2010/11/30 Tue
社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度見直しに関する意見」の最終案がやっと出た。

11月25日の介護保険部会では、委員の意見を「最終の修正は山崎部会長に一任」と強引にまとめていた。

28日になってもまだ最終案は委員の手元に届かず。

ようやく29日に最終報告書がまとめられた。

少しだけ、書き加え、書き換えがある。

負担増・給付削減の各項目を整理してみた。




1 利用者自己負担引き上げ
…限られた財源の中で、高齢者の負担能力を勘案し、所得に応じた負担を求めることが適当であり、一定以上の所得がある者については利用者負担を例えば2割に引き上げることを検討すべきである。
一方、介護保険は区分支給限度基準額が設けられているなど、医療保険とは異なる仕組みであり、負担増を求めることには慎重であるべきとの意見があった。(27~28頁)

2 居宅介護支援の自己負担導入○ 利用者負担の導入については、ケアマネジャーによるケアプランの作成等のサービスは、介護保険制度の根幹であり、制度の基本を揺るがしかねないこと、必要なサービス利用の抑制により、重度化につながりかねないことなど、利用者や事業者への影響を危惧する強い反対意見があった。さらに、セルフケアプランが増加すれば、市町村の事務処理負担が増大することなどから、慎重に対応すべきであるとの指摘があった。
○ 一方、制度創設から10年を経過し、ケアマネジメント制度がすでに普及・定着していると考えられること、小規模多機能サービスや施設サービスなどケアマネジメントが包含されているサービスでは利用者が必要な負担をしていること等も考慮し、居宅介護支援サービス及び介護予防支援サービスに利用者負担を導入することを検討すべきであるとの意見があった。これにより、利用者自身のケアプランの内容に対する関心を高め、自立支援型のケアマネジメントが推進されるのではないかとの考え方もある。 なお、その際には、適切なサービスの利用を阻害しないよう配慮することが必要である。
(19~20頁)

3 多床室の室料負担の見直し…今後、利用者負担について、更なる在宅との均衡を図るため、多床室についても、低所得者の利用に配慮しつつ、減価償却費相当額を保険給付対象外とする見直しが必要である。
○ 多床室の減価償却費相当額を利用者負担とすることについては、その居住環境を考慮し、居住費については現状の光熱水費相当を維持すべきであるとの意見があった。(32頁)

4 補足給付の支給要件の厳格化(家族の負担能力の勘案)
 …入所前に同居していた家族に負担能力がある場合や、入所者自身が財産を保有しているケースがある。このため、補足給付の低所得者対策としての趣旨を徹底する観点から、保険者の判断により、施設入所者について可能な範囲で家族の負担能力等を把握し、それを勘案して補足給付の支給を判断することができる仕組みとすべきである。
一方、保険者によって取扱いに違いが生じることが想定されることや、正確な賅産把握が困難と考えられることから、慎重な検討が必要であるとの意見があった。(31頁)

5 要支援者・軽度の要介護者へのサービス(保険給付対象外・2割負担化)
 ○ 今後さらなる高齢化の進展とともに、介護給付が大幅に増加していくことが見込まれており、重度者や医療ニーズの高い高齢者に対して給付を重点的に行い、要支援者・軽度の要介護者に対する給付の効率化と効果の向上を図ることが適当か否かを検討する必要がある。
○要支援者・軽度の要介護者にかかる給付については、次のような二つの意見があった。
・生活援助などは要支援者・軽度の要介護者の生活に必要なものであり、加齢に伴う重度化を予防する観点からも、その給付を削減することは反対である
・介護保険制度の給付の対象外とすることや、その保険給付割合を引き下げ、利用者負担を引き上げるなどの方策を考えるべきである
(10~11頁)

6 地域支援事業(総合的生活支援サービス)
 …特に、要支援1、2と非該当を行き来する人については、これらのサービスを切れ目なく提供するという観点から、予防給付と生活支援サービスを一体化し、利用者の視点に立って市町村がサービスをコーディネートすることが効果的なのではないかと考えられる。このため、保険者の判断により、サービスを総合化した介護予防・生活支援サービスを地域支援事業に導入し、配食サービス、在宅の高齢者への特養等の食堂での食事の提供等が効率的に実施されるような仕組みを検討する必要がある。
なお、この場合、十分な財源確保と一定のサービス水準が維持されるよう留意すべきであるとの指摘があった。(11~12頁)




「2割負担」の表現が出たり消えたり、結局残った。また「強い反対意見」という表現も使われた。

「両論併記」の報告書である。

両論のうち、改悪メニューを許さない意見を「国民世論」で、圧倒的多数にし、政府厚労省に改悪を断念させよう
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Category: 介護保険見直し
2010/11/28 Sun
 今日(11月28日)午後は、「どうなる!?  どうする!? 介護保険見直し関係者学習決起集会 ~社会保障審議会介護保険部会委員 勝田登志子さんと語る~」。

 ケアマネジャー、ヘルパー、介護関係者、そして利用者家族も参加し、会場はいっぱいになった。
 
 メインは、社会保障審議会介護保険部会で、唯一の利用者家族代表として半年間がんばった勝田登志子さんの講演。

 認知症の人と家族の会の副代表でもある。勝田さんの目から見た介護保険見直し検討の内幕がとてもリアルに語られた。

 とくに、厚労省の役人がいかにマスコミ操作も含めて「賢く」立ちまわったか、そして「学識経験者」なる委員先生たちが、どのような役割をはたしたか。

 こんな場で介護保険見直しが検討されたかと思うとぞっとする。

 とくに反省させられたのは、「私の背景には400万人の介護保険利用者がいるという思いで頑張って発言してきたが、そのほとんどが見直し意見には盛り込まれず、悔しさだけが残った。」という勝田さんの言葉である。
 
 私たちは、介護保険部会の審議を揺さぶるような運動を今までやったのであろうか。

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 集会では、要支援2の父親を働きながら介護する利用者家族の発言もいただいた。要支援でも視力がほとんどなく、また4つの病院と7つの診療科目を受診し、嚥下困難で、食事にも見守りがいるという状況でありながら、介護保険がほんの一部分しか使えず、大半は家族の介護負担を自費サービスになっているという発言は、厚労省の「軽度者切り捨て」の不当性を改めて浮き彫りにした。

 「うちの地域は貧しい人が多く、年金月8万円あればリッチな方です」というケアマネジャーの発言では、「いまでも介護費用を払えば食費を切り詰めているような利用者が、さらにケアプラン料を1000円でも負担できない」と、「できることならバス1台借りて厚労省の前に利用者全員連れて行ってハンガーストライキでもしたい気分」と訴えた。

 介護保険部会見直し意見に盛り込まれた5つの利用者負担増・給付削減の「改悪メニュー」の説明と今後の運動方向についての「緊急提言」を私が報告させていただいた。

 そのあと、「『高齢者の尊厳』と『利用者本位』を守るためにたたかおう」という緊急提言を確認し、「行動提起アピール」を全員で採択して、たたかう決意を固めあった。



行動提起アピール
利用者負担増・給付削減の改悪メニューを阻止するために行動しましょう!

ケアマネジャー・ヘルパー、すべての介護関係者、利用者・家族のみなさん!

2012年度実施に向けすすめられている「介護保険見直し」検討が重大な局面を迎えています。

11月25日にとりまとめられた社会保障審議会介護保険部会の「見直し意見」は、
利用者負担の引き上げや軽度者の給付削減・負担引き上げ、
ケアマネジメントへの利用者負担導入など、
負担増と介護サービス削減に道を開く改悪メニューが盛り込まれました。

政府・与党内では年内にも見直し内容がまとめられ、
来年1月からの国会に「介護保険法改正案」が提出される動きです。

この改悪メニューはどれひとつ導入させることはできません。

「見直し意見」に改悪メニューのすべてに「反対意見」が併記されたことに示されるように、
私たちの声と世論は政府・厚生労働省を追い詰めつつあります。

さあ、「今」です。介護保険の未来がかかった歴史的な局面です。

○厚労省が狙っている「改悪メニュー」の中身について一人でも多くの人に語り、ともに反対する世論を広げましょう

○地域の連絡会やさまざまな団体、事業所で、この「改悪メニュー」に反対する意思表示を行いましょう

○政府・厚生労働省、地元選出議員、自治体へ働きかけましょう

「高齢者の尊厳」「利用者本位」を守り、安心できる老後をきりひらくために!

2010年11月28日介護保険見直し関係者学習決起集会





厚労省への緊急FAX要請



介護保険見直しについての要望書
厚生労働省御中

 貴省で検討されている介護保険制度見直しについて下記のとおり要望いたします。

1 「一定の所得」を理由とした利用者負担引き上げを行わず、低所得の負担を軽減すること

2 居宅介護支援に利用者負担を導入しないこと

3 多床室利用者からの室料徴収を行わないこと

4 補足給付の支給要件に「家族の負担能力」「資産」など新たな要件を持ち込まないこと。ユニット型個室、グループホーム、特定施設入居者生活介護利用者の居住費負担を軽減すること

5 要支援者・軽度者の利用者負担を引き上げないこと。また必要な生活援助サービスは保険給付の対象とすること。

私のひとこと


団体・事業所名(                  )
代表者名 (                  )


送り先 厚生労働省老健局総務課  FAX番号:03-3503-2740


Category: 介護保険見直し
2010/11/27 Sat
「ケアマネの緊急集会があるようですが、これってどれくらいの効き目があると思われますか」

あるケアマネさんから質問をいただいた。

介護保険改悪メニューのなかで、年内に絶対 粉砕してしまわなければならないのが ケアプラン利用者負担導入である。
 
 11月25日の社保審介護保険部会での「見直し意見案」は、居宅介護支援への自己負担の導入に関する部分は完全な両論併記である。
(1)ケアマネジメントについて
(利用者負担の導入)
○ 居宅におけるケアプランの作成等のケアマネジメントについては、現在、全て介護保険給付で賄われており、利用者負担が求められていない。これは、要介護者等の相談に応じ、その心身の状態等に応じた適切なサービスを利用できるよう支援する新しいサービスの導入にあたり、要介護者等が積極的に本サービスを利用できるよう、制度創設時に特に10割給付のサービスと位置づけたものである。
○ 利用者負担の導入については、ケアマネジャーによるケアプランの作成等のサービスは、介護保険制度の根幹であり、制度の基本を揺るがしかねないこと、必要なサービス利用の抑制により、重度化につながりかねないことなど、利用者や事業者への影響を危惧する強い意見があった。さらに、セルフケアプランが増加すれば、市町村の事務処理負担が増大することなどから、慎重に対応すべきであるとの指摘があった。
○ 一方、制度創設から10年を経過し、ケアマネジメント制度がすでに普及・定着していると考えられること、小規模多機能サービスや施設サービスなどケアマネジメントが包含されているサービスでは利用者が必要な負担をしていること等も考慮し、居宅介護支援サービス及び介護予防支援サービスに利用者負担を導入することを検討すべきであるとの意見があった。これにより、利用者自身のケアプランの内容に対する関心を高め、自立支援型のケアマネジメントが推進されるのではないかとの考え方もある。
 なお、その際には、適切なサービスの利用を阻害しないよう配慮することが必要である。


 しかも、「強い反対意見」を前にもってきている。

 社保審介護保険部会では、誰一人賛成意見がなかったという代物であり、全国の心あるケアマネジャーさんも声を上げた結果である。利用者負担の引き上げの項目よりも、明らかに、厚労省の素案からのトーンダウンはある。

しかし、利用者負担導入によって「自立支援型のケアマネジメントが推進される」などというたわごともしっかり書きこまれており、導入の余地は、十分にのこっている。

 中には、いまだにこんなことを説いて回るアホシンクタンクもあることを知るべしである。
 「利用者負担なしにケアマネジメントの質の向上はありえない」

 居宅介護支援費の10割給付を変更し利用者負担を導入しようとすれば、介護保険法第46条2項を改正し、「10分の90」条項を入れる必要があるため、年内にもとりまとめられる可能性のある「介護保険改正法案要綱」が当面する焦点である。通常国会は来年1月中旬。

 ケアマネジメントに利用者負担をもちこませ、ケアマネジャーの「魂」を売り渡すかどうかの 介護保険10年の歴史的帰路にたっている。

 ケアマネの組織がやる「利用者負担導入反対」の活動ならば、それがたとえ官製団体によるものであっても意義のあることである。

 どれだけ効果があるか、でなく、やれることはすべてやることが 求められている。

 今である。あらゆる意見、立場のちがいを超えて「利用者負担導入反対」の一点で団結し、立ち上がるときである。がんばれ! ケアマネジャー!
Category: 介護保険見直し
2010/11/27 Sat
 11月25日の社会保障審議会介護保険部会が実は予備日は12月4日にとってあったという。ところが厚労省は今回で終わらせたかったため、各委員から出された修正意見を書けるだけ書いて、同意にこぎつけるため、土日と徹夜して作っ「意見案」出した。そのため、各項目のほとんどに「賛否両論」のあるものになったとのことである。25日の部会でも各委員からまだ修正要求は続いたため、後の修正は「山崎座長に一任」という形で終わったそうである。

 そうなると厚労省HPの社保審介護保険部会のページにアップされている「資料1:介護保険制度の見直しに関する意見(案)」は、まだ「山崎会長一任の修正」があることになる。

 そんな事情もあってか、各マスコミの報道も、各項目の「今後の見通し」はかなりトーンがちがう。

 例えば、日本経済新聞(11月26日)は、「実現可能性」を○(高い)△(低い)×(不可能)で区分けしている。
 
 高所得者の利用料引き上げ ○
 財政の厳しい市町村を支援する基金の活用 ○
 在宅サービスで必要なケアプラン作成の有料化 △
 介護の必要性の低い人の利用料引き上げ    △
 税投入割合の引き上げ            ×

 といった分類である。


 産経新聞は、
 「実現の方向」とした項目に「低所得者の負担軽減の厳格化」をあげ、
 「両論併記」の項目に「高所得者の自己負担を例えば2割に引き上げることを検討」「ケアプラン作成費への利用者負担の導入を検討(500円~1000円)」「特別養護老人ホームなどの室料負担導入(月5000円)」などを上げている。

 毎日新聞は、「近づく利用者負担増 社保審部会反対論併記、意見書を了承」との見出しで、負担増シミュレーションを掲載している。
 
 ところがである。毎日新聞は社説で「介護保険素案 負担増は避けられない」と、とうとうと述べている。

 朝日新聞は、社説(11月25日)で、「介護保険 増税なしでは行き詰まる」として、「もはや政府が『税金をあげないと制度がもちません』と国民に正直に言うべき時」などと、消費税増税論をぶち上げている。

 これらマスコミの手にかかると

 「このままでは介護保険料は5200円に上がり高齢者は負担しきれない」→「利用者負担増しかない」→「反対意見も強いので両論併記。どうなるか不透明」→「やはり利用者負担増は避けられない」→「消費税増税しかないと政府は言うべき」

 堂々巡りの お先真っ暗 報道である。

 しかし、そもそも、民主党は、昨年の政権獲得マニュフェストで介護保険に8000億円の「国庫負担」を投入することを公約していたではないか。
 
 公費負担割合の引き上げ、これこそが、介護保険改革の緊急の国民的課題である。

 そして、「両論併記」的な表現で、フリーハンドを残している 利用者負担増・給付削減の改悪メニューはすべて消し去るべきである。

 民主党厚生労働部門会議の介護保険制度改革ワーキングチーム(主査=藤田一枝衆院議員)が、12月にも提言を取りまとめるとのことだが、自らの党が、国民に何を公約して政権の座についたのか、、まず肝に銘じてから議論すべきである。

 われわれの たたかいは、厚労省・社会保障審議会レベルから、政府・与党全体を見据え、当面、来年1月からの通常国会に提出される「介護保険改正法案」に、改悪メニューを一つも盛り込ませないことが課題となる。
Category: 介護保険見直し
2010/11/26 Fri
 
 すったもんだの検討の上に、強引にまとめられた「介護保険見直し意見」。
 11月25日に社会保障審議会介護保険部会がとりまとめた「介護保険制度見直しに関する意見」は、利用者負担の自己負担引き上げなど、介護保険制度の「大改悪」というべき内容を盛り込んだ。
 11月19日に厚生労働省が提示した「素案」と比べ、介護関係者の強い反対の声と審議会委員の反対意見を考慮した「両論併記」的な表現になった部分があるが、今後政府による来年1月からの通常国会に提出するによる法改正案でどのようにあつかわれるか予断を許さない。
 今こそ、ケアマネジャーやホームヘルパーをはじめ、介護労働者・事業者が利用者・家族、そして高齢者と連帯して、介護保険改悪をストップさせ、「高齢者の尊厳」と「利用者本位」が守られ、介護で働く仲間が希望を持って働けるような抜本的見直しの実現のために、学び、語り合い、たたかいに立ち上がるときである。

以下は、私が今朝書いた「緊急提言案」の一部


介護取り上げと負担増の改悪メニューはすべて撤回せよ
国民と利用者の意見を切り捨てた「見直し意見」
 社会保障銀議会介護保険部会でとりまとめられた「見直し意見」の負担増と給付減の項目は次のような内容です。厚労省が11月19日に示した「財政影響試算」(以下「厚労省資料」)と合わせてみてみます。
①利用者負担の引き上げ
「一定以上の所得のある者」(厚労省資料では「年間所得200万円以上」)の利用者には、現在の1割からを「引き上げることを検討すべきである」(見直し意見27頁。負担増への慎重意見も付記。厚労省資料では1割から2割へ倍増する案)としています。
②ケアプラン作成への利用者負担導入
ケアプラン作成(居宅介護支援・介護予防支援)の利用者負担導入(厚労省資料では、要介護者は月1000円、要支援者は月500円とする案)について、「慎重に対応すべき」と「検討すべきである」との意見を両論併記(見直し意見20頁)としています。
③低所得の施設利用者の居住費軽減の縮小
 低所得の施設入所者の居住費を軽減する給付(補足給付)については、保険者の判断で資産や家族の負担能力を要件に加えて、支給要件を厳しくする「仕組み」を求めています。(見直し意見31頁)
④多床室利用者からの室料徴収
施設の相部屋に入居している高齢者について、「減価償却費を保険給付対象外とする見直しが必要である」(見直し意見32頁。現状維持意見も付記)としました。厚労省資料では、第4段階の利用者から水光熱費(1日320円)に加えて新たに室料月5000円徴収する案となっています。
⑤軽度者の給付削減と利用者負担引き上げ
 「要支援者・軽度の要介護者に対する給付の効率化と効果の向上を図ることを検討する必要がある。」(見直し意見10頁)とし、「保険給付の対象外とする」「利用者負担を2割とする」との「二つの意見」を示しています。(見直し意見11頁。「給付削減を適切でない」との意見も付記)
これらは、11月19日に厚労省が提出した「素案」に各委員からの強い反対意見がだされましたが、一部の項目が「両論併記」に手直しされたほかは、反対意見を短く付記するにとどめられ、利用者の側に立った意見をしりぞけながら、厚労省の「利用者負担増・給付削減」の制度改悪のフリーハンドを与えるようにとりまとめた「見直し意見」というべきものです。

どれ一つ認められない改悪メニュー
①2割負担化
 現行1割でも、その負担が重く、介護サービス利用の手控えが広範にあります。これを「2割」に倍増すれば、それだけでこれまでよりもはるかに大きな利用抑制が広がります。とくに、厚労省がいう「高所得者」は、わずか「合計所得200万円以上」の人であり、この方々は課税世帯であるため、現在でも軽減措置の対象外で、多大な負担をしています。また、夫にある程度年金収入があっても、妻が無年金・低年金の世帯もあり、深刻な負担増となることは明らかです。さらに、高齢者医療制度見直しでは、これまで1割負担であった70歳~74歳について2割負担としようとしていることと合わせると今後の際限のない利用者負担増の第一歩になりかねない大改悪であり、断じて許せません。
②ケアマネジメント有料化(利用者負担導入)
 居宅介護支援(ケアマネジメント)が自己負担なしで制度化されたのは、「利用者本位」「自立支援」と「在宅重視」の根幹にかかわるものであるからです。
制度創設時の厚労省の説明でも、「介護保険制度においては、要介護者である利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑み、保険給付率についても特に10割としているところである。」(厚生省通知老企第22号)とされています。
こうしたケアマネジメントに自己負担を導入することは「介護保険の魂を抜く」に等しい暴挙です。厚労省案の中には、1割負担でなく「要介護者1000円、要支援者500円」の定額案もありますが、本質はまったく変わらないどころか、自己負担が導入されれば早晩1割負担化されることは明らかであり、特定事業所加算など各種加算がすべて利用者負担となるなど深刻な問題を引き起こすことになります。
ケアマネジメントが、有料化されれば、その負担増だけサービス利用手控えが広がることは明らかであり、低所得者を中心に必要なサービスが受けられない事態になります。さらに、サービス事業者によっては利用者を獲得するために「自己作成プラン」を偽装するなど、居宅サービスの不適切利用の危険性さえあります。ケアマネジャーと利用者の信頼関係を根底から破壊する「有料化」は断じて許せません。
③補足給付の厳格化と④多床室の室料負担、
 2005年の制度改悪で導入された、施設利用者の居住費(食費・部屋代等)自己負担化は、利用者と家族に多大な負担をもたらしました。とくにユニット型固室には、年金収入ではとても入居できない利用料となりました。今回の改悪は、「相部屋」に光熱水費に加え「室料」まで徴収するというおよそ常識では考えられない盗っ人のような行為です。さらに、低所得者(非課税者)に対する軽減措置(補足給付)についても、他の介護保険給付にはない「入居前の世帯の負担能力」や「本人の預金」までその要件に加えるというもので、しかも、「市町村判断」で可能にするという姑息なものです。
 膨大な施設入居待機者を放置したまま、低所得者や相部屋入居者に的を絞った負担増は、究極の「弱い者いじめ」というべきもので、断固撤回させなければなりません。
⑤軽度者・要支援者の給付削減と利用者負担引き上げ
 軽度者・要支援者へのサービスについては、「重度者や医療ニーズの高い高齢者に対して給付を重点的に行う」ことを口実に「給付の効率化」と称して、①介護保険制度の給付の対象外とする②利用者負担を2割とする、との「意見」を併記し、給付削減への反対意見も付記しながら「保険給付の在り方について、今後、さらに検討する事が必要である。」としています。しかし、財政影響額では、「予防給付の自己負担2割化:▲120億円」と試算をしめしており、予断を許しません。
また、地域支援事業で、「要支援1、2と非該当を行き来する人」を対象に、「予防給付と生活支援サービスを一体化」し「サービスを総合化した介護予防・生活支援サービスを地域支援事業に導入」することを「保険者の判断」により実施できる仕組みを「検討する」としており、自治体判断での要支援者の生活援助の保険給付除外化をすすめようとしています。中央レベルでの軽度者の生活援助切り捨てが「正面突破」で制度改悪できなかった場合でも地方レベルでそれをすすめるという二重の構えと言えます。
 これらの改悪メニューはどれ一つとっても、利用者・家族に多大な犠牲と負担をもたらし、施設・在宅を通して、介護の危機的状況を極限にまですすめるものです。「両論併記」や「反対意見付記」で政府厚労省による制度改悪導入に道を開く事は許されません。私たちはこのすべてを断固として撤回させなければなりません。


 国民の力で、すべての改悪メニューをボツにしよう!
Category: 介護保険見直し
2010/11/25 Thu
本日(11月25日)は、介護保険料に怒る一揆の会の第10回総会。

2001年9月25日に、一揆の会が結成されてから10年。

「介護保険料に異議あり!」と、毎年毎年、何千何百という、介護保険料不服審査請求を出し続けてきた。5年間にわたり「介護保険料違憲裁判」をたたかい、「介護保険料は憲法違反!」と訴え続けてきた。
 
 そして、「取り過ぎ介護保険料を返せ!」のたたかいを繰り広げてきた。

 今年の総会では、前半は「学習会」として、私が「介護保険制度見直しと私たちの課題」と題して、1時間お話させていただいた。

 参加した高齢者は、一様に「こんなひどい負担増だとは知らなかった」「高所得というが、たった二百万円で2割負担になるのか!」
 「これこそやらずぼったくりや!」と怒りの声が上がった。

 今年の総会には、「勝手に年金天引きする介護保険料に納得出できず、インターネットで一揆の会を知った。とても面白い活動をされている」と「はるばる埼玉から参加された方もいた。


実にさまざまな意見が出された さすが 人生の大先輩たちである 学ぶことばかりである。

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一揆の会第10回総会アピールを提案する速水世話人

総会アピール
 本日私たちは、2010年度の総会を開催しました。
「介護殺人・介護心中」が報道され、特別養護老人ホームに入れない人が全国で42万人を超え、「使えない・使わせない介護保険」、「保険料あって介護なし」が現実のものとなりました。2012年度に向けての介護保険制度見直しでは、介護保険料の大幅引上げとともに、自己負担の2倍化や軽度の人の生活援助切り捨て、ケアプランの有料化など大改悪が狙われています。

私たちが10年前にはじめた不服審査請求運動は、ペン1本で直訴する、主権者としての行動ですが、大阪府内の8割以上の自治体で独自の低所得者減免を制度化させるなど一定の成果を上げてきました。
保険料年金天引きも介護保険料を皮切りに後期高齢者医療保険料、国民健康保険料、さらに住民税と拡大され、未曾有の「年金収奪」へと向かおうとしています。高齢者一人ひとりが声をあげる不服審査請求運動はますます重要になっています。
 
大阪府介護保険審査会は、昨年に続き、不服審査請求運動に敵対し、妨害する行為に出てきています。私たちはこの不当な妨害を許さす一層の不服審査請求運動と合わせて大阪府に対する制度改善要求交渉を取組みましょう。

本日の総会を機に、高齢者収奪への怒りを結集し、豊かで安心できる老後の保障を目指した闘いをいっそう強化することを決意し、大阪府内のすべての皆さんに社会保障改悪に反対し、命と暮らしをまもる壮大な共同行動をよびかけるものです。



2010年11月25日
介護保険料に怒る一揆の会 第10回定期総会

Category: 介護保険料
2010/11/25 Thu
 本日11月25日は、介護保険見直しの「意見書案」の検討がされる社会保障審議会介護保険部会である。
19日の「素案」で示された「利用者負担増・給付削減」のオンパレードのとんでもない改悪メニュー。
多くの関係者の怒りの声のまえに、ケアマネジメントの有料化など、いくらかの手直しを余儀なくされつつあるようだ。

しかし、たとえ「両論併記」という形でも盛り込まれれば、来年の法改正にはじまる2012年度見直しでの改悪の道を開くことになる。

 利用者負担増・給付削減の改悪メニューの全面撤回を求めるたたかいは正念場を迎えている。

 こうした中で28日(日)に開かれる決起集会である。

社保審介護保険部会委員・勝田登志子さんが語る「11.28介護保険見直し学習決起集会」にぜひご参加を!!


「どうなる!? どうする.!? 介護保険見直し介護関係者学習決起集会」は
抜群のタイミングで、この介護保険部会委員の勝田登志子さんをお招きしている。

勝田さんから、介護保険部会での議論内容、
厚生労働省の狙い、民主党政権下での動向などを思う存分に語っていただく。
ぜひ、ご参加ください。



どうなる!?  どうする!? 介護保険見直し関係者学習決起集会
社会保障審議会介護保険部会委員 勝田登志子さんと語る

★会場 エルおおさか視聴覚室(天満橋駅西へ徒歩5分)

★参加費・資料代 1000円

★主催 大阪社会保障推進協議会・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会

★お申し込みは別紙チラシにご記入のうえfaxまたはメールを

★勝田登志子(かつだとしこ)さんプロフィール
1944年 富山県上市町生まれ
1982年 公益社団法人「認知症と家族の会富山県支部設立、事務局長に
1986年 家族の会本部理事となる。現在本部副代表・常任理事。
2006年~厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会・介護保険部会委員
Category: 介護保険見直し
2010/11/23 Tue
 「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」で、介護への公費負担を増やさず、削減と負担増のオンパレードの「介護保険見直し素案」。
 
 一方で、在日米軍の駐留経費の肩代わり負担である「思いやり予算」はA判定で満額みとめられるという。
(以下引用)
予算案「1兆円特別枠」 思いやり予算は最高のA判定(朝日 2010年11月23日)   
 来年度予算の1兆円超の「元気な日本復活特別枠」を決める評価会議(議長・玄葉光一郎国家戦略相)が、防衛省の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)や、海上保安庁の大型巡視船整備などを最高のAランクと判定したことがわかった。同会議によるA、B、C、Dランクの評価を踏まえ、菅直人首相が予算化を最終判断する。
 評価会議は、先に行った政策コンテストを踏まえて、各府省が特別枠に要望した189事業(約2.9兆円)の評価を、月内にも各府省に内示する。Aは「積極的に評価できる」で要望額のほとんどが認められ、B、C判定は減額して予算化される方向だ。
 思いやり予算(要望額1859億円)はほとんど議論されないまま、現状維持との日米合意を踏まえてA判定に。国土交通省が要望する大型巡視船などの重点整備(245億円)も、尖閣沖の中国漁船衝突事件などを受けて判断した。


 「思いやり予算」の要望額は1859億円である。そもそもこの予算は、日米地位協定では日本側に負担義務のないものである。30年以上前に、当時の防衛庁長官が、負担に法的根拠はないが「思いやりの立場で対処すべき」などとして予算化したものである。当初は62億円だったが、現在は2000億円近くなっている。在日米軍基地職員の労務費、基地内の光熱費・水道費、訓練移転費、米軍向け住宅建設費など、本来はアメリカが負担すべきものをことごとく日本が負担している。米軍が駐留している韓国やドイツにはそのような負担はなく、日本は「世界一気前のいい同盟国」と言われているという。

 米軍への「思いやり」1859億円と今回の介護保険見直しで削減対象となった各項目の費用額を比べてみる。
 出典:第36回社会保障審議会介護保険部会資料2:制度見直し事項の財政影響試算
 ①所得200万円以上利用者のの自己負担1割→2割へ引き上げ:▲110億円程度
 ②ケアプラン有料化(居宅介護支援月1千円、介護予防支援月5百円):▲90億円程度
 ③低所得者の施設食費・部屋代軽減の要件の厳格化(入所前世帯の所得などを要件に追加):▲20億円程度
 ④多床室の室料負担の見直し(室料月5千円を徴収):▲40億円程度
 ⑤軽度者の自己負担の引き上げ(予防給付の自己負担1割→2割へ):▲120億円程度

  ①+②+③+④+⑤ = 380億円  
 米軍への「思いやり」は この380億円の 5.9倍である!

 戦前・戦中・戦後の苦難の時代を生き抜き、戦後日本の発展に貢献してきた日本の高齢者たち。介護を必要とするようになった高齢者の尊厳をまもるための介護保険のはずである。
 これを、「財政難で公費負担は無理」との理由で 情け容赦なく 切り捨て、ことごとく 高齢者の負担増として取り立てて、かき集めるのが 380億円。

 一方で、在日米軍への 法的根拠のない「思いやり」には その5.9倍の 1859億円を「献上」する。

 「思いやり」の相手を 間違ってはいないか。

  忠君愛国ならぬ 「忠米亡国」の 親不孝国家 である。



Category: 時局争論
2010/11/21 Sun
今日は1日 京都。

「第11回ヘルパーのつどいin京都」には、98事業所 210人が参加。

 記念講演は、私がさせていたいた。「ここまでできるホームヘルプサービス」のテーマだったが、後半は、厚労省の「介護保険見直し意見書素案」をめぐる動きについてお話し、「生活援助切り捨ては絶対に許してはならない。いまこそヘルパーが利用者のためにたたかうとき!」と訴えさせていただいた。

 午後からは5つの分科会で4時半までみっちり。

 そのあとは、東本願寺までデモ行進。
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 大阪から参加したヘルパー、ケアマネさんたちも一緒に参加。
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 京都駅前から東本願寺までを 
「生活援助切り捨てはんたーい!」
「ヘルパーの待遇を改善しよう!」
「介護保険料を上げるな!」
「利用者負担を増やすな!」
 と元気にシュプレヒコールをしながらデモ行進

 11月19日の「介護保険見直し意見素案」が出されてから、おそらく 全国で初めてのヘルパーによる反対の大衆的街頭行動である。とくに 「軽度者の生活援助切り捨て」には、ヘルパーさんたちの大きな大きな怒りの声が上がった。
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 東本願寺前で デモ行進を解散したのち、さらに、京都タワー前に移動し、宣伝行動。

 「このままだと介護保険はどうなるのか?」「ヘルパーの家事援助は保険外(自費)に?」「利用者負担は1割から2割に倍増?」
 「いまこそ声をあげよう!介護保険の改善に向けて。利用者や家族、ヘルパーのために!」と書いたビラを配布しながら、ヘルパーさんたちが次々とマイクを握って訴える。

 集まり、学び、行動する 京都のへるぱーさんたちのすばらしい力に 励まされた1日だった。

 
Category: 介護保険見直し
2010/11/20 Sat
 厚生労働省がとんでもない「介護保険制度見直しに関する意見(素案)」を出してきた。

 「このままでは介護保険料は5200円になる」と脅しつけ、さらに「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」で、国費からはもうこれ以上びた一文出しませんよ、と切って捨てた上に、利用者負担増を押しつける。

 最低・最悪の「見直し意見(素案)」である。

 しかも、これまでの社会保障審議会介護保険部会で、誰一人賛成意見を述べず、反対意見ばかりであった「ケアプランの有料化」についてまで厚かましく盛り込んである。11月19日の社会保障審議会介護保険部会で厚生労働省が提出した「制度見直し事項の財政影響試算」 に厚労省役人の姑息かつけちけち根性がもろに表れている。

 「高所得者の自己負担引き上げ:▲110億円程度」第6段階の自己負担2割 
 
 「第6段階」とは、一体所得いくらの高齢者か。合計所得200万円以上である。年金だけなら年320万円。
これが高所得であろうか。 これを現在の1割負担からいきなり倍の2割に引き上げる。まさに高齢者イジメそのものである。2割負担で高齢者に大幅負担を課しながら財政効果はたったの110億円である。

 「見直し意見(素案)」では、このように述べている。
 「医療保険においては、現役並み所得の高齢者については利用者負担が3割となっている。介護保険制度においても、限られた財源の中で、高齢者の負担能力を勘案し、所得に応じた負担を求めることが適当であり、一定以上の所得がある者については利用者負担を2割とすることを検討すべきである。 」 
 平然と言うが、所得200万円の高齢者に2割負担が果たして可能かどうか、まったく検証も検討もない。

 さらに「ケアプラン有料化」については、
 居宅介護支援の自己負担導入:▲90億円程度居宅介護支援月1千円、介護予防支援月5百円の自己負担

 要介護月1000円、要支援月500円 の負担を利用者全員に課すという究極の改悪メニューだが、税制効果はたったの90億円である。

 「見直し意見(素案)」では、
「制度創設から10年を経過し、ケアマネジメント制度がすでに普及・定着していると考えられること、他の在宅サービスとの均衡や、小規模多機能サービスや施設サービスなどケアマネジメントが包含されているサービスでは利用者が必要な負担をしていること等との均衡を考慮し、居宅介護支援サービス及び介護予防支援サービスに利用者負担を導入することを検討すべきである。これにより、利用者自身のケアプランの内容に対する関心を高め、良質な事業者を積極的に選択するよう促す効果も期待できると考えられる。 」

 どあつかましいにもほどがある。


多床室の室料負担の見直し:▲40億円程度 第4段階以上から3施設の多床室の室料月5千円を徴収

 4人部屋の特養入居者からも 部屋代をとるというドロボーのような案は、財政効果は40億円にすぎない。どれだけの方がこれで特養やショートステイを利用できなくなることか。

低所得者の食費・部屋代の軽減策の改悪について
補足給付の支給要件の厳格化:▲20億円程度 市町村が施設入所前世帯の所得などを支給要件に追加可能

 出身世帯の所得調査や預金調査などおそろしい調査をして、削りに削っても財政効果は20億円である。

「見直し意見(素案)」では、
特養の入所者については、現在、入所者の約4分の3が補足給付を受給している。しかし、これらの者の中には、入所前に同居していた家族に負担能力がある場合や、入所者自身が賅産を保有しているケースがある。このため、補足給付の低所得者対策としての趣旨を徹底する観点から、保険者の判断により、施設入所者について可能な範囲で家族の負担能力等を把握し、それを勘案して補足給付の支給を判断することができる仕組みとすべきである。」



 このような「意見(素案)」は、字句修正や手直しでどうにかなるものではない、いったんボツにして一から書き直すべきである。

 次回介護保険部会は 11月25日である。厚労省へ 撤回を求める メールを送りつけてはどうか。
   
   厚生労働省老健局総務課  FAX番号:03-3503-2740
                     メールアドレスkaigobukai@mhlw.go.jp

Category: 介護保険見直し
2010/11/19 Fri
「暴力装置でもある自衛隊、ある種の軍事組織だから特段の政治的な中立性が確保されなければならない」という11月18日参院予算委員会での仙谷由人官房長官の発言が「失言」として、自民党やマスコミの批判を浴びている。

 しかし、自衛隊を暴力装置と表現することは、きわめて適切であり、社会科学的にも政治的にも満点である。

 マルクスレーニン主義の国家論では、「警察、監獄、軍隊などの『武装した人間の特殊な部隊』暴力装置が国家権力の本質的な機能」としている。
 すなわち「そうした特殊な暴力装置の存在こそは、国家が、諸階級の対立を調停したりする、階級対立から独立した機関ではなく、支配階級が、被支配階級を抑圧するためのものであることを証明している。まさに国家こそは、搾取階級が被搾取階級をしぼりとするための道具としての位置をもっているのである。」(「国家と革命」レーニン)

 社会科学のイロハをかじったことのある人間ならば、だれでも知っている基礎の基礎である。仙谷氏の世代の知識人ならば「常識」の表現である。
 
 こんなことを騒ぎ立てるマスコミの見識が疑われるというものである。


 さらに、「自衛隊」についていえば、「陸海空その他の戦力はこれを保持しない」という日本国憲法第9条に明確に違反する違憲の軍隊組織でもある。
 
 この存在に対し、「暴力装置」「軍事組織」と呼んで何が問題であるか。

 仙谷氏の思想や政治信条や政治的立場は別として、この「暴力装置」発言を、問題にし、問責決議や批判の対象にするこの世相の方がどうかしている。
 
 



Category: 時局争論
2010/11/15 Mon
介護保険見直しの目玉「地域包括ケア」。

私は実現可能性のない「ニセモノ」だと思うが、その「方法論」には、活用すべきものがいくつかある。

その一つが「日常生活圏域調査」と次期介護保険事業計画策定にあたっての「日常生活圏域部会」である。

この二つは、保険者である市町村がその気にならないとできない。

日常生活圏域調査を例にとろう。

「軽度認知症、虚弱、閉じこもり等の傾向の見られる高齢者が、どこに、どの程度生活しておられるのかが把握でき、地域ごとの高齢者の課題が鮮明になり、各課題に即した的確な対応手法を計画ベースで検討できるようになったといった評価をいただいていることから、高齢者のニーズをより的確に把握する有効な手法として、是非、日常生活圏域ニーズ調査を実施していただきたい。」

 第5期介護保険事業(支援)計画の策定準備及び地域支援事業の見直しに係る会議(平成22年10月27日)での厚労省の資料である。

 中学校区程度のすべての日常生活圏域で日本中で、こうした調査が自治体の責任でなされ、その結果に基づき地域住民や利用者家族や事業者も入って「わが町の介護の在り方」を考える会議ができればすばらしい。

しかし、その出発点の「日常生活圏域調査」が、はなはだ心もとない。

 厚労省資料では、「実施地域  市町村が設定している日常生活圏域の中から選定した圏域を実施地域とします。
 なお、全圏域の悉皆調査ではなく、選定した一部の圏域における抽出による調査でも差し支えありません。」

となっている。この調査は本来、すべての地域ですべての高齢者を対象に行わなければ意義はない。はじめから抽出・モデル調査でお茶を濁しても可、としている。

 自治体の中には、「30分以内にヘルパーが訪問できる、というのが地域包括ケアの趣旨だから、うちの市は車を使えばだいたい30分でヘルパーはどこでもいけるから、これまでどおりの全市対象の抽出調査で構わない」と言ってのけるところもあるという。

 まさに、実現可能性のない「地域包括ケア」は、厚労省から 地方の無気力・ことなかれ・その日ぐらしの公務員の手に係ると、何の意味もないものになる。
Category: 介護保険見直し
2010/11/14 Sun
 ケアマネジャーが、保険外の自費サービスをケアプランに入れると、その事業者から報酬がケアマネジャーに支払われる
 こんなことをやれば現行では、「不正だ」と言われる。当たり前である。ケアマネが利用者に保険外サービスを売りつけてリベートをえようなどというのは相談援助職である介護支援専門員をただの押し売りセールスマンに貶めることになる。

 しかし、これを制度化しようという議論が政府内にある。
「介護保険外のサービス分野についても、個人の多様なニーズに応じたサービス組成が可能となるよう、高齢者のケアプランを作成するケアマネジャーが積極的に介護保険外サービスを活用してケアプランの質を高めていくモチベーションを持てる環境を構築する必要がある。そのためには、保険外サービス事業者からケアマネジャーに対する報酬システムの確立や、より質が高いケアプランを作成するケアマネジャーがより多くのケアプランを担当できる仕組みの構築が必要と言える」(くわしくは 「医療・介護・健康・子育てサービス」の13項~14頁参照)

 経済産業省の「産業構造ビジョン2010(産業構造審議会産業競争力部会報告書)」である。今年6月に報告されている。さすがに今回の介護保険見直しでは、厚生労働省の改悪メニューには居宅介護支援の利用者負担導入はあっても、こんな「保険外サービスリベート可」などというものは入っていない。

 しかし、現政権が進めようとしている「強い経済」「強い社会保障」の内容には、医療・介護の市場化・産業化が大きな柱である。
 この産業構造ビジョンには「我々はこれから何で稼ぎ、何で雇用するか」という下品なキャッチフレーズも入っている。ケアマネジャーに 「介護の産業化」のお先棒まで担がせようというこの「稼ぎ戦略」は断固お断りすべきである。
 そうしないと、近い将来、今度は厚生労働省が言い出しかねない。「ケアマネジャーの介護報酬はもう上げられませんから保険外サービスを売りつけてリベート稼ぎで生きてください。日本の産業に貢献するために」と。

 ケアマネジャーは「産業戦略」の道具ではない、「利用者の尊厳と自立支援」のために存在する崇高な職種である。このことを政府全体で肝に銘じるべきである。
Category: 介護保険見直し
2010/11/14 Sun
 愛知県や岐阜県などで増えている「寝たきり専用賃貸住宅」。

 地元メディア である 中日新聞や 中京テレビでは 以前から 取り上げられている。

以下 引用


訪問看護で不正請求か 新手「寝たきりアパート」
医師が「指示書」乱発

 口から食事をとれない「経管栄養」の要介護者だけを対象に入居者を募り、アパート形式で自治体の監督を免れる自称「寝たきり専用賃貸住宅」が愛知、岐阜県内で急増している。入居者1人の費用は月約100万円。その8割以上が介護保険と医療保険で賄われ、訪問看護の医療保険が不正請求されている疑いのあることが、本紙の調べで分かった。関係自治体も状況を把握し、今年に入って複数回、協議の場を持つなど、調査を始めた。

愛知、岐阜で12カ所 名古屋の業者運営
 「賃貸住宅」は、名古屋市内の医療系コンサルタント会社が運営。ホームページなどによると5月現在、愛知、岐阜両県の計12カ所に高齢者ら約200人が入っているとみられる。この2年だけで、新たに7カ所建設された。
 岐阜県内の「賃貸住宅」に入居していたお年寄りの利用明細などによると、1カ月の費用は99万2000円で、うち15万円が本人負担、残りの84万2000円が公費(介護保険34万円、医療保険50万2000円)だった。
 関係する県市町と後期高齢者医療広域連合に本紙が情報公開請求して入手した資料では、岐阜県多治見市と同県土岐市の3施設に入居している約40人について、同様の請求が確認できた。
 入居者には1日3回の訪問看護が毎日行われ、介護保険の限度額(自己負担を含め月額約36万円)をいずれも24万円超過。本来なら自己負担となるが「賃貸住宅」に訪問診療する医師が特別指示書を定期的に発行するという「想定外の手法」(厚生労働省)で、超過分を医療保険で請求していた。
 特別指示書は「容体の急変など緊急、例外的なケース」(同省)だけに認められるが、看護記録などから容体の急変はなかった。医師はどの入居者にも毎月機械的に指示書を発行していた。
 厚労省は、有料老人ホームなど施設に訪問診療する医師の報酬額は、戸別の訪問診療の4分の1以下にするよう指導しているが、「賃貸住宅=アパート」であることを理由に戸別扱いで報酬を請求していた。
 取材に応じた医師の1人は「入居者はいずれも寝たきりで容体が急変するおそれがある。行政から指導があれば改める」と話し、恒常的な特別指示書の発行を認めた。
 コンサルタント会社の責任者は「入居者は病院を追い出された人たちで、家族も同意しクレームもない。(自己負担額を抑えるのは)経営ノウハウだ」と主張している。
 早い時期に施設ができた多治見市と土岐市は、県や厚労省東海北陸厚生局と協議機関を立ち上げ、対策を急いでいる。

介護者の倫理欠く
独立行政法人国立長寿医療研究センター・大島伸一総長の話

孤独死と同様、高齢大国の現実とも言えるが、結局は行き場を失った高齢者や家族の弱みにつけこんだ商売でしかない。これを医療とは呼べない。法に触れているかどうかを論じる以前に、医療・介護の分野にかかわる者としての倫理が欠けている。憤りすら覚える。

指示書異常な状態
厚生労働省医療課の担当者の話

同一の建物の入居者に対して、一律に特別指示書が出されているとすれば異常な状態だ。経管栄養の要介護者ばかりを集めた施設は関西にもあると聞いており、実態把握はこれからだが、非常に問題意識を持っている。

(中日新聞/2010年5月2日 朝刊)

Category: 介護保険見直し
2010/11/14 Sun
 昨日名古屋に行ったので、そちら方面の「寝た専賃」(寝たきり専用賃貸住宅)の事情を少し調べてみた。

 愛知県もけっこうあちこちに出来ているようである。

 名古屋市内にある「寝たきり専用賃貸住宅」

 要介護4・5で、経管栄養という重度の高齢者が対象

 見学者の手記によると
 ・玄関は鍵がかかっている
 ・居室は明り取りの小窓しかない4畳半ほどの部屋。洗面所もトイレも収納棚ない
 ・緊急の際に人を呼ぶナースコールすらない
 ・介護スタッフは3時間に1度巡回するのみ
 ・経管栄養の人しか入居しないから食堂はない
 ・浴室は寝たままで入れる機械浴が設置された浴室
 ・利用料は月に13万(要介護4なら18万)
 ・入居金として約61万円が必要

  ここを見学した方は「誰とも話さず、食べる楽しみもなく、寝たきりのまま最後を待つ日々を思うと、暗澹たる思いがする。」と書いておられる。

 この寝たきり専用賃貸住宅を運営している会社は
「創意工夫を積み重ね、重度要介護者の方が在宅環境で人生の終の住家として暮らすことが可能な『寝たきり老人専用住宅』の開発に成功しました」と豪語している。
 詳しくは、メディカルスイート のHPを参照のこと。

 このメディカルスイートは メディカルスイート大曽根、 メディカルスイート形原、 メディカルスイート名和 、メディカルスイート平針、 MSコスモス苑 、メディカルスイート岐阜中、 メディカルスイート岐阜南、 メディカルスイート岐阜西、 メディカルスイート岐阜北 と 愛知県、岐阜県に つぎつぎと 高齢者住宅を開設している。

 このメディカルスイートで働いていたという方のコメントも紹介されている。
「数年前、メデカルスイート関連施設で働いていました。確かにここは・・・入居者の方の事を思っている職員もいましたが、入居者の方たちが、殆ど発語できない上に、外部からの目も殆どないという異常に閉ざされた空間のため、一部の職員が良い様に振舞っていました。2度と関わりたくはありません。色々な意味で、外部からのメスが必要な施設だと思います。」

他にも、愛知県では、
・「要介護5で経管栄養の方」というのが入居条件(口から食べる人は入居できない)だが、要介護4の場合は応相談。という寝たきり専用住宅
・提携機関である訪問看護・訪問介護・福祉用具貸与しか、使うことができない
・食事の「経口摂取」スタッフの人出の関係で不可
・入居時の持ち物として指定してあるのが、下着、靴下のみで、上着などの普通の服が入っていない
・胃ろう、経鼻胃官、気管切開、人工呼吸器、在宅酸素、末梢点滴、中心静脈栄養、埋め込み型中心静脈栄養、インシュリン注射、膀胱留置カテーテル、人工肛門、導尿、吸引、MRSA、結核、肝炎」は受け入れ可
・居室にナースコールはなし

というような 寝たきり専用賃貸住宅が 紹介されている。

 大阪にもあるだろうが、「寝たきり専用」を前面に出している高齢者住宅は、あまり聞かない。

 この間の和歌山もそうだが、地域の事情によってかなりちがうのだろうか。

 
 最重度の医療依存度の高い高齢者ばかりを選んで入居させ、ナースコールもない居室に入れ、定期巡回だけで、食堂やリビングでの会話もなく、ただただ、死ぬのを待つような処遇 としかいいようのない、寝たきり専用賃貸住宅。

 このような住宅であっても、病院を退院させれ、介護保険施設人にも入れない 要介護者の家族にとっては「やっと入れるありがたい施設」との声もあるようだ。

 安易に「集合住宅での24時間地域巡回型訪問サービス」と厚労省はいうが、この実態を理解してのことであろうか。
Category: 介護保険見直し
2010/11/13 Sat
11月13日、愛知県で「よりよい介護をめざすケアマネの会」立ち上げの集いがあり、招かれた。
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 私は記念講演という大役を仰せつかった。2時間も時間をいただいたので、前半は「介護保険改定の動きとケアマネさんの課題」、そして後半は、「大阪のケアマネ・ヘルパーのたたかい」としてお話をさせていただいた。
 途中で5分の休憩をはさみながらの話をさせていたが、長時間にも関わらず、熱心に聞き入っていただいた。

 終了後、「ここまでできる!ホームヘルプサービス」の販売をさせていただいたが、事務局の方が「サインセールもありますよ」と冗談でいわれたために、6人のケアマネさんから「日下部先生のサインを」などどせがまれ、私のへたくそな署名を裏表紙に書かされる羽目になった。恥ずかしいことこの上なしである。

 また、会終了後の準備会の方々との懇親会では、名古屋市の区宅所の介護保険係の方や認定調査の点検担当の方も参加され、立場の違いをこえたすばらしい交流になった。これもケアマネの会ならではのことである。

 
 愛知県では 社保協介護委員会の中で、大阪のケアマネの会を参考に、昨年からケアマネの組織作りの相談をすすめ、昨年10月の「ケアマネ懇談会」を皮切りに、今年の9月まで合計7回のケアマネ懇談会を開いてこられた。
 立ち上げの集いで、採択された「申し合わせ」の会の目的には、「一人あるいは少人数事業所ゆえの孤独な環境におかれたり、日常の中で利用者・家族と介護保険制度の狭間でさまざまなもどかしさを感じながら業務に当たる介護支援専門員どうしの交流と励ましあいの場とする」「介護保険制度を運営するキーパーソンとして、介護保険の問題点等実態を明らかにし、介護はもとより医療・福祉・保健の残飯的な改善・拡充を求め、利用者・家族、地域住民の立場に立ち、権利としての社会保障の確立をめざす」と書かれていた。

 大阪のケアマネの会は介護保険スタートと同時発足したが、この愛知の会は、介護保険10年の上に立っての発足、困難な時期での船出に、心から敬服するとともに、これからの発展を祈りたい。

 
 
Category: 介護保険見直し
2010/11/13 Sat
「高齢者専用住宅 オーナー様 募集」。

こんな案内が目立つようになった。

 ある 案内によれば


新・介護施設“高専賃”
● 駅から遠いのでアパートには不向き。幹線道路沿いではないので店舗向けにもならない。かと言って、法令上から工場や倉庫もできない。・・・こんな土地をお持ちの地主さんに“高専賃”がお薦めします。
● “高専賃”とは、「適合・高齢者専用賃貸住宅」の略称です。国や市町村の補助が嵩む「特別養護老人ホーム」(特養)や「有料老人ホーム」(特定介護施設=“特介”)に替わる介護対策のメダマとして注目されています。
● “特養”は安いので人気ですが、補助金に限りがあるため施設が不足し、全国では何百万人と待たされますし、“特介”は、入居一時金が何百万~何千万円と多額のためお金持ちしか入れませんし、市町村から「介護保険」による補助が要るため認可が進みません。
● 厚生労働省が、高齢化が急速に進むなかで後手に廻る介護対策の目玉としているのが“高専賃”なのです。その仕組みは、高齢者が介護を受けながら快適に暮らせるように、国が認可し監視する「高齢者向けアパート」です。係る方々のメリットを含めた概要は次のようになります。
  「入居者」:  ・一般のアパートを借りるコスト(2~3ヶ月の敷金等)で、すぐに入居できる。
          ・健常者も要介護の人も一緒に入居できる。
          ・1日3食、365日の「給食サービス」(別契約)が受けられる。
          ・24時間、「見守りサービス」付き、必要時に訪問介護(10%負担)が受けられる。
          ・入院しても、退院したらもとの部屋に戻れる。
  「事業者」:  ・50人~100人まとめて訪問介護できるため、介護効率は良い。
          ・一括借上げ家賃と入居者からもらう家賃(転貸)との差額が充分入る。
          ・オプションを含めたサービス業務などで収益が上がる。
  「地  主」:  ・事業者が25~30年間、一棟丸ごと借上げ家賃保証してくれるので安心。
          ・建築資金借入金金利、減価償却費、税金(優遇)を差引しても手残りは充分。
          ・相続対策としても、住宅優遇税制が適用できるためほぼゼロにでき効果的。
          ・建設資金の融資先は大手事業者の斡旋あり。
          例:東京、神奈川、埼玉、千葉(外房除く)は一室@48,000円。(その他40,000円)
              50室×\48,000×12ヶ月=年間収入28,000,000円  
          例: 50室1棟 木造3階建プラン 本体税込建築費 2億5000万円前後


 あまり資産価値のない土地の活用からはじまり、地主、事業者にさまざまなメリットを説いている。「効率性」「高収益」を強調する うまみのある活用。

 高齢者介護という 人生の最後の場面を見守り、尊厳を保持するための 営みだが、そんな理念や使命感はまったく必要とされない。単なる 金儲け だけの 「ご案内」である。

 介護業界自体が、玉石混淆 だが、いちおう、介護保険の公的規制のもとにおかれ、法令遵守 が求められ、違反事業者・不正事業者には「指定取り消し」という 退場処分があるが、この 「高専賃」ビジネスには それもない。 玉石混淆 どころか、どんなに悪い石が参入しても 規制がかからない。


寝たきり専用賃貸住宅の一端を紹介した投稿もある掲示板にあった。

「あくまで『個人がアパートを借りている』という前提
経口から食事摂取できる人は入居ができず、胃ろう・IVH・経鼻のかたが条件とのこと
入居するにあたっては
①主治医は高専賃を経営する医師に変更すること
②介護支援専門員も変更
③訪問介護・訪問看護も当然自分の好きなところは選択できません
行き先のない患者をエサにやりたい放題で、しかもケアマネにはプランの逆提示でサービスを調整させ介護保険料の限度額いっぱいまでサービスを放り込み、それでも足りなければ医師が医療の特別指示書を恒常的に発行(急性憎悪・終末期と書いてしまえば問題ない)し訪問看護をガンガン投入。
医療保険・介護保険を巧みに使い個人負担分もあわせ毎月患者1人から莫大な料金を得ているそうです。」


 囲い込みのための「住まい」提供の典型例で、しかも、最重度で 行き場がなく、医療と介護の依存度の高い人をターゲットにしている。

以下引用 中日新聞4月9日


 広がる賃貸「無届け」施設
 最重度の寝たきりの老人を対象にした〝賃貸住宅ビジネス″が広がっている。本来、選択の自由が保証されているはずの介護保険サービスが、指定事業者のものしか使えない所も。「有料老人ホームではなく住宅」だとして行政には無届けで済む。
 「住宅」の扱いだと、介護サービスについて監督する部署がなく、実態の把握も難しいのが現状だ。(佐橋大)
 実態は寝たきり老人ホーム
 愛知県内に住む会社員は親の介護の相談で同県内の「寝たきり高齢者の専門賃貸住宅」を訪ねた。知り合いの介護事業者のサービスを使えるかどうかを尋ねたところ「当社のサービスを使っていただくのが入居条件」と説明を受けた。「介護保険サービスは本人や家族が決められるはずなのに…」。この会社員は不信感を抱いた。行政に届け出ている老人ホームでは、そんな条件を付けることば許されない。老人施設の現状に詳しい社会福祉士は「介護保険法に反する契約が無届け施設で広がっている」と指摘する。
 この社会福祉士が調べた別の〝寝たきり専用アパート″では、賃貸借契約書に「貸主が指定する会社の介護保険のサービスを受ける」ことを規定。入居者は経管栄養の人ばかりで食事の世話の必要がないため、四畳ほどの部屋にばベッドが置かれているだけだった。施設が指定した事業所の訪問看護、訪問介護、訪問診療のスタッフが、そんな部屋を順番に回っていた。
 寝たきりの高齢者がばらばらに自宅に居るのと違い、一カ所に集まっているため「事業所はサービス提供に手間がかからない。ケアプランで必要以上のサービスを設定することも容易だし、ほかの事業所のサービスを受けたいと家族が不満を持っても、入居の契約で事業所を変えることができない」。
 この社会福祉士は施設側が丸抱えの契約で金もうけする実態を説明する。介護ベッドのレンタル料も相場より割高だ。 
 無届け施設だと、有料老人ホームのように居室の広さ、防火設備、職員配置などの規定に縛られない。人件費や建設費が抑えやすい。浮いた経費で入居料を安くし、その安さを売りに入居率を上げられる。
「介護」選べぬ契約 行政の監督は困難 こうした「無届け施設」は行政が監視できないのかー。厚生労働省は「実質的に有料老人ホームと判断すれば都道府県が契約の是正を求められる」とするが判断は難しいケースが多い。
 愛知県高齢福祉課が冒頭の会社員の訪ねた施設に事情を聴いたところ、施設側は「経管栄養の人だから食事を提供していない。介護保険のサービス提供はすべて外部の事業者。うちは単なる賃貸住宅」と説明。県は施設内を調べる権限もないため、有料老人ホームと判断する証拠を得られなかった。別の担当者も「『賃貸住宅』と言われると住宅部門の管轄となる。老人福祉法に基づく改善は求められない」と頭を抱える。
「介護施設と地域を結ぶ市民の会(愛知県東郷町)」の山下律子代表は「実態は寝たきり老人ホームだ。在宅の介護保険サービスが十分ではないうえ、国が療養病床を削減したことなどで、行き場のない人たちが増え、無届ホームが受け皿になっている。
 サービスに税金が使われている以上、チェック体制を早急に整えるべきだ」と指摘。
「無届施設に親を入れざるを得ない介護の現状を改めないと根本的な解決にならない」と訴える。



これに対し、高専賃に参入した人は

「コンサルタントの説明が抱え込みをしなさいでした。他の外部サービスを少し使えば大丈夫だと。始めてみておかしいと。おかげで勉強始められましたが・・住宅課に介護の部分を聞いてみても『何でもやっていいですよ、逆に何もやらなくても良いですよ。介護保険使わないので法も何も有りません』と言われました」
と、コンサルタントの脱法的な誘導と、住宅行政の無指導の現実を指摘している。
 
 「地域包括ケア」構想では、「住まい」は自己責任の分野であるが、ここに付け入る ビジネスへの、真の意味での公的な規制と 利用者の権利利益保護の 仕組みが 急がれる。





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2010/11/11 Thu
和歌山の「介護の日 学習会」に招かれた。
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参加者は介護事業所の方が中心で、介護保険改定の動向を中心に1時間半ほどお話させていただいた。

質疑応答でいろいろのお話をうかがったが、

 一番 驚いたのが、

 和歌山では、最近 無届を含む有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅や高齢者向け住宅が 急速に増え、

中には、「低価格」を売りにした 囲い込み型もあるらしく、

 グループホームより安いので、最近、グループホームの中で、「定員割れ」が問題になり、経営にも影響するほどとのこと。ケアマネジャーの中にも利用者を「高齢者住宅」にあっせんする人もいるという。

 老人保健施設の方からは、施設待機者が 減るほど 高齢者住宅に流れている との話もあった。

 高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の登録も受けずに、「高齢者向け住宅」「ケア付き住宅」を自称しているものも多数あり、中には「寝た専賃」と呼ばれているものまであるという。
 
 「寝たきり専用賃貸住宅」=「寝た専賃」というわけである。低価格で、寝たきりの重度要介護者を入居させ、併設の介護サービス事業所で限度額いっぱいのサービスを使わせるというものだろう。

 寝たきりにさせておくような処遇でないことを祈るばかりである。

 私のところにも 和歌山の高齢者住宅や 有料老人ホームに関する 苦情相談や 告発が 最近 寄せられている。

 生み出された 行き場のない 要介護者。 介護難民目当ての 新たな囲い込み 「住宅」が グループホームを脅かすような 公図が 生まれているとしたら 恐るべしである。

 しかし、和歌山のこの状況は 少し異常である。
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2010/11/11 Thu
 軽度者に対するホームヘルパーの生活援助(家事援助)の切り捨てをめぐって、ここ数日間、同じような論調の報道が続いている。

例えば一昨日の朝日

以下引用


生活援助、介護保険から除外の可能性 厚労省方針
 厚生労働省は2012年度の介護保険制度改正で、要介護度が軽い「要支援」の人に対する掃除などの生活援助サービスを保険から除外できる仕組みを設ける方針を固めた。市区町村が判断し、新設する独自サービスに生活援助を組み込めるようにする。これにより、生活援助にかかる費用を減らす狙いがある。
 介護保険財源に限りがあるなか、厚労省はより重度の利用者に対する身体介護などを優先する考え。同省案では、保険の対象から外す自治体には、配食や見守りなどに加え、掃除や調理といった生活援助も含めた総合サービスの導入を義務づける。独自サービスの担い手にはNPOやボランティアの活用を検討し、費用を安く抑える。
 だが、ホームヘルパーら専門家が生活援助をする介護保険に比べて、質の低下を招く懸念がある。家族側からは「専門家以外に生活援助を任せると、要介護度が悪化してかえって介護費用は増える」と反対する声が出ている。また、新設する独自サービスの対象は自治体が判断するため、住んでいる自治体によって利用できるサービス量が減ったり、サービスを使えなくなったりする可能性もある。
 介護保険を利用する要支援者は約80万人で全体の2割。サービスの5%にあたる約4千億円分を利用している。日常生活の支援が必要で、約40万人が訪問介護を利用し、そのうち生活援助は利用回数の9割程度を占めるとみられる。09年度までの3年間の介護費用の伸びは、要介護者の1.16倍に対し、要支援者は1.44倍と急増。生活援助は「家政婦代わりに利用している」という批判もあり、将来的には対象者の縮小も図る。
 ただ、担い手不足から、ただちに保険除外する自治体は限られる見通し。すでに独自サービスを実施している自治体も、どこまで生活援助を引き受けるか未知数だ。
 同省は年末までに介護保険制度の改正案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を出す方針だ。(中村靖三郎)



読売にもおなじような報道があったし、昨日、東京の駅で購入した東京新聞にも同様の記事があった。

 厚労省は、10月28日の社会保障審議会介護保険部会で、「軽度者の生活援助」について「縮小」を提示していたが、この間の報道は、国レベルでの正面からの制度改定 というよりも、「保険者判断」を前面にして、地方での縮小・廃止を推進させようという「迂回戦術」のように思える。

 反対世論の根強さを示す一面、「介護保険給付外」の「総合的な生活援助サービス」は「保険者判断」でつくる案も提示されているし、自治体に対する「第5期介護保険事業計画」作成についての指導でも「総合的生活援助サービス」を盛り込むように指導する内容となっている。

 いよいよこれからが正念場である。

 生活援助の切り捨ては国・ローカルを通じて 断固阻止しなければならない。
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2010/11/11 Thu
11月10日午後は、全日本民医連の「介護・福祉責任者会議」(墨田産業会館)に招かれた。

会場は全国から集まった200人近くの方々でいっぱい。さらに、私の前の「記念講演」は、前参議院議員の小池晃さんである。小池さんの講演が1時間で、その次の私の講演は1時間半もとっていただいている。

私のような者が… と とても緊張し恐縮する。

テーマは「地域包括ケア」である。

自由に喋ってかまいません、との事務局のお話だったので、厚労省の「地域包括ケア」=実現可能性のないニセモノだ、との立場でお話させていただいた。

以下 私のパワーポイントのレジメ


全日本民医連「2010年度介護・福祉責任者会議」 2010.11.10 墨田産業会館
「地域包括ケアシステム」と運動の課題大阪社保協介護保険対策委員 日下部雅喜
1 厚労省の「地域包括ケアシステム」をどう見るか
(1)本質は介護保険の再改悪による公的責任放棄・公費縮小
 ①大半の関係者が「実現可能性」を感じない構想 (ユートピアの2025年日本)
  「24時間365日 中学校区内で多様なサービスが受けられる」「独居の重度者でも地域での生活が十分に可能」「特養の待機者は生じない」 
   6年前を思い起こそう 「予防重視型システムへの転換」
「明るく活力ある超高齢社会」「健康な65歳から活動的な85歳へ」
予防重視型は効果をあげたのか 
 ②選択と集中
「需要爆発と資源制約(人材とコスト)の中で、選択と集中を行って制度を持続可能なものにすることが必要である」
「選択と集中」(予防では追いつかない) 
 ③自助 互助 共助 公助 論の本質
  「これは「哲学」の問題」「精神として、高齢社会を支えるにあたり高齢者一人ひとりがまず自分のことは自分でできるかぎり責任をもつ。できる能力を使うとの視点もあるし、身体能力とはまた別に、例えば住むこと、食べること、これを介護保険が給付するわけはないですから、自助が先になります。それが最初です。」(田中滋教授 研究会座長)
→ 究極の「自己責任」論
※介護保険の新たな改悪段階へ 「選択と集中」は「排除と切り捨て」
 ・施設(重度者)と軽度者(生活支援)
  5年前の改悪  軽度者 予防重視   重度者 食費部屋代自己負担・施設整備抑制
  今回 軽度者 給付から排除 重度者 施設から排除 
※北欧型システムとの決定的なちがい
  保険制度でない 民間参入でない 膨大な施設待機者(施設不足)を前提としない
  住宅は公営、24時間巡回サービスは公務員
(2)超高齢社会に立ち向かう運動にとって活用すべき側面
  「あるべき姿をトータルに描き、そこに至る過程の課題を考察」(田中教授)
 ①日常生活圏域で安心・安全・健康にかかわる 「住まい」「予防」「生活支援」「介護」「医療」のすべてがそろった地域
  →公的責任で「地域包括ケア」の資源、システム、人材、そしてネットワークを作らせる
 ②日常生活圏域部会での事業計画策定など「住民」主体
→地域住民の活動体として、民主勢力や民主的事業所が公的に参加

2 改めて厚労省「地域包括ケアシステム」構想の危険性を考える
    介護保険の改悪メニューにも関連して
※ニセモノは実際の施策展開ではきわめて悪い役割を果たす
(1)行き場のない重度者 家族の介護負担 孤立する高齢者の現実をあえて無視 
→必要な施策をしない積極的口実になる
 ①特養待機者は「見せかけ」 施設整備の先送り・サボタージュ
 ②家族の介護負担・虐待  現状分析すらない
 ③孤立死 ことばすら皆無  本気で地域社会を創造する気も知恵もない
(2)安易な「施設解体」論 「尊厳」「個別性」もない地域ケア
①施設の地域化 → 住まい 食事 介護 医療 見守り → 施設なき特養としての地域(池田教授)
 ②24時間地域巡回型訪問サービス (「まったく新しいサービス類型」)
 在宅限界点を高め要介護3以上を想定
  ・排除されるタイプがいる (あらゆるタイプに効果的なケアを提供できるわけではない)
 「寝たきり・おむつ」が最適か
  ・入浴は自宅で不可か 
  ・「継続的アセスメント・マネジメント」、ケアマネとは「共同マネジメント」
(3)地域を「囲い込み屋」に丸投げの危険性 
  ・保険者裁量強化による事業者指定(「地域主権改革」と一体で推進)
   サービス拠点、日常生活圏域内での一体的サービス 24時間型は「エリア担当方式」か
  ・「介護成長産業」論による零細乱立脱出志向
  ・現状の高齢者専用賃貸住宅、「高齢者向け住宅」「ケア付きハウス」などの実態
   規制でなく逆に「奨励」
  ・「住み慣れた地域」の欺瞞
(4)地域包括支援センターについてまともな改革案なし
   法的にも財源的にも介護保険 
   民間丸投げ容認 予防プランセンター

3 本物の「地域包括ケア」のために
(1)現実の介護の当事者、介護現場の実態を改善する取組みが前提
 ・重度者を介護する家族の介護負担、行き場のない要介護者 の解決策
 ・地域で孤立する高齢者 見守りのネットワーク構築
 ・虐待やいわゆる支援困難者(社会問題ケース)支援 公的責任を中核とした支援の仕組みづくり
 ・生活支援 いつでもどこでも必要なサービスが利用できる
(2)「地域包括ケアシステム」の構築責任は国と自治体である
 ①包括ケアの実現された地域社会を作るのは自治体の責務 
  当事者、住民、関係者 は 意見を述べ、参画する 行政が動かなければ社会的な運動で動かす 事業に住民・事業者として参加する
※自助・互助システムでない
 ②沢内村の「生命行政」 地域包括医療に学ぶ 
   3つの目標 ①すこやかに生まれ ②すこやかに育つ ③すこやかに老いる
   この目標を実現するため 「誰でも」(どんな貧乏人でも)、どこでも(どんな僻地でも)、いつでも(24時間365日、生涯にわたって)、学術の進歩に即応する最新・最高の包括医療サービスと、文化的な健康生活の保障を享受することが必要である …そのために、沢内病院と沢内村自治体の体質改革、村民の自己健康管理能力の向上という改革目標が設定された。この上に立って、考えられるあらゆる関連部門の具体的計画が立案されたのであった」(村長ありき-沢内村 深沢晟雄の生涯)
(3)第5期に向けた地域の取組み
 ①日常生活圏域ニーズ調査
  調査内容に意見を、できれは企画に参加する
調査は必ず全圏域で悉皆調査をさせる
調査結果の活用
 ②日常生活圏域部会
  必ず全圏域で民主的構成めざし利用者家族の声が反映するように
  ニーズ調査結果は当然として現状の地域課題
 ③事業者指定、サービス拠点
  サービス拠点整備への公的責任 特定の団体・事業者に丸投げさせない
 ④地域包括ケアの中核 地域包括支援センター
おわりに
 2025年に向かう「地域」をこのように歪めた責任は国にある
  過疎と「限界集落」 
  都市部への高度成長時の労働力集中 地縁血縁社会の崩壊 人工都市(ニュータウン)
  超高齢社会 に対応できる 地方自治体 へ 
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2010/11/10 Wed
久々に東京にいくことになった。会場は墨田産業会館。

墨田区と言えば確か 東京スカイツリーが建設中のところではないか!

少し早くついて さっそく 見に行った。

東武伊勢崎線の業平橋という駅で降りると

ホームの目の前にドーンと 東京スカイツリーが

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「ホームからのスカイツリー工事現場の撮影は危険ですのでおやめください」という張り紙があったが、みんな無視してカメラや携帯でパチリパチリ。

駅構内にはこんなポスターも
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地元の商店街では、「おしなり君」というキャラクターも登場している。
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地元の押上・業平地区5商店会によると、
「当地区の業平橋の名前の由来になった平安の歌人、在原業平をモチーフに、スカイツリーをイメージした烏帽子(えぼし)姿。」「名前について  押上・業平橋地区の「押(おし)」と「業(なり)」からとって「おしなりくん」と命名しました。」とある。

しかし、東京スカイツリーの公式キャラクターは先月、「ソラカラちゃん」と決まったそうである。
sorakaratyann1.jpg
こちらの方は、
「ソラカラちゃんは、東京の街に見たこともないタワーが育っているのを見て宇宙にある「とんがり星」からやってきた好奇心旺盛な女の子で、東京スカイツリーから望遠鏡をのぞいて新たな発見をするのが大好きという設定」だそうで、「片足を上げてポーズを取る仕草は活発・好奇心旺盛な性格を、手に持つ望遠鏡はスカイツリーとその周辺の魅力を新しい視点から発見することをそれぞれ表現した」と説明されている。


業平橋駅を出ると目の前に、「東京スカイツリーインフォプラザ」があるので、そこで、展示物とビデオを見て勉強する。

工事現場へ。
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ただいま497メートルとあった。

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地上450メートルの第2展望台を組み上げているのだろうか。第1展望台の上にクレーンがにょきにょきと動く。
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説明によると、完成すれば634メートルの高さだそうであるが、500メートルからは、「ゲイン塔」という放送用アンテナが設置される鉄塔になるとのこと。
 
地上500メートルの高さでの工事になるので、「リフトアップ工法」と言って、タワーの中心部の空洞を利用して地上でゲイン塔を組み上げ、完成後に一気に頂上まで引き上げるという。

スカイツリーの回りを歩き回りながら、上ばかり見ていたので 首が痛くなった。








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2010/11/09 Tue
 厚生労働省のめざす「地域包括ケアシステム」では、「自助」(自己責任)とともに、「互助」(近隣の助け合いなど)が異常に強調されている。
 
 ここ最近、団地自治会の役員さんたちの会合に招かれたり、地域包括支援センターのかたがたとお話したり、ボランティアを多く活用している盲養護老人ホームの職員さんたちと話し合う機会があった。

 「地域で見守りとか、孤立化させない関係と役所は簡単にいうが、現実はきびしい」。

 団地自治会の役員を20年間やっている70歳代の男性の言葉である。

 団地の階段掃除にも出てこない人、出てこれない人 もいて 四苦八苦している、とのこと

 さらに、高齢になって 少し認知症が出てきた人は、自治会の回覧板や当番もできなくなるから、ますます周囲から疎遠になる。奇行や わけのわからない話をしだすようになると、まわりに住民は「火を出さないか心配」という声も出始め、ケアマネジャーに「なんとかしてほしい」と訴えたりで、結局 団地に住めなくなった例だってある、という。

 たしかに、孤立死防止の見守り、声かけの活動もされているが「住民主体」の活動の難しさを考えさせられるお話であった。

 地域包括支援センターの方は、いち早く、住民向けの「ボランティア講座」を開催しているというが、

「団塊の世代なんてさっぱり参加しません。年金が満額支給される65歳まではほとんど働いているし、60歳代後半は自分の趣味や旅行に熱心。70歳をかなりすぎて、そろそろ自分も不安になってきてはじめて講座に参加してくる。年齢的にも活動がいつまでできるか とても心もとない」

 現在の都市部の高齢者の一側面をあらわしている。

 盲養護老人ホームでは、入所者の買い物や外出支援に、これまで 多くのボランティアにお願いしてきたという。
 ところが、そのボランティアグループが、高齢化し、後継者もなかなかなく、活動メンバーが激減し、必要なときに人が確保できなくなってきている、という。

 地域全体が高齢化し、疲弊しているとことに、「住民主体」の「互助機能」をもとめても 必ずしもうまくいかないだろう。

 厚生労働省の「地域包括ケアシステム」構想の非現実性がここにもある。
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2010/11/07 Sun
介護保険は市町村が保険者という点では、国民健康保険と同じである。

そこで、少し 全国の介護保険特別会計と国民健康保険特別会計を比較してみた。

介護保険が赤字の市町村は全国でどれくらいあるか?

介護保険の保険者は全国で1,587。赤字(財政安定化基金から貸し付けを受けた保険者)は 9である。たったの0.6パーセント。平成21年度の実態である。黒字の保険者率は99.4%ということになる。
 データは 厚労省の「財政安定化基金貸付状況(平成21年度)」を参照のこと。全国47都道府県のうち赤字保険者がいるとことは7県のみである。

 これが、国民健康保険では、全国1788市町村のうち、赤字は 812市町村で45.4%を占める。
 データは厚労省の「平成20年度国民健康保険の財政状況等について(速報)」を参照のこと。

大変な違いである。

 国保は、単年度収入(経常収入)12兆4,588億円から単年度支出(経常支出)12兆4,496億円を控除した単年度収支差(経常収支差)は93億円であり、さらに、これに国庫支出金精算額等(+109億円)を考慮した精算後単年度収支差引額は202億円となっている。しかしながら、一般会計繰入金(法定外)のうち赤字補填を目的とする2,585億円を収入から除いた、精算後単年度収支差引額は、2,384億円の赤字となる。基金積立金等は、3,375億円あるが、膨大な赤字を考えると厳しい財政状況である。


 介護保険に目を転じよう。
 

 平成20年度介護保険特別会計経理状況を見てみる。
 歳入合計7兆2,351億円、歳出合計7兆469億円、差引残額1,882億円(黒字)となっている。この差引残額のうち、国庫支出金精算額等を精算した後でも1,054億円の黒字となる。
 平成20年度末現在で介護給付費準備基金(取りすぎて余った介護保険料のため込み)の保有額は4,050億円となっている。
 介護保険は、全国で1,054億円の単年度黒字で、保険料のため込み金4,050億円を抱えていたのである。ため込み金(準備基金)をもっていたのは1534保険者だから、全保険者の96%ほどにあたる。ほとんどすべての市町村が介護保険料を余らせて第3期を終えたことになる。


 このため込み金は、平成21年度~22年度の第4期に一部繰り入れられているが、全部ではない。

 介護保険にはもう一つのため込み金が手つかずに残されている。前述した「財政安定化基金」である。


 市町村の介護保険が、保険料の未納や計画を上回る介護給付費の伸びなどにより財源に不足が生じた場合に、一般会計からの繰り入れに頼ることなくこれに対応できるよう、「財政安定化基金」が設けられている。

 これは各都道府県にあり、基金の原資は国、都道府県、市町村が3分の1ずつを負担する形で造成されるが、市町村の負担金は保険料に原資を織り込んで造成されることになっている。要するに財政安定化基金の3分の1は高齢者の介護保険料なのである。

 この財政安定化基金が、先述したように、平成21年度の貸付した保険者数がたった9である。
 市町村の介護保険財政はどこも黒字なので貸し付ける必要などほとんどなくなってしまったのである。
 
 それなのに、全国47都道府県には、平成21年度末で 2,767億円もの基金積立残額がある。


 データは 「都道府県別財政安定化基金貸付・交付等の状況(平成21年度末現在)」

 平成21年度で全国の基金で活用(貸付・交付)されている金額は81億円ほどしかなく、基金積立総額2848億円の2.8%に過ぎない。使うあてのないカネである。

 これを「埋蔵金」と呼ばずして何というか。

 
 将来はさておき、現時点での 市町村介護保険の財政状況、ため込み、そして都道府県財政安定化金の状況というトータルな介護保険財政の実態を見る限り、軽度者の生活援助を縮小したり、軽度者の負担割合を引き上げるような短期的必要性はまったくない。
  
 むしろ、削られ、押さえつけられた介護サービスを取り戻すことこそ必要である。

 社会保障の財政は「黒字」であることが健全なのではない。給付を必要とする人々にきちんと給付がなされているか、これが健全かどうかのメルクマールである。 
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2010/11/06 Sat
軽度者切り捨ての介護保険改悪メニュー。

ところで、この「原型」が、一昨年の2008年5月13日、財務省の財政制度等審議会財政構造改革部会に資料として出されている。「軽度者に対する介護給付見直しによる影響額試算」という表である。

 ここでいう「軽度」とは、要支援者に加え要介護1と要介護2までをさす。

 1「軽度者」を介護保険の対象外にすれば 約2兆900億円 の節減
 2「軽度者」の生活援助のみの場合の給付を介護保険の対象外にすれば 約1100億円 節減
 3「軽度者」の負担割合を1割から2割に引き上げれば 約2300億円 節減

 というような計算である。
 
 人の生活と命を削ることをなんとも思っていない ゼニカネ勘定だけの暴論である。いかにも財務省の考えそうな案である。

 これが報道されたとき 当時の 舛添厚生労働大臣は「きいていない」と不快感を表明した。厚生労働省の担当者も「データは厚労省のものだが、そのような案はもっていない」と否定した。
 さすがに、腐っても厚労省である。

 ところがである。

 今回は、社会保障審議会介護保険部会で 厚生労働省が 同じような軽度者切り捨てメニューを持ち出してきた。

 だからこそ 絶対に許せない。 「ペイアズユーゴー原則」は、厚生労働省官僚のアタマまで、財政論一辺倒に変えてしまったのであろうか。

 国民の力で、彼らの アタマと性根をたたきなおさなければならない。
 
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2010/11/05 Fri
 介護保険見直しの最終盤で まとめて出された厚労省の「改悪メニュー」。

 みんなの力と声で 葬り去るために 大阪社保協は「緊急アピール」を発し、厚労省と社会保障審議会介護保険部会に 声を届ける 行動を呼びかけました。

 情報では、次回(第36回)の社会保障審議会介護保険部会は、11月19日で、そこで部会の「まとめ案」が文書で提示される予定とのこと。11月25日の部会で終了とするのか、12月2日が予備日となっているとのことで、ここ3週間ほどが勝負です。

 ぜひ 多くの皆さんの ご協力をお願いします。

 何よりも 介護保険を必要とするすべての人々のために。

以下アピール


介護保険にかかわるすべてのみなさんへの緊急アピール

負担増とサービス取上げの介護保険大改悪メニュー 

改悪を許さないため声を上げましょう

   2010年11月4日 大阪社保協 介護保険対策委員会

利用者負担増とサービス取り上げの大改悪メニュー 

介護保険利用者と家族のみなさん。

ケアマネジャー・ヘルパーのみなさん。

介護保険事業所・施設で日々介護に従事されているすべてのみなさん。


 介護保険改定の検討をすすめている厚生労働省は、その最終盤の10月28日にとんでもない「改悪メニュー」を示しました。

 ①居宅のケアプラン作成(現在利用者負担なし)について、利用者負担を導入する

②低所得者の施設食費・居住費の軽減(現在は本人の所得で判定)について、施設入所前の世帯の負担能力や資産を支給要件に加える

③4人部屋など多床室の入所者(現在は光熱費のみ負担)にも部屋代を負担させる

④利用者負担(現在1割)について高所得者は引き上げる

 と、利用者負担増のオンパレードです。


 さらに、軽度の人については、①利用者負担を引き上げる ②生活援助サービスなど給付を縮小する とし、負担増プラスサービス取り上げのダブルパンチの内容となっています。


介護保険料上昇をテコに犠牲を押し付け 

厚生労働省は、「次期改定では介護保険料が現在平均月4160円から5000円程度へと大幅に上がる」「国の財政運営は『新たな施策は新たな財源確保か歳出カットなしには行わない』という『ペイアズユーゴー原則』であり、利用者負担と給付の重点化が必要」とその理由を述べています。しかし、その財源を介護保険の利用者家族に求めることは本末転倒です。

 「介護退職」が年間10万人以上にのぼり、特別養護老人ホームの入所待機者が全国42万人以上という「介護難民」が社会問題になり、さらに、介護にかかる経済的負担の重さは「介護貧乏」「介護破産」ということばまで生み出しています。行き場をなくし、追い込まれた当事者・家族による悲惨な「介護心中・介護殺人」は介護保険開始後400件を超え増加傾向にあります。

 こうした要介護者と家族の負担を軽減することが必要であって、新たな負担増を課すことはあってはならないことです。

改悪メニューは利用者の生活破壊を招く結果に

 ケアプラン作成などケアマネジャーの支援は、利用者が在宅でその能力に応じた自立生活を営むための不可欠のものであり、利用者にとってケアマネジャーはかけがえのない存在となっています。これに利用者負担を導入することは自立支援を否定するに等しい暴挙です。

 施設利用者の食事費・部屋代については、もともと保険給付の対象だったものを2005年の制度改悪で利用者負担にしたもので、導入時には「低所得者にはきめ細かい軽減を行う」としていたものです。今度は「入所前の世帯の負担能力」「保有する資産」まで軽減の要件に加え負担対象を大幅に増やそうとしています。また、部屋代のかからない多床室は、少ない年金しかない人や生活保護受給者が入居できる貴重な存在となっています。これに部屋代負担を求めるというのは、もっとも生活に困窮する人を施設から追い出すことになります。

 「高所得者」の利用者負担を現行1割から引き上げる案も、70歳~74歳の高齢者医療費負担を1割から2割に引き上げる動きと合わせて考えると、利用者全体の負担割合を引き上げる一歩と判断せざるを得ません。

厚労省は、「軽度者」の負担増・サービス取り上げの理由を「重度の要介護者に給付を重点化する観点から」と説明しています。まさに、軽度と重度を分断し、「これからは重度者に金がかかるから軽度者は我慢せよ」という露骨な切り捨てにほかなりません。要介護認定が「軽度」であっても、かかえる生活困難は「重度」である方は多く、とくに一人ぐらしや高齢夫婦世帯の生活を支えているのはヘルパーの生活援助をはじめとする介護保険サービスです。これによって重度化を防止し、在宅生活が可能となっている数十万人の利用者がいるのです。今回の改悪メニューは、この「軽度者」の生活をバッサリときりすてるものです。

11月の「意見まとめ」で改悪メニューを撤回させましょう 

厚生労働省は、来年1月から開かれる通常国会への関連法改正案の提出をめざし、11月に社会保障審議会介護保険部会での「意見」をまとめようとしています。審議会の委員の多くもこの改悪メニューには「反対」「危惧」を表明しています。しかし、厚労省の動きは予断を許しません。関係者や国民の声が弱ければ改悪メニューの中で強行されるものが出てくる危険があります。今回提示された利用者負担・軽度者給付の改悪メニューのすべてを撤回させるために緊急に行動を起こすよう呼びかけます。

○介護保険大改悪メニューを許さない緊急行動のよびかけ

介護にかかわるすべての人々の声を厚生労働省に届けましょう

厚生労働省への送付先

1. 厚生労働省老健局総務課

FAX番号:03-3503-2740

メールアドレスkaigobukai@mhlw.go.jp

2. 厚生労働省 「国民の皆さま声募集」

国民の皆様の声募集 送信フォーム https://www-secure.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html







Category: 介護保険見直し
2010/11/03 Wed
介護保険見直し検討の最終盤で まとめて出てきた 改悪メニュー6項目。

先日の 高齢者の居場所つくりをすすめる連絡会 の総会で 緊急要求を提出することを確認した。

 以下緊急要求



改悪メニューの撤回と介護保険制度の抜本改善を求める緊急要求
   介護保険見直しの検討が行われていますが、10月28日に開かれた第35回社会保障審議会介護保険部会で、厚生労働省が提示した「論点」のうち、「利用者負担」「軽度者に対する給付」にかかる6項目の改悪メニュー(①介護サービス利用者負担(現在1割)を高所得者と軽度者について引上げ、②ケアマネジャーのケアプラン作成(現在全額保険給付で自己負担なし)について利用者負担導入 ③低所得者の施設食費・居住費の軽減について、施設入所前の世帯の負担能力や資産を支給要件に加える ④4人部屋の施設利用者からも室料負担 ⑤軽度者の利用者負担を引き上げる ⑥生活援助サービスなど軽度者のサービスを縮小する)は、どれも断じて認められないものです。
   これらが実施されれば、利用者とその家族に多大な負担をかし、サービスの利用が著しく制限され、生活に重大な困難をもたらすことは明らかです。また、介護保険の「自立支援」の理念を否定することになります。
   高齢者の居場所つくりをすすめる連絡会として、この6項目の改悪メニューに対して明確に反対を表明し、撤回を求めるとともに、介護保険制度の抜本的回線を要求いたします。
 



1 厚生労働省は「利用者負担」「軽度者に対する給付」にかかる6項目の改悪メニューすべてを直ちに撤回すること

2 社会保障審議会介護保険部会としての「意見」にはこれら改悪メニューをいっさい盛り込まないこと

3 介護保険見直しにあたっては以下のことを実現すること

① 待機者を解消し行き場のない高齢者をなくすために、特別養護老人ホームなど施設・居住系サービスを大幅に拡充すること 

②ホームヘルパーの生活援助について、日常生活の援助をトータルにできるホームヘルプサービスを充実させるため身体介護と一本化すること。不当にサービスを制限する「ローカルルール」を解消し、必要な援助ができるようにすること

③ 施設利用者の食費・部屋代の低所得者軽減(補足給付)を廃止せず、すべての介護保険施設・居住系サービスの居住費について軽減措置を講じること

④ 要介護認定については、将来廃止をめざし、当面は3段階程度に簡素化を行うこと

⑤ 区分支給限度額については、在宅生活を送るための必要なすべてのサービスが確保できる量まで引き上げること

⑥ 介護保険給付費の公費負担割合を大幅に引き上げること

⑦ 利用者負担については現行(1割)以上に拡大せず、応益負担を所得に応じた応能負担とし、非課税者の負担をなくすこと

⑧ 居宅介護支援については、10割給付を堅持するとともに、独立・公平性が担保できる報酬額に引き上げること

⑨ 公費負担により介護労働者の賃金労働条件の大幅な改善をおこなうこと
Category: 介護保険見直し

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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