2011/10/20 Thu
 10月17日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、2012年度介護報酬改定についての具体的な見直し案(論点)の提示があった。
 サービス種別は、訪問介護、訪問看護、療養通所介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、居宅療養管理指導。

 その中で訪問介護は、

 「生活援助の時間区分等の見直しについて」

論点1:利用者ごとのニーズに対応して効率的にサービスを提供
することにより利用者の利便性や負担に配慮するとともに、事業
者においては、より多くの利用者へのサービスの提供を可能とす
るという観点から、生活援助の時間区分及び単位について、実態
に即した見直しを行ってはどうか。

【対応】生活援助の時間区分の見直し(案)
(現行)                      (見直し案)
生活援助が中心である場合
30分以上60分未満     →        45分未満
60分以上          →        45分以上
※ 身体介護に引き続き生活援助を行う場合についても必要な見直しを行う。


 昨年末の社保審介護保険部会の「介護保険見直しに関する意見」にもなかった、突然の提案である。

 もともと、訪問介護の生活援助は、2006年度報酬改定で、それまであった「1時間半以上」に対応する報酬区分(生活援助4以上)がなくなり、どれだけやっても生活援助3(1時間以上)291単位しか算定できないという改定があり、事実上1時間30分以上の長時間サービスは提供できなくなっていた。
 現行の報酬は次のとおりである。
【生活援助のみ】
30分以上60分未満 229単位
60分以上 291単位
【身体介護に引き続いて行う場合】
30分以上 83単位
60分以上 166単位
90分以上 249単位

 今回の 「45分未満」と「45分以上」の2区分に変更する案でいくと、どうなるであろうか。
 
 現行の 30分以上60分未満 229単位、60分以上 291単位 は切り下げられる可能性が高い。
 

 サービス時間の「下限」は、現在でも身体介護は20分未満の短時間は認められないので、「45分未満」でも、最低は同様の最低時間は設定されるだろう。
 一方で、現在「60分以上」は、事実上 60分~90分まで のサービス提供がなされているが、「45分以上」となると、その提供時間は 短くなるであろう。
 さらに、身体介護に引き続いて行う場合の30分単位の生活援助についても「必要な見直しを行う」としている。

 厚労省は、この見直し案の説明で「生活援助のうち利用頻度の高い『掃除』・『調理・配下膳』の平均所要時間は30分~40分程度(サービス準備6分を合算)となっている」ことを理由にあげている。

 また、訪問介護は30分以上60分未満が下限であることについては、現場から見直しを求める声も多い。これは、身体介護と同じように 生活援助にも「30分未満」をつくれば解決する。

 今回あえて、60分を 45分に 縮めたのは、生活援助の 短時間化 切り下げに 結びつく危険性が高い。

 一方で、現場から要望の強かった、短時間身体介護の報酬化については、次の考え方を示している。


○ 身体介護の行為ごとの平均提供時間は起床・就寝介助及び服薬介助を除き、20分~30分
程度(サービス準備6.5分を合算)となっている。
○ 現行の報酬区分よりもさらに短時間(10~15分程度)を想定した区分を創設すべきでは
ないかとの指摘があるが、次の観点から慎重に検討すべきではないか。
・ 短時間の身体介護ニーズは夜間等も含め1日複数回生じることが想定され、その必要回数
も日々の状況に応じ一定程度の変動があり得るが、こうした短時間の頻回訪問を「出来高払
い方式」で行う場合、利用者負担の著しい変動が生じるおそれがある。
・ こうした変動が起こりうる「出来高払い方式」は収入が安定しないことから、事業者に
とっても職員の体制確保が困難であり、利用者個々のニーズに応じた日々の柔軟なサービス
調整や常勤職員の確保による勤務ローテーションの安定化等に支障が生じるおそれがある
 

 基本的に「拒否」である。今回、制度化された「定期巡回・随時対応サービス」に短時間身体介護は任せなさい、という意図であろう。

 一方で、訪問看護については、

「論点1:短時間・頻回な訪問看護のニーズへの対応を強化するため、時間区分ごとの報酬や基準について見直しを行ってはどうか。」

 として、現行では、日中の訪問と併せて、夜間、深夜、早朝の訪問を行った場合のみ算定可能な「20分未満」のサービスについて、
「日中に訪問を行った場合につい ても算定可能としてはどうか。」

 と、20分未満について報酬化を拡大している。

 訪問介護だけ、意図的に差別する 狙いは 何であろうか。
 やはり、新サービスである定期巡回。随時対応サービスに、とってかわらせようとする意図であろうか。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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