2013/12/31 Tue
ふるさとに帰省した。
岐阜県下呂市。私の実家はその南端の山間部にある。

31日未明に到着。
温泉で一年の垢を洗い流す。


露天風呂の下には川が流れ、何とも言えない風情である。


この向かいには、もう一つの温泉施設、「湯ったり館」がある。
病院も隣接し、特養もとなりにある。
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Category: 雑感・雑記
2013/12/31 Tue
今年の大阪を端的に述べた記事。この新聞でも、これだけ書くようになった。
「回顧2013おおさか」 
維新失速 都構想実現へ正念場


 ◇堺市長選敗北、「泉北高速」で府議造反


堺市長選の投開票後、記者会見する大阪維新の会の橋下代表(左)と松井幹事長(9月29日)
 今年9月の堺市長選で、現職の竹山修身市長が、大阪維新の会の新人候補を破り再選を果たした。維新の看板政策である府と大阪、堺両市を統合再編する「大阪都構想」にとって大きな痛手となると同時に、2010年の結党以来、橋下徹代表(大阪市長)を先頭に躍進し続けてきた同党の失速を印象づけた。(池口次郎)

 「変化への危機意識の方が強かった」

 9月29日夜、市長選の敗北を受け、松井幹事長(府知事)と並んで記者会見に臨んだ橋下氏の口調は淡々としていた。

 これまで、有権者の抱く閉塞感や不満をすくい上げ、既存勢力に変革を迫ることで躍進してきた維新。しかし、堺市長選では、「堺はひとつ、堺をなくすな」と、都構想で堺が分割されるとの危機感を訴える竹山氏に対し、「なくなるのは市役所と市議会。市民に不利になることはしない」と反論を続けたが、最後まで防戦一方。5月の橋下氏のいわゆる従軍慰安婦問題についての発言で国民から厳しい批判を受け、7月の参院選で伸び悩んだ維新に、巻き返す力は残っていなかった。

 党本部が支援する候補が首長選で敗れる初めてのケース。選挙に強いという「不敗神話」の崩壊に維新は揺れた。「もう橋下人気には頼れない。党を離れる議員も出てくるだろう」。府議の一人はそう漏らした。

   □    ■   

 その懸念は、現実のものとなった。

 「反対させて下さい。苦渋の決断でここへ来た」。12月16日、泉北高速鉄道などを運営する府の第3セクター「大阪府都市開発」を、米投資ファンドに売却する議案の本会議採決直前、維新府議団の総会で、府議の一人が突然、声を上げた。

 動揺が収まらない中での採決で、結局4人が造反し、議案は否決。維新は4人を除名したが、11年の統一地方選以来維持してきた府議会議席の過半数という最大の武器を失うことになった。

 「次の選挙では、維新で勝てそうにもないという判断が働いたのだろう」。橋下氏は造反者を、そう切り捨てたが、自民党府連幹部は「維新の力が落ちてきた証拠。いよいよ維新離れが始まる」と語る。維新が過半数に満たない大阪市議会でも、橋下氏肝いりの市営地下鉄・バス民営化の関連議案が採決されず、3度目の継続審議になるなど、求心力低下は明らかで、他会派との溝は広がっている。

   ■    □   

 都構想は今後も、府・大阪市の法定協議会で議論が続く。来秋にも予定する住民投票の実施には、区割りなどを定めた協定書を作成し、府・市両議会で過半数の賛成を得る必要があり、他会派の協力は不可欠だ。しかし自民や民主などの反発に加え、公明も慎重姿勢を崩さず、スケジュールは遅れている。

 橋下、松井両氏は「公明と話をしながら政策を進めていけばいい」と連携に期待するが、公明関係者は「府議会の過半数割れで、維新の思惑通りには進まなくなる。これからは本当に是々非々の対応だ」と語り、なお展望は開けていない。

 橋下氏らが目指す都制移行は15年4月。維新は正念場を迎える。

(2013年12月27日 読売新聞)

維新失速
Category: 堺市政問題
2013/12/30 Mon
 今年も「おせち料理」に挑戦した。
 2007年の年末に、「ヘルパーはおせち料理をつくれるか」ではじめた、この年末の恒例行事である。
 07年おせち料理に挑戦
 08年年末の一日
 09年 年末に思う 
 10年 1時間でできるおせち料理
 11年 超かんたん 45分でできるおせち料理 
 12年 おせち料理

 もう7回目。しかし、毎回、過去のこのブログを見ないと買物に行って何をかってよいかわからない。レシピもあやふやである。

買物に1時間、そして 調理に1時間 盛り付けに 30分 やっと完成した 

 わがおせち料理。

 13おせち料理

 一番下 の右から

壱の重
 黒豆 紅白かまぼこ 鯛かまぼこ いくら ぎんなん 数の子 わさび漬けのかまぼこ巻き たたきごぼう

そのとなり(一番下左側)
弐の重
 筑前煮と野菜炊き合わせのミックス 田作り 高野とうふ 
にしんの昆布巻き 錦糸卵焼き 

その上 
参の重
 有頭エビの酒炒り 棒だら きんぴら 赤魚の西京味噌焼き 鮭の甘塩焼き 小鯛の酢漬け 栗の甘露煮 

 一番上の二つの小さい重箱は、我が家用のもの 写っていないがさらにあと二つある。

 赤字 が私が調理したもの。できあいのものが大部分なので、食材費だけで1万円ほどになった。

 まあ、あまりとりえのない私だが、人に 「私、おせち料理は自分でつくるんです」というと ほとんどの人は、「えーっ?」と半信半疑である。
 しかし、少しの出費と 年末に 2~3時間 あれば 誰でもできるのが おせち料理である。
Category: 雑感・雑記
2013/12/29 Sun
 年賀状を投函した。

 昨年末に書いた2013年の年賀状には
「秋には堺市長選挙。『堺市』の存続・発展がかかった年です。橋下・維新の『大阪都構想』による堺市解体消滅をゆるさないため、今年は『堺市』のためにたたかいます」
 と書いていた。
 
 読み返してささやかな満足感と達成感である。

 そして、今書いている2014年の年賀状には
「昨年は、『堺は一つ・堺をなくすな』の一点での市民的共同で、9月の堺市長選挙で維新に打ち勝ち、堺市を守り抜くことができました。今年は、暗雲垂れこめる情勢の中で、介護保険見直しが正念場です。国民の老後の安心を守るために、語り、書き、歩き回る一年にしたいと思います。」 
と書いた。

 来年の年末にはどのような気持ちでこの拙文をよみかえしているであろうか。

13年賀状
Category: 雑感・雑記
2013/12/29 Sun
 「堺をなくすな!」にあけくれた2013年。
 今年中に見ておかなければならない映画がある。

 「利休にたずねよ」である。
 
 原作は、8月に読んだ。

 今、堺市は 「利休観光」ブームである。
 「利休のふるさと堺をたずねて」というイベントもやっている。
13利休堺2

 利休バス
 利休塾

 もある。

 利休のふるさと 堺を歩く
 そんなんで、今日は、映画「利休にたずねよ」を観に行った。
 13利休にたずねよ

 
 ジーンという満足感と感動である。
 朝鮮(高麗)から拉致されてきた女性への思慕が、利休の茶の原点。
 狭い茶室と、高麗の姫に最後の茶をたてた小屋がだぶる。原作では得られない、映像ならでは感動である。

  秀吉が、意のままにならない利休に切腹を命じるシーン。 
 利休が高麗女性の形見として懐にだきつづけていた「香合」を差し出せば許す、という秀吉に対し、
 
 「私が額ずくのは美しいものだけでございます」

 堺の人間が、もっとも感動するシーンである。
 
Category: 堺市政問題
2013/12/28 Sat
 年末ぎりぎりにまとまった厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の「介護保険見直しに関する意見」。
 私は、内容以前に、ぜったいに許せないことがある。それは、唯一の「当事者団体」である認知症の人と家族の会の代表(勝田委員)が、最後まで反対したにも関わらず、「予防給付の見直し全般については、概ね意見の一致を見た。」としたことである。「見直し意見」では、『懸念』『異論』があったと申し訳程度に書くだけで、会議のたびに具体的な問題点をあげて反対し続け、12月20日の会議でも、ハッキリ「最後まで反対せざるを得ません」と明言したこの意見をさしおいて「概ね意見の一致」とはどういう認識であろうか。
 

第54 社会保障審議会介護保険部会(12 月20 日)
公益社団法人認知症の人と家族の会勝田登志子

意見
 65 歳以上の高齢者の15%が認知症、13%が軽度認知障害とされ、全体で約900 万人にのぼ
る認知症の人がいます。
 8 月28 日の介護保険部会以来、公益社団法人認知症の人と家族の会は認知症の当事者団体と
して本人、介護家族の立場から発言してきました。また、6 月2 日の総会や10 月12 日の全国
支部代表者会議で当事者の声の反映を願うアピールを採択し、介護保険部会や関係団体に提出
してきました。
 しかし、認知症の人たちを支え、今後ますます増えると予測される認知症を重度化させない
ためには、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」はあまりにも給付抑制が優先されてい
ます。残念ながら今回のまとめには最後まで反対せざるを得ません。 12 月11 日にはイギリスでは世界初のG8 認知症サミットが開催され、併行してADI(国際
アルツハイマー病協会)会議が開催、参加各国の大臣あての宣言文(別紙)を採択しました。ア
ジア・太平洋会議も開催され二つの会議に「認知症の人と家族の会」も参加しました。認知症
について世界的な取り組みがはじまり、なかでも、超高齢化が進行する日本の動きが注目され、
日本への期待も大きなものがあります。
 日本では昨年来、国家戦略として「認知症施策5ヵ年計画」(オレンジプラン)が一般財源で
実施され、認知症カフェなどの取り組みが各地で成果を挙げているのは嬉しいことです。しか
し、「意見(案)」では「認知症施策の推進」の多くが地域支援事業に位置づけられています。
認知症施策は義務的経費として縮小しないとの説明もありますが、地域支援事業では「事業
費は前年度実績を上回らないことを原則とすべき、上限を超える場合の対応を検討するとして
も先ずは上限内に納めることを基本認識とすべき・・」とあります。
 予防給付の自然増予測は毎年5~6%にも関わらず、後期高齢者の伸び率3~4%に抑制する
わけですが、抑制できる費用は年間1,450 億円です。一方、復興特別法人税は13 年度末に前
倒し廃止が決まり、税額8,000 億円は一般財源から手当てされるそうです。「お金がない」の
ではなく、「税金の使い方」が問題なのではないでしょうか。
 今回の案でもっとも懸念しているのは、「予防給付のうち訪問介護と通所介護については、
地域支援事業の形式に見直す」ことです。これは、認知症ケアには「初期こそ適切なサービス
が必要」であるとするオレンジプランとの整合性がありません。
市町村が実施する地域支援事業では、「多様な主体による柔軟な取組により、効果的かつ効
率的にサービスを提供できる」とされていますが、これまでの予防給付の質を低下させること
なく効果的、効率的に提供できるという根拠はどこにあるのでしょうか、
 認知症の人にとって、初期対応こそ介護サービス事業者の専門職によるケアが必要と考えま
す。「NPO、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人など」による「柔軟な取組」へ
の変更は、サービス提供事業者や介護スタッフが積み上げてきた経験にもとづくケアを初期化
するものです。また、地域支援事業への移行が利用控えを生じさせると、重度になってから発
見するケースが増え、かえって費用がふくらむことも懸念されます。
 また、地域支援事業に位置づける「介護予防・日常生活支援総合事業」では、「高齢者を事
業の担い手」とすることで高齢者に生き甲斐を提供することもできると期待しています。しか
し、高齢者の社会貢献活動と介護保険のサービス(給付)は別のものです。
別表に添付した「JR事故名古屋地裁判決に対する家族の会の見解」に示したように、介護
を担う家族に賠償責任が生じるという判決は、全国の介護家族に大きな衝撃を与えました。
 介護保険のサービスが広がるにつれて、私たちは高齢者虐待や介護心中、介護殺人といった
悲劇が各地に頻発していることも知らされるようになりました。予防給付の訪問介護と通所介
護の地域支援事業への移行が、在宅介護の現場に何をもたらすのか大きな懸念があります。
 また、「意見(案)」では、「世代内公平」という視点で一定以上の所得者は1 割負担の利用
料を2 割に引き上げる、施設サービスの補足給付の厳格化、特別養護老人ホームの利用は要介
護度3 以上に限定などが盛り込まれていますが、利用者や介護家族の実態調査が不十分ななか
での提案に不安が募ります。
「認知症の人と家族の会」は34 年間、「認知症があっても安心して暮らせる社会」を願い、
その実現を目指してきました。
 今回の「意見(案)」は「介護の社会化」を掲げて発足し、介護を必要とする本人と家族を
支えてきた介護保険制度を停滞させるものと考えます。「認知症があっても住み慣れた町で安
心して暮らせる」ための介護保険制度が継続されることを希望し、今回の案に反対します。


 介護保険部会の25人の委員のうち、要介護高齢者の「当事者団体」と言えるのは、他にはない。
 介護保険は何を目的とした制度か。「高齢者の尊厳の保持」「自立した日常生活を送るために必要な支援」である。そして「利用者本位」が原則であるはずである。 その利用者(当事者)がこれだけ「反対」をした見直し案を、他の保険者代表や経済界、事業者団体、学者などが賛同したことをもって「概ね意見の一致」というのである。

 nothing about us without us (私たち抜きに私たちのことを決めないで) 

 障害者が、自立支援法で1割の「応益負担」を押し付けられた時に、その廃止を求めてたたかった時の合言葉である。もともとは、国連の障害者権利条約採択時のスローガンであるが、政府によって無視され施策を決められた障害者の血の出るような叫びである。

 介護保険改悪が強行されようとしている今、そっくりそのまま、政府厚生労働省に行ってやりたい。

 「要介護者の、認知症の人の、そしてその家族の 声を抜きに 勝手に 要支援切り捨てや 2割負担導入を決めるな」 nothing about us without us (私たち抜きに私たちのことを決めないで)!


Category: 介護保険見直し
2013/12/28 Sat
2013年もあとわずか。年末休みに入ったので、1年を振り返る。

 今年をひとことで表す漢字。
 私なりに「今年の漢字」をあれこれと考えてみると・・・
 やっぱり「勝」!である。

 堺で、維新の会に勝利した9月の市長選挙、そして、維新を過半数割れに追い込んだ12月府議会。
 まさに、1年前には、到底予想できなかった「維新に勝つ」である。

 私が1月2日に書いた ブログ 今年の目標

 では、堺市長選挙を「目標」に掲げていた。

 維新の会が勝利すれば「政令指定都市」としての堺市は消滅する。
 私は堺市で働いて33年になる。その大半の時期を市当局とは対立してきた。そして今でも出先職場に13年「島流し」状態に押し込められ、一切の昇進とも無縁で、基本給毎年下げられ続けている。しかし、こんな私でも「堺市」を誇りに思っている。この堺市が消滅の危機を迎えようとしているとき、闘わなければ、生き方が問われる。


 一年前は「悲壮」な決意だった。

 しかし、「堺はひとつ」「堺をなくすな」は、立場と党派を超えた全市民的スローガンになり、9月末に見事に、大阪維新の会を堺から撃退した。
 そして、12月、大阪府議会での、泉北高速鉄道株の米投資ファンド売却を逆転、否決し、維新を府議会で過半数割れにおいこんだことである。
 
 絶望的な情勢で始まった今年だったが、維新に堺で2度勝った。やはり今年の漢字は「勝」だ。来年は日本中で勝にしたい。

 秘密保護法強行、辺野古埋立承認、安倍首相の靖国参拝 社会保障解体と介護保険大改悪、と暗雲垂れこめる情勢であるだけに、「勝」の展望を切り開いた1年を大切に、来年もがんばりたい。
Category: 雑感・雑記
2013/12/23 Mon
 12月22日は、今年最後の講師活動は、障害者の生活と権利を守る埼玉県民連絡協議会の「2013年末大学習会」。

 テーマは「どうなる介護保険~『改革」と障害者への影響」である。障害者と介護保険でお話をさせていただくのは今年4回目である。
 13埼玉障害者学習会1


 今回の「社会保障改革」は、8月に出された社会保障制度改革国民会議報告書でも、障害者施策については、全く「無視」してかかっているのが特徴である。

 2006年度施行された障害者自立支援法は、「応益負担」と称して介護保険と同様に「1割負担」を導入した。これは、介護保険との「統合」をめざしたものであったが、障害者団体の一致した運動によって、政府を大きく追い詰め、さらに全国的にたたかわれた「障害者自立支援法違憲訴訟」では、2010年1月に「基本合意」を持って政府と和解した。

 「応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。 」(基本合意文書)
 と明確に、1割負担について誤りを認め「反省」したのが政府・厚生労働省である。
 
 そして、障害者福祉サービスは、現在では「市民税非課税」の低所得者は「負担ゼロ」である。

 その政府・厚労省が、今回の介護保険見直しでは、「所得により2割負担化」を導入しようとしているのだ。医療保険との「整合性」がない、というのがその論拠でもあった。
 しかし、「整合性」を言うなら、低所得者無料の障害者福祉サービスとの整合性はどうなるのだ。当事者のたたかいにより「無料」を実現している障害者サービスを、意図的に「無視」することによって今回の介護保険改悪の議論は成り立っている。

 その障害者も「65歳」になると、「介護保険優先」原則により、障害者サービスが介護保険サービスに置き換えられ、「1割負担」を押し付けられる。

 「障害者総合支援法第7条  自立支援給付は、当該障害の状態につき、介護保険法による介護給付、健康保険法の規定による療養の給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち自立支援給付に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であって国又は地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。」 

 しかし、厚労省は、通知(障企発第0328002号平成19年3月28日通知)で、
 「[2] 介護保険サービス優先の捉え方
ア サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。 したがって、市町村において、申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること。  なお、その際には、従前のサービスに加え、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスについても、その実施の有無、当該障害者の利用の可否等について確認するよう留意する必要がある。
イ サービス内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるもの(同行援護、行動援護、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等)については、当該障害福祉サービスに係る介護給付費等)を支給する。」
 
 としている。

 障害者サービスか介護保険サービスかの「選択」も個別の必要性によっては可能であり、また、介護保険にないサービスは障害者サービスで対応{「横出し」)できるし、さらに、限度額によって不足すれば、障害者サービスを追加できる(上乗せ)のである。

 しかし、多くの自治体では、事実上、一律に「介護保険優先」を適用する、法7条の機械的運用が横行している。障害者総合支援法に基づいて重度訪問介護を受けてきた浅田さんに対し、65歳になることを理由に、介護保険の申請がない限りは支援法に基づく給付も一切しない、との決定を行った岡山市の事件などはその典型である。
 厚労省は、自ら出した通知についても、「具体的な運用は市町村」とまともな指導を行わず、機械的介護保険優先を野放しで放置している。
 これらは、各自治体レベルでの徹底した是正要求の運動とともに厚労省にも指導責任を追及していく必要がある。
 

 今回の介護保険改悪による2割負担導入は、障害者にも大きな影響を与える。
 2割負担化により、「無償化論」は吹き飛び、障害者分野の「ガラパゴス島化」が進むことになる。そして、「65歳問題」はより深刻な事態になる。

 私たちは、介護保険における2割負担導入を阻止するたたかいとともに、障害者運動のかちとってきた「無料」という成果をしっかり守る必要がある。

 そして、政府が「無視」して、進めている障害者分野での到達点を、介護保険にもしっかり持ちこんでいくことも重要である。
 
「障害に伴う必要な支援は原則無償」と明記した、「骨格提言」(障害者制度改革推進会議総合福祉部会)の立場こそ、介護保険分野が学び、共有化するべき原則であろう。
  
Category: 介護保険見直し
2013/12/21 Sat
社会保障税一体改革の一環として、介護保険見直しを検討してきた厚生労働省は、社会保障審議会介護保険部会で12月20日に「介護保険制度見直しに関する意見」(以下「見直し意見」)をまとめた。
 その内容は、介護保険制度始まって以来の大改悪というべきものである。
要支援者のサービス切捨て
第1に、要介護認定者の3分の1近い約150万人の要支援1、要支援2のホームヘルプ(訪問介護)とデイサービス(通所介護)の保険給付を廃止し、市町村事業(地域支援事業)にしてしまうことである。介護保険料を支払い、要支援1、2と認定されても被保険者の権利である保険給付が受けられないという介護保険制度の根幹にかかわる改悪だ。
厚労省は当初、要支援者サービスの保険給付を全面廃止する案を示していたが、関係者の反対の声の前に、ホームヘルプとデイサービスだけを廃止対象にした。しかし、この二つだけで要支援者のサービス費の6割を占め、その利用者はそれぞれ60万人に上る。市町村事業では、「訪問型サービス」「通所型サービス」とされ、全国統一基準はなくなり、住民ボランティアなどに肩代わりさせ安上がりにすることにされている。さらに、事業者への報酬は「現行単価以下」に下げられる一方、利用料は、要介護者の負担割合を「下回らない」としている。さらに利用者個人の「限度額管理」を行って利用を制限し、自治体の事業費に「上限額」を設けて費用を抑え込むという二重三重のサービス切り捨ての仕組みを作り上げようとしている。「見直し意見」では、「多種多様な事業主体」による重層的なサービスが地域で提供され「支援が必要な高齢者を支える社会を実現する」などとして、この仕組みを全市町村で2017年度末までに、要支援者のホームヘルプとデイサービスを廃止、すべて市町村事業にすると断言している。しかし、大多数の市町村は、住民ボランティアなどの育成の目処はまったく立っておらず、要支援者のサービスの切捨てだけが進行することは明らかである。
特養は要介護3以上に限定
 第2に、特別養護老人ホーム入所者を要介護3以上に限定して要介護1,2の人を入れなくすることである。要介護者は施設サービスを利用する資格(受給資格)があるが、特養ホームから要介護1,2の人を除外するこの改悪は、今後、軽度者を恣意的な線引きにより他の介護サービスから次々と排除していく第一歩になりかねない重大な意味を持っている。
これも、利用者団体などからの反対により、特養以外での生活が「著しく困難な場合」は特例的に入所を認めると「見直し意見」に書き加えたが、要介護2以下の排除の基本は変わっていない。特養入所待機者42万人の3分の1以上の13万人は要介護1.2である(厚労省09年12月資料)が、改悪により、これらの人は特養からシャットアウトされてしまう。政府の誘導により急増している「サービス付き高齢者向け住宅」は、入居一時金、居住費・食費は完全に自己責任の「住宅」であり、提供される「サービス」も格差が激しく、特養に替わることはできない。多くの高齢者が行き場を失い「介護難民」となってしまう結果になる。
少しばかりの所得で負担2倍に
第3に、これまで「1割」であった利用者負担を、所得によって「2割」へと引き上げることである。介護保険制度は「所得に関係なく1割負担」とされており、これも制度開始以来の大改悪である。社会保障制度改革国民会議の議論の中では「医療保険との整合性」を口実に、「一定の所得者は負担割合を引き上げるべき」としてきた。ところが、今回の「見直し意見」では、2割負担の対象となるのは「所得160万円以上(年金収入の場合280万円)」という、とても高所得とは言えない金額であった。高齢者医療の「現役並み所得」が、年収383万円以上であることと比べても、きわめて厳しい線引きだ。厚労省は、これについて、「平均的消費支出」や「モデル年金」を上回っていることを根拠に「負担可能」と決めつけている。このような手法でいけば、将来的には「全員2割負担、現役並み所得は3割負担」などということになりかねない。70歳~74歳の医療費負担が現在の1割から2割への引上げが狙われていることをみてもその危険性は現実のもの言えるだろう。
要介護高齢者は、利用料以外にもさまざまな金銭的負担がかかっており、今でも「介護貧乏」「介護破産」という言葉さえあるほどだ。少しばかり所得があるからといって2倍の負担増は、必要なサービスを削らざるを得ない人が続出することになり「経済的介護難民」を生み出すことになる。
介護保険と同じ1割の「応益負担」で2006年度に始まった障害者自立支援法のサービスは、障害者の一致したたたかいによって、低所得者は「無償」となっている。その障害者が65歳になると「介護保険優先」で、1割負担となり、全国各地で問題が噴出し裁判闘争に発展している。「見直し意見」は障害者サービスについては、まったく無視したまま、さらなる負担増を高齢者に押し付けようとしている。
低所得者でも貯金があれば施設の食費・部屋代補助打ち切り
 第4に、介護保険施設の入所者やショートステイ利用者の食費・部屋代補助制度の改悪である。
介護保険施設の食費・部屋代は、自己負担だが、低所得者(非課税世帯)は、介護保険から補助(補足給付)があるため低く抑えられている。たとえば、特養ホーム(個室)では、通常は食費・部屋代だけで月10数万円かかるが、非課税世帯で年金80万円以下の人なら月3万6千円程度で済む。
これを、世帯分離している夫婦でも、配偶者が住民税課税ならば対象外に、また、預金が一定以上(単身者1000万円)あれば対象外にするという改悪案である。もともと施設の食費・居住費は保険給付の対象だったのが、2005年改悪で自己負担とされ、今回の改悪では、老後の備えの貯金や別居の配偶者の所得まで口実にして、低所得者に対する救済措置まで奪い取るというきわめて悪質なものである。
要介護者を切り捨てて「制度持続」
これらの改悪について、「見直し意見」では、高齢化が進み公費・保険料が上昇するので、介護保険制度の「持続可能性を確保する」ためだと説明している。要支援者のサービス切り捨てで将来的に年間1670億円削減、利用者負担引上げで750億円、補足給付改悪で740億円を削減するという数値まで示している。
しかし、高齢者の「尊厳の保持」、「自立した日常生活のために必要な給付」という介護保険制度の「目的」を投げ捨て、要介護者に負担増とサービス削減を押し付けることによって「制度持続」をはかるという見直し方向は、まったく本末転倒な議論である。要介護者・高齢者に負担と犠牲を押し付けなければ「持続可能性」が確保できないような制度であれば、その制度を根本から見直し、つくり変えることこそ必要ではないか。
地域包括ケアは、「自助・互助」と費用抑制の「手段」
 「見直し意見」は、「介護保険制度の持続可能性の確保」とともに「地域包括ケアシステムの構築」も見直しの基本的考え方としている。しかし、その具体的内容は、「自助」と「互助」を基本とした「高齢者相互の助け合い」の地域ネットワークをつくることで、「生活支援サービス」の提供主体の確保を図るというものですある。「在宅医療・介護連携の推進」や「認知症施策の推進」なども挙げられてはいるが、公的責任と公費支出の裏付けがなく、主体となる市町村の力量や能力もきわめて心もとないのが実情である。「見直し意見」では、地域で現実に進行している貧困や孤立、「無縁社会」現象などを直視すらしていない。「地域包括ケアシステム」をいくら書きならべても、実現するものではない。
今こそ、政府と国会へ声を、そして世論に訴えよう
「見直し意見」では、上記の改悪メニューのすべてについて、「様々な個別意見はあったものの、次期制度改正で速やかに実行すべきであるというのが意見の大勢であった。」と、結論づけ、介護保険部会に参加している唯一の当事者団体(認知症の人と家族の会)の反対意見を切り捨ててしまった。
 「見直し意見」は取りまとめられたが、厚労省の審議会の意見にすぎない。たたかいはこれからが本番である。介護保険法改正案は、2014年1月下旬からの150日間の通常国会に提出、具体的な内容はさらにその後の政令・省令・告示、通知改定が必要で、さらに2015年度介護報酬改定の検討も控えている。
 9月から3ヶ月余りの議論の中でも、政府厚労省の改悪案が関係者に知らされるにつれ反対の声と運動が広がってきた。要支援外しと特養の重度者限定問題で、厚労省案の一部を修正させたこともその表れある。多くの自治体関係者からも「住民ボランティアなど2年やそこらでは育成できない」「利用者負担の変更に伴う事務が大変で対応できない」など、戸惑いの声も上がっている。
 当面は、政府・厚労省に改悪法案を出させないこと、そして、国会で改悪法案を通さないたたかいが重要である
 介護保険改悪問題は、その内容や狙いが国民に知らされていない。今、決定的に大切なことは、改悪内容と知らせること、そして世論に訴えながら、政府・国会で改悪にストップをかけることである。まさに、たたかいは今からである。



介護保険制度の見直しに関する意見 概要
平成2 5 年1 2 月2 0 日
社会保障審議会介護保険部会

今回の制度の見直しは、地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度の持続可能性の確保の2 点を基本的な考え方とする。

Ⅰ サービス提供体制の見直し

1.地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の見直し
地域支援事業について、地域包括ケアの一翼を担うにふさわしい良質で効率的な事業に重点化しつつ再構築するとともに、必要な財源を確保し、充実・強化を図る。
(1)在宅医療・介護連携の推進
○ 地域支援事業の包括的支援事業に位置づけ、市町村が中心となって、国と都道府県の支援の下、地域の医師会等と連携しつつ、取り組む(平成30 年度には全ての市町村で実施し、小規模市町村では共同実施を可能とする)。
(2)認知症施策の推進
○ 地域支援事業の包括的支援事業に位置づけ、市町村が「認知症初期集中支援チーム」や「認知症地域支援推進員」の設置などに取り組む(平成30 年度には全ての市町村で実施し、小規模市町村では共同実施を可能とする)。
(3)地域ケア会議の推進
○ 地域支援事業の包括的支援事業の一環として、地域ケア会議の実施を介護保険法に位置づけるとともに、介護支援専門員の協力や守秘義務の取扱い等について制度的な枠組みを設け、一層の推進を図る。
(4)生活支援サービスの充実・強化
○ 市町村が中心となって、NPO、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人等の生活支援サービスを担う事業主体の支援体制の充実・強化を図ることが必要であり、高齢者等の担い手としての養成や、地域のニーズとのマッチングなどを行うコーディネーターの配置等について、地域支援事業の包括的支援事業に位置づけて取組を進める。
(5)介護予防の推進
○ 居場所と出番づくりなど、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた、バランスのとれたアプローチが重要である。介護予防事業を見直し、地域においてリハビリテーション専門職等を活かした自立支援に資する取組を推進する。元気高齢者と二次予防事業対象者を分け隔てることなく、住民運営の通いの場を充実する。
(6)地域包括支援センターの機能強化
○ 地域包括支援センターの役割に応じた人員体制の強化とそのための財源確保を図る。また、センター間の役割分担・連携の強化、市町村の委託型センターに対するより具体的な委託方針の提示、センターの運営に対する評価・点検の取組の強化を図る。

2.地域支援事業の見直しに併せた予防給付の見直し
(見直しの背景・趣旨)
○ 要支援者は生活支援のニーズが高く、配食、見守り等の多様なニーズに応えるためには、介護サービス事業者以外にも、NPO、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人など、多種多様な事業主体の参加による重層的なサービスが地域で提供される体制の構築が重要である。併せて、高齢者が積極的に生活支援の担い手となって、支援が必要な高齢者を支える社会を実現することが求められている。
○ また、地域に多様な通いの場を作り、社会参加を促進していくことは、高齢者の介護予防にとって極めて重要であるが、地域の中で多様な主体により多様な場を確保していくことが重要である。
○ このため、地域支援事業の枠組みの中で介護予防・日常生活支援総合事業(総
合事業)を発展的に見直し、サービスの種類・内容・人員基準・運営基準・単価等が全国一律となっている予防給付のうち、訪問介護・通所介護について、市町村が地域の実情に応じ、住民主体の取組を含めた多様な主体による柔軟な取組により、効果的かつ効率的にサービスを提供できるよう、地域支援事業の形式に見直す(市町村の円滑な移行期間を考慮して、平成29年4月までにはすべての市町村で実施し、平成29年度末にはすべて事業に移行する)。
○ 事業移行後も、既にサービスを受けている者については必要に応じて既存サービス相当のサービスを利用可能とし、新しくサービスを受ける者については多様なサービスの利用を促進するが、必要に応じて既存サービス相当のサービスを利用可能とすることが必要である。
○ 予防給付のうち、訪問介護・通所介護以外のサービス(訪問看護、福祉用具等)は、多様な形態でのサービス提供の余地が少ないことから、市町村の事務負担も考慮して、引き続き予防給付によるサービス提供を継続することが適当である。
(新しい総合事業の内容)
○ 新しい総合事業の事業構成は、「介護予防・生活支援サービス事業」と、すべての高齢者が利用する体操教室等の普及啓発等を内容とする「一般介護予防事業」とする。
○ 介護予防・生活支援サービス事業については、以下のとおりとする。
・ 利用手続は要支援認定を受けて地域包括支援センターによるケアマネジメントに基づきサービスを利用する。介護予防・生活支援サービス事業の利用のみの場合は、基本チェックリスト該当で利用可能とする。
・ 事業費の単価については、サービスの内容に応じた市町村による単価設定を可能とし、現在の訪問介護、通所介護(予防給付)の報酬以下の単価を市町村が設定する仕組みとする。
・ 利用料については、地域で多様なサービスが提供されるため、そのサービスの内容に応じた利用料を市町村が設定する。既存サービスに相当するサービスの利用料については、要介護者に対する介護給付における利用者負担割合等を勘案しつつ、一定の枠組みの下、市町村が設定する仕組みを検討する。
・ 市町村が事業者へ委託する方法に加え、あらかじめ事業者を認定等により特定し、当該市町村の一定のルールの下、事業者が事業を実施した場合、事後的に費用の支払いを行う枠組みを検討する。
・ 利用者個人の限度額管理を実施し、利用者が給付と事業を併用する場合には、給付と事業の総額で管理を行うことを可能とすることを検討する。
○ 市町村による事業の円滑な実施を推進するため、介護保険法に基づく指針で、事業で対応する際の留意点等をガイドラインとして示す。
○ 市町村は介護保険事業計画の中で要支援者へのサービス提供の結果を3年度毎に検証することを法定化することを検討する。
(市町村の事務負担の軽減)
○ 審査・支払いに関して国民健康保険団体連合会を活用する。また、介護認定の有効期間の延長についても検討する。
(効率的な事業の実施)
○ 市町村は、サービス提供を効率的に行い、中長期的には総費用額の伸びが後期高齢者数の伸び程度となることを目安に努力するとともに、短期的には生活支援・介護予防の基盤整備の支援充実に併せ、より大きな費用の効率化を図る。
○ 総合事業の事業費の上限については、円滑な事業移行が図られ、保険料負担者の理解と納得感が得られる事業実施となるよう、費用の効率化の趣旨を踏まえ、
・ 予防給付から事業に移行する分を賄えるよう設定する。
・ 当該市町村の予防給付から移行する訪問介護、通所介護と予防事業の合計金額を基本にしつつ、当該市町村の後期高齢者数の伸び等を勘案して設定した額とする。
・ 仮に市町村の事業費が上限を超える場合の対応については、制度施行後の費用の状況等を見極める必要があること等を踏まえ、個別に判断する仕組みなどの必要性についても検討する。
(部会での議論)
○ 予防給付の見直し全般については、概ね意見の一致を見た。ただし、市町村支援や効率化に関する留意事項を挙げる意見、事業費・財源構成・サービスの質・労働者の処遇・地域差などに関する意見があった。見直しについて異論もあった。

3.在宅サービスの見直し
○ 在宅の限界点を高めるため、訪問介護、通所介護、訪問看護等の普及に加え、定期巡回・随時対応サービスや複合型サービス、小規模多機能型居宅介護などの更なる普及促進を図る。各サービスの見直しの中には、法改正のみならず、基準の見直しや介護報酬の改定で対応すべきものがあり、引き続き、社会保障審議会介護給付費分科会で議論を行っていく。
○ 小規模の通所介護については、少人数で生活圏域に密着したサービスであることから、地域との連携や運営の透明性を確保するため、市町村の事務負担の軽減を図りながら、市町村が指定・監督する地域密着型サービスに位置づける(施行時期は平成28年4月までの間とし、条例制定時期は施行日から1年間の経過措置を設ける)。
○ 住宅改修の質を確保する観点から、市町村が、あらかじめ事業者の登録を行った上で住宅改修費を支給する仕組みを導入できるようにする。
○ 保険者機能の強化という観点から、市町村の事務負担の軽減を図りながら、居宅介護支援事業者の指定権限を市町村に移譲する(施行時期は平成30 年4 月とし、条例制定時期は施行日から1 年間の経過措置を設ける)。

4.施設サービス等の見直し
○ 特養については、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化すべきであり、特養への入所を要介護3以上に限定することが適当である。他方、要介護1・2の要介護者であっても、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難であると認められる場合には、市町村の適切な関与の下、施設ごとに設置している入所検討委員会を経て、特例的に、特養への入所を認めることが適当であり、この点については、概ね意見の一致を見た。
○ サービス付き高齢者向け住宅が多く立地する保険者の保険料負担を考慮し、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅についても、住所地特例の対象とする。また、住所地特例対象者については、住所地市町村の指定を受けた地域密着型サービスや住所地市町村の地域支援事業を利用できることとし、その費用についても事務負担に配慮しつつ市町村間で調整できるようにする。

5.介護人材の確保
○ ①参入の促進、②キャリアパスの確立、③職場環境の整備・改善、④処遇改善の4つの視点から、事業者等とも連携して、国・都道府県・市町村が役割分担しつつ、積極的に取り組む。必要となる介護人材の推計を行うなど都道府県が総合的な取組を推進する。

6.介護サービス情報公表制度の見直し
○ 地域包括支援センターと生活支援の情報を公表制度を活用し情報発信する。また、現行の従業者等に関する情報公表の仕組みについて、円滑に事業所が情報を公表できるよう見直す。
○ 通所介護の設備を利用して提供している法定外の宿泊サービスについての情報公表も行う。また、地域の高齢者ボランティア等を活用して、情報公表システムを用いて利用者や家族に分かりやすく情報提供するなどの工夫も重要である。

Ⅱ 費用負担の見直し

1.低所得者の1 号保険料の軽減強化等
○ 消費税率の引上げに伴う低所得者対策強化等を踏まえ、基準額に乗ずる割合を更に引き下げ、その引き下げた分について、現行の給付費の50%の公費負担に加えて、公費を投入する。
○ 保険料負担の応能性を高めるため、標準9段階とするとともに、調整交付金も標準9段階を用いた調整方法に改める。

2.一定以上所得者の利用者負担の見直し
○ 高齢者世代内において負担の公平化を図っていくため、一定以上の所得のある方に2割の利用者負担を求めるべきであるという点については、概ね意見の一致を見た。一定以上所得者の水準については、第1 号被保険者全体の上位20%に該当する水準という案を支持する意見があったほか、様々な意見があった。
○ 高額介護サービス費の負担限度額については2割負担となる方のうち、特に
所得が高い、高齢者医療制度における現役並み所得に相当する所得がある方については、医療保険の現役並み所得者の多数該当と同じ水準である44,400 円とすることが適当である。

3.補足給付の見直し(資産等の勘案)
○ 経過的かつ低所得者対策としての性格を持つ補足給付であるが、預貯金等の資産を保有していたり、入所して世帯は分かれても配偶者に負担能力があるようなときに、保険料を財源とした居住費等の補助が受けられることについては、在宅で暮らす方や保険料を負担する方との公平性の確保の観点から課題があるため、可能な限り是正していくことが必要である。
○ 預貯金等については、本人と配偶者の貯蓄等の合計額が一定額を上回る場合には、補足給付の対象外とすることで概ね意見の一致を見た。具体的な実施方法については、本人の自己申告を基本としつつ、補足給付の申請に際し金融機関への照会について同意を得ておき、必要に応じて介護保険法の規定を活用して金融機関への照会を行うこととするとともに、不正受給の際の加算金の規定を設けるなどして適切な申告を促す仕組みとする。
○ 預貯金等の基準としては、単身で1000 万円超、夫婦世帯で2000 万円超という基準は妥当である。
○ 不動産については、事業を実施する上での課題を更に整理するとともに、市町村が不動産担保貸付の業務を委託することができる外部の受託機関を確保することが必要であり、引き続き検討を続けていく。
○ 世帯分離をしても配偶者の所得を勘案する仕組みとし、配偶者が住民税課税者である場合は、補足給付の対象外とすることが適当である。
○ 補足給付の段階の判定に当たって、遺族年金や障害年金といった非課税年金も収入として勘案することが適当である。

4.介護納付金の総報酬割
○ 介護納付金の総報酬割については、導入に賛成する意見が多かったが、強い反対意見があった。後期高齢者医療制度における後期高齢者支援金の全面総報酬割の検討状況も踏まえつつ、引き続き、検討を行っていく。

Ⅲ 2025年を見据えた介護保険事業計画の策定

○ 第6期以後の介護保険事業計画は、第5期の取組を承継発展させるとともに、2025年のサービス水準、給付費や保険料水準も推計して記載し、中長期的な視点も含めた施策の実施に取り組むことが必要である。
○ 都道府県が策定する介護保険事業支援計画については、医療計画と一体性・整合性を確保して策定され、地域において、高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービス提供体制の確保が進められる必要がある。
○ 介護人材の確保には都道府県も重要な役割を担っており、必要となる介護人材の推計を介護保険事業支援計画に記載し、積極的に取り組むことが期待される。

今後に向けて

○ 第6期に向けて、法改正項目については、様々な個別意見はあったものの、次期制度改正で速やかに実行すべきであるというのが意見の大勢であった。
○ 制度改正の実施状況と効果を検証しつつ、引き続き、介護保険制度の持続可能性を確保すべく、給付の重点化・効率化に向けた制度見直しを不断に検討する。
○ 地方自治体の第6期介護保険事業(支援)計画の策定作業に合わせ、きめ細かな支援を行っていく必要がある。また、国民に対する丁寧で分かりやすい広報に計画的に取り組むことが必要である。
Category: 介護保険見直し
2013/12/16 Mon
 維新の本丸で勝った! 夕刊各紙が、「本会議では可決の公算」と報じる中で、否決である。  

 12月16日、大阪府議会最終本会議で、泉北高速鉄道株式の米ファンド会社への売却議案が否決された。
 議案賛成の白票を投ずる維新の会の議員の中で、堺市南区のみつぎ議員、中区の西議員、大阪住吉区の中野議員、高石市の奥田議員が反対の青票を投じた。
 住民の願いを軽視し、鉄道運営という安全性、安定性も不安で、利益追求だけが目的の投資ファンド会社に売却しようという松井知事ー橋下市長ら維新の会の「常識」は通用しないことが明らかになった。


 堺市南区民の「悲願」が維新府議会議員を造反させた。

 本会議に先立つ午前の都市住宅常任委員会で、維新府議団方針に逆らって 泉北高速鉄道株売却議案に「反対」した堺市南区選出議員の弁。

「造反した密城浩明府議(堺市南区)は記者団に「沿線住民の悲願である値下げを、(ロ社が提示した)『10円で辛抱してください』では賛成できない。」


 維新は、反対票を投じた4人を除名にした結果、府議会単独過半数を失うことになった。

 
 9月の堺市長選挙は、「維新の堺侵略」との闘い。これを撃退・敗走させて、今回は本丸攻めである。さあ、次は「維新城」を攻め落とす闘いだ。
Category: 堺市政問題
2013/12/15 Sun
 12月15日午後、明日に府議会を控え、泉北高速鉄道株の売却問題についての緊急住民集会が泉ヶ丘センタービルで開かれた。「高額運賃」で、この泉ヶ丘駅から堺東駅まで400円!運賃引き下げは泉北ニュータウン住民の悲願!
 13泉北泉ヶ丘運賃

 泉北高速鉄道は、大阪都市開発株式会社(OTK)が運営。大阪府が株式の49%を保有する。あまりの運賃の高さに「泉北高額鉄道」という人さえいるほど。なんせ、同じ堺市内に行くのに400円、難波までだと520円なのである。
 これを、大阪府松井知事は、売却するというが、売却先はアメリカ系投資ファンドの「ローンスター」。運賃はたったの10円引き下げである。泉北高速鉄道に接続している南海電鉄の購入条件は運賃80円引き下げ。鉄道会社でもない投資ファンドへの売却は国内でも例がなく、経済界からの批判が沸き起こり、堺市議会でも維新以外の全会派賛成で「白紙撤回」決議が12月4日採択された。

 主催者あいさつは、住みよい堺市をつくる南区連絡会の松永さん。「堺市議会では維新は『逃亡』した。南区出身の維新の府議会議員は住民の声を無視できず『売却反対』に回った」、最後までたたかえば、展望は開ける、と熱く語られた。
13泉北高速松永氏


会場は超満員。立見多数。泉北ニュータウン住民の怒り爆発だ!
13泉北高速売却集会1


 講演は、奈良女子大学の中山徹先生。泉北高速鉄道の運営会社(大阪府都市開発株式会社 OTK)の設立経過と泉北高速鉄道の資産形成過程を詳しく解明。泉北ニュータウンの形成と泉北高速鉄道の財産形成は一体。泉北高速鉄道の財産形成は泉北ニュータウン住民の負担と沿線住民の運賃負担、ということがよくわかる。府知事や維新の府議団が泉北ニュータウン住民を無視して勝手に売却出来るものでない!

 13泉北高速中山先生

 泉北高速鉄道株売却問題住民集会での中山徹先生の指摘。泉北高速鉄道の資産は泉北ニュータウン開発の利益と運賃収入。泉北ニュータウン開発の収益で、これまでに泉北高速鉄道の運賃引き下げが可能だったのに、りんくうタウンの赤字の穴埋めに使われた。今回、大阪都構想に基づく巨大開発の資金のために慌てて売る必要はまったくない! この指摘に一同納得。

 明日16日の大阪府議会での採決を控えた府議会の緊迫の報告。堀田文一府議会議員。府の売却のデタラメさを事実に基づき、「高く売るため」に、わずか10円値下げで、住民の声を切り捨てる維新の不当性を厳しく批判された。

 南区選出の堺市議会議員の城勝行さん。維新以外の全会派が一致して採択した「白紙撤回決議」を報告。泉北ニュータウンの周辺地出身の城議員は、「ニュータウン開発の時は農民から二束三文で土地を取り上げ、泉北ニュータウン住民に高く売りつけ1381億円もの利益をあげながら、りんくう開発などにつぎ込んできた。今回の泉北高速鉄道株売却問題も同じことだ!」と指摘された。
 13泉北高速城議員


 泉北高速鉄道株売却問題の集会では、会場から「今から、維新の府議会議員全員に電話をかけよう!」という意見も出された。私が急きょ、府議会議員名簿のコピーに走った。集会後、100枚のコピーは、参加者から、私も私も、とあっと言う間になくなった。
 

 集会の後、泉が丘駅前で大宣伝行動です。 通行する人が次々と署名に応じた。署名用紙を持って帰る人、ビラを何十枚も持ち帰る人。署名用紙の前には人だかりができ、泉北ニュータウン住民の関心の高さ、高額運賃への怒りをひしひしと感じる。
 13泉北高速宣伝1

13泉北高速署名

 105人の大阪府議会のうち、維新は55人。しかし、13日の維新議員団会議では、42人が、売却に賛成したものの13人が賛成せず、維新以外は「みんな」の1人を除いて、全ての会派が「反対」なので、維新から4人の反対、または7人の退席者が出れば、売却は否決される。府議会勢力泉北高速

 12月16日 大阪府議会は明日である。



Category: 堺市政問題
2013/12/12 Thu
 12月12日午後、和歌山民医連の「社会保障学習交流会」にお招きいただきました。13和歌山介護保険

 私の話しの前に、ヘルパー、デイサービス、デイケアからそれぞれ、要支援の利用者の事例報告がありました。利用者を大切に、そして、その暮らし方、介護サービスの役割を発信していくこと、それが要支援外しの制度改悪を許さない道だと訴えました。
 会場には、和歌山民医連の ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパー、施設職員らでいっぱい。とても熱心に聞いていただきました。

13和歌山介護保険2

学習会後、和歌山城に立ち寄りました。
誰もいない冬の天守閣。ライトアップがわびしい。
13和歌山城ライトアップ
Category: 介護保険見直し
2013/12/11 Wed
 堺市は、12月10日、介護保険被保険者証に使用する「印影」に「一部誤り」があったと発表した。
 堺市報道提供資料

 保険者「大阪府堺市」を示す「大阪府堺之印」でなく、「大阪府堺市之印」の印影を印刷した保険証を送ったので、再発行し、差し替えた との公表である。

 65歳になると自動的に住んでいる市町村の介護保険の「第1号被保険者」になり、介護保険証が送りつけられ、介護保険料が徴収される。しかし、この保険証は、「要介護認定」を受けない限り、給付を受けられない。「市之印」であろうが「市長之印」であろうが、赤い刻印は読み難くちょっと見ただけではほとんどわからない。堺市がいうように何の影響もないのである。

 実は、堺市は、この印影間違い問題は、今回が初めてでない。介護保険制度が始まった2000年に高齢者に送付した当時の介護保険被保険者証が、すべて「市之印」が印刷されていたのである。ほとんどの人が気付くことなく、問題にならなかったため、当時の堺市は、まったく知らぬ顔で通した。

 2000年10月に65歳になり、「介護保険料に異議あり!」と不服審査請求を行った福井宥さん(故人)にもこの「堺市長之印」が印刷された介護保険被保険者証が送りつけられていた。不服審査請求で福井さんはこのことを指摘し、保険者は「堺市」と印字されているにも関わらず印鑑が「堺市長之印」はおかしい、「保険証として無効ではないか」と追及していた。
 ところが、当時の堺市当局は、大阪府介護保険審査会に提出した弁明書で、「当然ながら有効である」と言い切り、この印影問題について、まったく不問にしたのである。

 不服審査請求をした福井さんは、「もともと介護保険証は、認定を受けないかぎり何の役にもたたないただの紙切れ。その紙きれの印鑑まで間違って送りつけ、高い介護保険料を徴収するとは何事か」と言っておられた。ただ、「『公印間違い』なんていう低次元の争いにせず、介護保険料の不当性・違憲性を正面から問うべき」と裁判をはじめたので、この「公印間違い」問題はこれ以上進展しなかった。

 当時、同じ堺市が発行している国民健康保険証にはきちんと「堺市之印」が印刷されているのに、介護保険証が「堺市長之印」となっていたことからも、明らかに「印刷発注ミス」であった。そして、翌年から発行する介護保険証には、「堺市之印」にこっそり変更したのである。マスコミはおろか高齢者にも何の説明も報告もなしである。

 それから13年。今回の事態は、堺市が、かつてやった同じ「公印間違い」問題を抜きに考えることはできない。しかし、堺市当局の報道提供資料では、担当職員の問題であるかのように扱っている。

 介護保険スタート時に10数万人の被保険者証に「市長之印」を印刷して送付しながら、知らん顔で、不服審査請求で指摘されても弁明書で「被保険者証として有効」と開き直り、差し替えもプレス公表もせずに済ませ、翌年度発行の被保険者証から「こっそり」と公印を変更した堺市当局。年月もすぎ、人も入れ替われば、「公印問題」など忘れ去られ、組織内に継承されないだろう。

 過去に堺市の行った誤りと不誠実な態度を不問にしたまま、現在の担当職員個人の問題とするような対応はいかがなものか。

 それよりも、こんな何も使えない「保険証」1枚送りつけるだけで、高齢者から年間6万4千円もの「介護保険料」を徴収する介護保険制度の方がはるかに問題である。
 「どっちみち何の役にも立たん保険証の印鑑間違いなんていう低次元のケンカしたらアカン。ワシは介護保険制度そのものの憲法違反を問題にする」と、決然と裁判闘争に立ち上がった、今は亡き福井さんの雄姿をしみじみと思い出す。 
Category: 介護保険料
2013/12/09 Mon
 12月8日、長崎民医連の介護保険改定学習講演会に招かれた。
 13長崎学習会チラシ

 以下 長崎民医連の「県連介護ウエーブニュース」より転載
12月8日(日)大阪社保協介護福祉対策委員の日下部雅喜氏を講師に招き、「介護保険改定の内容と私たちの課題」と題した学習講演会を開きました。師走の日曜日で有り参加者は51名とやや少なかったものの、具体例を出しながら要支援者の切り捨てによる影響を示すなどわかりやすい話に参加者からは、「大変よくわかった」「これ以上介護の後退は許せない」「利用者(要支援2)の方から、私はどうなるのと聞かれました。今日の話を聞いてしっかりご返事ができそうです」「65歳以上の障害者は、介護保険に移行されるため生きていけない制度になる、どうやって守って行けばいいのか」などの怒りの感想が寄せられました。
長崎民医連の事業所以外からは、9つの同業事業所から13名、友誼団体から8名の参加でした。文教厚生委員であり、前回の介護改訂の折県下の事業所から寄せられたアンケートをもとにした県介護福祉部との懇談にも参加し、議会でも介護問題を取り上げて頂いた堀江ひとみ県会議員も参加されていました。
 講師の最後のまとめに、当初要支援はすべて介護保険から外す計画であったが、反対の声が大きくなったことで、ヘルパーとデイサービスのみを外すと計画が変更されてきている。国会に上程される前の今、利用者の声を皆さんが代弁して国会に届けて欲しい。あきらめないで反対の運動を大きく広げて欲しいと訴えられました。


 平和公園での「12・8不戦の集い」に参加

 12月8日は、72年前に日本が太平洋戦争をはじめた日でもある。この日午前にたまたま平和公園を歩いていて、「長崎の証言の会」の皆さんが行われている「12・8不戦の集い」に出会い、私もさっそく参加しました。
13長崎不戦のつどい
 この戦争は、1945年8月9日の長崎への原爆投下をもたらした。核兵器廃絶と「不戦」は、一体である。
 集いでは、「秘密保護法」の強行に抗議する声明も採択された。
 13長崎不戦のつどい声明

 
Category: 介護保険見直し
2013/12/05 Thu
 介護保険料に怒る一揆の会、年金者組合大阪府本部、大生連は、12月4日午後、不服審査請求について大阪府介護保険審査会に申し入れを行いました。4年越しのたたかいで、審査請求に対する「嫌がらせ」(審査請求者に質問状を書き留め郵便で送りつける)と「門前払い」(制度問題は不適法として却下)をやめさせました。一揆の会のたたかいの粘り勝ちです。

「本案審査の対象は広く捉える」と明言し、門前払いしないことを確認した大阪府介護保険審査会事務局


追及する高齢者


口頭意見陳述申し立てを提出

 

 大阪府介護保険審査会は2009年度から、審査請求人に対し一律に「お尋ね文」を送りつけ、多くの審査請求を内容審査に入らず「却下」(門前払い)とする不当な扱いを行ってきました。
 一揆の会は、その後、4年間にわたって、この審査請求妨害に抗議し、いやがらせに屈せず審査請求を出し続けてきました。今年は、ここ六年間で最多の809件の請求提出となりました。
 本年八月に府審査会に対し、従来の差別的かつ不当な扱いを中止し、速やかな内容審査を行うようを求めてきました。
 一律の「お尋ね文」は中止
 その結果、今年は従来のような一律の「お尋ね文」送付は行わず、大半の審査請求は、処分庁の弁明書が送られ、内容審査に入ることなっています。
 一律「お尋ね文」送付・門前払いを許さなかったことは、四年越しのたたかいの成果といえます。
 12月4日には、府審査会に対し、口頭意見陳述の申立てを行うとともに①速やかに誠実な審査を行うこと②口頭意見陳述への委員出席 などを申入れました。


解説

大阪府介護保険審査会の審査請求妨害とのたたかい

 「介護保険審査会」は、被保険者の救済機関であり、審査請求された案件について、処分を行った市町村等に事実確認を行った上で、法律や条例にもとづいて正しく処分されているかどうかを審理し、裁決する機関である。
ところが、大阪府介護保険審査会は、介護保険料に怒る一揆の会が毎年大規模な集団不服審査請求運動を取組むようになるとその姿勢を変えてきた。
口頭意見陳述に審査会委員が出てこなくなる
まず、口頭意見陳述である。 2000年~2002年度までは、審査会委員が全員出席して口頭意見陳述を行ってきた。意見陳述する人の中には、審査会委員に「私たちの訴えをどう思うか、答えろ!」と詰め寄る場面もあった。ところが、これに懲りたのか、2003年度から「委員は出席せず、職員が聴取する。その代わり意見陳述内容をテープ起こしして文章化する」という対応に変えてきた。一揆の会の高齢者たちは、「意見も聞かないのは審査会員としての職務放棄だ」「委員は出てこい!」と毎年抗議しているが改まっていない。
審査請求者にいやがらせ、門前払い
 さらに、2009年度からは、不服審査請求を行った人に対し、「お尋ね文」なるものを送りつけるようになった。審査請求の「趣旨」が「保険料」なのか「介護保険制度」なのか回答させ、介護保険制度ならば「審査の対象外」の不適法な審査請求なので、内容審査に入らず門前払い(却下)にするというのである。形式的にも内容的にも適法な不服審査請求書に対しイチャモンをつけ、介護保険制度に文句を言う者は門前払いにするという違法な行為である。
厚労省官僚が直接指揮
 当時の大阪府知事は、「大阪維新の会」の橋下徹で、大阪府の福祉施策はことごとく切り捨ての対象となっていた。この大阪府介護保険審査会の動きも当時の橋下府政の動きと関連するものであった。さらに、当時の大阪府の介護保険審査会事務局の担当課(介護支援課)の課長は、厚生労働省から「派遣」された熊木正人という人物で、介護保険制度開始時に介護保険料の制度設計を手掛けた人間である。
審査請求をした人に、文書を送りつけて威嚇する手法は、すでに2001年に東京都の介護保険審査会がやっていた。東京都では、審査請求を出した人に、どういう意図で審査請求をしたのか、という「釈明書」を求める文書を書留郵便で送りつけた。「気軽」に審査請求を出した高齢者は、東京都庁からいきなり送られたいかめしい文書に動揺した人も多かったという。厚労省から来た熊木課長はこの東京都方式で、大阪の介護保険料一揆の会と不服審査請求運動を潰そうとしたのである。
妨害許さず、門前払いを中止させる 
 しかし、大阪ではこれに負けなかった。審査会事務局に抗議を行い、様々な申し入れと交渉を重ねながら、いくら門前払いになっても毎年審査請求を出し続けた。「制度問題は審査対象としない」という審査会事務局に対し、審査請求の書き方をより具体的にするなど工夫もし、弁明書が届かなくても多くの人が「口頭意見陳述申立書」を提出し、その場で介護保険審査会に抗議するなど、さまざまな取り組みをおこなってきた。2010年度は460件に落ち込んだものの、その後は、毎年審査請求者を増やしながら2013年度は再び809件まで盛り返した。この審査請求者の多くは後期高齢者医療保険料や国民健康保険料にも同時に審査請求を行っている。2009年度は、審査請求のうち9割が「却下」にされ、弁明書も内容審査もなかったが、抗議と交渉を繰り返す中で、2012年度は、4割近くは、却下にならず内容審査まで持ち込めるところまで回復させた。
 そして、2013年12月4日の申し入れの場で、審査会事務局は「一律のお尋ね文は送付しない」ことを確認、「幅広く本案審査の対象をとらえる」と明言し、門前払い策動に終止符を打ったのである。
 いやがらせや脅しには屈せず、断固としてしつこく闘う。ねばった方が勝ちである。
Category: 介護保険料

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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