2012/02/25 Sat
私が事務局をさせていただいている「在宅ケアを考える会」の公開学習会(シンポジウム)が開かれた。

在宅ケア看板

 今回のテーマは「どうすれば在宅で尊厳死を迎えられるでしょうか?」。重いテーマだったが、医療関係者、ケアマネジャー、民生委員や家族の方など地域の方が85人参加された。
在宅ケア会場風景

 最初の報告は地域で訪問診療に熱心にとりくみ、多くの終末期の患者さんと向き合ってきた医師から「終末期医療を考える」との報告。
 
在宅で尊厳死が出来るためには、1~6までの条件がそろっていないと、困難です。すなわち
1.本人が希望をする
2.家族が同意する、あるいは認めないと無理です
3.ベッドを確保できるスペースが必要です
4.病気はいつ悪化するかもしれません、何かあった時にすぐに相談が出来る「主治医」がいります
5.尊厳死をよく理解した、ケアマネジャーが是非とも必要です
6.在宅死を望んでいても、状況によっては入院が必要なことがあります。また、気持ちが変わって病院での治療を希望される方もおられます。だからいつでも、入院を受け入れてくれる、バックアップ病院が必要です

 
 そして、「事前指示書」について紹介された。

 事 前 指 示 書 
 私は回復不可能な病気や怪我、認知症の為に意志の疎通が出来なくなった時に私の治療をどうして欲しいのかをこの指示書に記載します。
 自分で判断する事が出来なくなったら、この指示書を尊重してこれに従ってください。緊急の場合には以下の代理人、『かかりつけ医』、に連絡して下さい、この決定に関しては充分に考え、家族、『かかりつけ医』とも相談しました、この決定を私の知らない家族、医師、第三者が勝手に変更しないよう御願いします。
 永続する障害を残す状態になった場合、安楽を目的とし痛みを最小限度にして麻薬を使用して下さい、輸液は安楽を増す範囲で最小限度行ってください。心配蘇生術、レントゲン検査、血液検査、抗生物質の投与は安楽を増す目的以外は使用しなで下さい。基本栄養の食事は口から食べさせてください。経静脈、皮下注射栄養は安楽を増す範囲で最小限度の輸液を行って経管栄養は絶対しないで下さい。 ご協力戴いた方に心からお礼申し上げます。

  
 二人目の報告は、私である。
「わたしの老い支度 エンディングノート の書き方 使い方」についてお話させていただいた。
 → エンディングノート
 「自らが主体的に老いや死に対する心構えや準備の意識を高めてもらう手段の一つ」がエンディングノートである。

元気な時には自分自身が認知症になったり、死を迎えるということは誰しも考えたくないものです。でも大切な家族などのために「自分はこうしたい」「こう生きていきたい」ということを記録しておくことは、最期まで自分らしく生きることにつながるのではないでしょうか。また、このノートへの記録を通して、人とのつながりのなかで生きる自分自身に気づき、これからの生き方を見直すきっかけになることを願っています。
との書き出しで始まるエンディングノートについて、
その内容
「『エンディングノート 私の老い支度~いざという時に、大切な人に伝えたい』■私のプロフィール ■思い出を振り返ろう ■私の過ぎ去りし日々 ■家族や親せきの思い出 ■私の家系図  ■私から大切な人へ ①介護・看病についての私の希望②延命治療・脳死・病名告知等についての私の考え方③葬儀などについての私の希望④私の遺言について ■大切な人へのメッセージ ■財産に関すること ■地域の身近な相談窓口について」
にそって説明させていただいた。

 そして、メイン報告は「家族の看取り体験」。
 昨年10月に自宅でがんの父親を看取った体験を、病名告知の衝撃から、入院時での治療、そして、在宅を決めるまでの葛藤や苦労を家族(息子)の立場からお話いただいた。
 「医療に関する情報を入手することはとても困難なので情報を得る努力が不可欠」「いいと思ったことは迅速に行動することも大切」と教訓も述べられ、「後悔することも多くあるが、家族で一泊旅行もすることができ、自宅で静かな最後を迎えられたのはよかったと思う」と語られた。
 その後、この患者さんのターミナルケアに関わった、医師、ケアマネジャー、訪問看護師がそれぞれの立場で短かったが、精一杯支援をした経過について報告された。

 地域でともにかかわりあい、学びあう関係を発展させてきた「在宅ケアを考える会」を通じたつながりが、ターミナル期を支える「連携」を作りだしたと言える。

 会場からの発言では、自らの「看取り体験」を語られた方も2人おられ、 患者の家族を中心に、かかわった専門職がそれぞれの役割を語るというとても貴重なシンポジウムであった。

 

 
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Category: 社会保障問題
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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