2011/10/27 Thu
 定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。


5 深夜時間サービスと特養等の夜勤職員への委託

 「24時間対応」を標榜する限り、深夜時間帯にも責任のもてるサービス提供体制が構築されなければならない。ところが、厚労省は、定期巡回・随時対応型サービスについて、
 「特に利用者の就寝時間帯については、定期巡回及び随時の対応に係るニーズが減少することが予想されるため、人的資源の有効活用を図る観点から
・ 特養や老健等の24時間対応体制が確立している施設・事業所等の夜勤職員の活用
・ 定期巡回・随時対応サービスの事業の一部委託
を認めてはどうか。」
 との考え方を打ち出している。
 
 具体的には、「オペレーター」について特養・老健等の夜勤職員との兼務を認める案を示している。既に述べたように随時対応の要となるオペレーターは、コールから瞬時に利用者の状態を判断し、訪問の要否等の判断を含めた随時の対応方法を判断する能力を求められる。これを特養・老健の夜勤職員の片手間業務にするという単なる「誰でもできる電話番」のような扱いである。
 
 さらに、深夜実際に訪問してサービスにあたる職員も特養・老健等に増配置されている夜勤職員について兼務を認める案である。
 夜勤職員は仮眠もとれない厳しい勤務実態にあり、増配置職員といえども果たして、深夜に施設外に訪問できるような体制がつくれるのか、はなはだ疑問である。ある特養の施設長は「うちの施設は夜勤職員は基準を上回る配置をしているが、夜中に外へ行けるような余裕はまったくない」と述べておられた。
 また、介護現場にいるとはいうものの、通常は在宅の現場にいない施設の夜勤職員を深夜の緊急時訪問にかりだすことで、利用者に適切なサービスが提供できるのか、という懸念の声が現場からは聞かれる。
 厚労省案では、こうした特養・老健等の夜勤職員を「活用」することで「随時の訪問」や「深夜の定期巡回・オペレーター業務」については「委託を認めてはどうか」とされている。
 さすがに基幹サービスである「日中・夜間・早朝」の定期巡回サービス及びオペレーター業務」については、「原則として委託を認めない」としているものの、厚労省案でいくと「随時訪問」は日中・夜間・早朝・深夜すべてにわたって委託可能。「定期巡回」と「オペレーター」は「深夜」は委託可能となってしまう。

 「24時間対応」が売り物の定期巡回・随時対応サービスであるが、無責任で場当たり的な、安上がりのみを自己目的化したような考え方といわざるを得ない。

(つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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