2012/03/14 Wed
 ケアマネ公務災害裁判の傍聴に行った。
 残念なことに 原告は 体調不良により参加できず。

 職場でのいじめと退職強要が原因で発症した「うつ病」。もう何年もたつのに自分の裁判にもこれないほどに悪化するときがある。
 悔しさと憤りで 言葉もでない。

 準備書面の陳述、次回期日の調整と事務的に裁判は進行し、わずかな時間で閉廷。

 この裁判は、堺市の介護保険事業者指導の問題点を象徴するものであり、さまざまな問題を投げかけている。このことが裁判官たちに届いているだろうか。
 
 2006(平成18)年4月~2008(平成20)年3月まで、堺市の健康福祉局福祉推進部事業者指導室(当時)で非常勤職員をしていたケアマネジャーが、途中で「不安抑うつ」症を発症し出勤できなくなったため、「勤務不良」として雇用を打ち切られた。彼女のうつ病は、堺市のイジメと不当な仕事の取り上げ、退職強要(雇い止め通告)により発症したものであり、その責任と原因は業務と堺市にあり公務災害である。
 このことを認めるかどうかがこの裁判の最大に焦点である。

 しかし、他にも当時の堺市の事業者指導にかかわる問題をはらんでいる。

 例えばこのケアマネジャーに対するイジメの発端となった問題が、「ヘルパーの通院介助で、通院通院帰りの買物動向を認めるかどうか」という問題である。

 当時の事業者に対する実地指導の現場で起きたことについて、原告のケアマネジャーの反論書はこう書かれてある。

 平成18年5月24日、昼食時に不適切事例ではないかと検討しました。しかし、このケアプランを作成したケアマネージャーは、いかに利用者が外出しにくい状態であったかを図にして示していました。狭小な玄関、門扉までの急な階段、車椅子では簡単に外出できない支障があるからこそ、敢えて通院という外出の機会に買い物に立ち寄ることをケアプラン上で明記し、位置付けしていました。同じケアマネージャーの資格を持つ私としてもこのケアプランは利用者像が目に浮かぶ素晴らしいものだと感じていました。
 ですが、過去の「通院帰りの買い物は不適切事例として返還を求めてきた」というU氏は譲りません。私が「こんな理由があってきちんとケアプランに位置付けされててもだめなんですか?」と聞いても「こんなん返戻や!今までもそうしてきた!」と聞き入れてくれません。事業者の前でしばし押し問答の様になり、回答を求めて介護保険課のM主幹に電話をしました。電話の最中も「こんなん返戻や!何してるねん!返戻にしてきた言うてるやろ!」と強い口調で何度も言われました。U氏の怒鳴り声は、電話口のM主幹にも聞こえていたと思います。事業者の前でのやりとりでしたから、私はU氏の言葉を無視してM主幹との電話を続けました。結果、「今、結論は出せないから持ち帰りということにしてください」ということになりました。電話が終わった後、このことを事業者に伝えている最中も「何でやねん!」と怒鳴りながら一人職場を放棄して出て行きました。身内内で意見がまとまっていない恥ずかしさを通り越して、事業者の前で一方的に怒鳴られたことを「罵倒」という言葉以外では表現できません。


 ヘルパーの通院・外出介助で、通院帰りの買物同行を 不適切として返還指導するかどうかをめぐっての意見対立が発端である。

 これは、現在は、大阪府の訪問介護Q&Aの全面書き換え により「算定可能」とされ、堺市も2010年2月の通知で、通院帰りの買物は給付対象とした。

※現在の堺市の通院・外出介助の扱い
 「保険者(堺市)の判断」としては、居宅を介した一連のサービス行為と判断できる例として、
次の場合があります。その必要性、合理的理由等を明確にしたうえで、ケアプラン及び訪問介護
計画に位置付けてください。
(1) 「複数の医療機関」への通院介助
(2) 買い物が必要な利用者であって、定期的な通院に連続して買い物を行う場合
(3) 買い物同行や買い物代行が位置付けられている利用者であって、随時の通院に連続して当
該買い物を行う場合(例えば、水曜日に買い物同行が位置付けられている利用者で、通院
日が水曜日となったためその通院帰りに買い物を行う場合や、通院日が火曜日となったた
め水曜日の買い物を火曜日の通院帰りに変更して行う場合など)
上記の(1)~(3)については、居宅外から居宅外(病院⇒病院、病院⇒スーパー等)の身体介護
も含めて算定することができます。」


 しかし、この当時の堺市の事業者指導では、「不適切」とし、強引に返還を指導していた。そしてこれに逆らったケアマネジャーは、後にイジメと不正濡れ衣による解雇通告により、不安抑うつ症にまで追い込まれていった。 このケアマネジャーの ごく良識的な反論さえ押しつぶした当時の事業者指導の在り方が この不幸な事件の背景にある。

 給付適正化に名を借りた 強引なサービス制限と 強引な報酬返還指導。 一方で巨悪な不正に対する あいまいな姿勢が生み出した 市の事業者指導担当組織の異常な実態が ケアマネ公務災害 という 内部的犠牲者を生みだしたと言える。

 この裁判が問いかける内容は 重くそして深いものがある。

 この濡れ衣をはらすことこそ、原告の病気回復の大切な要素だと信じている。私はできうる限りのことをして勝訴を勝ち取りたい。



 
スポンサーサイト
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索