2015/04/29 Wed
 4月28日、厚生労働省は(第6期)2015~17年度の65歳以上の介護保険料の平均が月5514円になると発表した。第5期(2012~14年度)に比べ11%もの引き上げである。制度開始時の第1期(2000~2002年度)は、月2,911円だったので、15年で1.9倍以上になった。
大阪府などは平均が6,000円を突破してしまった。

さらに、厚労省によると2020年度には月6,771円、2025年度には月8165円に増える見通しで、高齢者家計では到底負担できない水準に跳ね上がる。

厚生労働省資料

介護保険は、制度改悪により、要支援のサービスの保険外し、利用者負担の2倍化、特養新規入所者を要介護3以上に限定、施設利用者の部屋代と食事代の補助カットなど、サービス切り捨てと負担増加が始まったばかりだ。一歩で介護サービス事業者に支払う介護報酬は2.27%カットした。

高齢化が進み介護サービスを増やせば、全高齢者の介護保険料が上がる。こんな介護保険制度こそ限界に来ている。

今こそ、保険料依存の仕組みを改めて、公費負担割合を増やすべきである。当面、2年後に延期した「公費による低所得者保険料軽減」を直ちにに実施するべきである。

 
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Category: 介護保険料
2015/04/28 Tue
 4月28日夜、なんばの府立体育会館で「府民大集合」(明るい民主大阪府政をつくる会・大阪市をよくする会主催)に参加した。竹山・堺市長、柳本・自民党参議院議員、山下芳生・日本共産党書記局長がスピーチされ、まさに超党派で「大阪市なくすな!」の府民運動のスタートの集会となった。
 
 どの発言もすばらしかったが、やはり、私が一番感動したのは竹山市長の発言である。


市民としてわが街へのプライドをかけたたたかいであることを堺市長選挙のたたかいの経験をもとに熱く語られる。
 「堺のことは堺で決めると、歴史と文化のまちのプライドを守った」
「今、大阪市で問われてるのも同じこと。政令市が持っている権限や財源を市民のために使うべき。」
 現職の政令市の市長として、リアルで分かりやすく政令市と「特別区」の権限・財源のちがいの説明。

 さらに、維新と橋下の「威力」についても身を持って経験した堺市長選挙の教訓を語る。
「維新は全国から人を動員し公選法違反すれすれの戸別訪問、オーロラビジョンをトラックで載せて大宣伝・・・・堺市長選で維新の動きがすごかった。はね返せたのは市民の団結力。『堺は一つ』でたたかったから。」

 橋下維新とのたたかい方の戦略・戦術のしっかり触れられる。
「橋下は言葉の魔術師。その種明かしをするのは、府会議員・市会議員のみなさん。そして市民のなかにそれを語って広げていくのは集会に参加されている皆さん」
「金儲けだけのまちでなく、人と人、地域が連帯するまちにしよう」「浪花の底力で大阪を守ろう」

 堺市民として、そして堺市職員として、市長のすばらしい発言を聞いていて、涙が出るほど感動、そして誇りを持つことができた。
 橋下維新とのたたかいを語らせたら、竹山市長の右に出る人はいない。


集会は、最後に、先日の選挙で維新に打ち勝った八尾市の田中市長も駆けつけ登壇、旭堂南陵師匠の音頭で「大阪締め」。
 うーちまひょチョンチョン、もひとつせチョンチョン、祝うて三度チョチョンがチョン。


 5・17 維新に審判を!

 
2015/04/26 Sun
 4月26日午後、堺市産業振興センターで開かれた「こんな橋下に大阪をつぶされてたまるか!」堺市民の学習会は、会場定員の倍以上の200人近い参加者であふれかえった。会場内は熱気一杯。かなりの方々に会場外の廊下に座って聞聞き入った。




 8年前に橋下徹を府知事候補に引っ張り出したという浅野秀弥さん(大阪都構想はいらない… 民意の声 代表)の迫力を講演。浅野さんは、橋下徹の人物像やペテン師ぶりを裏話を交えながら紹介し、「絶対に負けられない闘い。堺とも心ひとつに必ず勝ち抜こう!」と檄を飛ばされた。



 自民党市議の長老だった加藤均さん(85歳)の発言。木原市長の下で副市長を務めていた高橋保さんという多彩な顔ぶれに加えて、竹山堺市長もゲスト参加され、素晴らしいあいさつをされた。竹山市長は、「市民の誇り、プライドがかかった闘い。大阪市を潰してしまっては、もとも子もない。賢者は、歴史に学ぶと言うが、我が堺の闘いと思って頑張ろう! 」と熱く訴えられた。

 まさに、一昨年9月に維新に打ち勝った「堺は一つ」のたたかいの再来である。5月17日に向けて、大阪市住民投票で「大阪市廃止・5特別区案」を廃案に追い込み、維新に審判を下すたたかいに堺市からも全力で支援することを誓い合った。 

私は、この集会、裏方で、案内ポスター持って立っておりました。
2015/04/24 Fri
4月24日午前、介護保険料に怒る一揆の会と年金者組合、大生連は大阪市に対して、介護保険に関する共同要求書を提出した。
 5月17日に住民投票が予定されている「大阪市廃止・特別区への分割」で、大阪市の介護保険は大きな影響を受ける。大阪一・政令市では全国一高い介護保険料、大阪一遅い要介護認定事務、こうした最悪の部分は残したまま、特別区による「事務組合」運営という無責任・二重行政化により、さらに悪くなる介護保険である。

大阪市役所


 要求書提出は、大阪市福祉局に行ったが、5月17日までに回答・交渉を行うよう強く求めた。


2015年4月24日

大阪市長  橋下 徹  様

全日本年金者組合大阪府本部
執行委員長  永井 守彦
全大阪生活と健康を守る会連合会
    会長 大口 耕吉郎
介護保険料に怒る一揆の会
 代表  宮崎 守正

大阪市の介護保険に関する要求書

大阪市の介護保険料(65歳以上の人の第1号保険料)は、第6期(2015~17年度)で、約15%の引き上げで「基準月額6758円」と大阪府内でも政令指定都市の中でも最高額となりました。
 大阪市を廃止して5つの「特別区」に解体し、大阪府に統合する「特別区設置協定書」が住民投票にかけられようとしていますが、これは介護保険にとっても重大な問題を引き起こします。
 大阪市の介護保険について、下記のとおり要求しますので、回答を行い、解決に向けた話し合いの場を設定されるよう求めます。



1 大阪市を解体しながら、介護保険は特別区で運営せず、一部事務組合運営とするなど、「基礎自治体」の呈をなさない構想については、撤回すること。介護保険については引き続き政令指定都市たる「大阪市」が責任を持って運営すること。
2 政令指定都市・大阪府内市町村でいずれも最高額となった介護保険料を引き下げること。必要な財源は国に求めつつ、当面は一般財源を投入すること。
3 国において制度化された公費による低所得者保険料軽減について、大阪市において国基準以上の保険料(2015・16年度第1段階 0.5、2017年度 0.35)としているが、不当な負担強化であり、国基準以下の保険料とすること。
4 大阪市の独自の保険料減免制度については、今後とも維持・改善を図ること。
5 認定処理が恒常的に遅延するなど問題の多い認定事務センターについては、廃止し、大阪市が直接要介護認定事務を行い、迅速に認定すること。
2015/04/23 Thu
一昨年の堺市長選のたたかいを引き継ぎ、5・17大阪市住民投票のたたかいを支援!

大阪市解体を許せば、次は堺市。これは「堺はひとつ!堺を無くすな!」のたたかいでもあります。


「こんな橋下に大阪をつぶされてたまるか!」堺市民の学習会
日時:4月26日(日)14時~16時(13時半会場)
会場:堺市産業振興センター5階
講師:浅野 秀弥さん(大阪都構想はいらない… 民意の声 代表)
主催:大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会 住みよい堺市をつくる会
2015/04/17 Fri
 私も書かせていただいた「介護保険白書」が送られてきた。
 
 介護保険15年にして、はじめて出されたという介護保険白書である。

編集委員長は 立教大学コミュニティ学部教授の芝田秀昭先生。

多様な立場の執筆陣だが、全体として介護保険制度の問題点をさまざまな視点から批判している。

私は、「論文」の 「第一部介護保険施行15年間の検証」 で「医療・介護総合確保法と介護保険」を書かせていただいた。

なお、白書の副題の「施行15年の検証と2025年への展望」について、ひとこと。私は介護保険制度で行く限り「2025年への展望」はないと思う。

 「障害者自立支援法廃止」をかかげた障害者運動のように、「介護保険制度廃止」を議論すべき時期に来ているのではないだろうか。


  本の泉社 介護保険白書 施行15年の検証と2025年への展望

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法施行15年を振り返り、介護保険・介護保障の課題を詳らかにし、その将来有望を示すことができれば、とこのたび発刊することになった。
『介護保険白書』なるものは、自治体レベルでの介護保険実施報告書にその名称を冠しているものはあるが、意外にも介護保険制度を俯瞰した単独の書籍としては存在しない。
(「プロローグ」より抜粋)

《目次》
座談会
◆介護保険施行15年を制度面からふりかえる
佐藤信人 熊谷茂 廣末利弥 吉田満 横山壽一 芝田英昭

論 文
◆第一部 介護保険施行15年間の検証
日下部雅喜/医療・介護総合確保法と介護保険
伊藤 周平/介護保険はなぜ導入されたのか
服部万里子/介護保険制度を巡るこれまでの経過
芝田 英昭/社会保障改革の現段階と介護保障の今後
石倉 康次/変容する福祉市場と地域における福祉供給
鶴田 禎人/地域包括ケアの現状と展望
濵畑 芳和/利用者負担からみた介護保険
介護保険と権利擁護

◆第二部 介護労働を巡る動向
森永 伊紀/介護労働の実態
曽我 千春/介護労働の課題
柴崎 祐美/家族介護と家族介護支援事業の現状と課題
藤原 るか/「生活援助」の重要性

◆第三部 諸外国の介護保険
大森 正博/オランダの医療・介護保険制度
森  周子/ドイツ介護保険の現状と課題
森  詩恵/韓国の介護保険
荘  秀美/台湾の介護保険制度案をめぐる議論と課題

資料/政党アンケート
エピローグとしての座談会
 ──15年を振り返り2025年を展望する
<特別寄稿:関係団体コラム30本>
Category: 介護保険見直し
2015/04/10 Fri
 仕事でのこと。3年前から、堺市役所の介護保険担当課の新任職員研修のk講師を務めさせていただいている。本庁と7つの区役所で、新しく介護保険の資格・納付関係業務を担当する職員が対象である。
 堺市の職員の中では、一番長く介護保険を担当している私であるが、介護保険料に怒る一揆の会をはじめ様々な運動にとりくんでいるのを知った上で私に講師を任せてくれている本庁介護保険の担当者は大したものだと思う。

 とは言ってもいちおう公務であるので、「介護保険制度」の適切な執行という立場でお話しをさせていただく。
 ただ、「市民目線」での仕事ができるよう、それなりに語りました。みっちり4時間、介護保険の資格管理、保険料問題について基礎的なお話しをさせていただいた。

以下私の研修資料の冒頭部分




介護保険新任者 資格・納付・窓口関係職員研修資料    平成27年4月
はじめに
 「介護保険の仕事は好きですか」
 介護保険の窓口対応の仕事、そして資格・納付の仕事は、区内の全高齢者が対象の仕事です。その中には、「介護保険制度など自分には関係ない」と思っていながら年金から介護保険料を取られている方など、必ずしも介護保険にご理解と納得をされていない方も多く含まれます。
 私たちの仕事は、今は介護を必要としない大多数の人も含めて、65歳以上の区民全員に介護保険の資格を付与し、介護保険料を賦課し徴収する仕事です。
 感謝されるよりも、叱られたり苦情を言われたりすることが多い仕事です。地域福祉課にありながら、「福祉」とは無縁のことをしているような気になることもあるかもしれません。
 
 また、住民基本台帳情報や所得情報など、大量の情報を管理しなければなりません。また、日々処理する郵送物も大量で、しかも、その処理には、ミスは許されません。とても手間と神経を使う仕事です。

 区役所の窓口では、介護を必要とする方やそのご家族からは、介護サービスの内容や介護保険施設のことまで含めて、介護に関すること全般にわたり、実に多くの質問や相談を投げかけられ、こちらが分からないこと、知らないことまで対応を求められることもあります。

 そんな介護保険の窓口対応、資格・納付関係の仕事ですが、しんどいこと、面倒なこと、いやなことだけではありません。

 実にやりがいのある仕事であり、すべての人々の老後の人生を守る大切な仕事です。
 一件一件の受付、事務処理、お一人お一人の問合わせ対応の中にも、対象となる方たちの老後の「生活」や「介護」にかかわる重要な問題が含まれています。
 つまらなさ、気苦労とともに「やりがい」や「よろこび」も生まれるのが介護保険の仕事です。
 
 あなたは、一年後に、「介護保険の仕事が好き」と言えるでしょうか?




介護保険料説明の冒頭部分

Ⅲ 介護保険料納付関係の対応・受付事務

1 説明の基本姿勢

①制度を支えていただいている 感謝の気持ち
第1号被保険者は、大切な年金から介護保険料を納めていただいている「お客様」です。しかもその8割以上は全く介護サービスを利用せず保険料を負担されている介護保険制度の「支え手」であることを念頭において、感謝の気持ちを込めて応対しましょう。

②高齢者の負担は介護保険料以外にも。 思いやりの気持ち
年金額は、この間「特例措置解消」により、連続して減額されており、高齢者の生活不安と負担感は増しています。国民健康保険料や後期高齢者医療保険料など、高齢者の負担は介護保険料以外にもあります。相手の暮らしを思いやる気持ちで説明しましょう。

③介護保険料の趣旨や納入義務は明確に 分かりやすく
高齢者にとって不満の多い介護保険料ですが、被保険者である限り「納入義務」は消えることはありません。また、「老後の安心」を皆でささえるという介護保険制度の趣旨については分かりやすくはっきり説明しましょう。 

④「不満」「怒り」は真摯に受け止めましょう
 「全く利用していないのに保険料だけとられるのはおかしい」「年金は下がっているのに、高い介護保険料は納得できない」の声に示されるように、制度の仕組みをどんなに合理的に説明しても、高齢者の負担感や生活不安からくる不満や怒りは容易に収まらない場合があります。
 「怒られる」ことを恐れず、「市民の声」として誠実かつ率直に受け止める姿勢で対応しましょう。

Category: 介護保険料
2015/04/01 Wed
 4月1日がやってき。15年前に堺市当局の不当配転により、本庁を追われ、この職場に「島流し」のようにとばされました。
 2000年4月一公務員の告発状
あれから15年間、同じ職場、同じ仕事をし続けてきた。当局にとっては「出先に封じ込めた」つもりであろう。
 しかし、私にとっては幸い。介護保険とトコトン向き合う15年間を与えていただいた。おかげで介護保険制度の不当性を全国に発信し、そして、ともに考え、行動する仲間も全国に得ることができた。
公務員最後の年度となったた。最後までたたかう木っ端役人を貫きます!
 区役所前の桜に誓う。
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Category: 未分類
2015/04/01 Wed
大阪市解体・府への吸収で国保・介護・生活保護はどうなるか  その④ 生活保護
                             日下部雅喜

3 生活保護
 
(1)異常な生活保護攻撃の大阪市政
 大阪市の生活保護受給率は5.55%、全国平均1.7%を大きく上回りトップとなっています(2014年10月時点)。しかし、大阪市は橋下市長なってからこの生活保護利用者に対し、徹底した締め付けをおこなっています。保護人員は2012年1月から2013年2月までの1年間で472世帯減少しました。内容をみるとその異常さがよくわかります。高齢世帯は2531世帯増加した一方で「その他」世帯が3003世帯も減少しているのです。これは、働くことが可能な年齢層(16歳~64歳)に対し、生活保護申請の拒否、違法な「助言指導」による申請却下、保護廃止などをあらゆる締め出しを行った結果と言えます。厚生労働省ですら「行きすぎ」と言わざるを得ない違法行為を数多く含んでいます。こうした異常な手口は、社保協が2014年に行った「大阪市生活保護全国調査団」の取り組みによって明らかになっています。さらに大阪市は、現金で支給すべき生活保護費を「プリペイドカード」で支給するなど、新たな締め付け策まで行おうとしています。

 (2)大阪市解体・特別区でさらに悪くなる
 生活保護は、大阪市解体によって「特別区」が実施することになります。この点は国保や介護保険とは異なりますが、生活保護では財源上に新たな問題が発生します。
 大阪市の生活保護関係費は約2900億円ですが、このうち国が4分の3負担し、大阪市の負担分は4分の1です。市負担分は地方交付税交付金で補てんされますが、それでも実質的な市負担は約150億円程度が生じています。
 ところが、特別区になると地方交付税が直接特別区に入って来ず、「大阪府」にいったん受け入れて財政調整財源にします。したがって、各特別区は現在と同じ負担率に収まらない結果になります。
 こうした財政的制約が各特別区をして、これまで以上の生活保護の削減・抑制策に駆り立て、申請拒否や生活実態を無視した保護の打ち切りなどが横行する危険性があります。

おわりに
 特別区の基礎自治体としての「住民のいのちと健康、くらしを守る」機能の面から、国民健康保険、介護保険、生活保護について、「協定書」と最近の大阪府・大阪市及び国の政策動向から、大阪市解体後の特別区の実態を予測しました。本稿でみてきたように「機構」としての特別区がいかに住民生活を無視し、大きな被害をもたらすのであるかは明らかです。それと同時に、国の「社会保障改革」の下で進められるかつてない国民生活犠牲の政策推進と、それを先取りしさらに輪をかけた橋下維新政治の推進が、大阪市解体・特別区構想である以上、私たちの予想を上回る規模での国保・介護保険・生活保護の改悪が進行する危険性すらあります。
 大阪市において、この動きにストップをかけ、同時に橋下維新勢力に政治的審判を下すのは5月17日の住民投票での「反対」票です。
2015/04/01 Wed
大阪市解体・府への吸収で国保・介護・生活保護はどうなるか  その③ 介護保険
                             日下部雅喜

2 介護保険
 
(1)最高額の介護保険料、低所得者には国基準に上乗せした額を徴収
 大阪市の介護保険料(65歳以上の人の第1号保険料)は、大阪府内でも政令指定都市の中でも最高額でしたが、2015年度の改定では15%の引き上げで「基準月額6758円」と引き続き、最高額となりました。
 大阪市の高齢者は、低所得者が多く、住民税非課税世帯で年金収入が80万円以下の層が21.8%、生活保護受給者が10.7%と合わせて3割以上が、低収入・無収入の人です。ところが、大阪市は、非課税世帯・年金80万円以下の層の介護保険料を国基準では、基準額の0.5とすべきところをわざわざ0.56に設定してより多く保険料を徴収しています。
 そして、介護保険法改正で、低所得者の保険料がより軽減され、国基準で2015年~16年度は「基準額の0.5→0.45、2017年度からは基準額の0.3」となります。しかし大阪市は、軽減幅を圧縮し「0.5」(2015年~16年度)、「0.35」(2017年度)としました。もっとも所得の低い層から国基準に上乗せして保険料を課す大阪市の姿勢は到底許されるものではありません。
一方で、大阪市は、生活困窮者に対する独自減免を行い、単身の場合は年収150万円以下が対象となっています。
 
(2)要介護認定事務の民営化で大幅に遅れる認定
 介護保険では、要介護認定を受けない限り給付は1円も受けられません。そして市町村は要介護認定申請を受け付けてから「30日以内」に認定結果を通知しなければなりません。
 大阪市では、2012年から要介護認定事務を民間事業者に委託し、それまで各区で受け付けていた要介護認定申請を「認定事務センター」での郵送受け付けとし、認定事務をそこで一括して行うようにしました。そのため、要介護認定申請してから30日を過ぎても認定結果が出ず、50日以上も当たり前という状態となりました。市内の関係者からは「介護保険利用の入り口の要介護認定がこんなに遅いのは最悪の介護保険だ」と酷評される始末です。
 
(3)大阪市廃止で「特別事務組合」運営の介護保険に
 「協定書」では、大阪市消滅後は、国保と同様に介護保険も、「特別事務組合」運営で、各特別区は介護保険に責任を持たず、単なる「申請・届出」処理の出先となることになっています。大阪府内・全国政令市で最高額の介護保険料はそのまま引き継がれることになります。また、民営化され「最悪」と酷評される要介護認定の仕組みもそのままとなるでしょう。
 こうした悪いところは引き継ぎながら、大阪市が行っていた独自の保険料減免制度はどうなるでしょうか。大阪府内で唯一介護保険を自前で運営せず、「広域連合」で運営している「くすのき介護保険広域連合」(守口市・門真市・四条畷市)では、大阪府内で8割以上の市町村が独自減免を制度化し、近隣市も減免を実施しているにも関わらずかたくなに拒否しています。広域連合は議会はあるものの、住民から直接選挙されず、各市の議員の中から選ばれ、議会日程も1日ほどの会期で、住民の声がほとんど届かないためです。大阪市消滅と同時に大阪市の独自減免制度も消滅する危険性があります。
 
(4)維新・都構想と国保・介護保険の「単一化」
 大阪維新の会は、2011年の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で「保険制度の広域化 」なるものを「公約」していました。市町村でバラバラの国民健康保険や介護保険の保険料を大阪全体で「統一された保険料体系」にするという統一保険料構想です。
 大阪府は、国保については、国の「国保都道府県移管」を先取りした動きをしながら、介護保険については、独自の「広域化」構想を打ち上げました。2012年8月に大阪府は「介護保険広域化」研究会報告を公表。その内容は、現在市町村ごとの介護保険を「大阪府単一」の保険料とし、大多数の市町村は大幅引上げで、独自減免も全廃するというものでした。国に対しては法改正を求め、その中で「利用者負担3割」案まで示すという介護保険制度自体の改悪まで提言するものでした。これについては、反対運動と府内市町村の反発からいったん「撤回」されています。
 しかし、大阪市解体・特別区構想の今後の動向によっては、こうした維新の会の「国保・介護保険の単一化」なるものが再び浮上し、大阪市以外の府内市町村にも多大な害悪を与えかねません。

(つづく)

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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