2012/03/25 Sun
 3月24日午後は、愛知県社保協の介護保険学習会。

 ヘルパーやケアマネジャー、社保協加盟の団体の方たちに交じって、車いすの方や杖を手にした方の参加も目立った。

 私は、介護保険改定の背景や狙いとともに、介護報酬改定についてもできるだけ利用者にも分かっていただけるようにお話させていただいた。
 とくに訪問介護の生活援助の時間区分見直し問題では、厚労省の短時間化の狙いを、これまでの運動の力で一定押し込み、「45分しかサービス提供できないというのは誤解」と言い訳するようになったこと。しかし、報酬改定による誘導で、一部の事業者の中に、利用者の意向と無視し、「法改正で45分以上できなくなった」という強引な時間短縮が広がっていることをあげ、行政がきちんと「いままでどおりの時間サービス提供できる」ことを説明することの重要性を指摘した。同時にケアマネジャーやサービス提供責任者が、利用者に必要なサービスを確保するために役割を果たすことの大切さも強調した。

 質疑応答の時間で、真っ先に手をあげて発言された名古屋市の女性。要介護2で一人暮らしとのことでヘルパーの援助を受けながら生活しているとのこと。
 ケアマネジャーが「生活援助の時間は短くなる」との説明をしたので、納得ができず、区役所に電話し、さらに名古屋市に電話、そして厚生労働省まで電話したという。厚労省は「ケアマネジャーと相談してほしい」と言うばかり。

 「お話を聞いて、私が間違っていないことが分かりました。ケアマネジャーには、一緒に手を携えてたたかいましょうと言います」と発言された。
 気丈な発言をされた方だったが、発言の途中で何度も涙ぐまれ「要介護になってから自分で自分のことができなくなり、どうやって生きようか、どうやって死のうかといつも考えている。高齢者を翻弄するような厚労省の仕打ちに本当に生きる気力さえ奪われる」と絶句された。

 学習会が終わってから、以前に私の顔写真の載った赤旗新聞の切り抜きをもってこられ「この新聞にのっている方ですね。今日はお会いできて本当によかったです」と丁寧に頭を下げられた。

 この女性は、これまでヘルパーに、障子のさんを拭いてほしいと言っても「できません」と断られたり、風呂場のカビを落としてほしいと頼んでも「普通の洗剤ではおちないのでできません」と断られるなど なさけない思いをしながら生活してこられたそうである。
 今回の一方的な時簡短縮は、こうした利用者を追い詰め、生きる意欲すら失わせるものである。この女性のように、新聞を読んだりして介護保険を勉強されている人は少数である。

 ケアマネジャーや事業者が、一方的に「法改正で時間短縮が決まりました」などと利用者に宣告して回るのは明らかに間違いである。当の厚労省自身が「これまでどおり60分、90分の生活援助は可能である」とQ&Aで明言せざるを得なくなっているとき、ケアマネジャーやサービス提供責任者は、利用者の生活のために必要なサービスとその時間を確保する努力が求められている。
 そして、それを困難にする今回の介護報酬改定に対しては、まさに「利用者と手を携えて」たたかっていくことである。

 あらゆる面で「利用者本位」を忘れてはならない。そんな一番大切なことを教えていただいた発言であった。
 
スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索