2011/11/12 Sat
 昨日の和歌山の学習会で、こんな質問をいただいた。

 「介護予防・日常生活支援総合事業が、かなりの市町村で実施見送りとなっているようだが、これは住民の反対運動の成果なのか」

 たしかに、大都市(政令市・中核市)では、2012年度実施見送りが大勢のようである。
 シルバー新報調査

 質問への私の回答

 総合事業がスムーズに広がっていない原因は二つある。

 1つの側面として、介護関係者がこの間「軽度者のサービス取り上げ反対」「要支援者に保険外しをするな」と要求してきたことの成果であることは間違いない。いくつかの自治体では署名や要求交渉、議会追及の結果「見送り」を当局に表明させていることからも明らかだ。この点は私たちの確信にしてよいし、自治体当局も賢明な判断をしていると評価できる。

 もう1つの側面として、この総合事業が、「市町村任せ」で、任された方の市町村が、「自分たちではどうしてよいかわからない」「考えることができない」 という事情がある。ある意味で 市町村の主体性のなさ、悪いことばでいえば無気力、無能さ である。何から何まで国に決めてもいらわないと何もできない という風潮、そして、「よその自治体はどうするのだろう」という、模様眺め がある。

 そういう意味では、こうした自治体の無能さに 救われている面があるので、国が本腰いれて実施を迫ってきたり、国の制度改悪で要支援者の負担増やサービス制限が出てきた場合、今度は自治体側から「やはり総合事業しかない」と流れが変わる可能性がある。

 だからこそ、今、なぜ総合事業がダメなのかを明確にして、自治体当局を追及し明確な「わが市は実施せず」の回答を引き出しておくことが重要だ。
 油断大敵である。

厚労省も巻き返しに必死である。

11月9日にはこんな文書まで出した。
 介護保険情報Vol248

事務連絡
平成23年11月9日
各都道府県介護保険担当課(室)
各市町村介護保険担当課(室)   御中
介護保険関係団体

厚生労働省老健局振興課


「介護予防・日常生活支援総合事業に関するQ&A」の送付について

介護保険制度の円滑な推進につきましては、平素から格別のご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本年9月30日に、「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的事項について(老振発0930第1号)」が発出されたところですが、今般、別紙のとおり介護予防・日常生活支援総合事業に関するQ&Aを作成いたしましたので送付いたします。
各都道府県におかれましては、御了知の上、管内市(区)町村、関係団体、関係機関に周知徹底を図るとともに、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施のために
御活用いただきますようお願いいたします。
【照会先】
老健局振興課法令係
(直通)03-3595-2889(内線)3937


介護予防・日常生活支援総合事業に関するQ&A
「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的事項(老振発0930第1号)」(以下「基本的事項」という。)について

1 基本的考え方

Q1 現行の地域支援事業でも、生活支援サービスは任意事業で実施できると考えるが、市町村が総合事業を導入するメリットは何か。
A ケアマネジメントに基づき、予防サービスや生活支援サービスを柔軟に組み合わせて提供できるようになることで、利用者の状態像に応じたサービスを総合的に提供できるようになるとともに、効率的な事業運営が可能になる。また、介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という。)全体で介護予防・日常生活支援を総合的に推進する点を勘案し、任意事業と異なり、生活支援サービスも含めた総合事業全体に対して、第二号保険料が投入されることとなっている。

Q2 今後、総合事業に関して公布・発出する予定のものは何があるか。
A 政令、省令、指針(大臣告示)のほか、地域支援事業実施要綱(通知)の改正、参考となる手引き(あくまで参考であり、これに従う必要はない)をお示しする予定である。なお、政令、省令、指針等については、基本的事項でお示しした方向性に沿って制定する予定である。

2 対象者

Q3 これまで、任意事業において配食や見守り等を実施していたが、総合事業の導入により、これらの配食や見守り等の対象は、総合事業の対象者である要支援者・2次予防事業対象者に限定されることになるのか。
A 総合事業における生活支援サービスの対象者は要支援者及び2次予防事業対象者であるが、任意事業であれば、従来どおり要支援者及び2次予防事業対象者以外の方に対しても、配食や見守り等のサービスを提供することが可能である。

Q4 基本的事項の「2.対象者」では、要支援者及び2次予防事業対象者が対象者であると記述されているが、1次予防事業は総合事業には含まれないことになる
のか。
A 基本的事項の「2.対象者」では、総合事業において提供するサービス(予防サービス、生活支援サービス及びケアマネジメント)の対象者が、要支援者及び2次予防事業対象者であることを示したものであり、1次予防事業も総合事業に含まれる。
なお、総合事業の内容と対象者の関係を整理すると、以下の表のとおりとなる。

内容                       対象者
予防サービス、生活支援サービス、ケアマ
ネジメント                   要支援者及び2次予防事業対象者
2次予防事業の対象者把握事業、2次予防
事業評価事業                  2次予防事業対象者
1次予防事業                  1次予防事業対象者

3 サービスの内容

Q5 予防サービスのみ、又は生活支援サービスのみを実施することとしてもよいか。

A 総合事業を実施する場合、市町村は、予防サービス、生活支援サービス及びケアマネジメントの全てを総合的に実施しなければならない。ただし、個々の利用者に対しては、ケアマネジメントに基づき、予防サービスのみ、又は生活支援サービスのみを実施することはあり得る。

Q6 基本的事項の「3.サービスの内容」では、生活支援サービスは、『「①栄養改善を目的とした配食」、「②自立支援を目的とした定期的な安否確認・緊急時対応」、「③地域の実情に応じつつ予防サービスと一体的に提供されることにより、介護予防・日常生活支援に資するサービス」のうち、市町村が定めるサービス』と記述されている。当該記述は、市町村は、少なくとも①~③のうちのいずれか1つのサービスを実施すれば良いという趣旨なのか。
A そのとおりである。
なお、当然、市町村は、①~③の全てのサービスを実施することも、①~③のうちの2つのサービスを実施することも可能である。

Q7 基本的事項の「3.サービスの内容」の生活支援サービスのうち「③地域の実情に応じつつ予防サービスと一体的に提供されることにより、介護予防・日常生活支援に資するサービス」の内容について、基準等を定める予定はあるか。
A 生活支援サービスのうちの③のサービスについて、全国一律の基準等を示す予定はない。基本的事項に記載した趣旨に則りつつ、地域の実情に応じて、市町村において独自に定めていただくサービスである。なお、市町村において複数のサービスを定めていただくことも可能である。

Q8 生きがいデイサービスのような、一般財源化された事業で行っているサービスを、総合事業で実施してもよいか。
A 一般財源化された事業をそのまま地域支援事業に移行することはできない。ただし、異なる目的により、適切なケアマネジメントに基づいて、総合事業の一環として位置づけて実施することは可能である。

Q9 基本的事項において、予防サービスはできる限り通所によることとする旨の記述があるが、要支援者に対しても通所型予防サービスが基本となり、訪問型予防サービスは限定的に取り扱わなければならないのか。
A 基本的事項における当該記述は、2次予防事業対象者に対する予防サービスについて、現行の介護予防事業に沿ってできる限り通所によることとした旨の記述であって、要支援者に対する訪問型予防サービスをも限定的に取り扱わなければならないという趣旨ではない。
4 サービスの提供方法

Q10 基本的事項では、事業の実施を委託する場合の厚生労働省令で定める基準として、今後定める予定としている事項が挙げられているが、このほかに、人員や設備等の詳細な基準について定める予定はあるか。
A 厚生労働省令で定める基準としては、基本的事項でお示しした事項のみを定める予定であり、人員や設備等について全国で一律の基準を示すことは予定していない。

5 利用料

Q11 利用料は市町村が地域の実情に応じて決定できるとのことであるが、区分支給限度額はあるか。
A 総合事業の利用について、全国で一律の支給限度額は設定しない。なお、例えば予防給付を限度額いっぱいまで受けている方が総合事業も利用する場合など(予防給付と総合事業のサービスの併給については、同じ種類のサービスは併給できないことに注意されたい。)、保険給付の区分支給限度額の趣旨を損なうことのないように配慮する必要がある。

 
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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