2016/02/25 Thu
2月25日 堺社保協主催で「堺市介護保険新総合事業案を学ぶ学習会」は会場超満員の217人が参加。



私が、「検証!堺市の総合事業案」のテーマで1時間30分お話しさせていただいた。
一言で言って、あまりにもひどい案である。大阪府内ワースト1と言っていい、お粗末極まりない案である。
断固撤回・修正させるべきである。
とくに許せないのは この「ケアプラン支援会議」なる案である。単なる大分県などの猿まねに過ぎない案であるが害悪は計り知れない。

堺市案に対する私なりの評価。
1 現場の介護事業者や利用者等の声や実態を踏まえることなく、サービス類型や移行方法などの形式づくりを優先させている。しかも品川区や大分県などの、単なる模倣に過ぎない案を持ち出すなど、極めて「軽い」、気楽な検討姿勢
2 新総合事業に移行しても既存事業所による現行相当サービスによるサービス提供しか方法がない現実があるにもかかわらず、「生活援助の担い手の転換」という妄想に取りつかれ、参入主体のめぼしのつかないまま、「多様なサービス」類型を並べ、提案するたびにコロコロ変わるという無責任な姿勢
3 「2017年4月1日一斉移行」「各サービス併用不可」「区役所で基本チェックリスト実施せず、包括支援センター丸投げ」「自立支援型ケアマネジメント」など、他市にあまりない「最悪モデル」を平然と出し、固執する不当性
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Category: 介護保険見直し
2016/02/11 Thu
社会保障審議会介護保険部会が2年ぶりに開かれる。
第55回社会保障審議会介護保険部会
次の介護保険改定に向けた実質的な議論のスタートである。
多くの介護関係者は、「要支援見直しの新総合事業もまだやっていない自治体が多いのにもう次の改定ですか」と思われるだろう。
しかし、国は次の改定のスタートを切っているのである。
以下は、私が今年1月30日の「社会保障の切り捨てアカン!シンポジウム」で報告させていただいた要旨である。


介護保険料に怒る一揆の会の日下部と申します。
わたしたちは、一昨年の年末に「介護保険は詐欺である」という本を出版しました。何が詐欺なのかは本書をお読みいただくとして、本日は介護保険制度がどう変わろうとしているかについてお話をしたいと思います。
さて、みなさんの中で「私は介護保険料をまだ払っていない」という方はどのくらいおられるでしょうか? 払っていない方は39歳以下の若い方です。
介護保険は日本に住む40歳以上の事実上全員の約7300万人が加入し保険料を払っています。65歳以上の3300万人は多くが年金天引きで介護保険料を徴収されています。ただし、実際に利用できる人は要支援・要介護と認定された介護保険証を持っている人だけで600万人ほど、65歳以上でも18パーセント程度です。
介護保険が2000年にスタートして16年が経ちましたが、安心の介護は実現したでしょうか。
「介護心中」、「介護殺人」はほぼ毎週1件の頻度で起きています。家族が要介護状態になったためにしごとをやめる「介護離職」は年間10万人、特別養護老人ホームの入所待ちの人は入所者数より多い52万人で「介護難民」があふれています。介護事業所は介護労働者が集まらず人で不足で「介護崩壊」の危機が迫っています。
こうした中で、医療・介護一体改革の法律(医療介護総合確保法)に基づく介護保険の『改革』が昨年4月から始まっています。
これまでの介護保険は ①要支援1からでも在宅サービスは使える ②要介護1以上であれば特別養護老人ホームに入所申し込みをして待つことができる ③介護サービス利用料は所得に関係なく1割負担、④低所得者は介護保険施設の部屋代・食事代の補助がある という4つの特徴がありました。
昨年以降の制度改定ではこれをすべて悪く変える「4大改悪」が強行されました。①要支援1,2のホームヘルパーとデイサービスは保険から外され市町村の事業へ ②特養ホーム入所は要介護1.2は締め出し ③合計所得160万円以上で利用料は2割負担 ④非課税世帯でも預貯金が一定額あれば介護保険施設の食費・部屋代補助は打ち切りという内容です。
これは、第1段階にすぎません。10年後の2025年に向けてさらにこの改悪はどんどんエスカレートしていきます。
そんな中出てきたのが、次期制度改定への動きです。昨年(2015年)6月閣議決定された「骨太の方針2015」では、社会保障費の自然増を3年間で9千億~1兆5千億円も削減することを目安にしています。そして介護保険についても大改悪を打ち出しました。
骨太の方針2015には 「軽度者(要介護1,2)」に対するサービス見直し、市町村事業への移行の検討を明記しました。財政的には要支援者のサービスは介護給付の6%に過ぎずこれを切り捨てても財源抑制効果は知れています。要介護1,2を見直すと30パーセントもの給付費を見直し対象とすることができます。次のターゲットは要介護1,2なのです。
さらに、軽度の人が多く利用する「生活援助」と福祉用具、住宅改修については、保険給付からも市町村事業からも除外して、原則自己負担(一部補助)としようとしています。
これらについては、今年の年末までに関係審議会等で結論を得て来年1月からの通常国会で法案を提出としています。
まさに緊急事態ですが、果たして介護保険料を払っている皆さんの何人がご存知でしょうか。
さらにもう一つ、利用者負担でも大改悪が迫っています。骨太の方針2015では、利用者負担の在り方について検討し、「医療保険・介護保険ともにマイナンバーを利用することで金融資産の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みを検討」と明記しました。
高齢者医療では、一昨年(2014年)の4月2日以降に70歳になった方は74歳までは患者2割負担です。
そこで、介護保険も、所得要件を外して65歳から74歳までは2割負担としようとしています。医療との均衡というのが口実です。
これも今年の年末までに結論を得て来年1月からの通常国会で法案を提出としています。
まさに緊急事態です。
さらに、今年1月からスタートしたマイナンバーの登場です。
介護保険施設利用者の補足給付改悪での持ち込んだ「預貯金を考慮した負担の仕組み」を医療の入院費にも拡大し、将来的には、マイナンバーを活用して、国民の預貯金を把握し、負担増の手段にしようとしているのです。たとえ所得がなくても「一定額の預貯金」があれば、利用者負担、患者負担が大幅に引き上げられかねません。
そして、4年後の2019年度には、70歳で医療費患者負担2割となった人が75歳に到達するので、75歳以上の後期高齢者医療の患者負担を現行の1割から2割負担に引き上げようというのです。そうなれば、介護保険も「医療との均衡」を口実に75歳以上も2割負担へというわけです。
昨年12月24日に、経済財政諮問会議が、決定した「経済・財政再生計画 工程表」には、これらの改悪案の内容がすべて盛り込まれました。スケジュールはすべて今年(2016年)の年末までに「結論」、来年(2017年)の通常国会で「法改正」となっています。その通り行けば2018年度から順次実施し、2020年度には完成という工程です。
このまま現政権の経済財政改革という名の暴走が続けば4年後(2020年)には、介護保険制度は
①保険給付の大部分は「要介護3以上」でないと受けられず、要介護2以下の軽度者・要支援者は市町村事業
②生活援助・福祉用具・住宅改修は、原則自己負担
③利用者負担は、65歳以上は原則2割負担
④預貯金等資産が一定額以上あれば3割負担(※マイナンバー制度拡大預貯金がもれなく把握できれば医療保険も同様にする)
という姿になってしまいます。まさに「新4大改悪」というべきです。

一方で、高齢者の支払う介護保険料は、制度スタート時点(2000年~2002年度)では、基準月額(本人非課税者)は2911円でしたが、現在(2015年~2017年度)では、5514円と1.9倍になっており、国の試算では2025年にはさらに1.6倍になるとしています。国民はどんどん利用できなくなる介護保険制度に、どんどん高くなる保険料を取られ続けることになります。
これが「介護保険料詐欺」でなくてなんでしょうか。
冒頭、私は「介護保険は詐欺である」という本を一昨年(2014年)の年末に出したと言いましたが、その1年後の昨年(2015年)の11月に、同じことを言い出した方がいます。介護保険制度創設時の厚生労働省の老健局長を務め、その後社会保険庁長官もされた堤修三さんという方です。日本の高齢者福祉行政と社会保険行政のトップを経験され「介護保険の生みの親」とまで言われている人です。
堤修三氏は、シルバー産業新聞(2015年11月10日号)のインタビューで次のように語っています。
「保険料を納めた人には平等に給付を行うのが保険制度の大前提」。 しかし「2015年改定や財務省の給付抑制路線の提案では、この前提が崩れつつあると危惧している」。さらに要支援者の訪問介護などを市町村の事業に移し替えたり、補足給付の資産要件を導入するなどは、保険制度からいえば全くの筋違いで、「団塊世代にとって介護保険は『国家的詐欺』となりつつあるように思えてならない」。
まさに、介護保険の生みの親からも「国家的詐欺」とまで言われる介護保険制度改悪。問題は、この「詐欺」に多くの国民が気が付いていないことです。この「国家的詐欺」の手口を国民が知り、怒って動き出さない限り、私たち国民の老後の安心はありません。
私たちの役目は、この「国家的詐欺」を知らせ、詐欺の被害を防止するためにたたかうことです。
Category: 介護保険見直し
2016/02/10 Wed
   黒田充さんの新刊「マイナンバーはこんなに怖い!~国民総背番号制が招く“超”監視社会」。宣伝チラシに私も推薦文を書かせていただきました。
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今まで読んだマイナンバー本の中で、最も「分かりやすい」本です。マイナンバーはプライバシー侵害と監視社会化をもたらすものですが、「狙い」は社会保障の解体・自己責任化と収奪です。制度のイロハからその本質、もたらす恐怖の近未来まで生き生きと教えてくれます。社会保障関係や、自治体関係者、住民運動に取り組む人は必読の一冊です。
日下部雅喜  大阪社保協介護保険対策委員/介護保険に怒る一揆の会事務局長
Category: 雑感・雑記
2016/02/07 Sun
2016年2月の講師活動予定
2月8日(月) 18:30~21:00  エルおおさか南館ホール 大阪社保協「大阪市介護保険新総合事業(案)を学ぶ学習会」
テーマ「介護事業者と利用者をまもれるのかどうか検証をしよう」
2月12日(金) 18:30~ 20:30 大阪市西成区民センター 安心できる介護を!懇談会主催改定介護保険法学習会
テーマ「要支援の訪問・通所介護はどうなる?!」

2月25日(木) 18:00~20:00 堺社保協「堺市介護保険新総合事業(案)を学ぶ学習会」
テーマ「堺市総合事業案の問題点」
Category: 活動日誌

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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