2011/06/11 Sat
 6月11日午後、堺市で「みんなで考えようケアプラン点検緊急学習会」が開かれ、会場一杯の150人近くのケアマネジャーが参加した。

 主催は「堺市の介護保険を考える会」。これまで、さまざまな課題で、堺市に対し要望や提言をおこない、ケアプラン点検についても3年前から要望書を提出し企画案を出すなど働きかけをつづけてきた。堺市は今年度から非常勤のケアマネジャー2名を採用し、「ケアプラン点検事業」と開始することになり、6月に「説明会」を開いた直後の学習会だけにケアマネジャーの関心はとても高かった。
 
 学習会は 第1部が 堺市担当者による「ケアプラン点検事業」の説明と質疑。第2部が「ケアプラン点検の問題点を考える」という構成で進められた。

堺市介護保険課の説明では
目的 
 ケアプラン点検は、ケアプランがケアマネジメントのプロセスを踏まえ「自立支援」に資する適切なケアプランとなっているかを、基本となる事項を介護支援専門員とともに検証確認しながら、介護支援専門員の「気づき」を促すとともに「自立支援に資するケアマネジメント」とは何かを追求し、その普遍化を図り健全なる給付の実施を支援するために行うものです。
そのため、堺市では
・堺市内においてサービスを提供している居宅介護支援事業所を3~5年間で1回以上の点検を行う予定です。
・点検作業は、一方向ではなく双方向で行い、面接方式でともに確認し合う姿勢で臨みます。
 →文書でのみの回答ではありません。また、点数化したり、できていないことを指摘するものではありません。
点検日の通知
・4週間前までに、通知文を郵送します。
・平成23年度は、次の事業所から始めます。
   〇堺市の研修会不参加であった事業所
   ○新規開設の事業所
   ○介護支援専門員の少ない事業所
・この時に、提出していただく被保険者名をお知らせいたします。
・点検日は主に火曜日もしくは金曜日の午後です。
ケアプラン写しの提出
・2週間前の12時までに提出をお願いします。
・介護支援専門員1名につき2名の被保険者のケアプランの写しを提出しください。
    ○居宅サービス計画書(第1表~第6表)
    ○課題分析表
 給付額ほぼいっぱいのプランまたはその逆のプラン、特定のサービスのみを利用しているプラン、経験の浅い介護支援専門員のプラン等を選びます。
点検日当日
・基本的には事業所にお伺いします。
・堺市役所で行うこともできます。
・「ケアプラン点検支援マニュアル」に沿って点検します。
・そもそもケアプランに「正解」はありません。
・大切なことは、適切なアセスメントを行った結果、「根拠のあるケアプラン」になっているかを共に確認することです。
・ケアプラン点検は
  ①事実は何か
  ②主語は誰なのか
  ③なぜそう感じたのか
 等々、ひとつひとつを「なぜ?」「どうして?」と確認する作業の繰り返しです。
・点検当日確認しあったことを、後日、確認事項として郵送もさせていただきます。



 一応、「指導監査とは区別」「不備があっても改善報告は求めない」との説明もなされた。

 第2部では、私から「厚労省給付適正化事業と『ケアプラン点検』について」と題して報告させていただき、とくに問題提起として以下のことを強調させていただいた。

厚労省ケアプラン点検支援マニュアルの問題点
①提出ケアプランの選定が一方的、給付抑制目的のものが大半
②時間を十分にとった事前確認があら探しになる可能性が大きい
③質問・助言準備も行政の「ケアマネ尋問・追求材料」づくりになりかねない
④ケアマネの「気づき」が引き出さない場合、無理やり「分かりました」と言わせる強権的指導になりかねない
双方向の対話関係をつくるために
1 提出プラン選択の自由をケアマネジャーに
 「知ってほしい事例」を出せるように
2 質問項目は事前にケアマネに知らせるべき
3 不備を探す前に、できていること、評価すべきところをまず確認する
4 減算・指導とは完全に区別して、「何でも」話せる安心感を」
 点検する・点検される 関係
   → 支援・確認・共に高め合う関係へ
ケアマネジャー支援の観点
介護支援専門員を「貴重な地域の社会資源」として育成支援する
○一人の介護支援専門員の背後には数十人もの要介護者・家族の生活がある。愛情を持って育てようという姿勢
○ケアプランの不十分点をあげつらうのでなく「できている支援」をより発展させる対話と指導
 →ケアマネが元気とやる気を出すポジティブ支援こそ必要!
 介護保険制度の生み出した『宝』であるケアマネジャーを大切にしなければ、介護保険の未来はないことを肝に銘じるべき

学習会の最後に読み上げられた「堺市の介護保険を考える会」の提言は次の通り
1 ケアプラン点検の実施にあたっては、介護支援専門員の専門性と裁量性を尊重し、ケアマネジメント力の向上及び介護支援専門員の育成を目的としたものとしてください
2 ケアプラン点検は、指導監査と区別して行うこととし、その基本姿勢として、少なくとも厚生労働省の「ケアプラン点検支援マニュアル」の「ケアプラン点検にあたっての基本姿勢」を遵守してください
 とくに、形式的・行政的・一方的な指摘や、不備をあげつらって「報酬返還」を目的とした点検を行わないようにしてください
3 点検の対象とするプランや件数についても、市が一方的に決めるのでなく、介護支援専門員の要望を尊重して決めてください
4 ケアプラン点検の前提として、ケアプラン作成についての研修を実施し、点検の指針及び点検項目等について、市内の介護支援専門員に十分周知してください
5 ケアプラン点検の実施にあたっては、当会が貴市に問題提起した案を含めて、市内の介護支援専門員の意見を広く聞いて、双方向で納得できる方法を選択してください
6 具体的なケアプラン点検の実施計画については、市内各区のケアマネジャー連絡会や大阪介護支援専門員協会の各支部の代表などからなる検討委員会を設け実施計画を作成してください
また、ケアプラン点検実施も市職員と非常勤介護支援専門員だけで行うのでなく、市内の主任介護支援専門員・地域包括支援センターの主任介護支援専門員等を含む「ワーキングチーム」を設置し、集団的・民主的に行ってください

 ケアマネジャーが 「また受けてみたい」 と思うような点検を





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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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