2011/10/30 Sun
定期巡回・随時対応サービスは、厚労省が社保審・介護給付費分科会で検討中ですが、その内容と問題点と明らかにし、具体的な改善要求と対応について考えます。

8 他の訪問サービスとの併給を認めず 訪問介護の排除狙う 
 
 厚労省案では、定期巡回サービスを利用した場合、訪問介護・訪問看護・夜間対応型訪問介護については、「併用することは想定しがたい」とし、併給を否定している。訪問介護のうち例外的に「通院等乗降介助」だけを認める案である。
 厚労省は、「サービスの内容が重複する」ことを理由にしている。しかし、定期巡回サービスはあくまでも、身体介護を中心とした短時間のサービスを想定したものである。っそのため、長時間に及ぶ入浴介助などは、このサービスで提供せずデイサービスなどで対応する「訪問イメージ図」が掲載され、食事介助ですら、長時間になると「人的コスト」を問題にしている。また、生活援助については、調理や買い物は「イメージ図」に一切入っておらず、「昼食時、身体介護とあわせて生活援助を実施」「細かな生活援助(洗濯物の方付け、身の回りの整理など)は身体介護と一体的に提供されている」とされている。事実上、生活援助は入っていないに等しい。
 重度・単身の利用者の居宅生活を可能とするサービスといいながら、生活に必要な、掃除・洗濯・調理など生活援助が定期巡回サービスで提供されず、さらに訪問介護も併用できないとなると、保険外の有償サービスしかない。
 定期巡回サービスは、短時間細切れの身体介護とそのついでの「身の回りの世話」程度のサービスを「一日複数回」提供するかわりに、訪問介護の一定時間の身体介護(入浴や外出介助など)、家事を担う生活援助を排除することにつながりかねない。「地域包括ケア研究会報告書」が描いている2025年の姿では、「24時間365日での短時間巡回型の訪問サービスが中心になっている」としている。定期巡回と訪問介護の二者択一を迫るこの「併給禁止」は、現在の「滞在型」の訪問介護の身体介護・生活援助サービスを意図的排除し、定期巡回に置き換えさせようとする意図であろう。
 厚労省が示した訪問介護の報酬見直し案では、要望の強かった「30分より短い10分~15分の身体介護」の報酬新設について、定期巡回との競合をさけるため否定していることもその表れである。
 定期巡回サービスの基準・報酬をめぐる最大の問題は、この「他の訪問サービスとの併用」を可能とする制度にするかどうかである。
(つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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