2012/01/29 Sun
1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載5回目。

通所リハビリ

 医療保険から介護保険への露骨な誘導

通所リハビリでは、
 「医療保険からの円滑な移行を促進する」を目的に
①短時間の個別リハビリテーションの実施について重点的に評価
②長時間のリハビリテーションについて評価を適正化

を柱に報酬改定が行われた。

具体的には以下のとおり。

①長時間の引き下げ基本報酬
 現行は、「2時間以上3時間未満」は、「3時間以上4時間未満」×0.7とされていたものを新たに区分を新設し、従来より高い基本報酬とした。
(例)要介護1 現行 270単位 ⇒ 284単位(5.1%アップ)
   要介護5 現行 585単位 ⇒ 509単位(7.1%アップ)

 一方で、「4時間以上6時間未満」と「6時間以上8時間未満」は2.5%程度引き下げた。
(例)4時間以上6時間未満  要介護1  515単位 ⇒ 502単位(▲2.5%)
                  要介護5  955単位 ⇒ 931単位(▲2.5%)
 

②個別リハビリ加算の複数回化  
 これまで1月に13回を限度として1日につき80単位を加算していた「個別リハビリテーション実施加算」が、1月に13回を限度に80単位を1日に複数回算定できることとされた。1時間以上2時間未満であれば、実施時間内であれば何回でも個別リハビリテーション実施加算の算定が可能となり、
 医療保険の「疾患別リハビリテーション(外来)」(20分以上の個別リハビリ月13回まで可能)と同等の扱いとなった。

個別リハビリテーション実施加算 ⇒ 算定要件の見直し(80単位/回)
※算定要件(変更点のみ)
・ 所要時間1時間以上2時間未満の利用者について、1日に複数回算定できること。
 

③リハビリマネジメント加算の要件緩和
 現行は、「リハビリテーション実施計画を策定し、月8回以上通所リハビリテーションを利用」が要件とされているリハビリマネジメント加算を、「月4回利用」に緩和した。
リハビリテーションマネジメント加算 ⇒ 算定要件の見直し
※算定要件(変更点のみ)
・ 1月につき、4回以上通所していること。
・ 新たに利用する利用者について、利用開始後1月までの間に利用者の居宅を訪問し、居
宅における利用者の日常生活の状況や家屋の環境を確認した上で、居宅での日常生活能
力の維持・向上に資するリハビリテーション提供計画を策定すること


「手厚い医療が必要な患者」も介護保険?

さらに、「手厚い医療が必要な利用者に対するリハビリテーションの提供を促進する」との理由で「重度療養管理加算」を新設した。

要介護度4又は5であって、手厚い医療が必要な状態である利用者の受入れを評価する見直しを行う。
重度療養管理加算(新規) ⇒ 100単位/日


 一日たった100単位で、受け入れる利用者は
 要介護4又は5であって
イ 常時頻回の喀痰吸引を実施している状態
ロ 呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態
ハ 中心静脈注射を実施している状態
二 人工腎臓を実施しており、かつ、重篤な合併症を有する状態
ホ 重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態
ヘ 膀胱又は直腸の機能障害の程度が身体障害者障害程度等級表の4級以上であり、ストーマの処置を実施している状態
ト 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態
チ 褥瘡に対する治療を実施している状態
リ 気管切開が行われている状態

という重篤な状態ばかりで、しかも2時間以上の受け入れである

「介護から医療へ」もここまできたかという事態である。

 そもそも、介護保険のリハビリは、区分支給限度額の枠内でケアプランに組み込まれて初めて実施可能であり、医師が必要と認めても実施できない場合が少なくない。
 維持期を含めてリハビリは、医師が指示するOT・PT・ST等の専門職種による医療行為であり、患者の病態に応じて医療保険から給付されるべきである。
 「リハビリテーションは、維持期を含めて医療保険から給付を。」このことを声を大にして主張すべきである。

(つづく)


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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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