2011/07/29 Fri
7月29日午後、京都府の「平成23年度介護支援専門員専門研修・実務経験者更新研修(専門研修Ⅰ)」の講師をつとめさせていただいた。

 大阪府ではたぶん 絶対にないだろうが、この私が 介護支援専門員研修の講師である。

 わたしがふだんやっている学習会は、ほとんどが、自主的団体や運動団体主催のもので、参加者も自主的に参加される方ばかりである。 
 しかし、この介護支援専門員研修は、介護支援専門員資格を維持・更新しようとすると、事実上義務的に受講しなければならないという、制度によって「強制」された研修である。
 受講者にとっては迷惑この上ないかたもいるだろう。「つまらない」という声もよく聞いた。

 また、公的な研修であるので、講師が好き勝手なことを言えるわけでもない。

 お受けするかどうか迷ったが、「介護支援専門員に対する思いも含めてお話していただいてけっこうです」という研修実施機関の担当者の方のことばに、引き受けさせていただいた。

 いただいたテーマは「社会資源活用」。

 厚労省の通知(平成18年6月15日付け老発0615001号)、介護支援専門員資質向上事業実施要綱によると、専門研修課程Ⅰの必須課目の中に「⑥保健医療福祉の基礎理解()『社会資源活用』」というのがあり、目的が「要介護高齢者が活用しうる社会資源や、関係機関との連携方策を知る」とある。

 研修目的を尊重しながら、私なりに、社会資源の解説と、要介護高齢者の「生活全般」を支える介護支援専門員への期待についてお話をさせていただいた。

 居宅介護支援の運営基準13条の「利用者の日常生活全般を支援する観点から、介護給付等対象サービス以外の保健医療サービス、又は福祉サービス、当該地域住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画に位置付けるよう努めなければならない」という規定は、介護支援専門員に、給付管理対象外も社会資源も含めて、利用者の生活全般に必要なすべての社会資源について、活用する努力を義務付けている。

 また、老企22号通知には「介護支援専門員は、当該日常生活全般を支援する上で、利用者の希望や課題分析の結果を踏まえ、地域で不足していると認められるサービス等については、介護給付等対象サービスであるかどうかを問わず、当該不足していると思われるサービス等が地域において提供されるよう関係機関等に働きかけていくことが望ましい。」と、社会資源の開発のきっかけをつくることも求めている。

 介護保険制度ができて11年。全国に6万数千人の介護支援専門員が、居宅サービス利用者の生活を支えている。この存在は、介護保険が生み出した最大の功績だと私は思う。

 しかし、利用者の「生活全般」の支援、「介護保険以外の社会資源」の活用 と簡単にいうが、介護支援専門員の法的位置づけは、介護保険法にしかない。また、その経済的報酬は、介護保険の保険給付サービスがない限り1円も出ない。

 法的根拠と財政的基盤が介護保険にしかないのに、介護保険外も含めた「使用者の生活全般の支援」を要請される。よく考えれば、大きな矛盾である。 せめて 老人福祉法や社会福祉法に 介護支援専門員の地位を位置づけることはできないか。

 こんなことを考えながらも、講義のなかでは、利用者の「生活の総合的把握」について、生活アセスメントの手法も交えながらお話させていただき、生活保護制度をはじめ、社会資源活用について 解説させていただいた。

 最後に、昨年10月に堺市で起きたケアマネの訪問活動中の死亡事件についても触れながら、

 利用者の「日常生活全般を支援」する
 ●介護支援専門員は、生活の総合的理解は必要だが、絶対に一人で抱え込まない
 ●あらゆる社会資源・機関に発信し、利用者の日常生活全般の支援に結び付ける
 ●利用者の生活ニーズに応えられない社会資源の不備、不足は関係機関へ働きかけを

 埋もれている社会資源を掘り出し、使い物になるようにしていく
介護保険制度が生み出した社会資源であるケアマネジャーは「宝」。
その価値を社会的に認知させ、利用者とともに幸せになるために

 とレジメの末尾を読み上げさせていただくと、300人近い受講者の方から大きな拍手をいただいた。

 とても気を使う研修だったが、受講者の反応がびんびんと伝わってくる とても 緊張感あって、私自身がとても勉強をさせていただいた。

 

 
 




スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し

どりーむ >>URL

幕開け

>利用者の生活ニーズに応えられない社会資源の不備、不足は関係機関へ働きかけを

ここですね。大事なのは・・・。

このことは、ケアマネ一人ではどうしようもないことも多いと思います。
だからこそ、
ネットワークや組織の力が求められていく。
個の支援を通じて築いてきた力を、
どう、線にして、面にしていくか・・・。

この11年間で、ケアマネジャーは
個々のケースに対しての支援は、
それなりに力を付けてきていると、
私は思っています。

そして、今、
次のステージの膜が開きかけているのだと
思います。

Edit | 2011/07/31(Sun) 11:06:49

緑の郷の住人達 >>URL

ケアマネさんの仕事の範囲

居宅介護から特養へ移行し心理的傷つけにあい退所。すぐにもとの居宅介護のCMさんに戻って在宅介護の環境を整えましたが虐待対応に関する役所との交渉はCMは何も申し出てきませんでした。実は家族は介護看護仕事をかかえこみさらに虐待対応での役所との交渉など本来は不可能です。今のところは仕事を削って役所と交渉していますが、この記事をよんで次はお願いしてみようと思いました。周囲のデイケアの主任や民生委員 議員にはいわれたのです。「ケアマネは?」と。でも信頼関係をこわすのがこわくて彼女になかなかきりだせない自分がいます。結局利用者の立場などそれほど弱いものですね。利用者本位などという介護保険の理念は憲法の主権在民と同じくらいの飾りでしかありません。一体何なのでしょう。介護保険制度。社会資源の活用と思い民生委員にまで声をかけていますが民生委員も「ケアマネは?」と聞く始末。結局どこも自分の範疇ではないそぶりです。

Edit | 2011/07/31(Sun) 23:01:41

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索