はどう受け止めているだろう。「同意欄」にも記名押印はあるが。

 「総合的な援助の方針(生活の不活発化の改善・予防のポイント)」欄には「…可能な限り、身の回りのことを自立して行い在宅療養を継続できるよう…」と記載。医師の意見書には「経口摂取も低下しており、今後急速に病状の悪化が予測される」と書いてあるのに、である。

 あれこれと「予防目標」や「支援のポイント」が記されているが、利用者にサービスに入るのは「福祉用具」(電動ベッド)のみ。これもまた要支援の人は対象外なので、例外的利用のためには、主治医の医学的所見を書いた「理由書」を役所に出さないといけない。

 あとは、医療保険の訪問看護のみ。

 この貧弱でワンパターンな介護体制のなか、妻のいないこの方の在宅生活は、就労している娘が一人で介護にあたる。

 一人になる日中や、介護者の負担軽減のためにも訪問介護は必要ではないか、と思うが、「家族がおり、予防サービスなので入れない」とのこと。

 この「予防プラン」、何度読んでも納得できない。というより、明らかにこの人は、「心身の状態の維持改善を目標とする」という介護予防サービスの対象でないのである。

 残された人生のわずかな時間をどう過ごしていただくか、その人らしい終末期、最後まで尊厳あるくらし、家族とのかかわり、そうした視点がそっくり抜けた「予防プラン」。

 介護保険を大きく歪めたものの一つに、こうした機械的な「介護予防」の押しつけがある。

 介護保険の抜本的見直しではぜひ解決したい問題である。

 しかし、人生の終末期を迎えようとしているこの方には到底間に合わない。私と同年代の男性であるだけに胸が痛む。
 
Category: 介護保険見直し
2010/01/28 Thu
 今日夜は、ある新聞の記者から相談があり、介護保険の特集記事について話をした。

 「介護保険10年で一番問題にしたい点はなんですか」

 この質問で三つのことを申し上げた。

 一つは、介護保険の構造的欠陥である。あれこれの細かい問題はさておき、市町村単位で介護保険の給付が増えると高齢者の介護保険料が際限なく上がる、という「負担と給付のリンク」の仕組みについて、根本的に見直す必要がある。各自治体の高齢者介護への消極的姿勢も給付抑制もすべてここに原因があり、介護保険は自治体をダメにした。ここにメスを入れた検証がぜひ必要である。

 二つは、特別養護老人ホームの待機者に示される介護難民問題である。全国で42万人という途方もない待機者。しかも、都道府県によって集計方法が異なり、正確な待機者数も把握できなくなっているということも問題である。また、自治体はこの待機者問題に危機感を感じなくなってきている。公的責任放棄の行きつく先である。

 三つめは、在宅サービスの抑制の中で、とくにヘルパーの通院介助の制限問題である。「医療機関に通う」という命を健康にかかわることが、院内介助の保険外扱いで、介護保険で保障できなくなっている。しかも厚生労働省が言い出した以上に各地でローカルルールが生まれより厳しい制限がかけられている。

 
 この新聞は3年前にヘルパーの生活援助の範囲について、主要都市にアンケートをとり、ローカルルールぶりを浮き彫りにする特集記事を書かれていた。

 ぜひ、タイムリーで鋭い報道を期待する。
Category: 介護保険見直し
2010/01/28 Thu
 めったに書かないが、私の本業(区役所介護保険窓口)のこと。

 実は、今年の年頭に、「公務員生活もあと数年。今年は、活動だけでなく仕事でも勝負しよう」と目標をたてた。

 といっても、私は、市幹部になっている同期の連中とは違い、左遷人生だから、権限のない木っ端役人にすぎない。

 しかし、第一線でしかできないことがある! と毎日「これもやってみたら」「これもできるかも」といろいろ考える。すると、傍からみれば実にしょーもない区役所介護保険窓口は、けっこう奥が深い。(といっても施設や在宅サービスの本物の介護現場の人にはバカにされるだろうが)

 今日1日の私の本業を記す。

 朝一番、「女の人が私の保険証持って行ったー」という80歳代の女性が訪ねてきた。
 カウンターごしに話を伺う。

 「何日か前に、女の人が来て、その時に、2枚ある保険証のうち1枚を持って行って返してくれない。心配で心配で」

 見せてもらうと、確かに「後期高齢者医療被保険者証」はあるが、「介護保険被保険者証」はない。よく話を聞くと、どうやら認定調査に来た調査員が、資格者証と引き換えに回収していったらしい。要介護認定は申請の際に介護保険証を提出することになっているが、提出されない場合は、訪問調査時に調査員が回収することになっている。

 認定システムの端末で調べるとこの女性は「要介護1」の一次判定が出ており、介護認定審査会は今日の予定である。

 「もうすぐ、認定出ますから新しい介護保険証送ります。」

 「そうでっか」と言って、杖をつきながら帰って行かれた。

 ところが1時間ほどすると、また、同じように「わての保険証をこないだ女の人が持って行ったー」とまたやってこられる。

 同じ説明をして、今度は、保険証ケースに大きな字で「介護保険証はもうすぐ送ってきます」と書いた紙を挟ん帰っていただく。

 一人ぐらしの様子だが、大丈夫だろうか、と心配になる。今まで「要支援2」で地域包括支援センターの担当だったが、認知症が進行しているから「要介護」になるだろう。ケアマネジャーにうまくつなげるだろうか。

 一日何十人と要介護認定をしている中には、このような心配な方も多い。事務的に認定をするだけであとはケアマネ任せのこの仕組みを少しでもフォローできるようにしたい。 
 
 次の仕事は「滞納介護保険料の取り立て」。

 雨の中を、アルバイトの徴収員と一緒に府営住宅を回る。3人の方から滞納保険料をもらう。「こんな保険料払ってホントにちゃんとみてくれるの?」と言われる。
 「ええ、まあ、介護が必要になれば認定を受けてサービスが受けられますから」と言いながら、後ろめたい気分になる。

 午後は、電話と窓口の応対に追われる。

 ある大病院の医療ケースワーカーから電話。

 「新規申請の○○さんの認定の進捗状況を教えてほしいのですが…」

 端末で見てみると1月12日申請で、認定調査は終わっているが主治医意見書はまだ届いていない。しかも、申請は郵送でされている。

 「申し訳ありませんが、代行申請されたケアマネジャーさん以外は、個人情報は電話では申し上げられません」と形通りの返答をする。

 病院のケースワーカーは
 「認定急いでもらえませんか。30日に退院が決まったんですよ。家には介護する人がいないので大変なんです」

 そんな大変な人をなぜすぐに退院させるのか。また、急ぐのなら郵送申請でなく、近くだから代行申請でもってくればもっと早くできる。しかも、その病院の主治医意見書がまだ来ないから、介護認定審査会の日も決められない。

 「主治医意見書が来れば出来るだけ早く認定しますので、早く出すようにいってくれませんか」というと

 「まだ、出てませんでしたっけ?」

 「すぐに出してください」と言って、認定審査会の担当にできるだけ早くの審査会にかけてもらうよう説明をする。

 しかし、いくら急いでも30日の退院日には間に合わない。

 病院には病院の事情があるだろうが、在宅生活の目処もたっていないのに退院だけは急がせるこういう対応は本当に患者や家族にとって大変である。困り果てて区役所の窓口で涙を流される家族もいる。

 ここでもケアマネジャーにつなぐだけの役所の対応である。とりあえずは「暫定プランで」。

 
 最近多いのは、「消えた年金」が復活して、年金額が少し増えたために、所得がふえて介護保険料の金額が上がる人である。

 76歳の男性に、カウンターごしに怒鳴られた。「ちょっと年金が増えただけで、なんで介護保険料が5万円も上がるんや!死ねっていうことか」

 この男性は、これまで年金138万円だった。合計所得は公的年金控除(120万円)を引くと18万円しかないので、当然、市民税は非課税。介護保険料は「第3段階」だった。

 これが、消えた年金記録が復活して、過去にさかのぼって年金額が20万円増えた。すると年金額は158万円になるので、合計所得金額は38万円。所得35万円を超えると住民税課税になるので、介護保険料はいきなり2ランクアップの「第5段階」となる。しかも、08年度、09年度と2年度分をさかのぼって増額徴収されるので、この方の場合は合わせて5万円近い追加徴収が発生した。これ以外にも市民税、後期高齢者医療保険料も追加徴収になり、負担が増える。

 窓口で、1時間近く、怒りの声を伺うが、扶養家族もおられないので、どうしようもない。ただ、ひたすら、事情を説明し、頭を下げてお詫びするのみ。
 結局、分割払い(分納)ということにさせていただいたが、2006年度の税制改悪での非課税限度額の引き上げは本当に非道である。この方は、税制改悪前であれば非課税なのである。

 やっと窓口対応がすいてきたので、2月に行う「ケアプランの質の向上学習会」の準備にとりかかる。区内の主任ケアマネジャー資格保持者と、地域包括支援センター、介護支援専門員協会支部と、区役所で「ケアプラン点検支援マニュアル」を教材にしてケアプランの学習会を昨年から取り組んおり、もう3回目になる。地域のケアマネジャーから出していただいた事例ケアプランを検討する。
 
 と、それも束の間で、事業者からの問い合わせの電話にまた追われる。
 「介護サービス利用料の医療費控除の範囲は」
 「小規模多機能を利用している人が訪問リハビリは使えますか」
 「居宅サービス作成依頼届を提出するときに被保険者証を添付しなければならない法的根拠はありますか」
 

  こんな質問が次々と寄せられる。回答し、説明する。資料をFAXする。

 要介護1以下の軽度者の介護ベッド利用の「理由書」もケアマネジャーが2件持ってこられた。内容を確認し、受け付ける。

 自己作成ケアプランの受付も。

 合間に、昨日の死亡者、転入・転出者、住所変更者の一覧表のチェック。他市町村から区内の介護保険施設に転入された方の「他市町村住所地特定者」の登録処理と連絡票の送付が1件。逆に、堺市から他市の住所地特例施設(有料老人ホーム)に入居されていた人が、当市に再転入されたので、住所地特例者解除の処理と被保険者証の交付1件。

 死亡・転出者は、介護保険料が年金天引きが「先取り」であるため「過誤徴収」が発生する。これを返す手続き(還付)があり、今日の窓口での保険料還付は4件。


 夕刻に、窓口に「病院で介護申請しておきなさいって言われたのですが」とやってこられる。認定申請受付け、訪問調査日時の予約、そして介護サービス利用の説明…。

 ケアマネジャーが認定資料(主治医意見書、基本調査、特記事項)の資料提供依頼を持ってこられる。資料の交付数件。
 
 住宅改修費の申請受付、特定福祉用具の申請受付、。これらも数件。負担限度額認定の申請をケアマネジャーがもって来られる。しかし、「課税世帯」。「申し訳ありませんが、対象になりません。」とお断りする。


 こうして1日振り返ると、まるで介護保険の雑貨店のような仕事である。

 しかし、直接の利用者支援は、やはりケアマネジャー頼みである。


 

 
Category: 雑感・雑記
2010/01/27 Wed
 厚生労働省が、昨年12月25日出した、訪問介護の同居家族がいる場合の生活援助問題の通知。この通知についている「介護保険制度 訪問介護 ちょっとしたご案内」というチラシがなかなかよい。

 本当にすべての利用者の手に渡れば、「同居家族がいるからヘルパーの生活援助は受けられないと言われたけど、私の場合、受けられるのではないですか?」という問い合わせが殺到する自治体も出てくるだろう。

 「同居家族がいる = 生活援助ダメ」というローカルルールで、押し通してきたところはそうなる。

 すると自治体は、このチラシを印刷も配布もしないで放っておくだろう。

 この通知は、チラシについて「市町村において活用されますよう」とし、その経費も地域支援事業を活用可能としている。

 にもかかわらず、全国でどれだけの自治体がこのチラシを活用するだろうか。

 そこで、大阪社保協では、昨晩の介護保険対策委員会で、次のように決めた。



厚生労働省「訪問介護チラシ」の徹底活用を取り組み(案)

 厚生労働省が、3回にわたって訪問介護の生活援助の不当な規制ローカルルールに対して通知を出しました。とくに昨年12月25日の通知は、利用者向けのチラシまで添付され、その経費についても「地域支援事業を活用することも可能」としました。
  
 一向に改まらない自治体のローカルルールに対して、チラシという宣伝物で国が利用者に直接知らせようというものです。

 介護保険サービスの利用抑制はもともと国が音頭をとって始まったものですが、介護保険特別会計のもとで介護保険料の上昇を避けようとする地方自治体は法令の規定を踏み越えて規制を行っています。このため、今回のような「逆立ち」(自治体が締め付け、国が緩める)現象が起きています。
 介護サービス抑制を是正するための宣伝チラシもその費用も国が用意するという情けない事態です。

 しかし、自治体の不当なローカルルールを根絶し、利用者本位のサービスを実現していくためには、この厚生労働省の通知とチラシは積極的に活用すべきです。

当面の取り組み

①厚生労働省のチラシを印刷し、ケアマネジャー・ヘルパー、利用者に広く周知する
②府内全自治体に対し、厚労省通知とチラシ活用についてアンケートを実施する
③アンケート結果は集計し、活用が低調な場合は、大阪府及び厚生労働省に問題提起を行い、指導助言を強化するよう働きかける。同時にマスコミにも公表し、社会問題化する。



 われわれが国のつくったチラシを自治体が印刷・配布しているのか、調査するというのも変な話だが、ここまでしないと自治体は動かないだろう。断固やるのみ。

 
Category: 介護保険見直し
2010/01/26 Tue
 今日は朝一番から、大阪府庁で抗議と申し入れ行動。

 

 【報告ニュース原稿より】
 1月26日午前、介護保険料に怒る一揆の会、年金者組合大阪府本部、全大阪生活と健康を守る会連合会の3団体は合同で大阪府介護保険審査会へ抗議と申し入れを行いました。

 大阪府介護保険審査会(池田敏雄関西大学名誉教授)は、09年度の介護保険料不服審査請求(656件提出)のうち、集団で提出されたものに対し、9月16日の審査会で「制度政策要求は審査の対象外」などとして「却下」(審査せず門前払い)とすることを決め、審査請求者に不当な妨害文書を送り、口頭意見陳述の申し立てにも応じていません。
 池田敏雄氏が会長を務める「大阪府国民健康保険審査会」「大阪府後期高齢者医療審査会」はすでに審査に入り、1月26日、29日に口頭意見陳述が行われるにもかかわらず、介護保険審査会だけは異常な審査請求妨害を続けているのです。
 
 1月26日の申し入れには、審査会側は 介護支援課吉田総括補佐、永原総括主査、谷田総括主査が対応。一揆の会(宮崎代表、日下部事務局長、藤原事務局次長)、年金者組合大阪府本部(加納書記次長)、全大阪生活と健康を守る会連合会(秋吉事務局次長)が出席。

 昨年11月19日に3団体共同で「違法な審査請求妨害を中止し、速やかな審査を求める要求書」を提出し、速やかな話合いと回答を求めたにもかかわらず、今まで何の返答もなかったことに抗議し、「いったいいつまでに回答するのか」と迫りました。

 審査会側は、「文書回答を求めるとは書いてなかったので…」などとしましたが、3団体側は、「『審査会長出席の下での話し合い・回答』を求めると明記してある。ただちに話し合いの場を設定せよ」と改めて申し入れました。
 
 審査会側は、「審査請求者から出されている介護保険制度に関する要望については、大阪府として別途お聞きする場を設定する用意があるので…」などと、審査請求を門前払いすることを正当化しようとしました。
 3団体側は、「府民からの要望を聞く場を持つことは大阪府として当然のこと。しかし、出されている審査請求をそのことで拒否できるものでない」と追及しました。
 また、「提出されている審査請求は、審査請求人(介護保険の被保険者)、審査請求期間(法定の60日以内)、審査請求の対象(09年度介護保険料賦課決定処分)のどれをとっても完全に適法であり、審査会が『不適法』などという根拠はない」と強調しました。

 審査会側は、
 ・昨年9月16日の介護保険審査会(この審査会で不当な対応を決定した)以降は開催されていない
 ・次回審査会は、日程調整中だが、2月には開催できる見通し
 ・出されている審査請求をどう扱うかはその審査会ですぐに裁決することは難しくその次になる見込み
 であることを明らかにしました。

 3団体側は、「次回審査会を待つのでなく、その前に会長出席の話し合いを行って回答せよ」と強く申し入れ、審査会側は、「審査会長と相談して返答します」と答えました。


参考 3団体が提出している要求書

2009年11月19日
大阪府介護保険審査会
会長 池田 敏雄 様
全日本年金者組合大阪府本部
執行委員長  松井 幹治 
全大阪生活と健康を守る会連合会
    会長  松岡 恒雄
介護保険料に怒る一揆の会
 代表  宮崎 守正

違法な審査請求妨害を中止し、速やかな審査を求める要求書
 
大阪府介護保険審査会は、二度にわたり審査請求人に対し、「審査請求の趣旨・理由を尋ねる」とする文書を送りつけ、回答のない場合は「審査の対象としない」としている。これは審査請求に対する悪質な妨害というべき行為である。
不服審査請求の「趣旨」については、すでに提出している審査請求書に「介護保険料賦課決定処分の取り消しを求める」と明記されており、「理由」についても記載されており、形式的にも内容的にも適法な審査請求である。
介護保険審査会の責務は、速やかに処分庁に弁明書を提出させ、内容審査を行うことである。にもかかわらず、繰り返しこのような文書を送りつけ内容審査に入らずにいることは国民の審査請求権を侵害する行為である。
とくに、今回の文書は、集団で行われた不服審査請求に対して、あたかも不適法な審査請求が「長年にわたり多数寄せられた」かのような記述があることは極めて重大である。これまでの9年間の経過を否定し、集団不服審査請求への敵対・妨害を行うことは許されない。
大阪府介護保険審査会は、被保険者の権利・利益の救済機関としての責務を果たすべきである。
以上の立場から次の通り要求する。



1 審査請求人に対し二度にわたって送付した文書を撤回し、審査請求妨害を直ちに中止すること。

2 行政不服審査法・介護保険法に規定する不服審査請求の要件を満たしている適法な審査請求について、法に基づき、速やかに、審査を開始し、処分庁に弁明書提出を求めること。

 以上について速やか介護保険審査会長出席の下で話し合いの場を設定し、回答すること。


 この後、大阪府情報公開センターで介護保険審査会資料の情報公開請求を行う。
 今回の「審査請求門前払い方針」を決めた09年9月16日の介護保険審査会資料を公開請求する。
 審査会事務局は「方針書や説明資料は作成してません。あるのは郵送した審尋の文案だけ」。

 こんな重大なことを、文書もなしで決めているのか!と驚く。

 そして、午後1時30分
 大阪府庁新別館北館で開かれた「大阪府国民健康保険審査会」の口頭意見陳述を傍聴。

 同じ大阪府の審査会で会長も同一人物なのに、介護保険審査会は、いまだに門前払いで口頭意見陳述させず、国民健康保険審査会はスムーズに口頭意見陳述。橋下知事よ、この「分裂審査行政」をどうしてくれる!
 
 





Category: 介護保険料
2010/01/25 Mon
 09年度の介護報酬改定で平均9058年平均給与があがったとの速報値が厚生労働省から社会保障審議会介護給付費分科会で報告された。

 キャリアブレインニュースが、厚生労働省資料をもとに比較表を作成している。

           09年9月平均給与    08年9月平均給与     差額 
 全  体      23万1366円     22万2308円     9058円
施設・事業種別
介護老人福祉施設   28万1800円     26万9748円   1万2052円
介護老人保健施設   29万6043円     28万4414円   1万1629円 
訪問介護事業所    13万9473円     13万3605円     5868円
通所介護事業所    19万7331円     18万8784円     8547円
グループホーム    20万7057円     19万7870円     9187円
居宅介護支援事業所  30万6616円     29万6877円     9739円

 施設が1万円を超えているのに対し、訪問介護はその半分の5868円の改善しかなく、給与も平均14万円にも届かない。

 職種別      09年月平均給与      08年平均給与      差額
看護職員      30万6511円      29万8118円     8393円
介護職員(訪介含) 19万9854円      19万0935円     8919円
生活相談員     29万6349円      28万4058円   1万2291円  
PT.OT.STなど    27万3715円      26万5613円     8102円
介護支援専門員   31万5006円      30万5154円     9852円

 職種でも介護職員(訪問介護含む)は低賃金は改善にはほどおい。




介護従事者:介護報酬改定で給与増と厚労省 疑問の声も 
 厚生労働省は25日、昨年4月の介護報酬改定(3%アップ)が介護従事者の処遇改善に与えた影響の調査結果(速報)を公表した。パート職員らを含む09年9月の平均給与(一時金の1カ月分などを含む)は23万1366円で、08年同期の22万2308円と比べ9058円増加。職種を介護職に限ると8919円増えた。同省は「改定の影響があった」とみているが、定期昇給する人の昇給分も含まれているという。

 09年10月1日時点で全国7141施設を対象に調査し、5034施設の回答を集計。08年9月、09年9月ともに在職した人が対象で時給制や日給制のパート職も含まれる。

 職種別で最も増えたのは生活相談員・支援相談員の1万2291円増で、最少は作業療法士らの8102円増だった。施設の種別では、特別養護老人ホームが1万2052円増で最多で、最少はパートの人が多い訪問介護事業所の5868円増だった。

 介護報酬は介護保険制度で介護サービスを提供する事業者に支払われ、09年4月に初めてプラス改定した。舛添要一前厚労相は08年秋、「(改定で)月給が2万円くらい上がるかな」と述べたが、事業者が改定分すべてを賃金に充てたなどの場合で、実際には2万円増にならないとみられていた。

 調査結果について、東京介護福祉労働組合の清沢聖子書記長は「零細事業所では、こんな増額はあり得ない。回答した施設の規模が偏っていないのか疑問だ。生活相談員など、離職率が高くない関連職種も含めているのもおかしい」と話した。【佐藤浩】



 東京介護労の清沢さんが言っているように、われわれの周辺では、1万円近い賃上げなどほとんど聞いたことがない。また、定期昇給分や一時金も含まれているとのことから、報酬引き上げ分がどれだけ賃金改善になったかの検証はまったくされていない。

 しかも、今回の速報値は、介護職員処遇改善交付金の対象となる前の9月時点のものである。昨年4月の報酬改定が9000円の賃金改善効果がほんとにあったとはとても考えられられない。圧倒的多数の介護労働者の実感も「雀の涙ほどの報酬改定で賃上げどころではなかった」というものである。

 いずれにしても、厚生労働省のこの「9000円賃上げ」の数字が独り歩きし、介護労働者の賃金が改善されたかのように描き出されることが危惧される。

 新政権は、民主党のマニュフェストにあった「介護労働者4万円の賃上げ」について、2010年度予算ではまったく手をつけていない。この数字が、新政権のもたつきを合理化する口実に使われることのないようにしなければならない。

 そのためには、このような荒っぽい「平均値」ではなく、規模別、雇用形態別の比較、そして賃金調査にふさわしく定昇とベースアップを区別し、さらに月例給と一時金の区分、基本賃金と手当などの詳細も必要となろう。
Category: 介護保険見直し
2010/01/24 Sun
 ツイッターを見ていたら「名護市長選挙 基地反対の稲嶺氏当選」のニュースが飛び込んできた。

 さっそく、私も

 やりましたね!名護市長選挙。辺野古への米軍基地建設反対の稲嶺氏が勝利です。歴史的快挙!これで「県内たらい回し」策動は痛打です。そして日本のどこにも普天間基地の海兵隊はいりません。「国外追放」とすべきです。さあ、民主党よもうフラフラするな アメリカと対決せよ。

とツイートした。

ツイッターには、「これで民主党はますます難しくなる」とか「アメリカの圧力つよまるだろう」などという的外れな書き込みも多かったが、

 こんな素晴らしい 超人気ブログも

 http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/01/post-46dc.html

「愛と平和と正義を愛する名護市の皆さん、このたびは良識ある投票を本当にありがとうございました!」

 私もまったく同感。

 さっそくバナーをコピーさせていただいた。



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Category: 時局争論
2010/01/24 Sun
 高齢者の施設づくりをすすめる近畿連絡会の「新春の集い」が国労大阪会館で開かれた。

 オープニングセレモニーは、シニア世代のジャズバンド“Swing Fellows”(スウィングする仲間)による、ジャズライブ。
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 On The Sunny Side Of The Street
Oll Of Me
 Love Me Tender
 Tennessii Waltz 
 I Need Your Love Tonight

 といった曲にまじって 「見上げてごらん」「愛さんさん」といった懐メロも奏でられた。

 高齢者の施設づくりをすすめる運動であるが、参加者の大半はすでに高齢者である。

 セレモニーの締めくくりは、連絡会事務局長の粕野さんのリードで 高齢者の歌を2曲 みんなで合唱

  粕野さんは、大阪市内で宅老所(基準該当のデイサービス)を運営している。もともとは奥さんが退職後認知症になられ、そのために宅老所をはじめられ、施設つくり運動も始められた。もう10年前のことである。

 今はその奥さんも亡くなられ、本人も76歳で一人暮らしをしながら、宅老所運営と近畿連絡会の事務局長をされている。

 25年も前だが、粕野さんが藤田スミ衆議院議員の秘書をしておられるころ、私は政策宣伝の活動でお世話になった。
そして、私は、今も粕野さんから、「署名の原案はできたか」「学習会の資料はできたか」とこき使われている。

 たしか、要支援1の認定。杖は持っておられるが、今なおエネルギッシュな方である。
 

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 老いて輝け(宅老所仲間の歌)

一 シワの数ほど苦労があった
  ただひたすらに生きてきた
  残り少ない人生だけど
  いまはタクロー仲間とともに
  麦わら帽子で草を刈る
  老いて輝け 老いて輝け 私の人生

二 朝は早うから夜は夜なべ
  命を削って生きてきた 
  残り少ない人生だけど
  今はタクロー仲間とともに
  歌や話に花が咲く
  老いて輝け 老いて輝け 私の人生

三 涙で別れた人もいた
  戦の中を生きてきた
  残り少ない人生だけど
  今はタクロー仲間とともに
  署名携え街角へ
  老いて輝け 老いて輝け 平和のために
  老いて輝け 老いて輝け 平和のために
  


 「つどい」はその後、
 立命館大学の蔵田先生の「高齢者の居場所つくり」アンケート調査報告

 そして私の
 「介護保障制度の再構築をめざして-新しい政権に何を求めるか-」というテーマの講演
 
 質疑・討論

 最後に「高齢者の居場所をつくり、介護制度の抜本的な改善を求める国会請願署名」の行動を確認して、意気高く散会。

 残り少ない人生をかけて高齢者パワーを感じる「つどい」であった。
 
Category: 介護保険見直し
2010/01/23 Sat
 午後から開かれた堺市西地域在宅ケアを考える会の「高齢者施設・住居の現状を考える公開学習会」は、会場いっぱいの80人を超える参加者で大盛況。
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 「あなたや家族が介護が必要になった時、安心して暮らせる場所はあるか?」と問いかけ、堺市西区の介護事業所や施設、住民に呼びかけて開いた。関心はものすごく高く、介護関係者だけなく、開業医や民生委員、老人クラブや地域のボランティアグループの方も含めて多彩な参加者となった。

 また、会場の一角設けた「入居相談コーナー」には、グループホーム2か所、高齢者専用賃貸住宅2か所がブースを出していただいた。
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 学習会では、私が「堺市西地域の高齢者施設・居住系サービスの状況」について、報告させていただいた。
 
 堺市は、特別養護老人ホーム30か所2161人分の定員があるが、待機者はのべ6120人にのぼっている。
 とくに、昨年5月時点では待機者は5281人だったが、8ヶ月後の今年1月には839人も増え、1か月100人ずつ待機者が増加し続けていることになる。

 一方で、介護療養型医療施設は、2006年度には2266床あったが、今年1月では824床に激減。

 堺市の第4期介護保険事業計画では、3年間で特別養護老人ホームはわずかに290床しか増えない。一方で介護療養型は大幅に減少し、転換型老人保健施設の整備は追いつかない。認知症グループホームは3年間で整備はゼロである。まさに「行き場のない要介護者」が続出する危険性が迫っている。

 こうしたことをデータに基づき報告。

 その後シンポジウムでは、病院のケースワーカー、利用者家族、グループホーム、ケアマネジャーから報告をいただいた。
 とくに、京都で一人暮らしとなった母親の入れる施設を求めて長年「老健めぐり」と在宅介護を続けてきた72歳の男性の苦難に満ちた経験談は、参加者に大きな共感をよんだ。

 2003年に老健に入所してから2009年4月に特養に入るまで7年間にわたって、9か所の老健施設を転々とし、最後は半年間の在宅介護をしてきた。5人の家族で片っ端から施設を探して回り、特養だけでも訪問した施設は25か所、入所申し込みは12か所で休みの日はほとんど施設探しに費やしたという。施設関係の資料ファイルだけでも5冊になったとのこと。

 行政の相談窓口に行っても「根気よく照会を続けてください」といわれるだけだったという。

 自宅をバリアフリーで建て、家に引き取って在宅介護をはじめたものの一日15回ものトイレへの移動介助、夜間も寝ることができない介護負担で6ヶ月間で限界にきて、再び老健入所。運よく「施設開設準備中」の特養に申し込むことができ、ようやく昨年4月に特養に入所できたという。
 
 質疑討論では、地元の民生委員さんから、「在宅志向の行政の方針は実態にあっていないのではないか」との発言も出され、また、地域での支え合いで在宅介護を支援することの大切さも強調された。
 
 「いつでも相談に応じます」と地域包括支援センターの発言もあり、また、グループホームの管理者は、「地域とのつながりも大切にしたい」と話された。 

 入居案内のパンフレットを持ってきていただいた高齢者専用賃貸住宅のスタッフも「今日はとてもいいお話を聞けて地域のようすがよくわかりました」とお礼を言って帰られた。

 この会のいいところは、考え方や立場の違いを超えて、同じ地域の人が集まって自由に話ができること。

 まあ、もうひとつ方向性の定まらない、あいまいな会であるが、層の広さと地域での影響力と、取り上げるテーマのタイムリーさは抜群である。
Category: 介護保険見直し
2010/01/22 Fri
 地元でも「名門」の社会福祉法人が、訪問介護事業から「撤退」するという。

 施設での看取り介護などで優れた実践を重ね、地域とのつながりも早くから重視し、さまざまな取り組みも重ねてこられた。

 ヘルパー事業は措置制度の時代から。

 施設長は「福祉は人です」と強調されていた。

 その法人が訪問介護から撤退。  

 なぜか? その原因はよくわからない。

 ヘルパーを募集してもなかなか集まらず、人材が確保できないので新規の申し込みにも応じられない、そんなことも一つの要因のようだ。

 まことに残念である。

 介護職の人材確保困難や、訪問介護への締め付けは、こんなところにも影をおとしている。

 
 まったく別の事業所だが、びっくりするような質問を受けたことがある。

 「買物に同行して介助しているとき、利用者さんは、店で買った飲み物をのどがかわいたと、坐りこんで飲まれたとき、その時間は『中抜き』するのでしょうか」

 なんで、中抜きするの? 

 「プランには買物介助しかないので、飲むのを待っている間は算定できないのでは?」

 締め付けもここまでくれば、問題外である。

 利用者の当日の心身の状況から、想定外にパターンの介助が必要になるのは当たり前である。それをすべて中抜きなどしていたら、訪問介護は成り立たないではないか。


 別の事業所からこんな質問も。

 「二人とも要介護の夫婦で、夫が便失禁して廊下が便で汚れてしまい、妻はかがめないので掃除ができずに困っていると連絡がありましたが、その日はヘルパーの訪問日でない。プランに書いてない日に訪問しては行けないのでしょうか?」

 その便を2日後まで放っておくつもりですか?

 「・・・。プランにないので」

 臨時の必要性に基づく随時の訪問はケアマネジャーに連絡し、プラン変更して対応すればよいことではないか。

 本当に、行政の過度の規制が訪問介護のヘルパーやサービス提供責任者を萎縮させ、現場を歪めている。

 これでは、訪問介護事業そのものに嫌気がさし、モチベーションが消失してしまう。

 訪問介護の苦難を一刻も早く取り除かないと、在宅介護はますます危機である。
Category: 介護保険見直し
2010/01/21 Thu
 今年初めての「介護保険料に怒る一揆の会」世話人会。

 口頭意見陳述の認めない大阪府介護保険審査会の回答に怒り沸騰。

 さっそく抗議申し入れすることにする。

 不服審査請求運動をはじめてもう10年。

 はじめた当初はみんな65歳になりたての方が多かったが、今では、多くは75歳以上の後期高齢者の仲間入りをされ、80歳以上の方も多くなった。

 「やる気はあっても年をとってなかなか口頭意見陳述まで出てこれない人が増えている」

 との声も出される。

 「やっぱり65歳になりたての、“若い”高齢者」にどんどん審査請求運動に参加してもらわないといかん。」

60歳で定年退職しても年金はまだ満額もらえない。65歳になってやっと老齢基礎年金を含めて満額の年金を手にする。あまりの金額の少なさに愕然とする。

 それに追い打ちをかけるように、即座に「介護保険料」の決定通知と納付書が送られてくる。たいてい65歳になって年金を手にする前に、介護保険料のほうが先にやってくる。
 それも、今までの数倍もの高額な保険料となる。多くの人は「年金も貰わないうちから払うものだけ先に取るのか!」と怒る。

 さらに、それから半年もたてば、今度は介護保険料が勝手に年金から天引きされるようになる。何の断りもなくである。同時に、住民税や国民健康保険料も天引きになる。

 まさに「怒りの65歳」なのである。

 いま、大量に定年退職を迎えつつある団塊の世代は数年のうちにこの怒りの65歳を迎える。

 この怒りを正しく運動に結集すれば世の中をひっくり返すこともできる。

 まさに、新世代高齢者一揆である。


 かくして、一揆の会では
 
 65歳になったあなたへ というアピールを載せたリーフレットをつくることになった。

 
Category: 介護保険料
2010/01/20 Wed
 北河内地区の社会保障推進協議会の合同会議に出席した。

 テーマは、介護保険の訪問介護サービス。大阪府の「訪問介護サービスQ&A」の全面改正を受けて北河内地区(枚方市、寝屋川市、大東市、交野市、守口市、門真市、四条畷市)で、ローカルルールを根絶するための取り組みを協議するためである。

 各市の地域社保協の役員さんと、訪問介護事業所の方も参加された。

 その中で出た話。

 ヘルパーの通院介助で、病院内については、「介護保険の対象外」される。そのため、長時間院内で利用者に付き添っても介護報酬にはならない。ヘルパーの給与がもらえない。

 そこで、あるヘルパーが、病院の待合室で、利用者を座らせたまま、席を離れ、部屋の片隅で携帯電話でメールをしていた。

 介護保険の対象外で、無報酬だからつきっきりにならなくてもよい、という判断だろう。

 ところが、その光景を見ていた他の人が、「あのヘルパー、患者をほったらかしにして、仕事中にメールしてる」と市役所に「クレーム」の電話を入れた。

 その市のヘルパー事業所の連絡会に、市の担当者が言ったこと。

 「ヘルパーさんは、世間の目があるので、気をつけて行動してほしい」…!?

 聞いていたヘルパーは、「行政は病院内のヘルパーの付き添いは介護保険の対象にならない」と言ってるくせに、「気をつけよ」とはどういうことか」とカンカン。

 そりゃそうだろう。

 勝手に介護報酬をカットしておいて、その無報酬時間にあれこれ文句を言う資格はないだろう。

 まさに、役所の言いたい放題である。

 「病院内で付き添いが必要な利用者には、介護保険できちんと対応します。そのかわりヘルパーさんはしっかり付き添って下さい」というべきだ。

 報酬も払わず、態度は文句を言う。クレームを通報した市民には、役所の対応は棚に上げて、ヘルパーを注意しますというような対応をする。ヘルパーをバカにするのもほどがある。

 こんな北河内地区で、4月に訪問介護サービについてのセミナーは全事業所に呼びか掛けて開くことになった。

 各市へのサービス制限やローカルルール問題についての要望書も出して回答を求めることになった。また、ケアマネジャー・ヘルパーアンケートも行うことになった。

 もう、役所の身勝手は許さない。


Category: 介護保険見直し
2010/01/19 Tue
 大阪社保協の訪問介護ブックレット編集会議。

 出版社の仮割り付けをもとに最終の原稿確認をおこなった。

 もっとも議論で時間がかかったのは「本ん名称」でる。

 あーでもなし、こーでもなしと 4人で意見を出し合う。
 
 「これは堅い」「とっつきにくい」「語呂が悪い」

 こうしてやっときまったのが、

 介護保険活用ブックレット
 ここまでできる!ホームヘルプサービス
  “利用者の望む暮らし”を実現するために
  大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会編


 である。

 さあ、あとは3月の発刊に向けて最終の編集・校正作業である。
Category: 介護保険見直し
2010/01/18 Mon
 いわゆる「公設派遣村」が今日で打ち切られた。

 昨年の自主的な「年越し派遣村」を踏まえて、国・東京都に開設させたことは前進。しかし内容面では大きな問題があった。
 食と住まいは国と東京都が提供したものの、相談支援はきわめて不十分。利用者に「就職活動」ばかり強調し、必要な生活保護はなかなか決定されず。

 4日以降の住居は大部屋に35人も雑魚寝にさせる悪環境。持病が悪化して死亡者も出た。

 そして、産経新聞など一部マスコミが、「交通費2万円持ち逃げ」などと、意図的な報道を行ったこともあり、ことも本質をすり替えた、「厄介者」キャンペーンが広がった。

 ネットのツイッターで「派遣村」で検索すると、なんと、人間性を疑うような差別的な「つぶやき」で目を覆いたくなるような惨状であった。

 以下一部掲載
・公設派遣村、今日最終日だったらしいが、職に就けたの約500人中15人とかなんなの?人生舐めてんの?働く気ないだろ、本気で腹立つ
・562人中仕事決まったの15人って。しかも416人は生活保護。生活保護を申請するだけの場所じゃないか>公設派遣村
・派遣村にいる奴って働く気もないけど乞食っとこうって最下層だろ
・ 今更だけど派遣村って何なの?何のために?調べよう…。
・派遣村ニュース見てるけど仕事ないの? ハロワに行ってる友達は選び放題行ってたが、、、福祉関係はいやとかそういうなんかなx
・派遣村が終わった=東京都「お前らもう正月終了な!」=正月おしまい。 よし気分を切り替えよう、生活保護415人とか聞いてウワァって思ったけど、ウワァ
・派遣村、来年はよく考えるべき
・派遣村の実態。111人が金もらってトンズラ,かかった費用が1.5億円・・・ため息しか出ないな。福祉は必要なんだろうが費用は抑えるべきだろう。
・なるほど、子供手当て・パチンコ業界・民主党のビジネスモデルが判明!。。『探偵ファイル』の「派遣村のやつらを徹底的に尾行したら、支給された東京都の金でパチンコ屋へ入っていった」
・ アクセスで田中康夫さんが民主党大会でベーシックインカムを主張してきたとのこと。渡辺喜美さんも同調。と同時に派遣村に関してなんか文句言いたそう。
・派遣村の話題は仕事選ぶなって思いました。
・「派遣村」はパフォーマンスだろ。「むしろ“政治主導”という名目で、依怙贔屓的に既存正社員(の利害を代表していることになっている労組)を保護する動きが強まり、新卒・無業・非正規はますます割を食うことになるのではないか」


 中には、もっと前向きなものもあったが、多くがこの調子である。



 広がる格差と貧困が、もっともつながり、連帯しなければならない若者たちを分断し、真実を見つめる目と豊かな人間性を失わせている。そして、一部マスコミや、東京都知事の言動も。

 派遣村を反貧困と人間らしい労働と生活を求める国民的な共同のシンボルとして来年再び取り戻すための課題は大きい。
Category: 時局争論
2010/01/18 Mon
 三井環元大阪高検公安部長が、刑期を終えて出所したそうである。
  

 2002年、検察庁の組織ぐるみの調査活動費の裏金・不正流用を内部告発しようとして、逮捕され、情報漏洩などの罪で有罪判決を受けた。

 実はその当時、私のところにも複数のマスコミがコメントを求めに来た。

 また、市民オンブズマンの中には、三井氏救援を取り組んだ方もいる。

 当時私は、三井氏のあまりの脇の甘さ、元暴力団からの酒色の接待と、公安部長という立場から、いくら内部告発でも応援する気にはなれなかった。
 三井氏は1980年代から高知地検次席検事、90年代には高松地検次席検事として、調活費の不正流用に関与していたというところがその後、人事上の不満などの理由で、2000年から調活費の不正流用に関して匿名でマスコミに匿名で情報提供をしていた、という。

 内部告発の動機もどうも支持しがたいものだった。


 しかし、検察の腐敗は何とかしなければならない。
 
 私は、検察庁には、大きな不信を抱いている。私が2000年4月に刑事告発した、社会福祉法人の不正事件(横領事件)について、大阪府警から送検されたが、大阪地検は、不起訴処分にし、さらに検察審査会で「不起訴不当」の裁決が出たにもかかわらず、再度不起訴とした。2億3千万円もの老人福祉施設の運営費を横領した事件を門前払いしたのである。

 一方隣の京都地検は、京都府内の特別養護老人ホームでの3000万円の不明金事件で、不明金の究明を求めた元事務員に濡れ衣を着せ、10万円に満たない金額を「横領」したとして起訴した。元自民党幹事長野中広務の支配する町でのできごとである。

 さらに、三井元部長が告発しようとした調査活動費であるが、私は、間違いなく「不正流用はあった」と確信している。

 調査活動費は本来、検察庁が情報提供者への謝礼や内偵捜査の必要経費などに使うとされる。しかし、2009年ごろ、調活費の不正流用を内部告発する文書がマスコミに出回り、問題化した。

 指摘された手口は、架空の情報提供者を作り上げて架空の領収書を作成し、この金額を裏金としてプールするというもの。裏金は幹部検察官の私的な飲食などに使われていたという。


 市民オンブズマンで検察庁の調査活動費の公文書の情報公開をしたが、見てびっくり。1990年代半ばは月に100万円も使用され、その多くが「大阪府内の労働組合の事情調査」という名目で、協力者への謝礼などとなっている。

 当時、私は大阪自治労連の専従役員をしており、大阪労連にも深くかかわっていたが、私の周りの労組役員で官民、中小企業労組や地域労連含めて、大阪地検と接触のあった人間は誰もいない。

 検察の調査は、連合大阪のような労使協調組合でなく、大阪労連などにしないと意味がないはずである。あの月100万円は、たぶん、大半は検察官たちによって流用されていたのだろう。


 そもそも、検察が本気でこのような大金を使って、労働組合の内偵をしようとしていたとすると、とんでもない不当なことである。偏向調査もいいところで、まるで戦前の特高警察のような暴挙である。




 これも市民オンブズマンで、監査請求や訴訟も検討されたが、中途半端に終わった。

 しかし、この検察の調査活動費は、1998年の5億2千万円をピークに、減り続け、2008年には、7千500万円と、7分の1以下に激減した。もともと必要なカネならこんなに減らせるわけがない。

法務省はいまだに不正流用を否定しているが、三井氏にはぜひ、この裏金の真相解明に取り組まれるのならば、世論は好意的になるだろう。

 
 しかし、たまたま、時期がややこしい。

 民主党・小沢幹事長の4億円疑惑問題で、「検察との対決」をぶち上げた直後の出所だけに、安易な「反検察」の渦に巻き込まれつつある。実際、あの鈴木宗雄議員と連携して、「検察とのたたかい」をやるという情報もある。

 間違ってはいけない。検察の腐敗というのは、まともな捜査もせず、調査活動費を食い物にしたりしたことである。

 犯罪者や金権政治家に対する厳正な捜査そして逮捕・起訴は検察の公共的役割である。

 民主党びいきをするあまりモノゴトを見失っては困る。


Category: 時局争論
2010/01/17 Sun
 出所不明の4億円に、10数か所の不動産取得。ゼネコン裏献金、これだけそろえば、立派な金権政治家。

 どの法律に触れるか、という次元ではない。勤労大衆とは何の関係もない政治家は、即刻辞任。その前に真相は全部ゲロしてもらうのがスジ。

 ところが、今日 はじめたばかりのツイッター でガチャガチャやっていると、けっこう、「検察と国民の代表の対決」みないな論調が氾濫。 民主党支持者を中心に、ささやかれている。

 一方、今日告示の名護市長選挙。民主は、基地反対派の候補を支持しながら、初日は支援に訪れず。

 こちらもツイッターでは、「地元はさめている」とか「市民以外の者が騒いでる」とかいった、次元の低い議論がささやかれる。

 ネットの議論ではあるが、見ていてアホらしさを感じる。
 
 
 検察庁は確かに、権力の中枢である。しかし、金権政治家にターゲットを絞って捜査するのは当然である。

 おこがましくも当の金権政治の大ボスが、「検察との対決」を党大会でぶち上げ、これまた金まみれに金満政治家の鳩山首相が、バックアップする構図など、まともな人間なら絶対に支持できない。

 構造改革と経済危機の犠牲となって生活苦にあえぐ勤労者や、高齢者の生活、そして、60年以上の「占領状態」が続く沖縄の苦しみに思いを馳せれば、おのずと分かること。

 ツイッターには小沢・民主党は「検察と対決」するよりも「アメリカと対決」せよ、と書いたが何の反応もない。
Category: 時局争論
2010/01/17 Sun
 
 ついに当事者組織ができた。
 http://www.asahi.com/national/update/0115/TKY201001150486.html
 
内部告発の当事者らがネットワークを設立
(2010年1月16日)
運送業界の闇カルテルを内部告発した元トナミ運輸社員・串岡弘昭さん(63)、警察の裏金問題を記者会見で告発した元愛媛県警巡査部長・仙波敏郎さん(60)が15日、オリンパス現役社員・浜田正晴さん(49)とともに「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」を発足させた。
 浜田さんによると、公益通報者保護法の抜本改正を求めて活動する。仙波さんは、孤立させられがちな内部告発者を「体験者」として精神的にケアしたいと語った。
 浜田さんは社内の窓口へ通報した後に配置転換されたのは不服だとして会社を提訴したが、15日の東京地裁判決では「会社が通報を理由に配置転換を命ずることは考えにくい」として請求を棄却された。


 これまで、内部告発者支援の団体はあったが、当事者によるものは初めてである。
 
 私も10年前、社会福祉法人に不正に対し公務員個人として刑事告発に踏み切り、当局による不当配転にあった経験から、公務員の内部告発 や 福祉・介護従事者の内部告発 を支援してきた。匿名の内部告発ルームも続けている・

 公益通報者保護法もできたが、やはり内部告発には多大な犠牲、それもその当事者の一生の不利益になるような犠牲を伴うことが多い。

 「当事者ネット」! すばらしい試みである。

 願わくば、できるだけ、敷居を低くした、小さな勇気による小さな告発者も加われるようになってほしい。
Category: 内部告発
2010/01/16 Sat
あれほど大騒ぎしたにもかかわらず、要介護認定見直し問題はこれで「幕引き」か。

要介護認定「混乱はほぼ終息」-見直し検証・検討会
 厚生労働省は1月15日に「第4回要介護認定の見直しに係る検証・検討会」(座長=田中滋・慶大教授)を開いた。昨年4月の新方式開始後に「軽度化志向」と批判を受けていたが、認定調査員テキストの見直しなどで昨年10月以降に「非該当」や軽度に判定された人の割合が減少。検証・検討会は、混乱はほぼ終息したとして、今回で終了する。
(以上 キャリアブレインより引用)

 昨年4月に、多くの関係者の反対を押し切って要介護認定見直し(改悪)を見切り発車。4月2日に国会で、厚生労働省の内部文書が暴露され、この見直しが軽度認定化による給付削減を狙ったものであることが明るみに出て、大問題となった。
 厚生労働省は、「更新申請者で希望者には従来の要介護度で認定する」という経過措置を9月まで講じ、ゴマカシを図る一方、10月には認定調査員テキストだけの再修正した。

 そして、今回は「混乱は終息」と幕引きを狙う。

 認定に携わる者の経験から言えば、終息どころか、従来よりも明らかに軽度に出る人が一次判定で増えている。そして時々極端なブレもある。
 調査項目の再編とソフトの変更は全くの手つかずである。

 そして何よりも、要介護認定そのものの是非を問う議論も沈静化されようとしている。

 決して終息させてはならない。現場から、さらなる検証を。そして、要介護認定そのものの廃止も含めたダイナミックな問題提起が必要である。

 
Category: 介護保険見直し
2010/01/16 Sat
 介護保険では、自治体は、介護保険料を集めることと要介護認定をすることぐらいで、「相談援助」の機能は衰退している。

 相談援助はケアマネジャーか地域包括支援センター任せという、究極の公的責任放棄である。

 しかし、家族が要介護状態になって困った時、最初に訪れるのが「自治体窓口」である。
 介護保険では、要介護認定申請をしないと何も始まらないからだ。

 その申請を受け付ける自治体窓口は、見方によっては、インテークの機能を期待されていると言えるかもしれない。


 ある事例

 息子と二人ぐらしの70歳代の男性。妻が亡くなってから「うつ」状態で、家に閉じこもり、ひどい時は声をかけない限り、食事もたべずに一日過ごす。

 息子は、リストラで失業し、現在は職業訓練校に通いながら求職活動中。親とは「口もきかない」状態。

 見かねた娘が、要介護認定申請に訪れる。

 状態を聞くと、自分で出歩けるし、認知症はないようなので、そんなに重い介護度は期待できない。要支援1か要支援2くらいか。失業中の息子と外見的には「同居」なので、ケアマネによっては「ヘルパーの生活援助はダメ」と対応しかねない。

 相談にきている娘も、離れて住んでおり、シングルマザーでやっと仕事を見つけたところで、休みもとれず、要介護認定調査に立ち会うことも無理。息子も職業訓練校を休むこともできないし、父親との関係上、立ち会いもしない、とのこと。
 本人一人のときに訪問調査に行っても、ドアを開けてくれないかもしれない、という。そして、わが市の訪問調査は、直営であるが、夜間や土日は行かない。

 要介護認定申請の時点で、こういう問題を抱えた家族がけっこう多い。

 窓口で話を聞く、そのあとどう対応するか、どこにつなぐか、これはもっぱら自治体職員の姿勢にかかわってくる。

 この事例では、まず、地域包括支援センターの職員にも来てもらい、一緒に話を聞いてもらった。独居ではないが、独居以上に支援が必要であることをまず把握したうえで、精神保健分野とも連携したかかわりの方向を確認しあう。
 この時点で「同居家族がいるから」というヘルパー制限は消える。

 そして、認定調査員にも相談窓口に来てもらって、本人に調査を受け入れてもらうための段取りを綿密に打ち合わせる。
 
 この方について、民生委員と連絡をとると、民生委員も最近気がかりになっていた方だということも分かり、援助の方向について話し合いをすることになった。

 要介護認定申請 という、介護保険制度の入り口に来た段階で、援助の必要な方には、いかにその抱える問題点をつかみ、援助ができる機関につなげるか。

 インテーク機能も、介護保険の保険者の重要な役割だと思う。

 しかし、現実は、圧倒的な事務量と制約だらけの制度の中で、何も考えず、機械的に申請を受付け、型どおりの「制度説明」に終始していることがいかに多いか。

 私自身、反省の日々である。
Category: 介護保険見直し
2010/01/16 Sat
 昨夜は、大阪社保協で「訪問介護ブックレット」の編集会議。
 
 出版社のMさん が、昨年末に出稿した原稿をを仮割り付けしたものを持ってこられ、一読しながら今後の日程を決める。

 「大阪社保協の総会が3月6日やから、その前日にしよう!」と、本売りの鬼となる事務局長の一言で発行日が決まる。

 ところで、販売価格は…

 「500円くらいにならんやろうか」との、私の提案に

 「なんで、そんなにショボイこと言うの」と事務局長に一括され、1000円となる。

 あとは、追加原稿と校正作業。渋る出版社のせかして、だいたいのスケジュールを確認。

 会議後は、3人で、天満裏界隈の居酒屋・「信長」(馬肉料理がおいしい)で、桜鍋を食べに行く。
 
 燗酒を飲みすぎ、ヘロヘロで帰宅。
 
  
Category: 介護保険見直し
2010/01/14 Thu
 今年初めての「堺市の介護保険を考える会」世話人会。

 会の今後の在り方について議論した。

 この会は、2005年に介護保険見直しの議論の中で、堺市内の介護保険事業者やケアマネジャー、自治体職員らがはじめた「堺市の介護保険見直しと地域包括支援センター問題を考える会」が出発だった。それからいろいろ形を変えながらずーっと続いている。「事業者連絡会」でもなければ「ケアマネジャー連絡会」でもない。

 興味関心を持つケアマネなどが集まり、さまざまな情報を交換したり、調査をしたり、それをもとに研修会やシンポジウムをしたり、さらに行政に「提言」を行ったりとさまざまな活動を自由に行ってきた。

 とくに、一昨年の「ケアマネジャーの報酬外業務」については、市内のケアマネジャーアンケートをもとに報告書をまとめ、「ケアマネただ働きを考えるシンポジウム」を開き、「介護報酬改定への提言」も行った。提言や報告書は厚生労働省老健局振興課の課長補佐にも手渡した。また、マスコミにも取り上げられた。

 09年度介護報酬改定での独居高齢者加算や認知症加算の制度化にもつながったと自負している。


 昨年3月には、要介護認定見直し問題を考えるシンポジウムも開いた。

 そして、今は、再び地域包括支援センター問題に取り組んでいる。

 今日午後には、堺市当局と地域包括支援センターを運営している福祉サービス公社に「要望書」も出した。

 会の今後の在り方の議論では、さまざまな意見が出されたが、やはり、「気軽に参加でき、いろいろなしがらみにとらわれず、率直に発信、提言ができる」今までのやり方で行こう、ということになった。

 あせらず、しかし、率直かつ、大胆に提言を。これが会の方向性だろう。

 これからの介護保険見直し議論が楽しみである。
Category: 介護保険見直し
2010/01/13 Wed
 1月12日の夜は、もう5回目になる
 「不適切な『ケアプラン点検事業』と不当な『ローカルルール』是正をめざす東大阪市ローカルルール問題検討会」。

 いつもの東大阪市内の事業所の方やケアマネジャーに加え、東大阪社保協の事務局長も、医療生協のケアマネさんも参加された。

 ようやく、東大阪市相手にたたかう構えも整った。

 まず、市内事業所向けの訪問介護サービスについてのアンケート、ケアプランチェックについてのアンケートを検討した。そして、東大阪市への「要望書」の内容検討、そして3月7日に東大阪市内で開く「大阪府訪問介護サービス内容Q&A改正問題研修会」の企画を決めた。

 いずれも1月から送付したり提出したりである。

 2月は東大阪月間となりそうである。
Category: 介護保険見直し
2010/01/12 Tue
 最近、「ツイッター」ということばをよく聞くようになった。

 何のことかよくわからん。何か新しいインターネットメディアらしい。

 さっそく、登録したが(@ombudsmank)、使い方がサッパリわからない。


 そういえば、私のサイト「福祉・介護オンブズマン」も始めたのが2002年だからもう9年近くになる。このブログも2006年だからもう3年半になる。

 パソコンやらインターネットやらようわからん、と言いながら、仕方なく、必要に迫られて初めてきた。私のように大組織を持たず、金も人もない人間にとっては、このインターネットというメディアはまことにありがたかった。

 だいたい、「言論出版の自由」というが、言論を印刷物にして配ったり、電波に載せて発信する経済力のない者にとっては、その「自由」は享受できない。

 このことは、私は2000年4月以降、痛いほど分かった。かつての私は労働組合の、それも大きな労組の幹部だったから、ビラを作って配るということにさほど不自由したことはなかった。何万枚ものビラを作って全戸配布したこともある。宣伝カーで町中を演説してまわることもできたし、駅頭で宣伝行動もできた。

 しかし、2000年4月たった一人で社会福祉施設の不正を刑事告発し、市当局と対峙したとき、マスコミが私をもてはやすように報道してくれた数週間を除くと、まったく自分の主張を社会に発信するすべがないことに気がついた。

 そこで、職場のパソコンおたくの人に助けられながら始めたのがホームページである。

 実に大きな影響を発揮させていただいた。全国からメールをいただいたし、遠くはアメリカ在住の方、ドイツ在住の方や韓国の方とも知り合いになることができた。

 マスメディアに対し、個人が情報発信できて相互交流もできるメディアを、「ソーシャルメディア」というそうである。私にとって、インターネットはまさにそれであった。

 「掲示板」というものもやろうかと思ったが、私のサイトにアクセスしているうちの何割かは行政(堺市や大阪府、そして検察庁や厚生労働省など)であり、いわば「敵情視察」「監視」もインターネットでされていることも分かっていたので、「掲示板荒し」の危険性があるのでやめた。

 そして、なぜか、「これからはブログの時代だ。小学生でもやっている」と言われて始めたのがこのブログである。

 いまでもこのブログというやつの機能がよくわからない。「コメント」はわかるが、「トラックバック」て何のためにあるのやら、そして「拍手」というのもよくわからない。まあ、アップした記事には何人か必ず拍手いただいているので、共感を得ているのかな、と勝手に感謝している。

 
 今度は、正月休みのときに、鳩山首相がツイッターを始めたというニュースを見て、「あのオッサンにできるのやったら、ワシでもできるかな」と思った。

 そして、次は、共産党の小池晃参議院議員がツイッターを始めた ということを聞いて、「よし、やってみよう!」とはじめた。

 しかし、「140文字以内のつぶやき」を書く、というところでつまずいた。いったい何を書けというのか。そして、「フォロー」するというが、いったい誰を? とりあえず、鳩山首相と小池参議院議員くらいか。

 あとは、なんやかんや機能があるが、エーい!わからん!もう今日はやめた。こんなややこしいもんワシみたいなオッサンにわかるわけないやろ!

 まあ、今日はこれでおしまい。あとはぼちぼちやるしかない。

Category: 雑感・雑記
2010/01/11 Mon
 午後から、東大阪市民会館で開かれた「「高齢者の安心・安全な暮らしを考える生活アセスメント」講演会に参加した。今日は、一受講者である。

 この「生活アセスメント」は、一昨年に、東大阪短大の先生から購入した本「福祉・介護に求められる生活アセスメント」(中央法規)を読んだ時から、一度研修会があったら行きたいと思っていた。
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 講演会の講師は、牧洋子・日本福祉大学教授である。牧先生は、以前、大阪市西淀川区で医療ソーシャルワーカーをされており、西淀川公害訴訟勝利に貢献されたことで知られている。
 
 じつは、私も2004年に 「介護福祉士選書 新版老人福祉論」という本の一つの章を執筆したとき、編者の一人が牧先生であった。

 今日、はじめて、牧先生の「生活アセスメント」の話を聞かせていただき、本当に勉強になった。

①当事者の生活の構造を歴史的にとらえること
当事者とその世帯の生活の背景にある、社会的状況、労働・経済の状況まで捉え、その相互的規定関係まで捉える

②当事者の生活に関して社会(自治体行政や制度)が何をすべきかを個別的に明らかにすること
高齢化による介護の社会的ニーズは、資本主義の発展(高度経済背長)による労働力流動化による家族機能の縮小  と、生活様式の変化、そして収入の欠如の上に生起していること、それゆえ、そのニーズは社会的に対応すべきで  あり、ニーズは国民の生存権保障の権利要求そのものであるということ。
③アセスメントとは、援助者と当事者が生活困難についての認識を共有し、共感と共同をつくること
  
  ケアマネジメント研修で語られる「アセスメント」の多くが、極めて技術論的な、プラグマティックな内容が多い中で、牧先生の「生活アセスメント」の講義は、とても社会科学的であり、個人というミクロを通して、社会や制  度というマクロまで解き明かし、援助者と当事者の関係を単なる技術的な「信頼関係」術(アイコンタクトをとるとかうなづくとか)の次元でなく、「共感と共同」であると明快に語られた。ぜひ、この話は心あるケアマネジャーに聞かせたあげたいと思った。

 最後に、先生が言われた、「制度に負けないソーシャルワーク」。
 第1に、ソーシャルワーカーの「使命感」と「力量」
 第2に、問題を共有し解決をめざす仲間の力
  アセスメントを文章化し、それを武器に制度(行政)を説き伏せる。

  これはケアマネジャーにぴったり当てはまる。
Category: 介護保険見直し
2010/01/10 Sun
 昨晩(1月9日)夜は、堺市西地域在宅ケアを考える会の例会。

 1月23日午後に開催予定の公開学習会の準備と最終の打ち合わせを行った。


あなたや家族が要介護状態になったときに安心して暮らせる場所はあるのか?
西地域における高齢者施設・居住系サービスの現状を考える
 
 公開学習会
                                        
2010(平成22)年1月23日(土)午後2時~4時30分
ウエスティ(堺市西文化会館)7階セミナールーム (参加費無料)
 報告 西地域の高齢者施設・居住系サービスの状況
シンポジウム  「高齢者の住まいと施設を考える」
報告者:病院ケースワーカー、利用者家族、ケアマネジャー、グループホーム 
※会場内に高齢者施設・住宅紹介相談コーナーも設けます。

特別養護老人ホームの入所待機者は堺市内でのべ5000人といわれています。グループホームもここ数年増えていません。有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅の役割も高まっています。「施設に入るのにいくらかかるの?」「必要な
ときにすぐ入れるのか?」… 老後の住まいの不安は大きくなっています。あなたや家族が要介護状態になったときに安心して暮らせる場所はあるのか? 西地域における高齢者施設・居住系サービスの現状を考える公開学習会です。
 会場には西区内の高齢者施設・住宅の紹介コーナーも設けます。



 
 特別養護老人ホームの待機のことが話題になり、「そんな今、すぐ入れるところないで」「お金さえあれば有料老人ホームでなんとかなるが…」「グループホームの中には2年そこそこで管理者が3人も変わっているところもあるし」…。
 例会に参加していた80歳の要介護2の女性は「私の行くとこ、この西区にあるの!」と一言。

 そう、いざとなったらどこにも行くとこがない。これが、地域おける介護保険の実態である。要介護者も家族も事業者もケアマネジャーも一緒に立場を超えてこの地域の実情をしっかり見据えて考えるのがこの学習会(シンポジウム)の目的である。 
 地域の高齢者専用賃貸住宅やグループホームにも参加を呼びかけ、民生委員の方にもご案内をしている。

 ささやかな取り組みではあるが、少しでも地域をよくするネットワークが広がれば、と思う。



 
Category: 介護保険見直し
2010/01/09 Sat
 障害者自立支援法違憲訴訟の原告団と国(厚生労働省)の基本合意文書を昨日から何度も読み返している。

 とくに、国が
 「違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感しこれを真摯に受け止める」
 「応益負担の導入等を行ったことにより障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたこと」
 「障害者及びその家族に心から反省の意を表明する」
 の3点を認めたことは、画期的という以外にない。

 71人の障害者と家族の生活そして命をかけた血の叫びが新政権を揺さぶった。全国で次々と違憲訴訟が起こされ素晴らしいひろがりと共感を生み出したことがいちばん大きな勝因だと思う。

 そして運動の先頭にそして中心に当事者が常にいたことが何よりもすばらしい。

 今回の基本合意文書は、理解力の不十分な障害者のために「簡易説明版」も用意された。


裁判(さいばん)を起こした(おこした)みんなと国(くに)(厚生(こうせい)労働省(ろうどうしょう))との間の約束(やくそく)平成22年1月7日
 全国(ぜんこく)の原告(げんこく)71人は、これまで、国(くに)と話し合い(はなしあい)をしてきました。国(くに)が原告(げんこく)が裁判(さいばん)を起こす(おこす)しかなかった意味(いみ)をわかって、これからの障害者(しょうがいしゃ)福祉(ふくし)は、障害(しょうがい)のある人(ひと)が世の中(よのなか)で一人(ひとり)の人間(にんげん)として当たり前(あたりまえ)に安心(あんしん)して生きて(いきて)いけるように精一杯(せいいっぱい)がんばることを約束(やくそく)したので、次(つぎ)のように、約束(やくそく)ごとを文章にして確認(かくにん)することにしました。
1 国(くに)は、なるべく早く(はやく)応益(おうえき)負担(ふたん)制度(せいど)をなくし、障害者(しょうがいしゃ)自立(じりつ)支援法(しえんほう)も平成25年8月までにはなくして、新しい(あたらしい)制度(せいど)をスタートします。
その新しい(あたらしい)制度(せいど)では、障害者(しょうがいしゃ)福祉は、障害者(しょうがいしゃ)の基本的(きほんてき)人権(じんけん)が守られる(まもられる)ことを基本(きほん)とすることにします。
2 国(くに)は、憲法(けんぽう)違反(いはん)だと裁判(さいばん)を起こした(おこした)原告(げんこく)のみなさんの思いに共感(きょうかん)し、真剣(しんけん)に受け止めます(うけとめます)。
十分(じゅうぶん)に障害者(しょうがいしゃ)の意見(いけん)や生活(せいかつ)も調べず(しらべず)、あわてて障害者(しょうがいしゃ)自立(じりつ)支援法(しえんほう)を作って、応益(おうえき)負担(ふたん)制度(せいど)を持ち込(もちこ)んだため、障害者(しょうがいしゃ)や家族の人(ひと)にたくさんの苦労(くろう)をかけ、人としての尊厳(そんげん)をとても傷つけた(きずつけた)ことを心から(こころから)反省(はんせい)しています、これからはその反省(はんせい)を忘れず(わすれず)に、新しい(あたらしい)制度(せいど)を作って(つくって)いきます。
 これからの制度(せいど)は、この反省(はんせい)を大事(だいじ)にして、原告(げんこく)のみなさんから寄せられた(よせられた)要望書(ようぼうしょ)を受け止め(うけとめ)、「障(しょう)がい者(しゃ)制度(せいど)改革(かいかく)推進(すいしん)本部(ほんぶ)」というところで、障害者(しょうがいしゃ)ご本人(ごほんにん)が十分(じゅうぶん)に参加(さんか)した会議(かいぎ)で、よく実態(じったい)と意見(いけん)をきいて決めます(きめます)。
3 裁判(さいばん)では、利用者(りようしゃ)負担(ふたん)のおかしいところや、サービスを月(つき)に受ける(うける)ことのできる量(りょう)が、地域(ちいき)によって削られたり(けずられたり)する問題など、障害者(しょうがいしゃ)自立(じりつ)支援法(しえんほう)のいろいろな問題点(もんだいてん)も明(あき)らかにしてきたので、そこを十分(じゅうぶん)に考えて(かんがえて)、新しい(あたらしい)制度(せいど)を作って(つくって)いくように、「障がい者(しゃ)制度(せいど)改革(かいかく)推進(すいしん)本部(ほんぶ)」でよく検討(けんとう)し対応するようにします。
4 障害者(しょうがいしゃ)自立(じりつ)支援法(しえんほう)を廃止(はいし)する3(3)年半(ねんはん)の間(あいだ)も、応益(おうえき)負担(ふたん)制度(せいど)をなるべく早く(はやく)なくすため、今年4月(がつ)からは、税金(ぜいきん)が非課税(ひかぜい)の人(にん)は、福祉(ふくし)サービス(さーびす)と補(たすく)装具(そうぐ)の負担(ふたん)はゼロにします。医療(いりょう)については、まだゼロになっていませんが、ひきつづきそうなるように努力(どりょく)を続けます(つづけます)。
5 これから国(くに)が、ここで約束(やくそく)したことを、ちゃんと守って(まもって)いけるかどうか見守る(みまもる)ために、原告(げんこく)と国(くに)とで、定期的(ていきてき)に集まって(あつまって)、意見(いけん)交換(こうかん)をしていくことにします。


 このように書かれると、実にわかりやすく、しかも感動的である。

 2008年秋から、全国で次々と「障害者自立支援法は憲法違反」と訴訟が起こされ、原告は71人、弁護団は80人以上に及んだ。
 昨年9月の新政権発足直後の9月下旬から、各地の地裁で、国が裁判で争う姿勢を転換し、9月29日に国から「訴訟解決について話し合い」の申し入れがあって以降、年末ぎりぎりまで、協議が続けられ、基本合意案が示されてからも1月4~6日に全国の原告団・弁護団が話し合いを続け、1月7日午後には、原告・弁護団・勝利をめざす会による「全体会議」が東京で開催され、原告のおもいを素直に出しあい、確かめあい、共感しあって、みんなで語り合いながら合意について話し合い、その意志を固めあったという。
 7日夕方の調印式は、厚生労働省の講堂で1時間近くかかって行われ、長妻昭厚生労働大臣は、「障害者の尊厳を深く傷つけた」「こころから反省を表明」し、「今日を新たな出発点として、障害者の皆様の意見を真摯に聴いて新しい制度をつくっていく。その前にできる見直しは進める」と約束した。
 
 来年度予算で低所得者の負担無料化の予算が107億円しか計上されないなど、不十分な点はあるが、この基本合意は、
 (1) 国と原告らとが真摯かつ積極的に合意形成に努めた協議が生み出した
 (2) 国の制度・法律の変更自体を約束するという、基本的な政策形成に関し、訴訟当事者と国とが確約するという初 めてのもの
 (3) 国が自立支援法の制定経過の問題点と応益負担の導入を反省し、再発防止を約束している
 (4) 今後の障害福祉施策の基本理念として、初めて、基本的人権行使の支援にあることを明確にした
 (5) 合意内容実現のため定期協議による検証の場を設けたこと等、社会保障裁判の歴史や障害者福祉運動において画  期をなす歴史的なもの
 原告らが、まさに自らの生活の実態や苦しみや不安を、勇気をもって各裁判所に訴えてきた、その一つ一つの事実の重みを、国が受け止めざるを得なかった結果だ。(原告団・弁護団声明より)
 
 
 4年前、「介護保険との統合」を旗印に1割の「応益負担」を課した障害者自立支援法の廃止をめぐるたたかいは、裁判闘争によって、新たな局面を開いた。

 このようすを見ていて、介護保険についての全国的なたたかいの立ち遅れについて率直に反省せざるを得ない。

 それ以上に後期高齢者医療制度については、2008年に全国1万人以上の不服審査請求運動を組織しなが、次の裁判闘争の段階にすすめなかったことを今さらながら悔やんでいる。こんなことならば、大阪だけでも違憲訴訟に踏み切ればよかった。私は、2008年6月の中央社保協総会で「後期高齢者医療は不服審査請求から違憲訴訟へ」という提言を行った。11月の大阪での会議と、東京での会議でも、裁判闘争を訴えたが、全国的な裁判闘争にはついに発展しなかった。

 しかし、まだまだこれからである。障害者のたたかいに学び、そして連帯しよう、を合言葉に、後期高齢者医療制度廃止、そして介護保険制度も廃止へと、歴史の歯車を回すときである。
 


   




Category: 介護保険見直し
2010/01/08 Fri
 大阪の 09年度の保険料集団不服審査請求(介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民健康保険料で合計1133件)について、各地域の代表が昨年11月に「口頭意見陳述」の申立をおこなっていた。

 これに対し、大阪府後期高齢者医療審査会と大阪府国民健康保険審査会についてはに口頭意見陳述の期日(国保料1月26日と後期高齢者医療保険料1月29日)を通知してきた。ただし、審査会委員ではなく事務局職員による聴取である。

 ところが大阪府介護保険審査会は、いまだに口頭意見陳述申立者に意見陳述の期日を通知せずである。

 そればかりか、昨年末にこのようなふざけた「回答文」を一揆の会あてに送りつけてきた。


平成21年12月18日

介護保険料に怒る一揆の会
 代表   宮 崎 守 正 様

                        
                        大阪府介護保険審査会  会 長 池 田 敏 雄


不服審査請求口頭意見陳述についての要望書について(回答)

 平成21年11月26日付けで要望のありました標記について下記のとおり回答します。

                    記

 口頭意見陳述について定めた行政不服審査法第25条第1項但書は、「本案審理に関する規定であって、要件審理には適用も準用もされないと解する」とされており、審査請求が適法である場合は、申し立てた者にその機会を与えなければならないものですが、審査請求が不適法である場合には、申立てがあってもその機会を与える必要はないと考えております。
 また、行政不服審査法第31条では「職員による審理手続」が定められており、口頭意見陳述の場に当審査会委員が出席することは要件とされておりません。
 なお、意見の聴取後は、審査請求人が陳述内容の確認をし、陳述録としてとりまとめ、審査委員に報告しており、審理に支障をきたすものではないと考えております。
 さらに、口頭意見陳述は、請求人からの申立てにより実施するものであることから、その場所や方法につきましては、これまでから、審理手続きを迅速に進めるため、当審査会が指定することとしております。
 したがいまして、当審査会として、ご要望に沿うことはできませんが、今後とも、簡易迅速な国民権利の救済という行政不服審査法の趣旨に沿って、事案の審理してまいります。



 口頭意見陳述の不服審査請求の当事者たる国民に権利として保障されたものである。また、われわれの650件もの審査請求があたかも「不適法」であるかのように扱おうとしているが、不服審査請求の対象となる行政処分(平成21年度介護保険料賦課決定処分)が厳然と存在し、法定期間(処分を知った日の翌日から60日以内)に出された不服審査請求は、形式的にも実態的にも「適法」である。

 なにをいつまでも寝ぼけた理屈をこねまわしているのか。

 もし、大阪府介護保険審査会が、このような不当な理屈で、本案審理に入らず、口頭意見陳述に入らず、一方的に裁決を下すのであれば、その裁決自体が違法である。


参考
 口頭意見陳述の機会付与申立ては、当事者たる国民および利害関係人に権利として保障されているので、審査庁においてすでに処分を正当とする実体的心心証を得ているというような理由によって、これを拒否しうるものではない(東京地裁判決 昭和45.2.24)
口頭で意見を述べる機会を提供する義務や違背してなされた裁決は、手続き上重大な瑕疵が違法なものとして、その内容の当否を問わず取り消しを免れず、このことは、審査請求が不適法であって補正ができないものであることが一見して明らかである場合のほかは、実体的審理の段階であると否とにかかわらない(長崎地裁判決 昭和44.10.20)


 

 
Category: 介護保険料
2010/01/08 Fri
沖縄県那覇市の社会福祉士 高木さん から生活保護裁判支援の訴えが届いた。

まるで、以前の北九州市のような残酷生保行政である。餓死者が出てもおかしくない不当な生保からの締め付けである。
 絶対に許してはならなない。

転載歓迎とあるので、以下に掲載。


沖縄の社会福祉士事務所いっぽいっぽの高木です。

先日お伝えした那覇市に対する「仮の義務付け」に対し、
那覇市が即時抗告をしてきました。

70歳を超える高齢女性の生活は急迫状態です。

その責任をどう感じているのでしょうか。

ご支援、応援お願いします




以下は高木さんのブログからの抜粋。事件の概要がよくわかる。

09年12月23日

70歳代女性の方で、昨年12月に本来なされるべき支援や手続きがなされずに生活保護を廃止され、医療費も支払えず、一日の食事さえも十分に取れない生活状況が続き困窮を極めていました。度重なる申請を市は、友人や子どもたちの援助があるから「急迫状況にない」と却下し続けてきました。

しかし、友人や子どもたちの援助は、急迫状況を見かねて自らの生活にもそんなに余裕がない中で、あくまで善意でなされているきわめて不安定な「援助」であり、「これがあるから急迫でない」というような論理を理由に生活保護申請を却下され続けられることは到底納得できるものではありません。そこで不服審査請求を行いましたが、県は、市の主張をほぼ全面的に認め、私たちの主張は棄却されました。

そこで、弁護士さんに那覇市を相手に裁判(仮の義務付けの申し立て)を提起してもらえるようにお願いをしました。この「仮の義務付け」の申し立ては「償うことのできない損害=この場合、放置すると死にいたるということ」を避けるために迅速に対応する必要があるなどの場合に提起できます。

一方で、こうした生活状況の中で、さらに困窮を極める来談者の方の生活に「いっぽいっぽ」は、かなりの頻度で食事を運んだり、病院に同行したり、お金がないことからくる生活上の課題に対する支援を行ってきました。

そして、遂に那覇地方裁判所が私たちの主張を認める「仮の義務付け」認容決定を行いました。これは、不服審査請求の時に棄却された県の裁決より事実上の効力があるもので、本案の処分取り消し訴訟はまだまだ続くものも、司法が現在の生活状況から「仮の義務付け」を認めた決定(判決に相当する)を出したことは生活保護関連では極めて異例だといえます。


そして、10年1月5日
昨年12月22日に出された「生活保護開始仮の義務付け決定」に対し那覇市が即時抗告を行ってきました。

決定書にもあるように、急迫状況にある申立人の生活保護申請を却下し続けることを「処分行政庁の範囲を超えるもの」として裁判所が認定したものについてどのように考えるのでしょうか。

那覇市のサジ加減ひとつで急迫状況にある市民の生存が左右される事態は、とても尋常なこととは思えません。また、決定書では、金銭管理能力に疑義が残る申立人に対し「支援を尽くしたとは認め難い」とも書かれています。

つまり、支援を尽くさずに一方的に生活保護を廃止し、その後の申請に対しては、那覇市の思惑によって却下し続けていると裁判所が認定したにもかかわらず、即時抗告を行ったということは、このことに対しての反省がないばかりか、恣意的な運用を堂々と行っていくことを宣言することに近いといえます。

その意味において那覇市の即時抗告に対し強く抗議いたします。

社会福祉士事務所いっぽいっぽは訴訟の当事者ではないものの申立人を支援してきた立場から、一支援者としてこの裁判を支えていく決意です。

急迫状況の中で生活している70歳を超える高齢女性に対し、一刻も早く日本国憲法第25条の理念に基づいた賢明な選択がなされることを願っております。



不当な那覇市の生活保護行政とたたかう高木さんと高齢女性に支援を!


Category: 介護保険見直し

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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