2012/01/30 Mon
1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載6回目。

 介護老人福祉施設

 施設系はすべてマイナス改定だが、とくに介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は大きな引下げである。

 多床室と軽度者により大きな引下げ

 中でも多床室は現行よりマイナス3.2%から2.8%の大幅な報酬減少となった。とくに要介護1,2の軽度者により大きな引下げで軽度者狙い撃ちである
 
【介護福祉施設サービス費(Ⅱ):多床室】
要介護1 651単位/日   要介護1 630単位/日 ▲3.2%
要介護2 722単位/日   要介護2 699単位/日 ▲3.2%
要介護3 792単位/日 ⇒  要介護3 770単位/日 ▲2.8%
要介護4 863単位/日   要介護4 839単位/日 ▲2.8%
要介護5 933単位/日   要介護5 907単位/日 ▲2.8%


 さらに、2012年度以降、自治体判断で整備する施設多床室には、さらに引き下げた報酬とし、要介護1では現行より、4.3%ダウンという大幅に低い報酬となった。
 個室についても引き下がられ、いずれも1%程度以上ダウンで、唯一据え置きとなったユニット型個室要介護5以外はすべて引下げである。

 まさに、多床室の切捨てと軽度者追い出し を狙ったものである。

 重度者・困難者受け入れ

 唯一の新設加算は、
 
 認知症行動・心理症状緊急対応加算(新規) ⇒ 200単位/日

 のみである。

 、認知症の行動・心理症状が認められるため、在宅での生活が困難であり、緊急に介護福祉施設サービスを行う必要があると判断した利用者を受け入れた場合だが、200単位で、しかも、「7日」しか算定できない。

 加算の引上げは

 日常生活継続支援加算 22単位/日 ⇒ 23単位/日

 「入所者の重度化への対応を評価する」というが、たったの1単位引上げ で、算定要件はさらに厳しくされた
  ※算定要件(①~③のいずれかの要件を満たすこと)
①要介護4若しくは要介護5の者の占める割合    65% ⇒ 70%以上
②認知症日常生活自立度Ⅲ以上の者の占める割合   60% ⇒ 65%以上
③たんの吸引等(※)が必要な利用者の占める割合  15%以上(今回新設)

 「看取り」の充実を図るため、外部の医師が連携して、看取りを行った場合について、診療報酬で評価がされるおとになったが、特養側の報酬上の加算の引上げはなしである。

 基本報酬を大幅に引き下げた上に、まともな報酬加算もなしで、重度者・困難者の受け入れと「看取り」を押し付ける改定と言える。

 政府の事業仕訳の場を含め執拗になされた「特養の内部留保」批判は、このような改定への地ならしであった。

 犠牲をおしつけられるのは 特養の現場職員と入居者である。

 (つづく)
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Category: 介護保険見直し
2012/01/30 Mon
 今日1月30日は、午前中、ケアマネ公務災害裁判の弁論で大阪地裁へ行った。

 
 裁判の経過 

 たんたんと進められる準備書面の提出、裁判官の質問、そして追加の書面提出の指示、次回の裁判期日の調整。

 わずかな時間で終わった弁論だが、今日は原告の姿はなかった。

 一昨日 ご本人からメールで、体調不良のため 法廷には行けないこと、そして昨日には「自分のことで力になってくださっているのにどうにもならず…本当に申し訳ありません」とのメールも入った。

 メールには「この病気の恐ろしさを感じます」ともあった。

 私と同じ職場にいたころは、人一倍 明るくてはつらつとしていた彼女が、自分の人生をかけた裁判にでてくることもできない 状態に。

 「うつ」を発症させられ、何年も何年も苦しみ続ける。

 今日の原告側準備書面では、介護給付費調査での事業所訪問時でのやりとり、特定の職員が幅を利かし、事業所にささいなことで「報酬返還」を指導するやるとりなども記述している。

 そして何よりも、ケアマネと看護師のダブルワークで必死に働いてきた彼女に、ろくな調査もせず「不正関与」の濡れ衣まで着せて、「退職強要」まで行い、うつ病発症に追い込んだ 堺市の幹部連中は許すことはできない。

 裁判は、公費でやとった弁護士に任せ、傍聴も若い担当者に任せて だんまりを決め込む 市幹部連中に、原告の 病気のつらさ、悔しさを 100分の1でも 思い知らせてやりたいものである。

 次回 弁論は 3月14日(水) 午前10時から 大阪地裁 809号法廷

2012/01/29 Sun
1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載5回目。

通所リハビリ

 医療保険から介護保険への露骨な誘導

通所リハビリでは、
 「医療保険からの円滑な移行を促進する」を目的に
①短時間の個別リハビリテーションの実施について重点的に評価
②長時間のリハビリテーションについて評価を適正化

を柱に報酬改定が行われた。

具体的には以下のとおり。

①長時間の引き下げ基本報酬
 現行は、「2時間以上3時間未満」は、「3時間以上4時間未満」×0.7とされていたものを新たに区分を新設し、従来より高い基本報酬とした。
(例)要介護1 現行 270単位 ⇒ 284単位(5.1%アップ)
   要介護5 現行 585単位 ⇒ 509単位(7.1%アップ)

 一方で、「4時間以上6時間未満」と「6時間以上8時間未満」は2.5%程度引き下げた。
(例)4時間以上6時間未満  要介護1  515単位 ⇒ 502単位(▲2.5%)
                  要介護5  955単位 ⇒ 931単位(▲2.5%)
 

②個別リハビリ加算の複数回化  
 これまで1月に13回を限度として1日につき80単位を加算していた「個別リハビリテーション実施加算」が、1月に13回を限度に80単位を1日に複数回算定できることとされた。1時間以上2時間未満であれば、実施時間内であれば何回でも個別リハビリテーション実施加算の算定が可能となり、
 医療保険の「疾患別リハビリテーション(外来)」(20分以上の個別リハビリ月13回まで可能)と同等の扱いとなった。

個別リハビリテーション実施加算 ⇒ 算定要件の見直し(80単位/回)
※算定要件(変更点のみ)
・ 所要時間1時間以上2時間未満の利用者について、1日に複数回算定できること。
 

③リハビリマネジメント加算の要件緩和
 現行は、「リハビリテーション実施計画を策定し、月8回以上通所リハビリテーションを利用」が要件とされているリハビリマネジメント加算を、「月4回利用」に緩和した。
リハビリテーションマネジメント加算 ⇒ 算定要件の見直し
※算定要件(変更点のみ)
・ 1月につき、4回以上通所していること。
・ 新たに利用する利用者について、利用開始後1月までの間に利用者の居宅を訪問し、居
宅における利用者の日常生活の状況や家屋の環境を確認した上で、居宅での日常生活能
力の維持・向上に資するリハビリテーション提供計画を策定すること


「手厚い医療が必要な患者」も介護保険?

さらに、「手厚い医療が必要な利用者に対するリハビリテーションの提供を促進する」との理由で「重度療養管理加算」を新設した。

要介護度4又は5であって、手厚い医療が必要な状態である利用者の受入れを評価する見直しを行う。
重度療養管理加算(新規) ⇒ 100単位/日


 一日たった100単位で、受け入れる利用者は
 要介護4又は5であって
イ 常時頻回の喀痰吸引を実施している状態
ロ 呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態
ハ 中心静脈注射を実施している状態
二 人工腎臓を実施しており、かつ、重篤な合併症を有する状態
ホ 重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態
ヘ 膀胱又は直腸の機能障害の程度が身体障害者障害程度等級表の4級以上であり、ストーマの処置を実施している状態
ト 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態
チ 褥瘡に対する治療を実施している状態
リ 気管切開が行われている状態

という重篤な状態ばかりで、しかも2時間以上の受け入れである

「介護から医療へ」もここまできたかという事態である。

 そもそも、介護保険のリハビリは、区分支給限度額の枠内でケアプランに組み込まれて初めて実施可能であり、医師が必要と認めても実施できない場合が少なくない。
 維持期を含めてリハビリは、医師が指示するOT・PT・ST等の専門職種による医療行為であり、患者の病態に応じて医療保険から給付されるべきである。
 「リハビリテーションは、維持期を含めて医療保険から給付を。」このことを声を大にして主張すべきである。

(つづく)


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2012/01/29 Sun
1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載4回目。

 通所介護

 通所介護(デイサービス)は、今回の報酬改定では在宅系サービスの中でも切り下げが集中した。

厚労省の報酬改定概要案の説明では、
①通常規模型以上事業所の基本報酬について、看護業務と機能訓練業務の実態を踏まえて適正化
②小規模型事業所の基本報酬について、通常規模型事業所との管理的経費の実態を踏まえて適正化
③サービス提供時間の実態を踏まえサービス提供の時間区分を見直す

 介護報酬改定において「適正化」とは、切り下げとほぼ同じ意味である。

 具体的には、、機能訓練指導員を配置して個別の計画作成等を評価する個別機能訓練加算(Ⅰ)27単位を廃止し、基本報酬に組み入れて包括化。さらに、通常型の基本報酬については、看護業務と機能訓練業務が兼務している実態をが多いとして引き下げられた。
 そして、通常型よりも17%高かった小規模型の報酬単価について、実態はコストは管理的経費は通常規模型と比較して約15%しか高くないとして引き下げをはかった。
 
 さらに、サービス提供時間区分について、現状では、6~8時間区分の平均サービス提供時間は6時間27分であるとこの理由で「5~7時間区分」をつくって、大幅に報酬を下げたのである

 (例1)小規模型通所介護費の場合
(所要時間6時間以上8時間未満の場合)  (所要時間5時間以上7時間未満の場合)
要介護1 790単位/日             要介護1 700単位/日
要介護2 922単位/日             要介護2 825単位/日
要介護3 1,055単位/日     ⇒       要介護3 950単位/日
要介護4 1,187単位/日             要介護4 1,074単位/日
要介護5 1,320単位/日             要介護5 1,199単位/日


 要介護1で90単位減(11.4%)、要介護5で121単位減(9.1%)の大幅な引き下げとなる。

 サービス提供時間を延長して「7~9時間」の区分にしても 要介護1で19単位、要介護5でも56単位しか増えないので、延長によるコスト増に追いつかない可能性がある。
 (所要時間7時間以上9時間未満の場合)
要介護1  809単位/日
要介護2  951単位/日
要介護3 1,100単位/日
要介護4 1,248単位/日
要介護5 1,395単位/日


通常型でも大幅な引き下げで、現行の個別機能訓練加算(Ⅰ)27単位を組み入れてもこの引き下げとなっている。

一方延長加算については、12時間までみとめた。
11時間以上12時間未満 ⇒ 150単位/日
 
 通所介護は、報酬区分で見るかぎり表面的には「長時間化」である



個別機能訓練加算は
 
現行)
個別機能訓練加算(Ⅰ)27単位  ⇒  基本報酬に組み入れ廃止
個別機能訓練加算(Ⅱ)42単位  ⇒  個別機能訓練加算(Ⅰ)に名称変更 42単位
                    個別機能訓練加算(Ⅱ)(新規)  50単位


個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件は、
専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士等を
1名以上配置していること。
・ 機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員等が共同して、利用者ごとの心身
の状況を重視した、個別機能訓練計画を作成していること。
・ 個別機能訓練計画に基づき、機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が利用者の心身
の状況に応じた機能訓練を適切に行っていること。


 ここでも、利用者の自立支援促進、生活機能向上を目的とした訓練 が一面的に強調されているが、わずかな加算である。

6年前に廃止された送迎加算をいまごろ減算
  
 訪問系サービスと同様に、通所系サービスにも「利用者の住居と同一建物に所在する事業所に対する減算」が盛り込まれた。

通所介護事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、送迎分の評価の適正化を行う。
同一建物に対する減算(新規)⇒所定単位数から94単位/日を減じた単位数で算定


 もっともな理屈かもしれないが、通所介護の送迎加算が基本報酬に包括化され廃止されたのは6年前の2006年度報酬改定である。

 いまごろになって送迎加算分を減算するというのは、報酬削減の口実さがしとも言えるだろう。

 (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/01/28 Sat
 1月28日、北九州市社保協・よりよい介護をめざす連絡会の学習会にお招きいただいた。

 この「よりよい介護をめざす連絡会」は昨年1月15日に発足した。

 それより1年以上前の2010年3月に北九州市内で開かれたケアマネ研修にお招きいただいた。終了後の懇親会の席上で、地域での「介護をよくする会」のことに話がおよんで、「以前は北九州市にもあったんですよ」。私が「ぜひ、介護をよくする会を再発足して活動されたらどうですか」と酔った勢いで言ったことを覚えている。ケアマネジャー個人や事業所レベルではことは進まない、地域で介護をよくするための活動体がぜひとも必要である。

 そして、昨年1月「北九州市社保協・よりよい介護をめざす連絡会」の発足。  

 それから1年、毎月1回の例会で支援困難事例を持ち寄り検討、そして、北九州市への要望や話し合いなどを重ねてきたという。
 昨年12月に京都で開かれた「ヘルパー・ケアマネ・市民運動全国交流集会」にもすばらしいレポートをもって参加された。

 今回の学習会は、会場いっぱいの126人が参加。ケアマネジャーやヘルパーなど介護従事者以外にも高齢者は市民の参加も目立った。市議会議員に方も何人か参加されていた。
 前段は「介護講座」として「介護サービスを利用するとき」「施設入所が必要になったとき」のテーマでケアマネジャーと施設長からお話があった。
 後半は、「危ない・介護保険はどう変わるのか」のテーマで講演会。
私からは「2012年 介護保険・サービスはどうなる!」のテーマで介護保険見直しと報酬改定のお話をさせていただいた。
 一般市民から、専門家まで、一同に会して「介護」を考えるとても貴重な会であった。

 終了後の懇親会では、会のメンバーであるMSWの女性から、「滞納保険料を1円も払わずに国保証を発効させる」「生保を断らせず申請する」など 区役所との交渉テクニックなどのお話も伺った。

 とてもたくましい、北九州市の「介護をよくする連絡会」に方たちであった。
 

 
 
Category: 介護保険見直し
2012/01/26 Thu
 
 介護保険料基準月額が、4780円から5990円に。大阪一、そして全国の政令都市でもトップクラスの高額保険料。そして橋下市長は「高齢者にお金を出し過ぎ」「敬老パスは見直す」と言い放つ大阪市。
「維新」や「大阪都」だと浮かれている場合ではない。大阪市の高齢者が怒りだした。

 そこで、今日1月26日は、大阪市役所前で怒りの高齢者行動。

橋下市長への「直訴状」も用意した。

拝啓 大阪市長 橋下徹様
 手紙ビラe784

手紙文e785

大阪市役所の門前で、介護保険料に怒る一揆の会、年金者組合、大生連が共同で配ったチラシである
ビラ786


 この高齢者ばかりの街宣行動に対し、警察が「未届け街宣行動だ」「宣伝カーの道路使用許可を取っていない」などとイチャモンをつけてきた。
 高齢者たちは「ワシはここで何十年も宣伝やってるが、デモはいざ知らず、宣伝許可なんて言われたことないぞ!」と抗議、警官たちと押し問答になる。
 結局、40分ほど街宣を継続し、少し早めに切り上げると警官たちは立ち去った。これまでにない過剰警備の市役所周辺である。

宣伝看板ge783

 この街宣行動に先立ち、一揆の会代表は大阪市長室に橋下市長を訪ねた。

 「橋下市長に直接、要求し、ご回答をいただきたい」

 市長室の職員 「局で対応させていただく」
 一揆の会 「橋下市長の判断を聞きたいと言っている」
 市長室の職員「他のこともあるので・・・・」

 とりあえず、共同要求書を提出し、市長の直接回答を強く求めた



2012年1月26日

大阪市長  橋下 徹 様

全日本年金者組合大阪府本部 
執行委員長 松井幹治
全大阪生活と健康を守る会連合会
 会長  松岡恒雄
介護保険料に怒る一揆の会
代表 宮崎守正

介護保険料引き上げ案撤回及び敬老パス改悪中止などを求める共同要求書 
 大阪市は、昨年末に「第5期介護保険事業計画」の素案を公表したが、第5期の介護保険料基準月額試算値は「5,990円程度」と、現行(月額4,780円)より25%アップの大幅引き上げ案となっている。これは大阪府内でもっとも高額であるだけでなく、全国の政令指定都市の中でも最高水準の金額である。
低所得の高齢者が多い大阪市においてこのような介護保険料は高齢者の負担の限界を大きく超えるものである。
また、橋下市長は、新年早々に、敬老パスについて「制度は維持するが、一部負担や上限設定をやる」「高齢者サイドには配慮するが、現役世代の強化にシフトしていこうと思う」などと述べたと報じられている。
高齢者と現役世代を意図的に分断対立させ、高齢者の福祉施策を一方的に削ろうとすることは許されない。
私たちは、下記の共同要求を取りまとめたので、橋下市長におかれては、自ら回答を行い、解決に向けた話し合いの場を設定されるよう求めます。


                 記

1介護保険料などについて

①第5期の介護保険料引き上げ案を撤回すること。給付見込み額に不足が生じる場合は、一般会計から繰り入れ、高齢者の保険料負担が増えないようにすること。
②低所得者の介護保険料を軽減するために、非課税者・低所得者の保険料を大幅に軽減する多段階化をはかること。とくに国基準より高い保険料率となっている第1・2段階の保険料を大幅に引き下げること。
③大阪府の「介護保険財政安定化基金」の大幅な取り崩しと大阪府拠出分も全額保険料軽減に充てるよう大阪府知事に求めること。国拠出分も同様にするよう政府に強くもとめること。
④特別養護老人ホームの待機者解消など、介護基盤を整備し、役に立つ介護保険にすること。

2 敬老パスについて
 
70歳以上の高齢者に対して、生きがいづくりや社会参加促進のため実施している「敬老パス」について、制限を設けたり、負担を導入するなどの改悪を行なわず、現行制度を維持・改善すること。







Category: 介護保険料
2012/01/26 Thu
 1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載3回目。


 訪問介護


 これまで、「1時間」を基本的な区分とされてきた生活援助を、「45分」の区分とした。報酬審議の中では一切でていなかったが「20分以上45分未満」が基本的な区分とされ、身体介護と組み合わせるときは20分、45分、70分の区分とされた。
 
 
 生活援助
                            20分以上45分未満 190単位/回 
 30分以上60分未満 229単位/回       
 60分以上 291単位/回            ⇒ 45分以上 235単位/回


身体介護に引き続き生活援助を行う場合の時間区分の見直しを行う。
30分以上 83単位/回         ⇒ 20分以上 70単位/回
60分以上 166単位/回         ⇒ 45分以上 140単位/回
90分以上 249単位/回         ⇒ 70分以上 210単位/回


単位数も、それにともない大幅に減少した。

「45分未満」では、現行の60分未満とくらべ39単位も減少、「45分以上」は235単位しかなく、現行の60分以上と比べると56単位も少ない。 せいぜい70分程度のサービス時間分しかない単位数である。
 身体介護に引き続き生活援助を行う場合の時間区分で明らかなように、生活援助はせいぜい「70分程度」が事実上サービス提供の相場となってしまう可能性がある。

 この時間縮小を口実とした単位切り下げにより、事業所は大幅な減収となり、ヘルパーもいっそうの短時間に多数訪問を余儀なくされることになる。

 厚生労働省は、もっともらしく
生活援助の時間区分について、サービスの提供実態を踏まえるとともに、限られた人材の効果的活用を図り、より多くの利用者に対し、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、そのニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から時間区分の見直しを行う。
 などと改定理由をならべているが、まさにとってつけた理屈であり、利用者は必要なサービスは受けられなくなり、ヘルパーも賃金ダウン、多忙化するだけである。

 まさに、生活援助切り捨てのための 改定である

 介護予防訪問介護は、理由なき不当な切り下げである

 介護予防訪問介護については、サービスの提供実態を踏まえるとともに、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、利用者の自立を促すサービスを重点的かつ効果的に提供する観点から見直しを行う。
介護予防訪問介護費(Ⅰ) 1,234単位/月 ⇒ 1,220単位/月
介護予防訪問介護費(Ⅱ) 2,468単位/月 ⇒ 2,440単位/月
介護予防訪問介護費(Ⅲ) 4,010単位/月 ⇒ 3,870単位/月


 そして、今回、親切された 「20分未満」の身体介護は、複雑怪奇である。

 身体介護の時間区分について、1日複数回の短時間訪問により中重度の在宅利用者の生活を総合的に支援する観点から、新たに20分未満の時間区分を創設する。
            (新規) 20分未満 170単位/回
30分未満 254単位/回 ⇒ 20分以上30分未満 254単位/回
60分以上 291単位/回
 


 20分未満の身体介護については、現場は一定のニーズがあったのであながち不当な改定とはいえない。しかし、問題はその算定の要件である。
 
 ①夜間・深夜・早朝(午後6時から午前8時まで)に行われる身体介護であること。

 とされている。午後6時から翌朝の午前8時までは20分未満の短時間ニーズに対応して身体介護を行っても算定可である。

 ところが、日中(午前8時から午後6時まで)は多くの「要件」がつけられた。

 ②日中(午前8時から午後6時まで)に行われる場合は、以下のとおり。
<利用対象者>
・要介護3から要介護5までの者であり、障害高齢者の日常生活自立度ランクBからC
までの者であること。
・当該利用者に係るサービス担当者会議(サービス提供責任者が出席するものに限る。)
が3月に1回以上開催されており、当該会議において、1週間に5日以上の20分
未満の身体介護が必要であると認められた者であること。
<体制要件>
・午後10時から午前6時までを除く時間帯を営業日及び営業時間として定めている
こと。
・常時、利用者等からの連絡に対応できる体制であること。
・次のいずれかに該当すること。
ア 定期巡回・随時対応サービスの指定を併せて受け、一体的に事業を実施している。
イ 定期巡回・随時対応サービスの指定を受けていないが、実施の意思があり、実施
に関する計画を策定している。


 対象者は要介護3の中重度者に限定し、事業所の「体制要件」をつけた。これらは何も日中も短時間身体介護と直接関係のないものばかりである。厚労省の本音は、一番最後の「定期巡回・随時対応サービス」のところにある。もともと、この20分以下の身体介護の新設については、厚労省は「定期巡回・随時対応サービスをりようすればよい」と否定的であったのが、審議過程で委員から求められて新設に至った経過がある。そのため、日中に提供しようとすれば、定期巡回・随時対応サービスの指定を受けるか「指定を受けていないが、実施の意思があり、実施に関する計画を策定している」というヘンテコな体制要件をつけたのである。
 「普通の訪問介護事業所はダメ、定期巡回・随時対応サービスをめざす事業所にだけ認めてあげますよ」ということである。
 定期巡回・随時対応サービスを普及させたいがためのイヤガラセのような要件である。



 現場の必要性よりも政策的意図を優先させた改定である

 「自立支援型のサービスの提供を促進」を名目に「生活機能向上」のためと称してあらたな生活機能向上加算が新設された。訪問リハビリテーション実施時にサービス提供責任者とリハビリテーション専門職が、同時に利用者宅を訪問し、両者の共同による訪問介護計画を作成することが要件であるが、月にたった100単位である

生活機能向上連携加算(新規) ⇒ 100単位/月

 あとは、減算ばかりである。

2級訪問介護員のサービス提供責任者配置減算
 サービス提供責任者配置減算(新規)⇒所定単位数に90/100を乗じた単位数で算定


 平成25年3月31日までは、経過措置があって、平成24年3月31日時点で現にサービス提供責任者として従事している2級訪問介護員が4月1日以降も継続して従事している場合は、当該サービス提供責任者が、平成25年3月31日までに介護福祉士の資格取得するか、実務者研修介護職員基礎研修課程又は訪問介護員1級課程の修了が確実に見込まれるとして都道府県知事に届け出ている場合に、本減算は適用されない とされている。
 
 事業所はいまでも確保が困難なサービス提供責任者の配置に苦労することになる。

 さらに、指定基準の見直しでは、
 サービス提供責任者の配置について、
・常勤の訪問介護員等のうち、利用者(前3月の平均値(新規指定の場合は推定数))が40人又はその端数を増す毎に1人以上の者をサービス提供責任者としなければならないこと(平成25年3月末までは従前の配置で可)。 

 とされており、「利用者40人に一人」とされるので、事業所によっては増員の必要がでてくるところもあろう。


また、「同一建物訪問減算」もりこまれた。

同一建物に対する減算(新規)⇒ 所定単位数に90/100を乗じた単位数で算定
 利用者が居住する住宅と同一の建物に所在する事業所であって、当該住宅に居住する利用者に対して、前年度の月平均で30人以上にサービス提供を行った場合、10%減算となる。しかし(当該住宅に居住する利用者に行ったサービスに対してのみ減算とされており、また、近くでも別建物であれば対象にならない可能性があり、囲い込み防止というよりも、一定の減算と引き換えに「囲い込みサービス合法化」に道を開くことになりかねない。

 (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/01/26 Thu
 1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載2回目。



居宅介護支援

「自立支援型のケアマネジメントの推進」を口実に例を見ない厳罰主義を盛り込んだ。

 (運営基準減算)
所定単位数に70/100を乗じた単位数 ⇒ 所定単位数に50/100を乗じた単位数
【運営基準減算が2ヶ月以上継続している場合】
所定単位数に50/100を乗じた単位数 ⇒ 所定単位数は算定しない


 1回目はいきなり 半額カット、そして2ヶ月目は全額カットである。サービス担当者会議やモニタリングが不適切とされると報酬全額返還となる。
 せいいっぱい利用者の相談にのり、サービス調整をして支援をおこなっても、運営基準違反を指摘されれば、「報酬ゼロ」という仕打ちである。これは「減算」ではなく、全否定である。
 
 ケアマネジャーの労働を全否定し、「不正事業所」並みに厳しい措置である。これが、自治体レベルでは、いっそうきびしい運営基準の適用と指導監査を通じた締め付けにつながる危険性がある。

 一方で特定事業所加算の額はそのままにしておいて、
・地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合においても、居宅介護支援を提供していること。 
を特定事業所加算(Ⅱ)の要件に加え、「支援困難ケース」の対応を義務化する。
 「改善」と言える加算は、入院時情報連携加算、退院・退所加算、緊急時等居宅カンファレンス加算(新規)など医療連携ばかりである。

 なお、指定基準の見直しでは、
○ 介護予防支援の業務の委託について、一の居宅介護支援事業者に委託することができる件数(現行は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員1人あたり8件以内)の制限を廃止すること。
 とされ、いわゆる8件制限は撤廃されたが、地域包括支援センター(介護予防支援事業所)から、わずなか委託料で予防プランを押し付けられる構図はそのまま、委託件数が無制限になっただけである。これも自治体によっては、今後「地域包括ケアの拠点」の役割をはたすことになる地域包括支援センターの本来業務強化のため、予防プランはすべて居宅介護支援事業所へ委託、という風潮になりかねない。

 ケアマネジャーは安い委託料で予防プランばかり押し付けられ、要介護者のプランは厳しいチェックと減算で締め付けられ、特定事業所加算を選択すれば「支援困難ケース」も大量に地域包括支援センターから押し付けれれることになりはしないだろうか。

 前回の報酬改定では、認知症高齢者加算や独居加算といったケアマネジャーの労力を評価する措置があったが、今回はそのような暖かさは微塵も感じられない。


 まさに ケアマネジャーへの厳罰主義と仕事押しつけ である

 (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/01/25 Wed
2012年度報酬改定案の諮問・答申が社保審・介護給付費分科会で行われた。

ひとことでいえば「引き下げ・軽度者切り捨て・短時間化」である。

「看板」の改定率は、昨年末の厚生労働・財務大臣合意どおり、「1.2%」のプラス改定だが、なかみはどこからどう見ても「引き下げ」である。

 一度に全部書けないので、本日から連載する。

処遇改善加算
 現行の介護職員処遇改善交付金(全額国庫負担)を廃止し、介護報酬において「介護職員処遇改善加算」を新設し、1.1%~4.2%の加算を行うとしている。
 しかしこれは、3年限定のものである。
 審議会資料では
 「介護職員処遇改善交付金相当分を介護報酬に円滑に移行するために、例外的かつ経過的な取り扱いとして、平成27年3月31日までの間、介護職員処遇改善加算を創設する。なお、平成27年4月1日以降については、次期介護報酬改定において、各サービスの基本サービス費において適切に評価を行うものとする。」
 と明記されている。

 この処遇改善加算分は、区分支給限度基準額の算定対象からは、除外される。しかし、介護報酬であるため、利用者負担(1割)にはそのまま転嫁される。
 
 3年前に始まった介護職員処遇改善施策の事実上の放棄である。

 しかも、介護職員処遇改善交付金と同じ水準が、この「処遇改善加算」で確保されてとしても、在宅サービス、施設サービスで数多く行われた「引き下げ」を差し引くとマイナスになる場合が多々ある。
 
 たとえば、 
 通所介護
 処遇改善加算は、1.9%とされているが、基本報酬は小規模型の「所要時間5時間以上7時間未満」とされると現行(所要時間6時間以上8時間未満)とくらべて、要介護1で11%減、要介護5でも9%減である。
 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
 処遇改善加算は、2.5%とされているが、基本報酬は、多床室では、要介護1で3.2%減、要介護5でも2.7%減である。
 
 このように、処遇改善交付金を処遇改善交付金に置き換えても基本報酬部分のマイナスで事業所としては減収になるのである。

 もともと、厚労省は、処遇改善交付金を介護報酬化することで、報酬は2%プラスになると説明してきた。1.2%改定ならば、0.8%を他の報酬を切り下げなければならない。しかも、報酬の各項目で見ていくと現場は0.8%減などという生やさしいものではない。

 明らかに「引き下げ」の報酬改定である。 (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/01/22 Sun
 私が地域で参加する 在宅ケアを考える会で企画した公開学習会

 今年のテーマは
どうすれば在宅で尊厳死を迎えられるでしょうか?

「住み慣れた家で安心して暮らしつづけ、人生の最後を迎えたい」-誰もが願うことではないでしょうか。
しかし、現在は約8割の方が病院で亡くなっています。自分らしく最後まで生き、そして最後を尊厳を持って迎えるためには、何が必要なのでしょうか。そして、私たちはどうしたらよいのでしょうか。
シンポジウムでは、自分の最後の医療の希望を医師に伝える「事前指示書」や、自分で書く「老い支度」(エンディングノート)なども紹介し、介護体験も交えてみんなで「尊厳ある最後」について考えます。
 介護関係者以外の方でも、西地域以外の方でも参加できます。

2012(平成24)年2月25日(土)午後2時~4時30分
ウエスティ(堺市西文化会館)7階セミナールーム (参加費無料)
シンポジウム
●エンドステージを在宅で過ごすために~事前指示書 
●「エンディングノート」を書いてみましょう
● 在宅介護体験を語る
● 質疑応答 
Category: 未分類
2012/01/18 Wed
 本日(1月18日)午後は、大阪グリーン会館ホールで、
介護保険料値上げ反対!学習決起集会
 を開催した。

 主催は、全日本年金者組合大阪府本部、全大阪生活と健康を守る会連合会、介護保険料に怒る一揆の会。

 主催者あいさつをする年金者組合松井委員長
松井委員長e781

 私は、一揆の会の立場で、「介護保険見直しをめぐる動きと介護保険料」のテーマで1時間20分ほどお話させていただいた。
 
 集会では 次の行動提起を確認した。

 厚生労働省は、第5期介護保険料は、全国平均「5000円を超える」と見込んでいます。大阪府下の多くの自治体は、年末から1月にかけて介護保険事業計画に対する「意見公募」を実施しています。とりわけ、大阪市が昨年末に公表した額は5990円という現行4780円から25パーセント以上引き上げ、大阪府内40保険者の中で最高額、全国の政令指定都市の中でも一番高い保険料額となっています。増税、生活破壊の「社会保障と税の一体改革」が叫ばれる中、低所得者の多い大阪市の高齢者の負担の限界を超えた保険料で高齢者が安心して暮らしていけるものではありません。
 昨年のダブル選挙で誕生した橋下・大阪市長は、「今は高齢者に直接お金を入れ過ぎ。それは選挙で票になるから。」などとして、大阪市が誇る地下鉄・バスの無料乗車券(敬老パス)も大幅に改悪しようとしています。「改革」ポーズでマスコミにもてはやされる一方で、高齢者には無茶苦茶な負担と犠牲を押し付ける橋下大阪市政に対し、新たなたたかいが広がろうとしています。
 高齢者の要求を取り上げ、閉塞感打開のたたかいと住民運動を大いに強め、世論を結集できれば生活危機を打ち破ることができます。
 2012年度介護保険見直しに向けた各自治体での取り組み強化を訴えます。

1.今後3年間の自治体の介護保険事業と介護保険料を決める計画案に対し、私達の「意見・要望」を寄せ、介護保険料引上げと制度改悪の自治体への持ち込みを許さない立場から積極的にパブリックコメントの「意見応募」にとりくみましょう。

2.各自治体の「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」内容の学習会を開催するなど要求の組織化をはかり、高齢者の生活実態にあった納得のいく介護保険料にさせましょう。介護の実態や家族の声を持ち寄り、施設でも在宅でも安心して生活できる介護保険制度にさせましょう。保険料・利用料の減免を拡大させましょう。

3.2月・3月市議会での条例・予算審議に向けて、議会への請願・陳情等、地域社保協と協力、連携しながら旺盛に取り組みましょう。

4.大阪一、全国の政令市で一番高い大阪市の介護保険料引上げ案の撤回を求め、橋下市長の敬老パス取り上げをはじめとした高齢者切り捨てを許さないたたかいを強めるため、1月26日(12時~13時)の要望書提出大阪市役所前宣伝行動に参加しましょう。

以上、行動提起とし、本集会を出発点に介護保険見直しに対する地域からの取り組みを大きく展開しましょう。

2012年1月18日
1・18介護保険料値上げ反対!学習決起集会


 これから3月にかけて 大阪中で、「介護保険料引き上げ反対」の高齢者の怒りの大運動を広げていこう。
Category: 介護保険料
2012/01/18 Wed
 昨晩の「だまってられへん!!ヘルパー・ケアマネ怒りの集会」は、国が報酬改定でねらう「訪問介護の生活援助の45分への短縮」に対する現場の怒りの総結集の集会だった。

 私からさせていただいた 問題提起「『生活援助45分』短縮の狙いと問題点」

 「45分以内でしてね」と言われていたが5分オーバー。やっぱり45分では無理!

 そして、3人の報告では 利用者の事例が合わせて8人も紹介され、さらに実際の訪問介護の提供現場のビデオ上映では2人の利用者の生の声、そして姿も紹介された。

紹介された事例のほんの一部 
Aさん独居(女性) 88才介護度1
Aさんの支援は
月 生活援助90分 買い物、調理、掃除
火、木、土、生活援助60分 調理、掃除
水 デイ
 買い物は商品の名前がわからず、冷蔵庫の卵の位置を指さし「これ、これ買ってきて」今まで購入していた食品も急にワカメを食べてむせたことが原因で「これはいらんわ」と言うこともあり。週に1回の訪問時の買い物で、購入品を決めるまでにも時間がかかる。その後、購入品を小分けして冷凍したりして、昼と夜の食事を作る。
現状でも、トイレが汚れていたりすることがあるが掃除に時間はない状態。
時間、短縮をすれば、一人暮らしのためどうなるのか!大事な食事のための支援時間もとれないのか!!

Bさん(女性)86歳 要介護2
月、水、金、日は60分調理、洗濯、掃除
火、木、土はデイ 朝はデイの送り出し60分
一昨年の暮れに家族である夫の死亡をヘルパーが発見したケース。その後一人暮らし。認知症のために物忘れがひどく、同じことを繰り返し訪ねる。ヘルパーは少しでもご本人が洗濯や調理を一緒にできるように共に行っているが、洗濯機のふたを閉め忘れたり、調理を共にしながらIHの使い方を尋ねたり、材料を切りながらすぐに忘れて「これ何するんやったかな?」
45分になったら利用者さんと少しでも一緒にできることを大事にするなんて無理!!

サービス提供責任者からは
☆訪問介護計画が立てられない
・短時間の訪問でも、体調確認、その日の業務の確認、終了前の記録の記入の時間は削れない。
・掃除、買物、調理、洗濯、片付け等のうち、1時間では2つ、1.5時間では3つで精一杯である。 
・すでに生活援助はこれまで何度も削られてきて、ほとんどのケースがこれ以上削れないところまで短縮している。
・60分でなく45分のほうが適切というケースは考えにくい。
・カットされた部分は、利用者の生活の不便さに直結することが明らかであり、将来重度化することが明らか。
・どうしても45分未満に削るなら、1日2回または、別の日にもう1回の訪問が必要になってくる
☆利用者に納得が得られない
・重要事項説明書を変更し、利用者への説明に回らなければならない。
・なぜ45分なのか、根拠がなく説明できない。
・今でも時間が足りずに不満を感じている利用者が多いのに、これ以上短縮することに理解は得られない。「いったい誰がこんなこと決めたの!?」
・ヘルパーに話を聞いてもらう時間もない、困った時に相談もできない、自分の希望通りの援助をしてもらえない等々の不満が、ヘルパーにぶつけられ、今まで築いてきた信頼関係が失われる。心を閉ざしてしまう利用者が増える。


・・・などなど数限りなく 45分への短縮の問題点があげられた。

 集会資料に報告者が寄せた一文

 ホームヘルパーの仕事を知らせなあかんなぁ!!
 本日1月17日の集会は急きょ昨年末に決まりました。現場で働くホームヘルパーが平日の仕事を終えて、なんばで開催される集会に足を運ぶことは容易なことではありません。
 現場ではヘルパー不足で日々の仕事が大変な中、今の時期は体調不良のヘルパーさんもいたりしてシフトを回すだけでも大変なのです。発言の原稿を考える時間を作るのも一苦労です。
しかし、この集会で怒りの声を上げなければと発言を引き受けてくれた介護現場で働く仲間がいます。集会に足を運んで団結する仲間がいます。

私たちヘルパーは現場で
一番、高齢者のそばにいます。
一番、ご家族の苦労を知っています。
そんな私たちヘルパーが声を上げなければ・・そんな想いでいっぱいなのです。

私たちホームヘルパーの労働条件はどうなるのでしょう
私たちヘルパーは真夏の暑い中も、
真冬の寒さの厳し中も、
雨の日も、
風の日も、
台風で移動が危ないんじゃないと不安な日も

いつも利用者さんが待っているから、
ヘルパーが訪問して食事を作らなければ、
おむつを交換しなければ、

そんな想いと使命感で訪問しています

しかし、仕事はきついです
繰り返す改悪の中で、
ヘルパーらしい介護の仕事が奪われていく・・
人の「尊厳」を守る仕事なのに・・
時間の制限の中で「これでいいのだろうか」と現場で一生懸命に働いているヘルパーは心を痛めたり、このまま介護の仕事に誇りをもって現場で働き続けていけるのかと不安になっています。

集会にご参加のみなさん、
高齢者の尊厳を守るために
介護の仕事の「やりがい」を奪われないために
声を上げましょう!  共に声を上げましょう!



 
Category: 介護保険見直し
2012/01/15 Sun
 北海道から帰るといきなり 悲しい知らせ。

 実は、この2日間、携帯電話を 持っていくのを忘れていた。


 堺市西地域在宅ケアを考える会の副会長をされていた津田惠璃子さんが 1月14日未明に逝去された。

 87歳。近年は要介護2の認定を受けられ、介護サービスも利用されていたが、在宅ケアを考える会の例会や後悔学習会に出席され、利用者の立場での発言もされていた。

 実に活発な女性であった。

 私が初めてお目にかかったのは、30年前。障害者関係のボランティアのリーダーをされていた。そして自宅で障害者作業所も開設された。当時、市の障害福祉課にいた私とはさまざまなかかわりがあった。

 視覚障害者のための「触る絵本」づくりなんかもされていた。

 ちょっとうるさい ボランティアおばさんだった。

 津田さんは、それより以前から、主婦でありながらボーイスカウトやガールスカウトの指導者も熱心にされていたという。
 私の妻も小学生の時からガールスカウトで世話になった。

 根っからの世話好き、社会的な活動が大好きなかたであった。

 そして2000年からは 在宅ケアを考える会で一緒に活動させていただいた。

 いまはないが、「さかいヘルパー連絡会」の代表もされた時期もある。また、阿波踊りのグル―プをよんで「堺まつりパレード」で要介護者が介護を受けながら、車いすで阿波踊りに参加するユニークな企画の実行委員長もされた。

 要介護認定を受けてからでも、車いすで 参加され、ボランティアグループの代表もつづけられいた。

 亡くなる少し前、がんで 長くないことを自覚されていたのだろう。

 ガールスカウトでかかわった子供たちなど あっておかねばならない人をリストアップし家に招待されたという。

 そして 自身の葬儀で遺族代表が読み上げる あいさつ文まで 書かせていたという。

 亡くなる直前は訪問看護も利用されていた。

 自宅での大往生。

 生涯 福祉活動、ボランティア活動、地域活動にささげた津田さん。最後まで津田さんらしい生き方、そして最後だったと思う。

 ボランティア活動人生。お疲れ様。
Category: 雑感・雑記
2012/01/15 Sun
 1月15日午後からは、午前中からの会場を移動して、同じ札幌市内で 北海道地域自治体研究所主催の「介護保険事業計画案学習会」。
 北海道学習会チラシ12.1.15


 こちらの参加者約50人の大半は北海道内の自治体の議員さんたちである。介護保険第5期事業計画案策定作業が大詰めを迎え、2月~3月の議会では介護保険料改定案の審議もされるとあって、どの議員さんも真剣そのものである。

 私から「介護保険改定と地域での課題~第5期事業計画案への取り組み」とのテーマで50分ほどお話させていただいた。

  北海道社保協は、「改定介護保険」ハンドブックに掲載した大阪社保協の「第5期事業計画策定についての自治体アンケート」を参考に、北海道内の全自治体を対象にアンケート調査を実施されており、初めての集計結果が報告され、とても興味深く聞かせていただいた。
 国が介護保険改定の「目玉」としている「定期巡回サービス」については、「実施予定」の自治体はわずかに5.3%、「実施しない」は63.8%という結果で残り26.6%は「検討中」であった。
 北海道は、広大な面積に34の市と156の町村、広域連合が2 で介護保険を実施している。国のいう「30分以内で介護・医療・生活支援が駆けつける」という「地域包括ケア」構想自体が実情に合っていない。

 北海道庁が策定している「第5期介護保険事業支援計画案」でも、「地域の実情に合った地域包括ケア」という表現を使用しているくらいである。言い換えれば「国の地域包括ケア構想は北海道の地域事情に合っていない」ということになるであろう。

 帰りに飛行機の時間の関係で途中までしか聞けなかったが、帯広市の共産党議員団のように地域の運動と連携して4回にわたって介護保険改善の提言をおこない、全国初の小規模多機能居宅介護利用の生活保護受給者に対する食費・宿泊費の軽減制度を実現した例をはじめ、道内で43の自治体が独自減免を実現させるなど とてもすばらしい実績をあげている。

 また、介護保険特別会計への一般財源からの繰り入れも、前回改定時に中富良野町と標茶町が一般会計からの繰り入れで介護保険料を軽減するということも行っている。

 北海道での学習会ではこちらの方が実にたくさん学ばせていただいた。
 
 

 
Category: 介護保険見直し
2012/01/15 Sun
 1月15日は朝9時半から「利用者・高齢者のための介護をめざす ヘルパー・ケアマネ交流集会
 
 大阪や京都での御取り組みに触発されて、札幌社保協が、企画した集会で、札幌とその近郊から100人以上のヘルパーやケアマネジャーが集まった。
 極寒の北海道で朝早くからよく集まったものだと感心する。中には道東方面から鉄道で数時間もかけて前の日から来られた方もいるという。
 
 私から「改正介護保険法で何が決まり、介護報酬改定はどうなるか」のテーマで1時間ほどお話させていただいた。

 さらに、札幌市の介護保険事業計画推進委員会委員をされている方から、第5期事業計画の審議状況について報告があった。

 札幌市は、「介護予防・日常生活支援総合事業」は「第5期計画では実施しない」と明言している。一方、「定期巡回サービスは」僅かながら、整備目標を上げている。

 集会では、要介護2の夫を介護されている70歳代の女性が
「制度改正のたびに悪くなり使いにくくなる介護保険。しかし、私は『永遠にあきらめない』、介護職員の皆さんも仕事を辞めずに、制度がよくなるよう一緒に頑張ってほしい」と訴えられた。

 北海道では、「介護職員処遇改善交付金の廃止に反対し、継続を求める意見書」の採択運動が介護労働者の手によって取り組まれ、14の自治体議会で採択されている。12月には、札幌市議会でも採択されたとのことである。
 札幌では、今後、ケアマネジャーとヘルパーの自主的な組織づくりも検討していくとのことで心強い限りである。 

 大阪よりはるかに困難な条件の中で頑張る 札幌のヘルパー・ケアマネの皆さんにこちらが元気をいただいた。
Category: 介護保険見直し
2012/01/14 Sat
大阪から空路 1時間45分ほどで千歳空港に到着 9時半過ぎ。

機内アナウンスで

「千歳の気温はマイナス18度です」!

おまけに飛行機は小さく タラップで降りて バスに乗って 空港ビルへ向かうことに。

息は真っ白 耳が痛いほど 

札幌に向かうJRの車窓からの風景は 一面 雪と氷の世界である。

この前 北海道に来たのは7月。今まで何度か来たことがあるが すべて夏か 秋だった。

北海道の人にとっては普通のことだろうが

日ごろ めったに氷点下にならない 大阪でぬくぬくと過ごす者にとっては 厳しい限り

北海道の冬の夜の厳しさを体感させていただいた
Category: 雑感・雑記
2012/01/14 Sat
 1月14日午後 2012年になってはじめての学習会。

 お招きいただいたのは兵庫県尼崎市の社保協である。
 尼崎学習会チラシ

 講師依頼書には、学習会の参加予定人数は『50人』とあった。
 ところがはじまる前にすでに用意した席と資料が足りなくなった。急きょ席をつくり、資料のコピーに走る。
 100人を超える参加者で超満員になる。
 改定介護保険のブックレットも完売で、介護保険改定への関心の高さを示した。

 尼崎市の介護保険料は、基準月額 4711円 → 5368円へと上がる見込みとのこと。
 
 地元の市会議員さんによると、給付抑制が進む一方で、特養の入所必要性の高い人が500人以上もいるにも関わらず、第5期計画での特養整備目標は200人分だけ。
 一方で、いわゆる「高齢者賃貸住宅」が相次いで開設され、生活保護受給をあてこんで近隣市から低所得の要介護者が流入しているとのこと。

 ここでも介護保険の矛盾は激しい。

 尼崎市の第5期計画に対するパブリックコメントは1月16日まで。学習会では意見応募用紙も配られ、積極的な提出が呼び掛けられた。

 尼崎社保協は12月議会にも介護保険改善を求めて署名運動を展開した。提出した請願は不当にも否決されたが社保協のみなさんは元気いっぱいである。
 
 あすは、朝から札幌で ヘルパー・ケアマネ集会、午後からは北海道地域自治体問題研究所主催の第5期事業計画学習会である。
 今から 伊丹空港から札幌にむかう。
 
 今年も介護保険学習会行脚になりそうである。
 
 
Category: 介護保険見直し
2012/01/13 Fri
1月25日に「社会保障審議会介護給付費分科会」開催されることが通知された。
 厚労省プレス発表
 議題には 「平成24年度介護報酬改定に係る諮問について」とあり、介護報酬改定案(算定基準等)が諮問され、即日答申されることも考えられる。

 介護職員処遇改善交付金を廃止と介護報酬への組み入れで2%程度の引き上げが必要であるにも関わらず、年末の厚生労働大臣と財務大臣の合意では「1.2%」(在宅1.0%、施設0.2%)の改定となっている。

 ということは実質的に介護報酬はマイナスにするか、「処遇改善分」を圧縮しない限り、1.2%では済まない。
 とくに「処遇改善分」含めてもわずか0.2%しか上がらない施設は「内部留保批判」が意図的に行われている特養を中心に大幅な報酬ダウンの可能性がある。

 在宅で、絶対許せないのは、「訪問介護の生活援助45分」への短縮である。そして、ケアマネジャーへの運営基準減算の強化、さらに介護予防サービスの見直しなどである。

 介護報酬の答申まで、あと10日あまり。詳細はいまだに明らかにならず、すべては厚生労働省官僚の密室の中にある。

 声をあげる最後のチャンスである。

 大阪社保協と「よりよい介護をめざすケアマネ・ヘルパーの会」は、来週1月17日に「だまってられへん!ヘルパー・ケアマネ怒りの集会」を緊急開催する。

 生活援助45分への短縮問題、ケアマネジャーの減算強化問題を中心に現時点で何が決まろうとしているか整理しながら、ヘルパー・ケアマネからの現場の実態報告をし、抗議の声をあげる。
 厚生労働省に「生活援助45分への短縮やめろ!」「ケアマネへの減算強化するな!」「利用者とヘルパーの声を聞かずに介護報酬を決めるな!」の怒りの声を厚生労働省に突き付ける集会である。
 もちろんヘルパー、ケアマネ以外のみなさんもご参加できる。ぜひ多くの参加を!
だまってられへん! ヘルパー・ケアマネ怒りの集会
日時 2012年1月17日(火)午後6時半~
会場 大阪府保険医協会MDホール(ちらし地図参照のこと)
企画 報告 日下部雅喜・大阪社保協介護保険対策委員
   ヘルパー・ケアマネから現場の実態報告


 集会案内チラシ
Category: 介護保険見直し
2012/01/13 Fri
 全国一高い介護保険料を押し付ける大阪市はじめ、軒並み5000円を大きく超える高額介護保険料に対するたたかいの意思統一と決起の場です。
 どなたでも参加できます。


 大阪の高齢者の怒り結集を
介護保険料値上げ反対!1・18学習決起集会

日時  2012年1月18日(水)午後2時~4時
場所  大阪グリーン会館2階ホール
共催(全日本年金者組合大阪府本部、全大阪生活と健康を守る会連合会、
介護保険料に怒る一揆の会)
資料代  500円
 講演 介護保険見直しをめぐる動きと介護保険料
      介護保険料に怒る一揆の会 日下部   
 取り組み報告 維新の会の市長 の福祉切り捨て政策と闘う吹田市から
 行動提起 (
 パブリックコメント書き込み   



 怒りの大阪市役所前行動もやります!こちらも参加を
 橋下市長への「直訴」もやります!

 橋下市長は、介護保険料引き上げ案を撤回し、低所得者の保険料を引き下げよ! の敬老パス改悪やめよ!高齢者イジメやめろ!
 大阪市役所前大宣伝行動 
 1月26日 正午 大阪市役所前 
Category: 介護保険料
2012/01/12 Thu
大阪府内 そして 全国のみなさんへ 訴えます
大阪市の介護保険料引上げ案 基準月額 5990円
大阪一、そして 全国の政令市で一番高い 
パブリックコメントで ノー! の声を

 2012年度から3年間の介護保険料。厚生労働省は、全国平均「5000円を超える」と見込んでいます。大阪市が昨年末に公表した額は5990円という途方もない額で、現行4780円から25パーセント以上引き上げるものです。
 大阪府内40保険者の中で最高額、全国の政令指定都市の中でも一番高い保険料額です。低所得者の多い大阪市の高齢者の負担の限界を超えた保険料です。

 昨年のダブル選挙で誕生した橋下・大阪市長は、「今は高齢者に直接お金を入れ過ぎ。それは選挙で票になるから。」などとして、大阪市が誇る地下鉄・バスの無料乗車券(敬老パス)も大幅に改悪しようとしています。
 「改革」ポーズでマスコミにもてはやされる一方で、高齢者には無茶苦茶な負担と犠牲を押し付ける橋下大阪市政に対し、新たなたたかいが広がろうとしています。

 大阪市は、1月26日まで第5期介護保険事業計画素案に対するパブリックコメントを実施しています。このパブリックコメントは、大阪市民はもちろん、大阪市外に住んでいる人でも意見応募ができます。

 大阪一、全国の政令市で一番高い保険料引上げ案の撤回を求め、橋下市長の敬老パス取り上げをはじめとした高齢者切り捨てを許さないために、大阪府内、そして全国からこのパブリックコメントに意見をお寄せいただくよう呼びかけます。

次期「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)」についてご意見を募集します

ご意見応募用紙

介護保険料:大阪市、5990円 65歳以上、政令市最高額に--来年度
Category: 介護保険料
2012/01/09 Mon
 1月6日に閣議報告された「社会保障・税一体改革素案」。

 消費税引き上げとともに社会保障を大改悪する内容だが、その根本的な考え方がまちがっている。

 「年金、医療、介護などの社会保障を持続可能なものとするためには、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という現在の社会保障制度を見直し、給付・負担両面で、人口構成の変化に対応した世代間・世代内の公平が確保された制度へと改革していくことが必要である。
 今後は、給付面で、子ども・子育て支援などを中心に未来への投資という性格を強め、全世代対応型の制度としていくとともに、負担面で、年齢を問わず負担能力に応じた負担を求めていくなど制度を支える基盤を強化していくことが必要である。」(社会保障・税一体改革素案)


 高齢者に給付しすぎるているから これを削減する さらに 負担は 高齢者にも 求めていく。

 ひとことでいえば こういう考え方であろう。

 国民を貧富の差でなく「世代」で分断し、「現役」対「高齢者」と描き出し、「配分」を問題にするという構図である。

 ひどい主張になると「貧しい現役世代が 豊かな老人を支える社会」なんていう評論家もいる。

 大阪のファシスト 橋下などは、

 「もう社会保障制度もむちゃくちゃ。現役世代が国を支えることに間違いない。高齢者を支えるのも現役世代になる。そうであれば現役世代、そして将来現役世代になる子供に投資するしかない。今は高齢者に直接お金を入れ過ぎ。それは選挙で票になるから。」(橋下徹ツイッター1月3日)

 などと、あからさまな高齢者敵視である。

 最近、人気の「改革派元公務員」の古賀茂明などは、

「『ちょっとかわいそうな人は助けることはできません。できるかぎり、自分の力でがんばってください』日本再生に向けて、まずはこれを原則にしなければならない」
 「『守られすぎの人を守らない』言葉を換えれば『身分制』をなくすということになる。」
 として、
「農家」「医者」「中小企業」「正規雇用者」などは一種の「身分制」にあたり「守られすぎている」というのである。
 そして、
 「高齢者も一種の身分である。高齢者には努力してなるのではなく、自然にだれでもなれるものだからだ。現在の年金の受給開始年齢は・・・私はもっと上げても―思い切って80歳にしてもかまわないと考えている。」「せめて平均年齢くらいまでは、働くなり、不労所得を得る方法を考えるなりして、自分でなんとかしてもらうように方向を転換」(古賀茂明著「官僚の責任」PHP新書)
 
 これは極論であるが、「社会保障・税一体改革」の考え方もこれに通じるものがある。

 「半世紀前には65 歳以上のお年寄り1人をおよそ9人の現役世代で支える「胴上げ」型の社会だった日本は、近年3人で1人の「騎馬戦」型の社会になり、このままでは、2050 年には、国民の4割が高齢者となって、高齢者1人を1.2 人の現役世代が支える「肩車」型の社会が到来することが見込まれている。」(社会保障・税一体改革素案)

 これが、野田政権の消費税増税と社会保障改悪の基本的な認識の出発点である。

 もともと、社会保障とは、資本主義社会においては、「失業者対策」である。

 雇用の場のない労働者、そして疾病、障がい、老齢などで働くことが困難な人々の生活を保障するのが社会保障の出発点であり、その費用は大資本家と政府の負担であり、その財源は、資本主義の搾取によってため込まれた富から。
 富者から貧者への富の再分配による資本主義の矛盾の緩和である。

 労働能力を失った高齢者問題は、失業者問題でもある。

 これを 「現役と高齢者」 と描き出し、長期不況と非正規雇用化で生活が悪化している現役労働者世代と高齢者を分断し、高齢者を「守られすぎている」と描き出す手法は、十分に注意が必要である。
Category: 社会保障問題
2012/01/07 Sat
 「橋下さん96億円返して」「2重行政解消を言う人が2重庁舎に」「WTCビルは地震で壊れる。欠陥ビルに府民の税金は許せない」

 橋下前府知事のワールドトレードセンタービル(WTCビル)購入と府庁舎移転に関わる公金支出の強行は違法、不当であるとし、違法・不当支出相当額を橋下前大阪府知事に返還させる住民訴訟の準備が進められている。


 ダブル選挙前の10月19日に住民監査請求が行われ、私も請求人に名を連ねさせていただいたが、12月15日に大阪府監査委員から棄却された。

 いよいよ裁判所に舞台を移しての住民訴訟である。

 事態の概要は、

 大阪府は、2010年6月1日にWTCビルを購入し、代金計約85億円を大阪市とWTC会社に支払い、2010年11月以降、約5000人の府職員のうち2000人が所属する部署がWTCに移転し、ビルの名称も大阪府咲洲庁舎と改められた。
 ところが、2011年3月11日の東日本大震災の際、最大震度3の揺れで、46階建高さ256メートルのWTCビルは、約15分間、最上層階で最大片側に137センチ(往復274センチ)も揺れ、エレベーター全26基が緊急停止して5人が約5時間にわたって閉じ込められ、床・天井・壁など補修を必要とする部分は350か所にも及ぶという異常事態が発生。
 
 このため、防災・安全上の欠陥ビルであることが明らかになり、府庁の全面移転を当時の橋下知事が断念せざるを得なくなった。耐震化にさらに130億円も必要になっただけでなく、二重庁舎が継続すると、30年間で1200億円も余計な支出をしなければならない。

 さらに、引越し費用11億3000万円を見ると 消耗品類は1億8000万円分。すべてが新品。

「高級なマホガニーの応接セット。28万円の椅子12台336万円、別注のテーブル2台49万円、サイドテーブル6台75万円。電気ポットは一つ2万1000円もする」 藤永のぶよさんの指摘である。


 まさに、橋下の招いた大損失であり、返してもらうのはあたり前である。
 
Category: 時局争論
2012/01/03 Tue
大阪に帰り のんびりした正月気分を清算。

あまり普段は更新しない 「福祉・介護オンブズマン」のサイトを少し更新する。

日下部雅喜の講演・報告記録

 昨年1年間は、58回の講演、報告、講師活動であった。例年より少し多い。

 ただ、大部分が「介護保険見直し」の関連である、

 地域的には近畿がほとんどだが 北は北海道から 南は九州まで。記録してみて何と多忙な一年であったか。

 3日連続学習会なんていうのもこの秋2回ほどあった。

 とくに京都へは毎週のように 行かせていただいた。

 ただ、内容については、反省しきりである。

 同じテーマだと どうしても 焼き直しを繰り返すことになる。

 聴いていただく人からも「分からない」という 声もチラホラ。

 今年は この点 おおいに 反省し


 毎回 真剣勝負 分かりやすく そして 心に訴える 論旨明快な 学習会をまざすこと これが 今年の目標である。

 あとHPで更新したのは

 日下部雅喜の主な著作

 私の苦手な執筆活動だが、ぼちぼちと書かせていただき、いちおう単著も出していただいた。
 
 これも、やっつけ仕事が多く、ましてや 研究者や学者でない 素人著作である。

 今年の目標 少しでも わかりやすく そして 説得力のある 著述を心がけたい。

 慢心を戒め 謙虚に を今年のモットーにしよう。

 年頭のわが初心 である。
 
Category: 雑感・雑記
2012/01/02 Mon
帰省先の実家で、何気なく見た下呂市老人クラブ連合会の文集。

思い出や短歌、俳句などに交じって、震災問題や情勢を論じた記事もいくつかある。

その中に同じ集落の「T.N老」という署名の90歳の方の「脱原発」を論じた一文が目にとまった。原発をとめて、浪費と贅沢、安逸をやめて、昭和30年代の生活に戻ることを覚悟せよ という趣旨と読みとった。

 この人は中島正さんといって、著明な養鶏家である。わが実家から2軒隣に住まわれていて、我が家もかつてその養鶏組合の一員であった。

「自然卵養鶏法」とよばれる循環農業の一環としての自然養鶏を呼びかけてこられ、全国に多くの賛同者がいる。
全国自然卵養会


中島正『増補版 自然卵養鶏法』(農文協)増補版2003年

一方、このようなラジカルな書も出されている。
『みの虫革命―独立農民の書』(十月社出版)1886年

『都市を滅ぼせ―人類を救う最後の選択』(舞字社)1994年

とくに、「都市を滅ぼせ」では、中島正さんは、

都市がもたらす自然環境の危機について、
森林を破壊する
農地を収奪する
大地や海岸をコンクリートでおおい、保水、汚物浄化などの機能をうばう
エネルギーや金属資源を浪費する
水を過大に消費する
大気を汚染する
オゾン層を破壊する
ごみ・汚泥・汚排水を垂れ流す
商品・サービスを氾濫させる
戦争をしかける

などの害悪をあげている。

要するに都市とは、自ら農耕せず、食料を生産しない人々が自然を破壊しながら生活する場というのがその主張である。

思想的なバックボーンは江戸期・元禄の革命家 安藤昌益である。

安藤昌益は、自ら耕作も生産もせず、食らい、浪費するだけの「不耕貪食」の支配者をこのようにやり玉にあげる。

耕サズシテ貪リ食フハ、天地ノ真道ヲ盗ム大罪人ナリ。

聖釈、学者、大賢トイヘドモ、盗人ハ乃チ賊人ナリ。

聖人トハ罪人ノ異名ナリ。

君子ト云フハ道盗ノ大将ナリ。

帝聖ト云フハ強盗ノ異名ナリ。

思ヒ知レ、後世ノ人、馬糞ト謂(イ)ハルトイヘドモ聖釈トハ謂ハルベカラズ。馬糞ハ益アリ。


まさに、馬糞以下の存在だと 痛烈に批判する。

そして、このような支配者(不耕貪食の一味)には、話し合いや説得や教育で改めさせることはできないとして

即チ、コレヲ刑シテ、教フルニ足ラズ。タダ刑スベキモノハ聖人ノ失(アヤマ)リナリ。

タダ刑スベシ=「打倒あるのみ まさに葬列無比なる革命への旗上げ」と 中島正さんは評している。

 そして、万人直耕(民族階農の社会)を実現することをめざせ、と呼びかける。

 しかし、中島正さんは、政治主義でも武力革命でもなく、「みの虫革命」を呼びかける。

 ひとことで言うと、みの虫がみのをつくって周囲から独立するように、農民も、消費社会との関係を断ち切って、独立しなさい、という考え方で、独立農民=みの虫革命というようなものである。

 すなわち、農業の自立と個の独立を果たすことによって、不耕起集団との絶縁(大量供給の拒否)を図るのである。これは百年の河清をまつ必要はなく、今すぐだれでも容易に、その気になったとき即日実践が可能であるのだ(もちろん耐乏は覚悟の上、耐乏がなければ浪費破壊汚染の防止は不可能と知るべし)。
 かくのごとくにしてここに独立農民が一人誕生すれば、その分確実に不耕(汚染破壊)人口を駆逐することができるのである(当然その分汚染源を減少させることが可能)。
 そしてそういう独立農業の「集積」が、やがて社会変革をもたらすに至る――これを「みの虫革命」というのである。
(『みの虫革命―独立農民の書』)



 独立農業とは貨幣からの独立であることを意味し、貨幣からの独立とはそのまま都市からの独立であることを意味する。そして都市からの独立とは、行政からの独立や農協からの独立、メーカーやサービス業からの独立、さらには極言すれば消費者からの独立をも意味するのである。買っていただいているのではなく、食べた(自給した)残りを恵んでやっているのであるから、それを停止することが即ち消費者からの独立を意味するのである。
(『都市を滅ぼせ―人類を救う最後の選択』)


 
 民族みんなが農業に帰り、自らの食べ物は自ら生産し自給自足する。不耕貪食の「支配者」がいない、ユートピアのような原始共産制のような社会をめざして、みんな農民になりなさい、というほのぼのとした主張である。

 ラジカルさとほのぼのさの入り混じったいかにも農民らしい主張である。

しかし、「脱原発」、「TPP参加阻止」など 現在の日本の課題に照らすと、なんともこの主張はなんとも魅力的ではないか。

  


Category: 雑感・雑記
2012/01/01 Sun
 元旦は、昼前から両親とともに初詣。

 わがふるさとの神社

 下呂市のお美津稲荷
 お美津稲荷

 下呂市観光のHPには
商売繁盛の神様!美人きつねの伝説はおもしろい!
お美津稲荷には、益田街道きっての親分で、美人に化けるのが得意だったといわれる「お美津ギツネ」の伝説が伝えられ、商売繁盛の神様として人々から信仰を集めています。また、毎年2月2~3日には節分祭が開催され多くの方々でにぎわいます。


 続いて
 下呂市の久津八幡宮
 これも観光HPには
久津八幡宮 
創建は約1600年前と伝えられており、飛騨の二の宮として広く信仰を集めている。
応永19年(1412年)再建の本殿と天正9年(1581年)再建の拝殿は、ともに国の重要文化財に指定され、中世の代表的な建築様式を今に伝えている。本殿南側の妻[つま]に施された「鳴いたウグイス」や拝殿軒の「水を呼ぶ鯉」は、飛騨の匠の手により作られたもので伝説のある彫刻。また、境内の樹齢1200年以上の夫婦杉は国の天然記念物に指定されている。


樹齢1200年以上の杉
杉2

鳴き鶯の解説版
鶯


下呂市金山町の「岩屋ダム

岩屋ダムは、飛騨川の上流馬瀬川にあり、洪水調節・新規利水・発電の役割を持った多目的ダム。
ダム2
 岩でできたロックフィルダム。水底には300戸の集落が沈んでいる。

別名 東仙峡金山湖 という ちょっとた名所である
ダム看板

さらに国道41号を南下して加茂郡白川町へ入る。

81歳のわが父親が運転する車でうねうねとした山道を登ること20分。「金弊社 大山白山神社」にたどり着く。
白山
白川町観光案内HPより
白川町の中心から車で約20分で境内の広い駐車場に着き、参道に建てられた二つの鳥居をくぐって拝殿の前に着きます。本殿は更に石段を登って海抜862mの白山山頂に祀られ、白山比大神を主神として、養老二年(1260余念前)に越前の泰澄大師によって勧請されたと伝えられ、現在の本殿は、木造神明造りで建坪3.5坪あり、左右に脇殿が並び境内には「養老水」と「寛政水」の霊泉が湧き出ています。この霊水は年中絶えることがなく、長患いに良く効くので、遠隔地より汲みに来る人があります。


ここにも天然記念物の樹齢1200年以上の大杉がある
白山大~1


わがふるさとのひなびた神社や名所だが、全国どこの名所よりも 私には感動である。

Category: 雑感・雑記

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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