2011/10/12 Wed
連載4回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


3 サービス内容及び併給問題
①予防サービス  予防給付を2次予防事業のサービスへ置き換えか
(つづき)

※厚労省はQ&Aで総合事業では、要支援者向けサービスも2次予防対象者向けサービスも「内容が大きく異なることになるとは考えていない」としている。
○第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A②【平成23年9月21日時点】
(問8への答)
総合事業のサービスの内容は、要支援者・二次予防事業対象者とも、市町村において、地域の実情に応じて柔軟に決定可能であることから必ずしも両者のサービスの内容が大きく異なることになるとは考えていない。利用者が真に必要とするサービスを受けることができるよう適切に判断されたい。


 また、今回の通知にある対象者とサービスのフロー図の中で、二次予防対象者が総合事業の「予防サービス」が利用可能であるような矢印が付けられている。「改正」介護保険法(第115条の45第2項第1号)では、予防サービスは「要支援者に対し」と限定されていることとも矛盾するので、厚労省老健局振興課法令係に質問してみた。厚労省の回答は、「二次予防対象者の『予防サービス』は、『予防事業』(法第115 条の45 第1項第1号)のことであり、総合事業は、2次予防事業と予防サービス、生活支援サービスを総合的に実施する事業なので、このようなフロー図になった」というものであった。このことからも、総合事業で提供される予防サービスは、現行の予防給付のサービスよりも2次予防事業とほとんど区別がつかないような内容を想定していることがわかる。

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②生活支援サービス  

 「地域全体で高齢者の自立した生活を支援する」とする総合事業の目玉である「生活支援サービス」については、①栄養改善を目的とした配食 ②自立支援を目的とした定期的な安否確認・緊急時対応 ③その他(予防サービスと一体的に提供されることにより介護予防・日常生活支援に資するサービス)とされている。要は「配食」と「見守り」であるが、現行の地域支援事業者や一般施策ですでに実施可能なもの過ぎない。同通知で「実施可能なサービスの具体例」として挙げられているものには、シルバー人材センター等が実施する配食・見守り・その他のサービスや、「地域における互助、NPO法人、インフォーマルな支援等」である。
 さきの予防サービスが、現在の予防給付で行われているサービスよりも、2次予防事業に近いものであることを合わせて考えるならば、現在、介護予防訪問介護でヘルパーが提供している「生活援助」の大半は、これらのシルバー人材センターや、互助、インフォール支援に置き換えることを狙っているといえるだろう。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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