2012/06/29 Fri
 お笑い芸人の母親の生活保護受給問題での異常報道が一区切りついたと思いきや、今度は、「公務員の親族が生活保護受給」の異常報道が巻き起こっている。

産経新聞
市職員の親族が生活保護受給「日本人の美徳、希薄に」
2012/06/25
 ■一定収入ある公務員なのに 自治体、襟正していく姿勢を
 大阪府東大阪市の職員約30人の親族が生活保護を受給していたことが発覚し、問題は全国の他の自治体にも波及する恐れが出てきた。扶養に関しては、それぞれの事情もあり、一概には言えないが、生きていけないという家族を誰が助けるべきなのか。お笑い芸人や公務員にとどまらず、受給者の親族に根本的な問いが突きつけられている。
 東大阪市によると、昨年4月現在、一般行政職員(平均42・8歳)の手当を除いた平均給料は約33万円。大卒の採用10年では約27万円、同20年で約34万円。これに時間外などの手当を含めると、10万円前後増えるという。
 この収入で困窮する親族を扶養することは難しいのか。市の関係者は一般論としたうえで、「住宅ローンを抱え、子供が高校や大学に進学する時期だと生活は楽ではない」と指摘。実際、市の生活保護担当者は「改めて個々の事情を調査しなければ、必ず扶養できるとは言い難い」と話す。
 お笑い芸人の母親による受給問題が浮上した後、小宮山洋子厚生労働相は、受給者の親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課すよう、生活保護法の改正を検討する考えを示した。


 まさに、生活保護受給者バッシングと公務員バッシングをミックスさせた新手のキャンペーンである。

 東大阪市にとどまらず、高石市や堺市など 大阪府内各自治体にその「調査」「公表」が行われ、和歌山市も調査を表明し、その動きは全国化する可能性がある。

 高額所得者ならいざしらず、500万円~700万円程度の自治体職員を親兄弟などの「扶養義務」をことさらに問題にする。
 世間一般にある「反公務員感情」を巧みに利用しつつ、生活保護の「扶養」要件をことさら、強調し、感情的な世論の扇動を狙う報道である。
 
 消費税法案と一緒にどさくさで、民主・自民・公明の3党談合で衆議院を通過した「社会保障制度改革推進法案が」が、社会保障の「基本的考え方」を

 自助、共助、公助の最適バランスに留意し、自立を家族、国民相互の助け合いの仕組みを通じて支援する
 という、自己責任と相互扶助を 支援し、国民を「自立」させる という 究極の「自己責任」論と 自民党流の「自立・自助論」を基調としていることと、この公務員バッシング+生保バッシングのミックス報道は無関係ではない。

 売れっ子お笑い芸人の母の生保受給という、「特殊」なケースから、自治体職員の親族という、広範にかつどこでも存在する事例を大々的に報道し、さらに 非正規・リストラにあえぐ 国民からすれば「安定した一定収入」にある 自治体職員が「なぜ 親族を扶養できないのか」と 世論誘導することによって、生活保護の「扶養義務」のハードルを限りなく高くしていく という流れである。

 この公務員+生活保護バッシングの異常報道は、やがては全国民の社会保障の大改悪へと結びついていくことになる。

 この異常報道と、各自治体の「調査・公表」、そして政府厚生労働省の、生活保護制度改悪の連動を断ち切ることが求められている。
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Category: 社会保障問題
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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