2011/10/13 Thu
連載5回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


③サービスの併給
 サービスの併給について、今回の通知は、予防給付を受けている要支援者は、予防給付のサービスと異なる総合事業のサービスを利用することは可能だが、同じ種類のサービスを利用することはできない、としている。通知では、例として「介護予防訪問介護に係る予防給付を受けている要支援者が、総合事業に基づいて介護予防訪問介護を利用することはできない」としており、同種のサービスは、「総合事業化か予防給付か」の選択を迫られることになる。しかも、対象者のところで述べたように、その「選択権」は最終的には利用者側にはなく、市町村(地域包括支援センター)が、「利用者の状態像に応じて、適切なケアマネジメントに基づき判断」とされており、予防給付から総合事業への移し替えにつながることが十分想定される。
 また、総合事業の予防サービスを利用せず、予防給付のサービスしか利用しない利用者が、総合事業の生活支援サービスを併用できるか、という問題もある。これについて厚労省は以前のQ&Aでは、利用できない、との見解を示していた。

第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問27:○ 介護予防・日常生活支援総合事業により提供する生活支援サービスについては、「介護予防事業」又は「介護予防サービスのうち市町村が定めるもの」と一体的に行われることが効果的であるものとされていますが、介護保険最新情報等で示されている資料では、対象者を「要支援者」又は「二次予防事業対象者」としています。 
(1)一次予防事業対象者は対象となるのでしょうか。 
(2)要支援認定者のうち「介護予防サービスのうち市町村が定めるもの」を利用せず、予防給付のみ利用する者については対象とならないということで良いでしょうか
答:(1)について現在のところ、要支援者・2次予防事業対象者に限定する予定である。
(2)について貴見のとおり


 この点、今回の通知では、明確な記述はなく、Q&Aの内容が変更がないとすれば、要支援認定者は、生活支援サービスを利用するために予防給付のサービスを総合事業に切り替えさえられるという事態まで危惧される。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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