2016/07/28 Thu
まともな説明・議論なしに「最終案了承」大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会
大半の新規利用者にホームヘルパーを使わせず無資格者サービスへ
 
7月27日大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会は、まともな議論もなく大阪市福祉局の示した「新総合事業のサービス利用の流れについて」を「了承」しました。
無資格ヘルパー導入で報酬削減
大阪市は、来年4月1日から要支援者のホームヘルプ・デイサービスを新総合事業に全面移行させます。これまで示した案では、ホームヘルプは「介護予防型訪問介護サービス」(現行相当)と「生活援助型訪問サービス」(基準緩和A型)に分かれ、基準緩和型は、無資格者による生活援助(調理・掃除・買物・洗濯等)で、既存の訪問介護事業所に参入させ報酬額は現行の75%程度というものです。
認知症か寝たきりでないと現行ヘルパーが利用できない 大阪市基準案
焦点になっていたのは、要支援者がホームヘルパーによる「現行相当サービス」をどれだけ利用できるかという点でした。
6月2日の同分科会で示された案(現行相当型サービス利用判定基準)は、
新総合事業移行前に既に介護予防訪問介護を利用している人は「現行相当サービス」が利用できますが、新規利用者は
1 「認知症高齢者の日常生活自立度」ランクⅡ(日常生活に支障のある認知症)以上
2 「障害高齢者の日常生活自立度」ランクB(ベッド生活中心で車椅子利用)以上
の人でないと「現行相当サービス」は利用対象とならない
それ以外の人が「現行相当サービス」(訪問型)を利用するには、「大阪市サービス判定会議」(月1回、事務局大阪市高齢福祉課)の判定を受けなければならない
というもので、新規利用者の大半は、ホームヘルパーによるサービスが利用できなくなり、無資格ヘルパー(基準緩和型)しか利用できなくなるものでした。



利用者の「選ぶ権利」とケアマネジャーの裁量権を否定すする暴挙
これに対し、大阪社保協や関係団体は、「利用者の選択権・ケアマネジャーの裁量権を否定する暴挙」として、分科会委員に「反対」するよう要請してきました。
 
ところが、7月27日の分科会では、大阪市側はからまともの説明もなく、委員の中で本問題についてほとんど理解がされないまま、部会長が「最終案を了承」としてしまいました。
大阪市説明でも6割は排除
分科会の中で、委員が「認知症自立度Ⅱ以上という基準だとかなりカバーされるのではないかと思っていたが、団体からの要請文では『新たに相談受ける人のほとんどが基準緩和サービスしか利用できなくなる』と書いてある。そうは思っていなかったが、どの程度の人が現行相当サービスを利用できるのか」と質問されました。
これに対し、大阪市(河合在宅サービス担当課長)は、「4割前後が現行相当、6割前後が基準緩和ではないかと考えている」と説明し、分科会ではそれ以上の議論もなく、「了承」とされました。
「4割」の根拠も示さずペテンのような数字
来年4月移行の6割も新規利用者はヘルパーを利用できないという重大な事態です。しかも、大阪市の言う「4割」の根拠も全くありません。
大阪市の説明は「要支援者の主治医意見書の2割くらいは認知症自立度Ⅱと書いてあった。全国統計では要支援でも7%くらいは身体介護でヘルパーの利用がある。認定調査項目でもう少し細かく拾っていく」というだけで、まったく根拠のない数字でした。どう考えても過大に見積もった数字です。
これが「専門」分科会の議論か 会長も新総合事業のイロハ理解していなかった?
ホームヘルパーがどのような支援を実際しているか、要支援の利用者の生活や、事業者の状況など現場と利用者の実態など一言がありませんでした。
さらに、専門分科会の議論を傍聴していて、驚かされるのは、介護保険制度も新総合事業にも基本的な知識や理解もなく、大阪市の案に賛成する発言の目立つことでした。
「何度聞いても分からない。基準緩和サービスと現行相当とどう違うのか」という発言を最後にした公募委員もありました。専門部会長の多田羅浩三氏もまとめのコメントで「霞ヶ関が画一的に決めるサービスから市町村が決めるのが新総合事業だ。『インデペンデンス』(独立)だ」などと持ち上げながら、最後に質問で「大阪市は新総合事業に独自の予算をどのくらいサポートするのか」と質問し事務局も説明に困る一幕もありました。専門部会長自身が最後の最後まで、新総合事業が介護保険財政の枠内でしか行われず、自治体の独自財源を想定してない制度であることを理解しないまま審議していたことを示すものです。
不当な選別基準撤回へ 大阪市へ声を
このような「審議」で総合事業案と「サービス選別基準」が強行されては利用者やヘルパーはたまりません。大阪市に対し、「サービス選別基準案」の撤回と、関係者の声を聴いて新総合事業を準備するよう求めましょう。
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Category: 介護保険見直し
2016/07/20 Wed
   介護保険料に怒る一揆の会、年金者組合大阪府本部、全大阪生活と健康を守る会連合会は、七月二〇日に大阪府高齢介護室と交渉を行いました。上がり続ける介護保険料を抑えるための大阪府の努力を求めましたが、大阪府側は高齢者の収入実態すら把握せず、「国に要望します」としか答えない無責任な姿勢に終始しました。
九年後には1.5倍の保険料
大阪府は、現在府内平均月額6025円の介護保険料の「将来推計」を四年後は7295円、九年後には8929円と大幅に上昇する数字を示しました。現在の1.5倍もの大幅な引き上げになります。「年金が減り続けている中で高齢者の負担はどのくらいの割合になるのか」との質問に大阪府はまったく答えられず。府として高齢者の収入や生活実態を把握していないことが明らかになりました。
大阪府としてどうするのか
大阪府に対し「保険料を抑制するために府としてどう努力するのか」を追及しましたが、大阪府側は「国において必要な措置が講じられるべき」「国に要望します」としか回答しませんでした。
介護保険、赤字か黒字か答えず
「大阪府の介護保険は赤字なのか黒字なのか」との質問にも答えられず、府の財政安定化基金から借入をしている五自治体(大阪市・柏原市・八尾市・泉佐野市・くすのき連合)を示すのみでした。
公費による低所得者軽減、いつからやるのか
国が約束している「公費による低所得者保険料軽減の来年度実施」についてもまともに答えないなど無責任な態度に終始しました。
Category: 介護保険料
2016/07/08 Fri
7月8日堺社保協が堺市と交渉


問題多い「担い手登録型サービス」 ケアプラン支援会議は「白紙」
7月8日、堺社会保障推進協議会は、来年から始まる「総合事業案」について堺市高齢施策推進課と交渉(意見交換)を行いました。
堺市では、昨年から堺社保協が市内の介護事業者にも呼び掛けて、総合事業がよりましなものになるよう交渉を重ねてきました。その結果、当初の当局案が修正され、「緩和型サービスは実施しない」との案になっていました。7月11日開催予定の堺市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会に最終案が示されることを受けての交渉となりました。
4月時点の案と同一
社保協側の「7月11日に示す案はこれまでと変更があるか」との質問に対し堺市側は「4月にお示しした案と同一です」と回答しました。交渉は、その案をめぐって行われました。
シルバー人材センターが住民主体?
堺市の示した「国の例示と堺市の考え方」では、通所型・訪問型とも「緩和した基準によるサービス」(A型)は、「実施しない」とし、「住民主体」(B型)に対応するものとして「担い手登録型サービス」なるものを持ち出しています。
交渉の中では「シルバー人材センターも一つの想定」、「参入する団体は法人格が必要」、「最低賃金は守ってもらう」と、住民主体とはかなりかけ離れた内容であることが明らかになりました。「どちらかといえば国のAとBの中間」などという説明も飛び出しました。
現行相当サービスだけで総合事業移行しても何も問題がなく、堺市は緩和型サービスを否定したものの、苦し紛れに「住民主体サービス」を位置付けようとし、シルバー人材センターや一部のNPOを呼び込もうとしていますが、内容はとても「住民主体」などと言えるものではなく、極めて問題が多いものです。
堺市の総合事業案(3月29日時点)







 生活支援の担い手の養成研修は「大阪府」に準じたい
「担い手登録型への参入はいつごろから募集するのか」との質問には、「12月くらいを目途に考えているが、それよりも現行相当を固めることが先だと考えている」と回答。さらに、6時間×2日となっている養成研修の案について質問すると「堺市が委託して実施する」としながら、カリキュラムなどは、「大阪府が市町村に呼びかけて作っているワーキングチームでの結論に委ねたい」と答え、時間数や内容について、すべて「大阪府任せ」のような無責任な姿勢をしめしました。
生活援助の「現行相当型」と「担い手登録型」に違いは
堺市案は、生活援助でも「ヘルパー等有資格者によるサービスは必要」と明記しながら、無資格者サービスである「担い手登録型」の生活援助について、国基準の「家事援助サービスの内容を柔軟にしたサービス」という表現になっていました。これについて、社保協側は「担い手登録型が担う生活援助は、現行のヘルパーのサービスの対象外の内容とし、区別すべきだ」と指摘しました。
 担い手登録型と併用すると現行相当サービスの報酬が下がる
堺市案では、現行相当サービスについて、報酬は現行どおりで月額包括単位を原則としていますが、「1回あたり単価」も設定し、月途中での利用開始や終了の場合は、回数あたり単価を使用するとしました。問題は、「担い手登録型サービスを利用する場合」も現行相当サービスは「1回当たり単価」になるとしていることです。
例)訪問型サービス
週1回程度  1月につき1168単位
回数  1回につき 266単位
※曜日によるが、半分近い曜日は月4回
266単位×4回=月1064単位にしかならない。
月5回の場合は 1168単位を超えることはできない。
この方法だと、「現行相当サービス」を使いながら、「担い手登録型」を併用した場合、まるまる一月サービス提供しても曜日によっては現在よりも報酬が下がることになります。
社保協側は、「月途中での利用開始・中止の場合は1回当たり報酬というのは理屈として分かるが、担い手登録型と併用した場合、1回当たり報酬で事業所が減収になるというのは理解できない」とし、案から削除を求めました。
これに対し堺市側は「検討する」とさえ言わなかったため、社保協側からは「なぜ検討すると約束できないのか」との声が上がりました。
多様なサービスは「置き換え」でなく「プラスアルファ」とすべき
堺市案は、これまでの交渉の結果、「現行相当サービスと多様なサービスの併用可能」としてきましたが、このようなやり方は「置き換え」です。社保協側は、「担い手登録」の生活援助の内容・位置づけも含めてこの案を修正し、現在のヘルパーが制度的に提供できないサービスを多様なサービスが補う「プラスアルファ方式」とするよう強く求めました。
ケアプラン支援会議は白紙だが、「何かやりたい」
堺市が地域包括支援センター管理者会議で示した「自立支援型ケアマネジメントへの転換」をはかるとした「ケアプラン支援会議」には、多くのケアマネジャーから、「まるでケアマネジャーが自立支援のプランを作成していないかのような言い方だ」「利用者を見たこともないリハビリ職がどのような助言をするのか」など、多くの批判は相次ぎました。
堺市側は、「ケアプラン支援会議は、地域包括の管理者会議の中で示したもののケアマネジャーからの反発が強いのでこのまま実施できない。白紙の状態」としながら、「しかし何かをしなければいけないと考えている」と答えました。
堺社保協側は、「白紙と言うならきっぱりと白紙撤回し、ケアマネジャーの意見を一から聞いてケアマネジャー支援は検討しなおすべきだ」と指摘しました。
Category: 介護保険見直し
2016/07/01 Fri
日下部雅喜の7月の講師活動予定

7月9日(土) 午後1:30~3:30
 橋本市教育文化会館  NPO法人ささえあい橋本 学習会
「崩れゆく介護保険制度 ~総合事業と制度改定を考える」

7月13日(水) 午後7:00~9:00
 枚方市サンプラザ生涯学習市民センター  日本共産党枚方市会議員団
「どうなる介護保険 総合事業」

7月14日(木) 午後2:00~5:00
 アビオシティ加賀  石川県介護支援専門員協会 南加賀支部 研修会
「どうなる どうする 介護保険 総合事業 南加賀3市でスタートしたけれど—」

7月18日(月) 午前10:00~12:00
 大津市明日都浜大津会議室  日本共産党大津市会議員団公開研修会
「安心の介護のために~介護保険制度改正のねらい」

7月18日(月) 午後2:00~4:30
 大津市ふれあいプラザ  大津市介護福祉連絡会 学習会
「軽度者からのサービス取り上げ どうなる?介護保険」

7月21日(木) 午後6:00~7:30
 阪南医療生協 組合員ホール   阪南医療生協 社保まちづくり委員会
「新総合事業について」

7月23日(土) 午後3:00~5:00
 デイサービスセンターもず 大阪介護支援専門員協会堺市北区支部 学習会
「どうなる!? 介護保険! 総合事業!」

7月30日(土) 午後2;00~4:30
 ドーンセンター  働く女性の人権センター いころ  学習会
「介護保険改定後の労働 どうなる?」

7月31日(日) 午前9:30~午後4:00
 神戸市外国語大学 第58回自治体学校 第1分科会 
 「社会保障解体の『工程表』と地域の運動課題」
Category: 活動日誌

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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