2012/05/04 Fri
 厚労省は、5月1日に「第5期介護保険事業計画の全国集計について」を公表した。

 わずかA4で4頁ほどの「概要」しか公表されていないが、例の新サービス「定期巡回・随時対応型サービス」の普及計画はどうであろうか。

 厚労省は「ポイント」として、「2014年度には、定期巡回・随時対応型サービスともに45都道府県で介護サービス量が見込まれている」と、さぞ普及するような書きぶりをしている。

 しかし、少し数字を見れば、2014年度で定期巡回サービス実施を見込んでいるのは全国で329しかなく、1580保険者の2割そこそこである。3年たっても8割の市町村には定期巡回サービス利用者は1人もいないという見込みである。

 二桁以上の保険者の見込みになっているのは、東京都・大阪府の34をはじめ、茨木県、埼玉県、千葉県、神奈川県の首都圏と愛知県だけである。 
 とくに、宮崎県と沖縄県はゼロ、青森県、栃木県、徳島県はたった1づつ、半数の県は5以下のわずかな数である。

 また、41保険者中34という一見、大きく普及するかに見える大阪府でも、もっとも多い大阪市で2014年度で全市853人/月、堺市では、62人/月、東大阪市にいたっては、第5期期間中に定期巡回サービスか夜間対応型訪問介護を全市で1ヶ所指定で 24人/年 というものである。とても「普及」などとよべる代物ではない。
 厚労省の集計概要の数字でも2014年度で全国1.7万人/日 というわずかな見込みである。

 しかも これらは、自治体の「計画上の見込み数」であり、参入事業者が集まらなければ実際の普及はない。

「地域包括ケアを支える基礎的サービス」と位置づけたこの定期巡回サービスの普及見込みを見ても、厚労省の描いた「地域包括ケア」がいかに「大都市圏中心」の発想で、過疎化・高齢化著しい多くの地方に実態に合っていないか、また、都市部であっても決して、厚労省の期待するようにはいかないことを示していないだろうか。

 47都道府県中45でサービス量が見込まれている、などと詭弁的な説明をする前に、「地域包括ケア」構想を実際の市町村と地域の実情に合わせて根本的に見直す努力をすべきであろう。


 一方、同じく介護保険法「改正」で、盛り込まれた「介護予防・日常生活支援総合事業」はどうであろうか。今回公表の「概要」にはひとことも書かれていない。
 昨年11月に国保中央会が調べた資料では、2012年4月実施は84市町村(5.4%)にすぎなかった。こちらの方は厚労省は、集計結果すら公表せず、「だんまり」のつもりであろうか。

 いずれにせよ、「地域」の「現実」と介護と生活の「現場」を直視せず、一部の御用学者とコンサル業者と官僚が描いた「地域包括ケア」で、日本の介護の将来が決められてはたまらない。
 
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

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2012/05/05 22:03:45(Sat)

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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