2014/04/30 Wed
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。

その⑤ 介護保険料 低所得者軽減への公費投入 法的縛りはないが、国の決めたこと以上は「望ましくない」の繰り返し

 今回の介護保険見直しに関連する法改正案の中で、唯一「改善」の側面もある低所得者の介護保険料軽減への公費投入。
 これまで、「高齢者の助け合い」として、第1号介護保険料については、低所得者層を軽減すればその分を他の高齢者の介護保険料負担を増やすという仕組みであった。そのため、国基準では、非課税世帯で年金が80万円以下しかない人(第2段階)でも、基準額の5割しか軽減されなかった。
 国民健康保険が、低所得者の法定軽減を公費で行い、最大7割軽減していることと比べても、大きな違いがあった。
 これを今回の見直しで、はじめて「公費による低所得者軽減」を制度化し、最大7割の軽減とし、これまでとの差について公費と投入する仕組みとした。ただし、これは消費税増税の低所得者対策の一環でもあり、財源も消費税増税分を活用という代物である。
 法改正案は、
介護保険法124条の2(新設) 第1項
(市町村の特別会計への繰り入れ等)
 市町村は、政令で定めるところにより、一般会計から、所得の少ない者について条例の定めるところにより行う保険料の減額賦課に基づき第1号被保険者に係る保険料につき減額した額の総額を基礎として政令で定めるところにより算定した額を介護保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。

 と、市町村に対しても、その分を一般会計から介護保険特別会計へ繰り入れることを義務化するものであった。

 そこで厚労省への事前質問
①新法案142条の規定により、低所得者保険料軽減の財源を公費(一般財源)で補てんする仕組みが新たに導入されたが、従来の「減免3原則」の見直しは行わないのか

 厚労省老健局介護保険計画課の回答は
回答)今回の制度改正により、保険料軽減に必要な財源を一般会計から介護保険特別会計へ繰り入れることになるが、条文上繰り入れの範囲を低所得者の保険料を軽減するため基準に従って算定した額とされており、軽減の対象者や幅は政令で定めるとしており、いたずらに繰り入れを行うものではない。制度上予定されている繰り入れ以外は、今後も引き続き想定されていない旨を市町村に周知したいと考えている。

政令で定める基準による引き下げ幅や対象への繰り入れは義務化するが、それ以上は、「いたずらに」してほしくない、という勝手なものであった。

 質疑応答でさらに突っ込む。
質問)改正法案142条は国保法と同じ規定内容の条文となったが、減免3原則の趣旨からすると、3原則は「減免財源はあくまで高齢者の助け合いの中でおこなうべき」というものであるが、今回の改正法案はその助け合いの他に低所得者軽減の財源を一般会計から持ってくるということで一歩踏み出した規定になっている。それでも減免3原則の文章表現は一言一句変わらないのか。

しかし、回答は
回答)3原則は今後も守っていくべきもの。今回の法改正でも一般会計からの繰り入れいたずらに認めて行くというものでなく、あくまで軽減幅とか対象者は政令で定めることになるのでそれに限定した範囲内でやっていただくといこうこと。それ以外の独自で一般会計から繰り入れるというのは厚労省としては望ましくないと考えている。これについては改めて市町村に周知をしていきたいと考えている。
という勝手なものであった。

 従来の厚労省の「減免3原則」の三つめは
③ 「保険料財源」(保険料減免に対する一般財源の繰入を行わないこと)
 介護保険の費用は、高齢者の保険料が原則21%、市町村の一般財源が12.5%というように、それぞれ負担割合が決められている。このうち、高齢者の保険料は、高齢者の方にも助け合いに加わっていただくために、支払っていただいているものであり、それを減免し、その分を定められた負担割合を超えて他に転嫁することは、助け合いの精神を否定することになる。したがって、低所得者へ特に配慮する場合には、高齢者の保険料で負担すべきものと定められた枠の中で、被保険者の負担能力に応じた保険料額とすることにより、対応すべきである。

 というもので、軽減する場合は「高齢者の保険料で負担すべき」という表現である。今回の法改正案は、これを踏み越えて、低所得者軽減の財源の一部を「他に転嫁」するものである。
 この矛盾には一切答えないで、「これ以上は望ましくない」の1点張りである。状況が変わっているので、一つ覚えのように「望ましくない」を繰り返すだけであった。こういうのを、筋の通らないわがままという。

次の事前質問は、新たな国基準の7割軽減を自治体独自で9割軽減にして、低所得者の保険料を基準額の0.1にしてもよいか、というもの。 
②低所得者のさらなる軽減(例えば第1・2段階を基準額の0.1以下にする)等の措置を独自で行うことは可能か

これは、厚労省はあっさりと
回答) 独自で行うことは可能である。現行の制度でも低所得者層に配慮し市町村において各段階の割合を変更することは可能であり、今後も引き続き可能である。

 やりとりの中では、一時、その独自軽減分について公費を投入しても構わないと、応えたが、結局このようになった。【質疑応答】
質問)低所得者のさらなる軽減、0.1にしてその分の財源を保険料財源でなく、市町村の一般会計から繰り入れるということは可能ということでよいか。
回答)課税層と非課税層とのバランスをとっていただくのはあくまで保険料財源でと考えている。政令で定めた軽減幅については公費負担できるが、それを超えるのは望ましくないということである。

最後に一押しで質問
質問)地方自治法上も地方財政法上も一般財源を特別会計へ繰り入れることは禁止していないので法的には可能である。厚労省としては「望ましくない」という希望を言っているだけと解釈するがそれでよいか。

厚労省は
回答)法的なしばりはないが、厚労省としては趣旨を鑑みて対応して行きたい。

 結局、基準を超えての一般会計からの繰り入れによる保険料軽減は、「法的なしばりがない」ことは認めるが、厚労省としては「望ましくない」ので、それを周知したい、という、最後まで身勝手なものだった。

(つづく)

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Category: 介護保険見直し
2014/04/29 Tue
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。


 その④ お気楽厚労省! 特別養護老人ホームの重点化(要介護1,2の入所シャットアウト)

 厚労省が、今年3月25日に4年ぶりに「公表」した「特別養護入所申込み者数」。集計が各都道府県バラバラで不正確な上に、待機者52万人の半数を占める「在宅以外」の内訳が今回公表されなかったので、質問しておいた

事前質問
1)本年3月25日に厚生労働省が公表した特別養護老人ホーム入所申込者の状況について
①「在宅以外」の26万人の内訳について詳細資料を示していただきたい


厚労省老健局高齢者支援課の回答
回答) 特別養護老人ホーム入所申込者で「在宅でない人」263,754人
内訳は、 医療機関61,710人、 介護療養型医療施設9,301人、介護老人保健施設89,561人、 養護老人ホーム2,825人、軽費老人ホーム3,627人、グループホーム 19,691人、 有料老人ホーム 9,538人 その他 67,501人 である。

 そして、「提供資料」として「要介護度別、入院、入所施設等 内訳表」もくれた。
問題は、「その他」である。説明書きによると    
※「その他」には、「現在の入院、入所施設等」の内訳を全く把握していない都府県(秋田県、東京都、三重県、京都府、大阪府、高知県、佐賀県、沖縄県)等の人数を含む。
 大阪府を含めこれらの都府県は、在宅にいないが、どこにいるかを把握すらしていないというのである。無責任行政の典型である。

さらに事前質問では
②公表資料は、都道府県によって集計基準が異なり、大阪府などに至っては要介護別に把握できていないが、今後、正確なデータを集計・公表する予定はないか

厚労省回答は
回答) 入所申込者の実態について正確に把握したものになっていないというご指摘はもっともだが、各都道府県によってやり方がバラバラだが、これに基づいて都道府県は介護保険事業支援計画を作っている。
厚生労働省で、 特例入所の指針を検討していくが、その際に都道府県の計画をどのように定めているか、どのような実態になっているか、ということを考慮しながら作成していくことにしている。

 バラバラで不正確なことはみとめながら、各都道府県がこれで計画をつくっているので…という開き直り解答である。

質疑応答でさらに突っ込んでみた。

質問)入所申込者の実態調査については、特例入所の指針を作成する時に再度調査を行うということなのか。

回答)今の段階では再度調査をするということは考えていない。今の段階で出していただいたデータということ集計が終わっている。夏以降に指針を作っていく際には、各自治体で特養入所の必要な人のデータのとり方に差があることが今回わかったのでそれを踏まえて打ち合わせをやっていくということである。
 ようするに、今後も、正確な待機者調査はする気なし、ということである。正確な調査もなく、よくもさっさと、「特養入所者の重点化」(要介護1,2の入所シャットアウト)を決めたものである。
 介護地獄、高い介護費用による介護貧乏、介護破産、さらに介護殺人、介護心中、介護退職などなど、介護をめぐる悲劇が日本を覆っている時に、特養入所待機者52万人というたった4年で10万人も増えた実態を分かっていながら、このお気楽さ!  

申し訳程度に厚労省が言っている救済措置についての事前質問
2)重点化にともなう特例措置、経過措置について
 ①要介護1,2の「やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難」の内容について、同資料232頁に例示があるが、具体的内容はどのようなものか


厚労省の回答
回答)まだ決まっていない。厚労省として参考として例にあげているものは、
・知的障害・精神障害等も伴って地域で生活を続けることが困難な方、・家族等による虐待が深刻で、心身の安全安心の確保が不可欠な方、・認知症で常時見守りや介護が必要な方、・家族によるサポートが期待できない方 である。今後市町村と相談しながら夏以降示したい。


市町村の関与とは? 事前質問
②「市町村の適切な関与」(同資料231頁)とは具体的にどのような入所決定の仕組みを想定しているのか

厚労省回答
回答)市町村と相談できていないが、施設の入所決定委員会に市町村職員が参画することなどいろいろな形が考えられるが自治体の人員のこともあり、毎回委員会に参加するのもむつかしいこともあるので市町村と相談して今後も検討したい。
どだい無理なことを言い出して、できないのは市町村の体制のせい、とでも言うのであろうか

現入所者の経過措置について事前質問
③要介護1,2の既入所者及び制度見直し後に要介護1,2に改善した人については「経過措置を置く」(同資料231頁)とあるが、どの程度の期間を想定しているのか
厚労省回答
回答) 基本的に今入所している方、制度見直し後に改善した方については、このまま入所していただくことである。

念押しに聞いて見た
質問)すでに入所している人は基本的にそのまま入所可能と回答されたが、経過措置には5年とか10年とか期間がある場合が多いが、「期間なし」の経過措置という解釈でよいのか。
回答)特段の時期を限るということは考えていない。

今後入所する人はどうなる?
事前質問
④制度見直し後の入所者で要介護1,2に改善した場合は、「やむを得ない事情」がある場合は、「特例的に継続入所を認める」(同資料231頁)とあるが、これは新規入所の場合と同等の要件を想定しているのか。なお、この場合は「市町村の関与」はないのか

厚労省回答
回答)今後の指針で検討していくが、市町村の関与は、今まで施設に入所していた人なので、施設である程度その人の詳しい情報を把握しているので、施設の判断を尊重するということもあり得ると思う。 今年夏以降の市町村との打ち合わせで検討する。


すべて、夏以降、市町村と相談してから というこれまたお気楽な回答に終始した。

(つづく)
Category: 介護保険見直し
2014/04/29 Tue
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。

その③ 補足給付の見直しについて 極悪非道な改悪

 非課税世帯の介護保険施設入所者(短期入所を含む)の部屋代・食事代を補助する「補足給付」は、低所得者にとっては「命の綱」のような制度である。これを今回の見直しでは、預貯金、配偶者、非課税年金など様々な要件を新たに持ち込み、切り縮めようとしている。

事前に出しておいた質問
(1)見直しに伴う新たな「要件」について
①金融機関への預貯金の照会は「必要に応じ」(同資料93頁)としているがどの程度を想定しているか



厚労省老健局介護保険計画課の回答は
回答)現在の市町村の介護保険担当課の体制を考えると補足給付の申請すべてについて預貯金照会は困難と考える。また、申請から支給決定まで相当な時間を要することにもなるので、金融機関への照会については、市町村が必要に応じて行う任意のものとする。サンプル調査とか不正受給が疑われる場合など特に必要が生じた場合にのみ調査を行うことがことで差し支えないと考えている。適正な申請へのインセンティブとしての効果を期待したものとして照会ができることを明確にしたものである。
 
 「預金1000万円以下」という新たな要件を持ち込んだものの、預貯金調査(金融機関への照会」は、サンプル程度で、やってもやらなくてもよい、との返答である。

 ここでも「市町村の事務負担」に配慮した厚生労働省であるが、もし、「不正申告」があった場合は、きわめて厳しい「2倍返し」のペナルティを課した。現行介護保険法では、事業者が不正請求した場合、4割の加算金が求められるが、2倍返しとはあまりにも低所得の利用者敵視ではないか。
 
事前質問
②不正受給の場合、給付額返還に加えて、「2倍の加算金」(法案22条)とされているが、他に例を見ない「2倍返し」とした理由はなぜか

厚労省老健局介護保険計画課の回答は
回答)今回の法改正では、有する預貯金が一定額を上回る場合は支給しないとしている。預貯金額については、現状では口座情報を一元的に把握する仕組みがないので、市町村は自己申告に基づいて預貯金を確認せざるをえない。 偽りの申告によって補足給付を受給するという不正が生じる可能性があるので、適正な申告を担保する仕組みを設ける必要がある。
このため不正受給に対するペナルティとして、給付した額に加えて最大2倍の加算金を貸すことができる仕組みとした。例を見ないとあるが、雇用保険法では2倍の加算金について規定されている。


 市町村が、預貯金額を確認できないので、もし、不正があったら、「2倍の加算金」という重罰を制度化することによって、低所得の施設入所者を脅しつけようという魂胆か。この発想が恐ろしい。しかも、「例を見ない『倍返し』」といっているのは介護保険制度の中での話をしているのに、「雇用保険」を持ち出す、厚かましさにはあきれるばかりである。 どうして不正事業者は「4割加算」で、低所得の施設入所者は「2倍の加算金」となるのか、全く説明がない。


 さらに今回、別世帯でも「配偶者」が住民税課税であれば対象外とされた。
 これについての事前質問は
③配偶者の有無及びその課税状況についての確認方法は具体的にどのように行うのか

厚労省老健局介護保険計画課の回答は
回答)同一世帯に配偶者が居て施設入所により世帯分離した場合は住民基本台帳を確認することで把握可能と考えるが、把握できない場合もあるので、受給申請の際に配偶者の有無についても記載いただくことが基本になると考えている。配偶者の所得の状況が給付の条件として追加されるので、必要に応じ戸籍情報の照会をかけて所得が把握できるように厚労省として、 法務省等とも調整して進めたいと考えている。
 
必要に応じ市町村が確認できるように、調整するという念の入れようである。

 ところで、別世帯の配偶者が、住民税課税というのは、年金では年間155万円超、月で12.9万円ほどのわずかな収入の人でも当てはまる。
 事前質問
④住民税が課税となるのは年金収入「155万円超」であるが、別居で生計も別な配偶者が、この程度の収入で、施設入所者の居住費・食費を負担できると考える根拠は何か

厚労省回答は
回答)現に世帯課税の人には補足給付は支給していない。それと同じと考えると 必ずしも負担できないとは考えていない。

 同一世帯ではない。生計も別で、世帯も別になっている人のことを聞いているのだ。そこで、質疑応答で突っ込んでみた。
※質問)生計も住居も別になっている配偶者がわずか月額13万円の収入の人が、施設入所している配偶者の食費部屋代まで全額負担することが可能か。在宅で夫婦二人で同居していて一人3食1380円という食費、一人の居室代が月6万円以上などというのはあり得ない。
厚労省は
回答)現段階でも住民票を移していなければ世帯課税で補足給付は支給されない。一方で世帯分離すると補足給付されるという不公平があるので、こうした扱いにした。
と開き直りの返答を繰り返すのみ。

 さらに、今回、補足給付の段階区分にあたって、他での問題にしない非課税年金(遺族年金・障害年金)も算入するという措置をとった、これについて事前質問
⑤非課税年金について、第2段階・第3段階判定の際に年金収入額に含めるために、「情報提供を可能とする仕組みを設ける」(同資料93頁)とあるが、この非課税年金額の扱いは、今後も補足給付に限定したものか(高額介護サービス費の限度額・介護保険料の所得段階には関係することはないか)

厚労省の回答は
回答)保険料につきましては禁止規定があり、勘案は禁じられているので、保険料はについては今後も適用することはない。
高額介護サービス費は給付なので、非課税年金勘案はできるとは思う。今回、補足給付について、非課税年金を勘案したのは、補足給付が、経過的・福祉的性格であることから、実質的に負担能力の低い人に重点化する必要があることから、第2段階と第3段階の区分に非課税年金を勘案したのである。したがって、高額介護サービス費について、即影響があるとは今の段階では考えていない。

 なんと、介護保険料については、今後、適用することはない、と明言したが、高額介護サービス費については、やろうと思えばできるが、現段階では考えていない、ということである。これも中長期には、対象になりかねない。

補足給付の問題は
 ①介護保険制度では例を見ない「倍返し」規定による低所得の施設利用者の脅迫
 ②世帯分離しても「夫婦」の扶助責任を問う
 ③非課税年金まで問題にする
 という、これまでにない、極悪非道な改悪内容が含まれていること、レクチャ―では、これについて、平然と答弁する厚労省担当者の態度に、危機感を覚えた。

(つづく)

 
Category: 介護保険見直し
2014/04/28 Mon
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。大半が「法案成立以降に」「今後検討」「夏以降お示しする」といったものが多かったが、厚労省が見直しを決めた「根拠」や見直し後の運用についていくつか明らかになった。


その② 利用者負担引上げ 何の救済策も対策もなし

事前の質問
 2割負担とする基準は「合計所得160万円以上」(同資料91頁)とし、毎年6月に行う保険料段階区分と同時期に、前年所得により自動的に負担区分割合(1割又は2割)をシステムにより判定」「毎年8月から7月まで有効な書面を発行する」(同資料102頁)としているが
①合計所得は総所得と異なり繰越控除・特別控除の適用前の金額であり、居住用財産を買い替えた翌年などは急上昇するという不利益はどうするのか


厚労省老健局介護保険計画課の回答は
回答)合計所得を用いることで、例えば前年に家を売ってそれを使ってしまっても合計所得額が大きくなるという問題が起きることはは認識している。ただ、現在、保険料でも合計所得金額を用いており、総所得や旧ただし書き所得などを用いると、再計算が必要になり、保険者の事務負担が増大してしまう。合計所得によって、そうした影響を受ける方はごくわずかだと考えており、合計所得金額を用いると判断した。
 
 これは、介護保険料段階決定と同じ理屈。高齢者の負担よりも、市町村(保険者)の事務負担に配慮するという発想である。役所が楽をしたいがために、少数の人々が不利益をこうむっても構わないというサイテーな発想である。

さらに事前質問では
②前年所得より当年度の所得が著しく減少している場合などの軽減措置は予定しているか
③夫婦世帯で、一人が所得160万円以上で、もう一人が無収入である場合や夫婦二人とも多額の介護費用等が発生している人などに対する救済措置は予定しているのか


厚労省回答
②③
回答)具体的なことは法案成立後 政令事項を検討する過程で検討することとなる。仮に前年度より所得が減少している人を軽減する基準を市町村判断とすると市町村によって差がでてしまい、不公平な利用者負担となってしまう。また、様々な個別の要素を勘案すると市町村の事務負担が増えるので、全国一律基準が適当と考えている。
 
 
 何をこの連中は言っているのか。

質疑応答でさらに突っ込んでみた
※質問)65歳以上でも、働いていて脳梗塞などで倒れて要介護4とか5になる人もいる。働いていたので前年所得が大きくても、現在は収入ゼロ、こんな場合でも前年所得が160万円以上なので2割負担になる。収入減少の場合の減額などは制度化しないのか
回答)現行でも利用者負担減免がある。災害・失業などで著しく収入が減った場合の減免があるので特段の事情がある場合は、適用されるものと考えている。


 法定の利用者負担減免など、実際は災害時くらいしか運用されていない。
 国が新たに利用者負担を 所得により 1割 と 2割 の2段階に分けるなら、「前年合計所得」方式による不利益を是正するくらいの規定は考えるべきであろう。それを、制度開始時に申し訳程度に規定した「利用者負担減免」があるからそれでいい、とする。おさぼり役人の典型ではないか。

さらに質問
※質問)現行の減免は特別な事情がある場合だが、負担割合の減免ではない。規定は整備するのか。

回答)2割を1割にするという規定はおかないが、現段階でも減免規定があるので、特別な事情があれば、市町村が負担能力などを見て対応をするというのは可能と思う。

国は何にもしないが、市町村が対応するから行けるだろう、というお気楽答弁。その市町村も多くが何もしなかったのがこの間の利用者負担をめぐる経過ではないか!
 
さらに質問した
※質問)前年所得があっても、今年は国民年金だけになった場合などの扱いについては、対象とするのか。これまでの減免規定は、厚生年金の収入がある場合は減免の対象とは認めていないが。
回答)意見として承る。検討中なのでその中で検討することになる。
 ご意見として聞くということか。社交辞令でなく、ホントに検討してほしいものである。

さらに、実務運用について質問。同じ被保険者でも「1割」の人と「2割」の人がでてくるので、それは全員の介護保険被保険者証に記載するのか。別の「自己負担割合証明証」を毎年配るのか、という少し細かい質問 
※質問)負担割合を証する書面はどのようなものか。被保険者証に記載も可能とあるが、これも市町村が任意で決めるのか

厚労省の回答
回答)事務負担とか費用対効果を考慮すると被保険者証と別な書類に記載する方向で検討している。全員に発行するかどうかについては、実際必要とされるのは介護サービスを利用する人になるので、その人々に発行して行けば足りるのではないかと考えている。
 ここでも、市町村の事務負担ばかり。この方法だと、高い介護保険料を払っている高齢者は、要介護認定を受けて利用してみないと自分は1割負担なのか、2割負担なのか、分からないことになる。市町村はシステム上、全被保険者の介護保険料を決定すると同時に自動で、1割負担者と2割負担者の区分ができるのに、利用者にしか「負担証」を発行しなくてもよい、という立場である。
 だいたい、「保険」に入って、保険料を徴収されているのに、いざ、その人が要介護状態になったとき、1割負担か2割負担かも分からない状態でもよい、とする 発想が間違っている。

さらに、今回の2割負担導入は、65歳以上だけに限定されている問題。新たな65歳問題について事前質問
(4)この2割負担への変更は、第1号被保険者のみ(改正法案第49条の2ほか)とされ、「高齢者世代内の負担の公平化を図る」(同資料91頁)とされているが
 ○65歳年齢到達により、介護保険料が急上昇した上に、利用者負担が倍加するという二重の負担増について納得が得られると考えるか


厚労省回答は
回答)今回の改正趣旨は高齢者の世代内の負担の公平化を図ることになるので、2号被保険者については、2割負担を導入することは理解得られないと考えている。 また、2号被保険者は子にかかる支出があったり、就労していた場合それにかかる所得がある場合等があり、1号被保険者との違いがあるので、 整合がつくのではないかと考えている。

まさに勝手な理屈である。

以下質問と回答

(5)一定以上所得者の高額介護サービス費の限度額見直しについて
 ○対象となる利用者の人数及び負担増の見込みを具体的に明らかにされたい

回答) 高額介護サービス費の負担上限については、要介護状態が長期になることから、基本的には据え置くが、とくに所得が高い人について 負担上限額を見直すことは公平の観点から必要と考えている。現行の高額医療介護合算制度での所得区分と同等の条件をつけて医療保険と同じ上限額に見直すことにした。
対象人数は、現役並み所得者は、後期高齢者 7%程度、第1号被保険者の7%とした場合は210万人くらい。 受給者数に換算して実際に月額上限額444000円以上使う人はごくごくわずかだと考えている。


(6)利用者負担引上げで影響を受ける利用者数(居宅、施設別及び要介護度別)と財政影響額について明らかにされたい
回答)要介護者の所得分布は全高齢者の所得分布と比較しては低いので 全被保険者の上位20%の基準を設定したとしても、在宅サービス利用者の15% 特養で5%、老健で12%と推定される。平成24年度受給者は居宅サービスで338万人だったので、15%として、50.7万人。 施設は特養46.5万人の5%、老健は33.6万人の7%となる。
 財政影響金額については、第6期で推計すると、給付費で740億円くらい。 保険料で320億円、公費で420億円、1号保険料一人当たり影響額は39円程度となる。


(7)自治体の判断で、利用者負担を据え置く、または 引上げ対象の所得金額を変更するなどの独自の利用者負担軽減措置は可能と考えるが、厚生労働省の見解について明らかにされたい
回答) 利用者負担の引き上げは「できる規定」でないので 保険者独自では据え置くことはできない。また、2割負担となる者を所得などを勘案せず1割にするという独自減免は厚労省としては不適切と考えている。ただ、利用者負担の減免を地域の実情に応じてサービス負担を軽減していることは知っているのでこうしたものまで厚労省として禁じるものではない。
 つごうのよい時は「市町村任せ」だが、こういう問題になると、市町村独自軽減は不適切。じつにご都合主義である。

(つづく)



Category: 介護保険見直し
2014/04/27 Sun
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。大半が「法案成立以降に」「今後検討」「夏以降お示しする」といったものが多かったが、厚労省が見直しを決めた「根拠」や見直し後の運用についていくつか明らかになった。
 14厚労省レクチャ
 4月25日参議院議員会館


その① 利用者負担割合引上げ問題
 調査一切なしで「負担可能だ」と強弁する厚労省

事前に出していや質問は
1. 利用者負担の見直しについて
(1)所得により利用者負担を2割にすることについて、「サービスの利用控えが起きる」という懸念があるなど、社会保障審議会介護保険部会でもさまざまな意見がだされている。
①厚生労働省としては「一部の意見」をどのように受け止めているのか
②利用控えが起きることについての厚生労働省の認識とその「対策」についてどのように考えているか


厚労省老健局介護保険計画課の回答は
①②
回答)利用者負担が2割になる一定以上の所得者の基準については合計所得160万円以上と考えている。
これは、収入の基準と高齢者の平均的消費支出を比較すると、一定の 余裕があるので、必要な介護サービスを利用することは可能と考えている。また、高額介護サービス費により、自己負担には上限額があるので、重度の方を中心に2倍になるわけではないということをご理解いただきたい。

 というものであった。

 所得160万円となる「収入」は、年金280万円である。(合計所得160万円+公的年金等控除120万円)
 厚労省はこれから、統計資料(無職高齢者単身世帯)での、平均消費支出が、170万円 という数字をひっぱてきて、
  280万円 - (税・保険料 45万円 + 平均消費支出 170万円) = 65万円 →これが余裕 
 という 「机上の計算」を行って、年金280万円の高齢者は、毎年65万円も 生活に余裕がある、と断定したのである。
 懸念される「利用控え」もまったく聞く耳持たず、「対策」も皆無 という 官僚答弁であった。

さらにこれについて次の質問で
(2)2割負担とする所得の基準について、「政令事項であり、法律成立後に定める」(平成26年2月25日全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料91頁)としているが
①利用者の費用負担の実態調査及び広く意見を聞く機会を設ける予定はあるのか


 厚労省としての利用者負担実態調査や利用者家族のなどの意見を聞くのか問うたが、

厚労省の回答は
回答)政令の閣議決定がなされる前にはパブリックコメントを実施する予定である。実態調査については、統計調査での高齢者の平均的消費支出との比較で基準収入は余裕があるという数字が出ており、負担可能と考えているので予定はしていない。

 パブリックコメントは行うが、2割負担にしても負担可能かどうかの、実態調査については予定なしで、「余裕がある」「負担可能と考えている」の1点張りである。

②政令改定は具体的にいつ頃を想定しているのか
回答)政令は、遅くとも年度内には閣議決定がなされることになる。
 という回答。

ならば、まだ時間があるのだから、調査をしてもよさそうなので、質疑応答で私から、
※質問)「パブリックコメントはするが実態調査はしないということか」と聞いたが、
厚労省回答)「そのとおり」

とまったく調査・実態把握をする気はなしである。こんなことで2割負担を導入してもよいのか。

 (つづく)
Category: 介護保険見直し
2014/04/27 Sun
 日本弁護士連合会が、介護保険見直し法案に反対する意見書を提出した。
 さすがは、法律の専門家である。介護保険改悪の主要な内容に対し、きっぱりと問題点を指摘されている。
 さあ、厚労省の官僚ども、しっかり読みたまえ!

日本弁護士連合会 意見書
「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」における介護保険体制に関する意見書

本意見書について

当連合会は、2014年4月24日付けで「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」における介護保険体制に関する意見書」を取りまとめ、厚生労働大臣、各政党代表、衆議院議長、参議院議長に提出いたしました。
本意見書の趣旨
1 「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」における、「地域包括ケアシステム」の構築に当たっては、憲法第25条に基づき、最期まで住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる医療・介護提供体制を国及び地方自治体の公的責任で実現すべきであり、「共助」の名の下に、公的責任で実施すべき施策を後退させ、これを地域住民の互助によって補うようなことになってはならない。
2 「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」における、介護保険法の改正について、以下のとおりの対応を求める。
(1) 介護予防サービスのうち、介護予防訪問介護と介護予防通所介護を市町村が実施する地域支援事業に移行すべきではなく、全国一律に保障されるサービスとして維持すべきである。
(2) 介護老人福祉施設等に係る給付対象を、原則として要介護度3以上に限定することについては、それに代わる質の確保された居住施策が完備するまでは、慎重に対応すべきである。
(3) 介護給付及び予防給付について、一定以上の所得を有する被保険者(年金収入280万円以上)に係る利用者負担の割合を、引き上げるべきではない。
(4) 低所得の施設入所者に対する居住費・食費負担軽減制度(補足給付)の要件を見直し、資産要件(貯金1000万円以上)を新設することについては、慎重に対応すべきである


日本弁護士連合会 意見書全文


Category: 介護保険見直し
2014/04/26 Sat

堺市老人介護者(家族)の会 会報記事「『介護崩壊とは』」(佐々木紫朗氏投稿)に対する書き込みについて

書き込み2

書き込み1


はじめに
 「堺市老人介護者(家族)の会」の会報(平成26年3月号)に、素晴らしい一文が掲載されている。書かれた佐々木紫朗氏は95歳。重度の要介護者本人であり、その直後に亡くなられたので、結果的に佐々木氏の「最後のメッセージ」となった。箇条書きのコンパクトな記事であるが、介護をめぐる深刻な状況を指摘しながら、「このままでは介護施策の崩壊」と警鐘を鳴らされ、一連の介護保険制度見直しの動きについても適格な批判をされている。
 ところは、この記事について、どこからか「クレーム」がつき、同会の中でこの記事に「書き込み」をしたコピーが出回っている。看過できないのでコメントすることにした。

1 書き込み者について
 誰が、どのような経過で書かれた「書き込み」なのかは不明であるが、介護保険制度改正案の内容を具体的に書いていることや、書き方のトーンからみておそらくは行政(堺市)の職員と思われる。また、「誤解と思われることは多々あります」と記載されているように、佐々木紫朗氏の論旨に批判的な人物であると推察される。

2 「一 保険制度 ・政治の改定方向」に関する書き込みについて
これは、佐々木氏も「高齢者、家族に一番の負担を押し付ける最悪の案が検討された」と明記しているように、現在国会に提出されている見直し法案のことでなく、ここ数年の間に政府内(厚労省の社会保障審議会介護保険部会等)で検討された改定案を指している。書き込み者はこれにあえて、現在の見直し案を対置して、何ヶ所も「ちがい」を指摘した上に、「ここに書かれているものは以前に国で議論されたものと思われます」と記載している。佐々木氏の投稿記事のこの項は、これまでに「検討された最悪の案」を説明しているのであって、このような書き込み自体が的外れである。まず、記事の全体の流れを読んだ上で書き込むべきである。また、分かっていて書き込んだのであれば、こうした書き込みによって、佐々木氏の記事が「間違いだらけ」の誤解に基づくものであるかのような印象を読み手に与えることをねらった悪質なものと言わざるを得ない。
なお、この間政府内で数度にわたって検討された見直し案の内容は、今次改正法案に盛り込まれていないものも含めて、2025年を目標とする「中長期改革」では実施される可能性が高いものが高いものであり、決して「以前に国で議論された内容」(書き込み)といって忘れ去るわけにはいかないものである。

政府内でこの間検討された改悪案に関する佐々木氏の記載は正確なものである。
①「※年間所得200万円以上の利用者は利用負担1割から2割負担へ」。
 2010(平成22)年11月19日の第36回社会保障審議会介護保険部会資料(「制度見直し事項の財政影響試算」)で、「高所得者の自己負担引き上げ:▲110億円程度 第6段階の自己負担2割、高額介護サービス費の上限維持」と明記されている。当時国基準の第6段階とは「合計所得200万円以上」である。
②「※低所得者の居住費の軽減給付を厳しくする」
 これも上記資料に「補足給付の支給要件の厳格化:▲20億円程度 市町村が施設入所前世帯の所得などを支給要件に追加可能」と明記されたものである。介護保険施設入所の低所得者の部屋代・食事代を補助し軽減しているが、これを削減する案であった。
③「※ケアプラン作成の有料化」
 これも上記資料に「居宅介護支援の自己負担導入:▲90億円程度 居宅介護支援月1千円、介護予防支援月5百円の自己負担」と明記されたものである。さらに、昨年12月に社会保障審議会介護保険部会がまとめた「介護保険制度見直しに関する意見」でも「ケアマネジメントの利用者負担の導入」が今後の検討課題の一つにあげられており、決して過去の問題ではない。
④「※要支援、軽度の要介護者を保険給付の対象外とする」
 これは、2008(平成20)年5月の財務省の「財政制度等審議会」において、「介護保険制度について、抜本的な見直しをせざるを得ない状況にさしかかっている」との考えで一致し、軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額の試算を示し、介護保険見直しに向けた提言について検討されたものである。
 財政制度等審議会に提出された資料には「①要介護度が軽度の者を介護保険の対象外とした場合 介護給付費影響額▲約2兆900億円」と明記されている。
⑤「※施設の相部屋入居者から光熱費に続き、新たに部屋料を5000円徴収する」
 これは、第36回社会保障審議会介護保険部会資料で「多床室の室料負担の見直し:▲40億円程度 第4段階以上から3施設の多床室の室料月5千円を徴収」と明記されているものである。
⑥「介護危機の原因は公費抑制と公的責任放棄にある。制度改善には公費負担が不可欠である。国庫負担を1900億円から500億円程度激減したこと」
これは、介護人材の確保困難が社会問題となり。賃金改善を介護保険制度とは別枠財源で「介護職員処遇改善交付金」(賃上げ月1.5万円分、2009年10月~2012年3月))を全額国庫負担としておこなったにもかかわらず、2012年4月報酬改定で同交付金を廃止し、介護報酬の「処遇改善加算」に付け替えた際の国庫負担分削減のことである。
・「介護職員処遇改善交付金」は、全額国負担なので継続すれば単年度で1900億円国庫負担
・「介護報酬の処遇改善加算」の国負担分は25%なので、単年度で500億円程度の国庫負担ですむ。
書き込み者は、これについて「何を言われているか分かりません」などと臆面もなく記載しているが、自らの無知・不勉強をまず改めるべきであろう。
佐々木氏は、一言で表現されたが、後半できちんと「注 3%引上げや、処遇改善交付金等の若干の施策もあったが、2012年以降はかたちをかえてなくされようとしている」と注意書きをされている。
これらのことは、この間の介護職員の処遇改善をめぐる経過を知っているものであれば、誰でも分かることである。なお、上記介護保険部会資料にも「介護報酬プラス改定:500億円程度 +2%強の(1.5万円の介護職員処遇改善交付金相当)報酬改定」と明記されている。書き込み者は、過去の介護保険見直し案検討に関する資料もまともに読むことなく、佐々木氏の投稿にケチ付けをしている。

3 「二 介護制度の抜本的な改善を」及び「三 介護事業所の問題」の項について
 この項については、介護をめぐる深刻な状況について高齢者、要介護者・家族、そして介護事業所、介護労働者の問題を網羅して簡潔かつ的確に記載されておられ、正確なものである。書き込み者もこの項については一切異論を記載していない。

4「四 介護制度見直し法案」の項について
 この項については、ごく一部に不正確な部分はあるが、見直し法案に対する危惧については佐々木氏のご指摘は間違っていない。
 「・国民の声や運動の力で一部利用料の一割から二割への引上げなどは食い止めたが、保険主義がつらぬかれるため。
  ・介護の内容を減らすか、利用者の負担や保険料を増やす方向を目指している
  ・要支援で生活支援を受けていた人が『総合的生活支援サービス』と称して介護保険制度から外される
  ・市町村の都合で支援が受けられなくなる恐れがある。
  ・在宅での支援は生きるために欠かせない。」
 これについて、書き込み者は「合計所得金額160万円以上の人は2割に引き上げる案が示されている」「要支援者のサービスのうち、訪問介護と通所介護が、介護保険制度の中で予防給付から地域支援事業(新しい総合事業の介護予防・日常生活支援サービス)に移行する」と、より「正確」な表現を書き込んでいる。
 
 しかし、利用料2割負担問題は、平成22年の段階で「軽度者の自己負担の引き上げ:▲120億円程度 予防給付の自己負担2割」(同介護保険部会資料)という案が示された経過がある。これは所得に関係なく予防給付利用者(要支援者)全員を2割負担にする案である。そうした経過をよく知っている佐々木氏は、今回の一定所得以上者だけを2割負担とする見直し法案を「一部利用料の一割から二割への引上げなどは食い止めた」と表現されたのであろう。佐々木氏は「利用者に負担や保険料を増す方向を目指している」を続けて書かれておられ、利用者負担割合引上げが全面撤回されたとは認識されていないことは明らかである。

 要支援者のサービス見直し問題では、佐々木氏は「要支援で生活支援を受けていた人」と、主に訪問介護(ヘルパー)の生活援助サービスの利用者を念頭に置いて書かれているようである。そうであるならば言葉足らずであっても間違った表現ではない。
 
 佐々木氏の「介護保険制度から外される」という表現に対し、書き込み者は、「介護保険制度の中で、予防給付から地域支援事業…に移行する」と、強調している。地域支援事業もたしかに介護保険制度の一部ではあるが、「保険給付」ではない。今回の見直しは、これまで保険給付(予防給付)として全国一律の基準・単価であった訪問介護・通所介護の保険給付を廃止し、地域支援事業(市町村裁量)に移すものである。保険料を支払い、要介護・支援認定を受ければ法定の保険給付が受けられるという介護保険から外されることになる。佐々木氏に限らず、多くの方々が「要支援サービスの介護保険外し」と危惧をされているところである。
 書き込み者は、「介護保険制度の中」と強調しているが、要支援者の生活援助が保険給付から外されても、同じサービスが受けられるかどうか一切明らかにしていない。佐々木氏の「市町村の都合で支援が受けられなくなる恐れがある」との危惧にこそ応えるべきであろう。

「施設の相部屋代の制度化で低所得者が特養ホームからはじき出されようとしている」
 これについては、「相部屋の室料徴収」はたしかに、書き込み者が指摘するように今回の見直し法案にはない。しかし、以前にこの案が出された際も補足給付は、法律改正によらず、厚生労働省令改定によって変更することが可能とされており、「相部屋の室料徴収」制度化の可能性はゼロではない。
今回の見直し案が、低所得でも一定の預貯金保有者や、世帯分離しても配偶者が課税であれば、食費・部屋代補助(補足給付)の対象から外され、また、段階区分でも非課税年金(遺族年金・障害年金)まで算入するという、介護保険施設入所の低所得者をはじき出すような見直し案を示しているのは事実であり、佐々木氏の「低所得者が特養ホームからはじき出されようとしている」という危惧は現実になろうとしている。
 いずれにしても、介護保険見直しに関する法案(医療介護総合確保推進法案)が閣議決定されたのが、今年2月12日、自治体関係者に見直し案の全貌が明らかにされたのは2月25日の厚労省の全国担当課長会議資料であるから、行政関係者でも詳細を把握していない時期に書かれた佐々木氏の記事に、不正確な部分があったとしても止むを得ないであろう。

おわりに
 佐々木氏は、ご自身が重度の要介護者で、この会報が発行された今年3月末に永眠され、95年の生涯を閉じられた。この記事は、佐々木氏の「介護制度についての長年の思い」が込められたものである。
 私は、佐々木氏とは、1980年代の中ごろ初めてお会いした。佐々木氏が、戦時中に旧陸軍中野学校出身の「特高憲兵」として、国民を監視・弾圧する「軍務」につかれていたことを自ら告白され、堺市内で開かれた「国家機密法を裁く市民法廷」で「証言者」として登場されたことがきっかけである。その後、そうした「語り部」として国民の人権と民主主義のために活躍されていた。
年齢を重ね要介護状態となられたことは風の便りで知っていた。しかし、この会報を目にしたとき、短い箇条書きの記事ではあるが、介護制度について実に深く現状を分析され、「介護崩壊」の危機を憂い、政府の見直しの動きにも鋭い批判をされていることを初めて知った。介護保険制度の基本的な問題点と介護職員処遇改善問題の変遷、軽度者サービス見直しや利用者負担増案の経過についてこれだけ書ける方はめったにおられない。しかも佐々木氏は重度の要介護者で95歳だったという。私はこれだけのものを書かれた佐々木氏に深く感銘し、ぜひ、また一度お目にかかりたいと思っていたところに、亡くなられたという残念な情報に触れた。
そして、この「書き込み」である。書き込み者は、現時点の政府の見直し案を多少知っているだけで、介護保険制度の根本問題や見直し検討の経過についてもろくに調べもせず、的外れな指摘を多数行い、佐々木氏の記事が間違いだらけで「誤解」が「多々ある」ものであるかのような書き込みを行った。
佐々木氏の「長年の思い」の込められた、「遺書」であり「最後のメッセージ」というべき記事をこのように侮辱した書き込み者に対し、私は強い憤りを覚える。

「要支援を介護から外すな!必要なサービスを受けられるよう制度の抜本改善を!」
 私は、佐々木氏の記事にあるこの「最後の叫び」を受け継ぎ、微力をつくすことを誓い、志半ばに倒れられた佐々木氏への追悼としたい。 合掌

                 日下部雅喜 2014年4月26日
Category: 介護保険見直し
2014/04/25 Fri
 介護保険利用者の当事者団体のこの声は限りなく重い。
 認知症の人と家族の会が わずか2ヶ月間ほどで会員の6倍以上の署名を集め、厚労省へ提出された。

「介護の要支援外しに反対!!」 認知症の人と家族の会が6.4万人分の署名を提出

認知症家族の会署名提出
署名は厚労省の局長に提出された
 
 介護サービスの利用者団体「認知症の人と家族の会」は22日、国会で審議されている介護保険制度の改革を見直すよう求める要望書を、賛同する6万4344人分の署名とともに提出した。
 要望書では、要支援者に対するサービスを市町村の地域支援事業に移すことを、「要支援の介護保険外し」と非難。相対的に所得の高い利用者の自己負担を2割にすることや、特養の入居者を原則として要介護3以上にすることも、撤回して考え直すよう主張している。 
 署名は、2月中旬から今月21日までに集めたという。署名用紙では、要支援者向けのサービスの改革などを念頭に、「軽い認知症の人、初期の認知症の人が適切なサービスを受けられなくなる」と批判。「介護の社会化の表れとして介護保険の誕生を歓迎し、その充実を願ってきたが、いま、制度が後退するのではないかと案じている」と記載している。
Category: 介護保険見直し
2014/04/23 Wed
国会では医療介護改悪法案が審議中だが、私たちは、4月25日に厚生労働省に「説明」を求めている。

大阪社保協として厚生労働省に出した質問である。
しっかり答えていただくことを期待している。

 
   
4月25日レクでの介護保険制度改正問題に関する質問内容


1. 利用者負担の見直しについて

(1)所得により利用者負担を2割にすることについて、「サービスの利用控えが起きる」という懸念があるなど、社会保障審議会介護保険部会でもさまざまな意見がだされている。
①厚生労働省としては「一部の意見」をどのように受け止めているのか
②利用控えが起きることについての厚生労働省の認識とその「対策」についてどのように考えているか

(2)2割負担とする所得の基準について、「政令事項であり、法律成立後に定める」(平成26年2月25日全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料91頁)としているが
①利用者の費用負担の実態調査及び広く意見を聞く機会を設ける予定はあるのか
②政令改定は具体的にいつ頃を想定しているのか

(3)2割負担とする基準は「合計所得160万円以上」(同資料91頁)とし、毎年6月に行う保険料段階区分と同時期に、前年所得により自動的に負担区分割合(1割又は2割)をシステムにより判定」「毎年8月から7月まで有効な書面を発行する」(同資料102頁)としているが
①合計所得は総所得と異なり繰越控除・特別控除の適用前の金額であり、居住用財産を買い替えた翌年などは急上昇するという不利益はどうするのか
②前年所得より当年度の所得が著しく減少している場合などの軽減措置は予定しているか
③夫婦世帯で、一人が所得160万円以上で、もう一人が無収入である場合や夫婦二人とも多額の介護費用等が発生している人などに対する救済措置は予定しているのか

(4)この2割負担への変更は、第1号被保険者のみ(改正法案第49条の2ほか)とされ、「高齢者世代内の負担の公平化を図る」(同資料91頁)とされているが
 ○65歳年齢到達により、介護保険料が急上昇した上に、利用者負担が倍加するという二重の負担増について納得が得られると考えるか

(5)一定以上所得者の高額介護サービス費の限度額見直しについて
 ○対象となる利用者の人数及び負担増の見込みを具体的に明らかにされたい

(6)利用者負担引上げで影響を受ける利用者数(居宅、施設別及び要介護度別)と財政影響額について明らかにされたい

(7)自治体の判断で、利用者負担を据え置く、または 引上げ対象の所得金額を変更するなどの独自の利用者負担軽減措置は可能と考えるが、厚生労働省の見解について明らかにされたい
 
2補足給付の見直しについて

(1)見直しに伴う新たな「要件」について
①金融機関への預貯金の照会は「必要に応じ」(同資料93頁)としているがどの程度を想定しているか
②不正受給の場合、給付額返還に加えて、「2倍の加算金」(法案22条)とされているが、他に例を見ない「2倍返し」とした理由はなぜか
 ③配偶者の有無及びその課税状況についての確認方法は具体的にどのように行うのか
 ④住民税が課税となるのは年金収入「155万円超」であるが、別居で生計も別な配偶者が、この程度の収入で、施設入所者の居住費・食費を負担できると考える根拠は何か
 ⑤非課税年金について、第2段階・第3段階判定の際に年金収入額に含めるために、「情報提供を可能とする仕組みを設ける」(同資料93頁)とあるが、この非課税年金額の扱いは、今後も補足給付に限定したものか(高額介護サービス費の限度額・介護保険料の所得段階には関係することはないか)
 
3 特別養護老人ホームの重点化について

(1)本年3月25日に厚生労働省が公表した特別養護老人ホーム入所申込者の状況について
①「在宅以外」の26万人の内訳について詳細資料を示していただきたい
②公表資料は、都道府県によって集計基準が異なり、大阪府などに至っては要介護別に把握できていないが、今後、正確なデータを集計・公表する予定はないか

(2)重点化にともなう特例措置、経過措置について
 ①要介護1,2の「やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難」の内容について、同資料232頁に例示があるが、具体的内容はどのようなものか
 ②「市町村の適切な関与」(同資料231頁)とは具体的にどのような入所決定の仕組みを想定しているのか
 ③要介護1,2の既入所者及び制度見直し後に要介護1,2に改善した人については「経過措置を置く」(同資料231頁)とあるが、どの程度の期間を想定しているのか
 ④制度見直し後の入所者で要介護1,2に改善した場合は、「やむを得ない事情」がある場合は、「特例的に継続入所を認める」(同資料231頁)とあるが、これは新規入所の場合と同等の要件を想定しているのか。なお、この場合は「市町村の関与」はないのか

4 予防給付・総合事業

(1)「介護予防・日常生活支援サービス事業」の内容について「予防給付の訪問介護と通所介護から移行するサービスについては、国が基準を示すことを検討」(同資料378頁)とあるが、
①「訪問型サービス」(法案115条の45第1号にいう「第1号訪問事業」)について、「既存の訪問介護事業所による身体介護・生活援助の訪問介護」(同資料377頁)も含まれるとあるが、現行の介護予防訪問介護と同一の基準により提供されるサービスを指すのか
  ②「通所型サービス」(同法案同条にいう「第1号通所事業」)について「既存の通所介護事業所による機能訓練等の通所介護」も含まれるとあるが、現行の介護予防通所介護と同じ内容なのか。とくに機能訓練以外ではどのようなサービスを指すのか
 ③「生活支援サービス」((同法案同条項同号にいう「第1号生活支援事業」)について、「配食、見守り等」とあるが、訪問型サービスにおける「生活支援サービス」とどう区別されるのか
  ④これら「介護予防・日常生活支援サービス」のうち、とくに「専門サービス」については、「専門サービスにふさわしい単価」(同資料377頁)とあるが、具体的にはどのようなものか(既存の訪問介護、通所介護と同一基準のサービスを指し、事業単価も既存の予防給付の報酬の額を保障すると解釈してよいか)

(2)既存事業所以外の「住民主体の多様なサービス」について
①サービスの「質の確保」はどのように行うのか
②その提供により「事故」が起こった場合の賠償責任はどのように定めるのか
  
(3)「指定事業者」に対する指定及び指導監督について
 ○「第1号事業」を行なう者について、介護保険の事業者指定と類似した指定・指導監督の仕組みを導入(法案第115条の5から9)しているが、「住民主体の多様な生活支援サービス」などについてもその対象となり得るのか
 
(4)利用手続き及び利用者のサービス選択権について
「専門的なサービスを必要とする人には専門的サービスの提供」(同資料377頁)、「ケアマネジメントで必要性が認められれば、事業移行後でも、必要に応じて既存サービス相当のサービス利用が可能」(同資料380頁)としているが
①現に予防訪問介護、予防通所介護を利用している人は、事業移行後も希望する場合は、現行と同一のサービスが利用できると解釈してよいか
②訪問介護の「生活援助」についても、「専門的サービス」として、既存の事業所の訪問介護員により現行どおり提供できるか
③通所介護の「機能訓練等以外」のサービスについても、既存の通所介護事業所で現行どおり提供できるか
 ④新規の要支援認定者を含めて、利用者の希望に基づく「サービス選択権」についてはどのように保障されるのか
 
(5)介護予防・生活支援サービス事業対象者判定について
介護予防・生活支援サービス事業対象者は、「基本チェックリストを対面で用いるなどにより判定」(同資料377頁)とされているが
①対象者判定の具体的は方法はどうなるのか(市町村窓口で申請を行い、その場で市町村職員が基本チェックリストで対面調査を行うなどの方法を想定しているか)
②基本チェックリスト判定のみで利用が可能となると、自治体窓口で、要支援認定申請そのものを受付しないなどの「水際作戦」の危険性があるが、厚労省としてこれについての対策を検討しているか

(6)総合事業(介護予防・生活支援サービス)のマネジメントについて
  「地域包括支援センター等が、利用者の意向や状態象等を踏まえ、ケアマネジメントに基づき総合事業と予防給付の適切な利用を支援」(同資料377頁)とあり、新法案115条の45の3では、要支援者以外の「第1号介護予防支援事業」についても指定事業者による実施が可能となっているが
 ①これは既存の居宅介護支援事業者も指定を受けることを想定した規定なのか(地域包括支援センター以外に第1号介護予防支援事業の指定を受けることを想定しているか)
  ②総合事業のケアマネジメントの具体的な取扱はどのようなものか(予防プランの様式、アセスメント、モニタリング、担当者会議等は、どのようなものを想定しているか)

(7)利用料について
 介護予防・生活支援サービスの利用料について、市町村による設定としながら、「下限については、要介護者の利用者負担割合を下回らないような仕組み」(同資料378頁)とあるが
○訪問型サービス、通所型サービスについて、既存事業所のサービス利用料を市町村独自で軽減することは可能か

「住民主体の生活支援サービスについては実費のみ負担するケースも想定」(同資料380頁)としているが
○「実費」とは、サービスにかかる費用を全額利用者負担にする場合もあるということか

(8)限度額
  利用限度額については、「現在の要支援者の限度額を勘案した額を勘案した額で管理を行う」(同資料378頁)としているが
 ①要支援認定者については、現在の区分支給限度基準額を用いて、サービス量についても「単位」数で算定するということか
 ②要支援認定を受けない人の限度額はどの程度を設定するのか
 ③要支援認定を受けない人は現行では被保険者証に限度額の記載がないが、どのような方法によって限度額を表示するのか

(9)実施時期について
 ①新総合事業ガイドライン案はいつ提示するのか
 ②新総合事業実施時の対応について
・「みなし指定」は全ての既存指定事業所に適用されるのか(市町村判断で一部を除外することは可能か)
・「新規認定者から移行する」(同資料379頁)など柔軟な扱いとは、既認定者は要支援の更新認定を受けたのちも予防給付が継続するという趣旨か
③既存事業所以外の「多様なサービス」について
・新法の指導監査条項は多様なサービスにも適用を想定しているのか

5 介護保険料
 
①新法案142条の規定により、低所得者保険料軽減の財源を公費(一般財源)で補てんする仕組みが新たに導入されたが、従来の「減免3原則」の見直しは行わないのか
 ②低所得者のさらなる軽減(例えば第1・2段階を基準額の0.1以下にする)等の措置を独自で行うことは可能か
 

 

Category: 介護保険見直し
2014/04/20 Sun
公益社団法人認知症の人と家族の会富山県支部の学習会にお招きいただきました。



公益社団法人認知症の人と家族の会富山県支部事務局長の勝田登志子さんの報告です。社会保障審議会介護保険部会で唯一の当事者団体として、介護保険改悪案にきっぱり反対を貫いた勇気ある女性です。


「介護保険はどう変わるか」のテーマで約2時間お話しをさせていただきました。
何と、参加者のみなさんから大きな花束をプレゼントされました。涙が出るほど感激でした。




認知症の人と家族の会は、今回初めて介護保険改悪案に反対をして署名運動を取り組み、わずかな期間で会員の6倍もの署名を集められました。
唯一の「当事者団体」としての存在感と発信力は厚生労働省も無視できないものがあります。富山県支部は、その中でも最も頑張っている支部です。
暗雲垂れ込める介護保険をめぐる動きの中で一条の希望の光を見た想いです。
Category: 介護保険見直し
2014/04/02 Wed
消費税増税の4月1日、医療・介護一括改悪法案が国会で審議入りした。
国民も介護関係者もほとんど知らないまま、病院追い出し・病床削減と介護サービス削減・負担増がセットで強行されようとしている。
断固反対!

毎日新聞より
介護確保法案:給付減や負担

医療・介護確保法案が衆院本会議で審議入りした。同法案には介護分野を中心に給付減や負担増のメニューが並ぶ。民主党など野党は消費増税と合わせた「二重の負担増」に批判の矛先を向けた。

 税と社会保障の一体改革は、消費増税による増収分を「すべて社会保障の安定・充実に充てる」とした。同法案は一体改革を具現化する第1弾。それなのに介護保険のサービスカットが柱だとして、民主党の柚木道義氏は「消費税が上がったのになぜ介護は削減なのか」と安倍晋三首相に迫った。しかし、首相は「サービス抑制ありきではない」と述べるにとどめた。

 一体改革は自民、民主、公明の3党合意に基づく。ただ、同法案は一律1割の介護の自己負担割合を、年収280万円以上の人は2015年度から2割に引き上げることなどが中心で、維新を除く野党は反発。3党合意の当事者でもある民主党は1日も「我々の考えとは違う」と政府を責めた。

 同法案の数少ない社会保障「充実」策の一つは、病院の入院ベッド(病床)再編に向けて各都道府県に基金(公費ベースで総額904億円)を設置し、医療機関に新たな補助金を出せるようにしたことだ。だが、知事の命令に従わない医療機関を補助対象から外す規定に日本医師会内から異論が噴出。先月30日の会合では「絶対認めてはならない」と法案修正を求める声が相次いだ。【中島和哉】

 ◇地域医療・介護確保法案の要点

 <医療分野>

 各医療機関は都道府県に入院ベッドの使用状況を報告(14年10月~)

 届け出を受け、第三者機関が医療事故を調査(15年10月~)

 看護師が補助的な診療をできるようにする研修制度創設(同)

 <介護分野=いずれも15年度~>

 「要支援者」向けの通所・訪問介護サービスを市町村事業へ移管

 低所得高齢者の介護保険料軽減を拡充

 年収280万円以上の人の自己負担を1割から2割に引き上げ

 低所得でも多額の預貯金がある介護施設入所者への食費・部屋代補助を廃止


2014年04月01日 20時
Category: 介護保険見直し

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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