2011/04/16 Sat
 21老福連 と 老問研 の共同集会 「どうなる どうする介護保険 ~地域包括ケアシステムのねらいと2012年改定PartⅡ」(豊中市)に参加した。

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 特別講演は「地域包括ケアシステムと介護保険改定(案)について」と題して 佛教大学の岡崎祐司教授。その後3人の方から報告があった。デイサービスセンター結いの里の阿部裕一郎氏は「地域ケア」について、認知症の人と家族の会の高見国生代表からは介護保険見直しについて、特別養護老人ホームこがねの里の藤井俊哉氏からは施設介護の立場からそれぞれ報告があった。
 介護保険見直しをめぐる問題点がとてもリアルに浮き彫りになるどれもすばらしい話であった。とくに認知症の人と家族の会の高見代表の「要介護認定廃止」のご意見は、とても説得力があり、当事者運動のすばらしさと迫力を実感できるものだった。


 私も予定していなかったが、司会者の方にすすめられ、地域での運動の課題について少しだけ発言させていただいた。

 以下その要旨

 4月5日に国会に「介護保険法等の改正法案」が提出され、国に向けた運動が正念場を迎えていますが、地方でも第5期介護保険事業計画の策定の準備が始まっており、自治体に向けた取り組みが必要となっています。
 第1は、計画策定の前提となる「日常生活圏域ニーズ調査」の問題です。改正法案要綱では、市町村は、日常生活圏域ごとにおける「被保険者の心身の状況、その置かれている環境等を正確に把握した上で、これらの事情を勘案して、市町村介護保険事業計画を作成するよう努めるものとすること」とあります。2月の全国担当課長会議では、「どの地域に、どのようなニーズをもった高齢者が、どの程度生活しているか」をニーズ調査で把握し、地域の課題や必要となるサービスを分析・把握することを強調されています。努力義務規定ですが、実際はどの程度行われているでしょうか。
 大阪社保協が、今年3月に行った府内自治体調査では、この「日常生活圏域ニーズ調査」について
  大阪市は、「検討中」。
  この豊中市では、高齢者人口85,042人のわずか4000人(2.3%)のサンプル調査、となりの吹田市でもわずか5.8%程度の調査で、とても日常生活圏域ニーズ調査とよべるようなものではありません。大阪府内では、全数調査を予定しているのは1自治体だけで、のこりの大半の自治体がこのような有様で、「地域包括ケア」の前提となる、地域のニーズ調査すらまともになされていません。また、計画策定の際、設置するようにいわれている「日常生活圏域部会」についても、大阪府内41保険者のうち、32は「設置予定なし」「まったく未定」としております。これでは、「地域包括ケア」など絵空事です。自治体に向けて、「日常生活圏域ごとのニーズ調査をきちんと実施せよ」「地域の住民や利用者家族、事業者代表を参加させよ」と求めていくことが必要です。
 第2は、「介護予防・日常生活支援総合事業」への対応です。「法案要綱」では、市町村は、「介護予防及び日常生活支援のための施策を総合的かつ一体的に行うため、厚生労働省令で定める基準に従って、地域支援事業として、次に掲げる事業を行うことができるものとする」となっています。「できる」規定ですから実施義務はありません。しかし、実施する場合は「全てにつき一括して行わなければならない」として、「居宅要支援者に対しして介護予防サービス等のうち市町村が定めるもの」を必ず実施することにされています。日常生活支援の事業だけを行うものでなく、要支援者に対する予防給付を取り上げる仕組みであることは明白です。したがって、地域においては、自治体に対し、「介護予防・日常生活支援事業は実施するな」と要求し、「先手必勝」の構えで取り組むことが必要です。法案は国会に出されましたが、まだ、審議されていないので、法案の修正を求める運動とともに、自治体における軽度者のサービスを取り上げさせない取り組みも強化する必要があります。
 
 
 
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Category: 介護保険見直し

柴尾 亨 >>URL

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高齢者障害者の在宅支援しています。平成23年に一人暮らし高齢者の生活課題と支援方法報告書出ています。
ネットで検索できます。
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Edit | 2012/08/14(Tue) 08:32:55

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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