2011/10/30 Sun
定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。

8 他の訪問サービスとの併給を認めず 訪問介護の排除狙う 
 
 厚労省案では、定期巡回サービスを利用した場合、訪問介護・訪問看護・夜間対応型訪問介護については、「併用することは想定しがたい」とし、併給を否定している。訪問介護のうち例外的に「通院等乗降介助」だけを認める案である。
 厚労省は、「サービスの内容が重複する」ことを理由にしている。しかし、定期巡回サービスはあくまでも、身体介護を中心とした短時間のサービスを想定したものである。っそのため、長時間に及ぶ入浴介助などは、このサービスで提供せずデイサービスなどで対応する「訪問イメージ図」が掲載され、食事介助ですら、長時間になると「人的コスト」を問題にしている。また、生活援助については、調理や買い物は「イメージ図」に一切入っておらず、「昼食時、身体介護とあわせて生活援助を実施」「細かな生活援助(洗濯物の方付け、身の回りの整理など)は身体介護と一体的に提供されている」とされている。事実上、生活援助は入っていないに等しい。
 重度・単身の利用者の居宅生活を可能とするサービスといいながら、生活に必要な、掃除・洗濯・調理など生活援助が定期巡回サービスで提供されず、さらに訪問介護も併用できないとなると、保険外の有償サービスしかない。
 定期巡回サービスは、短時間細切れの身体介護とそのついでの「身の回りの世話」程度のサービスを「一日複数回」提供するかわりに、訪問介護の一定時間の身体介護(入浴や外出介助など)、家事を担う生活援助を排除することにつながりかねない。「地域包括ケア研究会報告書」が描いている2025年の姿では、「24時間365日での短時間巡回型の訪問サービスが中心になっている」としている。定期巡回と訪問介護の二者択一を迫るこの「併給禁止」は、現在の「滞在型」の訪問介護の身体介護・生活援助サービスを意図的排除し、定期巡回に置き換えさせようとする意図であろう。
 厚労省が示した訪問介護の報酬見直し案では、要望の強かった「30分より短い10分~15分の身体介護」の報酬新設について、定期巡回との競合をさけるため否定していることもその表れである。
 定期巡回サービスの基準・報酬をめぐる最大の問題は、この「他の訪問サービスとの併用」を可能とする制度にするかどうかである。
(つづく)
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2011/10/29 Sat
定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。

6 ケアマネジャーの役割の大幅低下  「共同マネジメント」 
 
 居宅サービスは、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づき個別サービス計画が作られ、サービスが提供されることが介護保険制度始まって以来の基本的枠組みであった。ケアマネジャーが介護保険の「要(かなめ)」といわれるゆえんである。実態はともかく、サービス事業者とは別の「中立・公正」な立場でケアマネジメントをおこない、利用者を支援するというケアマネジャーの法的な位置は今後ますます重要になってくる。
 ところが、定期巡回・随時対応サービスでは、このケアマネジメントについて「共同で行う」という共同マネジメントなる考え方を示している。そして、定期巡回サービスについては、サービスが提供される具体的な日時については、ケアマネジャーでなく、定期巡回事業者が決定するとしている。
 厚労省は、「一日複数回の訪問により利用者の日々の心身の状況の把握が可能であること」「 把握した利用者の心身の状況に応じて柔軟にサービスを変更することが必要であること」を理由にあげている。この論法でいけば、「共同マネジメント」というものの、定期巡回サービスの利用者は、日常的なモニタリングやアセスメントはすべて定期巡回サービス事業所の「計画作成担当者」(仮称)に委ねられる。ケアマネジャーの仕事は、月末の給付管理票を作成すること、月1回のモニタリング訪問くらいになってしまうであろう。
 しかも、この「ケアマネジャー外し」の理由が、「従来の訪問サービスでは予め居宅サービス計画で定められた日時に訪問を行うため、サービス事業所での移動効率の向上が困難であった」というものである。利用者本位の柔軟なサービス提供のためというならばまだしも、「事業所での移動効率の向上」ということが目的なのである。利用者本位、中立公正といったケアマネジャーの存在を邪魔ものあつかいにしているとしかいいようがない。
 現在でも、小規模多機能型居宅介護やグループホームについては、居宅介護支援事業所以外のプランとなっているが、ここでもそのプランを作成する職種は「介護支援専門員」とされている。定期巡回サービスの配置基準には「介護支援専門員」は一切ないので、計画作成担当者は、おそらく介護職員になるであろう。今回の新サービスにおけるケアマネジャーから「主役交代」は、厚労省の、ケアマネジャーに対する不当に低い評価と、今後の「地域包括ケア」における役割低下を表しているのではないだろうか。

7 「包括払い方式」 サービスの過少提供の危険

 定期巡回・随時対応サービスの介護報酬について、厚労省案では、「包括払い方式」(いわゆるマルメ)とする考え方を示している。具体的には
①要介護度別の「想定されるサービス量に応じた包括化」(定期巡回サービスと随時対応サービス)
②訪問看護を受ける利用者はその分を加えて包括化(看護職員による定期的アセスメン
③加算は、初期加算、在宅看取りに対するターミナル加算など
を図示している。

 そこで、問題となるのは、「同じ報酬なら多く訪問すればするほど人件費がかかり収益が下がる」という事情からくるサービス事業者による「過少提供」の危険である。
厚労省はこれに対する「対策」として、①居宅介護支援事業所のケアマネジャーによるアセスメント ②地域の関係者(利用者家族、地域住民、市町村職員、地域包括支援センター職員等)による運営状況の協議・報告・評価の場の設置 ③自己評価・外部評価の公表の義務つけ をあげている。
しかし、ケアマネジメントの「主役」を外されたケアマネジャーに定期巡回サービス事業所を規制するような力はなくなるであろうし、地域の関係者の運営推進会議のチェックもグループホームでの実績を見る限り期待薄である。自己評価・外部評価の公表にいたってはほとんど効果はないであろう。
とくにこの定期巡回サービスは、後に述べる「公募・選考」指定が可能であるので、地域に「競争相手」がまったくいないことが想定される。このような「対策」ではまったく役にたたないことは明らかではないか。今年2月に報告された「24時間地域巡回型サービスのあり方検討会報告書」では、事業者の「サービス提供控え」について、「保険者の責任において利用者の在宅生活が包括的かつ継続的に支えられているかを把握する必要がある」と指摘していたが、厚労省案では、この「保険者責任」は完全に姿を消してしまった。
 定期巡回サービスを利用者、在宅生活をするはずの「一人暮らし・重度介護者」の生活とサービス利用の権利は一体だれがまもるのであろうか。
(つづく)


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2011/10/27 Thu
 定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。


5 深夜時間サービスと特養等の夜勤職員への委託

 「24時間対応」を標榜する限り、深夜時間帯にも責任のもてるサービス提供体制が構築されなければならない。ところが、厚労省は、定期巡回・随時対応型サービスについて、
 「特に利用者の就寝時間帯については、定期巡回及び随時の対応に係るニーズが減少することが予想されるため、人的資源の有効活用を図る観点から
・ 特養や老健等の24時間対応体制が確立している施設・事業所等の夜勤職員の活用
・ 定期巡回・随時対応サービスの事業の一部委託
を認めてはどうか。」
 との考え方を打ち出している。
 
 具体的には、「オペレーター」について特養・老健等の夜勤職員との兼務を認める案を示している。既に述べたように随時対応の要となるオペレーターは、コールから瞬時に利用者の状態を判断し、訪問の要否等の判断を含めた随時の対応方法を判断する能力を求められる。これを特養・老健の夜勤職員の片手間業務にするという単なる「誰でもできる電話番」のような扱いである。
 
 さらに、深夜実際に訪問してサービスにあたる職員も特養・老健等に増配置されている夜勤職員について兼務を認める案である。
 夜勤職員は仮眠もとれない厳しい勤務実態にあり、増配置職員といえども果たして、深夜に施設外に訪問できるような体制がつくれるのか、はなはだ疑問である。ある特養の施設長は「うちの施設は夜勤職員は基準を上回る配置をしているが、夜中に外へ行けるような余裕はまったくない」と述べておられた。
 また、介護現場にいるとはいうものの、通常は在宅の現場にいない施設の夜勤職員を深夜の緊急時訪問にかりだすことで、利用者に適切なサービスが提供できるのか、という懸念の声が現場からは聞かれる。
 厚労省案では、こうした特養・老健等の夜勤職員を「活用」することで「随時の訪問」や「深夜の定期巡回・オペレーター業務」については「委託を認めてはどうか」とされている。
 さすがに基幹サービスである「日中・夜間・早朝」の定期巡回サービス及びオペレーター業務」については、「原則として委託を認めない」としているものの、厚労省案でいくと「随時訪問」は日中・夜間・早朝・深夜すべてにわたって委託可能。「定期巡回」と「オペレーター」は「深夜」は委託可能となってしまう。

 「24時間対応」が売り物の定期巡回・随時対応サービスであるが、無責任で場当たり的な、安上がりのみを自己目的化したような考え方といわざるを得ない。

(つづく)
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2011/10/26 Wed
 定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。

4 オペレーションセンターとオペレーター

 定期巡回・随時対応サービスは、短時間の一日複数回の「定期訪問」に加え、いざというとき、必要なときにいつでも駆けつけてくれる「随時対応・随時訪問」が「命」というべきサービスである。「地域包括ケア研究会報告」でも、24時間365日、安心・安全を支えるサービスが提供されることが単身の中重度者の地域での生活を支えるとされている。
 そのための設備が、利用者からの随時のコールを受け付ける「オペレーションセンター」である。
 
ところが、厚労省案では、
「オペレーションセンターの設置は設備基準としては求めず、地域を巡回しながら適切に随時のコールに対応する形態を認めてはどうか。」
 と、基準からオペレーションセンターを外してしまい、地域を回りながらコールを受け付けるという形にしようとしている。これで「適切」なコール対応ができるであろうか。現在の夜間対応型訪問介護は、オペレーションセンターは設備基準に入っており、利用者が少ない等の例外を除いては、設置しなければならない。

  また、オペレーターの資格についても
「人材確保の観点から、介護職員基礎研修修了者、訪問介護員1級課程修了者、実務経験3年以上の訪問介護員2級課程修了者(訪問介護のサービス提供責任者と同様の要件)まで範囲を拡大してはどうか。」
 オペレーターは、単なる電話番でなく、コールから瞬時に利用者の状態を判断し、訪問の要否等の判断を含めた随時の対応方法を判断する能力を求められる。このため、現在の夜間対応型では、オペレーター従事者は、看護師、准看護師、介護福祉士、医師、保健師、社会福祉士、介護支援専門員でなければならない、とされてる。これを緩和し、サービス提供責任者であればだれでも可としたのである。
 そして、夜間対応型訪問介護では、「専従」(相談業務以外は兼務不可)とされていたものを、厚労省案では、
「常時利用者からのコールを受け付ける体制の確保を原則とした上で、人材の有効活用を図る観点から当該事業所の他の職務との兼務を認めてはどうか。」
 と専従要件を緩和してしまった。
 

 さらに、利用者にくばるべき「コール端末」「通信機器」についても、
「利用者がコールを行う際の機器やオペレーターがコールを受ける際の機器について、市場に流通している通信機器等の活用を図ってはどうか。」

 と通常の家庭電話でも、携帯電話でも構わないとしている。こうした扱いは現行の夜間対応型訪問介護では認められていない。定期巡回・随時対応サービスでは、利用者からのコール体制の確保について物理的にもはなはだ軽視していると言える。

(つづく)


 
Category: 介護保険見直し
2011/10/25 Tue
 定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。



3 人員配置の基準
 社保審・介護給付分科会(9月22日)で示された人員配置基準の考え方案によれば、次のようになる。

訪問介護員
「定期巡回・随時対応サービスにおける訪問介護員等の必要数(案)
①定期巡回
 交通事情、訪問頻度等を勘案し適切に定期巡回サービスを提供するために必要な数以上
②随時対応
 常時、専ら随時訪問サービスの提供に当たる訪問介護員が1以上確保されるための必要数(利用者の処遇に支障がない場合、定期巡回サービスに従事することができる。)
 (※) 24時間1以上の職員を配置すると常勤換算で4.2人(24時間×7日÷週40時間)必要となる。」
 なお、厚労省は、「柔軟な職員配置を可能とする方向で検討してはどうか」としている。

 これから、考えると、訪問介護員については、定期巡回担当については「必要な数」、随時対応担当については、「常時、1以上確保されるために必要数」で、両者の兼務は可能ということになる。常勤換算で4.2人程度の訪問介護員があればクリアできる水準ということになろうか。

看護職員
 介護・看護一体型の事業所については看護職員配置が必要となるが、厚労省は「本サービスの利用者すべてに医師の指示に基づく看護サービスが必要ではないこと等を勘案し、『サービスの提供に必要な数以上』としてはどうか」とし、事実上具体的な人員基準は設けない考えの要である。(ただし、介護給付費分科会に示された資料「定期巡回・随時対応サービスの人員基準(イメージ)」によれば、看護職員、オペレーター、計画作成担当者(仮称)の「うち、1名以上は常勤の保健師又は看護師とする」とされている)
 

 在宅の中重度介護者、単身者も対象とし、24時間の安心安全と提供する新サービスにしては、その人員配置基準の考え方は、きわめて「柔軟」、言い方を変えれば ゆるい基準である。
 これは、サービス利用者の生活をどう支えるか、というよりも、いかにハードルを下げて、事業者の参入を呼び込み普及させるか ということに厚労省の検討姿勢の重点が置かれているためと言える。
 
(つづく)
 
Category: 介護保険見直し
2011/10/24 Mon
 最近、介護保険の事業者団体の幹部の方と「定期巡回・随時対応サービス」への対応について意見交換する機会があった。
 その後、地域の事業経営者の方からもこの問題で相談を受けた。

 定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中なので、当面は、少しでもよいものになるように 問題点を指摘し、具体的な改善要求を突き付けていくことが中心課題である。

 しかし、このサービスは法『改正』によって、導入されることは間違いない。要支援者切り捨ての「介護予防日常生活支援総合事業」のように、自治体段階で頑張れば阻止できる、という性格のものではない。

 対応を考えるために、現時点で 明らかになっている内容とその問題点などを見ていくことにする。


1 制度概要

 厚労省の説明では、「重度者を始めとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的に又はそれぞれが密接に連携しながら、定期巡回訪問と随時の対応を行う『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』を創設(平成24年4月実施)。」とされている。
○ 地域密着型サービスの一類型として創設
○ 対象者は要介護者のみ(介護予防サービスは規定していない)
○ 身体介護サービスを中心とした一日複数回サービス(看護や生活援助サービスについても一体的に提供)
 というのが制度概要である。

2 二つの類型

 「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」については、次の二つの類型を定義している。

「改正」介護保険法では次のように規定されている
第8条
15 この法律において「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 居宅要介護者について、定期的な巡回訪問により、又は随時通報を受け、その者の居宅において、介護福祉士そ
の他第二項の政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚
生労働省令で定めるものを行うとともに、看護師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の世話又は
必要な診療の補助を行うこと。ただし、療養上の世話又は必要な診療の補助にあっては、主治の医師がその治療の
必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めた居宅要介護者についてのものに限る。
二 居宅要介護者について、定期的な巡回訪問により、又は随時通報を受け、訪問看護を行う事業所と連携しつつ、
その者の居宅において介護福祉士その他第二項の政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その
他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるものを行うこと。

 つまり、
①介護・看護一体型
一つの事業所で訪問介護と訪問看護のサービスを一体的に提供する
②介護・看護連携型
 訪問介護を行う事業所が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供する(看護サービスのうち、居宅での療養上の世話・診療の補助は連携先が提供)
 の二つの類型がある。

 いずれの事業形態においても、医師の指示に基づく看護サービスを必要としない利用者が含まれる、とされている。

 しかし、「連携型」では別々の事業であるので果たして、訪問介護と訪問看護の「一体的提供」が可能かどうかはなはだ疑問である。

(つづく)



 
Category: 介護保険見直し
2011/10/22 Sat
 橋下徹大阪府知事の辞任・大阪市長選挙出馬表明により、11月27日投票の「大阪秋の陣」は本格化。

 10月20日、エルおおさか で開かれた「反ハシズム府民連合」= 「橋下さんが元のテレビタレントの戻られることを願う大阪府民の会」結成総会で、私もリレートークで発言させていただいた。
 以下はその発言原稿。




「大阪都構想」許さず、橋下徹を地方政治のステージから引きずり降ろそう

 「『大阪都構想』から自治都市・堺市を守る会」の日下部といいます。
 橋下知事率いる維新の会の目玉公約「大阪都構想」は、大阪府と大阪市だけの問題ではありません。「都区部」には大阪市周辺の10市ものみこまれ区に再編されるのです。
もうひとつの政令指定都市・堺市にとっては、ある意味大阪市以上に深刻かつ危機的状況であります。
 もし、万が一「大阪都」なるものが維新の会の構想どおり実現すれば、堺市は、政令指定都市の権限をことごとく「都」にとりあげられることになります。税収も1320億円のうち440億円を「都」に召し上げられると試算されています。
 さらに一番問題なのは、堺市が、大阪都により、3つの「特別区」に分割され、市としては解体・消滅してしまうことです。堺市制はじまって121年、政令指定都市になって5年目の一大危機なのです。
「もののはじまりみな堺」と言われた旧市内を中心に、たび重なる合併によって発展してきた「堺市」。84万人の大都市でありながら、農業生産高府内ナンバー1に示されるように、都市と自然、歴史・文化が調和し、活発な各分野や地域での市民活動に支えられた自治都市というユニークな特徴をもっています。 政令指定都市になり大阪府と同等の権限をもち、7つの区制がしかれたことも、住民自治にとって大きな可能性を生み出しています。
 私たち堺市民は、現在の堺市政さまざまな問題があったとしても、「堺市」を解体・消滅し、大阪市を中心とする大阪都区部のたんなる「周辺区」にしてしまってよいと思ったことはありません。

大阪市とちがい今回、堺市では市長選挙がないので「大阪都」を選挙で問うことができません。府知事選挙はありますが、大阪市のような争点になっていません。
 現在の堺市長である竹山修身市長は、橋下知事の元部下で、2009年9月に、橋下知事の全面的な応援を受けて、現職でオール与党推薦の木原市長を破って誕生した市長です。いわば、大阪府内における橋下知事子飼いの首長の第1号というべき市長であり、立場上、橋下知事に正面からモノを言えない存在です。
 このような事情から、堺市では市の幹部も、多くの官製団体も、大阪都構想による「堺市の存亡の危機」について、公然と立ち上げるにはいたっていません。また、大阪都構想は「大阪府と大阪市の問題」として事態を知らない市民が多数です。

 こうした中で、今年1月から、小さなグループですが「『大阪都構想』から自治都市・堺市を守る会」を発足させ、話合いを重ね、「大阪都構想で堺市はどうなる」というリーフレットを発行するなどさまざまな発信をしてきました。
 7月18日と9月23日には、「大阪都構想問題懇談会」を前副市長や、自民党の長老格の前市議、住民運動関係者らに幅広く呼び掛け開催してきました。また、9月11日には、「堺市の未来と『大阪都構想』を考える市民シンポジウム」が実行委員会主催で開かれ200人もの人が集まりました。市民や関係者の中に、徐々にではありますが、大阪都構想の危険性が広がってきており、「自治都市・堺市をつぶしていいのか」の声も上がってきています。 
私たちは、堺市議会に対し、「大阪都構想から自治都市・堺市を守る意見書」採択の請願署名運動の準備をしています。

 竹山・堺市長も、大阪都構想に対しては、「堺市と大阪府には二重行政はない」「堺市を分割する必要はない」とのべ否定的な態度をとるようになってきています。生みの親である橋下知事からは一斉地方選挙の4月には「お山の大将なっている」などとこき下ろされ、さらに、6月22日には「絶縁宣言」を突き付けられました。「平松市長と同じ扱いにする。国交断絶状態、絶縁だ。戦闘モードに入る」とまで言ったと報じられています。
 昨日10月19日、竹山市長は、維新の会が、11月のダブル選挙後に大阪府知事・大阪市長・堺市長をメンバーとする「大阪都移行協議会」について「参加拒否」を表明しました。

 橋下・維新の会の「大阪都構想」は、実現不可能な妄想にすぎないものですが、橋下知事子飼い第1号の自治体首長である 竹山市長の賛成さえ取りつけられないものです。飼い犬に手をかまれ、堺市長は「絶縁宣言」し、自らは大阪市長選挙へという橋下知事。やたら「敵」をつくり、デマと妄想をふりまき、マスコミに乗じて、府民・市民の人気をかすめ取ろうという橋下徹なる人物は、市長にも知事にもさせるわけにはいきません。地方政治のステージから引きずり降ろしましょう。
  

Category: 時局争論
2011/10/21 Fri
10月17日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、2012年度介護報酬改定の検討で訪問介護は、さまざな制度いじりが提示されている。

 論点2:自立支援型のサービス機能を強化するため、サービス提供
責任者とリハビリテーション専門職との協働による訪問介護計画
作成についての評価を創設してはどうか。

【対応】サービス提供責任者と作業療法士等の協働による訪問介護計画作成に対する評価[新設](案)
① サービス提供責任者と作業療法士等(※)が3月に1回以上、利用者の居宅に同行訪問し、生活機
能向上の視点からのアセスメント・モニタリングを協働で行っていること。
② ①の結果を基にサービス提供責任者が訪問介護計画を作成していること。


論点3:サービス提供責任者の質の向上を図るため、3年以上の
実務経験を有する訪問介護員2級課程修了者の任用要件を、
段階的に廃止してはどうか。

【対応】実務経験3年を有する2級ヘルパーのサービス提供責任者に対する減算[新設](案)
訪問介護員2級課程修了者のサービス提供責任者が1人以上配置されている場合、当該事業所において
提供された訪問介護サービスに係る基本単位を10%減算
(例) 身体介護30分未満 254単位×90%=229単位
注 当該サービス提供責任者の担当利用者かどうかにかかわらず事業所全体のサービス費を減算

○ 段階的な廃止(案)
平成24年度 ~ 平成26年度まで 10%減算
平成27年度 ~ 平成29年度まで 10%+α減算(減算率は次期改定時に検討)
平成30年度 サービス提供責任者の任用要件から「実務経験3年以上の訪問介護員2級
課程修了者」を廃止


論点4:サービス提供責任者の主たる業務である訪問介護計画の
作成に応じた適切な員数を配置するため、利用者数に応じた配置
基準に見直してはどうか。

【対応】配置基準の見直し(案)
(現行) (見直し案)
サービス提供時間 450時間ごとに1人    
 訪問介護員の数 10人ごとに1人         →利用者○○人ごとに1人

○ 利用者数については現状を踏まえ40人程度としてはどうか。
※ 非常勤のサービス提供責任者が認められる範囲については現行どおりとする。


 まさに、制度いじり である。 現場の要望とは別のところで、自立支援型への転換やら、質の強化やら、厚労省の勝手な 意図による見直し ばかりである。

 振り回されるのは現場のヘルパーさんたちである。
Category: 介護保険見直し
2011/10/20 Thu
 10月17日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、2012年度介護報酬改定についての具体的な見直し案(論点)の提示があった。
 サービス種別は、訪問介護、訪問看護、療養通所介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、居宅療養管理指導。

 その中で訪問介護は、

 「生活援助の時間区分等の見直しについて」

論点1:利用者ごとのニーズに対応して効率的にサービスを提供
することにより利用者の利便性や負担に配慮するとともに、事業
者においては、より多くの利用者へのサービスの提供を可能とす
るという観点から、生活援助の時間区分及び単位について、実態
に即した見直しを行ってはどうか。

【対応】生活援助の時間区分の見直し(案)
(現行)                      (見直し案)
生活援助が中心である場合
30分以上60分未満     →        45分未満
60分以上          →        45分以上
※ 身体介護に引き続き生活援助を行う場合についても必要な見直しを行う。


 昨年末の社保審介護保険部会の「介護保険見直しに関する意見」にもなかった、突然の提案である。

 もともと、訪問介護の生活援助は、2006年度報酬改定で、それまであった「1時間半以上」に対応する報酬区分(生活援助4以上)がなくなり、どれだけやっても生活援助3(1時間以上)291単位しか算定できないという改定があり、事実上1時間30分以上の長時間サービスは提供できなくなっていた。
 現行の報酬は次のとおりである。
【生活援助のみ】
30分以上60分未満 229単位
60分以上 291単位
【身体介護に引き続いて行う場合】
30分以上 83単位
60分以上 166単位
90分以上 249単位

 今回の 「45分未満」と「45分以上」の2区分に変更する案でいくと、どうなるであろうか。
 
 現行の 30分以上60分未満 229単位、60分以上 291単位 は切り下げられる可能性が高い。
 

 サービス時間の「下限」は、現在でも身体介護は20分未満の短時間は認められないので、「45分未満」でも、最低は同様の最低時間は設定されるだろう。
 一方で、現在「60分以上」は、事実上 60分~90分まで のサービス提供がなされているが、「45分以上」となると、その提供時間は 短くなるであろう。
 さらに、身体介護に引き続いて行う場合の30分単位の生活援助についても「必要な見直しを行う」としている。

 厚労省は、この見直し案の説明で「生活援助のうち利用頻度の高い『掃除』・『調理・配下膳』の平均所要時間は30分~40分程度(サービス準備6分を合算)となっている」ことを理由にあげている。

 また、訪問介護は30分以上60分未満が下限であることについては、現場から見直しを求める声も多い。これは、身体介護と同じように 生活援助にも「30分未満」をつくれば解決する。

 今回あえて、60分を 45分に 縮めたのは、生活援助の 短時間化 切り下げに 結びつく危険性が高い。

 一方で、現場から要望の強かった、短時間身体介護の報酬化については、次の考え方を示している。


○ 身体介護の行為ごとの平均提供時間は起床・就寝介助及び服薬介助を除き、20分~30分
程度(サービス準備6.5分を合算)となっている。
○ 現行の報酬区分よりもさらに短時間(10~15分程度)を想定した区分を創設すべきでは
ないかとの指摘があるが、次の観点から慎重に検討すべきではないか。
・ 短時間の身体介護ニーズは夜間等も含め1日複数回生じることが想定され、その必要回数
も日々の状況に応じ一定程度の変動があり得るが、こうした短時間の頻回訪問を「出来高払
い方式」で行う場合、利用者負担の著しい変動が生じるおそれがある。
・ こうした変動が起こりうる「出来高払い方式」は収入が安定しないことから、事業者に
とっても職員の体制確保が困難であり、利用者個々のニーズに応じた日々の柔軟なサービス
調整や常勤職員の確保による勤務ローテーションの安定化等に支障が生じるおそれがある
 

 基本的に「拒否」である。今回、制度化された「定期巡回・随時対応サービス」に短時間身体介護は任せなさい、という意図であろう。

 一方で、訪問看護については、

「論点1:短時間・頻回な訪問看護のニーズへの対応を強化するため、時間区分ごとの報酬や基準について見直しを行ってはどうか。」

 として、現行では、日中の訪問と併せて、夜間、深夜、早朝の訪問を行った場合のみ算定可能な「20分未満」のサービスについて、
「日中に訪問を行った場合につい ても算定可能としてはどうか。」

 と、20分未満について報酬化を拡大している。

 訪問介護だけ、意図的に差別する 狙いは 何であろうか。
 やはり、新サービスである定期巡回。随時対応サービスに、とってかわらせようとする意図であろうか。
Category: 介護保険見直し
2011/10/19 Wed
 昨日のブログで書いた処遇改善交付金の打ち切りと介護報酬化。
10月17日の社保審・介護給付費分科会で 「処遇改善加算」なる手法が示されている。


「処遇改善加算」の算定方法は、現行の介護職員処遇改善交付金と同じ方法を用い、加算を受けるには、現行の交付金制度の諸要件を満たす必要がある。
 現行の交付金で実現した処遇改善を維持するため、「同じ職員構成で比較した場合、報酬改定前(今年度末)の賃金額を下回らない給与を支給する」「(これまで交付金を申請していなかった事業所では)同じ職員構成で比較した場合、加算後の賃金額は、報酬改定前の賃金額を加算分以上、上回っていること」などの要件も新たに盛り込まれた。「加算のうち本給で支給する割合を一定以上とする」などの新たな算定要件も併せて提案された。
 
 CBニュース 参照


 交付金の諸要件をそのまま「報酬加算」にもってくるという、手続きと加算要件チェックという事務負担だけは今以上にややこしくなる。
 一方で、財源は、これまでの全額国庫負担から 国は4分の1、保険料、地方負担、利用者負担が増える。

 国だけが得をして 他のみんなが犠牲になる という 最悪の案である。 

 
 


Category: 介護保険見直し
2011/10/18 Tue
 一人1.5万円の賃金改善のための「介護職員処遇改善交付金」。来年3月末でその期限を迎える。
 一昨年の1月、当時の長妻厚生労働大臣は、「平成24年4月以降も処遇改善は継続する」という趣旨の文書も出して介護事業者に処遇改善交付金申請を促した。

 ところが、来年度以降の介護職員らの処遇改善の在り方について議論した10月13日の社会保障審議会介護保険部会では、処遇改善交付金を介護報酬とは別枠で確保するために国費を投入することは難しいという結論である。
 各委員から介護報酬内での処遇改善の実現に前向きな意見はでている。
 しかし、現在の「交付金」が全額国庫負担で、保険料・利用料負担なしで、かつ使途は全額賃金改善であるのに対し、介護報酬化されれば、国庫負担は4分の1に激減し、のこりは保険料と地方負担へ転嫁される。また、使途自由の介護報酬だから賃金改善につながる保障はない。

 厚生労働省の「交付金を継続は困難」との理由は、①交付金の緊急経済対策 ②震災復興費が必要 という ものである。
 介護職員の人材不足は我が国の介護の未来に関わる問題であり、あまりにも劣悪な賃金・労働条件を改善するのがこの処遇改善交付金であったはずである。
 
 また、この交付金をつくった自公政権後に成立した民主党政権は、当時のマニュフェストで「介護労働者4万円の賃金改善」を公約していたではないか。

 まさに、二重三重の裏切りである。

 しかも、介護労働者処遇改善分は、介護報酬にすれば「2%」程度という。

 これにたいし、介護報酬改定を審議する社会保障審議会介護給付費分科会の会長は、このようなふざけた発言をしてはばからない。


介護実調、「プラス改定必要ないと読める」- 大森・介護給付費分科会長

 社会保障審議会介護給付費分科会の大森彌分科会長(東大名誉教授)は10月8日、東京都内で講演し、今年の介護事業経営実態調査(介護実調)の結果で収支差率が黒字のサービスが多かったことなどを挙げ、「今回の実調の結果は、プラス改定する必要がないと読める」との見方を示した。保健・医療・福祉サービス研究会が主催した「社会保障改革と報酬同時改定シンポジウム」で述べた。

 大森氏は、賃金や物価の動向について「だいたいマイナス2%」と指摘。今年度末で終了する介護職員処遇改善交付金を介護報酬に組み込んだ場合に必要な金額も約2%分であることから、「改定(はプラスマイナス)ゼロ。これで済むなら御の字」と述べた。さらに、2012年度介護報酬改定の基礎資料となる今年の介護実調の結果について、「ほとんどプラスで、なかなかいい経営状態。唯一ケアマネ(居宅介護支援事業所)はマイナスだが、(1人当たりのケアマネジャーが)扱っている件数が少ないからにすぎず、1人30件になれば黒字になる」と述べた上で、「事業規模や地域によって相当ばらつきがあるので軽々には言えないが、全体を見ると今回の実調結果は、特段にプラス改定する必要はないと読める」との見方を示した。(CBニュース 11.10.11)

 


 この論法でいけば、処遇改善交付金廃止 → 介護報酬+2% → 賃金物価動向-2% = 0%改定
 という結論になってしまう。

 しかも、介護報酬算定にさいに使われている「地域区分」の見直し、現行5区分を7区分に変更する案では、都京都特別区と現在の特甲地以外の多くがマイナス0.6%になる計算となる。

 踏んだり蹴ったりの介護事業者と介護労働者。

 いまこそ、怒りの声を 厚生労働省と社会保障審議会に寄せるときである。

Category: 介護保険見直し
2011/10/17 Mon

 介護保険改定でのもう一つの争点は、「埋蔵金」(都道府県財政安定化基金)である。
 以下は、介護保険料に怒る一揆の会が提起し、大阪社保協介護保険対策委員会として取りまとめた。取り崩し・全額保険料軽減へ の要求である。

 


都道府県介護保険財政安定化基金の取崩し要求について

「財政安定化基金」の取崩しが可能に
 介護保険法「改正」が行われ、2012年度に都道府県財政安定化基金の取り崩しが行われることになりました。
 私たちはかねてから、「埋蔵金」と化している財政安定化基金を取り崩し介護保険料軽減に充てるよう求めてきましたが、法「改正」により、ようやく可能となりました。
「財政安定化基金」は、都道府県が管内の市町村で介護保険財政の財源不足が起きた時に、その市町村が、一般財源から繰入れを行わなくてもよいよう、資金の貸付等を行うために基金を積み立て、運用する仕組みです。市町村と都道府県、国がそれぞれ3分の1ずつを拠出していますが、市町村からの拠出分は全額が高齢者の介護保険料です。また、貸付けを受けた市町村はその償還は介護保険料を原資としておこうことになっており、貸付けても確実に償還されることから、これ以上積み立てる必要はまったくないものです。
介護保険制度開始時から、09年度までの10年間で市町村から集められた拠出金(介護保険料)は954億7千万円、基金積立総額は2848.7億円に上っています。この金額は、全国の第1号被保険者2907万人(2011年5月時点)で割ると一人当たり約9,800円になります。

介護保険料の全国平均基準額は、現在月額4160円ですが、厚労省の試算でも第5期介護保険料は「5000円を超える見込み」と言われている中で、この基金の取崩し及び使途をどうするかは大きな課題です。

1 取崩し額をめぐって

過大な基金温存を指示する厚労省

 厚生労働省は、本年7月11日の「第5期介護保険事業(支援)計画策定に係る全国会議」で、「財政安定化基金の取崩し額の考え方」を示しました。これによると、各都道府県の「過去の最大貸付率」で残すべき基金額を計算するもので、さらに、これまで活用実績が少なかった都道府県については、「標準貸付率」なるもので計算するとの「考え方」を示しています。
 注)「標準貸付率」 厚労省は、「すべての都道府県において、全保険者の過去最高の貸付額と同率の貸付けが、単一年度に行われると仮定した場合の給付費等に対する貸付率の全国平均」を標準貸付率としている。
厚労省は、この「標準貸付率」を「0.78%」とし、具体的には第5期末(2014年度)の給付費等見込み額の0.78%とし、さらにこれに2013年度分をその50%、2012年度分をその9%をとして計算する方式を示しています。
 
 
 これを機械的に09年度の保険給付費(6兆8838.9億円にあてはめて計算すると、858.7憶円もの金額を残すことになってしまい、14年度の給付費見込みが増加することを考えれば場合によっては1000億円以上もの「基金保有額」とされ、取り崩せるのは、1000数百億円程度になってしまいます。なお、厚労省は、過去の最大貸付率が「標準貸付率」を上回る都道府県は、第5期末の保有額は高い方で計算するとしており、さらに取崩し可能額は切り下げられ、場合によっては、半分程度しか取り崩せない可能性もあります。

 全国の過去の貸付け実績では、制度開始後間もない第1期(2000年~2002年度)では、最高で286.2億円(02年度)の貸し付けが行われ、第2期(2003年~2005年度)でも最高197.7億円(05年度)の貸付けが行われましたが、それでも保険給付費に対する比率は0.613%(02年度)、0.34%(05年度)に過ぎません。2005年の介護保険法改悪と給付適正化により、2006年度から給付が大きく抑制された結果、貸付けは大幅減少しました。第3期(06年~08年度)は、最高で8.5億円で保険給付費の0.013%、第4期の09年度にいたっては、貸付額も3.9億円で、0.006%で、まさに「桁違い」です。
 市町村介護保険財政は大きな黒字(09年度介護給付費準備基金保有額4426億3013万5千円)を保有しており、第4期ののこり2年間も貸付け率が大きく増えることは考えられません。


可能な限り多くの取崩しを
 全国の介護保険財政は、明らかに制度改悪前の第2期までと、改悪後の第3期以降は異なった傾向を示しています。何重にも重ねられた給付抑制の仕組みと毎回の介護保険料引上げによって、圧倒的多数の自治体では、介護保険の資金不足は単年度単位ではおこることは極めて稀になっています。実際に09年度の貸付け状況は、1587保険者中わずか9保険者で0.6%という微々たるものになっています。貸付額3.9憶円は基金積立総額の(2848億7千百万円)の0.13%に過ぎません。
 この実態からすれば、第5期に1000億円もの基金を保有する必要性はまったくありません。厚生労働省は、このことを百も承知の上で、「過去最高の貸付け率」を持ち出し、不当かつ過大な基金を温存しようとしています。
 
 私たちは、介護保険会計への一般会計繰り入れ制限のための制度である財政安定化基金は本来廃止すべきと考えていますが、当面、2012年度の財政安定化基金の取崩しにあたって次の2点を要求します。
① 厚労省が示した「財政安定化基金の取崩し額の考え方」及び「標準貸付率」を撤回すること
② 計算根拠を示すならば第3期以降の貸付実績に応じたものとすること


2 取崩し資金の使途をめぐって

法「改正」による規定
 取崩した財政安定化基金の使途については、その「3分の1」(市町村拠出分)は、第5期の保険料増加の抑制のために「市町村に交付しなければならない」とされています。すでに述べたように、市町村拠出分は、全額介護保険料であり、これは全額介護保険料軽減に使用して当然のものです。
一方、国・都道府県拠出分については、「介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう努める」と「改正」法では規定されており、保険料軽減以外にも使われる可能性のあるものとなっています。
あいまいな態度に終始する厚労省 
 厚生労働省は、国拠出分についての使途を現時点では明らかにしていません。また、都道府県拠出分については、「基本的に都道府県の裁量に委ねられる」「都道府県分の取崩し額については、保険料率の上昇抑制や職員研修の充実(地域包括支援センター職員やケアマネジャー等)などへの活用を想定している。」(平成23年8月22日「第5期介護保険事業支援(計画の策定に係る全国会議に関するQ&A)とあいまいな回答を行っています。
取崩し額は全額介護保険料軽減へ
 厚労省の試算でも第5期介護保険料は「全国平均基準額が5000円を超える見込み」としており、高齢者の負担の限界を超えるものとなろうとしています。このような時期に財政安定化基金取崩しによって生じた資金を国や都道府県が、保険料軽減に回さず、他に流用するなどあってはならないことです。
自公政権でも2008年度補正予算で、09年度介護報酬改定での引上げ分が介護保険料の急上昇を抑制するため半額相当分を「介護従事者処遇改善臨時特例交付金」として、1154億円計上したことを考えるならば、国は国庫負担で保険料上昇を抑制するべきであり、ましてや、財政安定化基金取崩し分は国・都道府県拠出分とも保険料軽減に全額使用するべきです。

政府・厚生労働省への要求案
1 厚労省が示した「財政安定化基金の取崩し額の考え方」及び「標準貸付率」を撤回すること。計算根拠を示すならば第3期以降の貸付実績に応じたものとすること。
2 取崩した基金の都道府県拠出分については、全額保険料軽減に充てることとし、市町村に交付するよう指導すること。
4 国拠出分についても、全額保険料軽減に充当するため市町村に交付すること。

Category: 介護保険料
2011/10/16 Sun
大阪市内の書店の介護福祉のコーナーで私の書いた ブックレット「『改正』介護保険 緊急解説 何が決まり いま何ができるか」を見つけた。
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 わずか88ページ 900円の貧相な本だが、しっかり書架に並んでいる。ところでその左右は、結城康博氏の力作「日本の介護システム」。そして もう片方には 池田省三氏の「介護保険論 福祉の解体と再生」が並んでいた。

 私のような無名 かつ 浅学非才の 木っ端役人の 小冊子と 日本の介護保険制度の 主要な論客である両先生の本が 同じ 書架に並んでいるのを見て 恐縮する限り。 しかし、この二人の先生については、最近 生臭い話がある。

 池田省三氏が、『介護保険情報』2011年10月号に結城康博氏の「日本の介護システム」を口汚くののしる論文を載せている。そのコピーを 先日、大阪社保協介護保険対策委員会で、特養施設長をされているY氏から頂いた。一読して、毎度のことながらあきれ返るような暴論と決めつけのオンパレードの論文であった。

 結城康博氏(淑徳大学総合福祉学部准教授)は社会保障審議会介護保険部会の委員でもあり、けっこういい発言もされるのだが、「八方美人的」なところがあり、ある方は「あっちへふらふらこっちへふらふら」と酷評されている。
 しかし、介護保険制度の問題点を「現場の視点」で告発し、一般ジャーナリズムへも発信できるそれなりに貴重な研究者でもある。

 これが 池田省三センセイには気に入らないのか、『「空想的介護保険論」からは何も生まれない~結城康博「日本の介護システム」』なる、ヒステリックで支離滅裂な 論文掲載にいたっている。

 私が読んでも 単なる揚げ足取りと ためにする 批判の集大成のような 文章としか思えない。

 まあ、みなさんも 両氏の本 結城康博「日本の介護システム」 と池田省三「介護保険論 福祉の解体と再生」を読み比べていただければ、どちらが まともかは一目瞭然である。
 
 とくに、自治体の福祉現場とケアマネジャーとしての介護現場を経験し、現在も「現場」の視点で介護保険制度も問題点を追及しようとする結城康博氏に対し、池田省三センセイは、「現場という常套句は思考を停止させる」と あえて「現場無視」の立場をるる述べている。
 このような傲慢な発想からは何も生まれない。介護の困難な現場から目をそらすことを当然視するような「制度論」はこの池田センセイだけである。


 詳細はあえて言わないが、1990年代に自治体労働運動にかかわり、当時の連合と自治労と激しく対立した者としては、介護保険制度を推進した自治労と池田省三氏(自治労のシンクタンクに所属)の所業はいまだに許せない。

 しかし、介護保険11年の現実と惨状を目の当たりにして、当時、介護保険制度推進の立場に立った多くの方々は、現在に介護保険の在り方には 批判的である。

 「要介護認定制度廃止」を言いだした 樋口恵子氏、白澤政和氏、「介護保険は老いを守るか」で現状を鋭く告発された沖藤典子氏など、 介護保険の生みの親と言われる方々の多くが現在の介護保険制度について根本的批判をなげかけておられる。岡本祐三氏も 前回の介護保険制度改定で新予防給付が導入されるときに、きびしい批判をされた。

 ところが、この池田省三センセイだけは、ちがう。厚労省でさえ公然と言えないようなことを あえて言ってのけることで、「介護保険の論客」としての存在価値を見いだしているとしか思えない。

 この論文の中でも「資源の有効活用こそ介護保険を持続させる」と、日本の借金の多さを強調しつつ、「高齢者向け社会保障をさらに拡大していくというのは、自分の子供には遺産を残し、他人の子供の財布には手を突っ込むとおうことではないか。私はそんな羞じらいを知らない人間で終わりたくはない」「要支援の介護保険からの除外は当たり前のことである」などと妄言を言いたい放題である。

 この「羞じらいを知らない」人物こそ、日本の介護のまともな未来のためには即刻取り除かれるべきであろう。
 
 
Category: 介護保険見直し
2011/10/16 Sun
連載9回目(最終回)
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。



おわりに  総合事業の「本質」を見抜き、導入断念を自治体へ迫ろう
 以上みてきたように、厚労省の今回の総合事業の「基本事項」通知で明らかになったのは、「介護予防・日常生活支援総合事業」は、要支援者を保険給付の対象から除外するための巧妙かつ姑息な枠組みの導入である。国制度で一気にできないことを自治体レベルで、徐々に行おうというものである。
 今回の通知で示された図が総合事業導入後の状況をよく表している。要支援者のなかに、確かに引き続き「予防給付」を利用する人達も残るであろう(ただし地域包括支援センターのケアマネジメントで「適切」と判断されればである)。しかし、多数の要支援者は、総合事業の「予防サービス」と「生活支援サービス」に移し替えられ、2次予防対象者と同じ扱いを受けるのである。その内容は、すべて「市町村任せ」で財源の裏付けもない無責任なものである。
 総合事業は、導入するかしないか も市町村任せである。それならば、この危険な仕組みの本質を広く伝え、市町村ごとに「導入断念」を迫ることがいまの課題である。



厚生労働省 介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について

第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A平成23年8月22日
Category: 介護保険見直し
2011/10/16 Sun
連載8回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


5 財源問題


①新たに使える財源は極めて限られている

 今回の通知では、地域支援事業の上限の「現状」について、「地域支援事業全体:3.0%」「総合事業:2.0%」「総合事業以外:2.0%」とし、「今後予算編成過程で別途検討」としている。
 現在すでに全国の保険者計で、地域支援事業は保険給付費の2.35%を占めており、もし、現状どおり3.0%ならば、総合事業実施で新たに増える「予防サービス」「生活支援サービス」「ケアマネジメント」の費用分は残りの0.65%分しかない。しかも、総合事業分自体は2.0%の上限が設定されている。総合事業は、現行の介護予防事業をその中で実施しなければならないので、「介護予防事業費」(0.76%)分はすでに使っているのでどんなに増やしても残りは1.24%しかない勘定になる。
 「包括的支援事業費」は地域包括支援センターの運営経費等であり、地域包括支援センターを充実させている自治体ほど、これが大きくなり総合事業に使える分は限られてくる。また、「介護予防事業費」はそっくり総合事業の費用に入るので、現在、介護予防事業に費用をかけている自治体ほど総合事業での新たな「予防サービス」「生活支援サービス」で使える財源は少なくなる。
 いずれにしても、予算編成過程で現状の「3.0%」「2.0%」が大きく増えない限り、総合事業はまともな財源は確保されない。

地域支援事業費の保険給付費との比率 2009年度
保険給付費    6,883,889,418千円  
介護予防事業費 52,620,515千円 (対保険給付費率0.76%)
包括的支援事業・任意事業    109,204,799千円 (対保険給付費率1.59%)
地域支援事業費計      161,825,314千円 (対保険給付費率2.35%)
  介護保険事業状況報告(全国計)平成21年度 から計算


②自治体へはアメ 地域支援事業交付金
 総合事業は現行の「介護予防事業」と同じ財源構成になっている。「介護予防事業は、保険給付費と同様に「2号保険料30%」があるので、市町村負担は12.5%で済むのに対し、それ以外の包括的支援事業・任意事業は、2号保険料がないので、市町村負担は20%になる。

現行 地域支援事業の財源構成
 介護予防事業
国:25%  都道府県:12.5%  市町村:12.5%1号保険料:20%
   2号保険料:30%
 介護予防事業以外(包括的支援事業、任意事業)
国:40%  都道府県:20%  市町村:20% 1号保険料:20%


 総合事業では、介護予防事業と同じ財源構成とし、市町村負担は12.5%である。これにより、たとえば、これまで任意事業で行っていた配食サービスを総合事業に移し替えるだけで、7.5%分の市町村負担が軽減されることになる。
 厚生労働省は、総合事業を実施しなくてもペナルティは一切ない、としているが、財源的には姑息な「アメ」で、市町村を総合事業実施へ呼び込もうというのである。

厚労省通知「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項
財源構成(第4期計画期間(平成21~23年度)における財源構成)
 介護予防・日常生活支援総合事業
国:25% 都道府県:12.5% 市町村:12.5%
1号保険料:20% 2号保険料:30%
 介護予防・日常生活支援総合事業以外
国:40% 都道府県:20% 市町村:20%
1号保険料:20%
(注1)第5期計画期間(平成24~26 年度)においては、第2号被保険者負担率の変更に伴い、財源構成が変更される予定。
(注2)「介護予防・日常生活支援総合事業以外」とは、「包括的支援事業のうち『総合相談支援業務』『権利擁護業務』『包括的・継続的ケアマネジメント支援業務』、任意事業」をいう。
Category: 介護保険見直し
2011/10/15 Sat
連載7回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について 

 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。

②サービス事業者 設備・人員の基準なし 
 サービス事業者について、今回の通知は、予防サービス・生活支援サービスともに、「厚生労働省令で定める基準に適合する者の中から、市町村が地域の実情に応じて柔軟に決定」とされている。しかし、基準で定めるとしている事項は、秘密保持、事故発生時の対応等だけである。人員・設備の基準はいっさい定める予定はないとしている。
 8月の厚労省Q&Aでは、「シルバー人材センターもサービス事業者になり得る」と明記しており、まさに、すべて市町村任せで「何でもあり」の無責任きわまりないものとなっている。
 また、事業者の支払う費用についても市町村が決定とされ、基準なしである。
 利用者負担についても「予防給付とのバランス等を勘案しながら」とされているが、これも「市町村において決定」とされている。
 利用者負担だけが、「予防給付とのバランス等勘案」とされているが、サービス事業者の人員・設備といったサービス提供にかかるものや、サービス内容については、予防給付の内容はまったく保障されない。まさに「安かろう・悪かろう」の予防サービスになる可能性がきわめて高い。
 通知においては「市町村が自ら実施することも可能」、「通所型予防サービス等について、予防給付に係るサービスと総合事業におけるサービスを同時に提供することも可能」とされている。しかし、このような予防サービスを自治体直営で実施するところはきわめてまれであろう。また、デイサービスなどの指定事業者に委託するかどうかは市町村判断であり、また、事業者側としても費用面で受託はかなりの困難がともなうであろう。

○第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問17:介護予防・日常生活支援総合事業のうち、市町村の判断により実施する事業のサービス提供事業者について、シルバー人材センターは厚生労働省令で定める基準に適合するか。
答:「厚生労働省令で定める基準」の中では、衛生管理や事故発生時の対応等、利用者の保護等に関する事項を定める予定であり、人員や設備等の基準を設ける予定はない。この基準に適合すれば、シルバー人材センターもサービス提供事業者になり得るところである。

問26:○市町村の判断により実施する要支援者に対する予防サービスについて、予防サービス等のうち、「市町村が定めるサービス」を実施することとなっているが、「市町村が定める」というのは、現行の予防サービスの種類(訪問介護、通所介護等)を定めるということなのか。
・この場合でも、費用や利用者負担も市町村が独自に決定できるのか。
・実施できる事業者は、予防給付事業者としての指定を受けた事業者であり、基準やサービス内容も現行基準に沿ったものでなければならないのか。
答:総合事業で実施する予防サービスの種類、費用等、実施事業者等については、いずれも市町村において、地域の実情に応じて判断することが可能である。なお、サービスを実施する事業者の基準については、衛生管理や事故発生時の対応等、利用者の保護等に関する事項を定める予定であり、人員や設備等の基準を設ける予定はない。
Category: 介護保険見直し
2011/10/14 Fri
連載6回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


4 ケアマネジメント及びサービス提供事業者

①ケアマネジメントは財源的裏付けなし 地域包括支援センターに押し付けか
 ケアマネジメントについて、今回の通知は、「総合事業は全てケアマネジメントに基づいて実施」としている。しかし、2次予防事業対象者については、ケアプランの作成は必須でなく、「情報共有」で足りるとしている。さらに、ケアプラン作成を要することになっている要支援者について「全国一律の様式」も定めないなど、自治体まかせの扱いとなっている。
 さらに、問題なのは、「プラン料」について、基準がまったくなく、「地域の実情に応じて柔軟に決定」とされていることである。「総合事業のマネジメント」といっても、このようなケアプラン様式も示さないような無内容な取り扱いでは、自治体レベルでのケアマネジメントは現行の介護予防支援に対する報酬額よりもはるかに低い額になる可能性がある。
 同通知によれば、総合事業のケアマネジメントは、地域包括支援センターに委託されることになっており、さらに、居宅介護支援事業者に再委託することも可能とされている。多くの自治体は、「プラン料」が保障されなければ、委託に受けてくれる事業者がないのではないか、と危惧している。
 結局のところ、地域包括支援センターが、総合事業のケアマネジメントの大半に押しつけられることになりかねない。2006年度に新予防給付とともに地域包括支援センターがスタートした当時、多くの地域包括支援センターが、業務の大半を「予防プラン」が占める状態になり、「予防プランセンター」と化した。今回、総合事業を導入する自治体によっては地域包括支援センターが、「総合事業マネジメントセンター」となり、機能不全に陥る事態になりかねない。

※自治体の「プラン料なしで受託すとことは無い」との問いに対し、厚労省は、プラン料は「市町村が柔軟に設定可能」と答えているが、財源的裏付けのまったくない無責任なものである。
第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問20:③総合事業での、要支援者に対するケアマネジメント事業については、これまで、介護予防給付の対象であった場合は、いわゆるプラン料が支払われていたものが無くなると思われるが、総合事業で相当額を支払うことは可能か。支払うことが不可能な場合、マネジメントについて、居宅事業所へ委託可能とあるが、受託するところは無いと思われるがいかがか。
答:③要支援者に対するケアマネジメントも含め、市町村において、地域の実情に応じて柔軟に設定可能である。
Category: 介護保険見直し
2011/10/13 Thu
連載5回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


③サービスの併給
 サービスの併給について、今回の通知は、予防給付を受けている要支援者は、予防給付のサービスと異なる総合事業のサービスを利用することは可能だが、同じ種類のサービスを利用することはできない、としている。通知では、例として「介護予防訪問介護に係る予防給付を受けている要支援者が、総合事業に基づいて介護予防訪問介護を利用することはできない」としており、同種のサービスは、「総合事業化か予防給付か」の選択を迫られることになる。しかも、対象者のところで述べたように、その「選択権」は最終的には利用者側にはなく、市町村(地域包括支援センター)が、「利用者の状態像に応じて、適切なケアマネジメントに基づき判断」とされており、予防給付から総合事業への移し替えにつながることが十分想定される。
 また、総合事業の予防サービスを利用せず、予防給付のサービスしか利用しない利用者が、総合事業の生活支援サービスを併用できるか、という問題もある。これについて厚労省は以前のQ&Aでは、利用できない、との見解を示していた。

第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問27:○ 介護予防・日常生活支援総合事業により提供する生活支援サービスについては、「介護予防事業」又は「介護予防サービスのうち市町村が定めるもの」と一体的に行われることが効果的であるものとされていますが、介護保険最新情報等で示されている資料では、対象者を「要支援者」又は「二次予防事業対象者」としています。 
(1)一次予防事業対象者は対象となるのでしょうか。 
(2)要支援認定者のうち「介護予防サービスのうち市町村が定めるもの」を利用せず、予防給付のみ利用する者については対象とならないということで良いでしょうか
答:(1)について現在のところ、要支援者・2次予防事業対象者に限定する予定である。
(2)について貴見のとおり


 この点、今回の通知では、明確な記述はなく、Q&Aの内容が変更がないとすれば、要支援認定者は、生活支援サービスを利用するために予防給付のサービスを総合事業に切り替えさえられるという事態まで危惧される。
Category: 介護保険見直し
2011/10/12 Wed
連載4回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


3 サービス内容及び併給問題
①予防サービス  予防給付を2次予防事業のサービスへ置き換えか
(つづき)

※厚労省はQ&Aで総合事業では、要支援者向けサービスも2次予防対象者向けサービスも「内容が大きく異なることになるとは考えていない」としている。
○第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A②【平成23年9月21日時点】
(問8への答)
総合事業のサービスの内容は、要支援者・二次予防事業対象者とも、市町村において、地域の実情に応じて柔軟に決定可能であることから必ずしも両者のサービスの内容が大きく異なることになるとは考えていない。利用者が真に必要とするサービスを受けることができるよう適切に判断されたい。


 また、今回の通知にある対象者とサービスのフロー図の中で、二次予防対象者が総合事業の「予防サービス」が利用可能であるような矢印が付けられている。「改正」介護保険法(第115条の45第2項第1号)では、予防サービスは「要支援者に対し」と限定されていることとも矛盾するので、厚労省老健局振興課法令係に質問してみた。厚労省の回答は、「二次予防対象者の『予防サービス』は、『予防事業』(法第115 条の45 第1項第1号)のことであり、総合事業は、2次予防事業と予防サービス、生活支援サービスを総合的に実施する事業なので、このようなフロー図になった」というものであった。このことからも、総合事業で提供される予防サービスは、現行の予防給付のサービスよりも2次予防事業とほとんど区別がつかないような内容を想定していることがわかる。

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②生活支援サービス  

 「地域全体で高齢者の自立した生活を支援する」とする総合事業の目玉である「生活支援サービス」については、①栄養改善を目的とした配食 ②自立支援を目的とした定期的な安否確認・緊急時対応 ③その他(予防サービスと一体的に提供されることにより介護予防・日常生活支援に資するサービス)とされている。要は「配食」と「見守り」であるが、現行の地域支援事業者や一般施策ですでに実施可能なもの過ぎない。同通知で「実施可能なサービスの具体例」として挙げられているものには、シルバー人材センター等が実施する配食・見守り・その他のサービスや、「地域における互助、NPO法人、インフォーマルな支援等」である。
 さきの予防サービスが、現在の予防給付で行われているサービスよりも、2次予防事業に近いものであることを合わせて考えるならば、現在、介護予防訪問介護でヘルパーが提供している「生活援助」の大半は、これらのシルバー人材センターや、互助、インフォール支援に置き換えることを狙っているといえるだろう。
Category: 介護保険見直し
2011/10/11 Tue
連載3回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


3 サービス内容及び併給問題

①予防サービス  予防給付を2次予防事業のサービスへ置き換えか

 総合事業では、「予防サービス」について、①訪問型(身体介護・相談助言、生活援助等)、②通所型(機能訓練、身体介護・相談助言・健康状態確認等)などのうち「市町村が定めるもの」としている。今回の通知では、予防サービスについて、「自立支援の効果を高める観点を考慮して決定」と、ことさらに「予防目的」を強調したものとなっている。とくに、訪問型予防サービスについては、「要支援・要介護状態から改善して6ヶ月後限度」「通所型への参加が困難な者に対して、保健師等が居宅を訪問」など、2次予防事業と同じようなサービス内容が基本とされている。
 具体的には市町村の裁量に委ねられているとしても、これでは、予防給付を2次予防サービスに置き換えるような考え方である。厚労省通知で「実施可能なサービスの具体例」として「予防サービス」では、「公民館・保健センター等で行われる『機能訓練』及び『健康状態の確認』」が挙げられていることからもその危険性は十分に考えられる。
Category: 介護保険見直し
2011/10/11 Tue
連載2回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。

2 対象者問題

①「コミュニケーション」では選択権保障にならない
 総合事業の対象となる「要支援者」は「市町村又は地域包括支援センター」が「適切なケアマネジメントに基づき判断」という点は、従来通りである。今回の通知ではじめて「本人の意思に反した判断がなされることのないよう、市町村又は地域包括支援センターと利用者が、よくコミュニケーションを取りながら、対象者の決定を行う。」という注意書きを入れた。
 多くの関係者の「要支援者の保険給付取り上げにつながる」という批判を受けて、国会で「要支援認定者が従来の介護予防サービスと同総合事業を選択・利用する意思を最大限尊重すること」という附帯決議をされたため、厚労省は7月11日の「第5期介護保険事業(支援)計画策定に係る全国会議」資料では「本人の意思を最大限尊重しつつ」という文言を付けくわえた。さらに今回はその手段として「よくコミュニケーションをとりながら」を挙げた。
 しかし、対象者を「判断」「決定」する主体は利用者ではなく、「市町村・地域包括支援センター」であることに何ら変化はない。あくまでも「利用者が選択する」という仕組みにはしないのである。
厚労省は、「対象者について、地域の実情に応じて条件等を設定していただくことは可能」としており、市町村が対象者選定に勝手な条件を設けることも自由で、「資産要件」「所得段階」「ひとりぐらしか」などを条件に選別することもありうるのである。
 
 第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問15)介護予防・日常生活支援総合事業の対象者について、「利用者の状態像に応じて、適切なケアマネジメントに基づき判断」とあるが、市区町村においてケアマネジメントを行う際に例えば、利用者の条件に「ひとりぐらし」「高齢者のみ」「所得段階」「資産要件」等の条件を附すことは可能か
答)介護予防・日常生活支援総合事業の対象者について、地域の実情に応じて条件等を設定していただくことは可能である。

 
 「よくコミュニケーションをとりながら」などという抽象的な表現で、要支援者の保険給付受給権や選択権が保障されないことは明らかである。

②2次予防対象者限定 総合的な生活支援に支障

 厚労省は、今回の通知で改めて、「総合事業の対象者」について「要支援者及び2次予防対象者」に限定している。
 これは、「生活支援サービス」の対象者に新たな排除を持ち込むことになる。現行の地域支援事業や一般施策では、「配食」「見守り」については、要介護者や一般高齢者(1次予防対象者)も対象にしている自治体もあるが、これが総合事業に移し替えられると、要支援者・2次予防対象者以外は除外されることになる。
 「改正」法では、「生活支援サービス」(改正法第115条の45第2項2号)は「1号被保険者及び要支援者である2号被保険者」とされ、本来は全高齢者対象とされているものである。厚労省は政省令・告示や通知レベルで「要支援者・2次予防対象者」に限定するとしている。
 このことをみても総合事業が「利用者の視点に立った柔軟な対応や、既存の枠組みにとらわれないサービス提供が可能」「地域全体で高齢者の自立した生活を支援する」などという説明とはまったく逆の、排除と選別の仕組みであることがわかる。
Category: 介護保険見直し
2011/10/10 Mon
本日から連載します。

ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。

1 実施時期問題 「遅れて実施」しても問題は変わらない

 本通知では、その実施時期について、「開始年度を第5期期間の途中の年度に位置づけることも可能」とした。
この総合事業については、実施の可否も含め多くが市町村任せであることに加え、その意義・目的・内容がきわめてわかりにくいため、多くの自治体はいまだに判断できずにいる。東京都の特別区のいくつかが、総合事業実施に否定的な見解をのべ、広島市が「現時点では平成24年度実施はしない方向」とするなど、政令指定都市の大半が「平成24年度実施見送り」に傾きつつある。
厚生労働省は、「積極的に検討されたい」とはっぱをかけ、「平成24年度を準備期間とし、平成25年度から開始」も可能とするなど、たとえ時期は遅れても導入を第5期介護保険事業計画に位置づけさせようとしている。
自治体をして、総合事業導入を躊躇させているのは、たんに「準備期間不足」だけに原因があるのではない。「要支援認定者」の保険給付受給権を侵害するという重大問題を含み、地域支援事業(現行では保険給付の3%)の限定された財源での事業など、この総合事業の仕組みそのものに原因がある。
総合事業の危険な狙いについて警鐘を鳴らし、「導入反対」をよびかけてきたわれわれとしては、この到達点を踏まえ、「第5期計画に盛り込ませない」ことが重要である。
Category: 介護保険見直し
2011/10/09 Sun
昨日夜、「衛都連結成65周年記念レセプション」の後、弁護士の梅田先生に誘われた。

 11月27日投票の「大阪秋の陣」(大阪府知事・大阪市長 ダブル選挙)。梅田先生は、3度目の府知事チャレンジ。

 「今度はいいたいこと言わせてもらうで!」と
 
 梅田先生流の 反橋下戦略を聞かせていただいた。

 その一環として、「反ハシズム市民連合」。

 私も誘われたので、参加することにした。



反ハシズム市民連合を結成しましょう

「元に戻ってちょ~だ~い」♪
「タレントやっててちょ~だ~い」「みんなまあるくハシモトドオリ。そのと~り!」♪♪
■ WTC問題で住民監査請求やります!
■ 教育基本条例・職員基本条例の
     危険性を学び、発信しましょう!
賛同者急募
10月20日(木)午後7時~9時
エル大阪南館6F 南ホール
地下鉄・京阪「天満橋」駅より 徒歩5分
主催:橋下徹さんが元のテレビタレントに戻られることを願う大阪府民の会(略称:ハシ、モトドオリの会)
呼びかけ人:藤永のぶよ(おおさか市民ネットワーク)/ 西谷文和(フリージャーナリスト)
問合せは 電話 0 6 - 4 8 6 4 -182 8 携帯 0 8 0 - 532 6 - 6775

Category: 時局争論
2011/10/02 Sun
 午後から吹田市民会館で開かれた「高齢者の居場所つくりをすすめる連絡会 第14回総会」に出席した。

 総会の「記念対談」として、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会代表の川原秀夫さんと 21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会事務局長の正森克也さんの対談である。テーマは「介護保険 どう変わる・どう変える」。

 対談

 かたや特養、かたや小規模多機能 という 組み合わせのユニークな対談だったが、「効率化一辺倒」で進められる介護保険見直しについては、共通した思いを語られた。

 小規模多機能型居宅介護は、「宅老所」をモデルとして、前回の介護保険法改定で制度化された。当時は、かなりもてはやされたが、今回の法改正では、「定期巡回随時対応サービス」ばかりが注目されて、小規模多機能型は後景に追いやられている感がある。
 特養など施設サービスに比べても安い報酬で、通い、訪問、泊まり のすべてに対応しなければならない。
 いわば、在宅の25人の登録者の全生活に責任を負っていると言える。

 川原代表は、6月の社保審介護給付費分科会で「人的配置・介護報酬の底上げ」を提案し、さらに地域包括ケアを支える「ライフサポートセンター構想」(コアセンターと2~3か所のサブセンターで50人の利用者に地域で対応する構想)も提案された。

 しかし、法改正で入っているのは「小規模多機能型と訪問看護の複合型」であり、厚労省は、このライフサポートセンター構想についても、あまり評価していないようだ。

 小規模多機能型の原点となった「宅老所」の寄り添い型の小さい単位でのケアについて評価されず、また、全国的にも普及が大きく遅れている上に、新規参入の小規模多機能の中には「これが小規模多機能か?」というような低劣なサービスしかしないところもあるという。

 短時間細切れの「定期巡回」とちがい、小規模多機能居宅介護は地域で25人の利用者の生活をまるごと支える多様な機能を持っている。
 訪看との複合だけでなく、原点に立ち返った制度推進のため、報酬の抜本的引き上げが必要である。

Category: 介護保険見直し
2011/10/01 Sat
東京民医連の「第4回ケアマネジャー学習会」に招かれた。

4年前の2007年11月に一度招かれたことがあるこの集会、東京一円から127人のケアマネジャーが集まっていただいた。

 開催目的には「介護保険改定の内容を学び、『たたかうケアマネ』としての課題と役割を明確にする」とあった。

 「総合事業」問題、そして「定期巡回サービス」「介護保険料問題」を前半お話し、後半は、大阪のでの「ローカルルール打破」の運動の経験を踏まえて、「たたかうケアマネジャー」の在り方についてお話させていただいた。

介護保険制度が大きく変わろうとしているとき、ケアマネジャーもまた、「自立支援型ケアマネジメントへの転換」「質の向上」などと、まるで、現在のケアマネジャーが自立支援に役立っていないかのようなケアマネバッシングにさらされようとしている。

 地域で、孤立し支援困難な利用者、大きな社会問題を抱えた家族と暮らす利用者、介護負担から虐待の一歩手前の家族と利用者の関係 など ケアマネジャーが向き合う 利用者の実態は 簡単に「自立支援型ケアマネジメントへの転換」などと言ってすまされるものではない。

 ケアマネジャーの価値と役割は、今こそ、光が当てられるべきである。

 学習会の質疑応答では、介護保険改定で持ち込まれようとしている「要支援者切り捨ての『総合事業』」について、「杉並区では、8月末、計画策定委員会で区当局が文書で、総合事業は第5期計画には入れない、と明言した」「新宿区や荒川区でもやらない方向のようだ。板橋区ではやれない、と言っている」など、心強い報告も出された。

 東京の「たたかうケアマネ」の役割は大きい。


 
Category: 介護保険見直し

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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