2010/06/20 Sun
 6月19日午後、堺市内で開かれた「要介護認定を考える学習会」。

 2名のケアマネさんの「不服審査請求を体験して」の報告が参加者の共感と称賛を呼んだ。

 「要介護5」だった退院間もない利用者が「要支援1」に認定された事例。

 「なんでこんなことに!」という家族と本人の思いを大切に、不服審査請求を取り組んで、「認定調査に瑕疵がある」と大阪府介護保険審査会に認めさせ、保険者の「要支援認定取り消し」の裁決を出させ、認定をやり直させた。

 要介護2の利用者。状態が悪化し、区分変更申請。認定調査が終わった後に、さらに状態が急激に悪化し、寝たきりで寝返りもできない状態に。保険者に再調査を求めても、「結果が出てから再度区分変更申請をすればよい」と言われた。ところが、結果は「区分変更却下」。

 限度額オーバーで多額の自己負担も発生し、「ナットクできない!」とケアマネが代理人となり不服審査請求。

 いろいろ紆余曲折があったが、大阪府介護保険審査会は、調査後状態が悪化したのに再調査をしなかった保険者に対し「不十分な情報で認定審査会を開催した」と批判し、「区分変更却下処分は不当」との裁決を下した。「区分変更却下処分は取り消し」となり、改めて「要介護4」の認定になった。

 二人は、「労力と時間はかかったが、不服審査請求をやってよかった」と口をそろえる。

 参加者のあるケアマネは「納得できない認定が多い中、お二人に闘っていただいて本当に感謝している」と感想を述べた。学習会に参加した60名あまりのケアマネ全員が共感と称賛の拍手を送った。


 二人のケアマネはどちらも、自分で小さな事業所を立ち上げ運営している女性。

 日々、利用者支援に事業所運営にかけずっている普通のケアマネである。

 社保協運動に参加しているわけでもなく、「よりよい介護をめざすケアマネジャーの会」の会員でもない。

 「ナットクできない」「利用者・家族のの悔しい思いをなんとかしたい」。この思いにかられる時にケアマネは、たたかう道を自然に選ぶのだと思う。

 そして、こうした小さなたたかいと、それに共感する地域のケアマネたちが、少しずつ介護保険を変えていく力になるだろう。


 参考

 学習会の事前アンケートより(堺市内の居宅介護支援事業所の介護支援専門員対象)

1 この一年間の間で、不適切、あるいは納得いかないと思う認定結果がありましたか。
  
あった76.8%  なかった23.2%
 
2 1で『あった』を選んだ方にお聞きします。それに対しあなたはどうされましたか。
 
区分変更申請をした60.0% 何もしなかった40.0% 審査請求をした0.0%

3 2で『区分変更申請をした』を選んだ方にお聞きします。それは誰の意思で行いましたか。

介護支援専門員34.6% 利用者・家族53.8% 申請窓口で勧められた7.7% その他3.8%

4 要介護認定は次の制度改正でどうすべきだと思われますか。

 現行のままでよい13.0%   内容を変えるべき65.2% 無くすべき21.7%


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Category: 介護保険見直し

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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