2011/11/05 Sat
 京都市の北区・上京区・左京区の地域包括支援センター職員研修会に招かれた。会場は今年改築されたばかりの左京区総合庁舎。ピカピカである。3行政区の包括支援センター職員ら70人が参加した。

 今回の介護保険法「改正」は、地域包括ケアが目玉だ。しかし、その主要な担い手となる地域包括支援センターには見るべき改正はほとんどない。

 新しく追加された条項 
「115条の46
5  地域包括支援センターの設置者は、包括的支援事業の効果的な実施のために、介護サービス事業者、医療機関、民生委員法(昭和23年法律第198号)に定める民生委員、高齢者の日常生活の支援に関する活動に携わるボランティアその他の関係者との連携に努めなければならない」

一部追加された部分
「115条の47
  市町村は、老人福祉法第20条の7の2第1項に規定する老人介護支援センターの設置者その他の厚生労働省令で定める者に対し、包括的支援事業の実施に係る方針を示して、当該包括的支援事業の実施を委託することができる。」
※下線部分が改正箇所


 これだけである。

 あとは、報酬改定の検討をしている社会保障審議会介護給付費分科会で、「予防プランの委託のケアマネ一人8件制限について廃止」の方向がだされている。
 
 しかし、地域包括支援センター事態の人員体制や権限・機能の具体的な強化策はない。
 
 今回の改定の土台となった「地域包括ケア研究会報告書で」は、地域包括ケアの中核としての地域包括支援センターに、NPO・自治会等の「住民主体の活動体による生活支援サービス」の組織化、困難事例や在宅復帰困難者へのケアマネジメントとコーディネーター、さらにケアマネジャーの評価機能など多くの「課題を提起し、地域包括支援センターの「権限の明確化」や「基幹的な地域包括支援センターの市町村直接運営」を当面の改革課題に挙げていた。
 ところが、法改定では、権限の明確化もなしに、地域包括支援センターの「地域連携」(地域ネットワーク構築)の義務だけである。市町村については委託の際の「方針明示」のみである。

 さらに、法改定で持ち込まれた「総合事業」は、要支援者の「予防給付か総合事業か」の振り分けや、総合事業の利用者のケアマネジメントなど、さらに多くの業務を課すことを想定している。

 これでは現行の「予防プランセンター」から 「総合事業センター」へと より悪くなり、中重度者対応や医療連携、地域ネットワーク構築など、本来の業務はますますできなくなってしまうであろう。

 ところで京都府では、府知事の提起で「京都式地域包括ケアシステム」めざして「推進機構」が今年6月発足している。予算58億円で、独自の地域包括ケアシステムの推進を図るという。

 実態はよくわからないし、研修会参加者の中からは「京都市の消極姿勢」を指摘する意見もあった。

 京都市の地域包括支援センターはすべて委託で、専門3職種は計100件の予防プランが標準で120件まで持てるとのこと、 京都では業務の7割が予防プラン業務という指摘もあるくらいである。
 まさにその合間を縫うように、総合相談や虐待対応、ケアマネ支援など、本当に涙ぐましい努力をされている。

 京都のみなさんが、「京都式地域包括ケアシステム」を現場から活用しながら、改革していくことを期待する。

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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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