2011/10/15 Sat
連載7回目
ゴマカシで塗り固めても危険な内容は変わらない
「総合事業」基本事項通知について 

 厚生労働省は、9月30日付けで「介護予防・日常生活支援総合事業の基本事項について」(老振発0930第1号厚生労働省老健局振興課長通知)を発した。
 「総合事業」について、多くの自治体が「国からの詳細が示されていない」ことを理由にその態度を明確にしていなかったが、厚労省は、この基本事項の内容に沿って今後、政省令、告示等の改正を行うとしており、自治体はいよいよ判断を問われる局面に入ったといえる。
 以下にその内容と問題点、今後の課題について述べる。

②サービス事業者 設備・人員の基準なし 
 サービス事業者について、今回の通知は、予防サービス・生活支援サービスともに、「厚生労働省令で定める基準に適合する者の中から、市町村が地域の実情に応じて柔軟に決定」とされている。しかし、基準で定めるとしている事項は、秘密保持、事故発生時の対応等だけである。人員・設備の基準はいっさい定める予定はないとしている。
 8月の厚労省Q&Aでは、「シルバー人材センターもサービス事業者になり得る」と明記しており、まさに、すべて市町村任せで「何でもあり」の無責任きわまりないものとなっている。
 また、事業者の支払う費用についても市町村が決定とされ、基準なしである。
 利用者負担についても「予防給付とのバランス等を勘案しながら」とされているが、これも「市町村において決定」とされている。
 利用者負担だけが、「予防給付とのバランス等勘案」とされているが、サービス事業者の人員・設備といったサービス提供にかかるものや、サービス内容については、予防給付の内容はまったく保障されない。まさに「安かろう・悪かろう」の予防サービスになる可能性がきわめて高い。
 通知においては「市町村が自ら実施することも可能」、「通所型予防サービス等について、予防給付に係るサービスと総合事業におけるサービスを同時に提供することも可能」とされている。しかし、このような予防サービスを自治体直営で実施するところはきわめてまれであろう。また、デイサービスなどの指定事業者に委託するかどうかは市町村判断であり、また、事業者側としても費用面で受託はかなりの困難がともなうであろう。

○第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議に関するQ&A【平成23年8月22日時点】
問17:介護予防・日常生活支援総合事業のうち、市町村の判断により実施する事業のサービス提供事業者について、シルバー人材センターは厚生労働省令で定める基準に適合するか。
答:「厚生労働省令で定める基準」の中では、衛生管理や事故発生時の対応等、利用者の保護等に関する事項を定める予定であり、人員や設備等の基準を設ける予定はない。この基準に適合すれば、シルバー人材センターもサービス提供事業者になり得るところである。

問26:○市町村の判断により実施する要支援者に対する予防サービスについて、予防サービス等のうち、「市町村が定めるサービス」を実施することとなっているが、「市町村が定める」というのは、現行の予防サービスの種類(訪問介護、通所介護等)を定めるということなのか。
・この場合でも、費用や利用者負担も市町村が独自に決定できるのか。
・実施できる事業者は、予防給付事業者としての指定を受けた事業者であり、基準やサービス内容も現行基準に沿ったものでなければならないのか。
答:総合事業で実施する予防サービスの種類、費用等、実施事業者等については、いずれも市町村において、地域の実情に応じて判断することが可能である。なお、サービスを実施する事業者の基準については、衛生管理や事故発生時の対応等、利用者の保護等に関する事項を定める予定であり、人員や設備等の基準を設ける予定はない。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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