2011/08/08 Mon
 「総合事業を利用するか、介護保険給付を利用するかは、本人の意向で選択できます。したがって総合事業を導入しても、要支援者のサービス切り捨てにはいっさいありません」
 ある自治体の担当者は言いきる。

 これは、大きな間違い。

 もとは参議院での介護保険法等の「改正」法案が成立するときの附帯決議(衆議院でもほぼ同様の決議がされた)である。
 「五、介護予防・日常生活支援総合事業については、その創設においても要支援認定者が従来の介護予防サー
ビスと同総合事業を選択・利用する意思を最大限尊重すること。また、国として財源を確保し、各市町村
のニーズに応じて適切に実施するよう努めること。」


これを受けて、7月11日に 厚労省が開いた「第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議」の資料では、資料8「第5期計画への介護予防・日常生活支援総合事業の実施の位置づけの検討について」の4頁で、④対象となる要支援者の判断で
「…本人の意向を最大限尊重しつつ、利用者の状態像に適切なケアマネジメントに基づき判断」としている。
「本人の意向」はこれまでの「踏まえてlと比べれば、「最大限尊重」と表現は変わっているが、判断する主体は本人ではない。あくまでも「市町村・地域包括支援センター」であることに変わりはない。厚労省の会議資料は、附帯決議を受けてのリップサービスというべきものである。
 この説明資料で、総合事業か予防給付か「本人が自由に選べる」と早合点するのは、とんでもない間違いである。
 
附帯決議でいえば、6年前、介護保険法改悪法案が国会で成立したときも、
参議院で「新予防給付の導入に伴い、認定区分が要介護一から要支援二に変更される者について、これらの者が現に受けているサービスを引き続き受けられるよう、十分配慮すること。」という附帯決議があったが、その後の現実をみると、まさに改悪を覆い隠す「イチジクの葉」でしかなかったことがよくわかる。

 2007年に私が書いた拙文 
参議院「与野党逆転」下での介護保険見直し問題を考える-改悪法成立時の参議院附帯決議を改めて問い直す-

 我ながら、介護保険改悪のその後と民主党の介護政策についての見通しについて、5年前に私が書いたこと、ほとんど当たってしまっていることに驚く。

 この「総合事業」問題、はたして5年後 どうなっているであろうか。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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