2010/12/31 Fri
 「岐阜県山間部は50センチの積雪」 こんな 天気予報で 心配しながら
 12月30日夜に 岐阜県下呂市の実家に到着したが、雪など何にもなし。
 今日 大晦日 も 粉雪はちらつくものの 積雪は 今のところなし。
 穏やかな 田舎の実家で ゆっくりと「わが一年」を振り返る。

前半は、介護保険 訪問介護のサービス制限・ローカルルール解消の取り組み

 昨年から準備していた、大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会による「ここまででこきる!ホームヘルプサービス」は4月に出版。

 これと平行して、大阪府内各自治体のローカルルール是正の取り組みは 2月堺市、4月和泉市、5月東大阪市、8月寝屋川市など 次つぎと それまでも サービス制限を緩和する 通知や 説明 などを新たに行った。

 大阪社保協による 大阪府訪問介護Q&A改正問題ヘルパー・ケアマネジャー研修会も 3月東大阪市、4月泉州地域(貝塚市)、5月北河内地域(枚方市)、7月大阪市、10月北摂地域(吹田市)など 各地で開催し、府内自治体すみずみに 大阪府レベルでのローカルルール打破の成果を広める活動への広がった。

 さらに、近県への この取り組みの拡大についても、兵庫県、和歌山県での介護関係者学習会をはじめ「ヘルパーのつどいin奈良」(9月)、「ヘルパーのつどいin京都」(11月)など、広がった。この広がりは、広島市でのローカルルール是正の対市交渉など具体的な成果をあげ、北九州市や愛知県でも学習会が取り組まれ、介護関係の雑誌や新聞でも報道されるなど、われわれに予想外の規模となった。

 そして、後半は、介護保険制度2012年度改定に向けての 取り組み。

 7月からの社会保障審議会介護保険部会で本格的な検討が始まったこの検討作業では、改善どころか大改悪のオンパレードの内容となって11月末に「介護保険制度見直しに関する意見」となって具体化した。
 「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」で 利用者にすべての負担と犠牲を押し付ける大改悪である。
 
 これについては10月から12月にかけて、現場からの発信を中心とした反対運動を呼びかけ、結果として政府与党をして「負担増先送り」まで追い込んだ。

 介護保険料不服審査請求運動、介護事故裁判など、引き続き課題や、地元堺市で地域の仲間ととりくんでいる地道な活動もさまざまな問題を投げかけ、立場をこえた対話を広げてきた。
 心残りは、福祉介護の不正や権利侵害問題への取り組みが十分できなかったことである。

 思いつくまま、さまざま 記したが、何か戦略や「年間目標」があったわけではない。そのときそのとき、国や地域でおきていることに対して「これはなんとかしなけれな」「これは許せない」と思ったことを、まず、調べ、そして学びながら、そして、いろいろな人と知恵を出し合い、それぞれの立場で力を出してもらっただけのことである。

 2010年の私の年賀状には
「いろいろ紆余曲折はあっても、時代は動き、社会は変化する。そんな実感を強く持った一年でした。流されぬよう、そして自己の信念にそった生き方を貫きたいと思うこのごろです。たとえ、失うものがあったとしても一度しかない人生、自分の納得のいくように、そして万人が『生きていてよかったと思える社会の実現のために。』」
と、書いていた。

 どこまで、その実現に近づいたかはわからないが、浅学非才の身でありながら、それなりに 小さな貢献ができたのではないか、と思う一方、少なくない方々にはご迷惑をかけていることを反省するしだいである。 

 以上 私の 2010年の振り返りとします。
 
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Category: 雑感・雑記
2010/12/31 Fri
 年末らしく、各マスコミも「今年の10大ニュース」というたぐいの報道ばかりが目立つ。

 共通しているのが、「尖閣諸島」「中国漁船衝突」「映像ネット流失」が国内の上位に来ていることである。

 異常な、反中国ナショナリズムの台頭と、「国民感情」を煽り立てるマスコミの報道である。あたかも今にも中国が尖閣諸島を「武力占領」するかのような危機感をあおりたて、新防衛大綱では、自衛隊の海外派兵機能を本格的に強める「動的防衛力」への転換を宣言し、その口実として、中国への懸念を打ち出し、沖縄県・南西諸島に沿岸監視隊を置くなど島嶼(とうしょ)防衛を明確に位置付けるという絶妙のタイミングである。

 民主党政権が、海上保安庁のビデオ公表を拒否したまま、海上保管官による映像ネット流出という事態に発展したこともさらに問題を複雑にし、政府の「対中国弱腰」批判の大合唱を呼び起こす結果となった。

 経済発展著しい中国に対する、脅威感と警戒感、来日する中国人旅行者や滞在者への、なかば差別的な「嫌悪感」(マナーが悪い・非常識等)などが 絡み合って「反中国感情」と「中国脅威論」がかつてなく高まった一年である。
 
 しかし、中国との関係では、かつての日本軍国主義の中国侵略の反省とその上に立った「日中不再戦」の決意こそ出発点におかれなければならない。

 そのことを歴史のかなたに追いやり忘却し去った上で、表面的な「領土問題」で反中国感情に走ることは危険極まりない。
  
 新防衛大綱が打ち出した、専守防衛の「基盤的防衛力」から海外展開をも可能とする「動的防衛力」への転換が、アジア諸国に大きな警戒感を呼び起こしていることも忘れてはならない。

 尖閣諸島問題についていうならば、この問題は、1972年の日中国交回復以降のきわめて微妙な問題をはらんでいる。自民党タカ派などは、このことを百も承知で、民主党政権の対応を批判し、反中国・軍事力と日米同盟強化に利用しようとしている。

 たしかに、歴史的にみれば、尖閣諸島が日本に正当な領有権があることは明らかであろう。日清戦争と同時期であったとは言え、1895年の日清講和条約(下関条約)とは無関係に日本が領有を宣言したことはその証左であろう。

 しかし、列強の植民地的侵略の餌食となり、さらに日本から長きにわたって侵略を受けて中国側からすれば、日清戦争と同時期に日本が領有宣言した尖閣諸島には複雑な民族感情が生じるのは当然である。

 1978年の日中平和友好条約締結の際に、日中友好という「大同」のために、尖閣問題という「小異」を棚上げにしたのである。

 小平は、「両国政府が交渉する際は、この問題を避け、一時たな上げする方がいい。十年たな上げしてもかまわない。われわれの世代は、知恵が足りない。この問題の話をまとめるには、次の世代が賢くなるだろうから、その時は必ずや、互いに受け入れられる方法を見つけられるだろう」説明している。この「領土問題は長期たな上げ」方式は、両国関係が発展し、国際環境も落ちついて相互信頼が確立した下で解決しようという、外交的な「知恵」というべきものであろう。

 この点、「歴史的・国際法的に日本領有が正当」であることをもってストレートに「尖閣諸島の領有の正当性を中国政府に主張すべき」とけしかける意見もある。

 これも、私としては同意できない。

 元外務官僚の孫崎亨氏がいうように「尖閣諸島を実効支配しているのは日本のほうだから、あえて領有権を問題にして外交問題を引き起こすよりも、その実効支配が長期なればなるほどその実績は日本に有利になる」(第10回地方自治研究全国集会での講演から)という、「長期棚上げ+日本の実効支配」というのがもっとも現実的かつ日中友好に役立つ解決方策だと思う。何よりも日本・中国の両国人民のなかに「反中」「反日」の不毛かつ危険な民族対立を呼び起こさないことが重要である。

 「日中不再戦」の誓いは「戦争放棄・戦力不保持」の憲法9条と密接不可分の関係である。
Category: 時局争論
2010/12/30 Thu
ヘルパーはおせち料理を 生活援助で できるか 

このテーマで 2007年から年末に 自分で おせち料理を作ってきた。

4回目になる今日は 「1時間以内」に挑戦。

まず、買物は前日に済ませておく。

そして、できるだけ出来合いのもので済ませる。

今回のおせち

壱の重

黒豆、数の子、たたきごぼう、栗の甘露煮、、かまぼこ、わさび漬けのかまぼこくるみ
Image496.jpg


弐の重

きんぴら、鯛の酢漬、ぶりの照り焼き、はものかまぼこ、鮭の甘塩焼きエビの酒炒り、棒だら

Image497.jpg

参の重

筑前煮、田作り、おだまき、高野豆腐、にしんの昆布まき

Image498.jpg

今回、自分でつくったのは、赤字のものだけ、あとは切ったり、盛りつけしたりはしたが、調理はしていない。

盛り付け、後片付け含めて 50分で完了。筑前煮とか、数の子を完全に 出来合いのものにしたことが時間短縮となった。

ヘルパーなら生活援助2 で 可能である。


いつも、盛り付けで時間がかかるので、今回はおせち料理の詰め方 を ネットで調べて

壱の重 祝い肴、口取り
弐の重 焼き物
参の重 煮物

その基本に従ったのも、早くなった要因。

ただ、値段は 全部合わせると一万円を軽く超えた。

やることやったので、これから岐阜県下呂市の実家に帰省する。

Category: 雑感・雑記
2010/12/29 Wed
 ようやく 一日 オフ 本格的な年末休みとなった。

 書類の整理 部屋の整理・整頓 そうじ

 すべて 片付けて

 年賀状 

 「混迷と混乱のように見える昨年でしたが、時代が変わる予兆ではないでしょうか。信念を貫きながらも未来を見通した働きをしたいと思う新年です」

 という「年頭ご挨拶」をパソコンで作成し、120枚ほど 印刷 ポストへ

 これで完了!
Category: 雑感・雑記
2010/12/28 Tue
大阪社保協用に 次の見解を書いた。



利用者負担増を押し返した力をさらに介護制度改善要求へ
介護保険見直し問題の現局面について

    2010年12月28日

負担増メニュー、法案に盛り込まれず 
 厚生労働省は、12月24日に「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」公表しました。これによると、11月末の社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度見直しに関する意見」に記載された利用者負担増の改悪メニューのうち、法制化が必要な ①利用者負担割合の引き上げ②ケアプランへの利用者負担導入 ③軽度者の保険給付対象外化・2割負担化 の3つについては、法案に盛り込まれませんでした。
さらに、法制化でなく省令・告示等で決められる ④相部屋の施設利用者からの部屋代徴収と⑤低所得の施設利用者の食費・部屋代軽減措置改悪 については、未だに不明確ですが、厚生労働大臣が記者会見で述べたように「今回は利用者負担については上げないということでやるということです」(12月24日)という立場が本当であるならば、当然中止されるべきものです。

たたかいと世論の力が政府追い詰める
 政府・厚労省の「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」(新たな施策は新たな財源負担で)の押しつけのもと、介護保険料上昇を抑えるという口実で、介護保険利用者の負担を大幅に増やすという、最悪の選択を許さなかったことはこの間の私たちのたたかいをはじめ多くの介護関係者・国民世論の力です。 とくに今回、社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度見直しに関する意見」ですべて「両論併記」となったものを、与党である民主党が国民世論の反発を恐れて「負担増回避」判断に追い込んだことに確信をもつ必要があります。

軽度者切り捨て・負担増ゆるさないさらなるたたかいを
 しかし、「負担増案撤回」ではなく、民主党の一斉地方選挙敗北を避けるための「先送り」でしかないこと、さらに、今回の法案の中に、要支援者の生活援助サービスを保険給付から切り捨てる仕組みである「保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化」が盛り込まれていること軽視してはなりません。政府・厚労省の狙う「利用者負担増・軽度者給付削減」を許さないさらなるたたかいが必要です。

当面する課題として、
①法案の中に「保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化」を盛り込ませないこと
②現在は全額国庫負担である「介護職員処遇改善交付金」を介護報酬化して国庫負担の大幅削減・利用者と保険料へのしわ寄せすることを許さないこと。「処遇改善交付金」を改善・拡充しすべての介護従事者を対象に引き続き全額国庫負担で行わせること
③各都道府県で「埋蔵金」化している「財政安定化基金」については、その全額を取り崩し保険料抑制に回させること
④介護保険財政への国庫負担の増をはじめ公費負担割合を引き上げさせること が緊急に求められています。

さらに、介護保険施設・居住系サービスの緊急整備や、要介護認定制度の廃止、介護職への安易な「医療ケア」押しつけの中止、介護ニーズにこたえる真の「地域包括ケア」実現など多くの制度改善要求も実現させなければなりません。

 政府厚労省を追い詰め負担増を許さなかった力をさらに発展させ、介護制度の抜本的な改善をめざして力を合わせませしょう。



介護保険見直し意見の利用者負担増案の法案の扱い
①利用者負担割合の引き上げ 
  厚労省案 第6段階(合計所得200万円以上)の自己負担2割
  法案での扱い 盛り込まれず
②ケアプランへの自己負担導入
  厚労省案 居宅介護支援月1千円、介護予防支援月5百円の自己負担
  法案での扱い 盛り込まれず
③要支援者・軽度の要介護者へのサービス(保険給付対象外・2割負担化)
  厚労省案 予防給付の自己負担2割
  法案での扱い 盛り込まれず

④多床室の室料徴収
  厚労省案 第4段階以上から3施設の多床室の室料月5千円を徴収
   (省令・告示等の事項)
⑤補足給付の支給要件の厳格化(家族の負担能力の勘案)
  厚労省案 市町村が施設入所前世帯の所得などを支給要件に追加可能
   (省令・告示等の事項)
⑥地域支援事業(総合的生活支援サービス)
  法案での扱い 「保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化
  
 ※厚労省案は厚労省が第36回社会保障審議会介護保険部会に示した「財政影響額試算」による
 ※法案での扱いは、厚労省が12月24日に公表した「法案のポイント」による
Category: 介護保険見直し
2010/12/28 Tue
 2007年の4月に受けた相談事例 特養にショートステイ中の認知症の人が 無断外出し、凍死して発見されたという事件。

 認知症で帰宅願望が強い利用者が、外出してしまったのに長時間気づかなかったにもかかわらず、施設側は「自分で出て行ったので、当方の責任はない」と強弁した。

 「施設な責任は十分に問うことができると思います。まず、関係の記録をすべて施設側に公開させること、行政に提出されている事故報告書も公開さること」をアドバイス。場合によっては、弁護士に依頼して証拠保全も。
 認知症高齢者の無断外出・事故については施設側の責任を明確にした判例もある。
 他県からの相談だが、事故後のあまりにも誠意のない施設の態度は許せない。
 「施設側の対応によっては徹底的にやられたらいかがでしょうか」とアドバイスした。

 そして、介護事故裁判に情熱をもって取り組まれている弁護士さんを紹介した。

 その相談者と昨日 ぱったりお会いした。

 私の顔を見るなり「全面的に勝ちましたよ!」と笑顔。「施設側は控訴しなかったので、勝利判決が確定しました」「報告が遅れてすみません」

 よかった。のひとことである。

 相談者いわく、「田舎の県だから 施設側の保険会社が強気に出れば 家族は泣き寝入りしていたみたい。しかし、私は、こういうネットワークにつながっていた」

 やはり、相談援助のネットワークは大切である。
Category: 介護事故問題
2010/12/27 Mon
 本日午後は、年金者組合と介護保険料に怒る一揆の会で、大阪府への介護保険制度政策要求問題の会議。

 介護保険見直し問題は、利用者負担増の法制化が先送りになったことにより、「第1号保険料」が焦点となってきている。

 わが「介護保険料に怒る一揆の会」が、2年前から「介護保険埋蔵金」として、全額取り崩して高齢者に還元せよ、と要求してきた「財政安定化基金」が、ようやく取り崩されることになった。

 以下 社保審介護保険部会「介護保険見直しに関する意見」より
(財政安定化基金)
○ 都道府県に設置されている財政安定化基金については、都道府県が基金の一部を拠出者に返還することが適切と判断した場合に、基金規模を縮小できるような見直しを行うよう会計検査院から平成20年に指摘されている。制度創設当初においては、介護給付費の推移を予測することが困難であったが、昨今給付費の推移が安定していることを踏まえ、本来の基金の目的に支障を来すことのないよう、必要な額を確保した上で、基金の取り崩しを行い、保険料の軽減に活用できるようにするなどの法整備を検討すべきとの意見があった。一方、財政安定化基金を保険料の軽減に活用することに対し、慎重に対応すべきとの意見があった。


 どれだけ取り崩して介護保険料引き下げに回せるかである。

 こんな報道も
 以下引用  毎日新聞
 厚労省の試算では、平均月額保険料は現在の4160円から12年度には5200円に急上昇する。厚労省は当初、サービス利用者の負担増で保険料を抑える方針だった。しかし、来春の統一地方選への影響を懸念する民主党内の声に配慮し、来年通常国会に提出予定の関連法案に負担増案を盛り込むことを断念した。利用者の負担増をやめても、財政難に備えて蓄積している二つの基金をすべて取り崩せば5000円を超えない計算になる。だが、国と都道府県、市町村が3分の1ずつ拠出している「財政安定化基金」のうち一般会計を原資にしている国と都道府県拠出分については国庫などへの返納が求められており、同省幹部は「保険料抑制のために使うのは難しい」とみる。このため、介護職員の待遇改善経費を介護報酬に含めず、介護保険財政の外枠の交付金を充てる案が浮上している。

 財政安定化基金の3分の1を占める市町村拠出分は、全額65歳以上の介護保険料である。しかし、のこりの国・都道府県拠出分は、公費なので、このような見方があるのだろう。

 一揆の会と年金者組合の会議では、
「そんなアホな。一度、国と都道府県が介護保険財政のために出したものを、また取り返すなんて、ドあつかましい! 全額保険料引き下げに回さんかい」との意見で固まった。

 大阪府には、昨年2月に、大阪府庁の場所にちなんで「介護保険大手前埋蔵金」として、次のような要望書を一揆の会として提出した。
 大阪府に設置されている「大阪府介護保険財政安定化基金」の基金残高は総額193億3729万円(2008年度末見込額)に上っていますが、第3期末の貸付額はわずか9千645万円(2自治体。基金残高の0.5%)で、使う当てのない金となって放置されています。大阪府庁に貯め込まれていることから「大手前・介護保険埋蔵金」というべきものです。このうち3分の1は高齢者の介護保険料を原資として市町村が拠出した金です。一揆の会は、この「財政安定化基金」について、次の3項目を要望する。
1 大阪府介護保険財政安定化基金(「大手前・介護保険埋蔵金」)ついては必要最低限の資金を除き、全額を拠出した市町村・広域連合に返還すること。
2 基金の返還について、法令等の改正の必要がある場合は、府として国に対して速やかに改正するよう強く働きかけを行うこと。
3 返還する資金は、市町村・広域連合から被保険者に還元するよう府として指導すること。


これに対する大阪府の回答は以下のようなものであった。

 2009年2月12日付け『「大手前・介護保険埋蔵金」(財政安定化基金)の返還を求める要望書』について、下記のとおり回答します。
                         記
 本府においては、第4期計画期間の財政安定化基金の市町村拠出率について、第3期末の基金残高見込額等を踏まえ「零」とする旨の条例改正案を2月府議会に上程する手続きを進めているところである。
 財政安定化基金の一部を拠出者に返還することについては、厚生労働省における関係機関との協議の動向を注視してまいりたい。」
 

 たったこれだけの回答であった。
 第3期末で193億円以上も基金を貯め込みながら、貸付額はわずかに9千6百万 で運用率5%である。だからこそ、われわれは、「大手前・埋蔵金」と命名したのである。、今後拠出金をゼロにするのは当たり前である。 国の動向を「注視する」前に、国に要望するべきであった。

 今回、国レベルで法改正も含めて、この「埋蔵金」取り崩しがされることになった。
争点は、
①全額取り崩すかどうか(財政安定化基金制度の廃止)
②国・都道府県拠出分も保険料抑制に回すかどうか(公費投入による保険料抑制)

 ちなみに、厚生労働省は、「財政試算」の中で、
 「国と都道府県の拠出分を含めて基金を取り崩して保険料軽減」は▲150円
 「市町村分のみの場合」 ▲50円
 との資料を示している。

 全額取り崩して、介護保険料引き下げに回していただこう!

 

Category: 介護保険料
2010/12/27 Mon
 今日は、大阪府庁で、介護保険料に怒る一揆の会の、不服審査請求口頭意見陳述の申し立て提出。

 以下、ニュース用原稿
 

介護保険料不服審査請求、誠実に対応せよ
 口頭意見陳述申し立て

 12月27日午前、介護保険料に怒る一揆の会と年金者組合大阪府本部は、大阪府介護保険審査会に対し、不服審査請求書の「口頭意見陳述の申し立て書」の提出行動を行いました。
 不服審査請求者のうち、堺市、枚方市、守口市、八尾市から24人が口頭意見陳述を申し立てを行いました。
 提出にあたっての要請では、大阪府介護保険審査会事務局(大阪府介護支援課)に対し、出席者から「毎年口頭意見陳述に委員が出席するよう要請しているのに、誰一人出てこないのは不誠実だ」「わけのわからない『お尋ね文』を2度も送りつけてきたが、審査請求に対する嫌がらせでしかない」「審査会の都合でお尋ねするなら返信用封筒を同封するとか、もっと謙虚な姿勢を示すべき」など、この間の不誠実な姿勢に対する抗議の声が上がりました。



 審査会事務局(吉田総括課長補佐)は、「嫌がらせをしているつもりはない」としながら、口頭意見陳述への委員出席問題も含めて「昨年通りの方針」と述べるにとどまりました。
 審査会は12月20日に開催され、審査方針を確認、来年1月中をめどに審査・裁決をめざしているとのことです。
Category: 介護保険料
2010/12/26 Sun
 ケアマネジャーが利用者宅を訪問中に、利用者と一緒に亡くなった。

 今年10月、地域の中で起きた事件が、関係者の中で波紋を呼んでいる。

 以下 当時の産経報道

室内で硫化水素発生 堺の2男性死因判明2010.10.23 21:46
 堺市中区小阪の市営住宅で男性2人が死亡した火災で、西堺署は23日、司法解剖の結果、死因について、火元の部屋に住む無職、浜田武さん(69)が一酸化炭素中毒、隣の6畳間で倒れていた介護会社経営の豊田康弘さん(80)=堺市南区原山台=が硫化水素中毒だったと発表した。
 同署によると、浜田さんと豊田さんが倒れていたそれぞれの部屋から、計7個のポリタンクが見つかり、一部から硫化水素が発生していた。浜田さんは豊田さんの介護会社の利用者で、豊田さんが浜田さんの介護プランを担当していたという。同署は硫化水素が発生した原因などを調べている



 死亡したケアマネジャーの所属していた区のケアマネ連絡会では、会議の冒頭、ケアマネジャー全員が、犠牲となったケアマネジャーの死を悼んで黙とうをささげた。

 12月になって、地域包括支援センターは、市内の居宅介護支援事業所に次のような文書を送っている。

 以下 文書引用


 暴力・暴言等を伴うケースへの対応について(アンケート調査依頼)
(略)…去る10月22日、中区の市営住宅において南区にて居宅介護支援事業所を経営するケアマネジャーが利用者と共に死亡するという、痛ましい事件が起こりました。詳細は現在も警察が捜査中ですが、地域包括支援センターとしては、このような不幸な事件が二度と起こることのないよう、今回のケースの振り返りを行うと共に、暴言・暴力等のある利用者への対応について、保険者である堺市にも協力を呼びかけ、ケアマネジャーが安心して業務に従事出来る体制づくりが必要である、と考えております。つきましては、ケアマネジャーが担当しているケースの中に、そのようなケースがどれくらいあるかなど、まずは実態把握を行いたいと存じますので、別紙アンケートにご協力賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。…(以下略)



 利用者宅を訪問中に事故や事件に巻き込まれ命を落とす、というあってはならない事態だけに、ケアマネジャーや関係者の中には、不安とともに、「行政は何をしていたのか」「これからケアマネジャーを守ってくれるのか」という声も聞かれる。

 もし、これが 福祉事務所のケースワーカーが 訪問中に 亡くなるような事件であれば、行政の動きやその後の対応はまったく異なったものであったあろう。

 ケアマネジャーは利用者との契約により、居宅介護支援をおこなっているが、生活に困難を抱える利用者の支援はそれだけにとどまらない、大きな負担をともなう。「なぜケアマネジャーがここまでしなければいけないか」ということも少なくない。
 以前堺市のケアマネジャーを対象に行った「ケアマネの報酬外業務実態調査」でも「実際の現場においては、狭い意味での『介護』にとどまらず、『生活』の支援を広く求められる場面が多くある。またその力量を求められる。その狭間で、多くの介護支援専門員は悩み、これでいいのだろうかと迷い、そして割り切れない気持ちで日々の業務を行っているのが現状」と指摘している。

 いわゆる「支援困難ケース」の方々こそ、ケアマネジャーに任せきりにせず、公的な相談援助機関など行政が責任を持って援助すべきであろう。残念ながら、そうした体制が現在の行政にはないが、困難事例をケアマネジャーまかせにしない、ケアマネジャーの発するSOSにきちんと対応する、ケアマネジャーを孤立させない とりくみが求められている。
 利用者から日に何十回、夜も昼も関係ない電話や呼び出しにふりまわされているケアマネジャーもいる。しかし、ケアマネジャーは「契約」によって利用者を支援しているが、「困難な利用者」というだけでは、ケアマネジャーの側から利用者を切れない仕組みとなっている。

 最後まで逃げなかったケアマネジャーの尊い犠牲に、行政は真しにこたえるべきである。
Category: 介護保険見直し
2010/12/24 Fri
 11月末の社保審介護保険部会「見直し意見」から24日。

 厚労省がようやく、「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」を公表。利用者負担増の改悪メニューは盛り込まれなかった。

以下「法案のポイント」


介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント
※内容については今後変更があり得る
1. 医療と介護の連携強化等
○ 医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)の推進
○ 地域包括ケア実現のために、日常生活圏域ごとに地域ニーズを的確に把握した事業計画を策定
○ 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスを創設
○ 保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化
○ 介護療養病床の廃止期限を猶予
2. 高齢者の住まいの整備や施設サービスの充実
○ 厚生労働省と国土交通省の連携による高齢者の住宅供給の促進
(高齢者住まい法の改正)
○ 社会医療法人による特別養護老人ホームの開設
3. 認知症対策
○ 市民後見人の活用など、高齢者の権利擁護の推進
○ 市町村における認知症対策の計画的な推進
4. 保険者が果たすべき役割の強化
○ 医療サービスや住まいに関する計画と介護保険事業計画の調和
○ 地域密着型サービスの提供事業者の適正な公募を通じた選考
5. 介護人材の確保とサービスの質の向上
○ 介護福祉士等の介護職員による日常の「医療的ケア」の実施
○ 労働法規の遵守の徹底、雇用管理の取組の公表
○ 情報公表制度の見直し
6. 介護保険料の急激な上昇の緩和
○ 各都道府県に積み上げられた財政安定化基金を取り崩して保険料の軽減に充てる法整備を行うことなどにより介護保険料を軽減




 私が、「改悪メニュー」として指摘していた6項目 
①利用者自己負担引き上げ
②居宅介護支援の自己負担導入
③多床室の室料負担の見直し
④補足給付の支給要件の厳格化(家族の負担能力の勘案)
⑤要支援者・軽度の要介護者へのサービス(保険給付対象外・2割負担化)
⑥地域支援事業(総合的生活支援サービス)
のうち、①と②と⑤については介護保険法の条文を改定しない限り不可能である。今回の「改正法案のポイント」を見る限り、①②⑤についての法改正は「先送り」である。
 しかし、「○ 保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化」があるように、⑥は、要支援者に対する生活援助の保険給付対象外化の仕組みが持ち込まれることになる。どのような法案を検討しているか詳細は不明だが、まずは、法案化させないこと、法案になっても通さず修正させること、さらに、「保険者判断」とあるので、法制化されても持ち込ませず、軽度者の生活援助を守るたたかいがますます重要になる。今後、自治体レベルも含めた長い攻防となるだろう。
 さらに、③④は、介護保険法でなく、省令や告示レベルで決められる可能性があり、引き続くたたかいが必要である。低所得の施設入所者の負担を重くしたり、4人部屋に入居者から室料をとるような悪辣なたくらみは許してはならない。
 
 この厚労省発表と、その後の記者会見については、各社が報道しているが比較的詳しい記事はキャリアブレインニュースである。
 
以下引用


介護保険法改正での利用者負担増、全面的に見送りへ
医療介護CBニュース 12月24日(金)17時28分配信

 細川律夫厚生労働相は12月24日、来年の通常国会への提出を予定している介護保険法改正案について、居宅介護支援(ケアプラン作成)サービスへの自己負担導入や高所得者の自己負担割合引き上げなど、利用者負担の増加につながる内容を盛り込むことを全面的に見送るとともに、2012年度からの介護保険料(全国平均)を5000円以内に抑える方針を示した。同日の閣議後の記者会見で明らかにした。
 会見で細川厚労相は、現在4160円となっている介護保険料(全国平均)が、第5期介護保険事業計画期間(12-14年度)には約5200円になる見通しであることについて、「(保険料は)抑えなければいけない。5000円を超えないように検討したい」と述べた。その上で、「決定事項ではない」としながらも、介護保険法改正案に「利用者負担増(につながる内容)は入れない方向で行きたい」と語った。
 具体的には、都道府県の財政安定化基金を取り崩すなどして保険料軽減につなげる考えを示した。ただ、「(これから各都道府県の)了承を得ないといけない」とも述べた。
 利用者負担増については、「いろいろな意見がある」と指摘。居宅介護支援サービスへの自己負担導入などに対する賛否両論が併記された社会保障審議会介護保険部会の取りまとめや、介護保険料(全国平均)を5000円以内に抑える必要があるなどとした民主党政調の提言に触れた上で、「まずは(民主党などと)合意できる範囲で法改正したい」との考えを示した。
 また細川厚労相は、同法改正案のポイントとして、「地域包括ケアシステム」の実現をコンセプトに、(1)医療と介護の連携強化など(2)高齢者の住まいの整備や施設サービスの充実(3)介護人材の確保とサービスの質の向上―など6項目を明らかにした。
 (1)には、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスや複合型サービスの創設のほか、介護療養病床の廃止期限の猶予などが含まれる。
 (2)には、国土交通省との連携による高齢者住宅の供給促進と、社会医療法人による特別養護老人ホームの開設がある。
 (3)には、介護職によるたんの吸引を含む医行為の実施などが盛り込まれている。
 このほか、細川厚労相は、介護福祉士の資格取得方法の見直しを延期する法改正も行うことを併せて表明した。延期期間については明らかにしなかった。


 ようやく、負担増については「見送り」が正式に表明された。

 とりあえず、国民と関係者の世論が、利用者負担増と言う最悪の選択肢を許さず、押し返した到達点として、今夜のところは評価したい。
Category: 介護保険見直し
2010/12/23 Thu
今日は「祝日」の中でも 「建国記念日」に次いでばかばかしい「天皇誕生日」。

このオッサンが、77歳の喜寿を迎え、誕生日の記者会見で述べたこと。

「高齢者の所在不明問題は、私自身、思いも掛けなかったことで驚きました。私はこれまで人々が無事に高齢に達することを喜ばしいことと思っていましたが、元気に過ごしていると考えられていた高齢者の中に、その生死が分からない状況にある人々がいることが明らかになったことは非常に残念なことでした。高齢化の進む社会にあって高齢者がしっかり守られていくことは極めて大切なことと思います。医療や介護に携わる人々の不足など様々な困難もあることと察せられますが、高齢者のために力を尽くす人々が増え、人々の老後が安らかに送れるようになっていくことを切に願っています。」

 自分自身が「耳が遠くなったこと」などの述べられ、「高齢者」問題を浮き彫りにしたようだが、この「高齢天皇」に願いとは裏腹に、介護保険の改悪、新たな高齢者医療制度など、高齢者への負担と犠牲の流れは、一部先送りの動きはあると言えども、強まるばかりである。

 都心の一等地で、何かから何まで、国に面倒見てもらう 「我が国最大の生活保護世帯」である「天皇ご一家」の高齢者と、自立自助を国から押し付けられる一般国民の高齢者では、それこそ天と地の開きがある。

 高齢社会の不安まで、言及して「国民統合の象徴」たらんとする この醜悪な制度、天皇制こそ 21世紀の遅くない時期に廃絶されるべきであろう。
Category: 時局争論
2010/12/23 Thu
 2010年もあと1週間あまり。

 久々に 介護問題以外について記す。

 「坂の上の雲」の映像化問題で昨年から物議をかもしている司馬遼太郎の本を何冊か読んだ。「竜馬が行く」全八巻に続き、「ロシアについて 北方の原形」を読んだが、今日の いわゆる「北方領土問題」を考える上で とても興味深かった。

 私は、歴史観はマルクス主義の唯物史観であるので、いわゆる「司馬史観」とは相いれない。しかし、この本のロシアの、シベリア進出の 数世紀にわたる歴史の上に、千島列島問題がある、という指摘は、心底納得できるものである。
 同時に、ロシアのシベリア進出が一方では外蒙古(モンゴル)問題につながり、千島列島とモンゴル問題は、ロシアのシベリア領有という共通項がある ことに初めて気がついた。

 第二次大戦後の千島列島問題の発端となった「ヤルタ協定」の第1項が「外蒙古(蒙古人民共和國)ノ現状ハ維持セラルベシ」であり、第3項が、「三 千島列島ハソヴィエト聯邦ニ引渡サルベシ 」とされたのも、なるほど、この本を読んで納得した。

 一公国にすぎなかったロシアが、ウラル山脈を越え、コザックによる広大なシベリアを征服した行きつく先が、千島問題と蒙古である、という 壮大な叙事詩のような文学的評論であるが、案外、領土問題や民族問題というのはこんなものかもしれない。
 
 くわしくは、同書を読まれたし。
ロシアについて 北方の原形

 それにしても、司馬氏の
「私は、日本が大した国であってほしい。北方四島の返還については、日本の外務省が外交レベルでもって、相手国(ソ連)に対し、たとえ沈黙で欧州され続けても、それを放棄したわけではないという意思表示を恒常的にくりかえすべきだと思っている。しかし、それを国内的な国民運動にしたたていくことは有害無益だと思っている。有害というのは、隣国についての無用の反感をあおるだけということである。ロシア史においては他民族の領土をとった場合、病的なほどの執拗さでこれを保持してきたことを見ることができる。かれらは感情の上では、千島列島は対日参戦という血であがなったものだと信じている(むろん、そういうばかなことはない)。日本が政府主導による国民運動などをしているぶんには、彼の国は、日本はそれを流血でもってとりかえすつもりなのかなどということを、ある種の政治的感情でもって考えかねない体質をもっている。」
「ソ連にはシベリアがある。そのそばに、日本の島々が弧をえがいている。日本が引っ越しをすることができないかぎり、この隣人とうまくつきあってゆくしかない。なにごとかがあって互いに接触する場合、日本側もソ連側も、以上のような原形論ぐらいは頭に入れておく必要がある。」
 という巻末の指摘は、そのまま、2010年の現代に当てはまると思う(ソ連が再びロシアに戻っている点をのぞけば)。

 私としては、この千島列島問題は、1956年の日ソ共同宣言にあるように「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す。」、これが日本の領有権主張の限界であると思っている。

 「北方四島」ではない。北海道の一部である二島(歯舞、色丹)のみは、領有権は平和条約交渉の中で主張すればよいと思う。しかし、択捉、国後は、千島列島の一部ある限り、無理である。日本政府のように、「サンフランシスコ講和条約で千島列島は放棄したが、国後、択捉は千島ではない」などという、地政学的にも、国際的にも通用しない詭弁で領土問題を語り、「北方四島」返還などというおろかな「国民運動」を主導するのは愚の骨頂である。

 ロシア大統領が自国の施政権下にある千島列島を訪問したことを、何かしら新たな侵略行為であるかのように、騒ぎ立て、対中国の尖閣諸島問題とセットで、「領土問題」を国民感情に訴えるに至っては、危険な「火遊び」の類である。

 同時に私としては、「スターリン憎し」のあまり、ヤルタ協定そのものを無効とし、千島列島全体(国後、択捉からロシアのカムチャツカ半島の南西に隣接する占守までの諸島)は、1875年に明治政府と帝政ロシアが結んだ樺太・千島交換条約とにより、戦争ではなく平和的な交渉で日本領土として確定しているから、「全千島返還が正当だ」などという 主張は同意することはできない。いくら 平和的交渉だといっても、日露戦争前の「国境」に歴史の歯車をもどすなどどいうのは土台無理な話である。

 領土問題は、外交交渉の場で、行うべきであって、偏狭な民族主義的な「国民運動」や「政争の具」にすべきでない。
 これが私の意見である。
 
Category: 時局争論
2010/12/23 Thu
昨晩(12月22日)は、今年最後の学習会。

大阪市西成区社会保障推進協議会の「介護保険制度問題を考える学習会」。

加盟団体や地域の介護事業者の方など40人が参加された。

11月末の改悪メニューの社保審介護保険部会「見直し意見」取りまとめから、政府与党内でのすったもんだが続いたうえに、高齢者医療制度改革ととともに「見送り」も伝えられる中での学習会なので、「介護保険10年の現実」と改悪メニューに込められた狙いに重点を置いてお話させていただいた。

 とくに、大阪社保協の「提言」についても簡単に触れさせていただいた。

以下、私のレジメから

介護保険制度は もう限界! 真の介護保障めざして 7つの提言

1要介護認定は廃止、 当面簡素化と負担限度額の改善○要支援1、2を廃止し、要介護に一本化し、3段階程度の区分とし支給限度額も全面改正する
○区分支給限度額の水準は在宅で家族介護なしで生活できるものとする
○要介護認定の有効期間については、事務負担と利用者に負担軽減の観点から5年程度に延長し、認定審査会の意見で有効期間の期限なしも可とする
○要介護認定廃止に向け、居宅サービスの給付の範囲を判定する仕組みを検討するための場を設置し関係者の議論と合意に基づき制度化する

2介護保険施設と 居住系サービスの緊急整備 
○自治体の責任による施設・居住系のニーズ調査を実施し、これに基づき整備計画を策定し、年限を区切って施設整備をおこなう、そのための施設整備費の国庫負担制度を復活させる
○施設入居者等の居住費・滞在費・食費については、2005年改悪以前に戻すとともに、グループホームなど居住系サービスについても居住費軽減措置を行う
○療養型医療施設廃止は撤回し、必要な病床数を確保する

3ケアマネジャーの公正・中立性と裁量が担保できる報酬抜本改善と地位向上
○現行要支援のケアプランを地域包括支援センター(介護予防支援事業所)が作成する仕組みをやめて、軽度も含めてケアマネジャーに支援を一本化する
○居宅介護支援の報酬は、独立事業所で十分に生活と経営が可能な水準を保障する報酬に抜本的に引き上げる
○ケアマネジャーの過度な事務負担を解消するとともに、不当に規制する仕組み(自治体の給付費調査、ケアプラン点検など)を改め、研修制度を改善する
○すべての居宅サービスについては原則ケアマネジャーの専門的判断と裁量を尊重する仕組みとルールをつくる

4利用者負担の軽減、低所得者の負担能力に応じた軽減措置の制度化
○非課税者・低年金・無年金者を対象に、新たな軽減措置を制度化し、無料もしくは利用者が無理なく負担できる範囲に軽減する
○高額介護サービス費は、その上限額を引き下げるとともに、所得段階は「個人単位」とする

5介護労働者の賃金労働条件の抜本改善 交付金の改善拡充を 
○介護職員処遇改善交付金は、対象を全介護労働者に拡大し、賃金改善も「月額4万円以上」とし、交付手続きを簡素化し2012年度以降も継続する
○介護労働者の賃金については全産業平均である「年収450万円(常勤型)を確保できるまで公費・使途限定の処遇改善措置を行う

6第1号保険料の抑制 公費投入 財政安定化基金の廃止
○国の負担割合(25%)を大幅に引き上げ50%負担に戻す
○報酬改定や給付増による第1号介護保険料の上昇を抑えるために、国及び地方レベルで公費が投入できる仕組みをつくる。
○各都道府県にある埋蔵金(財政安定化基金。09年度で2848億円積立、運用はわずか2.8パーセント)を廃止し、取り崩し額は全額第1号被保険者に還元する

7介護保険料の抜本見直しを
○各自治体のとり過ぎ介護保険料の積立(介護給付費準備基金。08年度で全国4050億円あった)についても廃止し、全額高齢者に還元する。以降は基金積み立て制度は設けず、余った保険料は高齢者に還元、不足が出た年度は一般会計からに繰り入れで対応する
○第1号保険料は、「非課税者は賦課徴収なし」を原則とし、課税者のみ徴収とし、段階別定額制をやめて所得割を基本とする
○第1号保険料の特別徴収(年金天引き)は、被保険者の希望による「選択制」とし、保険料滞納者に対するペナルティは原則廃止する

介護保険はもう限界、介護保険の終焉を
・高齢者介護を保険方式で行っているのは世界では圧倒的少数派
・現行の介護保険制度は、介護ニーズの爆発的増加に対応できる仕組みではなくなっている
・「介護の危機」を解決できず、「負担と給付の均衡」をとるためと給付減と負担増に走り、「介護の破滅」へと進もうとする介護保険制度はもう限界

・憲法第25条を踏まえた「権利としての介護保障」の実現をめざし、「高齢者の尊厳」「介護の社会化」「自立支援」といった、現行介護保険制度では 果たし得なかった理念を実現するために、国民的なたたかいをはじめようではありませんか。
・10年間奮闘してきたすべての介護関係者の貴重な経験と蓄積を生かし「利用者本位」の実現する公的介護保障の新たな制度ができるとき、介護保険制度はその歴史的役割を終えるでしょう。


Category: 介護保険見直し
2010/12/21 Tue
18日の朝日新聞報道に続き、時事通信、毎日新聞なども「政府方針」として、介護保険の「利用者負担増見送り」を報道している。
 引き続き、「完全撤回」とすべての改悪メニュー阻止に向け世論と行動を。

以下記事紹介


時事通信記事
<span style="font-size:large;">利用者負担増見送り=介護改正、基金崩し保険料軽減―政府 12月21日(火)17時46分配信

 政府は21日、2012年度の介護保険制度改正で、保険財源の確保策として厚生労働省が求めていた高所得者の自己負担引き上げなど利用者負担増を見送る方針を固めた。民主党内で強い反対論に配慮せざるを得ないと判断した。財源確保のため都道府県の財政安定化基金などを取り崩し、12年度の1人当たりの保険料(65歳以上月額平均)を4000円台に収める。
 これに伴い、来年の通常国会に提出する介護保険法改正案など関連法案は、24時間対応の巡回型訪問サービスの創設や介護職員によるたん吸引など医療行為の法制化などを盛り込むにとどめる。


毎日新聞
<介護保険>利用者負担増を断念 政府方針 12月20日(月)18時59分配信

 政府は20日、12年度の介護保険制度改革で、厚生労働省案に盛り込まれていた高所得者の自己負担割合引き上げなどの利用者負担増を断念する方針を固めた。来年の通常国会に提出する予定の関連法案には含めず、11年度末と定めている介護療養病床(約8万6000床)の廃止期限先送りなど必要最小限の法改正にとどめる。社会保障審議会介護保険部会(厚労相の諮問機関)での根強い反対論に加え、来春の統一地方選への影響を懸念する民主党からも異論が出ているためだ。
 高齢化に伴い、65歳以上の平均月額保険料(4160円)は、このままでは12~14年度に約5200円にアップする見通し。厚労省は保険料の急増を抑えるため、同介護保険部会に▽ケアプラン作成の有料化▽年収320万円以上の高所得者や、介護の必要度が低い人の自己負担割合アップ▽介護施設の相部屋入居者からの室料徴収--など、利用者の負担増に直結する案を示していた。
 しかし、民主党は強く反発しており、見直しを求める提言をまとめる方針。このため厚労省は一連の負担増案を断念した。財政難に備えて積み立てている基金を取り崩せば最大280円の保険料引き下げが可能で、基金を使って平均保険料を5000円未満に抑える考えだ。
 このほか、厚労省は給与水準が高い企業、従業員らからより多くの保険料を徴収し、介護職員の処遇改善に充てる意向だったが、これも見送る。来年提出予定の法案は介護職員によるたん吸引を可能とすることや、24時間対応の訪問サービス導入などにとどめる。【山田夢留】


Category: 介護保険見直し
2010/12/18 Sat
 広島市で10年以上前から活動されている「介護保障を求めるひろしまの会」の講演と総会の集いに招かれた。「介護保険10年とその改革の課題」とのテーマで1時間半ほどお話をさせていただいた。

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 厚労省が利用者負担増の改悪案の法案化を「先送り」するとの朝日新聞報道が朝あったので、JRの駅で他の毎日・読売・産経・日経の各紙を買い、さらに新幹線の中で時事通信・共同通信のサイトもチェックしたが、記事を見つめることが出来なかった。

 講演の中では、「朝日のみの報道だが、ここまで追い込んだのはわれわれの運動と国民世論。本当に改悪メニューを断念させるまでたたかおう」と、厚労省へのFAX・メール作戦を呼びかけた。

 ひろしまの会は、今年、広島市の訪問介護をめぐるローカルルールを打ち破る画期的成果をあげた。広島市の介護保険課は、「認知症の高齢者に対する食事介助などの訪問介護でヘルパーが働きかけても利用者が食事をとらなかったような場合は介護報酬を算定できない」「そのような時のために自費サービスの契約を結んでおくべき」という指導をは行ってきた。これに対し、介護保障を求める会では、今年3月から取り組みを開始し、市内のケアマネジャーとヘルパー事業所に呼びかけ「現場交流会」を開始し、大阪社保協の「ここまでできるホームヘルプサービス」をテキストに学習会も開催し、広島市を追求した結果、7月に広島市の担当課から、不当な指導を撤回すること、「食事摂取など目的が達成できなくても必要なプロセスを踏んでいれば介護報酬を算定できる」と回答させた。詳しくは「ひろしまの会ニュース

 総会では、これを「現場の声が行政を動かした画期的成果」と、さらなる活動への確信としている。

 すばらしい実践である。

 この会に代表の一人は妻を介護していた家族の方であるということ。介護従事者と家族がしっかりスクラムを組んでいる。
 もうひとつ、感動したこと。参加者の一人からお話を伺ったが、この男性は、86歳で、現在社会福祉士の資格を取るため専門学校に通っているとのこと、「社会福祉士がたたかっていないので自分が参加してがんばる」と言われた。脳梗塞などいくつかの病気もされたが今なお元気で、この寒空をバイクに乗って帰っていかれた。

 呉から参加された高齢者は「介護保険を利用できない人を地域から支援する活動が必要だ」と何度も強調された。

 高齢者も利用者家族も、介護従事者も地域で手を携えて、「介護保障」を求め、自らも学び成長する。

 広島のすばらしい活動に大いに励まされた。
Category: 介護保険見直し
2010/12/18 Sat
いまのところ、朝日新聞だけのようだが、ついに厚労省をここまで追い詰めた。

以下記事引用


介護利用料の負担増、先送り 民主反対受け厚労省方針2010年12月18日3時1分  
 2012年度の介護保険制度改正をめぐり、厚生労働省は17日、サービスを使う際の利用計画(ケアプラン)作成の有料化など利用者負担が増える項目の法案化を先送りする方針を固めた。選挙への影響を懸念する民主党の反対方針を踏まえた。一方、介護保険料の上昇を抑えるため、来年の通常国会に提出する関連法案で基金の取り崩しを可能にして対応する考えだ。
 65歳以上の月額保険料は現在、全国平均で4160円になる。高齢化で介護保険サービスの利用が急増し、12年度からは5200円程度になる見通し。利用者負担を増やす案は、これを抑える狙いがある。厚労省は、ケアプラン有料化のほか、高所得者や要介護度が低い軽度者(要支援1~2)の自己負担割合を、現行の1割から2割に引き上げる案も打ち出した。
 しかし、民主党は、来年4月の統一地方選への影響を避けるため、利用者負担増に反対する提言をまとめる方針で、厚労省に見直しを要求。制度改正に向けた自治体の準備作業を考えると、来年の通常国会中の法成立が必要なため、同省は利用者負担増を除いて法案化を進めることにした。利用者の負担増だけでなく、所得の高い現役サラリーマンの保険料負担を増やす案も先送りする。
 ただ、このままでは保険料の負担が重くなるため、関連法案では都道府県にある積立金(基金)を取り崩せるようにする。これにより、65歳以上の月額保険料の全国平均を5千円未満とすることを目指す。法案には併せて、介護職員らによるたん吸引の実施や、在宅の利用者向けに24時間対応できる新たな訪問サービスの導入なども盛り込む。
 今回先送りする負担を増やす策については、来年6月までに菅政権がまとめる消費増税を含めた税と社会保障の一体改革の具体案を踏まえたうえで、改めて検討する考えだ。(中村靖三郎)



 利用者負担割合の引き上げやケアプラン(居宅介護支援・介護予防支援)に利用者負担を導入するには介護保険法の条文そのものを改正しない限り不可能であるので、来年1月からの通常国会に提出される法案に盛り込まなければ、「当面」は改悪阻止できることになる。関係者と国民世論の貴重な成果である。政府・厚労省をして正式に「断念表明」をさせるまで徹底的に追い詰めなければならない。
 もうひとつの負担増である「補足給付の要件の見直し」(低所得の施設利用者の食費・部屋代軽減措置の改悪)と「多床室利用者からの室料徴収」は直接法改正を必要としないため、予断を許さない。軽度者のサービス削減問題もさらにたたかう必要がある。

 たたかいの手を緩めず、すべての改悪メニューの全面撤回まで、政府と与党を追い詰めよう。



Category: 介護保険見直し
2010/12/17 Fri
 もう一つの介護保険見直し 介護職員の医療行為が重大局面を迎えた。
12月13日にまとめられた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」では、

介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度について(骨子)
1 介護職員等によるたんの吸引等の実施
○ たんの吸引等の実施のために必要な知識及び技能を身につけた介護職員等は、一定の条件の下に、たんの吸引等を行うことができることとする。
○ 介護職員等が実施できる行為の範囲については、これまで運用により許容されてきた範囲を基本として、以下の行為とする。
・ たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
* 口腔内・鼻腔内については、咽頭の手前までを限度とする。
・ 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)
* 胃ろう・腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行う。
○ たんの吸引のみ、あるいは経管栄養のみといったように、実施可能な行為及び実施のための研修に複数の類型を設ける。
○ まずは、たんの吸引及び経管栄養を対象として制度化を行うが、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとする。ただし、その際には、関係者を含めた議論を経て判断することが必要である。


と述べている。

さらに制度の実施時期については、「○ 介護保険制度等の見直しの時期も踏まえ、平成24年度の実施を目指す。ただし、介護福祉士の位置付けについては、介護福祉士養成課程の体制整備や新カリキュラムでの養成期間等を踏まえた実施時期とする。」としており、来年1月からの通常国会に関連法案に提出をめざすとしている。

今年9月の在宅、「介護保険施設、学校等において、介護福祉士等の介護職員が、たんの吸引や経管栄養等といった日常の「医療的ケア」を実施できるよう、法整備の検討を早急に進めること。」との「菅総理大臣指示」で一気に加速した介護職員の医療行為解禁が法改正へと突き進むおそれがある。

 はたしてこれが「介護現場のニーズに応える」ことになるのであろうか。

 現実問題として、医療職が少ない配置であるためなどの事情で、多くの介護職員が「やむをえず」医療行為をおこなっている事実もある。八戸大学の篠崎准教授の調査によれば「医療行為経験者」は9割に上るという。

 利用者家族の切実な要望もあることも事実であろう。

 しかし、医師でも看護師でもない介護職員に医療行為をこんなにあっさりと委ねてしまってよいのであろうか。

 「地域包括ケア研究会報告書」では、「基礎的な医療ケア」を看護師から介護福祉士に移行させるとしている。そして看護師は、「病状観察」「急変時対応」「看取り」など現在医師が行っていることを業務とする構想まで示している。

 まさに、医師・看護師不足を介護職員で代行させて辻褄をあわせる「安上がり医療ケア」の発想である。

 篠崎准教授とは、先日、京都のヘルパーの集いでお会いしたが、介護職の医療行為については、「たとえ手技はできていても、人体のメカニズムなど基礎的な知識を学んでいる訳ではないので、怖さを知らずにやっているようなもの。」とその危険性を指摘されていた。

 介護保険見直しのもうひとつの重大問題 「医療ケアの担い手問題」について、早急な議論と打開のための意思統一が必要である。
Category: 介護保険見直し
2010/12/15 Wed
 「家計が苦しいときは苦しい。夕飯を一品抜くことが必要になることもある」厚生労働省老健局振興課の川又竹男課長は、12月12日の都内での講演でこうのべたという。さらに「「介護保険制度の瓦解だけは避けなければならない」などと、一部のサービスの縮小に理解を求め、高齢者の生活のすべてを介護保険制度だけで支えるのは「過剰な期待」とも指摘したという。
 

 国家財政が苦しいから、国民には夕飯のおかずも減らせ といってのけ、介護保険料だけは年金から強制的に取りたてながら、「介護保険制度に頼るな」という。

 これを聞いた、国民年金で暮らすおばあさんは、「夫がショートステイにいくとお金がかかるから、その間はわたしゃ ずーっと昼ごはんを抜いてる。国は今度は夕食も抜け っていいはるんでっか!」

 国民の生活を知らない 官僚が よくも ぬけぬけと言ったものである。

 「私は毎日 厚労省の『国民の皆さまの意見』にメールを送って ケアプラン有料化撤回を訴えています」
地域のあるケアマネが会議で語り「皆さんもしましょうよ」と呼びかけた。

 あるケアマネは本気で「私の利用者と家族さんたちを バス1台借りきって厚労省につれて行って、実態を伝えようと思う。月1000円のケアプラン料だって払えない人たちがこんなにいることを知ってほしい」という。

 厚労省と政権与党に 国民の声を ぶつけるときである。
Category: 介護保険見直し
2010/12/12 Sun
 昨日(12月11日)は、「どうなる堺市の『地域包括ケア』~地域包括支援センターの今後を考えるシンポジウム」が開かれた。
 「堺市の介護保険を考える会」が3ヶ月以上かけて準備し、行政や関係者に呼びかけ、市内ケアマネジャーアンケートも行って開催にこぎつけた。
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 シンポジストには、堺市高齢福祉課の担当参事をはじめ、現行の地域包括支援センターを運営している堺市福祉サービス公社、在宅介護支援センター連絡協議会、介護支援専門員協会の方々になっていただいた。

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 堺市は、2012年度の地域包括支援センターを大幅に再編する。
 人口80万人以上の政令市でありながら、地域包括支援センターは「区」に1ヶ所だけで、計7か所しかない。人口15万人以上の「巨大エリア」を担当しているセンターもある。しかも財団法人堺市福祉サービス公社に委託である。

 堺市の案は、これを「日常生活圏域」(堺市の場合2中学校区)に1ヶ所の配置とし、平成24年度から、現行7箇所から28箇所(基幹型7箇所プラス地域型21箇所)に再編・増設する方向である。7箇所の基幹型地域包括支援センターは別の外郭団体へ委託、地域型21箇所については在宅介護支援センター運営法人に委託される方向である。

 問題なのは、市内の居宅介護支援事業者や介護関係者にこれまで一切説明せずに進められている。

 今回のシンポジウムでは、参加した約100人のケアマネジャーを前に、堺市をはじめとする地域包括支援センター再編にかかわる関係者が勢ぞろいし、率直に現状と今後について語り合った。

 私は、「考える会」の世話人の一人として、シンポジウムの冒頭で「地域包括支援センター再編をケアマネジャーは どう受けとめているか ~介護支援専門員アンケート結果」を報告させていただき、後半では、「介護保険見直しと地域包括ケアの動き」を報告させていただいた。
 
 介護保険が生み出した二つの『宝』は、 ケアマネジャー と 地域包括支援センター。 ともによりよい発展を。 今回のシンポジウムがその第一歩になることを期待している。

 
Category: 介護保険見直し
2010/12/10 Fri
利用者負担・給付削減の改悪メニューを盛り込んだ社会保障審議会介護保険部会「意見書」だが、政権与党の民主党内で抵抗にあい、迷走を深めている。
以下引用


利用者負担増に反対=介護制度改正で提言案―民主部門会議時事通信 12月8日(水)13時4分配信
 民主党は8日の厚生労働部門会議で、2012年度の介護保険制度改正について、高所得者の自己負担(現行1割)の引き上げなど、利用者負担増に反対する政府への提言案を大筋で了承した。社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会の意見書は、財源確保策として高所得者負担増などを求めており、政府が来年の通常国会に提出する介護保険法改正案の取りまとめは難航しそうだ。
 提言案では、高所得者の自己負担割合の2割への引き上げについて、「慎重な検討が必要」と指摘。また、意見書で両論併記となったケアプラン作成への自己負担導入についても「行わない」よう要望した。 



民主党議員の中には、高齢者の負担を大幅に増加させる高齢者医療制度改革案も含めて、政府の一連の社会保障制度改革案に対し、「政権交代後初めての改正で自己負担を増やすのは国民の支持が得られない」「これは自爆テロのような案だ」との批判が高まっているという。急落した内閣支持率と混迷する政局の中で、来春の一斉地方選挙始め、民主党内には不安と動揺が広がっている。
 国民の声が政権与党を揺さぶっている。

 今こそ「攻め時」である。

 民主党に
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 民主党へのご意見はこちら

 厚労省に 怒りの声を
 国民の皆様の声募集
Category: 介護保険見直し
2010/12/09 Thu
和歌山市の高齢者運動連絡会の「第5回総会&学習講演会」(和歌山市高齢者大会)というのに招かれた。

「町から村からの連帯でひとりぼっちの高齢者をなくそう」「学習し要求を交流しよう」をスローガンに毎年開かれている。

 文化行事として、年金者組合和歌山市支部の女性たちの「太極拳」の演武が披露された。
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 私のテーマは、「後期高齢者医療制度、介護保険制度見直しと私たちの課題」。

 高齢者を差別し収奪の対象とする新たな高齢者医療制度の動向と介護保険制度改悪について1時間ほどお話させていただいた。

 太極拳など楽しまれている元気な高齢者が多かったが、講演後の質問に立たれた90歳近い女性は、
「はじめて要介護1に認定を受けたが、いざ、介護保険を使おうとすると 手続きや制約が多すぎて、こんな制度では高齢者はなかなかりようできない」と怒りを込めて発言された。

 地域の高齢者の運動が、介護保険の中身に関わって、改善の要求をもっともっと出していく必要がありそうだ。

 発言に立たれた年金者組合の方は、「もっと役所におしかけよう」と言われた。

 まさにその通りである。
Category: 介護保険見直し
2010/12/08 Wed
 介護問題の研究者で 社会保障審議会介護給付費分科会の委員もされているこのセンセイ。
「居宅介護支援の利用者負担導入は当たり前です。現実に作成されているケアプランを見ると、その8割が2種類以下のサービスで構成されています。これは、ケアマネジャー制度がまだ成熟していないことを意味します。ここに利用者の評価が入ることで、質の低いケアマネジャーが淘汰され、ケアプランの質の向上につながることが望まれます。」キャリアブレインニュース
 というような寝言をどうどうとほざいておられる。

 もやは御用学者というより、ケアマネジャーと利用者の「敵」である。

 ケアプランを「サービス種類の数」で評価するという、単純な発想、そして、利用者負担が入れば「質の低いケアマネジャー」が淘汰されるという、ありえない 空論。

 このような質の低いセンセイこそ 淘汰 されるべきであろう。

 
Category: 介護保険見直し
2010/12/08 Wed
政府・与党段階へと検討の場が移った介護保険見直し。

利用者負担増と給付削減のオンパレードの改悪メニューをめぐって、民主党レベルでは、国民の反対世論に押されて「動揺」が起きている。

以下引用


介護負担増見送り提言…民主案、厚労案と対立読売新聞 12月8日(水)3時3分配信
 2012年度に予定される介護保険制度の改正で、民主党「介護保険制度改革ワーキングチーム(WT)」は7日、ケアプラン(介護計画)作成時の有料化を見送るよう求めるなど、利用者の負担増に難色を示す提言案をまとめた。
 8日に開く同党厚生労働部門会議の了承を得て政府に提示する方針。厚生労働省審議会では負担増を求める意見書を公表しており、政府・民主党内での調整が難航しそうだ。
 審議会の意見書では、保険料引き上げを抑えながら新サービスの財源を確保するため、〈1〉一律1割の自己負担を、高所得者は2割に引き上げる〈2〉介護施設の相部屋にも居住費負担を求める――などを提案。ケアプランの有料化には賛否両論が併記されている。


 11月30日に公表された厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の「介護保険見直しに関する意見」でもすべてが「両論併記」であり、たたかい如何によっては、すべての改悪メニューをつぶすことも可能である。

 さあ、介護関係者、高齢者、利用者家族の声を厚労省と民主党に突き付けよう!

 さっそく、「介護保険料に怒る一揆の会」として、民主党本部に「要望メール」を送信した。



民主党御中

介護保険料に怒る一揆の会

介護保険見直しについての要望書

 現在、検討されている介護保険制度見直しについて下記のとおり要望いたします。

1 公費負担を増やして介護保険料を引き下げること

2 利用者負担増・給付削減の改悪メニューをすべて撤回すること

① 「一定の所得」を理由とした利用者負担引き上げを行わず、低所得の負担を軽減すること

② ケアプランに利用者負担(有料化)を導入しないこと

③ 施設の相部屋利用者からの室料徴収を行わないこと

④ 施設利用の低所得者の食事代・部屋代の負担軽減の支給要件に「家族の負担能力」「資産」など新たな要件を持ち込まないこと。ユニット型個室、グループホーム、特定施設入居者生活介護利用者の居住費負担を軽減すること

⑤ 要支援者・軽度者の利用者負担を引き上げないこと。また必要な生活援助サービスは保険給付の対象とすること。


 民主党へは「意見はこちらへ」からメールが送れるので、どんどん送ってみよう!
Category: 介護保険見直し
2010/12/05 Sun
 昨日(12月4日)午後は、「介護リンクさかい」の研修会(有料老人ホームフェリーチェ三国ヶ丘)へ。
私に与えられたテーマは、「どうなる?介護保険 ~事業所が守るべきことと今後の動向」というもの。

 介護保険見直しの内容、とくに、利用者負担増と給付削減の改悪メニューについてお話させていただき、その後5グループに分かれてのグループワークという研修。

 社保協運動にはまったくかかわりのない ごく普通の介護保険事業の経営者やケアマネジャーなどスタッフの集まりであったが、どのグループの発表も「利用者負担増なんて絶対に反対」「ケアプランの利用者負担はなんとかやめさせたい」と、強い危機感とともに反対し、改悪をやめさせるためにどうしたらいいか、という意見ばかりであった。あきらめや容認のムードはまったくない。地域で利用者のことを第一に考え、制度や行政に翻弄されながらも、必死に利用者のためにがんばってきた方々だからこその発言だと思う。

 そこで、私が ぶち上げたこと。

「ケアマネジメントの利用者負担導入」には、社会保障審議会介護保険部会でも賛成意見は皆無、東京で開かれた政策討論会でも、各政党の議員はみんな反対である。あの介護支援専門員協会でも「反対」を表明している。頑張れば必ずつぶせる。要は本気でたたかうか、である。
 私が、介護支援専門員協会のトップなら、全国のケアマネジャーに動員をかけて日比谷野外音楽堂をいっぱいにするような何千人というケアマネジャーの大集会と国会への大デモをやり、厚労省前で座り込みをやる。全国のケアマネジャーの事業所はこの日一日、利用者と調整をつけて休業し、「ケアマネジャーストライキ」をやる。マスコミも政治家も厚労省も揺さぶるような大衆行動をやればこれは必ず世論の支持と共感も得られるし、ケアプラン有料化は葬り去ることができる。
 障害者自立支援法廃止は、全国から炎天下、命をかけて障害者の方が、1万人も集まり、国会へ集会・デモをやったことが政治を揺さぶったことによる成果である。
 ケアマネジャーも今こそ、障害者のたたかいに学び決起すべきである。何よりも利用者のために!


 研修終了後の懇親会では、参加者から「座り込みがあったら事業所みんなで行きます!」の声も寄せられた。
 
Category: 介護保険見直し
2010/12/05 Sun
 昨日(12月4日)午前は、「第15回大阪高齢者集会」(大阪社会福祉指導センター)へ。私は第2分科会・講座の講師を仰せつかった。
 テーマは「このままでは大変!狙われる介護・医療の改悪~まともな社会保障実現のために今たたかうとき~」。介護保険料に怒る一揆の会事務局長の立場で、介護保険改悪と高齢者医療についてお話させていただいた。

 分科会であったが、予想以上に参加者が多く、100部あった資料が足らずに、レジメ資料なしの方も多数でてしまった。しかもパワーポイントも使用できなかったので、高齢者にはかなりききづらかったと思う。

質疑応答では、活発な意見や質問がでた。

「高齢者が増え、社会保障の財源も限られていると報道されると 消費税もしょうがないかな…という気になってくるが、このことについてどう考えられますか」 という趣旨の質問があった。

 私は、この「高齢社会 財源危機論」には 一番過激に反論した。

 以下、私の 答え

●高齢者が増えると現役2人で1人の高齢者を支えなければならないとか、急増する社会保障費で国家財政がパンクするかのような宣伝しているが、これは大きな間違い
●確かに今の 体制、今の政治経済、そして 税と財政構造では、十分な社会保障財源は確保できないだろう(ただ、今回の介護保険改悪のように、わずか数百億円の費用をカットするために、利用者負担・給付削減を押しつけるのは、まったく論外)
●高齢化に伴う社会保障財源を考えるとき、人類社会の発展段階を踏まえて考えることが必要
・すなわち、今日の生産力の発展は、農業にしろ工業にしろ、わずかな労働力で 社会の衣食住に必要な消費財を有り余るほど生産できるようになっている。また、労働力としての耐用年数も飛躍的に長くなっている。現代の人類社会の生産力は、老化によって労働力を失った高齢者を扶養できないような水準では決してない。
・人類が到達したこの高い生産力によって生み出された「富」が社会全体にきちんと配分され、必要な人に必要な消費財とサービスを提供する。このための、政治体制や財政の在り方を追及することが重要
●2002年に開かれた国連の「第2回高齢化に関する世界会議」では、こう述べている。
「我々は、人類の大きな成果の1つとして、世界の多くの地域で平均余命が伸びたことを祝福する。」としたうえで、「現代の世界は、かつてないほどの富と技術力を有している。したがって、男性も女性も高齢になっても健康を維持し幸福を十分に実感することを可能にさせる、高齢者が社会に完全に統合し参加させる、高齢者が地域社会及び社会発展にさらに効果的に貢献することを可能にする。かつ、高齢者が必要とする介護や支援を着実に改善することを可能にするための非常に大きな機会に恵まれている」
●「かつてないほどの富と技術力」-これが、社会に還元されるような政治経済、財政の仕組みを追及することが、長寿を実現した人類の21世紀における課題ではないか
●今後1000万人近い 団塊の世代を始め戦後世代が高齢者の仲間入りをしてくる。極論を言えば、「高齢者による革命」が今こそ求められている。介護保険料に怒る一揆の会はその先駆けとなる

 このようにぶち上げたら、会場の高齢者からは 大きな拍手が沸き起こった。
Category: 介護保険料
2010/12/03 Fri
 2週間に一人が孤独死するまち。

泉北ニュータウン(以下、ニュータウンをNTと略記)は大阪府南部の堺市・和泉市に広がる人口14万、世帯数5万7千、面積1700haの大規模住宅都市である。規模的には、日本最大の多摩NTには及ばないが、同じ大阪府にある千里NTを大きく上回り、日本最大規模のNTと言える。1967年に入居開始、70年に建設事業終了、入居開始から40年を経過している。…
 ②「孤独死」の多発と居住者の孤立:泉北NTのデータを見ると、人口は減少しているのに世帯数が増加し続けていて、その原因として高齢者を中心に独居者が増加していることが指摘できる。それと関連して泉北NTではいわゆる「孤独死」(独居者の変死)が多発する傾向にあり、この5年で03年25人、04年38人、05年47人、06年36人、07年33名、計179名を数えている。とりわけ泉北NTの特徴は府営住宅居住者の「孤独死」が計112名と6割を超えていることである。これは③で述べるように、府営住宅居住者の流動性の激しさと貧困が孤立を招いていると予測される。
③府営住宅における貧困と孤立…
「泉北ニュータウンの現状と居住・福祉―独居高齢者の生活実態と「孤独死」問題を中心に―」羽衣国際大学 棚山 研、羽衣国際大学 木脇 奈智子、中部学院大学 新井 康友 2007年)

 1年に30人が孤独死とすれば、2週間に1人が孤独死していることになる。

 高度成長期に集中的な住宅開発が行われたために、若年層の流出と高齢化が急速にすすむのがニュータウンの特徴である。しかも、公営の集合住宅には、高齢者と低所得者が多く、人口の流動性もはげしい。

 この地域で「孤立させない地域づくり」の取り組みが進められている。
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関係機関が協力して「孤立をさせない地域をめざして」パンフレットや、「高齢者相談窓口・施設案内」が作成され、「ストップ孤立死」チラシも配布され、住民による見守り・訪問活動も取り組まれている。

 また、自らが主体的に老いや死に対する心構えや準備の意識を高めてもらう手段の一つとして、「エンディングノート 私の老い支度~いざという時に、大切な人に伝えたい」も作成・配布されている。

 貧困と孤立化の進行、地域の人口流動の激しさなどが、ニュータウンの超高齢社会に大きな影を落としている。

 「地域包括ケア」を、ニュータウンで実現していく課題は多い。 
Category: 雑感・雑記
2010/12/02 Thu
 介護保険見直しは、社保審介護保険部会から、政府・与党での検討の段階へとその局面は移った。

「12月が勝負」である。

 そんな中で 1日に開かれた「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」(介護1000万人の輪)の公開政策討論会。

ケアプランへの利用者負担導入反対
 自民党衆院議員・田村憲久氏は、仮にケアプラン利用者負担を導入したとしても、一人当たりの月額の保険料に換算すれば20円程度の軽減しか期待できないとした上で、「(利用者負担の導入は)最悪。この程度の効果で、利用の入り口を狭めるという案には大反対」と強く批判。

 出席した民主、自民、公明、共産、社民、みんなの各党の全議員が導入反対の意見を表明した。

軽度者のサービス継続を
 郡和子・民主党衆院議員は、軽度の要介護者に対する生活援助などのサービスや給付に対する効率化の是非について「生活援助は継続したい。また、要支援や軽度者に対するサービスは、予防につながる」
川田龍平・みんなの党参院議員
「軽度の段階からサポートしていくべき」
これも出席の各党全員が軽度者へのサービスの維持の必要性を主張したという。

くわしくは、キャリアブレインニュース

 全政党から、ボロカスに言われた社会保障審議会介護保険部会の「介護保険見直しに関する意見書」である。

 各政党が反対ならば、ケアプラン利用者負担も、利用者2割負担も、軽度者のサービス削減も、すべてなしにすべきであある。
Category: 介護保険見直し
2010/12/01 Wed
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 2年前にいただいた本「認知症丸に乗って」の主人公が逝去された。90歳。

 7年間介護していた娘さんの希望もあって、昨夜の「忘年会」は、「新たな船出の会」して行われた。

 認知症丸から「永遠丸」へ。新たな船出。参加したみんなは、長年の介護をたたえ、そして主人公の娘さん夫婦に看取られて、自宅で逝った、人間らしい終幕に 感動した。

 
 主人公が、亡くなる直前まで 通っていたデイサービスセンターの管理者も、ショートステイで利用していた老健施設の職員も、主治医の医療機関の看護師も みんなが、主人公の思いでを語り、90年の偉大な生涯を振り返った。

 人が生きること、そして死ぬこと 主人公をとおして、会に参加した医師も看護師も、ケアマネジャーも介護職員も、そして同じように地域で親を介護している家族も 本当に多くのことを教えていただいた。
  
Category: 未分類

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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