2012/01/25 Wed
2012年度報酬改定案の諮問・答申が社保審・介護給付費分科会で行われた。

ひとことでいえば「引き下げ・軽度者切り捨て・短時間化」である。

「看板」の改定率は、昨年末の厚生労働・財務大臣合意どおり、「1.2%」のプラス改定だが、なかみはどこからどう見ても「引き下げ」である。

 一度に全部書けないので、本日から連載する。

処遇改善加算
 現行の介護職員処遇改善交付金(全額国庫負担)を廃止し、介護報酬において「介護職員処遇改善加算」を新設し、1.1%~4.2%の加算を行うとしている。
 しかしこれは、3年限定のものである。
 審議会資料では
 「介護職員処遇改善交付金相当分を介護報酬に円滑に移行するために、例外的かつ経過的な取り扱いとして、平成27年3月31日までの間、介護職員処遇改善加算を創設する。なお、平成27年4月1日以降については、次期介護報酬改定において、各サービスの基本サービス費において適切に評価を行うものとする。」
 と明記されている。

 この処遇改善加算分は、区分支給限度基準額の算定対象からは、除外される。しかし、介護報酬であるため、利用者負担(1割)にはそのまま転嫁される。
 
 3年前に始まった介護職員処遇改善施策の事実上の放棄である。

 しかも、介護職員処遇改善交付金と同じ水準が、この「処遇改善加算」で確保されてとしても、在宅サービス、施設サービスで数多く行われた「引き下げ」を差し引くとマイナスになる場合が多々ある。
 
 たとえば、 
 通所介護
 処遇改善加算は、1.9%とされているが、基本報酬は小規模型の「所要時間5時間以上7時間未満」とされると現行(所要時間6時間以上8時間未満)とくらべて、要介護1で11%減、要介護5でも9%減である。
 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
 処遇改善加算は、2.5%とされているが、基本報酬は、多床室では、要介護1で3.2%減、要介護5でも2.7%減である。
 
 このように、処遇改善交付金を処遇改善交付金に置き換えても基本報酬部分のマイナスで事業所としては減収になるのである。

 もともと、厚労省は、処遇改善交付金を介護報酬化することで、報酬は2%プラスになると説明してきた。1.2%改定ならば、0.8%を他の報酬を切り下げなければならない。しかも、報酬の各項目で見ていくと現場は0.8%減などという生やさしいものではない。

 明らかに「引き下げ」の報酬改定である。 (つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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