2011/10/18 Tue
 一人1.5万円の賃金改善のための「介護職員処遇改善交付金」。来年3月末でその期限を迎える。
 一昨年の1月、当時の長妻厚生労働大臣は、「平成24年4月以降も処遇改善は継続する」という趣旨の文書も出して介護事業者に処遇改善交付金申請を促した。

 ところが、来年度以降の介護職員らの処遇改善の在り方について議論した10月13日の社会保障審議会介護保険部会では、処遇改善交付金を介護報酬とは別枠で確保するために国費を投入することは難しいという結論である。
 各委員から介護報酬内での処遇改善の実現に前向きな意見はでている。
 しかし、現在の「交付金」が全額国庫負担で、保険料・利用料負担なしで、かつ使途は全額賃金改善であるのに対し、介護報酬化されれば、国庫負担は4分の1に激減し、のこりは保険料と地方負担へ転嫁される。また、使途自由の介護報酬だから賃金改善につながる保障はない。

 厚生労働省の「交付金を継続は困難」との理由は、①交付金の緊急経済対策 ②震災復興費が必要 という ものである。
 介護職員の人材不足は我が国の介護の未来に関わる問題であり、あまりにも劣悪な賃金・労働条件を改善するのがこの処遇改善交付金であったはずである。
 
 また、この交付金をつくった自公政権後に成立した民主党政権は、当時のマニュフェストで「介護労働者4万円の賃金改善」を公約していたではないか。

 まさに、二重三重の裏切りである。

 しかも、介護労働者処遇改善分は、介護報酬にすれば「2%」程度という。

 これにたいし、介護報酬改定を審議する社会保障審議会介護給付費分科会の会長は、このようなふざけた発言をしてはばからない。


介護実調、「プラス改定必要ないと読める」- 大森・介護給付費分科会長

 社会保障審議会介護給付費分科会の大森彌分科会長(東大名誉教授)は10月8日、東京都内で講演し、今年の介護事業経営実態調査(介護実調)の結果で収支差率が黒字のサービスが多かったことなどを挙げ、「今回の実調の結果は、プラス改定する必要がないと読める」との見方を示した。保健・医療・福祉サービス研究会が主催した「社会保障改革と報酬同時改定シンポジウム」で述べた。

 大森氏は、賃金や物価の動向について「だいたいマイナス2%」と指摘。今年度末で終了する介護職員処遇改善交付金を介護報酬に組み込んだ場合に必要な金額も約2%分であることから、「改定(はプラスマイナス)ゼロ。これで済むなら御の字」と述べた。さらに、2012年度介護報酬改定の基礎資料となる今年の介護実調の結果について、「ほとんどプラスで、なかなかいい経営状態。唯一ケアマネ(居宅介護支援事業所)はマイナスだが、(1人当たりのケアマネジャーが)扱っている件数が少ないからにすぎず、1人30件になれば黒字になる」と述べた上で、「事業規模や地域によって相当ばらつきがあるので軽々には言えないが、全体を見ると今回の実調結果は、特段にプラス改定する必要はないと読める」との見方を示した。(CBニュース 11.10.11)

 


 この論法でいけば、処遇改善交付金廃止 → 介護報酬+2% → 賃金物価動向-2% = 0%改定
 という結論になってしまう。

 しかも、介護報酬算定にさいに使われている「地域区分」の見直し、現行5区分を7区分に変更する案では、都京都特別区と現在の特甲地以外の多くがマイナス0.6%になる計算となる。

 踏んだり蹴ったりの介護事業者と介護労働者。

 いまこそ、怒りの声を 厚生労働省と社会保障審議会に寄せるときである。

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Category: 介護保険見直し

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Edit | 2012/02/23(Thu) 08:31:33

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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