2011/10/14 Fri
連載6回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について
 
 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。


4 ケアマネジメント及びサービス提供事業者

①ケアマネジメントは財源的裏付けなし 地域包括支援センターに押し付けか
 ケアマネジメントについて、今回の通知は、「総合事業は全てケアマネジメントに基づいて実施」としている。しかし、2次予防事業対象者については、ケアプランの作成は必須でなく、「情報共有」で足りるとしている。さらに、ケアプラン作成を要することになっている要支援者について「全国一律の様式」も定めないなど、自治体まかせの扱いとなっている。
 さらに、問題なのは、「プラン料」について、基準がまったくなく、「地域の実情に応じて柔軟に決定」とされていることである。「総合事業のマネジメント」といっても、このようなケアプラン様式も示さないような無内容な取り扱いでは、自治体レベルでのケアマネジメントは現行の介護予防支援に対する報酬額よりもはるかに低い額になる可能性がある。
 同通知によれば、総合事業のケアマネジメントは、地域包括支援センターに委託されることになっており、さらに、居宅介護支援事業者に再委託することも可能とされている。多くの自治体は、「プラン料」が保障されなければ、委託に受けてくれる事業者がないのではないか、と危惧している。
 結局のところ、地域包括支援センターが、総合事業のケアマネジメントの大半に押しつけられることになりかねない。2006年度に新予防給付とともに地域包括支援センターがスタートした当時、多くの地域包括支援センターが、業務の大半を「予防プラン」が占める状態になり、「予防プランセンター」と化した。今回、総合事業を導入する自治体によっては地域包括支援センターが、「総合事業マネジメントセンター」となり、機能不全に陥る事態になりかねない。

※自治体の「プラン料なしで受託すとことは無い」との問いに対し、厚労省は、プラン料は「市町村が柔軟に設定可能」と答えているが、財源的裏付けのまったくない無責任なものである。
第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問20:③総合事業での、要支援者に対するケアマネジメント事業については、これまで、介護予防給付の対象であった場合は、いわゆるプラン料が支払われていたものが無くなると思われるが、総合事業で相当額を支払うことは可能か。支払うことが不可能な場合、マネジメントについて、居宅事業所へ委託可能とあるが、受託するところは無いと思われるがいかがか。
答:③要支援者に対するケアマネジメントも含め、市町村において、地域の実情に応じて柔軟に設定可能である。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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