2011/02/26 Sat
 奈良県大和高田市で開かれた介護保険学習会に招かれた。

 主催は、医療法人健生会介護事業部。テーマは「どうなる介護保険・地域包括ケア」。地域の介護事業所(訪問介護、小規模多機能型居宅介護、認知症デイなど)も多く参加され、地域学習会といったところ。

 ところで、この大和高田市は、奈良市などと同様に、ヘルパーの生活援助に、独自の規制を持ちこんでいる。

 平成20年12月17日付けの大和高田市介護保険課長通知では

「…最近では訪問介護の生活援助単位算定の問題が多く、適正な居宅サービス計画の作成が可能となる様、下記の通り『届出申請』をして頂く事と致しました。」
「②同居の家族等が障害、疾病のため家事を行うことが困難な場合・・・届出不要 ※同居家族等が家事が出来ない理由、必要なサービス内容、時間、回数等を適切なマネジメントにより判断して記録する事。(必要時、同居家族等の診断書を添付しておくこと)
 ③適切なケアマネジメントにより判断しても、同居家族がやむを得ない理由により家事を行うことが困難な場合・・・届出必要  ・虐待やそれに近い状況がある時。・家族等が就業で長い時間にわたり独居である等。
2 届出時の提出書類
  ①生活援助単位算定に係る申請書(別紙、大和高田市専用申請書)②アセスメント表③居宅サービス計画書(第1、第2、第7、第8表)④サービス担当者会議の内容⑤訪問介護サービス計画書
 ●提出先  大和高田市保険部介護保険課窓口 申請受付後、内容を確認し生活援助の単位算定について当市で検討の上、担当者に可否を連絡いたします。」


 完全なローカルルールである。行政に「申請」をさせて「可否」を決めるというのは、厳密にいえば「申請に対する処分」であり、明確な法的根拠が必要である。少なくとも介護保険法令では、このような事前申請制は、規定していない。当該の利用者と面談もしないまま、行政が勝手にサービス提供の「可否」を判断する、という仕組みは生活に必要なサービスを一方的に取り上げる結果をもたらしかねない。

こんな事例が報告された。 
「市は『生活援助が必要な場合はいつでも申請してください』なんて言ってたので申請書を持っていったら、あれこれ厳しく言われて、なかなか認めてくれない。生活援助を算定させたくないという姿勢がありありだ」
「『同居』といっても同居している長男が働きに出てて年に数回しか帰っててこない利用者で、別居の次男が玄関先に週1回一週間分の食料を届けていたが、本人は、トイレで排泄することができなくなっており、たまたま、居室をのぞいたら排泄物であふれかえっていた。一週間分の食料も本人は2・3日で食べてしまい、あとは飲まず食わず状態で、空腹のあまり、鳥かごで飼っていた小鳥まで食べていた。こんな利用者にヘルパーが生活援助に入る必要性を市役所に説明しても、『他に方法があるでしょう』といった態度で実態をわかろうとせずに対応される」

 今回の介護保険改定では、要支援者について、「保険者判断」により、保険給付から除外して「総合的生活支援サービス」なるものに移行させる仕組みが狙われている。

 勝手なローカルルールが大手を振っている状態で、「保険者判断」による保険給付除外が制度導入されれば、もっとひどいサービス取り上げが全国各地で起こるだろう。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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