2012/07/01 Sun
 2日前のブログで指摘した「生活保護受給者+公務員 のミックスバッシングが、具体的な「一斉扶養義務調査」へと発展しだした。それも 国に先んじて 橋下市長の手で。

毎日新聞 2012年06月30日 大阪朝刊
生活保護:全受給者を対象に扶養義務者の勤務先調査−−橋下・大阪市長表明
 
 大阪市の橋下徹市長は29日、市内の全生活保護受給者約15万3000人を対象に、扶養義務がある親族の勤務先を調査すると表明した。7月から半年程度かける。芸能人や公務員の親族が生活保護を受給するケースが議論になっており、市は扶養義務者の資産状況を把握し、扶養が可能か改めて確認する。【茶谷亮】
 橋下市長は29日の記者会見で、「どういう場合に生活保護がだめだと言えるのか、現場は(線引きに)苦労している。すぐにルールを作れるわけではないが、とりあえず調査したい」と述べた。市は現在、受給申請の際に扶養義務者の年収を尋ねているが、勤務先は把握していなかった。来月上旬から、ケースワーカーが受給者に面談する際などに、所定の用紙に記入を求める。
 民法は、親子や兄弟のほか、特別な事情がある場合は家庭裁判所が3親等までの親族に扶養義務を負わせることができると定めている。橋下市長は「公務員の生活は安定しており、給与も民間に比べれば高い。(親族が受給している場合)なぜサポートできないかと考えるのが市民の率直な感覚だ」と話した。
◇堺市職員22人、親や子ら受給 東大阪も30世帯
堺市によると、同市では市職員22人の親や子などが生活保護を受給。22人のうち4人は仕送りをしていた。仕送りできない理由は、絶縁状態▽受給者の借金返済を肩代わり▽自らの経済状況−−など。竹山修身市長は「長年生き別れになっているなど理由があり違和感はない。再チェックはする」と述べた。
 東大阪市では受給している30世帯に扶養義務のある市職員がいた。多くはローンなどのため「支援できない」と答えたという。【山下貴史、重石岳史】


 お笑い芸人の母親による受給問題をきっかけに小宮山厚生労働相が、「受給者の親族側に扶養が困難な理由を証明する義務」を課すよう、生活保護法の改正を検討する考えを示していたが、これを先取りして大阪市が「一斉調査」をたくらみ、橋下市長は、生活保護受給者の身内に公務員がいないかどうかも調査し、「対処」する構えと伝えられている。

 こうした動きに便乗して、「扶養義務者に扶養困難な理由の証明義務を課す」とか、「福祉事務所が扶養義務者の資産も含めて金融機関調査ができる権限強化」の法改正(制度改悪)が狙われている。

 もしそのような制度改悪がされたらどうなるか。
 生活に困窮して、生活保護の申請に行っても、福祉事務所は、親兄弟すべての資産や収入を調査し、親兄弟は強制的に仕送りを迫られることになる。
 生活に困窮している人は,親族も困窮している場合が多い。さらにさまざまな事情の中で親子・兄弟の縁が疎遠になったり悪化している人が多い。現在でも、「扶養照会」をおそれて保護申請をためらう人が多いのに、扶養が前提条件とされれば,親子・兄弟間での軋轢をおそれて申請を断念する人は飛躍的に増大する。
 福祉事務所の窓口で、生活保護申請者に対して「全親族の扶養できない証明書」をもらってこないと受付できないとして追い返すことになる。福祉事務所では「水際作戦」が当たり前になり、餓死事件も頻発することになる。
 
 この生活保護「親族扶養」問題は、世間受けしやすいように「公務員の身内」を前面に押し出したているが、これは、必ず、生活保護全体におよび、最後のセーフティネットからも多くの国民を締め出す結果になる。

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Category: 社会保障問題
 
 
 
 
 
 
 
 

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2012/07/06 19:53:29(Fri)

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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