2012/01/30 Mon
1月25日、社保審・介護給付費分科会で諮問・答申された2012年度報酬改定案。

 私なりの批判 連載6回目。

 介護老人福祉施設

 施設系はすべてマイナス改定だが、とくに介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は大きな引下げである。

 多床室と軽度者により大きな引下げ

 中でも多床室は現行よりマイナス3.2%から2.8%の大幅な報酬減少となった。とくに要介護1,2の軽度者により大きな引下げで軽度者狙い撃ちである
 
【介護福祉施設サービス費(Ⅱ):多床室】
要介護1 651単位/日   要介護1 630単位/日 ▲3.2%
要介護2 722単位/日   要介護2 699単位/日 ▲3.2%
要介護3 792単位/日 ⇒  要介護3 770単位/日 ▲2.8%
要介護4 863単位/日   要介護4 839単位/日 ▲2.8%
要介護5 933単位/日   要介護5 907単位/日 ▲2.8%


 さらに、2012年度以降、自治体判断で整備する施設多床室には、さらに引き下げた報酬とし、要介護1では現行より、4.3%ダウンという大幅に低い報酬となった。
 個室についても引き下がられ、いずれも1%程度以上ダウンで、唯一据え置きとなったユニット型個室要介護5以外はすべて引下げである。

 まさに、多床室の切捨てと軽度者追い出し を狙ったものである。

 重度者・困難者受け入れ

 唯一の新設加算は、
 
 認知症行動・心理症状緊急対応加算(新規) ⇒ 200単位/日

 のみである。

 、認知症の行動・心理症状が認められるため、在宅での生活が困難であり、緊急に介護福祉施設サービスを行う必要があると判断した利用者を受け入れた場合だが、200単位で、しかも、「7日」しか算定できない。

 加算の引上げは

 日常生活継続支援加算 22単位/日 ⇒ 23単位/日

 「入所者の重度化への対応を評価する」というが、たったの1単位引上げ で、算定要件はさらに厳しくされた
  ※算定要件(①~③のいずれかの要件を満たすこと)
①要介護4若しくは要介護5の者の占める割合    65% ⇒ 70%以上
②認知症日常生活自立度Ⅲ以上の者の占める割合   60% ⇒ 65%以上
③たんの吸引等(※)が必要な利用者の占める割合  15%以上(今回新設)

 「看取り」の充実を図るため、外部の医師が連携して、看取りを行った場合について、診療報酬で評価がされるおとになったが、特養側の報酬上の加算の引上げはなしである。

 基本報酬を大幅に引き下げた上に、まともな報酬加算もなしで、重度者・困難者の受け入れと「看取り」を押し付ける改定と言える。

 政府の事業仕訳の場を含め執拗になされた「特養の内部留保」批判は、このような改定への地ならしであった。

 犠牲をおしつけられるのは 特養の現場職員と入居者である。

 (つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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