2011/08/21 Sun
 介護保険法「改正」で、取り崩しが可能となった「財政安定化基金」。全国47都道府県で2850億円もため込まれ、実際に貸付・交付されているのは81億円ほどで、使用率わずか2.8パーセント。
 まさに、「埋蔵金」である。

 今回の介護保険法「改正」では、平成24年度限定で、取り崩し、第5期介護保険料の軽減に使用できることになった。

 問題はどれだけ取り崩すか。

 7月11日に厚生労働省が開いた「第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議」での資料では、「取り崩し額の考え方」なるものが示された。
 内容を見て、あ然とした。

 「第5期期間中に確保すべき額」の試算について

 3年目(平成26年度)は、過去の最高貸付時の比率(給付費に対する貸付額の比率。「最大貸付率」という)で計算するという。
 さらに、過去の実績の低い都道府県では、全国の都道府県の「最大貸付率」が単年度に行われると仮定した貸付率(「標準貸付率」という)で計算するという。

 介護保険の財政安定化基金が、それなりに活用されたとのは、第2期(平成15~17年度)までである。

 それ以降は、介護保険改悪と、給付適正化で、計画ほど給付が伸びなくなり、財政安定化基金は、多くの県で、使われることのない「埋蔵金」と化し、貸し付けた資金もほとんど償還されてしまった。

 これを取り崩すのに、わざわざ、「過去最高」の貸付率 で 必要額を計算し、実績の低いところは、全国の「過去最高」を平均した数値で 計算せよと 言うのである。

 まさに、過大な埋蔵金を残すための指標とした言いようのないものである。

 厚労省が8月11日に示した「標準貸付率」は、0.78%である。

 これを仮に、平成21年度の保険給付費等(約6兆8840億円)に当てはめて計算すると、約536.9億円になり、平成25年度必要額(26年度の50%)は約268.5億円、平成24年度必要額(26年度の9%)は約48.3憶円で 合計853億円以上も 財政安定化基金が「必要」ということになる。
 これは、現在の財政安定化基金の33.7%に上り、実際の使用率(2.8%)の10倍以上というあり得ない数字である。


 実際の計算は、平成26年度の保険給付費見込み額で行われ、「標準貸付率」より大きな過去の「最大貸付率」をもつ都道府県は、より大きな所要額となるので、場合によっては、1000億円以上もの「埋蔵金」を温存させ、取り崩し額が1千数百億円にとどまる可能性がある。

 しかも、保険料軽減に充当されるのは、その3分の1の市町村拠出分だけである。これはもともと全額が第1号保険料が原資だから保険料軽減にまわすのは常識である。

 埋蔵金取り崩しをめぐるたたかいは、これからが本番である。
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Category: 介護保険料
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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