2011/12/04 Sun
 12月4日の新聞朝刊を開いてびっくり。

 あの野田総理の顔写真入りで、社会保障・税一体改革の一面広報記事がすべての新聞に載っている。
社会保障・税一体改革新聞広告ph536s


 埼玉の浦和駅で読売、朝日を買ったらいきなり目に入り、岩手県の一関に来て岩手日報、岩手日日を見たらここでももこの一面広告である。

全国紙を始め地方紙まで掲載されている。

 一体どれだけの広告費を支払ったのだろうとふと思う。

 中味は、

 世界最速の高齢化で、年金・医療・介護など必要な社会保障費は毎年1兆円以上も自然に増えて行くんです。1兆円というと、1万円札を平積みした高さが1万メートル。年間増加分だけで、エベレストより高い。 

 こんにちの政府の「財政危機の責任がすべて社会保障費増」にあると決め付け、分かりやすいように1万円札で1万メートル と言い表している。

 さらに、このグラフである。

 日本人口年齢構成img_07s

 40年前の1970年では、65歳以上とそれ以下の人口割合は「1対13」。これを「胴上げ型」と表現。1人を13人を支える、というわけだ。
 そして現在 2010年は、「2対8」。2人を4人を支えるから「騎馬戦型」という(野田総理は「3人で一人」と言っている)。

 そして、2050年は、「4対6」になる。野田総理は「いずれ1人が1人を支える比率になる。もう"肩車"です。」と言っている。

 朝のテレビの討論番組に出演していた長妻元厚生労働大臣も、まったくおなじように「今は騎馬戦だけど将来は肩車になる」と、年金引下げを主張していた。

 この小学生に諭すような単純な未来図 で「消費税増税やむなし」と堂々と述べている。

 野田総理いわく

増税を《したくてする》のではなくて、これはどなたが政権を担当しても、政治家として覚悟を決めて《せざるを得ない》決断だと思います。

 まさに、消費税増税不可避論である。

 そして、さらに野田総理は、
どなたにも、社会保障は必要になります。だから、特定の誰かではなく世代を越えてオール・ジャパンで、公平感がある税金で《お互いに支え合う》んです。今回の震災では、支え合う強い絆が生まれましたが、社会保障も正にそうで、保険料と税金等で、世代を越えた支え合い制度を構築するんです。

 東日本大震災での「支え合い」を引き合いに出し、「オールジャパンの支え合い」を言い出す。

そして、なぜ消費税か については
日本の基幹税3つ(法人税、所得税、消費税)の中で、一番景気の動向に左右されないのが、消費税だと思います。社会保障が、景気に左右されて支えられないという状況になってはいけませんから。

 と、「安定性」を持ち出して、これしかない と強弁する。

 しかし、低所得者層も含めて全国民の衣食住の生活資材すべてに10パーセントもの消費税負担を強制することによる生活苦については、一切の説明も釈明もない」。

 あるのは、
《肩車と胴上げでは、支え方は違う》でしょう。
 の理屈である。

 少子高齢化で、重い重い高齢者を支える社会になるのだから、その重さと負担に全国民は耐えるしかない、というのである。

 この「肩車型」は、小学生レベルの理屈なだけにたちが悪い。

 現役世代=労働力世代
 高齢者 =お荷物世代

 この理屈である。

 この理屈で行けば、お荷物を肩車で支え切れなくなったら、姥捨て山に捨てることが 一番の解決法になってしまう。

 とんでもない 高齢者蔑視の差別思想である。


 寿命の伸長=長寿化 は、人類のもつ生産力と科学技術、医学の発展が生み出した偉大な進歩の結果である。

 言いかえれば、現役で働くことができる世代を中心とした社会(人間50年)から、現役を引いても生き、さらに人生を謳歌できる社会(人生90歳)へと人類そのものが発展してきたのである。

 
 高齢化問題についての世界的な到達点は、野田総理ら、日本政府の時代遅れの「高齢者お荷物論」とはまったくちがう。

 第2回高齢化に関する世界会議(2002年)政治宣言では、

 我々は、人類の大きな成果の1つとして、世界の多くの地域で平均余命が伸びたことを祝福する。 
 
 と高々と長寿化を祝福するところから出発している。

 そして、その高齢社会を支える取り組みについては、
 現代の世界は、かつてないほどの富と技術力を有している。したがって、男性も女性も高齢になっても健康を維持し幸福を十分に実感することを可能にさせる、高齢者が社会に完全に統合し参加させる、高齢者が地域社会及び社会発展にさらに効果的に貢献することを可能にする。かつ、高齢者が必要とする介護や支援を着実に改善することを可能にするための非常に大きな機会に恵まれている 

 高齢者についての見方は
 高齢者の潜在能力は、将来の発展の強力な源泉である。社会は、進んで自らの向上を図るだけでなく、社会全体に積極的に参加する高齢者の技能、経験及び知恵をますます活用することが可能になる。

 高齢者がそれぞれの社会において経済、政治、社会及び文化活動に参加できるということは、高齢者が期待することであると同時に、社会の経済的ニーズを充足することにもつながるものである。
 である。

 子どもだましの「肩車」=「高齢者お荷物」論から 脱却することが 日本政府の課題である。

 膨大な新聞広告費を使って高齢者を差別するような首相も政権こそ、国民の「お荷物」である。


 
 
スポンサーサイト
Category: 時局争論
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索