2012/09/30 Sun
さいたま市で開かれた第11回地方自治研究全国集会 第12分科会。テーマは「高齢者が安心を託せる介護保障を」。
 Image961分科会1
 あえて「介護保険」とせず、「介護保障」としたのは、介護サービスを充実しようとすれば介護保険料が上がり市町村レベルで「保険料かサービス充実か」の二者択一を迫られるという構造的問題や要介護度ごとの区分支給限度額のため重度者の在宅介護が賄えないなど、介護保険の「制度的限界」が明らかな中での運動課題を探ろうとの思いからであった

    
レポートは、ふじみ野市における介護保険料不服審査請求運動(全日本金者組合ふじみ野支部)、「『地域包括ケアシステム』がめざす姿と現実とのギャップ~現場のケアマネジャーの視点から~」(医療生協さいたま ケアステーションかしの木)、「地域社保協の介護改善の運動」(川口社保協)の3本。
Image959全国自治研究分科会

 さらに持ち込みレポートとして、「みえ労連アンケートから市町の介護を考える」(三重・中賀自治体一般)、団地の高齢者調査(東京・江東区職労)など、多彩。
 助言者は、日本福祉大学の石川満先生。

 議論の中で一番印象に残ったのは、「自治体職員は制度は知っていても介護のことは何も知らない」という指摘。

 措置制度がなくなって12年もたつと、特養ヘルパーのことなど全く知らない職員ばかりになっていること
 サービス付高齢者向け住宅を勧めるが、諸費用合わせて月二十万円も負担できる高齢者は少ないこと
 
 定期巡回サービス普及を第5期事業計画に書き込んでも実際、手を挙げる事業者がいない

現場を知らない、理解しようともしない、こんな行政が「地域包括ケア」を描いても文字通り「絵に描いた餅」にすぎない。

 介護保障めざす地域の運動は、まず行政に実態を分からせることから、そして自治体労働者は自分の耳と目で実態をつかんで自分のアタマで考えることが課題であろう。
スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
2012/09/25 Tue
 最近、耳を疑うような相談を受けることがある。

 あるケアマネジャーからの相談

 「訪問介護事業者が、『生活援助2は30分しかできない』と言っているのですが…。生活2は『20分以上45分未満』なので、わが社は30分と決めている。法令の範囲内なので問題ない、という主張です。」


 ちなみに この事業者は 生活3 は 45分だという。「45分以上」なので、45分で算定できるはずだという。
 利用者には 生活2の場合は 30分以内でできる調理しかしない。生活3の場合は 45分でできる家事しかしない、というのである。

 報酬改定での訪問介護の生活援助時間区分の 60分→45分への短縮は、業界の一部でとんでもない現象を生んでいる。

例えば
 生活2 20分以上45分未満  → その範囲ならOK 会社で 20分のサービスしかしないと決める
 生活3 45分以上       → 45分やればOK 会社で 45分のサービスしかしないと決める

 この事業者では、生活2は 20分  生活3は45分 これが 介護保険のサービスで これ以上は全部自費扱い というのである。

 問題は、こうした 制度の趣旨を無視した悪乗り時間短縮を 行政が放置していることである。

 報酬改定による 短時間化への誘導は 訪問介護業界の一部の とんでもない荒廃をもたらしている。
Category: 介護保険見直し
2012/09/23 Sun
 今日は、朝から奈良へ。

 第21回 奈良高齢者の集い&作品展 である。
 会場の奈良市生涯学習センターには大きな看板。 Image942奈良高齢者看板1

高齢者作品展は1階ロビーいっぱいに230点以上の作品が展示されていた。
Image943奈良高齢者作品展

Image948奈良高齢者大会展示色紙

地域の年金者組合の方々の作品だけでなく、特別養護老人ホーム入居者の作品も。
Image944奈良高齢者こがねの里説明



記念講演を仰せつかった。テーマは「国民の老後はどうなる~介護保険改悪、社会保障・税一体改革」である。こうしたテーマは情勢が厳しいうだけに暗ーい話になる。
Image946奈良高齢者看板
 
 年金の連続切り下げは、通常国会では通らなかったものの、社会保障・税一体改革では、年金・医療・介護の第改悪が狙われている。
 Image947奈良高齢者参加者
 
 重苦しい情勢の話ばかりではよくないので、少し話題を変えて、後半では、100歳問題を中心にお話をさせていただいた。
 今年、厚生労働省の資料によれば100歳をむかえる人は全国で25823人。奈良県でも311人が100歳になられる。

 50年前の1963年には、日本全国で100歳以上は153人だったが、1981年に1072人、1998年に10158人、そして2012年には51368人。

 そして、元気な方も。

 奈良県香芝市の畑ヤスエさん(明治45年1月生まれ 100歳)は、毎日近所の公園に行き、健康維持のため、遊具を使い自分なりに行う屈伸運動を日課とされています。また、定期的に、老人会に参加され地域の方とも交流を図られています。
 大阪府富田林市の巽丑松さん(明治45年2月生まれ 100歳)は、一人で自転車に乗ってスーパーまで夕飯の材料を会いにに出かけているほか、老人会の催しに積極的に参加しており、最近は地蔵盆や敬老の日の準備で忙しいそうです。
 (厚生労働省報道提供資料より

 問題は、この「長寿」が幸福になれる社会かどうか、である。

 社会保障・税一体改革でも介護保険見直しでも明るい材料は見えてこない。

 長寿にふさわしい、老後の安心を実現するために 豊かに したたかに たたかい 続けよう。

 奈良県でも 介護保険料不服審査請求は 今年50人以上とのことである。県の審査会に「全員口頭意見陳述させろ」「意見陳述には審査会委員全員出席しろ」と求めているとのことである。
 大阪よりも数は少ないが、不服審査請求の「質」では上である。何せ、大阪では、審査請求の7割以上は「却下」で内容審理に入らず、そして口頭意見陳述にはここ7年ほどは、審査会委員は一人も出てこず、事務局職員聴取である。
 
 京都、兵庫とともに奈良でも したたかにたたかい続けている 高齢者に拍手である。
 
Category: 介護保険料
2012/09/22 Sat
 神戸で開かれた第40回中央社保学校 2日目の実践講座「介護保険分散会」。

 私は介護保険料に絞ってお話させていただいたが、講義後の「運動交流」の各地からの発言・報告がすばらしかった。

 とくに 感動したのが、兵庫県と京都府での介護保険料不服審査請求の報告。

 京都の介護保険料不服審査請求が何と1154件に上ったという。

 そして、兵庫では、年金者組合兵庫県本部は、今年567件で過去最高の審査請求件数をやりきった。

 心から拍手である。

 思えば、2000年11月、大阪で今は亡き福井宥さんが、たった一人ではじめた「介護保険料に異議あり!」の不服審査請求運動は「介護保険料に怒る一揆の会」結成へと発展し、その翌年には大阪全体で1256件の不服審査請求へと発展し、「介護保険料は憲法違反」との違憲訴訟も提起した。

 当時私たちはこうよびかけた。
 「一揆の会」運動は、高齢者一人ひとりの自発的な結集を基礎に主権者としてあらゆる争訴権を集団的に行使して行政に果敢に抵抗する新しい型の社会保障闘争。
 「一揆」は暴動でも反乱でもありません。それは「心を一つに合わせ団結する」という意味で、その手段は時の権力者に対する直接の訴え=「直訴」です。問答無用の年金からの介護保険料天引きに怒った高齢者たちが、「不服申立」を集団で行う-この行動はまさに現代の一揆ではないでしょうか。
 
  
 一揆の会よびかけ
 「介護保卦険料に怒る高齢者一揆」
「一揆」とは“こころをひとつにし、力をあわせること”

 非道な介護保険料について怒れる高齢者は圧倒的多数ですが、現役を引退した方が大半で、地域でひっそりと生活されている高齢者が多い中では、組織的な運動には発展していません。
 私たちは、介護保険料に怒りや疑問を持つ多くの高齢者の声を集め、介護保険の抜本的見直しをさせるために、合法的な「直訴」である介護保険料不服審査請求への参加を呼びかけるものです。
 その昔、江戸時代の農民は、幕藩体制の圧政下で、重税に反対し「直訴」するときは死罪覚悟でしたが、21世紀の現代はちがいます。国の主権者は国民であり、そのひとつの権利として行政不服審査制度があり、介護保険法にも不服審査請求が定められています。
 ペン一本で「直訴」ができる時代、一人でも多くのみなさんが、介護保険料を見直すための「高齢者一揆」(集団不服審査請求)に加わっていただきますよう呼びかけるものです。
 
 2001年4月に私たちが作った「介護保険料不服審査請求の手引き」

 
 この審査請求に対し、大阪府介護保険審査会は、審査請求の全件を「保険料決定に違法・不当はない。審査請求は理由がない」と全権を「棄却」としてきた。
 しかし、私たちはその後11年以上にわたって、審査請求を続けてきた。まさに、棄却されても、却下されても、あきらめず出し続けてきた。大阪の高齢者の誇るベき ど根性、「ヒツコサ」である。
 昨年度まで述べ12719件を数える。
年度 件数
2000年 1
2001年 1256
2002年 917
2003年 1010
2004年 870
2005年 916
2006年 2063
2007年 1159
2008年 1642(817)
2009年 1133(656)
2010年 838(460)
2011年 914(562)  
      ※2008年からは後期高齢者医療保険料等に対する不服請求件数を含む()内は介護保険料の件数

 この運動は、なかなか全国に広がらなかった。社会保障運動の中にも「不服審査請求なんてやってもムダ」「自己満足だ」という人たちもいた。
 「福岡県介護保険料に怒る一揆の会」などの動きはあったが、全国化には至らなかった。

 しかし、近畿では他の府県でも「審査請求をやってみよう」という動きが広がった。記録をひも解くと私は、2003年5月に京都の不服審査請求スタート学習会、同じ月に兵庫の年金者組合県本部不服審査請求学習会に行っている。
 これが、両府県での審査請求運動のスタートである。
 2008年、後期高齢者医療制度廃止運動の中で、「不服審査請求運動」が提起され、これは全国で1万人を超え、高齢者に怒りを大きく結集し、その後の運動に大きく貢献した。


 そして、今年、京都、兵庫とも史上最大に不服審査請求件数を数えるにいたった。とくに京都は、現時点で大阪よりも件数が多い。

 私たちが12年前にめざした、「ペン1本でできる一揆」「介護保険料に納得できないの声を審査請求へ」の呼びかけは、関西全体の運動へと発展してきている。次は全国化、そして、介護保険料の抜本的見直しの実現である。何年かかろうが闘い抜く。
Category: 介護保険料
2012/09/19 Wed
 9月20日~22日、中央社保協主催の「第40回中央社会保障学校」が神戸三宮「神戸市勤労会館」で開催されます。
 
 私は、2日目 21日(金)午後からの②実践コース「社会保障をめぐる現在の情勢を学ぶ」Ⅰ.「介護保険」(介護をめぐる情勢)で、介護保険料と第5期計画に絞ってお話させていただきます。

 介護保険料問題こそ、介護保険制度の本質、その根本的矛盾と克服のために運動方向を解明するカギである。これを分からずして いくら「介護」を語っても、介護保険問題は何も解決しない、といっても過言ではありません。

 中央社保学校では、介護保険料問題について、「介護保険料引き下げのための一般会計繰入を禁じる法令上の規定はないし罰則もない」と9月14日厚生労働省レクでの言明も踏まえて、今後の地域での運動方向をお話しする予定です。
 詳しくは 大阪社保協FAX通信
 また、橋下・維新「大阪都構想」の介護保険版というべき「大阪府介護保険広域化報告書」の超キケンな内容についても照会し、正しい「危機感」と「展望」を持って介護保険を考えられるようになるための 学びを行います。

 今からでも参加可能です。ぜひ 中央社保学校 2日目午後介護保険分散会へご参加を。



Category: 介護保険料
2012/09/17 Mon
 9月17日午後、フォーラム「堺市の未来と大阪都構想」が開かれた。昨年9月に第1回を開催してから4回目だが、会場超満員の384人が詰めかけた。
大阪都フォーラム12.9.17
 主催は、私も事務局を担わせていただいている「大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会」。

 立命館大学の森裕之教授から「大阪都構想と堺市」のテーマで堺市を解体消滅させ、権限も財源も取り上げる大阪都構想の危険な内容について冒頭に講演があった。
 さらに。「地域からのパネルトーク」として2人の連合自治会長と福祉施設の方から発言があった。二人の連合自治会長は、それぞれ「政治的立場は別」「もともと自民党支持」と前置きしながら「堺市を解体してよいなどいう民意はない」「堺市を守るために全力をあげる」と強調された。

 特別報告は、大阪市西成区の野宿者ネットワークの生田武志さん。橋下市長の「市政改革」で潰されようとしている「子どもの家事業」ひついて、リアルな映像を交えて語られた。

 そしてメインは、元内閣府参与・反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さん。

 この7月から、大阪市内に参加型民主主義の実践拠点AIBOを立ち上げ、活動拠点を大阪に移された湯浅さんは、橋下・維新現象に立ち向かう実践への決意を込めながら「グレートリセットと日本社会」と題して講演された。

 湯浅さんいわく、閉塞感に満ち、貧困と格差が広がる社会で。「強いリーダーシップ」待望論が、政治不信とともに広がっている。
 「決めてほしい」「ガラガラポンでやっつけてほしい」など、「ヒーロー」に期待をする機運は、「ゆとり」を失いバラバラになった社会が大きな要因にあること。
 ヒーローを待つことをやめて、一人ひとりが、地域の中で、「時間と手間のかかる」対話と連帯を通じた民主主義を実現することが、維新現象を克服する道。

 明快で 橋下・維新現象の本質と、それを克服する方向を示されたすばらしい講演であった。

 会場で私がてつだわせていただいた書籍コーナーであっとおいう間に完売した湯浅さんの新刊書「ヒーローを待っていても世界は変わらない」。「橋下現象」や「決められない政治」「強いリーダーシップ待望論」について徹底的に考え抜いた民主主義論。議会政治と政党政治をあえて擁護する立場から、「おまかせ民主主義」に警鐘を鳴らし、真の民主主義のあり方を探る本である。ぜひご一読を。
 ヒーローを待っても世界は変わらない

 
Category: 堺市政問題
2012/09/14 Fri
 14日、夕刻から 首相官邸前の「反原発デモ」に参加。

 首都圏反原発連合の呼びかけ
 Image941反原発デモ
 
 原子力規制委員会設置法の例外規定により、国会での議を経ずに非常識な首相権限での規制委人事任命にふみきろうとしている中で、この人事案に強く抗議し撤回を求める行動として取り組まれた。

 反原発原子力規制委
 これまでの原発推進に深くかかわった「原子力ムラ」の中心人物と規制委員会の委員長に据えるなどペテンもいいところである。

 官邸周辺は 怒りと抗議のシュプレヒコールに包まれた。大飯原発再稼働後も、鳴りやむことのない反原発の大衆行動が政府中枢の地を揺さぶり続ける。

 自民総裁選や民主代表選にうつつをぬかす 権力者どもをたたきのめし、原発ゼロを勝ち取るまでたたかいは続く。
Category: 時局争論
2012/09/14 Fri
 今日は、午前中、参議院議員会館で、介護保険料問題の厚生労働省説明。

 一番ハラが立ったのが 介護保険都道府県財政安定化基金の取崩し額の使い道である。

 全国47都道府県で2850億円もため込まれ「埋蔵金」と化していた財政安定化基金を「保険料軽減のため取り崩す」として介護保険法を改正した。

 ところが、ふたを開けてみると、取崩し額の3分の1(市町村拠出分=高齢者の保険料の一部を拠出したもの)しか保険料軽減にまわされず、軽減効果は月52円。

 国や都道府県に取崩しで戻ってくる金は何に使うのか。

 今日の厚労省の説明では、次のとおりであった。

都道府県財政安定化基金の取崩しについて
①財政安定化基金取り崩しにより、国庫納納付される予定額(約545億円)の具体的な使途について明らかにされたい。
 
 回答)法律では、国の分については、介護事業関係に使うよう努力義務があり、国に関しては、財務省の方と調整している。どうなるかは今のところ分からないが、厚生労働省としては法に規定もあるので介護事業に使いたいと考えている。今後の予算要求の中で結論の出る話であり、今のところは結論は出ていない。

さらにやりとりでは

問)基金取崩しは法律では、平成24年度に限るとなっているが、それを使うのも24年度ではないのか。
答)当然、今年度の補正予算だ。法律で介護保険に関する事業に使うよう努力義務があるので、厚労省としてはその立場であたる。ただ、会計上は、雑入であり金に色はついていないので、努力した結果どうなるかは分からない。

 
 法律で決まっていても「努力義務」でどうなるか分からない と無責任極まりない。

さらに都道府県分では


②都道府県の一般会計に返還される額についての使途について明らかにされたい。

 最終的には都道府県が判断いただくことであるが、法律では、都道府県分も介護事業に使うよう努力義務があり、その範囲の中で適切に判断していただけると考えている。


やりとりでは、

問)例えば大阪府では、基金取崩しにより府に入る分はごく一部を地域包括ケア充実の事業に使うが、残りは大阪府の一般会計負担分12.5%(施設17.5%)の財源すると知事は言っている。これで介護保険事業に使ったことになるのか。
答)おっしゃりたいことはよくわかるが、都道府県知事の判断になる。法律では努力義務なので、それぞれの財政事情でどうなるかは分からない。


これでは、基金を取り崩して 保険料軽減どころか、国と都道府県の財政を助けただけである。

まるでペテンではないか。
 
Category: 介護保険料
2012/09/14 Fri
今日は、早朝から新幹線で 東京へ。

介護保険料問題や第5期介護保険事業計画問題で、厚生労働省から説明を受ける。

事前に6項目ほどの質問を文書で出しておいた。

 
質問項目は
1 一般会計繰り入れ問題について
2 保険料単独減免3原則について
3 大阪府福祉部長通知(平成23年12月16日付け高介第2064号)について
4 都道府県財政安定化基金の取崩しについて
5 低所得者の介護保険料軽減について
6 介護保険の広域化について

 今日こそは厚生労働省に ごまかしもすり替えもなしできちんと説明・回答していただくつもりである。
 
Category: 介護保険料
2012/09/12 Wed
 私も事務局の一員として参加してきた「大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会」が9月17日にフォーラムを開催する。ぜひご参加を。

 9月17日「フォーラム堺市と大阪都構想」~分割していいの?わが町堺市~が開かれます。
 
 大阪のもう一つの政令指定都市・堺市。
 大阪府・大阪市が橋下維新の会に飲見込まれ「大阪都」の名のもとに再編への道を突っ走る中で、「大阪都による堺市の解体を許すな」「堺市は一つ」を合言葉に市民運動がすすめられてきました。
 「大阪都」が先の国会で大阪市解体と「特別区設置」を可能とする法律が成立し、橋下・維新の会が、国政進出を宣言する中で、大阪都問題はいよいよ風雲急を告げています。


 「堺市の未来と大阪都構想」をメインテーマとして、私たちは昨年9月からこれまで、3回のフォーラムを開催してきました。
 そして、4回目のとなる今回のフォーラムでは、「閉塞感が深まる中で日本社会において、大阪を取り巻く現状は何を示すのか?」、「国政を巻き込んだ大阪都構想とその中で、堺市が進むべき道とは?」などについて、さらに検証を深めながら、堺市に生きる地域の方々のパネルトークも交えて、「輪」を広げるものです。
 事前の参加申込の必要はありません。皆様のお越しをお待ちしています。

 メイン講師
  森 裕之(立命館大学教授) 大阪都構想と堺市
  湯浅 誠(内閣府元参与;反貧困ネットワーク事務局長)


 主催:大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会

 2012年9月17日(月) 午後1時30分開始
 堺市民会館4階大集会室


 案内チラシ 
Category: 堺市政問題
2012/09/10 Mon
 9月10日午前、ケアマネ公務災害裁判の口頭弁論が大阪地裁であった。

 この裁判は、堺市の介護保険事業者指導室(当時)で、給付費調査員として採用された非常勤ケアマネのKさんが、かつて勤務していた事業所での「不正関与」の濡れ衣を着せられ、仕事取り上げ、解雇(雇い止め)通告などにより不安抑うつ症を発症させられたことを争う裁判である。
 
 詳しい経過は http://ombudsman.blog61.fc2.com/blog-entry-464.html

 原告側は、当時指導監査を担当していた大阪府に対し、裁判所を通じて調査嘱託を行った回答をもとに改めて、原告が不正事件を一切かかわりがないことを明らかにした。

 以下、原告側準備書面抜粋。

1 有限会社はるか介護サービスの不正に原告が関与していないこと
(1)はるかの行っていた不正行為の内容
平成24年8月6日付民事訴訟法第186条に基づく調査嘱託について(回答)(以下,「回答書」という。)の調査事項4によれば,調査の結果明らかとなった有限会社はるか介護サービス(以下,「はるか」という。)の不正行為の内容は,①はるかが運営していた指定訪問介護事業所は,平成17年10月から平成18年1月までの間,利用者1名に係る指定訪問介護について,実際には提供していないサービスを提供したものとして介護給付を不正に請求した,②はるかが同じく運営していた指定居宅介護支援事業所についても,同利用者1名に対し実際には提供していないサービスを提供したものとして介護給付を不正に請求した,というものである。
 すなわち,問題となったはるかの不正行為は,いずれも介護給付を不正に請求したという「不正請求」である。
(2)原告は請求事務に携わっていない
 原告は,平成16年7月から平成17年12月まで,はるかの居宅介護支援事業所において,介護支援専門員として,居宅サービス計画の作成,モニタリング,上記指定訪問介護事業所を含む居宅サービス等の給付管理業務を行っていたが,はるかの指定訪問介護事業所の介護給付費の請求事務には携わっておらず,大阪府による調査でも,原告が請求事務を行っていた事実は確認されていない(回答書・調査事項3)。
 以上のように,原告は,はるかの不正行為の内容となっている「不正請求」の「請求業務」には,そもそも携わっていない。
(3)はるかの管理者が架空請求を行ったことを認めている
 他方で,平成17年10月から平成18年1月までの間,利用者1名に係る指定訪問介護については,元代表取締役で指定訪問介護事業所及び指定居宅介護支援事業所の管理者が架空請求を行ったことについては認めている(回答書・調査事項5)。
(4)小括
 以上のように,本件で問題となったはるかの不正行為は,「不正請求」であり,原告は請求事務に関わっていない一方で,管理者が架空請求を行ったことを認めており,原告がはるかの不正請求に関与していないことは明白である。

2 仮に,大阪府による調査の結果,原告がはるかの不正に関与していなかったことが明確にならなかったとしても,原告が不正に関与したこともまた明確になっていない。にもかかわらず,被告みずから原告に聞き取りをするなどして調査を十分にしないまま,一方的に原告を調査業務から外したものである。

3 プランニングをしていない利用者の分まで給与の対象にするよう指示を受け,その給与を受け取っていたことは,法的にも何ら問題はなく,不正請求とも無関係である
(1)原告は,プランニングをしていない利用者の分まで給与の対象にするよう,はるかの実質的なオーナーであるYから指示を受け,その給与を受け取っていた。
 しかし,以下に述べるとおり,上記事実は法的に何ら問題はなく,不正請求とも無関係な事実である。
(2)はるかのような介護サービスを行う事業者は,訪問介護事業により介護サービスを提供したり,居宅介護支援事業によりケアプランを作成した場合,保険者に対して保険請求を行い,報酬を受領する。かかる報酬と利用者から受領する利用料が事業者の主な収入となる。ここから,事業者は給与を含めた経費を支出することになる。したがって,従業員の給与は,得られた収入から支出をしても事業者に利益が残るように考慮した上で,事業者と従業員の雇用契約により自由に設定されるものであって,給与はかならずしも保険者から得られた報酬と連動しているわけではない。ケアマネージャーの給与についても,ケアプランの作成数に応じた歩合給とするか,固定給とするかは,事業者と従業員の雇用契約により定められる。
 特に,居宅介護支援事業所におけるケアプランの作成は,同一法人の訪問介護事業の利益も上げる結果となることが多く,ケアプラン作成によって保険者から得られる報酬と,法人にもたらされる利益との乖離は顕著である。
(3)原告は,当初はケアプラン作成1件につき6000円の歩合給で就労していたが,はるかの実質的オーナーであったYから,それでは不足だろうから,いくらほしいかと尋ねられた。そこで,原告は,少なくとも月に15万円から20万円はほしいと言ったところ,Yは,その程度の月給になるように,プランニングしていない利用者の分も歩合計算の対象として給与計算の担当者まで報告するよう原告に指示をした。
 このように,原告の給与は,月額20万円弱の固定給に変更となったが,給与計算の便宜上,歩合給の形式を取り続けた。その結果,プランニングしていない利用者の分も歩合計算の対象としていたが,これは前述のように,あくまで事業者内部の給与の支払い形式の問題であって,不正請求とは全く無関係である。
 被告も準備書面で原告がプランニングをしていない利用者の分まで給与の対象にするよう,はるかの実質的なオーナーから指示を受けた事実は指摘しているが,かかる事実とはるかの不正請求との関係については一切主張していない。この点,上記事実がはるかの不正請求に原告が関与したことを疑うにたりる事実であると被告が主張するのであれば,どのような理由から原告の関与を疑うのかについて明確にするよう釈明を強く求める。
 

 堺市に対して「どのような理由で原告の不正関与を疑うのか明確にせよ」という釈明要求に対し、堺市側は次回の弁論で釈明すると答えた。

 裁判はいよいよ山場である。
2012/09/08 Sat
 金沢で3日め。

 今日は セミナー特別講座は お休み して 金沢観光

 金沢といえば 兼六園。

園内にある霞ヶ池
 Image933池

その霞ヶ池を水源とし、池の水面との高低差を利用した自然の水圧で吹き上がる噴水。
日本最古と言われ、藩政末期、金沢城内の二ノ丸に水を引くため試作されたものと伝えられている
Image932噴水


そしておとなりの金沢城公園。

 金沢城は、加賀百万石の前田家の居城。度重なる火災により、石川門と三十間長屋以外の建物は全て消失してしまった。
 明治期から戦前までは陸軍の第9師団、第6旅団などが置かれた。戦後、1995年までは金沢大学のキャンパスとして利用され、金沢大学の移転後、2001年に「金沢城公園」として整備された。金沢のシンボル公園として、本物志向で史実性の高い復元整備を進めている。 復元にあたっては、石川県内の熟練した宮大工たちが日本古来の工法で建設したという。 釘を一切使っていない伝統的な木造軸組工法は一見の価値あり。 職人たちの卓越した技術を垣間見ることができる。
 古絵図や古文書などをもとに菱櫓(ひしやぐら)、五十間長屋(ごじっけんながや)、橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)を出来る限り忠実に復元。 安政の頃の景観を現代に蘇らせている。
Image927菱櫓 

復元工事中の橋爪門。
Image928橋爪門
市民に一口5000円の寄進を募集している。

現存する貴重な石川門(重要文化財)
Image929石川門


 金沢城の後は、県立歴史博物館で、金沢の歴史をみっちりと勉強。
石川県立歴史博物館は、かつて旧陸軍兵器庫、戦後は金沢美術工芸大学に使用されていた赤煉瓦棟である。外観は創建時の姿を忠実に復元し、内部は構造補強を加え、歴史博物館として再利用したという。
Image935石川県立歴史博物館

Category: 雑感・雑記
2012/09/07 Fri
 第45回公的扶助研究全国セミナー2日目は、金沢大学で分科会・講座。

 実は、私はいまだに金沢大学は、金沢城内にあると思っていたが、1995年に郊外に移転していたことを初めて知った。
 
 金沢駅前から満員の臨時バスで立ったまま揺られること40分。山を切り開いてつくったような広大な金沢大学キャンパスである。

 私の担当は、「 政策研究講座2~福祉・介護・医療をめぐる政策動向と高齢者・障害者の暮らし」の第1講。

 この講座は、昨年まで、介護保険分科会、障害者分科会として開かれていたものを「政策研究講座」として一本化したもの。
【第一講】「介護保険をめぐる政策動向と現場従事者の役割・課題」
日下部雅喜(堺市南保健福祉総合センター)
【第二講】「障がい者福祉をめぐる政策動向と今後の展望を考える」
二見清一さん(足立区中部福祉事務所)
【第三講】「社会福祉基礎構造“改革”の軌跡と現局面をどのようにとらえるか」
横山寿一さん(金沢大学)

 という顔ぶれ。

 参加者の大半が生活保護ケースワーカーであったこともあり、三つの講義が終わったのちの討論では、高齢者・障がい者も含めて、生活困難者に対する「相談・援助」について議論が及んだ。
 
 介護保険から始まる社会福祉基礎構造改革は、サービスの市場化営利化による公的セクターの消滅だけでなく、相談援助の公的責任が縮小の一途をたどっている。

 措置権を失った高齢者や障がい者だけでない。措置権を強固に持っている生活保護でも、
「一人120ケースも担当し、人事異動でころころかわる生保ケースワーカーは、高齢者はケアマネにお任せ」とう実態も述べられた。

 確かに、在宅の要介護高齢者の中には、ケアマネジャーが日常生活全般を支えることによって、在宅生活が可能になっている人も多い。単身、老老世帯、認知症の方の中には、「ケアマネジャーがいなかったら地域で暮らせなかっただろう」という人もいる。

 しかし、生保ケースワーカーは公務員で、強固な役所組織の一員で、給与・身分も保障されているのに比べ(一部の非正規ケースワーカーは例外として)、ケアマネジャーは、民間の零細事業所で収支赤字、身分・給与は公務員とは比較にならないほど低く不安定である。
 そんな彼ら彼女らが、身を削って、高齢者の生活全体を支えるために奔走する。そして、支援困難ケースからも逃げられない。

 社会福祉基礎構造改革で、進行した相談援助職の、民営化は、このケアマネジャーの存在に光をあて、公的責任で抜本的に改善することなしにははじまらないのではないか。


 
Category: 社会保障問題
2012/09/06 Thu
金沢市で開かれた第45回公的扶助研究全国セミナー。
 あらためて“生活保護200万人時代の意味を問う”―ひろがる貧困と向き合い、「改革」の方向性と展望を探る―
 をテーマに 全国から福祉事務所ケースワーカーら420人が参加。

 大雨のため 大阪からの特急サンダーバード11号は2時間以上遅れ、全体集会は一部しか参加できなかった。
 Image922公扶研セミナー井上あいさつ
 開会あいさつをする井上実行委員長(金沢大学教授)

 ホテル16階で開かれた 懇親会の会場から見えた日本海に沈む 夕日 の美しいこと。
 Image923金沢夕日
Category: 雑感・雑記
2012/09/05 Wed
 「オール大阪」で国に介護保険「改悪メニュー」の実行迫る 
  利用者負担「3割」案も試算 

 大阪府が府内市町村の介護保険課長とともに4回の研究会を開いてまとめた「介護保険の広域化に関する研究会報告書」では、介護保険の都道府県単位の広域化(都道府県が保険者)となれるよう法改正を国に求めるとともに、介護保険制度自体の大改悪を国に提言する内容となっている。

 平成24年度大阪府介護保険の広域化に関する研究会名簿

 広域化報告書では、
Ⅰ 介護保険制度の現状と課題
今後の制度の持続可能性が大きな課題
として、
*高齢化の進展に伴い保険料や財政負担が増加の一途をたどっており、今後さらに伸びる見込み。
*8割以上の人が介護サービスを利用していない現状で、将来も保険料が上昇し続けると、住民の負担感が大きい。


としながら、将来の給付費・保険料の推計を行い、2024~26年度の第9期には、現在の第5期と比べ給付費が2倍になるとし、
第9期には、介護保険料も現在の約2倍になることが想定される
と危機感をあおっている。

 大阪府がいう「広域化」(介護保険財政及び保険料の統一化」をしても、給付費は減るわけでないので、国にむけて「持続可能な制度」となるよう、提言を行おうとしている。

 広域化報告書では、そのための試算をわざわざ示している。
Ⅱ-1 持続可能な制度とするための対応策(案)
保険料の上昇抑制等に関する対応策
社会保障審議会介護保険部会で、両論併記・引き続き検討とされているもの

①要支援者・軽度の要介護者への給付の見直し →要支援者に対する給付を介護保険制度の対象外とする  第5期保険料への効果(月額試算)△約280円
  府及び市町村負担(第5期中の3年間合計の試算。府市町村それぞれの額)△約135億円
②ケアマネジメントへの利用者負担の導入 →居宅介護支援・介護予防支援に利用者負担(1割)を導入
  第5期保険料への効果(月額試算)△約30円
  府及び市町村負担(第5期中の3年間合計の試算。府市町村それぞれの額)△約14億円
③一定の所得がある者に対する利用者負担割合の引き上げ→住民税課税者(第1号被保険者の約35%)の負担割合を引き上げ
 ●2割負担(ケアマネジメントも負担)
  第5期保険料への効果(月額試算)△約190円
  府及び市町村負担(第5期中の3年間合計の試算。府市町村それぞれの額)△約86億円
 ●3割負担(ケアマネジメントも負担)  第5期保険料への効果(月額試算)△約370円
  府及び市町村負担(第5期中の3年間合計の試算。府市町村それぞれの額)△約168億円
④被保険者の範囲の拡大 → 第2号被保険者を20歳以上とする
  第5期保険料への効果(月額試算)△約1,700円
  公費負担は変動なし


 2010年の社会保障審議会介護保険部会で合意が得られず、ことごとく「両論併記」となり、民主党政権によって改正介護保険法ではすべて見送られたこの大改悪メニューをわざわざ大阪府の介護保険料と財政負担に置き換えて試算しているのである。
 しかも利用者負担(ケアマネジメントも負担)の3割とし、その対象者を住民税課税者すべてに拡大するなど、国のメニューにも明記されていないより重くよい広い負担を描いている。

8月27日の 第4回大阪府介護保険の広域化に関する研究会では、案の段階で

保険料の上昇抑制等について
【国へ検討の継続を要望するもの】
④要支援者・軽度の要介護者への給付の見直し、重度者等への給付の重点化
⑤居宅介護支援サービス等(ケアプラン作成)への利用者負担の導入
⑥一定の所得がある者への利用者負担や利用者負担限度額等の引き上げ
⑦被保険者年齢の引き下げ


と、一連の改悪メニューの全てを迫っている。

議論の結果

低所得者対策に配慮した利用者割合の見直しなど「給付と負担のあり方」及び将来の給付費の急増を見通した「安定した介護保険制度の運営」について検討されたい。

との表現となったが、負担増とサービス切り捨ての改悪メニューの実行を迫る立場に変わりない。

「大阪府・市長会・町村長会 連名の提言」をめざして調整するとしており、「広域化」と「制度改悪」をセットで大阪発で全国発信していこうとするとんでもないたくらみである。

 (つづく)



Category: 介護保険見直し
2012/09/05 Wed
「大阪都」「ワン大阪」にすり寄り、「介護保険広域化」賛同の声相次ぐ

 8月9日に開かれた「知事と市町村長との協議の場」で「介護保険制度の広域化」報告案が示され、

市町村長からは
 (泉大津市長)大阪都構想がんばって進めていただきたい。(中略)それと何でも大阪から発信していくわけですから、介護保険も高齢化社会がますます進んでいく中で、大阪版の介護保険はこうなんだという所も知事の指導の下で一つ形成していただいて、それを地域から大阪全体に広げていく。そうなればいいのかなと思っている。
(八尾市長)本日説明の2つの項目については基本的に前向きにやっていくべき。
(河南町長)国保は基礎自治体が入りすぎて複雑。それに比べて介護保険は格差が生まれつつあり、それが拡大していくという状況がはっきり見える今のタイミングでやる必要。介護保険で統一システムができればそれを国保に活かすことも可能。むしろ大阪でまとまれば、今度は府県間の競争になる。もう少し先かもしれないが、ワン大阪が可能になれば、次は知事にお願いして関西広域連合で統一という話になるかもしれないので、早いうちに、今の動きの中で府にイニシアチブを取っていただき、とりまとめいただきたい。 
(守口市長)くすのき広域連合を立ち上げて12年になるが、本来であれば国にやっていただく制度であるが次善の策として近隣3市が広域連合を組み実施。12年たって色々な課題が出てきており、地域区分の格差の問題、それに伴い事業者の理解得られない。持続可能な方式をめざして制度構築してほしい。(くすのき広域連合の)3市でも問題が多い。住民の理解が得られるよう広域化を進めていただきたい。


 疑問や慎重意見を述べる市町村長もあったが、全体としては、「大阪都」構想や「ワン大阪」に乗りくれるな、とばかり、「広域化推進」的な意見が出されたことが特徴である。

 この会議では、大阪府の福祉部長は
目標だが、現在第5期であるが、第6期に向けて27年度を目標にとするのが妥当と考えている。6期に向けて来年度以降から国が検討を始める前に国に意見を伝えていく必要があるが、秋ごろをめどに市長会町村長会に(研究会の報告書を)お示しし、年度内に提言していきたい。
 と述べた。

 広域化報告書の末尾にも
 大阪府・市長会・町村長会 連名の提言に向けての調整を行う。
 と明記されており、「オール大阪」で国への提言を行うと同時に、「広域化」を先行してすすめる構えを示しており、各自治体の住民も、担当課職員もそっちのけで、知事、市町村長がグルになって「統一保険料」へとつきすすむ危険性がある。

                                      (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/09/05 Wed
 保険料統一化で8割の自治体が引き上げ、 減免制度は「全廃」でリセット 

 大阪府が取りまとめた「介護保険の広域化に関する研究会報告書」は、8月30日の、松井府知事とのうち合わせでは「今後、府議会及び市長会、町村長会に報告し、国への制度提言について検討を進める」との結論になっている。

 この広域化報告書は、ひとことでいえば、「大阪府内一本の介護保険料」を実現するための制度再編案というべきものである。

 広域化の案1「市町村が設立する広域連合が保険者」では、
広域連合が連合議会の 議決により保険料を定める
 とし、
主な効果(メリット)
○現行法の枠内で、保険料を統一できる

 と、「大阪府内一本の保険料」を第一に挙げている。

案2「府が保険者」では、
府が府議会の議決により統一の保険料を定める
 としている。

 現行の「市町村議会」での審議により保険料を決めるという仕組みから、住民の目の届きにくい「大阪府」レベルでの審議・議決にするというのが最大の狙いである。

 現行(第5期)の大阪府おける介護保険料は、基準月額5303円に上る。 そして、格差は最高の大阪市5897円は、最低の豊能町4159円との1738円、1.4倍以上にのぼっている。

 高額保険料の自治体は、大阪市、堺市の両政令指定都市に加え、人口50万人の東大阪市が含まれるため、府内平均の5303円以上の自治体は7(大阪市、岸和田市、能勢町、東大阪市、堺市、泉佐野市、貝塚市)で、それ以下の34市町村は「統一保険料」になればことごとく引き上げとなる。

 一方、大阪府内の34自治体は介護保険料独自減免を制度化させており、制度化率としては83%にのぼり、全国で最も高い。また、利用料減免制度化は7自治体である。

 「広域化」報告書では、
 *広域化を検討するに当たっての主な意見
・法定減免以外不必要
・独自減免を廃止し、低所得者に配慮した保険料体系とする
・府内統一の制度とすべき                  など

 が出されたとして、

 *現在の保険料・利用者負担の独自減免を一旦廃止することを前提として検討を進めることとする。
 と結論づけている。

 まさに、8割以上の自治体は介護保険料引き上げ、減免制度は全廃というのが「広域化」のスタートであり、大阪府における介護保険制度の「グレートリセット」の中身なのである。

   (つづく)
Category: 介護保険見直し
2012/09/02 Sun
 9月2日午後から「第7回ヘルパーのつどいin奈良」に招かれた。
Image919ヘルパーのつどい奈良看板


 「報酬改定、介護保険見直し ~訪問介護は利用者はどうなるのか」のテーマで1時間余りお話をさせていただいた。

 報酬改定後初めてのヘルパー集会だけに、参加のヘルパーさんたちはとても熱心に聞いていただいた。
 Image920ヘルパーのつどい奈良参加者


 圧巻だったのは後半の「現場からの事例報告」
 
 資料集には17もの事例が紹介され、つどいでは、フロア発言もふくめて10人近い発言があった。

 報酬改定によって、訪問介護の現場と利用者が受けている深刻な影響が次々と浮き彫りになった。

●90分の訪問時間が60分になり、買物にヘルパーは行くことができなくなったため、呼吸器疾患をもつ利用者が、途中でいつ倒れてもおかしくない体調であるにも関わらず「死んだ気になって」自分で買物に行かれている ●4月から90分から60分のケアになったため、調理がレンジでの温めとカップめんに変わったため、利用者の体重が6キロも増え、現在も増え続けている。金銭的に余裕がないため配食弁当も頼めない状態。
●忙しいため掃除が行き届かなくなり、換気の悪い室内はドロドロの状態
●時間短縮のため利用者さんと話をする時間がなくなっています。時間短縮、手順ばかりを考えているヘルパーを見て利用者さんは、伝えたいこと、伝えたい気持ちを発信する機会を失ってしまいます

そして、ヘルパー自身のストレス、やり残し感もとても大きく、制限時間と利用者の板挟みになっている。

 資料集を読み、発言を聞いていて、ホントにこの生活援助時間短縮は何とかしないと訪問介護の現場は取り返しのつかないことになると 改めて感じた。
 

 
Category: 介護保険見直し
2012/09/02 Sun
維新・「大阪都」構想の介護保険版 
    「ワン大阪」「グレートリセット」でどうなる 


大阪府が、8月末に「介護保険の広域化に関する研究会報告書」なるものを公表した。もっとも報告書といってもパワーポイントのプレゼン資料17頁だけで、成文化されているわけでない。

 その内容は題名通り、現在「市町村」を保険者として運営されている介護保険制度を、大阪府全体で「一つの保険者」とし、「単一の保険料」で運営しようというものである。案1が「市町村が設立する広域連合が保険者」、案2は「大阪府が保険者」である。広域連合案は現行法で可能だが、府=保険者案は法改正なしにはできない。

 この報告書は、「まとめ」のところで、「国への提言事項案」として、
●市町村との適切な役割分担のもと、「都道府県が保険者となり制度運営を担うことを可能とする案」について検討されたい
 をあげている。

 どうやら、大阪府=保険者が「本命」のようである。

 なぜ今頃「大阪府」なのか。
 これは、橋下・維新の会が強引にすすめ、国政進出で与野党を揺さぶって国会での法改正までこぎつけた「大阪都」構想(法改正では「都」の名称でなく府のままであるが)と密接に関連する。

 報告書では、
府市統合の動き
*大阪府・大阪市にあっては、新たな大都市制度の検討が進められているが、その場合、
 新たに設置される特別区が介護保険の保険者としての役割を担うこととなる。
*超高齢社会を見通し、より強固な財政基盤による運営や高齢者の居住流動に適応できるよう、
 新たな大都市制度における介護保険制度の運営を見直す必要。

 と冒頭で述べている。

 橋下・維新の会のすすめる「大阪都」構想によって、大阪市は解体され、「大阪都」(大阪府)に吸収され、現行大阪市24行政区は8~9の「特別区」に再編されることになっている。この「特別区」は内部団体とはいえ、市町村と同様の基礎自治体の権能を有する。当然、「特別区」は介護保険の保険者となる。

 この「特別区」の権限・財政を渡さず、「大阪都」(大阪府)に一本化するのが、「広域化」である。さらに、保険料上昇にあえぐ大阪府内市町村長も抱き込んで、府内全市町村の保険者機能を「大阪都」(大阪府)に集中させようというのである。
 報告書によれば、「広域化した場合の役割分担案」として
会計等に関わる事務
○特別会計の設置・予算・収入・支出
○費用負担、国・府・市町村負担分の収納
○保険料の収納
○財政安定化基金への貸付申請・借金返済
○統計事務
 
はすべて、大阪府(または広域連合)に一本化され、

 特別区・市町村は
○費用負担
 だけである。

 保険料設定に関する事務
○介護保険事業計画の策定
○保険料の設定、第1号被保険者の保険料率の設定
 
もすべて、大阪府(または広域連合)で決められ、

 特別区・市町村は
*計画策定に協力
(地理的条件、現状の介護サービスの供給体制等を勘案し、
 最適な日常生活圏域設定、今後のサービス量見込について府等に提案。日常生活圏域ニーズ調査の実施等)

 と、完全な下働きである。

 また、市町村・特別区には
○普通徴収(収納事務の私人委託、生保実施機関による直接納付の事務代行)
○特別徴収(対象者の確認・通知等)
○督促・滞納処分

 といった保険料徴収事務はしっかり押し付けられる。

 
 財政・権限を基礎自治体から奪い、「大阪都」(大阪府)に集中させるという、構図であり、地方自治も住民自治もあったものではない。
 まさに、橋下・大阪維新の会の「ワン大阪」「グレートリセット」の介護保険版である。
 
                                     (つづく) 
Category: 介護保険見直し
2012/09/01 Sat
 9月1日は「防災の日」である。

 政府や自治体の防災訓練や広報、特集番組などが並ぶ。昨年の東日本大震災もあって防災の意識は高まっている。
 私も仕事で、市の防災地区班というものを仰せつかっており、8月末に地区班員全員で担当避難所となる学校日現地確認に赴いた。また、管理組合の理事長をしているマンションでは今月消防訓練も実施する。

 災害の記憶を風化させないこと。そして普段から備えることが大切だろう。

 9月1日は、1923(大正12)年に発生し死者・行方不明者は合わせて10万人以上を出した関東大震災にちなんだものである。。「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」日であり、前後1週間は「防災週間である。

 ところで、関東大震災では、日本人として忘れてはならない歴史的事実がある。

 朝鮮人虐殺である。

 1910年(明治43)年、日本による朝鮮併合という朝鮮の植民地化により、朝鮮人に対する苛烈な差別と弾圧により、土地を奪われ働き口をなくした朝鮮人は、生きる道を探して日本へ渡ったが、そこではさらに厳しい差別が待っていた。日本に作られた朝鮮人のコミューンの多くはスラム化し、住民から差別の対象になっていた。
 
 関東大震災の直後、怪しげな噂が東京周辺を駆け巡った。「地震の混乱に乗じて朝鮮人が放火を行っている」「朝鮮人が日本人を襲っている」「井戸に毒を投げ込んだ」などという朝鮮人に対する流言飛語が人々の不安をかきたて、各地で手近で武器になりそうな棒や日本刀で武装した自警団がつくられたという。翌9月2日、「戒厳令」が布かれ、陸海軍が出動して京浜一帯を制圧、その中で、各所で「朝鮮人狩り」が始まり、警察・軍隊によるもののほか、民間の自警団によって多くの朝鮮人が捕らえられ、殺された。
 朝鮮人狩りにあたって朝鮮人を識別するために「十五円五十銭」と発音させたという。朝鮮人には「チュウゴエンコチュッセン」と発音する人が多かったそうである。この他に、「教育勅語を暗誦させる」「歴代天皇の名前を答えさせる」「君が代を歌わせる」などといったものがあったと言われている。
 さらに、その後官憲は、朝鮮人虐殺の責任を隠すために、虐殺された朝鮮人遺体を隠して朝鮮人遺族に引き渡さず、その後も在日朝鮮人によって毎年続けられた虐殺に対する抗議や犠牲者追悼の営みを弾圧し続けた。

 この夏、「竹島だ」「尖閣諸島だ」 と吹き荒れた排外主義的民族主義の主張は、ついに、歴代政府でさえ認めてきた歴史的事実である「朝鮮人慰安婦」問題までも「強制連行の証拠はない」などという厚顔無恥な主張まで浮上している。

 日本人にとっていかに重く痛恨のものであっても、他民族を侵略し、凌辱した歴史から目をそらしてはならない。

 ましてや、こうした歴史的事実を 今頃になって「証拠がない」などと否定し去ろうとする連中は、政治にたずさわる資格はない。

 
Category: 時局争論

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索