2012/02/19 Sun
「診療報酬・介護報酬同時改定と現場への影響」と銘打ったタイムリーなシンポジウムが総合社会福祉研究所の主催で開かれた。

 内容は、
報告Ⅰ「診療報酬改定の内容と現場への影響」報告 日下部
報告Ⅱ 「『一体改革』の第一歩としての診療報酬改定と医療現場への影響」報告 寺尾正之さん(全国保険医団体連合会事務局次長)
コーディネーター 横山壽一さん(金沢大学教授)

 偉い人達に交じって私がトップバッターで報告させていただいた。わずか1時間足らずで、在宅サービス・施設サービス含めて介護保険見直しと報酬改定をお話しするのは至難の業。後半はほとんど飛ばし、「介護報酬は、どこに問題があるかをしっかり見抜いて、まだ、告示・省令公布がされていない段階で、修正要求の声を突き付けていくことが大切。4月実施意向も問題点を明らかにし見直しを迫ろう」と訴えさせていただいた。

 診療報酬改定の報告はとてもよかった。というより、まとまった本格的な話ははじめて聞いた。

1.今次改定は「一体改革」の第一歩
(1)野田政権が「一体改革」の第一歩と位置付ける同時改定
①入院から在宅・住宅へ、医療から介護への方針を強化し、医療・介護給付費の削減と、医療・介護提供体制に抑制に踏み出す
②2025年までに7回実施される診療報酬改定、3回実施される同時改定を見通した計画を立て、今次改定は政策的に誘導する第一歩と位置付ける


の書き出しで始まる寺尾さんの報告資料は、「一体改革」の中で今回の報酬改定がどういう位置あるのか、そして。介護保険見直しと報酬改定の「前提」となるものであることがよくわかった。

「一体改革」が示したシナリオ 2025年
▽病床数:一般病床は129万床が必要になるが、26万床削減
     長期療養は34万床が必要になるが、6万床削減
     病床全体で202万床が必要になるが、43万床削減
 ▽入院患者数:162万人/日に増加するが、33万人削減
 ▽外来患者数:5%削減 ⇒外来受診日数を1億日減らす
 ▽要介護認定者数:3%削減 

 介護分野での「地域包括ケア」構築は、医療のこの削減の受け皿に他ならない。

診療報酬の主な改定内容では、

※「医療と介護の円滑な移行」
▽急性期、回復期リハビリテーションは医療保険、維持期(生活期)リハビリテーションは介護保険という医療と介護の役割分担
▽「維持期リハビリ」の医療保険から介護保険への移行
脳血管疾患等・運動器リハビリテーションについては、維持期として評価し、診療報酬改定ごとに縮小を検討していく
▽脳血管疾患等・運動器リハビリテーションについて、要介護被保険者は「2014年3月31日までに限る」
要介護被保険者で標準的算定日数を超えており、状態の改善が期待できない場合は、点数を引き下げ
⇒鈴木厚労省医療課長は、「維持期のリハビリテーションを医療(保険)でみるのは原則的には次回の改定までとさせていただく」 
▽介護保険のリハビリテーションに移行後、医療保険の疾患別リハビリテーションを算定できる期間を2カ月間に延長


 介護保険のリハビリ関係の報酬改定はこの要請にこたえる内容そのものである。

「入院医療」関係は在院日数削減と病床機能再編である。。

一部をあげると
▽13対1・15対1病棟の入院基本料
90日超入院患者は、一律に療養病棟入院基本料で算定
90日超入院患者を、出来高算定とするが、平均在院日数の計算対象に追加
▽一般病棟の7対1入院基本料の平均在院日数を短縮
▽亜急性期入院管理料
 脳血管疾患等・運動器リハビリテーションを算定したことのない患者について算定
入院管理料1は、算定日数限度を90日から60日へ短縮
▽金曜入院、月曜日退院が4割超の場合、午前中の退院が9割超の場合、入院基本料を減額
▽地域一般病床(高度急性期から亜急性期まで対応)の創設
 高度急性期・一般急性期に位置付ける「急性期病床群(仮称)の認定制度」を医療法改定で導入。患者の疾病・病態や処置内容などを評価。病棟単位で「認定」し、病床機能分化を誘導

 まさに、入院から在宅・地域へ、医療から介護への オンパレードである。

 介護保険見直しと報酬改定は、「社会保障・税一体改革」と診療報酬改定・医療再編と一緒にとらえない限り、その本質が見えてこない。

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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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