2012/06/23 Sat
 私や大阪社保協 福祉介護オンブズネットおおさかに 内部告発を寄せられる方が おられる。

 私のツイッターのプロフィールに
 「現役公務員ですが、行政の不正・怠慢とは断固闘います。介護保険料に怒る一揆の会事務局長、福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長、介護報酬の不正を許さない会代表などをつとめています。内部告発大歓迎です。」

 と書いてあることあり、いろいろな内部告発をいただく。

 しかし、失礼ながら、どこからどうみても 個人的怨恨と個人攻撃のような 告発に値しないようなものもたまにある。

 そこで、内部告発をされるかたに望むことを 書くので ご一読をおねがいしたい。


 内部告発の心構え
①まず「告発に値する内容か」問い直す
 リスクを伴う内部告発を「気軽に」する人はいませんが、一番大切なことは告発したい事実は、内部告発に値する内容なのかどうかを問い直すことです。
 とくに、個人的怨恨が動機となるようなものは告発に値しないものが多いです。内部告発は「事実」の力、とくに「虐待」「不正」など内部の者しか知らない事実を告発することにより、社会の判断を問うものです。誰が被害をこうむっているのか、法令のどこに照らして不正・違反と言えるのか、告発して何をどのように是正させたいのか、このくらいは最低整理するべきです。
 公益と社会正義が内部告発の命です。私心なき、場合によっては自己犠牲をいとわぬ内部告発は必ず人々の共感を呼びます。
②あなた自身は今までどうしてきたのか 
 たとえば不正請求の場合では、内部告発者自身が不正行為をしていた(たとえば書類の偽造、請求事務をやらされていた)としたらどうなるでしょうか?
詐欺幇助に当たる可能性だってあります。それどころか事業者側は「わしは知らなかった。あいつが勝手にやっていたこと」と単独犯の濡れ衣を着せられることだってあります。虐待でも同じことで、「一緒にやっていた」「目の前でされているのにまったく制止もせず、同調していた」のでは、内部告発以前の問題です。まず、不正や不法は自身がやめること、現場でやめさせる努力を可能な範囲でまず行うことです。そうした行動をまったくなしで、退職後に内部告発というのはいかがなものでしょうか。(それでも沈黙を守り通すよりはましですが)
③決心したら最後まで責任をもつ 
 残念ながら、今の日本にはさっと現れて弱きを助け強きをくじく、水戸黄門や遠山の金さんのような存在はありません。「内部告発しよう!」と決心したら結果が出るまでがんばりぬくことです。正しいことであれば時間がかかっても必ず、前進します。「告発しました。あとはお願い」では行政は動きません。また、民間団体も支援のしようがありません。

内部告発にあたって注意すべきこと
① 事実と問題点をわかりやすく整理する

 まず、告発したい事実と問題点をわかりやすく文章化することです。これによって事実経過や問題点が整理できます。さらにこれは部外者、専門外の人が見てもよくわかるようにすればそのまま「告発状」にも活用できます。
② 証拠を記録・保存しよう
 内部告発の命は「事実」です。その証拠になるものは丁寧に記録し、保存するようにします。
③ 法律違反やパソコン無断使用はしない
 内部告発に対して事業者側が報復しようとする場合「名誉毀損」「営業妨害」で逆に告発者を訴えることが多いです。誹謗中傷は禁物です。また、内部告発の準備段階での法律違反に気をつけることです。証拠写真を撮影するカメラは事業所のものを勝手に使わず自ら用意する。パソコンの無断使用は証拠も残り極めて危険です。証拠集めに熱心なあまり、不法侵入・窃盗と言われないよう注意をする必要があります。
④ 行政は動かすもの
 行政に告発する場合は、はじめから信用して氏名も全部しゃべってしまい、資料も全て渡して「あとはお願い」というのも危険です。事業者と行政職員というのは案外距離が近いものです。また、上層部はどこでつながっているかわかりません。反応を見て、本当に調査・善処してくれる約束ができた段階ですべてを提供すべきです。そして、提供したならば、行政が責任持って、速やかに調査・処分するよう粘り強く働きかけるべきです。行政は動かすものです。
⑤ その職場でがんばるのかの決断
 内部告発をすればある程度は関係者は処分を受けたり、改善されたりはします。しかし、事業者が完全に影響力を失うとは考えない方がよいでしょう。内部告発をした人間が同じ職場でがんばり続けるのはかなりの努力が必要です。場合によっては告発する前よりも苦しい立場に追い込まれる場合もあります。正しいことを勇気を持って行った内部告発者が堂々と働き続ける-当たり前のことです。引き続きその職場でがんばって告発の成果を土台に改善へ努力すべきでしょう。しかし、その決断をしても一人では困難です。その場合はぜひ労働組合に加入してその力を背景に事業者側と交渉すること、職場の多数派となることをめざしてはいかがでしょうか。
 第2の判断として、退職して出発という場合もあります。告発の結果、「指定取り消し」となれば、事業所はなくなります。
 いずれにしても職場をどうするかの判断は早めにすべきです。



 内部告発問題について、7年ほど前に お話した時のレジメです。

 2005年9月25日 福祉・介護従事者の内部告発を考える
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2012/06/25 08:21:45(Mon)

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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